【文献】
ID#2175368,Mintel GNPD [online],2013年11月,[retrieved on 2017.10.13],URL,http://www.gnpd.com
【文献】
ID#2194848,Mintel GNPD [online],2013年10月,[retrieved on 2017.10.13],URL,http://www.gnpd.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アルキレンオキシド誘導体(C)が、PPG−14ポリグリセリル−2エーテル、PPG−17ブテス−17、PEG/PPG−150/35コポリマー、及びPPG−25ソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の皮膚外用組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような情況の中、本発明者が耐塩性高分子であるアクリロイルジメチルタウリン又はその塩とビニル系単官能性モノマーとのコポリマーに対し、抗菌・防腐効果を高めるためにアルカンジオールを配合したところ、組成物の粘度が経時的に変化してしまう問題が生じた。また、前記コポリマーにアルカンジオールを配合しても、抗菌・防腐効果が十分に発揮されない事も判明した。そこで本発明は、粘度安定性及び抗菌・防腐効力に優れる皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は前記課題を解決するために鋭意検討した結果、耐塩性高分子及びアルカンジオールを含む皮膚外用組成物に特定のアルキレンオキシド誘導体を配合することによって、前記課題を解決することができることを見出した。
【0007】
すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
<1>(A)耐塩性高分子と、(B)炭素数8以下のアルカンジオールと、(C)下記一般式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体とを含む皮膚外用組成物:
【0008】
【化1】
(式中
nは、1〜10の整数であり;
Zは、水素原子、又は炭素数1〜30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり;
EOは、エチレンオキシド基であり;
POは、プロピレンオキシド基であり;
AOは、炭素数2〜5のアルキレンオキシド基であり;
a,b及びcは、各アルキレンオキシド基の平均付加モル数を示し、独立して0〜200である。但し、a,b及びcの全てが0となることはない。また、nが2以上のとき、複数のa、b、c及びAOはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが3のとき、AOの炭素数は2,3又は5である。Zが水素原子のときは、nは1である。
なお、{ }内において、各アルキレンオキシド基は、ランダム状に付加していてもブロック状に付加していてもよい。)。
【0009】
<2>前記アルキレンオキシド誘導体(C)が、下記一般式(2)で表される化合物である、<1>に記載の皮膚外用組成物:
【0010】
【化2】
(式中
nは、1〜10の整数であり;
Zは、水素原子、又は炭素数1〜30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり;
EOは、エチレンオキシド基であり;
POは、プロピレンオキシド基であり;
a及びbは、各アルキレンオキシド基の平均付加モル数を示し、独立して0〜200である。但し、a及びbの全てが0となることはない。また、nが2以上のとき、複数のa及びbはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Zが水素原子のときは、nは1である。
なお、{ }内において、各アルキレンオキシド基は、ランダム状に付加していてもブロック状に付加していてもよい。)。
【0011】
<3>前記一般式(1)又は(2)において、Zが、水素原子であるか、あるいは、炭素数4〜24のアルキルモノアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アルキルグリコシド、ジグリセリン、キシリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、スクロース、トレハロース又はマルチトールからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基である、<1>又は<2>に記載の皮膚外用組成物。
【0012】
<4>前記一般式(1)又は(2)において、Zが水素原子、炭素数4〜24のアルキルモノアルコールからヒドロキシ基を除去することによって得られる基、ソルビトールから1〜6個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基又はジグリセリンから1〜4個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基である、<1>〜<3>のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【0013】
<5>前記アルキレンオキシド誘導体(C)が、PPG−14ポリグリセリル−2エーテル、PPG−17ブテス−17、PEG/PPG−150/35コポリマー、及びPPG−25ソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、<4>に記載の皮膚外用組成物。
【0014】
<6>前記アルカンジオール(B)が、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール及び1,2−オクタンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<5>のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【0015】
<7>前記耐塩性高分子(A)が、側鎖にジメチルタウリン又はその塩を有するポリマーである、<1>〜<6>のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【0016】
<8>前記耐塩性高分子(A)が、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスコポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25)クロスポリマー、及び(アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である、<7>に記載の皮膚外用組成物。
【発明の効果】
【0017】
本発明の皮膚外用組成物は、耐塩性高分子(A)、及びアルカンジオール(B)を含みつつも、アルキレンオキシド誘導体(C)を含むことで、粘度が経時的に変化してしまうことがなく、使用し易い粘度を維持できる。また、アルキレンオキシド誘導体(C)を含むことで、アルカンジオール(B)の抗菌効果が顕著に向上し、高い抗菌・防腐効力を備えた皮膚外用組成物を提供することができる。さらに、本発明の皮膚外用組成物は、安全性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】
[皮膚外用組成物]
本発明の皮膚外用組成物は、前記の通り、増粘剤としての耐塩性高分子(A)及び抗菌剤としてのアルカンジオール(B)を含みつつも、アルキレンオキシド誘導体(C)を含むことで、粘度が経時的に変化してしまうことがなく、使用し易い粘度を維持できる。このような効果は、皮膚外用組成物が、耐塩性高分子(A)、アルカンジオール(B)及びアルキレンオキシド誘導体(C)の全てを含む場合に最も効果的に発揮されるものである。アルキレンオキシド誘導体(C)を含むことで、アルカンジオール(B)の抗菌効果が顕著に向上し、高い抗菌・防腐効力を備えた皮膚外用組成物を提供することができる。さらに、本発明の皮膚外用組成物は、安全性にも優れる。以下、これら各成分及び本発明の皮膚外用組成物に添加可能な各種のその他の成分等について説明する。
【0020】
<(A)耐塩性高分子>
耐塩性高分子(A)は、本発明の皮膚外用組成物に適切な粘度を付与するために用いられる成分である。この耐塩性高分子(A)は粘度が電解質等の影響を受けにくい。そのため、本発明の皮膚外用組成物は、使用中に適切な粘度を維持できると共に、皮膚外用組成物の調製時においても各種の添加成分を所望に応じて配合することができ、pHなどの各種特性を皮膚への適用に適したものに調整することができる。
【0021】
本発明においては、前記耐塩性高分子(A)として、公知の耐塩性高分子、すなわち電解質の存在下でも組成物の粘度を保つことができる公知の高分子を使用することができる。このような耐塩性高分子(A)は特に制限されるものではないが、本発明の皮膚外用組成物の他の必須成分であるアルカンジオール(B)及びアルキレンオキシド誘導体(C)と共に用いた場合の、皮膚外用組成物の粘度安定性の観点から、側鎖にジメチルタウリン又はその塩を有するポリマーであることが好ましい。
【0022】
前記の側鎖が有するジメチルタウリン又はその塩とは、下記式(3):
【0023】
【化3】
で表される構造の基である。
【0024】
式中、X
+は、カチオンである。また、*は、前記ポリマーの主鎖へ直接的又は間接的に結合する結合手である。
【0025】
前記X
+が示すカチオンとしては、例えば、プロトン、アルカリ金属カチオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。これらのうち、プロトン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオンが好ましく、アンモニウムイオンがより好ましい。なお、前記X
+が示すカチオンがプロトンである場合、耐塩性高分子(A)は、側鎖にジメチルタウリンを有することとなる。
【0026】
このような耐塩性高分子(A)としては、側鎖にジメチルタウリン又はその塩を形成するモノマーのホモポリマー、そのような複数種のモノマーのコポリマー、あるいはそのようなモノマーと側鎖にジメチルタウリン又はその塩を形成しないその他のモノマーとのコポリマーが挙げられる。これらのうち、本発明の皮膚外用組成物の粘度安定性を向上させる観点から、側鎖にジメチルタウリン又はその塩を形成するモノマーと、ビニル系単官能性モノマーとのコポリマーであることがより好ましい。なお、このコポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、側鎖にジメチルタウリン又はその塩を形成するモノマー及びビニル系単官能性モノマーに加えて、さらにその他のモノマーを共重合させたコポリマーであってもよい。
【0027】
前記の側鎖にジメチルタウリン又はその塩を形成するモノマーとしては、(メタ)アクリロイルジメチルタウリン又はその塩が挙げられる。この(メタ)アクリロイルジメチルタウリンの塩としてはナトリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。また、前記(メタ)アクリロイルジメチルタウリン又はその塩の具体例としては、アクリロイルジメチルタウリン、メタクリロイルジメチルタウリン、アクリロイルジメチルタウリンナトリウム及びアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム等が挙げられる。
【0028】
前記ビニル系単官能性モノマーの好適な一例として、下記式(4):
【0029】
【化4】
で表される官能基(ピロリジニル基)を有するビニル系単官能性モノマーを挙げることができる。より具体的には、前記式(4)で表される官能基を有するビニル系単官能性モノマーとしては、N−ビニル−2−ピロリドンが挙げられる。
【0030】
また、ビニル系単官能性モノマーの好適な他の一例として、(メタ)アクリル酸系単官能性モノマー、中でも、メタクリル酸系単官能性モノマーを挙げることができる。とりわけ、下記一般式(5):
【0031】
【化5】
(式中、R
1は、炭素数1〜30のアルキル基であり、rは、1〜50の整数である。)で表されるモノマーが好ましい。
【0032】
前記一般式(5)において、R
1は、炭素数1〜30のアルキル基であれば特に制限されないが、メチル基、エチル基、ステアリル基及びベヘニル基が好ましく、ステアリル基及びベヘニル基がより好ましく、ベヘニル基が特に好ましい。また、rは、1〜50の整数であれば特に制限されないが、1〜40の整数であることが好ましく、1〜30の整数であることがより好ましく、10〜30の整数であることが特に好ましい。
【0033】
以上説明した耐塩性高分子(A)の具体例としては、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスコポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25)クロスポリマー、及び(アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマーが挙げられる。
【0034】
以上説明した耐塩性高分子(A)は、合成によって入手してもよいし、また市販品としても入手してもよい。市販品としては、例えば、Aristoflex AVC(商品名)、Aristoflex HMB(商品名)、Aristoflex HMS(商品名)[いずれも、クラリアントジャパン株式会社製]、SEPINOV EMT 10(商品名)、SIMULGEL NS(商品名)、SIMULGEL FL(商品名)、SEPIPLUS S(商品名)、SEPINOV P88(商品名)[いずれも、SEPPIC社製]等を好適に用いることができる。
【0035】
本発明において耐塩性高分子(A)は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。そして本発明の皮膚外用組成物全体中(100重量%中)における耐塩性高分子(A)の含有量は、粘度安定性の観点から、0.01〜5重量%であり、好ましくは0.05〜4重量%であり、より好ましくは0.1〜3重量%である。
【0036】
<(B)アルカンジオール>
アルカンジオール(B)は、炭素数8以下のアルカンジオールであり、本発明の皮膚外用組成物に優れた抗菌・防腐効力を付与するために用いられる成分である。
【0037】
本発明に用いられる、アルカンジオール(B)は、下記式(6):
【0038】
【化6】
(式中、R
2は、炭素数1〜6のアルキル基である。)
で表される1,2−アルカンジオールであることが好ましい。具体的には、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールが挙げられる。これらのうち、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールがより好ましく、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。尚、本発明においてアルカンジオール(B)は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。そして本発明の皮膚外用組成物全体中(100重量%中)におけるアルカンジオール(B)の含有量は、抗菌・防腐効力の観点から、0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜7重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。なお、アルカンジオールの炭素数が9以上である場合には、皮膚外用組成物の粘度安定性が得られず、さらに後述するアルキレンオキシド誘導体(C)を添加しても、粘度の改善効果は得られなくなる。
【0039】
耐塩性高分子(A)とアルカンジオール(B)の配合比率は、特に制限されるものではないが、一例として、耐塩性高分子(A)1重量部に対して、アルカンジオール(B)が0.001〜50重量部、好ましくは0.005〜20重量部、より好ましくは0.02〜10重量部となる範囲が例示される。
【0040】
<(C)アルキレンオキシド誘導体>
耐塩性高分子(A)及びアルカンジオール(B)は皮膚外用組成物においてそれぞれ汎用されている成分であるが、これらを組み合わせて用いた場合、皮膚外用組成物の粘度が経時的に変化してしまう不都合が生じる。そこで、本発明の皮膚外用組成物においては、前記耐塩性高分子(A)及びアルカンジオール(B)に加えて、特定のアルキレンオキシド誘導体(C)を配合することによって、前記の不都合を解消できると共に、抗菌・防腐効力を顕著に向上させることができる。
当該アルキレンオキシド誘導体(C)は、下記一般式(1)で表される。
【0041】
【化7】
一般式(1)において、nは、1〜10の整数であり;Zは、水素原子、又は炭素数1〜30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり;EOは、エチレンオキシド基であり;POは、プロピレンオキシド基であり;AOは、炭素数2〜5のアルキレンオキシド基であり;a,b及びcは、各アルキレンオキシド基の平均付加モル数を示し、独立して0〜200である。但し、a,b及びcの全てが0となることはない。また、nが2以上のとき、複数のa、b、c及びAOはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが3のとき、AOの炭素数は2,3又は5である。さらにZが水素原子のときは、nは1である。なお、式(1)の{ }内において、各アルキレンオキシド基は、ランダム状に付加していてもブロック状に付加していてもよい。なお、a,b,cは、それぞれが0以外である場合には、それぞれ独立して1〜200であることが好ましく、2〜150であることがより好ましい。
【0042】
前記アルキレンオキシド誘導体(C)は、一般式(1)における右端のOHや、水素原子である場合のZを含むOHが親水性の部分を構成し、炭素数1〜30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基である場合のZ、POやAOが疎水性部分を構成する。そのため、アルキレンオキシド誘導体(C)は両親媒特性を示す。またEOはPOに比べて相対的に親水性であるので、親水性部分として機能する場合がある。アルキレンオキシド誘導体(C)が備えるこのような両親媒特性も、本発明の皮膚外用組成物の粘度安定性を向上させることができる要因のひとつであると思われる。
【0043】
このような両親媒性特性、本発明の皮膚外用組成物の粘度変化を抑制する効果、及び抗菌・防腐効力の観点からは、前記アルキレンオキシド誘導体は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【0045】
式中、n、Z、EO、PO、a及びbは前記一般式(1)について定義した通りであり、一般式(2)の{ }内において、各アルキレンオキシド基は、ランダム状に付加していてもブロック状に付加していてもよい。なお、a及びbの全てが0となることはなく、また、nが2以上のとき、複数のa及びbはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Zが水素原子のときは、nは1である。なお、a,bは、それぞれが0以外である場合には、それぞれ独立して1〜200であることが好ましく、2〜150であることがより好ましい。
【0046】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体(C)は、特定のアルキレングリコールの重合体(Zが水素原子の場合)か、あるいは特定のヒドロキシ化合物(Zに対応)に特定のアルキレンオキシド基(一般式(1)及び(2)におけるZを除く部分に対応)を付加してなる化合物(Zが炭素数1〜30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基である場合)である。
【0047】
前記式(1)及び(2)において、本発明の皮膚外用組成物の粘度変化を抑制する効果及び抗菌・防腐効力の観点からは、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシド基であることが好ましい。また、a,b,cは、それぞれが0以外である場合には、それぞれ独立して1〜200であることが好ましく、2〜150であることがより好ましい。
【0048】
さらに、同様の観点から、Zは水素原子であるか、あるいは、炭素数4〜24のアルキルモノアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アルキルグリコシド、ジグリセリン、キシリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、スクロース、トレハロース又はマルチトールからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基である、すなわちこれらのアルコール化合物に由来する基であることが好ましく、水素原子であるか、あるいは、炭素数4〜24のアルキルモノアルコール、ソルビトール(アルキレンオキシド基が付加され得るヒドロキシ基は6個)又はジグリセリン(アルキレンオキシド基が付加され得るヒドロキシ基は4個)に由来する基であることがより好ましい。
【0049】
このようなアルキレンオキシド誘導体(C)は、公知の方法で合成することができ、また、ユニルーブ50MB−26(PPG−17ブテス−17)、ユニオールHS−1600D(PPG−25ソルビトール)、プロノン#208(PEG/PPG−150/35コポリマー)、ユニオールD−2000(PPG−34)(以上、日油株式会社製);SY−DP14T(PPG−14ポリグリセリル−2エーテル)、SY−DP9(PPG−9ジグリセリル)(以上、阪本薬品工業株式会社製);ニューポールGP−1000(PPG−16グリセリルエーテル)、ニューポールSP−750(PPG−10ソルビトール)、ニューポールPE−68(PEG−160/30コポリマー)、ニューポールPE−78(PEG−150/35コポリマー)(以上、三洋化成株式会社製);エマルゲンPP−290(PEG/PPG−160/30コポリマー、花王株式会社製)等の名称で市販もされている。
【0050】
本発明においてアルキレンオキシド誘導体(C)は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。そして本発明の皮膚外用組成物全体中(100重量%中)におけるアルキレンオキシド誘導体(C)の含有量は、粘度変化抑制効果及び抗菌・防腐効力の観点から、0.01〜15重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは1〜8重量%である。
【0051】
耐塩性高分子(A)とアルキレンオキシド誘導体(C)の配合比率は、特に制限されるものではないが、一例として、耐塩性高分子(A)1重量部に対して、アルキレンオキシド誘導体(C)が0.1〜1000重量部、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは0.1〜50重量部となる範囲が例示される。
【0052】
<その他の成分>
本発明の皮膚外用組成物には、前述した各必須成分に加えて、他の有用な作用を付加するため、紫外線散乱成分、紫外線吸収成分、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、美白成分、抗炎症成分、アルカンジオール(B)以外の抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分、保湿成分、角質柔軟成分、ビタミン類、血行促進成分、皮脂吸着成分等の各種成分を、1種または2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野などにおいて使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。また、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の効能の成分として添加できるものとする。
【0053】
前記紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物や、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸、マイカやタルク等の無機粉体やシリコン油で被覆したものが好ましい。紫外線散乱成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.001〜35重量%、好ましくは約0.1〜25重量%である。
【0054】
前記紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6−トリス[4−(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。紫外線吸収成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.01〜20重量%、好ましくは約0.1〜15重量%である。
【0055】
前記DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロー)に由来する成分;DNA、DNA塩、RNA、RNA塩等の核酸成分が挙げられる。DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分の配合量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して、例えば約0.001〜3重量%、好ましくは約0.01〜1重量%である。動物成分や植物成分を用いる場合の使用量は、エキスなどの抽出物換算で、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して、約0.00001〜0.1重量%、好ましくは約0.0001〜0.01重量%である。
【0056】
前記美白成分としては、例えば、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;トラネキサム酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。更に、美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシコムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲンショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウ及びトウキ由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニン由来成分が挙げられる。これらの植物成分を本発明の皮膚外用組成物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、前記植物成分中に記載の( )内は、その植物の学名、別名または生薬名である。本発明の皮膚外用組成物に以上説明した美白成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。植物エキスを用いる場合の使用量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全体に対して、約0.00001〜20重量%、好ましくは約0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10量%である。
【0057】
前記抗炎症成分としては、例えば、アラントイン、カラミン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはグリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウムなど)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、または酸化亜鉛である。抗炎症成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
【0058】
前記アルカンジオール(B)以外の抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。抗菌成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
【0059】
前記細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。細胞賦活化成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
【0060】
前記収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。収斂成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
【0061】
前記抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。抗酸化成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.00001〜10重量%、好ましくは約0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。
【0062】
前記老化防止成分としては、例えば、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。老化防止成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
【0063】
前記保湿成分としては、例えば、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;グリセリンなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分等が挙げられる。保湿成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.1〜10重量%、好ましくは約0.5〜5重量%である。
【0064】
前記角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコール酸、サリチル酸、リンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。角質柔軟成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して、例えば0.0001〜50重量%、好ましくは約0.001〜50重量%、より好ましくは約0.05〜25重量%である。
【0065】
前記ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、β−トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類;δ−トコフェロール、α−トコフェロール、β−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、δ−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メチル、ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオシチン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、γ−オリザノール等のビタミン様作用因子などが挙げられる。ビタミン類を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して、例えば約0.001〜30重量%、好ましくは約0.1〜25重量%、より好ましくは約0.5〜20重量%である。
【0066】
前記血行促進成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ)に由来する成分;ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジンが挙げられる。血行促進成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは約0.001〜5重量%である。植物由来成分を用いる場合の使用量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全体に対して、約0.00001〜20重量%、好ましくは約0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。
【0067】
前記皮脂吸着成分としては、例えば、タルク、マイカ、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、好ましくは、マイカ、ヒドロキシアパタイト、及び酸化亜鉛であり、特に好ましくはマイカである。皮脂吸着成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.001〜35重量%、好ましくは約0.1〜25重量%である。
【0068】
また本発明の皮膚外用組成物には、前記各成分に加えてその用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、又は化粧品などの分野に通常使用される成分を適宜配合してもよい。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、界面活性剤、耐塩性高分子(A)以外の増粘剤、酸化防止剤、保存剤、アルカンジオール(B)以外の防腐剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、着色剤、分散剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。またこれらの使用量は、従来公知の範囲から本発明の効果を損なわない範囲で、適宜決定することができる。さらに、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の機能の成分として添加できるものとする。
【0069】
前記基剤又は担体としては、水などの水系基剤;流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油のようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリンなどの多価アルコール;などが挙げられる。好ましくは、水系基剤であり、より好ましくは水である。本発明の皮膚外用組成物が水を含有する場合、その配合量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全体に対して例えば約30〜98重量%、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは60〜98重量%である。
【0070】
前記界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル等の各種非イオン界面活性剤:あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。
【0071】
前記耐塩性高分子(A)以外の増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グアーガム、スクレロチウムガム、タマリンドガム、キサンタンガム、デキストラン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が挙げられる。中でも、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトが好ましい。
【0072】
前記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
【0073】
前記保存剤又はアルカンジオール(B)以外の防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸およびその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、メチルイソチアゾリノン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルなどが挙げられる。
【0074】
前記pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
【0075】
前記キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸などが挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0076】
前記安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
【0077】
前記刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アラビアゴム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0078】
<粘度>
以上説明した本発明の皮膚外用組成物は耐塩性高分子(A)を含有しており、当該組成物の各種用途に適切な粘度を備えることができる。具体的には、本発明の皮膚外用組成物の粘度(25℃)は、約5000〜500000mPa・sの範囲内であれば、特に制限されない。該組成物を充填した容器口から使用時に注ぎ出し易く、皮膚に塗布する際にも塗り広げ易いという観点から、好ましくは約7000〜300000mPa・s、より好ましくは10000〜200000mPa・s、特に好ましくは10000〜100000mPa・sである。主に、前記耐塩性高分子(A)や添加成分である増粘剤の種類や使用量を適宜選択することにより、このような粘度の皮膚外用組成物を得ることができる。
【0079】
なお本発明において、粘度の測定は、第16改正日本薬局方の一般試験法に記載の粘度測定法に準拠し、単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)にて行う。本願ではRB−80H(東機産業)を使用し、ロータや回転速度等の条件の選定は、本機の取扱説明書に準拠し、25℃における粘度を測定する。単一円筒形回転粘度計に関する説明を以下に記載する。単一円筒形回転粘度計は、液体中の円筒を一定角速度で回転させたときのトルクを測定する粘度計である。あらかじめ粘度計校正用標準液を用いて実験的に装置定数KBを定めることにより、液体の粘度ηを次式によって算出する。
η=KB × T/ω
η:液体の粘度(mPa・s)
KB:装置定数(rad/cm
3)
ω:角速度(rad/s)
T:円筒面に作用するトルク(10
−7N・m)
【0080】
<pH>
本発明の皮膚外用組成物は、通常pH2.0〜9.0の液性を備えていればよいが、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH3.0〜8.5、より好ましくはpH5.0〜8.0である。
【0081】
<性状・製剤>
本発明の皮膚外用組成物の性状は、特に限定されず、液体状、流動状、又は半固形状とすることができる。また製剤形態としては、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、不織布に薬液を含浸させたシート剤などの製剤とすることができる。中でも、乳剤、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤が好適であり、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤が特に好適である。なお、乳剤やクリーム剤、軟膏剤のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもO/W型でもよいが、本発明の皮膚外用組成物の適度な増粘性を確保する観点、及び使用感(べたつき、のび、しっとり感等)の観点からO/W型がより好ましい。
【0082】
なお、本発明の皮膚外用組成物を充填する容器としては、公知の形状の容器を制限なく使用できる。容器の素材も特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなプラスチック製やガラス製などの素材の容器に充填して提供されることもできる。容器としては、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又はポリアリレートを素材とする容器が好ましい。
【0083】
<皮膚外用組成物の製造方法>
本発明の皮膚外用組成物の製造方法は特に制限されず、必須成分である耐塩性高分子(A)、アルカンジオール(B)及びアルキレンオキシド誘導体(C)の他、前記のその他の成分等を適宜選択、配合して、常法により、必要により乳化を行って、製造することができる。
【実施例】
【0084】
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[皮膚外用組成物の調製]
下記の表1〜5に記載の処方に従い、常法にて、実施例及び比較例の皮膚外用組成物(試験製剤)を調製した。各表中の数値の単位は、特に断りがない限り重量(%)である。各皮膚外用組成物について、下記の試験を行い、評価した。
【0085】
[試験例]
<粘度安定性試験>
各皮膚外用組成物を、ガラス製スクリューバイアル(容量30mL)のねじ口の肩口まで充填し、60℃、2週間保存(熱エージング)の前後に粘度を測定した。測定は、第16改正日本薬局方 一般試験法 粘度測定法 第2法回転粘度計法に記載されている「(2)単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)」の試験法に準拠して、TVB−15M(東機産業)を用いて行った。測定条件を以下に示す。
測定温度:25℃
測定値:測定開始1分後の粘度を測定値とした。
回転数及びローターNo.:
回転数3rpm(粘度200000未満)、ローターNo.M4
回転数1.5rpm(粘度200000以上)、ローターNo.M4
粘度変化率(%)は下記式により算出し、結果を表1〜5に示した。なお、粘度変化率(%)が正の値のときは粘度低下を、負の値のときは粘度上昇を示す。
粘度変化率(%)=100−(熱エージング後品の粘度)/(熱エージング前品の粘度)×100
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
前記表1〜5に示すように、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー単独処方では、熱エージング(60℃、2週間保存)により粘度が顕著に低下した(比較例1)。また、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーと1,2−ヘキサンジオール又は1,2−ペンタンジオールを配合した処方でも、熱エージング(60℃、2週間保存)により粘度が顕著に低下(比較例6,10)、あるいは顕著に上昇(比較例2)した。さらに、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーにPPG−14ポリグリセリル−2エーテル、PPG−17ブテス−17、PEG/PPG−150/35コポリマー又はPPG−25ソルビトールをそれぞれ組み合わせた処方でも、熱エージング(60℃、2週間保存)により粘度が顕著に低下した(比較例3,4,5,7,8,9)。
【0092】
しかし、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーと、1,2−ヘキサンジオール又は1,2−ペンタンジオールを配合し、そこにPPG−14ポリグリセリル−2エーテル、PPG−17ブテス−17、PEG/PPG−150/35コポリマー又はPPG−25ソルビトールを配合した処方では、粘度変化が顕著に抑制されていた(実施例1〜12)。
【0093】
一方、1,2−アルカンジオールの炭素数が9の1,2−ノナンジオールと、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー及びPPG−14ポリグリセリル−2エーテル又はPEG/PPG−150/35コポリマーを含む処方では、粘度変化率が改善されなかった(比較例11〜13)。
【0094】
<保存効力試験(抗菌・防腐効果)>
下記表6に記載の処方( 重量% )に従って常法により各皮膚外用組成物を調製し、下記の方法に従って保存効力試験を行った。
【0095】
Candida albicans(ATCC 10231)を、グルコース・ペプトン斜面培地(GP寒天培地)の表面に接種して、33℃で、24時間培養した。培養菌体を白金耳で無菌的に採取し、適量の滅菌生理食塩水に浮遊させて、約1×10
7CFU/mLの生菌を含む細菌浮遊液を調製した。なお、浮遊液の生菌数は、別途培養して計測した。次に、25mLのIWAKI遠沈管Mini(PP)に、各処方を10gずつ充填した。生菌数(最終濃度)が約10
5CFU/mLとなるよう、Candida albicans菌液(生理食塩水で懸濁)を接種し、よく攪拌して試料とした。試料を48時間、遮光下23℃で保存した。48時間後に菌を含む試料を計数に適切な濃度となるよう調整し、レシチン・ポリソルベート80加・グルコース・ペプトン・寒天培地(GPLP寒天培地)上に播種し、33℃にて一晩培養後、観察されたコロニー数をカウントすることにより、生菌数を求めた。結果を表6に示す。
【0096】
【表6】
【0097】
前記表6に示す結果より、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー単独処方では抗菌力が全く示されていない(比較例14)。また、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーと1−2ペンタンジオールを配合した処方ではまだ十分な抗菌作用が発揮されていない(比較例15)。しかし、全く予想外のことに、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーに1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオ−ルまたは1,2−オクタンジオールとPPG−14ポリグリセリル−2エーテル、PPG−17ブテス−17、PEG/PPG−150/35コポリマーまたはPPG−25ソルビトールをそれぞれ組み合わせる事により、相乗効果的に著しく高い抗菌作用が発揮された(実施例13〜22)。
【0098】
以下に本発明の皮膚外用組成物の処方例を示す。
【0099】
【表7】
【0100】
【表8】
【0101】
【表9】
【0102】
【表10】
【0103】
【表11】
【0104】
【表12】