(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0016】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0017】
[比較例]
比較例に係るパワーモジュール20Aの製造方法は、
図38〜
図41に示すように、基板8上に半導体デバイス1をダイボンディングにより形成する工程と、半導体デバイス1のゲート電極・ソース電極に対してボンディングワイヤ4・6をボンディングする工程と、基板8の裏面をヒートシンク100上に接続する工程と、基板8上にブロック端子電極12・13を接続する工程と、ヒートシンク100上にケース50を接続する工程と、ケース50内にソフトレジン14を形成し、半導体デバイス1を封止する工程と、ケース50内のソフトレジン14上にハードレジン15を形成し、パワーモジュール全体を封止する工程とを有する。
【0018】
比較例に係るパワーモジュール20Aの製造方法を
図38〜
図41を参照して説明する。
(a)まず、
図38(a)に示すように、セラミックス基板8の表面上のパターニングされた銅箔3上に半導体デバイス1をダイボンディングにより形成する。基板は、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を用いている。また、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。
(b)次に、
図38(b)に示すように、半導体デバイス1のゲート電極・ソース電極に対してボンディングワイヤ4・6をボンディングする。
(c)次に、
図39(a)に示すように、セラミックス基板8の裏面の銅箔9をヒートシンク100上に基板下半田層16を介して接続する。
(d)次に、
図39(b)に示すように、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた銅箔5・7上に半田層(図示省略)を介してブロック端子電極12・13を接続する。ここで、ボンディングワイヤ4・6は、パターニングされた銅箔5・7上にボンディング接続されていても良い。
(e)次に、
図40(a)に示すように、ヒートシンク100上に接着層52を介してケース50を接続する。ここで、ヒートシンク100は、例えば、放熱用Cuベースで形成される。
(f)次に、
図40(b)に示すように、ケース50内にソフトレジン14を形成し、半導体デバイス1を封止する。ここで、ソフトレジン14の形成工程では、ポッティング工程などを適用可能である。
(g)次に、
図41に示すように、ケース50内のソフトレジン14上にハードレジン15を形成し、パワーモジュール全体を封止する。ここで、ハードレジン15の形成工程では、ポッティング工程などを適用可能である。
【0019】
比較例に係るパワーモジュールではケース付け後にソフトレジン封止およびハードレジン封止を行うため、製造工程数が多い。また、比較例に係るパワーモジュールではケース付け前に半田付けをする必要があるため、ケース付け前にヒートシンクを取り付ける必要があるこのため、製造工程の自由度が少ない。
【0020】
[第1の実施の形態]
(パワーモジュール)
第1の実施の形態に係るパワーモジュール20の主要部の模式的断面構造は、
図1に示すように表される。また、第1の実施の形態に係るパワーモジュール20において、セラミックス基板8上に器部材10を配置した構成の模式的鳥瞰構成は、
図2に示すように表される。また、第1の実施の形態に係るパワーモジュール20において、セラミックス基板8上に配置された器部材10の模式的平面パターン構成は、
図3(a)に示すように表され、
図3(a)のI−I線に沿う模式的断面構造は、
図3(b)に示すように表される。
【0021】
第1の実施の形態に係るパワーモジュール20の主要部は、
図1に示すように、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上に配置された半導体デバイス1と、セラミックス基板8上に配置され、半導体デバイス1を囲む囲繞部と、囲繞部の内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14と、囲繞部の外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14および基板8を封止する第2樹脂層15とを備える。ここで、囲繞部は、器部材10を備える。
【0022】
詳細には、第1の実施の形態に係るパワーモジュール20の主要部は、
図1に示すように、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上に配置された半導体デバイス1と、セラミックス基板8上に配置され、半導体デバイス1を囲む器部材10と、器部材10の内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14と、器部材10の外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14および基板8を封止する第2樹脂層15とを備える。
【0023】
また、第1樹脂層14と第2樹脂層15は、同一材料で形成されていても良い。
【0024】
また、第1樹脂層14と第2樹脂層15は、互いに異なる材料で形成されていても良い。
【0025】
また、第1樹脂層14はソフトレジンで形成され、第2樹脂層15はハードレジンで形成されていても良い。
【0026】
ソフトレジン14としては、熱硬化性樹脂などの耐熱絶縁材料を適用可能である。具体的には、シリコーン樹脂などの変性ポリシロキサンを主成分とする材料を適用可能である。ハードレジン15としては、エポキシ系樹脂などを適用可能である。
【0027】
ソフトレジン14の粘性は、例えば、25℃において約1100mPa・sである。一方、ハードレジン15の粘性は、例えば、25℃において約5000mPa・s〜30000mPa・sである。すなわち、ハードレジン15の粘性は、ソフトレジン14の粘性に比べて、約4倍以上30倍以下程度である。
【0028】
ソフトレジン14の線熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)は、ハードレジン15のCTEの値に比べて、約10倍〜100倍程度高い。例えば、ソフトレジン14のCTEは、例えば、約1000ppm/Kであり、ハードレジン15のCTEは、例えば、約10ppm/Kである。すなわち、ソフトレジン14のCTEは、ハードレジン15のCTEに比べて、約10倍以上100倍以下程度である。
【0029】
ソフトレジン14のヤング率は、例えば、約3.4kPaである。一方、ハードレジン15のヤング率は、例えば、約15GPa〜16GPa程度である。すなわち、ハードレジン15のヤング率は、ソフトレジン14のヤング率に比べて、約6桁以上高い。
【0030】
ここで、基板は、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を用いている。また、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。また、基板としてCu基板などの金属基板を適用することも可能である。
【0031】
また、第1の実施の形態に係るパワーモジュール20は、
図7(b)に示すように、ヒートシンク100を備え、セラミックス基板8は、ヒートシンク100上に配置されていても良い。ここで、ヒートシンク100は、例えば、放熱用Cuベースで形成される。
【0032】
また、器部材10はセラミックス若しくは金属部材などで形成可能である。
またガラス部材を適用しても良い。器部材10をセラミックスで形成する場合には、セラミックスは、例えば、Al
2O
3、AlN、SiN、AlSiC、若しくは少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。また、Al
2O
3の表面にW、Ni、Auなどがめっき加工されていても良い。また、器部材10を金属部材で形成する場合には、器部材10をフライス加工などによって形成しても良い。なお、器部材10を金属部材で形成する例については、第5の実施の形態において詳述する。
【0033】
また、器部材10の高さは、例えば、約0.5mm〜5mm程度である。また器部材10の壁面の厚さは、例えば、約1.0mmである。また、ソフトレジン14の厚さは、器部材10の高さと同程度であり、例えば、約0.5mm〜5mm程度である。また、ハードレジン15の厚さは、例えば、約4.0mm〜10mm程度である。
【0034】
また、第2樹脂層15は、トランスファーモールド成型されていても良い。
【0035】
尚、ブロック端子電極12・13は、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。
【0036】
セラミックス基板8は、例えば、Al
2O
3、AlN、SiN、AlSiC、若しくは少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。
【0037】
第1の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、
図3(b)に示すように、器部材10の断面構造は、I字構造を有していても良い。
【0038】
(製造方法)
第1の実施の形態に係るパワーモジュール20の製造方法は、
図4〜
図7に示すように、基板8上に器部材10を形成する工程と、器部材10の内側の基板8上に半導体デバイス1を配置する工程と、器部材10の内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14を形成する工程と、器部材10の外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14および基板8を封止する第2樹脂層15を形成する工程とを有する。
【0039】
第1の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法を
図4〜
図7を参照して説明する。
(a)まず、
図4(a)に示すように、基板として、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を準備し、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた銅箔3・5・7を形成する。セラミックス基板8の裏面上には、銅箔9が形成されている。尚、基板としては、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。セラミックス基板8上にパターン形成された銅箔3・5・7は、フレームと呼ばれる。
(b)次に、
図4(b)に示すように、セラミックス基板8の表面の銅箔3上に器部材下接合層11を介して器部材10を形成する。器部材下接合層11には、例えば、半田層を適用可能である。
(c)次に、
図5(a)に示すように、器部材10の内側のセラミックス基板8の表面の銅箔3上に、チップ下接合層2を介して、半導体デバイス1をダイボンディングにより形成する。チップ下接合層2としては、半田層を適用可能である。尚、チップ下接合層2としては、半導体デバイス1の裏面に予め形成されたAgナノ粒子層などを用いても良い。
(d)次に、
図5(b)に示すように、半導体デバイス1のゲート電極・ソース電極に対してボンディングワイヤ4・6をボンディングする。ここで、ボンディングワイヤ4・6は、パターニングされた銅箔5・7上にボンディング接続されていても良い。ボンディングワイヤ4・6は、例えば、Al、AlCuなどで形成可能である。
(e)次に、
図6(a)に示すように、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた銅箔5・7上に半田層(図示省略)を介してブロック端子電極12・13を接続する。
(f)次に、
図6(b)に示すように、器部材10の内側に第1樹脂層14を形成し、半導体デバイス1を封止する。ここで、第1樹脂層14の形成工程では、ポッティング工程などを適用可能である。
(g)次に、
図7(a)に示すように、器部材10の外側および第1樹脂層14上に第1樹脂層14およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15を形成し、パワーモジュール全体を封止する。ここで、第2樹脂層15の形成工程では、トランスファーモールド成型工程などを適用可能である。
(h)次に、
図7(b)に示すように、セラミックス基板8の裏面の銅箔9をヒートシンク100上に基板下半田層16を介して接続する。ここで、ヒートシンク100は、例えば、放熱用Cuベースで形成される。
【0040】
パワーモジュールは大型化するため、トランスファーモジュール成型では樹脂が充分に回り込まないことが予想されるが、第1の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、信頼性は器部材10の内側に配置されるソフトレジン14で保持可能であり、耐振動性・耐湿性は器部材10の外側およびソフトレジン14上に配置されるハードレジン15で保持可能である。
【0041】
また、器部材10は、第2樹脂層15の成型時の第1樹脂層14へのダメージを防止するという効果もある。すなわち、第2樹脂層(モールド樹脂)15をトランスファーモールド成型する場合、器部材10が存在しないと第1樹脂層(ソフトレジン)14を削ってしまう可能性が高いが、器部材10によって、第1樹脂層14へのダメージを防止することができる。
【0042】
第1の実施の形態に係るパワーモジュールにおいては、ケース付け無しでモジュール作製が可能となるため、モジュール作製プロセスの簡略化、モジュールの小型化を図ることができる。
【0043】
また、第1の実施の形態に係るパワーモジュールにおいては、ケースなどの部材が不要となり、部品点数が削減され、低コスト化可能である。
【0044】
(変形例1)
第1の実施の形態の変形例1に係るパワーモジュールにおいて、基板上に配置された器部材10の模式的平面パターン構成は、
図8(a)に示すように表され、
図8(a)のII−II線に沿う模式的断面構造は、
図8(b)に示すように表される。
【0045】
第1の実施の形態の変形例1に係るパワーモジュールにおいては、器部材10の断面構造は、
図8(b)に示すように器部材10に突起構造のキャップ部分10Aを備えることによって、T字構造を有していても良い。器部材10に突起構造のキャップ部分10Aを備えることによって、ソフトレジン14の這い上がりを防止し、またソフトレジン14およびハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0046】
(変形例2)
第1の実施の形態の変形例2に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス基板上に配置された器部材の模式的断面構造は、
図8(c)に示すように表される。
【0047】
第1の実施の形態の変形例2に係るパワーモジュールにおいては、器部材10の断面構造は、
図8(c)に示すように、キャップ部分10Bを備えることによって、逆L字構造若しくはΓ(ガンマ)字構造を有していても良い。器部材10に突起構造のキャップ部分10Bを備えることによって、ソフトレジン14の這い上がりを防止し、またソフトレジン14およびハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0048】
(変形例3)
第1の実施の形態の変形例3に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス基板上に配置された器部材の模式的断面構造は、
図8(d)に示すように表される。
【0049】
第1の実施の形態の変形例3に係るパワーモジュールにおいても、器部材10の断面構造は、
図8(d)に示すように、キャップ部分10Cを備えることによって、逆L字構造若しくはΓ字構造を有していても良い。器部材10に突起構造のキャップ部分10Cを備えることによって、ハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0050】
(変形例4)
第1の実施の形態の変形例4に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス基板上に配置された器部材の模式的断面構造は、
図9(a)に示すように表される。
【0051】
第1の実施の形態の変形例4に係るパワーモジュールにおいては、I字構造を有する器部材10の表面10Sは粗面化処理されていても良い。器部材10はセラミックスなどで形成可能であり、サンドブラスト処理などによって、粗面化処理可能である。このように、器部材10の表面10Sを粗面化処理することによって、ソフトレジン14およびハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0052】
(変形例5)
第1の実施の形態の変形例5に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス基板上に配置された器部材の模式的断面構造は、
図9(b)に示すように表される。
【0053】
第1の実施の形態の変形例5に係るパワーモジュールにおいては、キャップ部分10Aを備えることによって、T字構造を有する器部材10の表面10Sは粗面化処理されていても良い。このように、器部材10の表面10Sを粗面化処理することによって、ソフトレジン14およびハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0054】
また、器部材10に突起構造のキャップ部分10Aを備えることによって、ソフトレジン14の這い上がりを防止し、またソフトレジン14およびハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0055】
(変形例6)
第1の実施の形態の変形例6に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス基板上に配置された器部材の模式的断面構造は、
図9(c)に示すように表される。
【0056】
第1の実施の形態の変形例6に係るパワーモジュールにおいては、キャップ部分10Bを備えることによって、逆L字構造若しくはΓ字構造を有する器部材10の表面10Sは粗面化処理されていても良い。このように、器部材10の表面10Sを粗面化処理することによって、ソフトレジン14およびハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0057】
また、器部材10に突起構造のキャップ部分10Bを備えることによって、ソフトレジン14の這い上がりを防止し、またソフトレジン14のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0058】
(変形例7)
第1の実施の形態の変形例7に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス基板上に配置された器部材の模式的断面構造は、
図9(d)に示すように表される。
【0059】
第1の実施の形態の変形例7に係るパワーモジュールにおいては、キャップ部分10Cを備えることによって、逆L字構造若しくはΓ字構造を有する器部材10の表面10Sは粗面化処理されていても良い。このように、器部材10の表面10Sを粗面化処理することによって、ソフトレジン14およびハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0060】
また、器部材10に突起構造のキャップ部分10Cを備えることによって、ハードレジン15のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0061】
第1の実施の形態およびその変形例によれば、耐振動性・耐湿性および信頼性が向上し、構造が簡単で、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0062】
[第2の実施の形態]
(パワーモジュール)
第2の実施の形態に係るパワーモジュール20は、
図11(a)および
図11(b)に示すように、ボンディングワイヤ4・6の代わりにブロック端子電極37を備える。
【0063】
ボンディングワイヤ4・6がソフトレジン14とハードレジン15を横断すると、熱ストレスなどにより断線する可能性がある。このため、第2の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、ソフトレジン14とハードレジン15の横断部は、ボンディングワイヤ4・6の代わりにブロック端子電極37を採用している。
【0064】
ここで、ブロック端子電極17は、半導体デバイス1の表面上のゲート電極若しくはソース電極上に配置可能である。
図11(a)および
図11(b)に示す例では、ブロック端子電極17は1本のみ図示されているが、ゲート電極およびソース電極用に複数本配置されていても良い。
【0065】
尚、ブロック端子電極17は、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0066】
(製造方法)
第2の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法は、
図4(a)・
図4(b)・
図5(a)および
図10〜
図11に示すように、基板8上に器部材10を形成する工程と、器部材10の内側の基板8上に半導体デバイス1を配置する工程と、器部材10の内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14を形成する工程と、器部材10の外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14および基板8を封止する第2樹脂層15を形成する工程とを有する。
【0067】
第2の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法を
図4(a)・
図4(b)・
図5(a)および
図10〜
図11を参照して説明する。
(a)まず、
図4(a)に示すように、基板として、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を準備し、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた銅箔3・5・7を形成する。セラミックス基板8の裏面上には、銅箔9が形成されている。尚、基板としては、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。
(b)次に、
図4(b)に示すように、セラミックス基板8の表面の銅箔3上に器部材下接合層11を介して器部材10を形成する。器部材下接合層11には、例えば、半田層を適用可能である。
(c)次に、
図5(a)に示すように、器部材10の内側のセラミックス基板8の表面の銅箔3上に、チップ下接合層2を介して、半導体デバイス1をダイボンディングにより形成する。チップ下接合層2としては、半田層を適用可能である。尚、チップ下接合層2としては、半導体デバイス1の裏面に予め形成されたAgナノ粒子層などを用いても良い。
(d)次に、
図10(a)に示すように、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた銅箔5・7上に半田層(図示省略)を介してブロック端子電極12・13を接続する。また、半導体デバイス1の表面上のゲート電極若しくはソース電極上に半田層(図示省略)を介してブロック端子電極17を接続する。
(e)次に、
図10(b)に示すように、器部材10の内側に第1樹脂層14を形成し、半導体デバイス1を封止する。ここで、第1樹脂層14の形成工程では、ポッティング工程などを適用可能である。
(f)次に、
図11(a)に示すように、器部材10の外側および第1樹脂層14上に第1樹脂層14およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15を形成し、パワーモジュール全体を封止する。ここで、第2樹脂層15の形成工程では、トランスファーモールド成型工程などを適用可能である。
(g)次に、
図11(b)に示すように、セラミックス基板8の裏面の銅箔9をヒートシンク100上に基板下半田層16を介して接続する。ここで、ヒートシンク100は、例えば、放熱用Cuベースで形成される。
【0068】
第2の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、ボンディングワイヤ4・6の代わりにブロック端子電極17を備えるため、熱ストレスなどによる断線を防止し、信頼性を向上可能である。
【0069】
また、第2の実施の形態に係るパワーモジュール20においても、信頼性は器部材10の内側に配置されるソフトレジン14で保持可能であり、耐振動性・耐湿性は器部材10の外側およびソフトレジン14上に配置されるハードレジン15で保持可能である。
【0070】
また、第2の実施の形態に係るパワーモジュール20においても、ケース付け無しでモジュール作製が可能となるため、モジュール作製プロセスの簡略化、モジュールの小型化を図ることができる。
【0071】
また、第2の実施の形態に係るパワーモジュール20においても、ケースなどの部材が不要となり、部品点数が削減され、低コスト化可能である。
【0072】
第2の実施の形態によれば、耐振動性・耐湿性および信頼性が向上し、構造が簡単で、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0073】
[第3の実施の形態]
(パワーモジュール)
第3の実施の形態に係るパワーモジュール20は、
図14(a)および
図14(b)に示すように、器部材10の内側の銅箔3上に、ボンディングワイヤ19とブロック端子電極23とを切り替える中継用基板18を備える。
【0074】
中継用基板18は、セラミックス基板18aと、セラミックス基板18aの表面・裏面に配置された銅箔18b・18cとを備える。すなわち、中継用基板18は、DBC基板構造を有する。また、中継用基板18としては、DBA基板若しくはAMB基板を用いても良い。
【0075】
ボンディングワイヤ19は、半導体デバイス1上のゲート電極と中継用基板18上の銅箔18bとの間をボンディング接続している。ボンディングワイヤ19は、例えば、Al、AlCuなどで形成可能である。
【0076】
ブロック端子電極21は、半導体デバイス1上のソース電極とセラミックス基板8上の銅箔7との間を半田層(図示省略)を介して接続している。
【0077】
ブロック端子電極23は、中継用基板18上の銅箔18bとセラミックス基板8上の銅箔5との間を半田層(図示省略)を介して接続している。
【0078】
尚、ブロック端子電極21・23は、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。
【0079】
ボンディングワイヤがソフトレジン14とハードレジン15を横断すると、熱ストレスなどにより断線する可能性がある。このため、第3の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、ソフトレジン14とハードレジン15の横断部は、ボンディングワイヤの代わりにブロック端子電極21・23を採用している。
【0080】
また、半導体デバイス1上のゲート電極と中継用基板18上の銅箔18bとの間をボンディング接続しているボンディングワイヤ19は、ソフトレジン14の内部に形成されており、ソフトレジン14とハードレジン15を横断することはないため、熱ストレスなどによる断線を抑制可能である。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0081】
(製造方法)
第3の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法は、
図4(a)・
図4(b)および
図12〜
図14に示すように、基板8上に器部材10を形成する工程と、器部材10の内側の基板8上に半導体デバイス1を配置する工程と、器部材10の内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14を形成する工程と、器部材10の外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14および基板8を封止する第2樹脂層15を形成する工程とを有する。
【0082】
第3の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法を
図4(a)・
図4(b)および
図12〜
図14を参照して説明する。
(a)まず、
図4(a)に示すように、基板として、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を準備し、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた銅箔3・5・7を形成する。セラミックス基板8の裏面上には、銅箔9が形成されている。尚、基板としては、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。
(b)次に、
図4(b)に示すように、セラミックス基板8の表面の銅箔3上に器部材下接合層11を介して器部材10を形成する。器部材下接合層11には、例えば、半田層を適用可能である。
(c)次に、
図12(a)に示すように、器部材10の内側のセラミックス基板8の表面の銅箔3上に、半田層(図示省略)を介して、中継用基板18をダイボンディングにより形成する。
(d)次に、
図12(b)に示すように、器部材10の内側のセラミックス基板8の表面の銅箔3上に、チップ下接合層2を介して、半導体デバイス1をダイボンディングにより形成する。チップ下接合層2としては、半田層を適用可能である。尚、チップ下接合層2としては、半導体デバイス1の裏面に予め形成されたAgナノ粒子層などを用いても良い。
(e)次に、
図12(b)に示すように、半導体デバイス1上のゲート電極と中継用基板18上の銅箔18bとの間をボンディングワイヤ19を用いてボンディング接続する。
(f)次に、
図13(a)に示すように、セラミックス基板8の表面上のパターニングされた銅箔5上に半田層(図示省略)を介してブロック端子電極12を接続する。また、半導体デバイス1上のソース電極とセラミックス基板8上の銅箔7との間を半田層(図示省略)を介してブロック端子電極21により接続する。また、中継用基板18上の銅箔18bとセラミックス基板8上の銅箔5との間を半田層(図示省略)を介してブロック端子電極23により接続する。第3の実施の形態に係るパワーモジュールにおいて、
図13(a)に対応する模式的鳥瞰構成は、
図15に示すように表される。
(g)次に、
図13(b)に示すように、器部材10の内側に第1樹脂層14を形成し、半導体デバイス1を封止する。ここで、第1樹脂層14の形成工程では、ポッティング工程などを適用可能である。
(h)次に、
図14(a)に示すように、器部材10の外側および第1樹脂層14上に第1樹脂層14およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15を形成し、パワーモジュール全体を封止する。ここで、第2樹脂層15の形成工程では、トランスファーモールド成型工程などを適用可能である。
(i)次に、
図14(b)に示すように、セラミックス基板8の裏面の銅箔9をヒートシンク100上に基板下半田層16を介して接続する。ここで、ヒートシンク100は、例えば、放熱用Cuベースで形成される。
【0083】
第3の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、ボンディングワイヤ19は、ソフトレジン14の内部に形成されており、ソフトレジン14とハードレジン15を横断することはないため、熱ストレスなどにより断線する可能性を抑制している。
【0084】
第3の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、ボンディングワイヤの代わりにブロック端子電極21・23を備えるため、熱ストレスなどによる断線を防止し、信頼性を向上可能である。
【0085】
また、第3の実施の形態に係るパワーモジュール20においても、信頼性は器部材10の内側に配置されるソフトレジン14で保持可能であり、耐振動性・耐湿性は器部材10の外側およびソフトレジン14上に配置されるハードレジン15で保持可能である。
【0086】
また、第3の実施の形態に係るパワーモジュールにおいても、ケース付け無しでモジュール作製が可能となるため、モジュール作製プロセスの簡略化、モジュールの小型化を図ることができる。
【0087】
また、第3の実施の形態に係るパワーモジュールにおいても、ケースなどの部材が不要となり、部品点数が削減され、低コスト化可能である。
【0088】
第3の実施の形態によれば、耐振動性・耐湿性および信頼性が向上し、構造が簡単で、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0089】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態に係るパワーモジュール200であって、ツーインワンモジュール(2 in 1 Module:ハーフブリッジ内蔵モジュール)において、第2樹脂層15を形成前の模式的平面パターン構成は
図16に示すように表され、第2樹脂層15を形成後の模式的鳥瞰構成は
図18に示すように表される。また、第4の実施の形態に係るパワーモジュールであって、半導体デバイスとしてSiC MISFETを適用した
図16に対応したツーインワンモジュール(ハーフブリッジ内蔵モジュール)の回路構成は、
図17に示すように表される。
【0090】
第4の実施の形態に係るパワーモジュール200は、2個のMISFETQ1・Q4が1つのモジュールに内蔵されたハーフブリッジ内蔵モジュールの構成を備える。
【0091】
図16においては、MISFETQ1・Q4は、それぞれ4チップ並列に配置されている例が示されている。
【0092】
第4の実施の形態に係るパワーモジュール200は、
図18に示すように、樹脂層15に被覆されたセラミックス基板8の第1の辺に配置された正側電力端子Pおよび負側電力端子Nと、第1の辺に隣接する第2の辺に配置されたゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1と、第1の辺に対向する第3の辺に配置された出力端子Oと、第2の辺に対向する第4の辺に配置されたゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4とを備える。ここで、
図16に示すように、ゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1は、MISFETQ1のゲート用信号配線パターンGL1・ソース用信号配線パターンSL1に接続され、ゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4は、MISFETQ4のゲート用信号配線パターンGL4・ソース用信号配線パターンSL4に接続される。
【0093】
図16に示すように、MISFETQ1・Q4から信号基板24
1・24
4上に配置されたゲート用信号配線パターンGL1・GL4およびソースセンス用信号配線パターンSL1・SL4に向けてゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4が接続される。また、ゲート用信号配線パターンGL1・GL4およびソースセンス用信号配線パターンSL1・SL4には、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびSST1・SST4が半田付けなどによって接続される。
【0094】
図16に示すように、信号基板24
1・24
4は、セラミックス基板8上に、半田付けなどによって接続される。
【0095】
また、第4の実施の形態に係るパワーモジュール200であって、ハーフブリッジ内蔵モジュールにおいて、上面板電極22
1・22
4を形成後で第2樹脂層15を形成前の模式的鳥瞰構成は、
図19に示すように表される。4チップ並列に配置されたMISFETQ1・Q4のソースS1・S4は、上面板電極22
1・22
4によって共通に接続される。尚、
図19においては、ゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4は図示を省略している。
【0096】
また、
図16〜
図19においては、図示は省略されているが、MISFETQ1・Q4のD1・S1間およびD4・S4間に逆並列にダイオードが接続されていても良い。
【0097】
図16〜
図19に示された例では、4チップ並列に配置されたMISFETQ1・Q4のソースS1・S4は、上面板電極22
1・22
4によって共通に接続されているが、上面板電極22
1・22
4の代わりにソース同士がワイヤで導通されていても良い。
【0098】
正側電力端子P・負側電力端子N、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびSST1・SST4は、例えば、Cuで形成可能である。
【0099】
信号基板24
1・24
4は、セラミックス基板で形成可能である。セラミックス基板は、例えば、Al
2O
3、AlN、SiN、AlSiC、若しくは少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。
【0100】
主配線導体(電極パターン)32
1・32
4・22
nは、例えば、Cu、Alなどで形成可能である。
【0101】
MISFETQ1・Q4のソースS1・S4と上面板電極22
1・22
4を接続する柱状電極25
1・25
4および上面板電極22
1・22
4部分は、例えば、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。CTEの値が同等である同じ大きさの材料を比較すると、発生応力は、ヤング率の値が大きい材料の方が大きくなる。このため、ヤング率×CTEの数値が、より小さい材料を選定することによって、発生応力の値の小さな部材を達成することができる。CuMoは、このような利点を有している。また、CuMoは、Cuには劣るが、電気抵抗率も相対的に低い。また、上面板電極22
1・22
4間の表面に沿った離隔距離は、沿面距離と呼ばれる。沿面距離の値は、例えば、約2mmである。
【0102】
ゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4は、例えば、Al、AlCuなどで形成可能である。
【0103】
MISFETQ1・Q4としては、SiC DIMISFET、SiC TMISFETなどのSiC系パワーデバイス、あるいはGaN系高電子移動度トランジスタ(HEMT: High Electron Mobility Transistor)などのGaN系パワーデバイスを適用可能である。また、場合によっては、Si系MISFETやIGBTなどのパワーデバイスも適用可能である。
【0104】
第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においては、4チップ構成のMISFETQ1は、主配線導体(電極パターン)32
1上に半田層などを介して配置された第1器部材10
1内の主配線導体(電極パターン)32
1上にチップ下接合層2を介して配置されている。更に、第1器部材10
1内には、第1樹脂層14
1が充填され、4チップ構成のMISFETQ1を樹脂封止している。同様に、4チップ構成のMISFETQ4は、主配線導体(電極パターン)32
4上に半田層などを介して配置された第2器部材10
4内の主配線導体(電極パターン)32
4上にチップ下接合層2を介して配置されている。更に、第2器部材10
4内には、第1樹脂層14
4が充填され、4チップ構成のMISFETQ4を樹脂封止している。第1樹脂層14
1と第1樹脂層14
4は同一材料で形成される。尚、器部材10
1・10
4は、
図16および
図19に示す例では複数のMISFETQ1・Q4を内包しているが、複数のMISFETQ1・Q4をそれぞれ内包するように配置しても良い。
【0105】
第4の実施の形態に係るパワーモジュール200の主要部は、第1の実施の形態と同様に、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上に配置された半導体デバイスQ1・Q4と、セラミックス基板8上に配置され、半導体デバイスQ1・Q4を囲む器部材10
1・10
4と、器部材10
1・10
4の内側に配置され、半導体デバイスQ1・Q4を封止する第1樹脂層14
1・14
4と、器部材10
1・10
4の外側および第1樹脂層14
1・14
4上に配置され、第1樹脂層14
1・14
4およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15とを備える。
【0106】
第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においても第1の実施の形態と同様の第1樹脂層14・第2樹脂層15の材料を適用可能である。
【0107】
また、第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においても第1の実施の形態およびその変形例1〜7と同様の器部材の構成を採用することができる。
【0108】
また、第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においてもワイヤ配線の代わりに第2の実施の形態と同様のブロック端子電極を半導体デバイスに対して適用しても良い。この結果、熱ストレスなどによる断線を防止し、信頼性を向上可能である。
【0109】
また、第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においても第3の実施の形態と同様の中継用基板およびブロック端子電極を備えていても良い。この結果、熱ストレスなどによる断線を防止し、信頼性を向上可能である。
【0110】
また、第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においても第1の実施の形態と同様の製造方法を適用可能である。
【0111】
また、第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においても、信頼性は器部材10
1・10
4の内側に配置されるソフトレジン14で保持可能であり、耐振動性・耐湿性は器部材10
1・10
4の外側およびソフトレジン14上に配置されるハードレジン15で保持可能である。
【0112】
また、第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においても、ケース付け無しでモジュール作製が可能となるため、モジュール作製プロセスの簡略化、モジュールの小型化を図ることができる。
【0113】
また、第4の実施の形態に係るパワーモジュール200においても、ケースなどの部材が不要となり、部品点数が削減され、低コスト化可能である。
【0114】
第4の実施の形態によれば、耐振動性・耐湿性および信頼性が向上し、構造が簡単で、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0115】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態に係るパワーモジュールの模式的断面構造は、
図20に示すように表される。
【0116】
第5の実施の形態に係るパワーモジュール20の主要部は、
図20に示すように、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上に配置された半導体デバイス1と、セラミックス基板8上に配置され、半導体デバイス1を囲む囲繞部と、囲繞部の内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14と、囲繞部の外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14および基板8を封止する第2樹脂層15とを備える。ここで、囲繞部は、器部材10Mを備える。
【0117】
詳細には、第5の実施の形態に係るパワーモジュール20の主要部は、
図20に示すように、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上に配置された半導体デバイス1と、セラミックス基板8上に配置され、半導体デバイス1を囲む器部材10Mと、器部材10Mの内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14と、器部材10Mの外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15とを備える。ここで、器部材10Mは金属で形成される。また、器部材10Mをフライス加工などによって形成しても良い。器部材10Mの金属としては、例えば、CuMo、CuW、Mo、Wなどの低熱膨張係数金属を用いることができる。或いは、Cu、Al、Cu合金、Al合金またはこれらを1つ以上含む合金などを適用可能である。また、コバール、インバーなどを適用可能である。
【0118】
また、第1樹脂層14と第2樹脂層15は、同一材料で形成されていても良い。
【0119】
また、第1樹脂層14と第2樹脂層15は、互いに異なる材料で形成されていても良い。
【0120】
また、第1樹脂層14はソフトレジンで形成され、第2樹脂層15はハードレジンで形成されていても良い。
【0121】
ここで、基板は、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を用いている。また、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。また、基板としてCu基板などの金属基板を適用することも可能である。
【0122】
また、器部材10Mの高さは、例えば、約0.5mm〜5mm程度である。また器部材10Mの壁面の厚さは、例えば、約1.0mmである。また、ソフトレジン14の厚さは、器部材10Mの高さと同程度であり、例えば、約0.5mm〜5mm程度である。また、ハードレジン15の厚さは、例えば、約4.0mm〜10mm程度である。
【0123】
また、第2樹脂層15は、トランスファーモールド成型されていても良い。
【0124】
第5の実施の形態に係るパワーモジュールにおいては、器部材10Mを金属によって構成している。その他の構成は、第1の実施の形態およびその変形例、第2〜第4の実施の形態の構成を同様に適用可能である。
【0125】
(製造方法)
第5の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法であって、一工程を示す模式的断面構造(その1)は、
図21(a)に示すように表され、一工程を示す模式的断面構造(その2)は、
図21(b)に示すように表され、一工程を示す模式的断面構造(その3)は、
図21(c)に示すように表され、一工程を示す模式的断面構造(その4)は、
図21(d)に示すように表される。
【0126】
第5の実施の形態に係るパワーモジュール20の製造方法は、
図21(a)〜
図21(d)および
図20に示すように、セラミックス基板8上に器部材10Mを形成する工程と、器部材10Mの内側のセラミックス基板8上に半導体デバイス1を配置する工程と、器部材10Mの内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14を形成する工程と、器部材10Mの外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14および基板8を封止する第2樹脂層15を形成する工程とを有する。
【0127】
第5の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法を
図21(a)〜
図21(d)および
図20を参照して説明する。
(a)まず、
図21(a)に示すように、基板として、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を準備し、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた銅箔3を形成する。セラミックス基板8の裏面上には、銅箔9が形成されている。尚、基板としては、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。セラミックス基板8上にパターン形成された銅箔3は、フレームと呼ばれる。
(b)次に、
図21(b)に示すように、セラミックス基板8の表面の銅箔3上に器部材下接合層(図示省略)を介して器部材10Mを形成する。器部材下接合層には、例えば、半田層を適用可能である。
(c)次に、
図21(c)に示すように、器部材10Mの内側のセラミックス基板8の表面の銅箔3上に、チップ下接合層(図示省略)を介して、半導体デバイス1をダイボンディングにより形成する。チップ下接合層としては、半田層を適用可能である。尚、チップ下接合層としては、半導体デバイス1の裏面に予め形成されたAgナノ粒子層などを用いても良い。
(d)次に、
図21(d)に示すように、器部材10Mの内側に第1樹脂層14を形成し、半導体デバイス1を封止する。ここで、第1樹脂層14の形成工程では、ポッティング工程などを適用可能である。
(e)次に、
図20に示すように、器部材10Mの外側および第1樹脂層14上に第1樹脂層14およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15を形成し、パワーモジュール全体を封止する。ここで、第2樹脂層15の形成工程では、トランスファーモールド成型工程などを適用可能である。
【0128】
第5の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、信頼性は器部材10Mの内側に配置されるソフトレジン14で保持可能であり、耐振動性・耐湿性は器部材10Mの外側およびソフトレジン14上に配置されるハードレジン15で保持可能である。
【0129】
また、器部材10Mは、第2樹脂層15の成型時の第1樹脂層14へのダメージを防止するという効果もある。すなわち、第2樹脂層(モールド樹脂)15をトランスファーモールド成型する場合、器部材10Mが存在しないと第1樹脂層(ソフトレジン)14を削ってしまう可能性が高いが、器部材10Mによって、第1樹脂層14へのダメージを防止することができる。
【0130】
第5の実施の形態に係るパワーモジュールにおいては、ケース付け無しでモジュール作製が可能となるため、モジュール作製プロセスの簡略化、モジュールの小型化を図ることができる。
【0131】
また、第5の実施の形態に係るパワーモジュールにおいては、ケースなどの部材が不要となり、部品点数が削減され、低コスト化可能である。
【0132】
第5の実施の形態によれば、耐振動性・耐湿性および信頼性が向上し、構造が簡単で、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0133】
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態に係るパワーモジュールであって、模式的平面パターン構成は、
図22(a)に示すように表され、別の模式的平面パターン構成は、
図22(b)に示すように表される。また、
図22(a)および
図22(b)のIII−III線に沿う模式的断面構造は、
図23に示すように表される。
【0134】
第6の実施の形態に係るパワーモジュール20は、
図23に示すように、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上に配置された半導体デバイス1と、セラミックス基板8上に配置され、半導体デバイス1を囲む囲繞部30と、囲繞部30の内側に配置され、半導体デバイス1を封止する第1樹脂層14と、囲繞部30の外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15とを備える。
【0135】
ここで、囲繞部30は、セラミックス基板8表面に形成された段差構造を備える。
【0136】
詳細には、第6の実施の形態に係るパワーモジュール20は、
図23に示すように、セラミックス基板8上に配置された電極パターン3を備え、段差構造は、電極パターン3に形成された凹部37を備える。半導体デバイス1は、凹部37の底面上に配置される。第1樹脂層14は、凹部37の内側に配置され、半導体デバイス1を封止する。第2樹脂層15は、凹部37の外側および第1樹脂層14上に配置され、第1樹脂層14およびセラミックス基板8を封止する。ここで、段差構造の底面、すなわち凹部37の底面は、電極パターン3からなる金属部であり、セラミックス基板8には到達しない。半導体デバイス1の裏面側には、例えば、ドレイン電極が形成されるため、段差構造の底面において、電気的に接触する必要があるからである。
【0137】
セラミックス基板8上に配置される電極パターン3は、例えば、DBC基板における表面銅箔層をパターニングすることで形成可能である。半導体デバイス1の厚さは、電極パターン3に形成された凹部37の深さよりも薄いことが望ましい。凹部37の底面上に配置される半導体デバイス1は、凹部37に充填される第1樹脂層14により被覆され、しかも囲繞部30の表面と第1樹脂層14の表面とが面一に平坦化可能となるからである。
【0138】
凹部37の深さは、半導体デバイス1の厚さよりも大きく、例えば、約0.1mm〜3mm程度、望ましくは、約0.3mm〜1mm程度である。
【0139】
例えば、電極パターン3としてDBC基板における表面銅箔層を利用する場合には、電極パターン3の厚さは、例えば、約0.4mmであり、半導体デバイス1の厚さは、例えば、約0.25mmであるため、凹部37の深さは、例えば、約0.3mmである。
【0140】
また、凹部37の輪郭形状は、平面視において、
図22(a)に示すように、矩形であっても良く、
図22(b)に示すように、楕円形若しくは円形であっても良い。また、凹部37のサイズは、平面視において半導体デバイス1のサイズよりも大きい。
【0141】
また、第1樹脂層14と第2樹脂層15は、同一材料で形成されていても良い。
【0142】
また、第1樹脂層14と第2樹脂層15は、互いに異なる材料で形成されていても良い。
【0143】
また、第1樹脂層14はソフトレジンで形成され、第2樹脂層15はハードレジンで形成されていても良い。
【0144】
ここで、基板は、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を用いている。また、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。また、基板としてCu基板などの金属基板を適用することも可能である。
【0145】
また、ソフトレジン14の厚さは、凹部37の深さと同程度であり、例えば、約0.3mm〜0.4mm程度である。また、ハードレジン15の厚さは、例えば、約1.0mm〜5mm程度である。
【0146】
また、第2樹脂層15は、トランスファーモールド成型されていても良い。
【0147】
その他の構成は、第1の実施の形態およびその変形例、第2〜第5の実施の形態の構成を同様に適用可能である。
【0148】
第6の実施の形態に係るパワーモジュール20であって、さらに別の模式的平面パターン構成は、
図25(a)に示すように表わされ、さらに別の模式的平面パターン構成は、
図25(b)に示すように表わされる。
【0149】
第6の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、
図25(a)に示すように、囲繞部30に囲まれる1つの凹部37の底面には複数の半導体デバイス1A・1Bを配置しても良い。
【0150】
また、第6の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、
図25(b)に示すように、囲繞部30に囲まれる複数の凹部37A・37Bを備えていても良い。複数の凹部37A・37Bの底面にはそれぞれ半導体デバイス1A・1Bを配置しても良い。
【0151】
第6の実施の形態に係るパワーモジュールは、囲繞部として段差構造を利用するため、器部材を適用する第1〜第5の実施の形態に比べ、平坦化、薄層化可能である。
【0152】
(製造方法)
第6の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法であって、一工程を示す模式的断面構造(その1)は、
図24(a)に示すように表され、一工程を示す模式的断面構造(その2)は、
図24(b)に示すように表わされ、一工程を示す模式的断面構造(その3)は、
図24(c)に示すように表わされる。
【0153】
第6の実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法を
図24(a)〜
図24(c)および
図23を参照して説明する。
(a)まず、
図24(a)に示すように、基板として、セラミックス基板8の表面・裏面に銅箔を形成したDBC基板を準備し、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた電極パターン3に対して、囲繞部30に囲まれる凹部37を形成する。凹部37の底面は、銅箔からなる電極パターン3である。また、囲繞部30は、銅箔からなる電極パターン3と同一部材で形成される。セラミックス基板8の裏面上には、銅箔9が形成されている。尚、基板としては、DBA基板若しくはAMB基板も適用可能である。
(b)次に、
図24(b)に示すように、凹部37の底面上に、チップ下接合層(図示省略)を介して、半導体デバイス1をダイボンディングにより形成する。チップ下接合層としては、半田層を適用可能である。尚、チップ下接合層としては、半導体デバイス1の裏面に予め形成されたAgナノ粒子層などを用いても良い。
(c)次に、
図24(c)に示すように、囲繞部30の内側の凹部37上に第1樹脂層14を形成し、半導体デバイス1を封止する。ここで、第1樹脂層14の形成工程では、ポッティング工程などを適用可能である。囲繞部30の上面と第1樹脂層14の上面は、実質的に面一に形成されている。
(e)次に、
図23に示すように、囲繞部30の外側および第1樹脂層14上に第1樹脂層14およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15を形成し、パワーモジュール全体を封止する。ここで、第2樹脂層15の形成工程では、トランスファーモールド成型工程などを適用可能である。
【0154】
第6の実施の形態に係るパワーモジュール20においては、信頼性は囲繞部30の内側に配置されるソフトレジン14で保持可能であり、耐振動性・耐湿性は囲繞部30の外側およびソフトレジン14上に配置されるハードレジン15で保持可能である。
【0155】
また、囲繞部30は、第2樹脂層15の成型時の第1樹脂層14へのダメージを防止するという効果もある。すなわち、第2樹脂層(モールド樹脂)15をトランスファーモールド成型する場合、囲繞部30が存在しないと第1樹脂層(ソフトレジン)14を削ってしまう可能性が高いが、囲繞部30によって、第1樹脂層14へのダメージを防止することができる。
【0156】
第6の実施の形態に係るパワーモジュールにおいては、器部材を設ける必要がないため、部品点数を削減可能であり、また製造工程が短縮化される。
【0157】
また、第6の実施の形態に係るパワーモジュールにおいては、器部材を設ける必要がないため、小型化可能である。
【0158】
また、また、第6の実施の形態に係るパワーモジュールにおいては、凹部構造を形成することによって、基板の反り量を低減化可能であり、半導体デバイス接合面への応力を緩和することができる。
【0159】
第6の実施の形態によれば、耐振動性・耐湿性および信頼性が向上し、平坦化・薄層化され、構造が簡単で、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0160】
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態に係るパワーモジュールであって、ツーインワンモジュール(ハーフブリッジ内蔵モジュール)において、第2樹脂層を形成前の模式的平面パターン構成は、
図26に示すように表わされる。第2樹脂層15を形成後の模式的鳥瞰構成は
図18と同様に表される。また、第7の実施の形態に係るパワーモジュールであって、半導体デバイスとしてSiC MISFETを適用した
図26に対応したツーインワンモジュール(ハーフブリッジ内蔵モジュール)の回路構成は、
図17と同様に表される。
【0161】
第7の実施の形態に係るパワーモジュール200は、2個のMISFETQ1・Q4が1つのモジュールに内蔵されたハーフブリッジ内蔵モジュールの構成を備える。
【0162】
図17においては、MISFETQ1・Q4は、それぞれ4チップ並列に配置されている例が示されている。
【0163】
第7の実施の形態に係るパワーモジュール200は、
図26に示すように、セラミックス基板8の第1の辺に配置された正側電力端子Pおよび負側電力端子Nと、第1の辺に隣接する第2の辺に配置されたゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1と、第1の辺に対向する第3の辺に配置された出力端子Oと、第2の辺に対向する第4の辺に配置されたゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4とを備える。ここで、
図26に示すように、ゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1は、MISFETQ1のゲート用信号配線パターンGL1・ソース用信号配線パターンSL1に接続され、ゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4は、MISFETQ4のゲート用信号配線パターンGL4・ソース用信号配線パターンSL4に接続される。
【0164】
図26に示すように、MISFETQ1・Q4から信号基板24
1・24
4上に配置されたゲート用信号配線パターンGL1・GL4およびソースセンス用信号配線パターンSL1・SL4に向けてゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4が接続される。また、ゲート用信号配線パターンGL1・GL4およびソースセンス用信号配線パターンSL1・SL4には、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびSST1・SST4が半田付けなどによって接続される。
【0165】
図26に示すように、信号基板24
1・24
4は、セラミックス基板8上に、半田付けなどによって接続される。
【0166】
また、
図26に示すように、4チップ並列に配置されたMISFETQ1・Q4のソースS1・S4は、上面板電極22
1・22
4によって共通に接続される。
【0167】
また、
図26において、図示は省略されているが、MISFETQ1・Q4のD1・S1間およびD4・S4間に逆並列にダイオードが接続されていても良い。
【0168】
図26に示された例では、4チップ並列に配置されたMISFETQ1・Q4のソースS1・S4は、上面板電極22
1・22
4によって共通に接続されているが、上面板電極22
1・22
4の代わりにソース同士がワイヤで導通されていても良い。
【0169】
正側電力端子P・負側電力端子N、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびSST1・SST4は、例えば、Cuで形成可能である。
【0170】
信号基板24
1・24
4は、セラミックス基板で形成可能である。セラミックス基板は、例えば、Al
2O
3、AlN、SiN、AlSiC、若しくは少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。
【0171】
主配線導体(電極パターン)32
1・32
4・22
nは、例えば、Cu、Alなどで形成可能である。
【0172】
MISFETQ1・Q4のソースS1・S4と上面板電極22
1・22
4を接続する柱状電極25
1・25
4および上面板電極22
1・22
4部分は、例えば、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。
【0173】
ゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4は、例えば、Al、AlCuなどで形成可能である。
【0174】
MISFETQ1・Q4としては、SiC DIMISFET、SiC TMISFETなどのSiC系パワーデバイス、あるいはGaN系HEMTなどのGaN系パワーデバイスを適用可能である。また、場合によっては、Si系MISFETやIGBTなどのパワーデバイスも適用可能である。
【0175】
第7の実施の形態に係るパワーモジュール200においては、4チップ構成のMISFETQ1は、主配線導体(電極パターン)32
1に対して形成された凹部37
1の底面上に半田層などを介して配置されている。更に、凹部37
1内には、第1樹脂層14
1が充填され、4チップ構成のMISFETQ1を樹脂封止している。
【0176】
同様に、4チップ構成のMISFETQ4は、主配線導体(電極パターン)32
4に対して形成された凹部37
4の底面上に半田層などを介して配置されている。更に、凹部37
4内には、第1樹脂層14
4が充填され、4チップ構成のMISFETQ4を樹脂封止している。第1樹脂層14
1と第1樹脂層14
4は同一材料で形成される。尚、凹部37
1・37
4は、
図26に示す例では複数のMISFETQ1・Q4を内包しているが、複数のMISFETQ1・Q4をそれぞれの凹部構造に内包するように配置しても良い。
【0177】
第7の実施の形態に係るパワーモジュール200の主要部は、第6の実施の形態と同様に、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上に配置された半導体デバイスQ1・Q4と、セラミックス基板8上に配置され、半導体デバイスQ1・Q4を底面に配置する凹部37
1・37
4と、凹部37
1・37
4の内側に配置され、半導体デバイスQ1・Q4を封止する第1樹脂層14
1・14
4と、器部材10
1・10
4の外側および第1樹脂層14
1・14
4上に配置され、第1樹脂層14
1・14
4およびセラミックス基板8を封止する第2樹脂層15とを備える。
【0178】
第7の実施の形態に係るパワーモジュール200においても第1の実施の形態と同様の第1樹脂層14・第2樹脂層15の材料を適用可能である。
【0179】
また、第7の実施の形態に係るパワーモジュール200においてもワイヤ配線の代わりに第2の実施の形態と同様のブロック端子電極を半導体デバイスに対して適用しても良い。この結果、熱ストレスなどによる断線を防止し、信頼性を向上可能である。
【0180】
また、第7の実施の形態に係るパワーモジュール200においても第3の実施の形態と同様の中継用基板およびブロック端子電極を備えていても良い。この結果、熱ストレスなどによる断線を防止し、信頼性を向上可能である。
【0181】
また、第7の実施の形態に係るパワーモジュール200においても第6の実施の形態と同様の製造方法を適用可能である。
【0182】
また、第7の実施の形態に係るパワーモジュール200においても、信頼性は凹部37
1・37
4の内側に配置されるソフトレジン14で保持可能であり、耐振動性・耐湿性は凹部37
1・37
4の外側およびソフトレジン14上に配置されるハードレジン15で保持可能である。
【0183】
第7の実施の形態によれば、耐振動性・耐湿性および信頼性が向上し、平坦化・薄層化され、構造が簡単で、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0184】
(パワーモジュールの具体例)
以下、実施の形態に係るパワーモジュールの具体例を説明する。もちろん、以下に説明するパワーモジュールにおいても、フレームにレジンを封止する器部材を形成し、器部材の内部と外側で封止材を変える構成を採用している。例えば、器部材の内側はソフトレジンを封止、器部材の外側は、ハードレジンを封止する。フレームに予めソフトレジンを封止する器部材部分を形成する。器部材の外側の封止は、モールド成型で行う。信頼性は器部材内側のソフトレジンで保持し、耐振動性・耐湿性は器部材外側のハードレジンで保持する。ケース付け無しでモジュール作製が可能となり、モジュール作製プロセスの簡略化、モジュールの小型化を図ることができ、ケースなどの部材が不要となり、低コスト化可能である。
【0185】
実施の形態に係るパワーモジュール20であって、ワンインワンモジュールのSiC MISFETの模式的回路表現は、
図27(a)に示すように表され、ワンインワンモジュールのIGBTの模式的回路表現は、
図27(b)に示すように表される。
【0186】
図27(a)には、MISFETQに逆並列接続されるダイオードDIが示されている。MISFETQの主電極は、ドレイン端子DTおよびソース端子STで表される。同様に、
図27(b)には、IGBTQに逆並列接続されるダイオードDIが示されている。IGBTQの主電極は、コレクタ端子CTおよびエミッタ端子ETで表される。
また、実施の形態に係るパワーモジュール20であって、ワンインワンモジュールのSiC MISFETの詳細回路表現は、
図28に示すように表される。
【0187】
実施の形態に係るパワーモジュール20は、例えば、ワンインワンモジュールの構成を備える。すなわち、1個のMISFETQが1つのモジュールに内蔵されている。一例として5チップ(MISFET×5)搭載可能であり、それぞれのMISFETQは、5個まで並列接続可能である。尚、5チップの内、一部をダイオードDI用として搭載することも可能である。
【0188】
さらに詳細には、
図28に示すように、MISFETQに並列にセンス用MISFETQsが接続される。センス用MISFETQsは、MISFETQと同一チップ内に、微細トランジスタとして形成されている。
図28において、SSは、ソースセンス端子、CSは、電流センス端子であり、Gは、ゲート信号端子である。なお、実施の形態においても半導体デバイスQには、センス用MISFETQsが同一チップ内に、微細トランジスタとして形成されている。
【0189】
また、実施の形態に係るパワーモジュール20Tであって、ツーインワンモジュールのSiC MISFETの模式的回路表現は、
図29(a)に示すように表される。
【0190】
図29(a)に示すように、2個のMISFETQ1・Q4と、MISFETQ1・Q4に逆並列接続されるダイオードD1・D4が1つのモジュールに内蔵されている。G1は、MISFETQ1のゲート信号端子であり、S1は、MISFETQ1のソース端子である。G4は、MISFETQ4のゲート信号端子であり、S4は、MISFETQ4のソース端子である。Pは、正側電源入力端子であり、Nは、負側電源入力端子であり、Oは、出力端子である。
【0191】
また、実施の形態に係るパワーモジュール20Tであって、ツーインワンモジュールのIGBTの模式的回路表現は、
図29(b)に示すように表される。
図29(b)に示すように、2個のIGBTQ1・Q4と、IGBTQ1・Q4に逆並列接続されるダイオードD1・D4が1つのモジュールに内蔵されている。G1は、IGBTQ1のゲート信号端子であり、E1は、IGBTQ1のエミッタ端子である。G4は、IGBTQ4のゲート信号端子であり、E4は、IGBTQ4のエミッタ端子である。Pは、正側電源入力端子であり、Nは、負側電源入力端子であり、Oは、出力端子である。
【0192】
(半導体デバイスの構成例)
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスの例であって、SiC MISFETの模式的断面構造は、
図30(a)に示すように表され、IGBTの模式的断面構造は、
図30(b)に示すように表される。
【0193】
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイス110(Q)の例として、SiC MISFETの模式的断面構造は、
図30(a)に示すように、n
-高抵抗層からなる半導体基板126と、半導体基板126の表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたソース領域130と、pボディ領域128間の半導体基板126の表面上に配置されたゲート絶縁膜132と、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138と、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134と、半導体基板126の表面と反対側の裏面に配置されたn
+ドレイン領域124と、n
+ドレイン領域124に接続されたドレイン電極136とを備える。
【0194】
図30(a)では、半導体デバイス110は、プレーナゲート型nチャネル縦型SiC MISFETで構成されているが、後述する
図34に示すように、nチャネル縦型SiC TMISFETなどで構成されていても良い。
【0195】
また、実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイス110(Q)には、SiC MISFETの代わりに、GaN系FETなどを採用することもできる。
【0196】
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイス110には、SiC系、GaN系のいずれかのパワーデバイスを採用可能である。
【0197】
更には、実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイス110には、バンドギャップエネルギーが、例えば、1.1eV〜8eVの半導体を用いることができる。
【0198】
同様に、実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイス110A(Q)の例として、IGBTは、
図30(b)に示すように、n
-高抵抗層からなる半導体基板126と、半導体基板126の表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたエミッタ領域130Eと、pボディ領域128間の半導体基板126の表面上に配置されたゲート絶縁膜132と、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138と、エミッタ領域130Eおよびpボディ領域128に接続されたエミッタ電極134Eと、半導体基板126の表面と反対側の裏面に配置されたp
+コレクタ領域124Pと、p
+コレクタ領域124Pに接続されたコレクタ電極136Cとを備える。
【0199】
図30(b)では、半導体デバイス110Aは、プレーナゲート型のnチャネル縦型IGBTで構成されているが、トレンチゲート型nチャネル縦型IGBTなどで構成されていても良い。
【0200】
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイス110の例であって、ソースパッド電極SP、ゲートパッド電極GPを含むSiC MISFETの模式的断面構造は、
図31に示すように表される。ゲートパッド電極GPは、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138に接続され、ソースパッド電極SPは、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134に接続される。
【0201】
また、ゲートパッド電極GPおよびソースパッド電極SPは、
図31に示すように、半導体デバイス110の表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144上に配置される。尚、ゲートパッド電極GPおよびソースパッド電極SPの下方の半導体基板126内には、
図30(a)或いは、
図31の中央部と同様に、微細構造のトランジスタ構造が形成されていても良い。
【0202】
さらに、
図31に示すように、中央部のトランジスタ構造においても、パッシベーション用の層間絶縁膜144上にソースパッド電極SPが延在して配置されていても良い。
【0203】
実施の形態に係るパワーモジュール20・20Tに適用する半導体デバイス110Aの例であって、ソースパッド電極SP、ゲートパッド電極GPを含むIGBTの模式的断面構造は、
図32に示すように表される。ゲートパッド電極GPは、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138に接続され、エミッタパッド電極EPは、エミッタ領域130Eおよびpボディ領域128に接続されたエミッタ電極134Eに接続される。
【0204】
また、ゲートパッド電極GPおよびエミッタパッド電極EPは、
図32に示すように、半導体デバイス110Aの表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144上に配置される。尚、ゲートパッド電極GPおよびエミッタパッド電極EPの下方の半導体基板126内には、
図30(b)或いは、
図32の中央部と同様に、微細構造のIGBT構造が形成されていても良い。
【0205】
さらに、
図32に示すように、中央部のIGBT構造においても、パッシベーション用の層間絶縁膜144上にエミッタパッド電極EPが延在して配置されていても良い。
【0206】
―SiC DIMISFET―
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイス110の例であって、SiC DIMISFETの模式的断面構造は、
図33に示すように表される。
【0207】
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能なSiC DIMISFETは、
図33に示すように、n
-高抵抗層からなる半導体基板126と、半導体基板126の表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたn
+ソース領域130と、pボディ領域128間の半導体基板126の表面上に配置されたゲート絶縁膜132と、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138と、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134と、半導体基板126の表面と反対側の裏面に配置されたn
+ドレイン領域124と、n
+ドレイン領域124に接続されたドレイン電極136とを備える。
【0208】
図33では、半導体デバイス110は、pボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたn
+ソース領域130が、ダブルイオン注入(DI)で形成され、ソースパッド電極SPは、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134に接続される。ゲートパッド電極GP(図示省略)は、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138に接続される。また、ソースパッド電極SPおよびゲートパッド電極GP(図示省略)は、
図33に示すように、半導体デバイス110の表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144上に配置される。
【0209】
SiC DIMISFETは、
図33に示すように、pボディ領域128に挟まれたn
-高抵抗層からなる半導体基板126内に、破線で示されるような空乏層が形成されるため、接合型FET(JFET)効果に伴うチャネル抵抗R
JFETが形成される。また、pボディ領域128/半導体基板126間には、
図33に示すように、ボディダイオードBDが形成される。
【0210】
―SiC TMISFET―
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイス110の例であって、SiC TMISFETの模式的断面構造は、
図34に示すように表される。
【0211】
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能なSiC TMISFETは、
図34に示すように、n層からなる半導体基板126Nと、半導体基板126Nの表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたn
+ソース領域130と、pボディ領域128を貫通し、半導体基板126Nまで形成されたトレンチの内にゲート絶縁層132および層間絶縁膜144U・144Bを介して形成されたトレンチゲート電極138TGと、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134と、半導体基板126Nの表面と反対側の裏面に配置されたn+ドレイン領域124と、n
+ドレイン領域124に接続されたドレイン電極136とを備える。
【0212】
図34では、半導体デバイス110は、pボディ領域128を貫通し、半導体基板126Nまで形成されたトレンチ内にゲート絶縁層132および層間絶縁膜144U・144Bを介して形成されたトレンチゲート電極138TGが形成され、ソースパッド電極SPは、ソース領域130およびpボディ領域28に接続されたソース電極134に接続される。ゲートパッド電極GP(図示省略)は、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138に接続される。また、ソースパッド電極SPおよびゲートパッド電極GP(図示省略)は、
図34に示すように、半導体デバイス110の表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144U上に配置される。
【0213】
SiC TMISFETでは、SiC DIMISFETのような接合型FET(JFET)効果に伴うチャネル抵抗R
JFETは形成されない。また、pボディ領域128/半導体基板126N間には、
図2と同様に、ボディダイオードBDが形成される。
【0214】
実施の形態に係るパワーモジュールを用いて構成した3相交流インバータ140の模式的回路構成において、半導体デバイスとしてSiC MISFETを適用し、電源端子PL、接地端子NL間にスナバコンデンサCを接続した回路構成例は、
図35(a)に示すように表される。同様に、実施の形態に係るパワーモジュールを用いて構成した3相交流インバータ140Aの模式的回路構成において、半導体デバイスとしてIGBTを適用し、電源端子PL、接地端子NL間にスナバコンデンサCを接続した回路構成例は、
図35(b)に示すように表される。
実施の形態に係るパワーモジュールを電源Eと接続する際、接続ラインの有するインダクタンスLによって、SiC MISFETやIGBTのスイッチング速度が速いため、大きなサージ電圧Ldi/dtを生ずる。例えば、電流変化di=300A、スイッチングに伴う時間変化dt=100nsecとすると、di/dt=3×10
9(A/s)となる。インダクタンスLの値により、サージ電圧Ldi/dtの値は変化するが、電源Vにこのサージ電圧Ldi/dtが重畳される。電源端子PLと接地端子NL間に接続されるスナバコンデンサCによって、このサージ電圧Ldi/dtを吸収することができる。
【0215】
(パワーモジュールを適用した応用例)
次に、
図36を参照して、半導体デバイスとしてSiC MISFETを適用した実施の形態に係るパワーモジュールを用いて構成した3相交流インバータ140について説明する。
【0216】
図36に示すように、3相交流インバータ140は、ゲートドライブ部150と、ゲートドライブ部150に接続されたパワーモジュール部152と、3相交流モータ部154とを備える。パワーモジュール部152は、3相交流モータ部154のU相、V相、W相に対応して、U相、V相、W相のインバータが接続されている。ここで、ゲートドライブ部150は、SiC MISFETQ1・Q4、SiC MISFETQ2・Q5、およびSiC MISFETQ3・Q6に接続されている。
【0217】
パワーモジュール部152は、蓄電池(E)146が接続されたコンバータ148のプラス端子(+)とマイナス端子(−)間に接続され、インバータ構成のSiC MISFETQ1・Q4、Q2・Q5、およびQ3・Q6を備える。また、SiC MISFETQ1〜Q6のソース・ドレイン間には、フリーホイールダイオードD1〜D6がそれぞれ逆並列に接続されている。
【0218】
次に、
図37を参照して、半導体デバイスとしてIGBTを適用した実施の形態に係るパワーモジュール20Tを用いて構成した3相交流インバータ140Aについて説明する。
【0219】
図37に示すように、3相交流インバータ140Aは、ゲートドライブ部150Aと、ゲートドライブ部150Aに接続されたパワーモジュール部152Aと、3相交流モータ部154Aとを備える。パワーモジュール部152Aは、3相交流モータ部154AのU相、V相、W相に対応して、U相、V相、W相のインバータが接続されている。ここで、ゲートドライブ部150Aは、IGBTQ1・Q4、IGBTQ2・Q5、およびIGBTQ3・Q6に接続されている。
【0220】
パワーモジュール部152Aは、蓄電池(E)146Aが接続されたコンバータ148Aのプラス端子(+)とマイナス端子(−)間に接続され、インバータ構成のIGBTQ1・Q4、Q2・Q5、およびQ3・Q6を備える。さらに、IGBTQ1〜Q6のエミッタ・コレクタ間には、フリーホイールダイオードD1〜D6がそれぞれ逆並列に接続されている。
【0221】
本実施の形態に係るパワーモジュールは、ワンインワン、ツーインワン、フォーインワン、シックスインワンもしくはセブンインワン型のいずれにも形成可能である。
【0222】
以上説明したように、本発明によれば、耐振動性・耐湿性および信頼性が向上し、構造が簡単で、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0223】
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0224】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。