特許第6371641号(P6371641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371641
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】整列装置および整列方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20180730BHJP
【FI】
   H01L21/68 G
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-178407(P2014-178407)
(22)【出願日】2014年9月2日
(65)【公開番号】特開2016-54169(P2016-54169A)
(43)【公開日】2016年4月14日
【審査請求日】2017年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】河崎 仁彦
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−071337(JP,A)
【文献】 特開2001−113420(JP,A)
【文献】 特開2000−327070(JP,A)
【文献】 特開2013−219245(JP,A)
【文献】 特開2002−064131(JP,A)
【文献】 特開平09−183024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の片状体を保持面で保持可能な保持手段と、
前記保持面で保持された前記複数の片状体間に当接手段を挿入し、前記複数の片状体の間隔を広げる間仕切り手段と、
前記当接手段と前記保持面とを相対移動させ、各片状体を前記保持面上の所定の位置に所定の向きで整列させる整列手段とを備えていることを特徴とする整列装置。
【請求項2】
複数の片状体を保持面で保持可能な保持手段と、
前記保持面で保持された前記複数の片状体間に当接手段を挿入可能な間仕切り手段と、
前記当接手段と前記保持面とを相対移動させ、前記複数の片状体の間隔を全体的に広げつつ、各片状体を前記保持面上の所定の位置に所定の向きで整列させる整列手段とを備えていることを特徴とする整列装置。
【請求項3】
複数の片状体を保持面で保持する工程と、
前記保持面で保持された前記複数の片状体間に当接手段を挿入し、前記複数の片状体の間隔を広げる工程と、
前記当接手段と前記保持面とを相対移動させ、各片状体を前記保持面上の所定の位置に所定の向きで整列させる工程とを備えていることを特徴とする整列方法。
【請求項4】
複数の片状体を保持面で保持する保持工程と、
前記保持面で保持された前記複数の片状体間に当接手段を挿入する間仕切り工程と、
前記当接手段と前記保持面とを相対移動させ、前記複数の片状体の間隔を全体的に広げつつ、各片状体を前記保持面上の所定の位置に所定の向きで整列させる整列工程とを備えていることを特徴とする整列方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整列装置および整列方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の半導体チップ(以下、単にチップという場合がある)等の片状体の間隔を広げ、当該片状体を取り出しやすくする整列装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−204747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の整列装置では、複数のチップが貼付されたダイシングフィルム等の接着シートを伸張させることにより、各チップの間隔を広げるため、接着シートの応力がチップの移動に影響を与えてしまい、各チップの間隔を均等に広げることができない。しかし、このような間隔の違いは極めて微小なため、各チップは、均等に間隔が広げられたものとされ、計算で導き出される位置(以下、理論上の位置という場合がある)を基準として搬送装置やピックアップ装置等の搬送手段によって搬送され、リードフレームや基板等の被搭載物上に搭載される。その結果、チップと被搭載物との相対位置関係が微妙にずれてしまい、ワイヤボンディングの接続位置がずれたり、チップと被搭載物との端子同士の位置がずれたりして、それらの導通が取れなくなってしてしまうという不都合を生じる。なお、このような課題は、半導体装置の製造に係るだけでなく、例えば緻密な機械部品や微細な装飾品等においても発生し得る。
【0005】
本発明の目的は、各片状体の間隔を正確に広げることができる整列装置および整列方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の整列装置は、複数の片状体を保持面で保持可能な保持手段と、前記保持面で保持された前記複数の片状体間に当接手段を挿入し、前記複数の片状体の間隔を広げる間仕切り手段と、前記当接手段と前記保持面とを相対移動させ、各片状体を前記保持面上の所定の位置に所定の向きで整列させる整列手段とを備えていることを特徴とする。
本発明の整列装置は、複数の片状体を保持面で保持可能な保持手段と、前記保持面で保持された前記複数の片状体間に当接手段を挿入可能な間仕切り手段と、前記当接手段と前記保持面とを相対移動させ、前記複数の片状体の間隔を全体的に広げつつ、各片状体を前記保持面上の所定の位置に所定の向きで整列させる整列手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の整列装置において、前記複数の片状体は、接着シートに貼付され、前記接着シートから前記複数の片状体を前記保持面に転写可能な転写手段を備えていることが好ましい。
本発明の整列装置において、前記当接手段は、前記複数の片状体間に格子状に配置可能な格子状部材であることが好ましい。
【0008】
本発明の整列方法は、複数の片状体を保持面で保持する工程と、前記保持面で保持された前記複数の片状体間に当接手段を挿入し、前記複数の片状体の間隔を広げる工程と、前記当接手段と前記保持面とを相対移動させ、各片状体を前記保持面上の所定の位置に所定の向きで整列させる工程とを備えていることを特徴とする。
本発明の整列方法は、複数の片状体を保持面で保持する保持工程と、前記保持面で保持された前記複数の片状体間に当接手段を挿入する間仕切り工程と、前記当接手段と前記保持面とを相対移動させ、前記複数の片状体の間隔を全体的に広げつつ、各片状体を前記保持面上の所定の位置に所定の向きで整列させる整列工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の片状体間に当接手段を挿入させて当該片状体を整列させることができるため、接着シートの応力の影響を受けることがなく、各片状体の間隔を正確に広げることができる。
【0010】
また、転写手段を設ければ、応力によって各片状体の間隔に影響を与える接着シートから各片状体を保持面に転写することができるので、各片状体の間隔を正確に広げることができる。
さらに、当接手段を格子状部材とすれば、一度で複数の片状体間全てに格子状部材を挿入させて当該片状体を整列させることができるため、単位時間当たりの処理能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る整列装置の側面図。
図2図1の整列装置の動作説明図。
図3】本発明の第2実施形態に係る整列装置の側面図。
図4図3の整列装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、各実施形態での同様の構成については、詳細な説明を省略する。
また、各実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、各実施形態では、Y軸と平行な図1中手前側から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
【0013】
[第1実施形態]
図1において、整列装置10は、複数の片状体としてのチップCPを保持面22Aで保持可能な保持手段20と、保持面22Aで保持された複数のチップCP間に当接手段としてのブレード32を挿入可能な間仕切り手段30と、ブレード32と保持面22Aとを相対移動させ、各チップCPを保持面22A上の所定の位置に所定の向きで整列させる整列手段40と、各チップCPの位置を認識可能な光学センサや撮像手段等の図示しない検知手段とを備えている。なお、チップCPは、半導体ウエハ(以下、単にウエハという場合がある)WFが格子状に切断されることで形成される。
【0014】
保持手段20は、駆動機器としての回動モータ21と、回動モータ21の出力軸21Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によってチップCPを吸着保持可能な保持面22Aを有するテーブル22とを備えている。
【0015】
間仕切り手段30は、駆動機器としての直動モータ31と、直動モータ31の出力軸31Aに支持されたブレード32とを備えている。ブレード32は、ウエハWFの前後方向長さよりも長く設定され、当該ブレード32の下端部は、先細り形状とされ、チップCP間に挿入しやすい形状となっている。
【0016】
整列手段40は、スライダ41Aで直動モータ31を支持する駆動機器としてのリニアモータ41を備えている。
【0017】
以上の整列装置10において、チップCPを整列させる手順について説明する。
先ず、各部材が初期位置に配置された図1中実線で示す状態の整列装置10に対し、作業者またはベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、複数のチップCPに個片化されたウエハWFを保持面22Aの所定位置に載置する。次いで、保持手段20が図示しない減圧手段を駆動し、保持面22Aで各チップCPを吸着保持する。
【0018】
次に、図示しない検知手段の検知結果を基に、保持手段20が回動モータ21を駆動し、前後方向に並んだ複数のチップCPからなる複数のチップ列CP1が左右方向に並ぶようにテーブル22を回転させる。その後、図示しない検知手段の検知結果を基に、間仕切り手段30および整列手段40が直動モータ31およびリニアモータ41を駆動し、図1中中央の二点鎖線で示すように、1番左のチップ列CP1と左から2番目のチップ列CP1との間にブレード32を挿入させる。次いで、整列手段40がリニアモータ41を駆動し、図1中左側の二点鎖線で示すように、ブレード32を左方に移動させて1番左のチップ列CP1を所定の位置に移動させる。そして、整列手段40が上記同様の動作により、ブレード32で左半分のチップ列CP1を左から順に所定の位置に移動させた後、図1中右側の二点鎖線で示すように、右半分のチップ列CP1を右から順に所定の位置に移動させる。これにより、図2(A)に示すように、各チップ列CP1が所定の間隔を保って左右方向に整列する。
【0019】
次に、保持手段20が回動モータ21を駆動し、図2(B)に示すように、テーブル22を保持面22Aと平行な面内で所定角度(本実施形態の場合90度)反時計回転方向に回転させる。そして、間仕切り手段30および整列手段40が上記同様の動作によりブレード32を移動させ、図2(B)中左側の二点鎖線で示すように、左半分のチップ列CP2を左から順に左方の所定の位置に移動させた後、同図中右側の二点鎖線で示すように、右半分のチップ列CP2を右から順に右方の所定の位置に移動させる。これにより、図2(C)に示すように、各チップCPが所定の間隔を保って保持面22A上の所定位置に所定の向きで整列する。
【0020】
その後、間仕切り手段30および整列手段40が直動モータ31およびリニアモータ41を駆動し、ブレード32を初期位置に復帰させ、保持手段20が図示しない減圧手段の駆動を停止した後、作業者または図示しない搬送手段が各チップCPをリードフレームや基板等の被搭載物上に搭載する。そして、全てのチップCPが被搭載物上に搭載されると、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、複数のチップCP間にブレード32を挿入させて当該チップCPを整列させることができるため、接着シートの応力の影響を受けることがなく、各チップCPの間隔を正確に広げることができる。
【0022】
[第2実施形態]
図3において、整列装置10Aは、保持手段20と、保持面22Aで保持された複数のチップCP間に当接手段としての格子状部材33を挿入可能な間仕切り手段30Aと、格子状部材33と保持面22Aとを相対移動させ、各チップCPを保持面22A上の所定の位置に所定の向きで整列させる整列手段40Aと、接着シートASから複数のチップCPを保持面22Aに転写可能な転写手段50と、各チップCPの位置を認識可能な光学センサや撮像手段等の図示しない検知手段とを備えている。なお、各チップCPは、接着シートASに貼付された状態で一体物WKとして形成されている。
【0023】
間仕切り手段30Aは、直動モータ31と、直動モータ31の出力軸31Aに支持された格子状部材33とを備えている。格子状部材33は、ベースプレート33Aと、ベースプレート33Aの下面33Bに格子状に形成された格子部33Cとを備え、一度で複数のチップCP間全てに格子部33Cを挿入可能に設けられている。格子部33Cの下端部は、先細り形状とされ、チップCP間に挿入しやすい形状となっている。
【0024】
整列手段40Aは、駆動機器としてのリニアモータ43と、リニアモータ43のスライダ43Aに支持され、スライダ44Aで直動モータ31を支持する駆動機器としてのリニアモータ44とを備えている。
【0025】
転写手段50は、駆動機器としてのリニアモータ51と、リニアモータ51のスライダ51Aにブラケット51Bを介して支持された直動モータ52と、直動モータ52の出力軸52Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって接着シートASを吸着保持可能な吸着パッド53と、駆動機器としてのリニアモータ54と、リニアモータ54のスライダ54Aに支持された駆動機器としての直動モータ55と、直動モータ55の出力軸55Aに支持された剥離板56とを備えている。
【0026】
以上の整列装置10Aにおいて、チップCPを整列させる手順について説明する。
先ず、各部材が初期位置に配置された図3に示す状態の整列装置10Aに対し、作業者またはベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、接着シートASを上側にして一体物WKを保持面22Aの所定位置に載置する。次に、転写手段50がリニアモータ51、54および直動モータ52、55を駆動し、吸着パッド53および剥離板56を図4(A)中実線で示す位置に移動させる。そして、転写手段50が、図示しない減圧手段を駆動し、吸着パッド53で接着シートASの右端部を吸着保持する。次いで、転写手段50がリニアモータ51、54および直動モータ52を駆動し、吸着パッド53を上昇させた後、図4(A)中二点鎖線で示すように、当該吸着パッド53および剥離板56を左方に移動させる。これにより、接着シートASがチップCPから剥離され、当該チップCPが保持面22Aに転写される。なお、チップCPから接着シートASが剥離されると、転写手段50が図示しない減圧手段の駆動を停止し、吸着パッド53の下方に位置する箱や袋等の図示しないシート回収手段内に接着シートASを落下させて収容する。その後、転写手段50がリニアモータ51、54および直動モータ52、55を駆動し、吸着パッド53および剥離板56を初期位置に復帰させる。
【0027】
次に、第1実施形態と同様にして、保持手段20がテーブル22を回転させる。その後、図示しない検知手段の検知結果を基に、間仕切り手段30Aおよび整列手段40Aが直動モータ31およびリニアモータ43、44を駆動し、図4(B)に示すように、複数のチップCP間全てに格子部33Cを挿入させる。このとき、図4(C)に示すように、格子部33Cに対する一部のチップCPの前後、左右方向の位置および、向きがばらばらになっている場合がある。そこで、整列手段40Aがリニアモータ44を駆動し、図4(D)に示すように、格子状部材33を前方に移動させる。これにより、チップCPの前後方向位置および向きが格子部33Cにより矯正される。その後、整列手段40Aがリニアモータ43を駆動し、図4(E)に示すように、格子状部材33を左方に移動させる。これにより、チップCPの左右方向位置が格子部33Cにより矯正され、各チップCPが所定の間隔を保って保持面22A上の所定の位置に所定の向きで整列する。
【0028】
次に、間仕切り手段30Aおよび整列手段40Aが直動モータ31およびリニアモータ43、44を駆動し、格子状部材33を初期位置に復帰させる。そして、保持手段20が図示しない減圧手段の駆動を停止した後、作業者または図示しない搬送手段がチップCPを被搭載物上に搭載する。そして、全てのチップCPが被搭載物上に搭載されると、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0029】
以上のような実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、転写手段50を設けたことで、応力によって各チップCP間隔に影響を与える接着シートASから各チップCPを保持面22Aに転写することができるので、各チップCPの間隔を正確に広げることができる。
さらに、一度で複数のチップCP間全てに格子部33Cを挿入させて各チップCPを整列させることができるため、単位時間当たりの処理能力を向上させることができる。
【0030】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0031】
例えば、保持手段20は、メカチャックやチャックシリンダ等のチャック手段、クーロン力、接着剤、磁力等でチップCPを保持する構成でもよいし、チップCPを保持しない構成でもよい。
保持手段20は、レーザ光等により複数のチップCPに個片化可能に脆弱層が形成されたウエハWFや、複数のチップCPに個片化可能な溝(上下方向に貫通しない溝)が形成されたウエハWFを保持してもよい。この場合、当接手段は、ウエハWFを切断可能な切断刃を備えるとよい。
保持手段20は、ウエハWFを例えば、1度、30度、45度、60度等、任意の方向に切断して個片化されたチップCPを保持してもよい。この場合、保持手段20は、テーブル22を回転させる所定角度をウエハWFの切断方向に合わせて任意に設定してもよい。
【0032】
ブレード32は、ウエハWFの前後方向長さよりも短く形成されてもよく、チップCPの前後方向長さよりも短く形成されてもよい。この場合、整列手段40は、1のチップ列CP1、CP2のチップCPを前方または後方から順に移動させればよい。
ブレード32および格子部33Cは、下端部が先細り形状に形成されていなくてもよい。
ブレード32の代わりに、線状のものを採用してもよいし、格子状部材33の代わりに線状部材が格子状に配置された網状のものを採用してもよい。
格子状部材33は、複数のチップCP間全てではなく、チップCP間部分であって複数のチップ列CP1、CP2に跨って、格子部33Cを挿入可能に設けてもよい。このような構成とすれば、第2実施形態のものよりも処理能力は低下するが、第1実施形態のものよりも処理能力を向上させることができる。
格子状部材33は、ベースプレート33Aを有さない格子部33C単体のものでもよい。
【0033】
整列手段40、40Aは、駆動機器としての所謂XYテーブルでテーブル22を支持し、ブレード32や格子状部材33を停止させておきテーブル22を前後または左右に移動させてもよいし、ブレード32または格子状部材33とテーブル22との両方を前後または左右に移動させてもよい。
整列手段40、40Aは、リニアモータ41、43を保持面22Aと平行な面内で回転可能に支持する駆動機器を備えてもよく、テーブル22を回転させることなくリニアモータ41、43を回転させてもよいし、テーブル22およびリニアモータ41、43の両方を回転させてもよい。テーブル22を回転させない場合、回動モータ21を省略することができる。
整列手段40は、右半分のチップ列CP1、CP2を移動させた後で左半分のチップ列CP1、CP2を移動させてもよいし、1番右のチップ列CP1、CP2を除く全てのチップ列CP1、CP2を1番左のチップ列CP1、CP2から順に左方に移動させてもよいし、1番左のチップ列CP1、CP2を除く全てのチップ列CP1、CP2を1番右のチップ列CP1、CP2から順に右方に移動させてもよい。
整列手段40Aは、格子状部材33を後方に移動させた後、当該格子状部材33を右方に移動させてもよいし、格子状部材33を左方または右方に移動させた後、当該格子状部材33を前方または後方に移動させてもよい。
整列手段40Aは、リニアモータ43に対して、例えば、30度、45度、60度等の任意の角度でリニアモータ44を交差させてスライダ43Aに支持させ、当該角度の方向に格子状部材33を移動させてもよい。
【0034】
転写手段50は、例えば、チャックシリンダや多関節ロボット等の把持手段で接着シートASを把持し、当該把持手段で接着シートASを引っ張って当該接着シートASを各チップCPから剥離してもよいし、例えば、剥離用接着シートを接着シートASに接着し、当該剥離用接着シートを引っ張って接着シートASを各チップCPから剥離してもよく、接着シートASを各チップCPから剥離できる限りなんら限定されることはない。
転写手段50は、剥離板56にかえて丸棒やローラを採用してもよいし、剥離板56およびそれを移動させる駆動機器等を設けなくてもよい。
転写手段50を第1実施形態に採用してもよいし、第2実施形態に転写手段50を採用せず、第1実施形態のようにして複数のチップCPを保持面22Aに載置してもよい。
【0035】
また、本発明における接着シートASおよび片状体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、片状体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体チップや化合物半導体チップ等の半導体チップ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体に貼付することができる。
【0036】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、保持手段は、複数の片状体を保持面で保持可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0037】
10、10A 整列装置
20 保持手段
22A 保持面
30、30A 間仕切り手段
32 ブレード(当接手段)
33 格子状部材(当接手段)
40、40A 整列手段
50 転写手段
AS 接着シート
CP チップ(片状体)
図1
図2
図3
図4