特許第6371657号(P6371657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371657
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】建設材料の粒度分布測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/02 20060101AFI20180730BHJP
【FI】
   G01N15/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-197833(P2014-197833)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-70714(P2016-70714A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】三輪 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 英樹
(72)【発明者】
【氏名】安井 利彰
(72)【発明者】
【氏名】笹倉 伸晃
(72)【発明者】
【氏名】松尾 健二
(72)【発明者】
【氏名】田中 麻穂
(72)【発明者】
【氏名】平川 彩織
【審査官】 磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−062875(JP,A)
【文献】 特開2013−228342(JP,A)
【文献】 実開昭60−056257(JP,U)
【文献】 特開昭54−039682(JP,A)
【文献】 特開2006−061081(JP,A)
【文献】 実開昭56−020622(JP,U)
【文献】 特開2001−242062(JP,A)
【文献】 国際公開第97/014950(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00 − 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設材料を均一に分散して流下させ、当該流下する建設材料を撮影することにより粒度分布を測定するための装置であって、
建設材料を供給する供給手段と、
前記供給手段の直下に設けた筒状の収容手段と、
前記収容手段内に収容され、下向きに拡径した錐体であって、前記供給手段から供給される建設材料を均一に拡散させる拡散手段と、
前記収容手段の内部において、前記拡散手段の下部に連続して設けることにより、流下する前記建設材料の厚み方向の広がり幅を規制する拡散規制手段と、
前記拡散手段により均一に拡散されるとともに、前記拡散規制手段により広がり幅を規制された前記建設材料を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段で撮影した画像データを画像解析することにより、前記建設材料の粒度分布を解析する粒度分布解析手段と、
を備えたことを特徴とする建設材料の粒度分布測定装置。
【請求項2】
前記拡散規制手段は角筒状であることを特徴とする請求項1に記載の建設材料の粒度分布測定装置。
【請求項3】
前記拡散規制手段の下部は前記収容手段の下方に突出しており、前記撮像手段により前記建設材料の撮影を行う際に、当該収容手段から突出した前記拡散規制手段の外周面を撮影背景スクリーンとすることを特徴とする請求項1または2に記載の建設材料の粒度分布測定装置。
【請求項4】
前記拡散手段は、所定粒径以下の粒状体を通過させる網目状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の建設材料の粒度分布測定装置。
【請求項5】
前記拡散手段を通過した所定粒径以下の建設材料を捕集して計量する通過分計量装置と、
前記供給手段から供給する建設材料の全体重量を測定する全体計量装置と、
を備え、
前記全体計量装置で計量した建設材料の全体重量と、前記通過分計量装置で計量した建設材料の通過分重量との差分に基づき、前記拡散手段を通過せずに前記撮影対象となった建設材料の重量を求めることを特徴とする請求項4に記載の建設材料の粒度分布測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設材料の粒度分布測定装置に関するものであり、詳しくは、粒度分布の測定対象となる建設材料を均一に分散して流下させ、流下する建設材料を撮影して画像処理を行うことにより、粒度分布を測定するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィルダムやCSG(Cemented Sand and Gravel)ダム工事等では、施工品質を向上させるために、使用する建設材料の粒度分布を管理することが重要である。従来から行われている粒度測定方法は、ふるい分け試験と沈降分析が主流であり、特にフィルダム工事のように管理対象となる建設材料が膨大な量の場合に、従来の粒度測定方法では多大な時間と労力を要するという問題があった。このため、建設材料を撮影し、画像データに対して画像処理を行って粒度分布を把握する技術の開発が進められている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、粒状材料の画像を用いて粒径加積曲線を作成するための技術である。この粒状材料の粒度分布計測方法は、異なる粒径の粒状材が混合した粒状材料を撒き出して全体画像及び所定拡大倍率の部分画像を撮影する。そして、全体画像から検出下限粒径以上の複数の所定粗粒径についてその所定粗粒径以上の検出粒状材の画像全体に対する面積割合である粒度インデクスを算出し、その粒度インデクスを加積通過率に変換して所定粗粒径以上の粗粒径加積曲線を作成する。
【0004】
続いて、部分画像から所定粗粒径以下の所定細粒径について粒状材を検出して所定細粒径の粒度インデクスを算出し、その粒度インデクスを加積通過率に変換して所定粗粒径以下の細粒径加積曲線を作成する。作成した粗粒径及び細粒径の加積曲線を合成して粒径加積曲線を作成する。
【0005】
特許文献2に記載された技術は、材料の粒度分布測定を行うための画像撮影装置に関する技術である。この粒度分布測定用の画像撮影装置は、上流側から下流側に向けて材料が流下する表面を有する傾斜板と、傾斜板の下流側に設けられた流下方向変換部と、流下方向変換部の下流側に設けられたスクリーンと、スクリーンを照らす照明部と、スクリーンの前側の空間を通過する材料を水平方向から撮影する撮影部とを備えている。
【0006】
そして、流下方向変換部は、前後二つの鉛直板を有し、傾斜板から前側に向けて流下した材料が両鉛直板の間を通過するようになっている。また、スクリーンは流下方向変換部に対して後側にオフセットされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−257188公報
【特許文献2】特開2014−62875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した従来の技術では、粒度分布測定について十分な精度は得られていないのが現状である。このように十分な精度が得られない理由として、以下の理由を挙げることができる。
【0009】
第1に、画像撮影対象となる粒状体(例えば土粒子)が重なり合わないように、満遍なくばらけさせることが難しいため、粒状体の境界が不明確となるためである。第2に、比較的粒径の小さい粒状体を個別に判別することが難しいためである。第3に、比較的粒径の小さい粒状体は、数個をまとめて大きな粒状体1個と認識されてしまうことがあり、粗粒分を過大評価してしまうためである。第4に、比較的粒径の大きい粒状体の陰に隠れた粒径の小さな粒状体は、その存在を認識することができないためである。第5に、測定対象となる建設材料を分離させるために突起物を用いているが、建設材料の流下経路に突起物が存在すると、流下経路に粒状体が詰まるおそれがあるためである。
【0010】
本発明に係る建設材料の粒度分布測定装置は、上述した事情に鑑み提案されたもので、建設材料の粒度分布を測定する際に、容易かつ確実に建設材料を均一に分散させることにより、粒度分布測定の精度を高めることが可能な建設材料の粒度分布測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る建設材料の粒度分布測定装置は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係る建設材料の粒度分布測定装置は、建設材料を均一に分散して流下させ、当該流下する建設材料を撮影することにより粒度分布を測定するための装置であって、供給手段と、収容手段と、拡散手段と、拡散規制手段と、撮像手段と、粒度分布解析手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
供給手段は、建設材料を供給するための手段であり、例えば、ベルトコンベア、ホッパ等により構成される。収容手段は、供給手段の直下に設けた筒状の部材からなり、例えば、円筒状、角筒状、あるいはこれらを組み合わせた形状を有している。拡散手段は、収容手段内に収容され、下向きに拡径した錐体であって、供給手段から供給される建設材料を均一に拡散させるための手段である。
【0013】
拡散規制手段は、収容手段内において、拡散手段の下部に連続して設けることにより、流下する建設材料の厚み方向の広がり幅を規制するための手段である。この拡散規制手段は、例えば、拡散手段の下部に連続して設けた筒状の部材からなり、拡散手段の下部が四角錐状の場合には、拡散規制手段は断面が四角柱状となり、拡散手段の下部が三角錐状の場合には、拡散規制手段は断面が三角柱状となり、拡散手段の下部が円錐状の場合には、拡散規制手段は断面が円柱状となる。特に、拡散手段に一体に連続した拡散規制手段を角筒状とすることが好ましい。
【0014】
撮像手段は、拡散手段により均一に拡散された建設材料を撮影するための手段であり、撮像レンズ系、撮像素子、画像データの送信インターフェース等を備えている。また、撮像手段の構成要素として、撮像対象となる建設材料を照明するための照明装置を含めてもよい。
【0015】
粒度分布解析手段は、撮像手段で撮影した画像データを画像解析することにより、建設材料の粒度分布を解析するための手段である。例えば、粒度分布解析手段は、パーソナルコンピュータ及び画像解析ソフトウェアからなり、パーソナルコンピュータにインストールされた画像解析ソフトウェアの機能により、撮像手段から受信した画像データに基づいて画像解析を行うことにより、解析対象となる建設材料の粒度分布を解析する。
【0016】
また、上述した建設材料の粒度分布測定装置において、拡散規制手段の下部は収容手段の下方に突出しており、撮像手段により建設材料の撮影を行う際に、収容手段から突出した拡散規制手段の外周面を撮影背景スクリーンとすることが可能である。
【0017】
また、上述した建設材料の粒度分布測定装置において、拡散手段は、所定粒径以下の粒状体を通過させる網目状とすることが可能である。なお、粒状体は建設材料であればどのような物質であってもよいが、例えば土粒子が粒状体に相当する。
【0018】
また、上述した建設材料の粒度分布測定装置において、拡散手段を通過した所定粒径以下の建設材料を捕集して計量する通過分計量装置と、供給手段から供給する建設材料の全体重量を測定する全体計量装置とを備え、全体計量装置で計量した建設材料の全体重量と、通過分計量装置で計量した建設材料の通過分重量との差分に基づき、拡散手段を通過せずに撮影対象となった建設材料の重量を求めることが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る建設材料の粒度分布測定装置によれば、測定対象となる建設材料は、拡散手段の機能により均一に拡散され、さらに拡散規制手段の機能により厚み方向の広がり幅を規制される。したがって、撮像手段の撮像位置に達した建設材料は、満遍なくばらけた状態となっており、さらに均一な厚みを有していることから、撮影対象となる建設材料を適切に撮影することができ、建設材料の粒度分布測定の精度を高めることが可能となる。
【0020】
また、測定対象となる建設材料を均一に拡散させるための装置は、単純な構成であるため、流下経路に建設材料である粒状体(例えば土粒子)が詰まることがなく、この点においても、簡便かつ容易に建設材料の粒度分布を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】粒度分布測定装置の主要部の構成を示す模式図。
図2】粒度分布測定装置の構成要素を示すブロック図。
図3】拡散手段及び拡散規制手段の一例を示す斜視図。
図4】拡散規制手段により建設材料の厚みを均一化する状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る建設材料の粒度分布測定装置(以下、粒度分布測定装置と略記する)の実施形態を説明する。図1図4は本発明の実施形態に係る粒度分布測定装置を説明するもので、図1は粒度分布測定装置の主要部の構成を示す模式図、図2は粒度分布測定装置のブロック図、図3は拡散手段及び拡散規制手段の一例を示す斜視図、図4は拡散規制手段により建設材料の厚みを均一化する状態を示す模式図である。
【0023】
本発明の実施形態に係る粒度分布測定装置100は、図1及び図2に示すように、建設材料を均一に分散して流下させ、当該流下する建設材料を撮影することにより粒度分布を測定するための装置であって、主要な構成要素として、供給手段10と、収容手段20と、拡散手段30と、拡散規制手段40と、撮像手段50と、粒度分布解析手段60とを備えている。なお、各手段は、それぞれの機能を発揮するための単一または複数の部材、あるいはCPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアまたは同等の機能を有する論理回路から構成される。
【0024】
<供給手段>
供給手段10は、建設材料を供給するための手段である。本実施形態では、図1に示すように、拡散手段30の中心部の直上に建設材料を供給するため、建設材料を搬送するためのベルトコンベア11と、ベルトコンベア11で搬送された建設材料を拡散手段30の中心部の直上に落下させるためのホッパ12により供給手段10を構成する。なお、供給手段10は、ベルトコンベア11及びホッパ12に限られず、拡散手段30の中心部の直上に建設材料を供給することができれば、どのような部材であってもよく、ベルトコンベア11に代えてバックホーやパワーショベル等を用いてもよい。
【0025】
<収容手段>
収容手段20は、供給手段10の直下に設けた筒状の部材からなる。収容手段20の断面形状は、拡散手段30の下部の外形形状に合わせた形状となっており、拡散手段30の下部の外形形状が角錐状の場合には角筒状であり、拡散手段30の下部の外形形状が円錐形状の場合には円筒状となる。
【0026】
また、本実施形態の収容手段20は、拡散手段30及び拡散規制手段40の上部を収容する高さを有している。なお、角筒状とは、断面が三角形、四角形、五角形以上の多角形を意味する。本実施形態では、図3に示すように、拡散手段30の下部の外形形状が四角錐状であるため、拡散規制手段40は四角筒状となる。
【0027】
<拡散手段>
拡散手段30は、収容手段20の内部に収容され、下向きに拡径した錐体であって、供給手段10から供給される建設材料を均一に拡散させるための手段である。本実施形態の拡散手段30は、図3に示すように、上部が上方へ向かって突出する円錐状で、下部が下方へ向かって拡径する四角錐状となっており、拡散手段30の外周面に建設材料を落下させることにより、頂部を中心として均一に建設材料を拡散させることができる。なお、拡散手段30の形状は図3に示した態様に限られず、供給手段10から供給される建設材料を均一に拡散させることができれば、三角錐状、四角錐状、円錐状、あるいはこれらの組み合わせ等、どのような形状であってもよい。
【0028】
また、拡散手段30は、網目状とすることが可能である。すなわち、拡散手段30を所定の目開きのメッシュにより形成し、所定粒径を超える建設材料はメッシュの外面上を流下させ、所定粒径以下の建設材料はメッシュを通過させて捕集する。なお、メッシュの目開きは、測定対象となる建設材料に応じて適宜設定することができるが、例えば2.0mm程度とする。
【0029】
このように拡散手段30を網目状とした場合には、図1及び図2に示すように、拡散手段30を通過した所定粒径以下の建設材料を捕集して計量する通過分計量装置70と、供給手段10から供給する建設材料の全体重量を測定する全体計量装置80とを備えた構成とする。この場合、メッシュの目詰まりを防止するため、拡散手段30に振動を付与する振動装置90を設けることが好ましい。振動装置90は、例えば、公知のバイブレータを用いることができる。
【0030】
通過分計量装置70及び全体計量装置80は、一般的な電子秤により構成することができる。なお、全体計量装置80により計量する建設材料は大量であるため、ベルトコンベア11に投入する際、あるいはホッパ12に投入する際に小分けして計量することが好ましい。同様に、通過分計量装置70により計量する建設材料が大量である場合には、捕集した建設材料を小分けして計量してもよい。
【0031】
通過分計量装置70及び全体計量装置80を備えた構成とした場合には、全体計量装置80で計量した建設材料の全体重量と、通過分計量装置70で計量した建設材料の通過分重量との差分に基づき、拡散手段30を通過せずに撮影対象となった建設材料の重量を求めることができる。このように、メッシュを通過した所定粒径以下の粒状体を分別することで、所定粒径を超える粒状体を精度よく判定することができる。
【0032】
<拡散規制手段>
拡散規制手段40は、収容手段20において、拡散手段30の下部に連続して設けることにより、流下する建設材料の厚み方向の広がり幅を規制するための手段である。この拡散規制手段40は、例えば、円筒状または角筒状の部材からなる。拡散規制手段40は、拡散手段30の下部に連続して設けられているため、拡散手段30の下部が四角錐状の場合には、拡散規制手段40は四角筒状となり、拡散手段30の下部が三角錐状の場合には、拡散規制手段40は三角筒状となり、拡散手段30の下部が円錐状の場合には、拡散規制手段40は円筒状となる。
【0033】
なお、拡散規制手段40の断面形状はどのようなものであってもよいが、建設材料を平板状(曲率が「0」となるよう)に拡散させるためには、外周面が平面の組み合わせで形成される形状(例えば、四角柱状、三角柱状)であることが好ましい。拡散手段30で拡散された建設材料は、図4に示すように、収容手段20の内周面と、当該拡散規制手段40の外周面との間で流下方向を規制され、均一な厚みを有する板状となって流下する。
【0034】
また、図1に示すように、拡散規制手段40の下部を収容手段20の下方に突出させることにより、撮像手段50を用いて建設材料の撮影を行う際に、収容手段20から突出した拡散規制手段40の外周面を撮影背景スクリーンとして使用することができる。
【0035】
<撮像手段>
撮像手段50は、拡散手段30により均一に拡散された建設材料を撮影するための手段である。本実施形態の撮像手段50は、図示しないが、撮像レンズ系、撮像素子、画像データの送信インターフェース等を備えたデジタルカメラにより構成する。また、撮像手段50の構成要素として、撮像対象となる建設材料を照明するための照明装置を含んでいてもよい。照明装置としては、例えば、光量や色温度を調整可能なLEDライトを用いることができる。
【0036】
撮像手段(デジタルカメラ)50の撮像レンズ系は、単焦点であってもよいが、合焦機構を有していてもよく、さらに、パン・チルト機構、ズーム機構を有していてもよい。また、撮像手段(デジタルカメラ)50は、静止画像を撮影するカメラであってもよいし、動画映像を撮影するカメラであってもよい。
【0037】
本実施形態では、拡散規制手段40を背景スクリーンとして撮影を行うため、デジタルカメラは、収容手段20の下方であって、流下する建設材料が接触(衝突)しない位置に設置してある。また、粒度分布測定の精度を上げるために、図1に示すように、撮像手段(デジタルカメラ)50を複数箇所に設置することが好ましい。例えば、背景スクリーンとなる拡散規制手段40が四角筒状である場合には、対向する2面、あるいは4面を撮影可能な位置に撮像手段(デジタルカメラ)50を設置する。
【0038】
<粒度分布解析手段>
粒度分布解析手段60は、撮像手段50で撮影した画像データを画像解析することにより、建設材料の粒度分布を解析するための手段である。例えば、粒度分布解析手段60は、パーソナルコンピュータ及び画像解析ソフトウェアからなり、パーソナルコンピュータにインストールされた画像解析ソフトウェアの機能により、撮像手段50から受信した画像データに基づいて画像解析を行って、解析対象となる建設材料の粒度分布を解析する。画像解析の手法は、公知のどのような手法を用いてもよいが、基本的には、画像データに基づいて、粒状体の輪郭認識を行って、粒状体の粒径を測定する手法が用いられる。
【0039】
収容手段20、拡散手段30、拡散規制手段40は、それぞれ流下する建設材料が接触する部材であるため、建設材料の衝突により変形または破損することがなく、さらに建設材料との摩擦により摩耗しない材料で形成する必要がある。例えば、収容手段20、拡散手段30、拡散規制手段40は、鋼板により形成することが可能である。なお、上述した実施形態では、拡散手段30及び拡散規制手段40を中空状の部材として説明したが、重量等に問題がなければ、中実状の部材により構成してもよい。
【0040】
また、収容手段20の内壁面と、拡散手段30及び拡散規制手段40の外壁面との間隔は、建設材料を容易に流下させることができる幅を有している必要がある。当該間隔は、測定対象となる建設材料の最大粒径により規定される。また、供給手段10により供給する建設材料の中に、流下経路を閉塞する可能性のある所定粒径以上の岩石等が含まれている場合には、予め取り除いておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0041】
10 供給手段
11 ベルトコンベア
12 ホッパ
20 収容手段
30 拡散手段
40 拡散規制手段
50 撮像手段
60 粒度分布解析手段
70 通過分計量装置
80 全体計量装置
90 振動装置
100 粒度分布測定装置
図1
図2
図3
図4