特許第6371649号(P6371649)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371649
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】出力装置の管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20180730BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20180730BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180730BHJP
   H04L 9/08 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   G06F3/12 303
   G06F3/12 322
   G06F3/12 329
   G06F3/12 331
   G06F3/12 338
   B41J29/00 Z
   B41J29/38 Z
   H04L9/00 601D
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-187327(P2014-187327)
(22)【出願日】2014年9月16日
(65)【公開番号】特開2016-62137(P2016-62137A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】山嵜 正博
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 義和
(72)【発明者】
【氏名】杉本 義郎
【審査官】 佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−309099(JP,A)
【文献】 特開2005−284943(JP,A)
【文献】 特開2010−081154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09− 3/12
B41J 29/00−29/70
H04N 1/00
H04L 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータから伝達される情報を出力する出力装置の管理システムであって、
前記出力装置に内蔵された出力装置制御部が有する前記出力装置の固有情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した固有情報に対応した出力装置制御部に設定するための1つ以上の設定項目について複数の異なる内容を設定した複数の特別設定情報を生成する設定情報生成手段と、
前記生成した複数の特別設定情報から任意に選択され、前記固有情報を含んだ状態でセキュリティが設定された1つの前記特別設定情報を前記出力装置制御部に与える設定情報付与手段と
初期値付与手段とを備え、
前記出力装置制御部は、
前記与えられた特別設定情報に含まれる固有情報と、前記出力装置制御部が有する固有情報が同じかどうか判定し、同じ場合にのみ前記与えられた特別設定情報のセキュリティを解除する解除手段と、
前記出力装置制御部の特別設定情報を、前記セキュリティが解除された特別設定情報に変更し、前記出力装置の特定の動作を実行可能とする情報変更手段とを有し、
前記初期値付与手段は、前記情報取得手段が前記固有情報を取得した際に、前記出力装置制御部に、前記特別設定情報に対して初期値を与える
出力装置の管理システム。
【請求項2】
前記特別設定情報は、情報の出力可能期間を規定する出力可能期間設定情報を少なくとも含み、
前記複数の異なるデータは、それぞれ異なる出力可能期間設定情報を有している請求項1に記載の出力装置の管理システム。
【請求項3】
前記出力装置制御部は、出力可能期間設定情報が設定する出力可能期間の期限日の所定日数前であると判断すると、前記出力装置に対して警告表示を行わせる請求項2に記載の出力装置の管理システム。
【請求項4】
コンピュータから伝達される情報を出力する出力装置の管理システムであって、
前記出力装置に内蔵された出力装置制御部が有する前記出力装置の固有情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した固有情報に対応した出力装置制御部に設定するための1つ以上の設定項目について複数の異なる内容を設定した複数の特別設定情報を生成する設定情報生成手段と、
前記生成した複数の特別設定情報から任意に選択され、前記固有情報を含んだ状態でセキュリティが設定された1つの前記特別設定情報を前記出力装置制御部に与える設定情報付与手段とを備え、
前記出力装置制御部は、
前記与えられた特別設定情報に含まれる固有情報と、前記出力装置制御部が有する固有情報が同じかどうか判定し、同じ場合にのみ前記与えられた特別設定情報のセキュリティを解除する解除手段と、
前記出力装置制御部の特別設定情報を、前記セキュリティが解除された特別設定情報に変更し、前記出力装置の特定の動作を実行可能とする情報変更手段と、
を有し、
前記特別設定情報は、情報の出力可能期間を規定する出力可能期間設定情報を少なくとも含み、
前記複数の異なるデータは、それぞれ異なる出力可能期間設定情報を有している
出力装置の管理システム。
【請求項5】
前記出力装置制御部は、出力可能期間設定情報が設定する出力可能期間の期限日の所定日数前であると判断すると、前記出力装置に対して警告表示を行わせる請求項4に記載の出力装置の管理システム。
【請求項6】
前記設定情報生成手段によって生成された複数の前記特別設定情報のそれぞれに対して、前記固有情報を用いて暗号化を行う暗号化手段を更に備え、
前記固有情報を含んだ状態でセキュリティが設定された1つの前記特別設定情報は、前記暗号化手段によって暗号化された複数の前記特別設定情報から任意に選択されたものであり、
前記解除手段は、前記与えられた前記特別設定情報に含まれる前記固有情報と、前記出力装置制御部が有する前記固有情報が一致するか否かを判定し、一致する場合にのみ与えられた前記特別設定情報を復号し、
前記暗号化手段は、プライベートネットワーク上に設けられたサーバー上で動作する
請求項4または5に記載の出力装置の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力装置の動作を管理する出力装置の管理システム、及び出力装置の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリンタなどの出力装置の特別条件に関する設定及びその更新については、管理者が一元的に管理し、出力装置の利用者を含め管理者以外の者が勝手に変更できないようなセキュリティ機能が要求されている。
【0003】
上記のような要求を満たすべく、例えば、特許文献1には、プリンタから特別条件設定情報を取り込むとともに更新する際にプリンタに書き込む第1のソフトウェアと、第1のソフトウェアから特別設定情報を受け取り当該特別設定情報の情報を変更して第1のソフトウェアに変更された特別設定情報の情報を戻す第2のソフトウェアとを用いることが記載されている。そして、特許文献1には、プリンタに設定された管理用・所属用コードと、第2のソフトウェアから第1のソフトウェアに戻された情報に付加された管理用・所属用コードとを比較することで、特別設定情報の書き換えのセキュリティを担保する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4642793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、常に第1のソフトウェアはプリンタに対して直接アクセスし、特別設定情報の読み出しと書き込みをする必要がある。例えば、プリンタの管理者がプリンタ販売店である場合、販売されたプリンタの多くは、プリンタ販売店から離れていたり、一般ユーザの例えば工場内など独立したプライベートネットワーク上に設けられていたりすることが多い。
【0006】
このため、第1のソフトウェアを販売店が操作する場合、現実的な方法としては、プリンタの設置場所まで出向いて作業を行うことになるが、作業効率が悪いという問題がある。
【0007】
また、第1のソフトウェアを一般ユーザが操作し、第2のソフトウェアを管理者が操作するような場合には、第1のソフトウェアを操作して取得したことを一般ユーザが管理者に連絡し、その後管理者が第2のソフトウェアを操作し、更に、管理者が第2のソフトウェアを操作したことを一般ユーザに連絡するということが必要となるため、作業効率が悪いという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、管理者の元を離れて使用される出力装置に関する設定処理について、セキュリティ機能を確保しつつ作業効率が良好な出力装置の管理システム及びその管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態として、以下に開示するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0010】
開示の出力装置の管理システムは、コンピュータから伝達される情報を出力する出力装置の管理システムであって、前記出力装置に内蔵された出力装置制御部が有する前記出力装置の固有情報を取得する情報取得手段と、前記取得した固有情報に対応した出力装置制御部に設定するための1つ以上の設定項目について複数の異なる内容を設定した複数の特別設定情報を生成する設定情報生成手段と、前記生成した複数の特別設定情報から任意に選択され、前記固有情報を含んだ状態でセキュリティが設定された1つの前記特別設定情報を前記出力装置制御部に与える設定情報付与手段とを備え、前記出力装置制御部は、前記与えられた特別設定情報に含まれる固有情報と、前記出力装置制御部が有する固有情報が同じかどうか判定し、同じ場合にのみ前記与えられた特別設定情報のセキュリティを解除する解除手段と、前記出力装置制御部の特別設定情報を、前記セキュリティが解除された特別設定情報に変更し、前記出力装置の特定の動作を実行可能とする情報変更手段と、を有する。
【0011】
上記構成によれば、複数の特別設定情報の生成を一括で行っておき、生成された特別設定情報から任意の1つの特別設定情報を管理者等が選択して、選択した特別設定情報を出力装置制御部に付与する。これにより、管理者等が特別設定情報を更新したい場合に、毎回、出力装置の固有情報を取得する必要がないため、設定を更新する作業効率の向上を図ることができる。
【0012】
また、本発明において、前記設定情報生成手段によって生成された複数の前記特別設定情報のそれぞれに対して、前記固有情報を用いて暗号化を行う暗号化手段を更に備え、前記固有情報を含んだ状態でセキュリティが設定された1つの前記特別設定情報は、前記暗号化手段によって暗号化された複数の特別設定情報から任意に選択されたものであり、前記解除手段は、前記与えられた前記特別設定情報に含まれる前記固有情報と、前記出力装置制御部が有する前記固有情報が一致するか否かを判定し、一致する場合にのみ与えられた前記特別設定情報を復号することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、出力装置の固有情報を用いて複数の特別設定情報を暗号化することで、パスワードの利用などが不要となり、暗号用キーの秘密性の向上を図ることができる。これにより、安全性と、設定を更新する作業効率と両立を図ることができる。
【0014】
また、本発明において、前記情報取得手段が前記固有情報を取得した際に、前記出力装置制御部に、前記特別設定情報に対して初期値を与える初期値付与手段を更に備えることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、出力装置に対して特別設定情報を変更するまでに所定の待ち時間がかかるような場合に、事前に特別設定情報に初期値を与えることで、当該所定の待ち時間の間でも出力装置の動作を行えるようにすることができる。また、出力装置が有していた古い特別設定情報を削除することもできる。
【0016】
また、本発明において、前記暗号化手段は、プライベートネットワーク上に設けられたサーバー上で動作することが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、外部からのアクセスが制限された環境で暗号化手段が動作することで、暗号化処理自体のセキュリティを高めることができ、外部への持ち出しやクラッキングなどの不正アクセスに関する対策が可能となる。
【0018】
また、本発明において、前記特別設定情報は、情報の出力可能期間を規定する出力可能期間設定情報を少なくとも含み、前記複数の異なるデータは、それぞれ異なる出力可能期間設定情報を有している。
【0019】
上記構成によれば、異なる出力可能期間を複数有することで、例えば出力装置の利用契約期間を更新する都度、対応する暗号化された出力可能期間を出力装置制御部に与えることで、更新作業が可能となり更新作業効率の向上を図ることができる。
【0020】
また、本発明において、前記出力装置制御部は、出力可能期間設定情報が設定する出力可能期間の期限日の所定日数前であると判断すると、前記出力装置に対して警告表示を行わせることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、例えば出力装置が有する表示部に警告文を事前に表示させることで、契約の更新等を出力装置の利用者に促すことができ、当該契約に応じた出力可能期間内に、出力可能期間を確実に延長させることができる。
【0022】
以上のような本発明は、上記出力装置の管理システムに係る発明を、その管理システムにより行われる出力装置の管理システムとして捉えることも可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、管理者の元を離れたユーザが使用する出力装置に関する設定処理について、セキュリティ機能を確保しつつ作業効率が良好な出力装置の管理システム及びその管理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明が適用されたプリンタの管理システムの全体構成を説明するための図である。
図2】本発明が適用されたプリンタの管理システムによってプリンタを管理する処理内容について説明するための図である。
図3】割賦販売されたプリンタ10の管理を行う適用例について説明するための図である。
図4】割賦販売されたプリンタ10を管理する処理内容について説明するための図である。
図5】割賦販売されたプリンタ10の出力可能期間を管理する管理システムの動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための形態について具体例を示して説明する。本実施形態は、コンピュータから伝達される情報を出力する出力装置の動作を管理する出力装置の管理システムに関する。
【0026】
(1)全体構成
本実施形態では、コンピュータから伝達される情報を出力する出力装置の一例として、図1に示すようなプリンタ10の設定及びその更新を管理する管理システム1について説明する。
【0027】
管理システム1は、図1に示すように、プリンタ10と、ユーザコンピュータ20と、初期管理用コンピュータ30と、更新管理用コンピュータ40と、仲介者コンピュータ50と、製造者コンピュータ60と、メールサーバコンピュータ70と、を備えている。
【0028】
プリンタ10は、本発明に係る出力装置の一態様であって、プリンタ制御部11と、プリンタ制御部11に従って印刷処理を行う印刷処理部12と、を有する。
【0029】
プリンタ制御部11は、本発明に係る出力装置制御手段の一態様であって、特別設定情報及び一般設定情報を含む設定情報に従って、印刷処理部12による印刷処理等、プリンタ10全体の動作を制御する。ここで、特別設定情報とは、後述する管理者により管理される1以上の設定項目に関する情報であって、具体的には、プリンタ10の出力可能期間、その他プリンタ10に新たに追加するオプション機能の設定に関する情報である。一般設定情報とは、解像度の設定や印刷部数など一般ユーザが印刷のために設定する情報である。また、プリンタ制御部11は、プリンタ10を一意に識別可能な固有情報を記憶している。プリンタ10の製造者が管理するシリアル番号、MACアドレスなどを、固有情報として用いることができる。
【0030】
また、プリンタ制御部11は、本発明に係る解除手段の一態様である解除部111と、本発明に係る情報変更手段の一態様である情報変更部112と、を有する。解除部111は、後述するように更新管理用コンピュータ40から与えられる特別設定情報に設定されたセキュリティに関する設定情報を変更することでセキュリティを解除し、解除した特別設定情報を情報変更部112に通知する。情報変更部112は、上述した特別設定情報を変更し、プリンタ10の特定の動作を実行可能とする。具体的な情報変更に関する処理については後述する。
【0031】
ユーザコンピュータ20は、プリンタ10のユーザが使用するコンピュータである。具体的にユーザコンピュータ20は、プリンタ10とUSBなどを介して接続され、プリンタ10に印刷処理等のコマンドを出力する。また、ユーザコンピュータ20は、インターネット2を介して更新管理用コンピュータ40と接続され、後述するように、更新管理用コンピュータ40から更新に係る特別設定情報を受信し、受信した特別設定情報をプリンタ10に送信する。
【0032】
初期管理用コンピュータ30は、プリンタ10の出力可能期間などを管理するコンピュータである。具体的に、初期管理用コンピュータ30は、プリンタ10をユーザに引き渡す際に初期設定などの管理を行うため、情報取得部31と、初期値付与部32と、を有する。
【0033】
情報取得部31は、本発明に係る情報取得手段の一態様であって、プリンタ制御部11が有するプリンタ10の固有情報を取得する処理を行う。具体的に、ユーザへのプリンタ10の引き渡し時などに、管理者によって初期管理用コンピュータ30とプリンタ10とがUSBなどを介して接続されると、情報取得部31は、プリンタ10のプリンタ制御部11にアクセスして、当該固有情報を取得する。
【0034】
初期値付与部32は、情報取得部31が固有情報を取得した際に、プリンタ制御部11に、特別設定情報に対して初期値を与える。つまり、初期値付与部32は、後述するように更新管理用コンピュータ40がプリンタ10に特別設定情報を与えるまでの間、事前に特別設定情報に対して初期値を与えてユーザがプリンタ10を使用できるようにする。これ以外にも、例えばプリンタ10を過去に他のユーザが所有していた場合であって、プリンタ10に設定された特別設定情報が初期化(解除状態)されていない場合には、過去の他のユーザに対して生成したセキュリティ機能解除情報を用いて、プリンタ10に設定された特別設定情報を初期化する。具体的には、特別設定情報に特定情報を設定して当該特別設定情報のセキュリティ機能を解除する、すなわち当該特別設定情報を初期化する。そして、当該他のユーザが所有していた時に設定されていた特別設定情報が初期化された状態に対して、上記初期値を与える。
【0035】
更新管理用コンピュータ40は、初期管理用コンピュータ30と同様にプリンタ10の使用期限などを管理する管理者が使用するコンピュータであって、固有情報転送部41と、設定情報付与部42と、を有する。
【0036】
固有情報転送部41は、管理者がUSBメモリなどの外部媒体を介して初期管理用コンピュータ30の情報取得部31が取得した固有情報を移動させることで、更新管理用コンピュータ40側で固有情報を受信する。そして、固有情報転送部41は、インターネット2上にあるメールサーバコンピュータ70を介して、仲介者コンピュータ50宛ての電子メールに固有情報を添付して送信する。
【0037】
設定情報付与部42は、本発明に係る設定情報付与手段の一態様であって、後述するように仲介者コンピュータ50から送信される複数の特別設定情報のうち、管理者の操作に応じて一の特別設定情報をプリンタ10のプリンタ制御部11に与えるため、発行部421と、送信部422とを備える。具体的に、発行部421は、仲介者コンピュータ50から送信される複数の特別設定情報を記憶し、管理者の操作に応じて一の特別設定情報を選択する。そして、送信部422は、選択した一の特別設定情報を、インターネット2上にあるメールサーバコンピュータ70を介して、ユーザコンピュータ20宛ての電子メールに添付して送信する。
【0038】
なお、初期管理用コンピュータ30は、ユーザコンピュータ20及び更新管理用コンピュータ40と独立して設ける必要はなく、ユーザコンピュータ20又は更新管理用コンピュータ40が初期管理用コンピュータ30の動作を行うことも可能である。
【0039】
仲介者コンピュータ50は、例えばプリンタ10の製造者の関係会社や子会社などが管理するコンピュータであって、更新管理用コンピュータ40から送られてくる固有情報を製造者コンピュータ60に転送する固有情報転送部51と、後述するように製造者コンピュータ60から送られてくる複数の特別設定情報を更新管理用コンピュータ40に転送する設定情報転送部52と、を有する。
【0040】
仲介者コンピュータ50は、図1に示すように、情報漏洩を防止するため、外部から遮断されたイントラネット3を介して、製造者コンピュータ60と情報の送受信を行うことが好ましい。
【0041】
製造者コンピュータ60は、プリンタ10の製造者が管理するコンピュータであって、設定情報生成部61と、暗号化部62と、を有する。設定情報生成部61は、本発明に係る設定情報生成手段の一態様であって、仲介者コンピュータ50から固有情報を受信すると、当該固有情報に対応したプリンタ制御部11に設定するための1つ以上の設定項目について複数の異なる内容を設定した複数の特別設定情報を生成する。ここで、設定項目をプリンタ10の出力可能期間とした場合、設定情報生成部61は、向こう10年間の日数分(3652又は3653日)の個々の期限日に対応した出力可能期間を設定する特別設定情報及びセキュリティ機能解除情報を生成する。つまり、設定情報生成部61は、一つの固有情報に対応した複数(例えば、3652〜3654個)の出力可能期間の設定用の特別設定情報とセキュリティ機能解除情報を生成する。
【0042】
暗号化部62は、本発明に係る暗号化手段の一態様であって、設定情報生成部61によって生成された複数の特別設定情報のそれぞれに対して固有情報を用いて暗号化を行こととで、固有情報を含んだ状態でセキュリティを設定する。そして、暗号化部62は、複数の暗号化された特別設定情報を、イントラネット3を介して仲介者コンピュータ50に送信する。
【0043】
なお、製造者コンピュータ60は、暗号化部62が固有情報を用いて暗号化する場合に限定されず、暗号化する処理以外にも例えば固有情報と対応関係にあるパスワードを用いて特別設定情報にセキュリティを設定してもよい。
【0044】
(2)管理システムに係る処理
次に、上述した構成からなる管理システム1がプリンタ10を管理する処理工程について図2に示すフローチャートに従って説明する。
【0045】
ステップS201において、情報取得部31は、初期管理用コンピュータ30がプリンタ10と通信可能に接続されると、プリンタ制御部11から固有情報を取得する。取得した固有情報は、更新管理用コンピュータ40、仲介者コンピュータ50を介して、製造者コンピュータ60に転送される。また、当該ステップS201において、初期値付与部32は、情報取得部31が固有情報を取得した際に、プリンタ制御部11に、特別設定情報に対して初期値を与える。特別設定情報に対して与える初期値は、例えばユーザにプリンタ10を引き渡した時を起算点として30日間又は一ヶ月間などの所定期間(所定日数、例えば1〜255日の範囲で任意の日数)を出力可能期間に設定するための特別設定情報である。
【0046】
ステップS202において、製造者コンピュータ60の設定情報生成部61は、ステップS201で取得した固有情報に対応したプリンタ制御部11に設定するための1つ以上の設定項目について複数の異なる内容を設定した複数の特別設定情報を生成する。上述したように設定項目をプリンタ10の出力可能期間とした場合、設定情報生成部61は、10年間の日数分(3652又は3653日)の個々の期限日に対応した出力可能期間を設定する特別設定情報を生成し、ステップS203に進む。
【0047】
ステップS203において、製造者コンピュータ60の暗号化部62は、ステップS202により生成した複数の特別設定情報を、固有情報を用いて暗号化することでセキュリティを設定し、ステップS204に進む。暗号化された特別設定情報は、仲介者コンピュータ50を介して、更新管理用コンピュータ40に転送される。
【0048】
ステップS204において、更新管理用コンピュータ40の設定情報付与部42は、発行部421により、複数の特別設定情報の中から、当該更新管理用コンピュータ40の操作に従って、一の特別設定情報を選択して、プリンタ制御部11に与え、ステップS205に進む。具体例として、管理者が期限日を20XX年9月30日にする旨の操作をした場合、「20XX年9月30日」に対応する出力可能期間の特別設定情報が選択される。また、選択した特別設定情報は、設定情報付与部42の送信部422によりユーザコンピュータ20に送信され、ユーザの操作によって、ユーザコンピュータ20からプリンタ制御部11に与えられる。
【0049】
ステップS205において、プリンタ制御部11が有する解除部111は、ステップS204により与えられた暗号化された特別設定情報に対してプリンタ制御部11が有する固有情報を用いて復号化処理を行い、復号化処理が成功したか否かを判断する。具体的に、復号化した特別設定情報に含まれる固有情報と、プリンタ制御部11が有する固有情報が一致した場合には、特別設定情報の復号化が成功したと判断し(S205:Yes)、ステップS206に進む。一方、固有情報が一致しない場合には、復号化が失敗したと判断し(S205:No)、情報変更部112により特別設定情報を変更することなく、上記図2に示す処理を終了する。
【0050】
当該ステップS205において、上記の復号化処理は、解除部111が、更新管理用コンピュータ40の設定情報付与部42から与えられた特別設定情報のセキュリティを解除する処理の一態様である。つまり、セキュリティを解除する処理は、上記の復号化処理に限定されず、当該特別設定情報に設定されたセキュリティに関する設定情報を変更することでセキュリティを解除した場合(S205:Yes)には、ステップS206に進む。
【0051】
ステップS206において、情報変更部112は、プリンタ制御部11の特別設定情報を、復号化処理の成功(S205:Yes)によりセキュリティが解除された特別設定情報に変更する。つまり、出力可能期間の更新を行い、更新後の期限日までプリンタの動作を実行可能とし、上記図2に示す処理を終了する。
【0052】
上記図2に示す処理を行うことで、管理システム1は、製造者コンピュータ60により、複数の特別設定情報の生成を一括で行っておき、更新管理用コンピュータ40により生成された特別設定情報から任意の1つの特別設定情報を管理者等が選択し、選択した特別設定情報をプリンタ制御部11に付与する。これにより、管理者等が特別設定情報を更新したい場合に、毎回、プリンタ10の固有情報を取得する必要がないため、設定を更新する作業効率の向上を図ることができる。
【0053】
つまり、管理システム1は、管理者の元を離れたユーザが使用するプリンタ10に関する設定及びその更新処理について、セキュリティ機能を確保しつつ良好な作業環境を管理者に提供することができる。
【0054】
また、製造者コンピュータ60により、プリンタ10の固有情報を用いて複数の特別設定情報を暗号化することで、プリンタ制御部11の解除部111がセキュリティを解除する際にパスワードの利用などが不要となり、暗号用キーの秘密性が向上する。これにより、安全性と、設定を更新する作業効率と両立を図ることができる。さらに、暗号化部62が、製造者コンピュータ60のような、プライベートネットワーク上に設けられたサーバ上で動作する、つまり、外部からのアクセスが制限された環境で暗号化部62が動作することで、暗号化処理自体のセキュリティをよりいっそう高めることができる。
【0055】
また、製造者コンピュータ60により、異なる出力可能期間を設定する特別設定情報を複数生成することで、例えばプリンタ10の利用契約期間を更新する都度、対応する暗号化された出力可能期間をプリンタ制御部11に与え、更新作業が可能となり更新作業効率の向上を図ることができる。
【0056】
(3)割賦販売への適用例
次に、管理システム1により割賦販売されたプリンタ10の管理を行う適用例について説明する。まず、本適用例の前提条件として、図3に示すように、販売者Bは、プリンタ10をユーザAに割賦販売しており、ユーザAは、月ごとに割賦金Mの支払に応じてプリンタ10を使用できる契約を結んでいるものとする。
【0057】
上記契約に基づくプリンタ10の利用形態において、管理システム1は、図4に示すようなフローチャートに従った処理を行うことで、ユーザAが割賦金Mを完済するまで、割賦金Mの入金に応じてプリンタの出力可能期間を逐次更新する。
【0058】
図4に示す処理の前提として、販売者BからユーザAにプリンタ10が販売され、プリンタ10には特別設定情報が与えられ、使用可能な状態になっているものとする。すなわち、上記図2に示す処理が終了し、例えば9月30日を出力可能期限とした出力可能期間でユーザAがプリンタ10を使用できるものになっているものとする。
【0059】
ステップS401において、更新管理用コンピュータ40は、図3の矢印301に示すように、ユーザAが割賦金Mを販売者Bに入金した情報(以下、入金情報ともいう。)があったか否かを判断する。入金情報があった場合(S401:Yes)にはステップS402に進む一方、入金情報がない場合(S401:No)にはステップS406に進む。
【0060】
ステップS402において、発行部421は、図3に示すように、複数の特別設定情報の中から、販売者Bによる当該更新管理用コンピュータ40の操作に従って、割賦金Mの入金に対応した出力可能期間の特別設定情報302を選択し、特別設定情報302を図3の矢印303に示すように送信部422に送る。そして、送信部422は、図3矢印304に示すように電子メールに特別設定情報302を添付してユーザコンピュータ20に送信する。そして、ユーザAの操作により、特別設定情報302がプリンタ制御部11に与えられ、ステップS403に進む。
【0061】
なお、当該ステップS402において、販売者Bが割賦金を完済したと判断した場合には、出力可能期間を無期限に設定する特別設定情報302がプリンタ制御部11に与えられることになる。
【0062】
ステップS403において、プリンタ制御部11の解除部111は、ステップS402により与えられた暗号化された特別設定情報に対してプリンタ制御部11が有する固有情報を用いて復号化処理を行い、復号化処理が成功したか否かを判断する。具体的に、復号化した特別設定情報に含まれる固有情報と、プリンタ制御部11が有する固有情報が一致した場合には特別設定情報の復号化が成功したと判断し(S403:Yes)にはステップS404に進む。一方、固有情報が一致しない場合には、復号化が失敗したと判断し(S403:No)、情報変更部112により特別設定情報を変更せずにステップS405に進む。
【0063】
当該ステップS403において、上記の復号化処理は、図2のステップS205と同様、解除部111が、更新管理用コンピュータ40の設定情報付与部42により与えられた特別設定情報のセキュリティを解除する処理の一態様である。つまり、セキュリティを解除する処理は、上記の復号化処理に限定されず、当該特別設定情報に設定されたセキュリティに関する設定情報を変更することでセキュリティを解除した場合(S403:Yes)には、ステップS404に進む。
【0064】
ステップS404において、情報変更部112は、図2のステップS206と同様に、プリンタ制御部11の特別設定情報を、セキュリティが解除された特別設定情報に変更する。つまり、変更後の出力可能期間についてプリンタの動作を実行可能にしてステップS405に進む。
【0065】
ステップS405において、プリンタ10のプリンタ制御部11は、現在設定されている特別設定情報を参照して、使用期限期間が無期限であるか否かを判断し、無期限である場合(S405:Yes)には図4に示す処理を終了し、無期限ではない場合(S405:No)にはステップS401に戻る。
【0066】
一方、ステップS401において入金情報がなかった場合(S401:No)に進むステップS406において、プリンタ10のプリンタ制御部11は、現在の出力可能期間の期限日の所定数日前、例えば7日前を経過したか否かを判断して、経過した場合(S406:Yes)にはステップS407に進み、経過していない場合(S406:No)にはステップS406に進まずにステップS401に戻る。
【0067】
ステップS407において、プリンタ10のプリンタ制御部11は、プリンタ10に対して警告表示を行わせ、ステップS408に進む。具体的には、プリンタ10に設けられているディスプレイなどに、期限日が終了間近であること、当該期限日を過ぎると印刷ができなくなること、などの警告文を表示して、当該警告文をユーザAに通知する。
【0068】
ステップS408において、プリンタ10のプリンタ制御部11は、現在の出力可能期間の期限日を経過したか否かを判断して、経過した場合(S408:Yes)にはステップS409に進み、経過していない場合(S408:No)にはステップS409に進まずにステップS401に戻る。
【0069】
ステップS409において、プリンタ10のプリンタ制御部11は、プリンタ10を出力不可能にして、ステップS401に戻る。具体的には、印刷処理ができないようにする。なお、ノズルチェックやクリーニングなどメンテナンスに必要な機能については使用可能な状態に維持していてもよい。
【0070】
上記図4に示す処理を行うことで、例えば図5のタイミングチャートに示すような動作を実現することができる。
【0071】
具体的には、まず、タイミングT501である9月1日に、販売者BからユーザAにプリンタ10が販売され、プリンタ10には出力可能期間を一ヶ月間とする特別設定情報が与えられ使用可能な状態になっているものとする。
【0072】
続いて、ユーザAが割賦金Mを販売者Bに対して入金することがなく、タイミングT502、つまり出力可能期間の期限日の一週間前の9月23日を経過すると、プリンタ10は上記のステップS704により警告表示を行う。警告表示は、期限日から任意の日数分前より行うように、販売者BからユーザAにプリンタ10を販売する際に設定されているものである。
【0073】
続いて、タイミングT503、つまり現在の出力可能期間の期限日前の9月28日でユーザAが割賦金Mを販売者Bに対して入金すると、その後のタイミングT504において、更新管理用コンピュータ40は、新たな出力可能期間、つまり10月31日を期限日とする特別設定情報をプリンタ制御部11に与える。このようにして、ユーザAは、9月30日を経過しても、10月31日までプリンタ10を使用することが可能となる。
【0074】
その後、ユーザAが割賦金Mを販売者Bに対して入金することがなく、タイミングT505、つまり出力可能期間の期限日の一週間前である10月24日を経過し、さらに出力可能期間の期限日である10月31日、つまりタイミングT506を経過すると、プリンタ制御部11は、プリンタ10を出力不可能にする。
【0075】
続いて、タイミングT507、つまり現在設定されている出力可能期間の経過後の11月2日でユーザAが割賦金Mを販売者Bに対して入金すると、その直後のタイミングT508において、更新管理用コンピュータ40は、新たな出力可能期間、つまり11月30日を期限日に設定する特別設定情報をプリンタ制御部11に与え、プリンタ10が使用不可能から使用可能な状態に変更することになる。
【0076】
上記図5に示すタイミングチャートの動作から見ても明らかなように、上記図4に示す処理を実行して、プリンタ10が有するディスプレイに警告文を事前に表示させることで、割賦金の入金や契約の更新等をプリンタ10の利用者に促すことができ、出力可能期間を確実に延長することができる。また、上記図4に示す処理によれば、出力可能期間の経過後においても出力可能期間の更新を行うことができる。
【0077】
(4)まとめ
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、情報取得部31および設定情報付与部42は、一つのコンピュータで行うようにしてもよい。また、設定情報生成部61及び暗号化部62については、一つのコンピュータで行うようにしてもよい。つまり、本発明が適用される管理システムは、初期管理用コンピュータ30、更新管理用コンピュータ40、仲介者コンピュータ50および製造者コンピュータ60の4台のコンピュータを必ずしも使用する場合に限らず、プリンタを管理する各処理部を実現するコンピュータについては、例えばプリンタの販売形態に応じて適宜変更することが可能である。
【0078】
また、本発明の管理対象は、プリンタに限らず、スキャナ、プロジェクタなど、コンピュータから伝達される情報を出力する出力装置であっても適用可能である。
【0079】
以上のように、出力装置(プリンタ10)の管理システム1は、コンピュータ(ユーザコンピュータ20)から伝達される情報を出力する出力装置(プリンタ10)の管理システム1であって、出力装置1に内蔵された出力装置制御部(プリンタ制御部11)が有する出力装置(プリンタ10)の固有情報を取得する情報取得手段(情報取得部31)と、取得した固有情報に対応した出力装置制御部(プリンタ制御部11)に設定するための1つ以上の設定項目について複数の異なる内容を設定した複数の特別設定情報を生成する設定情報生成手段(設定情報生成部61)と、生成した複数の特別設定情報から任意に選択され、固有情報を含んだ状態でセキュリティが設定された1つの特別設定情報を出力装置制御部(プリンタ制御部11)に与える設定情報付与手段(設定情報付与部42)とを備え、出力装置制御部(プリンタ制御部11)は、与えられた特別設定情報に含まれる固有情報と、出力装置制御部(プリンタ制御部11)が有する固有情報が同じかどうか判定し、同じ場合にのみ与えられた特別設定情報のセキュリティを解除する解除手段(解除部111)と、出力装置制御部(プリンタ制御部11)の特別設定情報を、セキュリティが解除された特別設定情報に変更し、出力装置(プリンタ10)の特定の動作を実行可能とする情報変更手段(情報変更部112)と、を有する。
【0080】
この構成によれば、複数の特別設定情報の生成を一括で行っておき、生成された特別設定情報から任意の1つの特別設定情報を管理者等が選択して、選択した特別設定情報を出力装置制御部に付与する。これにより、管理者等が特別設定情報を更新したい場合に、毎回、出力装置の固有情報を取得する必要がないため、設定を更新する作業効率の向上を図ることができる。
【0081】
また、設定情報生成手段(設定情報生成部61)によって生成された複数の特別設定情報のそれぞれに対して、固有情報を用いて暗号化を行う暗号化手段(暗号化部62)を更に備え、固有情報を含んだ状態でセキュリティが設定された1つの特別設定情報は、暗号化手段(暗号化部62)によって暗号化された複数の特別設定情報から任意に選択されたものであり、解除手段(解除部111)は、与えられた特別設定情報に含まれる固有情報と、出力装置制御部(プリンタ制御部11)が有する固有情報が一致するか否かを判定し、一致する場合にのみ与えられた特別設定情報を復号することが好ましい。
【0082】
この構成によれば、出力装置(プリンタ10)の固有情報を用いて複数の特別設定情報を暗号化することで、パスワードの利用などが不要となり、暗号用キーの秘密性の向上を図ることができる。これにより、安全性と、設定を更新する作業効率と両立を図ることができる。
【0083】
また、情報取得手段(情報取得部)が固有情報を取得した際に、出力装置制御部(プリンタ制御部11)に、特別設定情報に対して初期値を与える初期値付与手段(初期値付与部32)を更に備えることが好ましい。
【0084】
この構成によれば、出力装置(プリンタ10)に対して特別設定情報を変更するまでに所定の待ち時間がかかるような場合に、事前に特別設定情報に初期値を与えることで、当該所定の待ち時間の間でも出力装置(プリンタ10)の動作を行えるようにすることができる。また、出力装置(プリンタ10)が有していた古い特別設定情報を削除することもできる。
【0085】
また、暗号化手段(暗号化部62)は、プライベートネットワーク上に設けられたサーバー(製造者コンピュータ60)上で動作することが好ましい。
【0086】
この構成によれば、外部からのアクセスが制限された環境で暗号化手段(暗号化部62)が動作することで、暗号化処理自体のセキュリティを高めることができる。
【0087】
また、本発明において、特別設定情報は、情報の出力可能期間を規定する出力可能期間設定情報を少なくとも含み、複数の異なるデータは、それぞれ異なる出力可能期間設定情報を有している。
【0088】
上記構成によれば、異なる出力可能期間を複数有することで、例えば出力装置(プリンタ10)の利用契約期間を更新する都度、対応する暗号化された出力可能期間を出力装置制御部(プリンタ制御部11)に与えることで、更新作業が可能となり更新作業効率の向上を図ることができる。
【0089】
また、出力装置制御部(プリンタ制御部11)は、出力可能期間設定情報が設定する出力可能期間の期限日の所定日数前であると判断すると、出力装置(プリンタ10)に対して警告表示を行わせることが好ましい。
【0090】
この構成によれば、例えば出力装置(プリンタ10)が有する表示部に警告文を事前に表示させることで、契約の更新等を出力装置の利用者に促すことができ、当該契約に応じた出力可能期間内に、出力可能期間を確実に延長させることができる。
【0091】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 管理システム
10 プリンタ(出力装置)
11 プリンタ制御部(出力装置制御部)
111 解除部(解除手段)
112 情報変更部(情報変更手段)
20 ユーザコンピュータ
31 情報取得部(情報取得手段)
32 初期値付与部(初期値付与手段)
42 設定情報付与部(設定情報付与手段)
61 設定情報生成部(設定情報生成手段)
62 暗号化部
図1
図2
図3
図4
図5