【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の収納室構造は、建物内の廊下に隣接する収納室の壁の一部を構成し、前記廊下との間を区画する間仕切り壁と、前記間仕切り壁において水平方向に沿った壁幅方向の一部に直接又は間接的に設けられた鏡部と、前記間仕切り壁の壁幅方向の一部において前記鏡部の上方側又は側方側に設けられ、前記廊下から採光可能な採光窓と、前記間仕切り壁における壁幅方向の他部に設けられた採光不能な壁部と、前記壁部において少なくとも前記採光窓に隣接した部分が露出した状態で当該壁部の前に配置された収納棚と、
を備え、前記間仕切り壁の壁幅方向及び上下方向で前記採光窓と前記収納棚とが重ならないように設定されている。
【0007】
請求項1記載の本発明の収納室構造では、建物内の廊下に収納室が隣接している。この収納室の壁の一部を構成し当該廊下との間を区画する間仕切り壁において、水平方向に沿った壁幅方向の一部に鏡部が直接又は間接的に設けられている。
【0008】
ここで、間仕切り壁の壁幅方向の一部における鏡部の上方側又は側方側には、廊下からの採光が可能な採光窓が設けられている。さらに、間仕切り壁における壁幅方向の他部には、採光不能な壁部が設けられている。そして、当該壁部において少なくとも採光窓に隣接した部分が露出した状態で当該壁部の前に収納棚が配置されている。
【0009】
つまり、本発明では、間仕切り壁において壁幅方向の一部に採光窓が設けられ、壁幅方向の他部には採光窓が設けられていない。このため、収納室において、部分的に採光が可能となる。特に鏡部の上方側又は側方側において採光窓から採光されるため、化粧スペースでは十分に光を取り入れることができ、メイクなどを行う際に明るくて便利である。また、当該採光窓は廊下から採光されるため、建物の外壁に形成された採光窓から直接収納室内へ太陽光が入射される(直接光)場合と比較して、日差しが柔らかく、収納室内の壁や床などの褪色を抑制することができる。
【0010】
さらに、壁部において少なくとも採光窓に隣接した部分が露出した状態で当該壁部の前に収納棚が配置されるようにすることで、当該収納棚を採光窓から離すことができ、収納棚に光が直接当らないようにすることができる。
また、本発明では、間仕切り壁の壁幅方向及び上下方向で採光窓と収納棚とが重ならないように設定されている。
【0011】
なお、間仕切り壁に鏡部が直接設けられているとは、当該間仕切り壁に鏡部が直接取付けられている場合を指し、また、間仕切り壁に鏡部が間接的に設けられているとは、当該間仕切り壁の前に洗面台や化粧台などが設けられている場合を指している。
【0012】
請求項2記載の本発明の収納室構造は、建物内の廊下に隣接する収納室の壁の一部を構成し、前記廊下との間を区画する間仕切り壁と、前記間仕切り壁において水平方向に沿った壁幅方向の一部に設けられ、前記廊下から採光可能な採光窓と、前記間仕切り壁における壁幅方向の他部に設けられた採光不能な壁部と、前記壁部において少なくとも前記採光窓に隣接した部分が露出した状態で当該壁部の前に配置された収納棚と、前記間仕切り壁以外の区画壁に直接又は間接的に設けられ、前記採光窓を通じて採光可能な鏡部と、
を備え、前記間仕切り壁の壁幅方向及び上下方向で前記採光窓と前記収納棚とが重ならないように設定されている。
【0013】
請求項2記載の本発明の収納室構造では、建物内の廊下に収納室が隣接している。この収納室の壁の一部を構成し当該廊下との間を区画する間仕切り壁において、水平方向に沿った壁幅方向の一部には、廊下からの採光が可能な採光窓が設けられている。また、間仕切り壁における壁幅方向の他部には、採光不能な壁部が設けられている。
【0014】
そして、当該壁部において少なくとも採光窓に隣接した部分が露出した状態で当該壁部の前に収納棚が配置されている。また、間仕切り壁以外の区画壁には、直接又は間接的に鏡部が設けられており、当該鏡部は採光窓を通じて採光が可能とされている。
【0015】
つまり、本発明では、間仕切り壁において壁幅方向の一部に採光窓が設けられ、壁幅方向の他部には採光窓が設けられていない。このため、収納室において、部分的に採光が可能となる。また、採光窓は廊下から採光されるため、建物の外壁に形成された採光窓から直接収納室内へ太陽光が入射される(直接光)場合と比較して、日差しが柔らかく、収納室内の壁や床などの褪色を抑制することができる。
【0016】
さらに、壁部において少なくとも採光窓に隣接した部分が露出した状態で当該壁部の前に収納棚が配置されるようにすることで、当該収納棚を採光窓から離すことができ、収納棚に光が直接当らないようにすることができる。
また、本発明では、間仕切り壁の壁幅方向及び上下方向で採光窓と収納棚とが重ならないように設定されている。
【0017】
なお、間仕切り壁以外の区画壁に鏡部が直接設けられているとは、当該区画壁に鏡部が直接取付けられている場合を指し、また、区画壁に鏡部が間接的に設けられているとは、当該区画壁の前に洗面台や化粧台などが設けられている場合を指している。
【0018】
請求項3記載の本発明の建物は、請求項1又は請求項2に記載の収納室構造が適用されている。
【0019】
例えば、収納室が建物の外部に面している場合、収納室において外壁側に採光窓を設けることによって、当該採光窓を通じて収納室内への採光が可能となる。しかし、収納室が建物の外部に面していない場合や防犯上の理由などにより収納室の外壁側に採光窓が設けられない場合、収納室への採光が問題となる。
【0020】
このため、請求項3記載の本発明の建物では、建物の外部に面していない収納室において、請求項1又は請求項2に記載の収納室構造が適用されることによって、当該収納室内への採光が可能となる。
【0021】
請求項4記載の本発明の建物は、請求項3に記載の建物において、前記収納室に隣接して居室が設けられている。
【0022】
請求項4記載の本発明の建物では、収納室に隣接して居室が設けられることによって、当該収納室をクローゼットとして利用することができ、設計プランの自由度が広がる。
【0023】
請求項5記載の本発明の建物は、請求項4に記載の建物において、前記居室と前記収納室との間に出入可能な出入部が設けられている。
【0024】
請求項5記載の本発明の建物では、居室と収納室との間に出入可能な出入部が設けられることによって、居室と収納室との間で直接行き来できるようになるため便利である。
【0025】
請求項6記載の本発明の建物は、請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の建物において、前記廊下が吹き抜け部と繋がっている。なお、ここでは、廊下に天井部が存在する場合と廊下が吹き抜け部の一部を成し天井部が存在しない場合とが含まれる。
【0026】
請求項6記載の本発明の建物では、廊下が吹き抜け部と繋がっているため、さらに廊下が明るくなり、収納室内へ自然光を取り入れやすくすることができる。
【0027】
請求項7記載の本発明の建物は、請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の建物において、前記廊下が建物の外部に面して設けられている。
【0028】
請求項7記載の本発明の建物では、廊下が建物の外部に面して設けられているため、外壁に窓部を設けることで、廊下が明るくなり、収納室内へ自然光を取り入れやすくすることができる。
【発明の効果】
【0029】
請求項1記載の本発明に係る収納室構造は、同じ空間内において、化粧スペースでは光を取り入れることができ、収納スペースでは光が直接当らないようにすることができる、という優れた効果を有する。
【0030】
請求項2記載の本発明に係る収納室構造は、採光窓との関係で鏡部の配置において自由度が広がる、という優れた効果を有する。
【0031】
請求項3記載の本発明に係る建物は、建物の外部に面していない内部空間において、採光が可能となる、という優れた効果を有する。
【0032】
請求項4記載の本発明に係る建物は、設計プランの自由度が広がる、という優れた効果を有する。
【0033】
請求項5記載の本発明に係る建物は、生活動線がスムーズになる、という優れた効果を有する。
【0034】
請求項6記載の本発明に係る建物は、廊下が明るくなり、収納室内へ自然光を取り入れやすくすることができる、という優れた効果を有する。
【0035】
請求項7記載の本発明に係る建物は、外壁に窓部を設けることで廊下が明るくなり、収納室内へ自然光を取り入れやすくすることができる、という優れた効果を有する。