特許第6371503号(P6371503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371503
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】ラベル印字装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/30 20060101AFI20180730BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180730BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   B41J5/30 B
   B41J29/38 Z
   B41J21/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-166118(P2013-166118)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-33809(P2015-33809A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大津 馨平
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅継
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−091412(JP,A)
【文献】 特開平02−102077(JP,A)
【文献】 特開2003−072116(JP,A)
【文献】 特開平10−222585(JP,A)
【文献】 特開平07−068853(JP,A)
【文献】 特開2010−017933(JP,A)
【文献】 特開2011−011525(JP,A)
【文献】 特開2011−158998(JP,A)
【文献】 特開2008−269126(JP,A)
【文献】 特開平04−193571(JP,A)
【文献】 特開平05−008491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/30
B41J 21/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙レスラベルに商品情報を印字してラベル片を生成するラベル印字装置であって、
左側に配置される第1サブ罫線枠と、右側に配置される第2サブ罫線枠とに分割されたメイン罫線枠をどの位置で印刷するかを示すフォーマットの画像データに、前記第1サブ罫線枠内に配置される項目に関する項目印字群と、前記第2サブ罫線枠内に配置される前記項目に対応する内容に関する内容印字群と、を前記商品情報として配置して、基本画像を生成する基本画像生成部と、
前記項目印字群の領域高さおよび前記内容印字群の領域高さを把握する把握部と、
前記項目印字群の領域高さおよび前記内容印字群の領域高さを用いて、前記メイン罫線枠の上罫線および下罫線の高さ位置を決定し、前記基本画像から、左右方向における不要な空白部分である罫線のみが存在する部分を削除して、実際に印字される印字画像を生成する印字画像生成部と、
を備え、
前記印字画像生成部は、前記基本画像の画像データの中に同一パターンの画像データを有するラインが繰り返し登場する部分があるか否かの判断結果、前記基本画像の画像データ中の、あるラインと次のラインとの間での排他的論理和の算出結果、及び、前記基本画像の画像データと前記フォーマットの画像データとの間での排他的論理和の算出結果、の少なくとも1つに基づいて、前記基本画像の画像データの中の前記罫線のみが存在する部分を判断する、
ラベル印字装置。
【請求項2】
台紙レスラベルに商品情報を印字してラベル片を生成するラベル印字装置であって、
左側に配置される第1サブ罫線枠と、右側に配置される第2サブ罫線枠とに分割されたメイン罫線枠をどの位置で印刷するかを示すフォーマットの画像データに、前記第1サブ罫線枠内に配置される項目に関する項目印字群と、前記第2サブ罫線枠内に配置される前記項目に対応する内容に関する内容印字群と、を前記商品情報として配置して、基本画像を生成する基本画像生成部と、
前記項目印字群の領域高さおよび前記内容印字群の領域高さを把握する把握部と、
前記項目印字群の領域高さおよび前記内容印字群の領域高さを用いて、前記メイン罫線枠の上罫線および下罫線の高さ位置を決定し、前記基本画像から、左右方向における不要な空白部分である罫線のみが存在する部分を削除して、実際に印字される印字画像を生成する印字画像生成部と、
を備え、
前記印字画像生成部は、前記基本画像の画像データと前記フォーマットの画像データとを用いて、前記基本画像の画像データに印字される部分が見つかった場合に、前記フォーマットの画像データの対応する位置が印刷される部分であるか否かの判定を行うという処理を繰り返し実行し、前記基本画像の画像データの中に、前記罫線に相当する部分以外に印字部分が存在しないラインが存在する場合、そのラインを前記罫線のみが存在する部分と判断する
ベル印字装置。
【請求項3】
前記メイン罫線枠を更に上下に複数段に分割したフォーマットを用い、各段の前記第1サブ罫線枠内および前記第2サブ罫線枠内に、それぞれ、各段別の前記項目印字群および前記内容印字群を印字する請求項1又は2に記載のラベル印字装置であって、
前記印字画像生成部は、各段別に前記項目印字群の領域高さおよび前記内容印字群の領域高さのうち大きい方を選択し、選択した値を合計して合計値を算出し、前記上罫線と前記下罫線の間の高さと、前記合計値とが等しくなるように、前記メイン罫線枠の前記上罫線および前記下罫線の高さ位置を決定する、
ラベル印字装置。
【請求項4】
前記印字画像生成部は、各段の、前記第1サブ罫線枠および前記第2サブ罫線枠に共通のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を更に決定するものであって、
前記印字画像生成部は、各段の前記サブ上罫線と前記サブ下罫線との間の高さが、各段の前記項目印字群の領域高さおよび前記内容印字群の領域高さのうち大きい方と等しくなるように、各段の前記サブ上罫線および前記サブ下罫線の高さ位置を決定する、
請求項1からのいずれか1項に記載のラベル印字装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の名称や原材料を印字したラベルを作成するラベル印字装置が知られている。特に、廃棄物量の削減を目的として、台紙のないラベル(台紙レスラベル)を使用する、台紙レスラベル印字装置が知られている(例えば、特許文献1(特開2002−283633号公報))。
【0003】
台紙レスラベル印字装置を用いてラベルを作成する場合、コスト削減や省資源対応の観点から、作成されるラベル長はできるだけ短いことが望ましい。そのため、無駄な空白スペースが生じないよう、ラベルを貼付する商品別(記載内容別)に、個別のフォーマットが準備されることが望ましい。
【0004】
しかし、多数の商品を扱う場合には、商品別に個別のフォーマットを準備することは困難である場合も多く、実際には、共通フォーマットを利用し、画像データが何も存在しない空白行だけを不要スペースとして自動削除するという対応が採られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ラベル印刷装置において、例えば図12のように、記載項目とその記載項目に対応する内容とを左右に列記し、それを罫線枠で囲ったフォーマットが用いられることがある。このようなフォーマットが用いられる場合、例えば原材料名は、商品によって必要なスペースが異なるため、全ての原材料が表示できるように、図12のように十分な高さHが確保される。
【0006】
図12のようなフォーマットが用いられる場合にも、ラベル長をできるだけ短くするため、罫線内が空白となっている高さH1の部分は削除されることが望ましい。しかし、図12のように、高さH1の部分には画像データが存在する(罫線が存在する)ため、従来この部分を削除することはできず、無駄な空白部分が発生している。
【0007】
本発明の課題は、罫線で縁取りされたラベルを印刷する場合にも、ラベル使用量の抑制を図ることが可能なラベル印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るラベル印字装置は、台紙レスラベルに商品情報を印字してラベル片を生成する装置である。本発明に係るラベル印字装置は、基本画像生成部と、把握部と、印字画像生成部と、を備える。基本画像生成部は、左側に配置される第1サブ罫線枠と、右側に配置される第2サブ罫線枠とに分割されたメイン罫線枠をどの位置で印刷するかを示すフォーマットの画像データに、第1サブ罫線枠内に配置される項目に関する項目印字群と、第2サブ罫線枠内に配置される項目に対応する内容に関する内容印字群と、を商品情報として配置して、基本画像を生成する。把握部は、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さを把握する。印字画像生成部は、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さを用いて、メイン罫線枠の上罫線および下罫線の高さ位置を決定し、基本画像から、左右方向における不要な空白部分である罫線のみが存在する部分を削除して、実際に印字される印字画像を生成する。
【0009】
ここでは、左右に分割されたメイン罫線枠がフォーマットに使用され、左側に配置された第1サブ罫線枠内に項目が、右側に配置された第2サブ罫線枠内にその項目に対応する内容が、それぞれ印字される場合に、メイン罫線枠の上罫線および下罫線の位置が、項目に関する印字群の領域高さと、内容に関する印字群の領域高さと、に基づいて決定される。これにより、罫線で囲まれたフォーマットを用いて台紙レスラベルに印字する場合であっても、罫線の存在にかかわらず不要な空白部分(罫線のみが存在する部分)を削除することができ、台紙レスラベルの使用量の抑制を図ることが可能である。
【0010】
また、本発明に係るラベル印字装置では、項目には原材料名を含むことが望ましい。
【0011】
ここでは、原材料名のように、ラベルの作成対象によって罫線枠内の記載量が変化する場合であっても、罫線の存在にかかわらず不要な空白部分(罫線のみが存在する部分)を削除して商品情報を印字でき、台紙レスラベルの使用量の抑制を図ることができる。
【0012】
また、本発明に係るラベル印字装置は、メイン罫線枠を更に上下に複数段に分割したフォーマットを用いることが望ましい。本発明に係るラベル印字装置は、各段の第1サブ罫線枠内および第2サブ罫線枠内に、それぞれ、各段別の項目印字群および内容印字群を印字することが望ましい。印字画像生成部は、各段別に項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さのうち大きい方を選択し、選択した値を合計して合計値を算出することが望ましい。そして、印字画像生成部は、上罫線と下罫線の間の高さと、算出した合計値とが等しくなるように、メイン罫線枠の上罫線および下罫線の高さ位置を決定することが望ましい。
【0013】
ここでは、メイン罫線枠が複数段に分割されたフォーマットが使用される場合であっても、上罫線および下罫線の高さ位置を適切に決定し、台紙レスラベルの使用量の抑制を図ることが可能である。
【0014】
さらに、本発明に係るラベル印字装置では、印字画像生成部は、各段の、第1サブ罫線枠および第2サブ罫線枠に共通のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を更に決定することが望ましい。印字画像生成部は、各段のサブ上罫線とサブ下罫線との間の高さが、各段の項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さのうち大きい方と等しくなるように、各段のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を決定することが望ましい。
【0015】
ここでは、メイン罫線枠の上罫線および下罫線の高さ位置だけではなく、サブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置も決定されるため、台紙レスラベルの使用量の抑制を図るとともに、ラベルに商品情報を見やすく印字することが可能である。
【0016】
また、本発明に係るラベル印字装置では、印字画像生成部は、基本画像の画像データの中に同一パターンの画像データを有するラインが繰り返し登場する部分があるか否かの判断結果、基本画像の画像データ中の、あるラインと次のラインとの間での排他的論理和の算出結果、及び、基本画像の画像データとフォーマットの画像データとの間での排他的論理和の算出結果、の少なくとも1つに基づいて、基本画像の画像データの中の罫線のみが存在する部分を判断することが好ましい。
【0017】
また、本発明に係るラベル印字装置では、印字画像生成部は、項目印字群及び内容印字群のみの画像データに印字の無いラインが存在する場合に、印字の無いラインを、罫線のみが存在する部分と判断することが好ましい。
【0018】
また、本発明に係るラベル印字装置では、印字画像生成部は、基本画像の画像データとフォーマットの画像データとを用いて、基本画像の画像データに印字される部分が見つかった場合に、フォーマットの画像データの対応する位置が印刷される部分であるか否かの判定を行うという処理を繰り返し実行し、基本画像の画像データの中に、罫線に相当する部分以外に印字部分が存在しないラインが存在する場合、そのラインを罫線のみが存在する部分と判断することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るラベル印字装置では、罫線で囲まれたフォーマットを用いて台紙レスラベルに印字する場合であっても、罫線の存在にかかわらず印字内容から不要な空白部分(罫線のみが存在する部分)を削除することができ、台紙レスラベルの使用量の抑制を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るラベル印字装置を有する包装システムの外観斜視図である。
図2図1に係る包装システムのブロック図である。
図3図1に係るラベル印字装置のラベル発行ユニットの概略図である。
図4図1に係るラベル印字装置により台紙レスラベルに印字される画像の一例(印字画像の一例)である。
図5図2に係るラベル印字装置の制御ユニットの商品マスタ記憶領域に記憶されるテーブルの例を示す図である。
図6図2に係るラベル印字装置の制御ユニットのフォーマット記憶領域に記憶されるフォーマットの例を示す図である。
図7図2に係るラベル印字装置の制御ユニットの基本画像記憶領域に記憶される画像の一例(基本画像の一例)である。
図8図2に係る制御ユニットの把握部による印字群の領域高さの把握処理のフローチャートである。
図9図2に係る制御ユニットの印字画像生成部の印字画像の生成処理のフローチャートである。
図10図1に係るラベル印字装置により台紙レスラベルに印字される画像の一例(印字画像の一例)である。
図11】他の実施例に係るラベル印字装置を有する包装システムのブロック図である。
図12】罫線枠内に空白部分(印字群の存在しない部分)が存在する印字画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るラベル印字装置10について説明する。なお、本実施形態に係るラベル印字装置10は例示であり、以下に記載する内容に限定されるものではない。ラベル印字装置は、発明の趣旨と矛盾しない範囲で、その他の態様も採用可能である。
【0022】
(1)全体構成
図1は、本発明に係るラベル印字装置10を有する包装システム100の外観斜視図である。図2は、包装システム100のブロック図である。
【0023】
包装システム100は、図1または図2に示すように、計量搬入ユニット20、包装ユニット30、およびラベル発行ユニット60を有する。また、包装システム100は、計量搬入ユニット20、包装ユニット30、およびラベル発行ユニット60を制御する制御ユニット80を有する。本実施形態では、主に、ラベル発行ユニット60と、制御ユニット80(制御ユニット80のうち、特にラベル発行ユニット60の制御に関する部分)と、によりラベル印字装置10が構成される。
【0024】
計量搬入ユニット20は、トレー等の容器に入った商品を包装システム100の内部に搬入すると共に、その商品の重量を計量する。計量搬入ユニット20によって計量された商品は、包装ユニット30へと搬送される。
【0025】
包装ユニット30は、トレー等の容器に入れられた商品をフィルムで包装する。包装ユニット30は、図1に示すように、主として、包装材保持部31と、包装ステーション32と、シール部33とを有する。包装材保持部31は、フィルムロールを保持する。包装ステーション32は、フィルムロールから繰り出されるフィルムを商品の下面側に折り込んで、フィルムで商品を包装する。また、包装ステーション32は、包装された商品をシール部33へ送り出す。シール部33は、商品の下面に折り込まれたフィルムに熱シールを施す。
【0026】
ラベル発行ユニット60は、包装ユニット30により包装された商品に貼り付けるためのラベル片LPを発行する。詳細については後述する。
【0027】
(2)詳細構成
以下に、ラベル印字装置10が備える、ラベル発行ユニット60および制御ユニット80について詳細に説明する。
【0028】
(2−1)ラベル発行ユニット
ラベル発行ユニット60は、台紙レスラベルLSに商品情報を印字してラベル片LPを生成する。生成されたラベル片LPは、ラベル発行ユニット60に設けられた発行口OP(図3参照)から発行される。ラベル発行ユニット60の動作は、上述のように、制御ユニット80によって制御される。
【0029】
台紙レスラベルLSは、ラベルロールLRから繰り出される帯状の紙シートである。台紙レスラベルLSの表面は、商品情報が印字される印字面であり、サーマル印字用の感熱発色層を有する。台紙レスラベルLSの裏面は、粘着剤が付された粘着面である。粘着面には台紙が付されていない。
【0030】
以下、図2および図3を参照して、ラベル発行ユニット60の構成を説明する。ラベル発行ユニット60は、主として、ロールホルダー61、サーマルヘッド62、プラテンローラ63、カッター機構64、およびラベル検知センサ65を備える。
【0031】
(2−1−1)ロールホルダー
ロールホルダー61は、ラベルロールLRを回転可能に保持する機構である。ラベルロールLRは、シート状の台紙レスラベルLSが巻き付けられたロールである。ロールホルダー61は、ラベルロールLRが装着される装着部を有する。装着部には、回転軸を含む。装着部の回転軸が回転することにより、ラベルロールLRも回転し、ラベルロールLRから台紙レスラベルLSが繰り出される。なお、台紙レスラベルLSは、表面(印字面)を上側に向けた状態で、開口OPに向かって、下流方向(矢印A参照)に搬送される(図3参照)。
【0032】
(2−1−2)サーマルヘッド
サーマルヘッド62は、ラベルロールLRから繰り出される台紙レスラベルLSの表面に印字する印字部である。サーマルヘッド62は、後述するプラテンローラ63の上方に配置される。サーマルヘッド62は、台紙レスラベルLSの表面の感熱発色層に熱を加えて発色させ、台紙レスラベルLSに商品情報を印字する。サーマルヘッド62には、台紙レスラベルLSの搬送方向に対して垂直に延びるよう複数の微小発熱体が配列されている。サーマルヘッド62は、図3の矢印Aの方向に搬送される台紙レスラベルLSに、図4のような印字画像を下側から順に(矢印D参照)印字する。
【0033】
なお、台紙レスラベルLSに印字される商品情報は、項目印字群と内容印字群とからなる。項目印字群は、項目に関する印字群である。例えば、図4を例に説明すれば、ラベル片LPに印字された“名称”、“原材料名”、“内容量”、“消費期限”、“保存方法”、および“製造者”の文字のそれぞれが、1つの項目印字群である。内容印字群は、項目に対応する内容に関する印字群である。図4を例に説明すれば、ラベル片LPに印字された“豚ロース・・・”、“豚肉・・・”、“200g”、“25.9.30”、“保存温度・・・”、および“滋賀県・・・”の文字のそれぞれが、1つの内容印字群である。
【0034】
(2−1−3)プラテンローラ
プラテンローラ63は、台紙レスラベルLSを搬送するためのローラである。プラテンローラ63が回転駆動されることで、台紙レスラベルLSは、下流方向(図3の矢印A参照)へ送り出される。台紙レスラベルLSの搬送量は、プラテンローラ63の回転量により把握される。
【0035】
プラテンローラ63は、サーマルヘッド62と対向するように、サーマルヘッド62の下方に配置されている。サーマルヘッド62が台紙レスラベルLSに印字する際には、台紙レスラベルLSは、プラテンローラ63とサーマルヘッド62との間に挟み込まれる。プラテンローラ63は、サーマルヘッド62による印字時には、台紙レスラベルLSの支持部としても機能する。
【0036】
(2−1−4)カッター機構
カッター機構64は、ラベルロールLRから連続的に繰り出される台紙レスラベルLSから、サーマルヘッド62により商品情報が印字された部分を切り離す。つまり、カッター機構64は、台紙レスラベルLSからラベル片LPを切り離す。
【0037】
カッター機構64は、台紙レスラベルLSの搬送経路において、発行口OPの上流側に配置される。また、カッター機構64は、台紙レスラベルLSの搬送経路において、サーマルヘッド62およびプラテンローラ63の下流側に配置される。
【0038】
カッター機構64は、台紙レスラベルLSに対して上方(台紙レスラベルLSの表面側)に配置された移動カッター64aと、台紙レスラベルLSに対して下方(台紙レスラベルLSの裏面側)に配置された固定カッター64bと、を含む。移動カッター64aは、図示しないアクチュエータによって、固定カッター64bに近づくように、または、固定カッター64bから遠ざかるように、上下方向に駆動される。移動カッター64aが下方に駆動されると、移動カッター64aと固定カッター64bとの間に台紙レスラベルLSが挟み込まれ、台紙レスラベルLSからラベル片LPが切り離される。なお、カッター機構64によって台紙レスラベルLSから切り離されたラベル片LPは、発行口OPから発行され、包装ユニット30により包装された商品に貼り付けられる。
【0039】
(2−1−5)ラベル検知センサ
ラベル検知センサ65は、光電センサである。ラベル検知センサ65は、下流方向に搬送される台紙レスラベルLSに光を照射し、台紙レスラベルLSが反射する光を受光することで、台紙レスラベルLSの有無を確認する。
【0040】
(2−2)制御ユニット
制御ユニット80は、包装システム100の有する各構成と接続され、各構成との間で信号の送受信を行う。制御ユニット80は、上述したように、計量搬入ユニット20、包装ユニット30、およびラベル発行ユニット60を制御する。
【0041】
制御ユニット80は、図2に示すように、主として、タッチパネル81と、操作盤82と、記憶部83と、制御部84とを有する。
【0042】
(2−2−1)タッチパネル
タッチパネル81は、表示部および入力部として機能する液晶ディスプレイである。タッチパネル81には、包装システム100に関する各種情報が表示される。例えば、タッチパネル81には、包装システム100で現在包装が行われている商品に関する情報が表示される。また、タッチパネル81には、ユーザが各種情報や各種指令の入力に用いるための操作画面が表示される。
【0043】
(2−2−2)操作盤
操作盤82は、各種スイッチを有し、ユーザから、各種情報や各種指令を受け付ける入力部として機能する。
【0044】
(2−2−3)記憶部
記憶部83は、ROM,RAM,ハードディスク等から構成されている。記憶部83は、包装システム100の制御に必要な各種プログラムおよび各種情報を記憶する。
【0045】
また、記憶部83は、台紙ラベルLSに商品情報を印字する際に必要な各種情報を記憶する。具体的には、記憶部83は、台紙ラベルLSに商品情報を印字する際に必要な情報を記憶する記憶領域として、項目記憶領域83aと、商品マスタ記憶領域83bと、フォーマット記憶領域83cと、印字位置記憶領域83dと、基本画像記憶領域83eと、印字画像記憶領域83fと、を主に有する。
【0046】
(2−2−3−1)項目記憶領域
項目記憶領域83aには、台紙ラベルLSに印字される項目印字群の文字列が記憶される。例えば、項目記憶領域83aには、図4で項目印字群として印字されている“名称”、“原材料名”、“内容量”、“消費期限”、“保存方法”、および“製造者”といった文字列が記憶される。
【0047】
(2−2−3−2)商品マスタ記憶領域
商品マスタ記憶領域83bには、包装システム100で包装される各商品別に、項目記憶領域83aに記憶されている項目(ここでは、名称、原材料名、内容量、消費期限、保存方法、および製造者)について、その項目に対応する内容の文字列が記憶される(図5参照)。言い換えれば、商品マスタ記憶領域83bには、台紙ラベルLSに印字される内容印字群の文字列が記憶される。例えば、商品マスタ記憶領域83bには、図4で内容印字群として印字されている“豚ロース・・・”、“豚肉・・・”、“200g”、“25.9.30”、“保存温度・・・”、および“滋賀県・・・” といった文字列が記憶される(図5参照)。商品マスタ記憶領域83bに記憶される内容は、外部から入力される情報(例えば、タッチパネル81または操作盤82から入力された情報や、計量搬入ユニット20から送信されてくる情報)を基に、商品別に生成され、商品別に商品マスタ記憶領域83bに記憶される。
【0048】
(2−2−3−3)フォーマット記憶領域
フォーマット記憶領域83cには、台紙レスラベルLSに商品情報を印字する際に使用されるフォーマットが記憶されている。フォーマット記憶領域83cには、例えば、図6に示すような罫線枠に関する情報が記憶されている。
【0049】
以下に、図6を用いて、フォーマットについて説明する。フォーマットに含まれる罫線枠には、図6のように、メイン罫線枠MFと、サブ罫線枠群SFとがある。メイン罫線枠MFは、最外に配置された罫線枠で、外枠を構成する。サブ罫線枠群SFは、メイン罫線枠MFを分割することで形成されている。サブ罫線枠群SFは、メイン罫線枠MF内の左側に配置される項目印字用サブ罫線枠群SF1と、メイン罫線枠MF内の右側に配置される内容印字用サブ罫線枠群SF2とを有する。
【0050】
さらに、メイン罫線枠MFは、上下に複数段に、特に本実施形態では6段に分割されている。言い換えれば、項目印字用サブ罫線枠群SF1および内容印字用サブ罫線枠群SF2は、それぞれ上下に6段に分割されている。項目印字用サブ罫線枠群SF1は、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6から構成される(図6参照)。内容印字用サブ罫線枠群SF2は、内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6から構成される(図6参照)。なお、項目印字用サブ罫線枠群SF1および内容印字用サブ罫線枠群SF2は、図6のように、上下方向に同じ位置で6段に分割されている。
【0051】
フォーマット記憶領域83cには、罫線枠に関するフォーマットとして、メイン罫線枠MFおよび各サブ罫線枠SFを構成する罫線の位置に関する情報が記憶されている。具体的には、フォーマット記憶領域83cには、メイン罫線枠MFの、左右に配置される罫線の横方向の位置、上下に配置される罫線の縦方向(高さ方向)の位置が記憶されている。言い換えれば、フォーマット記憶領域83cには、メイン罫線枠MFの左右の幅に関する情報、上下の高さに関する情報が記憶されている。また、フォーマット記憶領域83cには、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6および内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6のそれぞれについて、左右に配置される罫線の横方向の位置、上下に配置される罫線の縦方向(高さ方向)の位置が記憶されている。言い換えれば、フォーマット記憶領域83cには、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6および内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6のそれぞれについて、左右の幅に関する情報および上下の高さに関する情報が記憶されている。なお、項目印字用サブ罫線枠群SF1および内容印字用サブ罫線枠群SF2は、上記のように上下方向に同じ位置で分割されている。そのため、フォーマット記憶領域83cには、同一段の、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6および内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6の上下の罫線の位置情報として同じ情報が記憶されている。
【0052】
なお、ここでは、説明上、フォーマット記憶領域83cに記憶されているフォーマット(罫線枠)を図6のように視覚的に表したが、フォーマット記憶領域83cには、図6に示すような罫線枠を印字するための画像データが実際には記憶されている。フォーマットの画像データは、フォーマットを印字するために、どの位置で印字を行うかを示すバイナリデータであり、罫線が印字される部分は“1”で、罫線が印字されない部分は“0”で表現されている。
【0053】
(2−2−3−4)印字位置記憶領域
印字位置記憶領域83dには、各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6内にどの印字群を配置するかが記憶される。具体的には、印字位置記憶領域83dには、項目記憶領域83aに記憶された各項目が、どの項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6内に配置されるかが記憶される。また、印字位置記憶領域83dには、各内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6内に、項目記憶領域83aに記憶された各項目のうち、どの項目に対応する内容が配置されるかが記憶される。
【0054】
例えば、印字位置記憶領域83dには、各項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6内に、名称、原材料名、内容量、消費期限、保存方法、および製造者という項目が、印字群としてそれぞれ配置されることが記憶される。また、印字位置記憶領域83dには、各内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6内に、名称、原材料名、内容量、消費期限、保存方法、および製造者に対応する内容が、印字群としてそれぞれ配置されることが記憶される。
【0055】
(2−2−3−5)基本画像記憶領域
基本画像記憶領域83eには、フォーマット記憶領域83cに記憶されたフォーマットの各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6に、印字されるべき印字群が配置された基本画像(図7参照)が、包装システム100で取り扱われる個別の商品毎に記憶される。つまり、基本画像記憶領域83eには、各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6に、印字位置記憶領域83dに記憶された情報に応じて適切な項目印字群および内容印字群が配置された基本画像が、包装システム100で取り扱われる個別の商品毎に記憶される。基本画像は、後述する印字画像を生成するために用いられる画像であり、実際に台紙レスラベルLSに印字される画像とは異なる。
【0056】
なお、ここでは、説明上、基本画像記憶領域83eに記憶されている情報を、図7のような基本画像として視覚的に表しているが、実際には、基本画像記憶領域83eには、図7に示すような基本画像を印字するための画像データが記憶されている。
【0057】
(2−2−3−6)印字画像記憶領域
印字画像記憶領域83fには、基本画像記憶領域83eに記憶された基本画像を基に生成された、台紙レスラベルLSに実際に印字される印字画像が、包装システム100で取り扱われる個別の商品毎に記憶される。例えば、印字画像記憶領域83fには、図4のような印字画像が、包装システム100で取り扱われる個別の商品毎に記憶される。印字画像が、基本画像を基にどのように生成されるかについては後述する。
【0058】
なお、ここでは、説明上、基本画像記憶領域83eに記憶されている情報を、図4のような印字画像として視覚的に表しているが、実際には、基本画像記憶領域83eには、図4に示すような印字画像を印字するための画像データが記憶されている。
【0059】
(2−2−4)制御部
制御部84は、主として、CPUから構成されている。制御部84は、記憶部83に記憶されている各種プログラムを読み出して実行する。
【0060】
例えば、制御部84は、計量搬入ユニット20を制御することで、トレー等の容器に入った商品を包装システム100の内部に搬入すると共に、その商品の重量を計量し、包装ユニット30へと搬送する。また、制御部84は、包装ユニット30を制御することで、トレー等の容器に入れられた商品をフィルムで包装する。また、制御部84は、ラベル発行ユニット60を制御することで、包装された商品別に生成された印字画像(印字画像記憶領域83fに記憶された印字画像)を台紙レスラベルLSに印字し、ラベル片LPとして発行する。
【0061】
ここでは、制御部84の機能のうち、特に、台紙レスラベルLSに印字するための画像を生成する機能について説明する。制御部84は、台紙レスラベルLSに印字する画像を生成する機能に関連して、主として、把握部84a、基本画像生成部84b、および印字画像生成部84cを機能部として有する(図2参照)。
【0062】
(2−2−4−1)把握部
把握部84aは、各項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6内に配置される項目印字群の領域高さと、各内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6内に配置される内容印字群の領域高さとを、包装システム100で取り扱われる個別の商品毎に把握する。なお、項目印字群の領域高さ、および、内容印字群の領域高さとは、各サブ罫線枠SF1―1〜6,SF2−1〜6に、対応する印字群がそれぞれ配置されたときの、その印字群の縦方向の幅(上下方向の高さ)である。なお、各印字群の領域高さには、実際に文字(記号等も含む)が印字される部分の高さだけではなく、印字された文字と文字、あるいは、印字された文字と罫線とが重なることなく読みやすく配置されるために必要なスペースの高さも含まれる。例えば、図4のような画像が台紙レスラベルLSに印字される場合、“原材料名”という項目印字群の領域高さはB1で表される。また、原材料名に対応する内容に関する内容印字群(“豚肉・・・”)の領域高さはB2で表される。
【0063】
把握部84aによる、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さの把握のための処理については後述する。
【0064】
(2−2−4−2)基本画像生成部
基本画像生成部84bは、包装システム100で取り扱われる個別の商品毎に、その商品に関する各印字群を、フォーマット記憶領域83cに記憶されたフォーマットに配置した場合の基本画像を生成し、基本画像記憶領域83eに記憶する。基本画像生成部84bは、以下のようにして基本画像を生成する。
【0065】
基本画像生成部84bは、基本画像を生成する際に、フォーマット記憶領域83cから、フォーマット(罫線枠)を読み出す。さらに、基本画像生成部84bは、項目記憶領域83a、商品マスタ記憶領域83b、および印字位置記憶領域83dを参照して、ある商品について、フォーマットの各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6に配置されるべき印字群を配置した基本画像を生成する。
【0066】
なお、実際に基本画像生成部84bにより生成されるのは、基本画像の画像データである。基本画像の画像データは、基本画像を印字するために、どの位置で印字を行うかを示すバイナリデータであり、罫線または印字群が印字される部分は“1”で、罫線および印字群が印字されない部分は“0”で表現されている。
【0067】
(2−2−4−3)印字画像生成部
印字画像生成部84cは、上下罫線位置決定部の一例である。
【0068】
印字画像生成部84cは、基本画像記憶領域83eに記憶された基本画像(図7参照)と、把握部84aに把握された各項目印字群の領域高さおよび各内容印字群の領域高さと、を用いて、ある商品の商品情報を台紙レスラベルLSに実際に印字する際に用いられる印字画像(図4参照)を生成する。
【0069】
具体的には、印字画像生成部84cは、各項目印字群の領域高さおよび各内容印字群の領域高さを基に、印字画像のメイン罫線枠MLの上下の罫線の高さ位置を決定する。また、印字画像生成部84cは、各項目印字群の領域高さおよび各内容印字群の領域高さを基に、印字画像の各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6の上下に配置される罫線(以下、サブ上罫線およびサブ下罫線と呼ぶ)の高さ位置を決定する。さらに、印字画像生成部84cは、メイン罫線枠MLの上下の罫線の高さ位置、および、各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6の、サブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置に応じて、各印字群の印字位置を決定する。印字画像生成部84cにより実行される具体的な処理については後述する。
【0070】
なお、実際に印字画像生成部84cにより生成されるのは、印字画像の画像データである。印字画像の画像データは、印字画像を印字するために、どの位置で印字を行うかを示すバイナリデータであり、罫線または印字群が印字される部分は“1”で、罫線および印字群が印字されない部分は“0”で表現されている。
【0071】
(3)制御ユニットの制御部による印字画像の生成に関する処理
(3−1)把握部による印字群の領域高さの把握処理
把握部84aによる、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さの把握処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。把握部84aは、フォーマット記憶領域83cに記憶されるフォーマットに、ある商品の商品情報を印字する場合について、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さを把握する。
【0072】
以下に、把握部84aにより実行される、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さの把握処理について説明する。
【0073】
まず、ステップS101では、把握部84aは、ある商品について、基本画像記憶領域83eから基本画像を読み出す。その後、ステップS102に進む。
【0074】
ステップS102では、把握部84aは、各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6内に配置される、各印字群の領域高さを把握する。具体例を挙げて説明する。
【0075】
例えば、ある印字群が35文字からなり、その印字群が印字されるサブ罫線枠(サブ罫線枠SF1−1〜6およびSF2−1〜6のいずれか)の幅が、10文字分に相当する幅であったとする。この場合、把握部84aは、印字群の文字高さの4倍と、印字される文字と文字、あるいは、印字される文字と罫線とが重なることなく読みやすく配置するために必要なスペースと、を加算することで、印字群の領域高さを把握する。なお、印字される文字と文字、あるいは、印字される文字と罫線とが重なることなく読みやすく配置するために必要なスペースについては、記憶部83にデフォルト値が予め記憶されている。ただし、これに限定されるものではなく、必要なスペースに関する数値は、タッチパネル81または操作盤82から入力可能に構成されてもよい。
【0076】
(3−2)印字画像生成部による印字画像の生成処理
印字画像生成部84cによる、ある商品の商品情報を印字する際に実際に印字される印字画像(例えば、図4および図10参照)の生成処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0077】
印字画像生成部84cは、まず、把握部84aが把握した各印字群の領域高さを用いて、各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6の、サブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を決定する。なお、フォーマットの中で同じ段に位置する、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6と、内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6とは(例えば、1段目の、項目印字用サブ罫線枠SF1−1と内容印字用サブ罫線枠SF2−1とは)、サブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置が共通する(図4参照)。そのため、同じ段に位置する、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6のサブ上罫線と、内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6のサブ上罫線とは、一直線上に配される。また、同じ段に位置する、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6のサブ下罫線と、内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6のサブ下罫線とは、一直線上に配される。
【0078】
印字画像生成部84cは、各サブ罫線枠SF1−1〜6,SF2−1〜6の、サブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を決定するため、ステップS201で、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6に配置される項目印字群の領域高さと、内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6に配置される内容印字群の領域高さとを、各段別に比較する。そして、印字画像生成部84cは、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さのうち、大きい方の値を各段別に選択する。
【0079】
次に、ステップS202では、印字画像生成部84cは、ステップS201で選択された値を用いて、印字画像における、各段のサブ上罫線とサブ下罫線との間の高さを決定する。具体的には、印字画像生成部84cは、ステップS201で選択された各段別の値と、各段のサブ上罫線とサブ下罫線との間の高さとが等しくなるように、各段のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を決定する。
【0080】
例えば、図4の2段目のように、内容印字群の領域高さB2が、項目印字群の領域高さB1より大きい場合には、サブ上罫線とサブ下罫線との間の高さが、内容印字群の領域高さB2と等しくなるように、サブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置が決定される。また、例えば、図10の2段目のように、項目印字群の領域高さC1が、内容印字群の領域高さC2より大きい場合には、サブ上罫線とサブ下罫線との間の高さが、項目印字群の領域高さC1と等しくなるように、サブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置が決定される。
【0081】
なお、ステップS202では、印字画像生成部84cは、印字画像における各段のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を、1段目から順に(印字画像の上側から順に)決定する。印字画像生成部84cは、ある段のサブ上罫線およびサブ下罫線の間の高さを、フォーマット記憶領域83cに記憶されたフォーマットから変更する場合には、その段の、項目印字用サブ罫線枠SF1−1〜6と内容印字用サブ罫線枠SF2−1〜6とを隔てる縦罫線の長さを変更する。また、印字画像生成部84cは、ある段のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を変更した場合には、必要に応じて、印字群の高さ位置や、他の段のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を変更する。
【0082】
例えば、印字画像生成部84cが、図7のような基本画像に対し、2段目のサブ下罫線の高さ位置を上方に移動させた場合(項目印字用サブ罫線枠SF1−2および内容印字用サブ罫線枠SF2−2に共通のサブ下罫線の高さ位置を上方に移動させた場合)、3段目以降のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置も、2段目のサブ下罫線を移動させた距離と同じ距離だけ上方に移動させる(図4参照)。また、印字画像生成部84cは、図7のような基本画像に対し、2段目のサブ下罫線の高さ位置を上方に移動させた場合、2段目の項目印字用サブ罫線枠SF1−2および内容印字用サブ罫線枠SF2−2を隔てる上下に伸びる縦罫線の長さを、2段目のサブ下罫線を情報に移動させた距離だけ短くする(図4参照)。また、印字画像生成部84cは、図7のような基本画像に対し、2段目のサブ下罫線の高さ位置を上方に移動させた場合、3段目以降のサブ罫線枠SF1−3〜6,SF2−3〜6内の印字群の高さ位置を、2段目のサブ下罫線を移動させた距離と同じ距離だけ上方に移動させる(図4参照)。
【0083】
さらに、印字画像生成部84cは、ステップS203およびステップS204で、印字画像のメイン罫線枠MFの、上罫線および下罫線の高さ位置を決定する。
【0084】
まず、ステップS203では、印字画像生成部84cは、ステップS201で各段別に選択された、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さのうち大きい方の値を全て合計する。その後、ステップS204に進む。
【0085】
ステップS204では、印字画像生成部84cは、ステップS203で選択された合計値を、メイン罫線枠MFの上罫線と下罫線との間の高さとして決定する。つまり、印字画像生成部84cは、ステップS203で算出された合計値と、メイン罫線枠MFの上罫線と下罫線との間の高さとが等しくなるように、メイン罫線枠MFの上罫線と下罫線との高さ位置を決定する。その後ステップS205に進む。
【0086】
ステップS205では、印字画像生成部84cは、ステップS204で決定したメイン罫線枠MFの上罫線と下罫線との高さ位置を用いて、メイン罫線枠MFの左右の縦罫線の長さが、メイン罫線枠MFの上罫線と下罫線との間の距離に等しくなるように、左右の縦罫線の長さを調整する。
【0087】
このようにして、印字画像が生成される。生成された印字画像は、印字画像記憶領域83fに記憶される。
【0088】
なお、印字画像生成部84cが、基本画像を基に印字画像を生成する際に、印字画像中のメイン罫線枠MFの上下の罫線の間の高さが、基本画像中のメイン罫線枠MFの上下の罫線の間の高さよりも大きくなることはない。また、印字画像生成部84cが、基本画像を基に印字画像を生成する際に、印字画像中の各サブ罫線枠SF1―1〜6,SF2−1〜6のサブ上罫線とサブ下罫線との間の高さが、基本画像中の、対応するサブ罫線枠SF1―1〜6,SF2−1〜6のサブ上罫線とサブ下罫線との間の高さよりも大きくなることはない。フォーマット記憶領域83cに記憶されるフォーマットの、メイン罫線枠MFおよびサブ罫線枠SF1―1〜6,SF2−1〜6のサイズは、包装システム100が取り扱う全ての商品について、項目印字群および内容印字群が、対応するサブ罫線枠SF1―1〜6,SF2−1〜6に収まるように決定されている。
【0089】
(4)特徴
(4−1)
本実施形態に係るラベル印字装置10は、台紙レスラベルLSに所定の商品情報を印字してラベル片LPを生成する装置である。本実施形態に係るラベル印字装置10は、左側に配置される項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6と、右側に配置される内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6とに分割されたメイン罫線枠MFをフォーマットに用いる。本実施形態に係るラベル印字装置10は、項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6内に配置される項目に関する項目印字群と、内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6内に配置される項目に対応する内容に関する内容印字群とを、商品情報として印字する。本実施形態に係るラベル印字装置10は、把握部84aと、上下罫線位置決定部の一例としての印字画像生成部84cと、を備える。把握部84aは、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さを把握する。印字画像生成部84cは、項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さを用いて、メイン罫線枠MFの上罫線および下罫線の高さ位置を決定する。
【0090】
ここでは、左右に分割されたメイン罫線枠MFがフォーマットに使用され、左側に配置された項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6内に項目が、右側に配置された内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6内にその項目に対応する内容が、それぞれ印字される場合に、メイン罫線枠MFの上罫線および下罫線の位置が、項目に関する印字群の領域高さと、内容に関する印字群の領域高さと、に基づいて決定される。これにより、罫線で囲まれたフォーマットを用いて台紙レスラベルLSに印字する場合であっても、罫線の存在に関わらず不要な空白部分(罫線のみが存在する部分)を削除することができ、台紙レスラベルLSの使用量の抑制を図ることが可能である。
【0091】
(4−2)
本実施形態に係るラベル印字装置10では、項目には原材料名を含む。
【0092】
ここでは、原材料名のように、ラベル片LPの作成対象の商品によって内容印字用サブ罫線枠内の記載量が変化する場合であっても、罫線の存在にかかわらず不要な空白部分(罫線のみが存在する部分)を削除して商品情報を印字でき、台紙レスラベルLSの使用量の抑制を図ることができる。
【0093】
(4−3)
本実施形態に係るラベル印字装置10では、メイン罫線枠MFが上下に複数段に分割したフォーマットが用いられる。本実施形態に係るラベル印字装置10は、各段の項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6内および内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6内に、それぞれ、各段別の項目印字群および内容印字群を印字する。印字画像生成部84cは、各段別に項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さのうち大きい方を選択し、選択した値を合計して合計値を算出する。そして、印字画像生成部84cは、上罫線と下罫線の間の高さと、算出した合計値とが等しくなるように、メイン罫線枠MFの上罫線および下罫線の高さ位置を決定する。
【0094】
ここでは、メイン罫線枠MFが複数段に分割されたフォーマットが使用される場合であっても、上罫線および下罫線の高さ位置を適切に決定し、台紙レスラベルLSの使用量の抑制を図ることが可能である。
【0095】
(4−4)
本実施形態に係るラベル印字装置10では、印字画像生成部84cは、各段の、項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6および内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6に共通のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を決定する。印字画像生成部84cは、各段のサブ上罫線とサブ下罫線との間の高さが、各段の項目印字群の領域高さおよび内容印字群の領域高さのうち大きい方と等しくなるように、各段のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を決定する。
【0096】
ここでは、メイン罫線枠MFの上罫線および下罫線の高さ位置だけではなく、項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6および内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置も決定されるため、台紙レスラベルLSの使用量の抑制を図るとともに、ラベル片LPに商品情報を見やすく印字することが可能である。
【0097】
(5)変形例
以下に本実施形態の変形例について説明する。なお、矛盾しない範囲で、複数の変形例が組み合わされてもよい。
【0098】
(5−1)変形例A
上記実施形態に係るラベル印字装置10では、商品情報を印字する際に、メイン罫線枠MFが左右に分割され、更に6段に分割されたフォーマットが用いられるが、これに限定されるものではない。例えば、ラベル印字装置10は、商品情報を印字する際に、メイン罫線枠が左右にのみ分割されたフォーマット(1段だけのフォーマット)を用いるものであってもよい。この場合、印字画像の生成処理として、図10におけるステップS201およびステップS202だけが行われてもよい(ただし、この場合には、ステップS201およびステップS202で、メイン罫線枠の上罫線および下罫線の高さ位置が決定される)。また、ラベル印字装置10は、商品情報を印字する際に、メイン罫線枠MFが左右に分割され、更に2〜5段または7段以上に分割されたフォーマットを用いるものであってもよい。
【0099】
(5−2)変形例B
上記実施形態に係るラベル印字装置10では、項目として、名称、原材料名、内容量、消費期限、保存方法、および製造者が使用され、この項目に対応する内容が台紙レスラベルLSに印字されるが、これに限定されるものではない。ラベル印字装置10では、上記の項目に加えて、または、上記の項目に代えて、例えば、加工日、店名、価格などの項目が使用されてもよく、この項目に対応する内容が台紙レスラベルLSに印字されてもよい。
【0100】
(5−3)変形例C
上記実施形態に係るラベル印字装置10は、包装システム100に組み込まれているが、これに限定されるものではなく、ラベル印字装置10が単独で機能する構成であってもよい。
【0101】
(5−4)変形例D
上記実施形態に係るラベル印字装置10では、各商品に対し、個別に印字画像を生成するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、商品によって印字画像が変わらない場合には(同一の商品情報が連続して印字される場合には)、一度生成された印字画像が繰り返し使用されてもよい。
【0102】
(5−5)変形例E
上記実施形態に係るラベル印字装置10では、印字画像生成部84cが、全ての段について、項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6および内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置を決定したが、これに限定されるものではない。例えば、印字画像生成部84cは、項目印字群および内容印字群の領域高さが変化しない段の、項目印字用サブ罫線枠SF1―1〜6および内容印字用サブ罫線枠SF2―1〜6のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置については固定値としてもよい。そして、項目印字群および内容印字群の領域高さが変化しない段のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置は、項目印字群および内容印字群の領域高さが変化する他の段のサブ上罫線およびサブ下罫線の高さ位置の変化に応じて、上下に変化するよう構成されてもよい。
【0103】
(6)他の実施例
上記の実施形態に係るラベル印字装置10に代えて、以下に示すようなラベル印字装置310を用いることで、罫線枠で囲まれた文字列を台紙レスラベルLSに印字する場合であっても、不要な空白部分(罫線のみが存在する部分)を削除することができ、台紙レスラベルLSの使用量の抑制を図ることが可能である。なお、下記のラベル印字装置310は例示であり、発明の趣旨と矛盾しない範囲で、その他の態様も採用可能である。
【0104】
ラベル印字装置310は、包装システム300に組み込まれて使用される。図11は、包装システム300のブロック図である。図11に示された包装システム300の構成のうち、図2の包装システム100と同一の符号を付した部分については同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。ここでは、上記の実施形態のラベル印字装置10からの主な変更部分である制御ユニット380についてのみ説明する。
【0105】
制御ユニット380は、計量搬入ユニット20、包装ユニット30、およびラベル発行ユニット60を制御する。制御ユニット380は、図11に示すように、主として、タッチパネル81と、操作盤82と、記憶部83と、制御部384とを有する。ここでは、上記実施形態の制御ユニット80と相違する、制御部384についてのみ説明する。
【0106】
制御部384は、制御ユニット80の制御部84と、把握部84aおよび印字画像生成部84cを機能部として有しない点と、印字画像生成部384cを機能部として有する点と、が主に異なる。
【0107】
印字画像生成部384cは、図7のような基本画像から、罫線枠内の空白部分(印字群が存在しない部分)を削除することで、図4のような印字画像を生成する。印字画像生成部384cによる印字画像の生成方法について説明する。
【0108】
印字画像生成部384cは、基本画像記憶領域83eに記憶された基本画像の画像データ(バイナリデータ)を用いて印字画像を生成する。印字画像生成部384cは、基本画像記憶領域83eに記憶された基本画像の画像データから、罫線のみしか存在しない部分(図12のH1の部分のように罫線は存在するが、印字群が存在しない部分)を、画像データのライン毎に把握する。
【0109】
なお、ラベル発行ユニット60のサーマルヘッド62は、前述のように、直線状に配列された微小発熱体を有する。サーマルヘッド62は、台紙レスラベルLSがサーマルヘッド62の下方を通過する際に、直線状に配列された微小発熱体のうち、印字させたい部分の微小発熱体だけを発熱させることで、一列分ずつ印字を行っていく。上記の画像データのライン毎とは、この一列分の画像データ毎ということを意味する。
【0110】
基本データの画像データは、印字画像を印字するために、どの位置で印字を行うかを示すバイナリデータであり、罫線または印字群が印字される部分は“1”で、罫線および印字群が印字されない部分は“0”で表現されている。印字画像生成部384cが、画像データをライン毎に把握する時に、全て“0”のビットで構成されているラインを見つけたとする。全て“0”のビットで構成されているラインは、何も印字しないことを意味するため、印字画像生成部384cは、このラインを、商品情報を印字する上で不要なラインと容易に判断することができる。しかし、罫線で縁取りされたラベル片LPを印刷する場合には、あるラインに印字群が存在しなかったとしても、罫線は存在するため、全てのビットが“0”となるラインは基本的には存在せず、罫線枠内の空白部分(印字群が存在しない部分)を認識することが容易ではない。
【0111】
そこで、本実施例では、印字画像生成部384cは、罫線のみしか存在しないラインを見つけるために、基本画像の画像データの中で、同一パターンの画像データを有するラインが繰り返し登場する部分があるか否かを把握する。印字画像生成部384cは、例えば、あるラインの画像データが“00110000”であって、その次のラインの画像データも“00110000”である場合には、同一パターンの画像データを有するラインが繰り返し登場していると判断する。また、例えば、印字画像生成部384cは、あるラインの画像データが“00110000”であって、その次のラインの画像データが“00110100”である場合には、同一パターンの画像データを有するラインが繰り返し登場していないと判断する。
【0112】
そして、画像データの中に、同一パターンの画像データを有するラインが繰り返し登場する部分(つまり、画像が変化していない部分)があった場合には、印字画像生成部384cは、この部分を罫線のみが存在する部分と判断する。そして、罫線のみが存在すると判断したラインの画像データを、基本画像記憶領域83eに記憶された基本画像の画像データから削除する。このような処理を行うことで、印字画像の画像データを生成する。生成された印字画像の画像データは、印字画像記憶領域83fに記憶される。
【0113】
なお、印字画像生成部384cが、罫線のみが存在するラインを把握する方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、印字画像生成部384cは、基本画像の画像データ中のあるラインのバイナリデータと、その次のラインのバイナリデータと、の間で排他論理和をとり、全てのビットが“0”となる場合には、そのラインを罫線のみが存在する部分と判断してもよい。例えば、あるラインの画像データが“00110000”であって、その次のラインの画像データも“00110000”である場合には、排他論理和は“00000000”となるので、印字画像生成部384cは、これらのラインが罫線のみが存在する部分と判断する。また、例えば、あるラインの画像データが“00110000”であって、その次のラインの画像データが“00110100”である場合には、排他論理和は、“00000100”となり、全てのビットがが“0”とはならないので、印字画像生成部384cは、このラインを罫線のみが存在する部分とは判断しない。
【0114】
また、印字画像生成部384cは、次のような方法で罫線のみが存在する部分の把握および削除を行ってもよい。印字画像生成部384cは、罫線枠の中に印字群が配置された基本画像の画像データに加え、罫線枠だけの画像データ(フォーマットの画像データ)を準備し、両画像データの間で排他論理和をとる。その結果、全てのビットが“0”となるラインが存在する場合には、そのラインを罫線のみが存在する部分と判断し、基本画像記憶領域83eに記憶された基本画像の画像データから、そのラインに対応する部分だけを削除してもよい。このような方法を用いることで、基本画像の画像データから、罫線のみが存在する部分だけを削除した、印字画像の画像データを生成することが容易である。
【0115】
また、印字画像生成部384cは、次のような方法で罫線のみが存在する部分の把握および削除を行ってもよい。印字画像生成部384cは、印字群のみの画像データと、罫線枠(フォーマット)だけの画像データと、を準備する。そして、印字画像生成部384cは、印字群のみの画像データについて、全てのビットが“0”となるラインが存在する場合には、そのラインを、印字群のみの画像データと罫線枠だけの画像データとを合成したときに、罫線のみが存在するライン(余白ライン)と判断する。そして、印字画像生成部384cは、印字群のみの画像データと、罫線枠だけの画像データとから、余白ラインに対応する部分の画像データを削除する。そして、印字画像生成部384cは、余白ラインに対応する部分を削除した後の、印字群のみの画像データおよび罫線枠だけの画像データを合成して、最終的な印字画像の画像データとする。このような方法を用いることで、基本画像の画像データから、罫線のみが存在する部分だけを削除し、印字画像の画像データを生成することが容易である。
【0116】
また、印字画像生成部384cは、次のような方法で罫線のみが存在する部分の把握および削除を行ってもよい。印字画像生成部384cは、基本画像の画像データと、罫線枠(フォーマット)だけの画像データを準備する。そして、基本画像記憶領域83eに記憶された画像データの中で“1”のビットが見つかった場合には、罫線枠だけの画像データを参照し、対応する位置に配されるビットが、“1”か“0”かの判定を行う。そして、対応する位置に配されるビットが、“1”の場合には、その部分は罫線であると判定する。これを繰り返し、基本画像記憶領域83eに記憶された画像データの中で、罫線に相当する部分以外に“1”が存在しないラインを発見した場合には、そのラインを罫線のみしか存在しないラインと判断する。そして、そのラインに対応する部分を、基本画像の画像データから削除して、印字画像の画像データを生成する。このような方法を用いることで、基本画像の画像データから、罫線のみが存在する部分だけを削除することが容易である。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明に係るラベル印字装置は、罫線で縁取りされたラベルを印刷する場合にも、ラベル使用量の抑制を図ることが可能なラベル印刷装置として有用である。
【符号の説明】
【0118】
10 ラベル印字装置
84a 把握部
84c 印字画像生成部
MF メイン罫線枠
LS 台紙レスラベル
LP ラベル片
SF1−1〜6 項目印字用サブ罫線枠(第1サブ罫線枠)
SF2−1〜6 内容印字用サブ罫線枠(第2サブ罫線枠)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0119】
【特許文献1】特開2002−283633号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12