特許第6371666号(P6371666)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371666
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】ポジ型感光性組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/075 20060101AFI20180730BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20180730BHJP
   G03F 7/023 20060101ALI20180730BHJP
   C08L 83/05 20060101ALI20180730BHJP
   C08L 83/07 20060101ALI20180730BHJP
   C08K 3/16 20060101ALI20180730BHJP
   C08L 83/08 20060101ALI20180730BHJP
   C08K 5/28 20060101ALI20180730BHJP
   C08K 5/3492 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   G03F7/075 521
   G03F7/004 501
   G03F7/023
   C08L83/05
   C08L83/07
   C08K3/16
   C08L83/08
   C08K5/28
   C08K5/3492
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-209466(P2014-209466)
(22)【出願日】2014年10月10日
(65)【公開番号】特開2016-80772(P2016-80772A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(72)【発明者】
【氏名】稲成 浩史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 悠太
(72)【発明者】
【氏名】一柳 典克
(72)【発明者】
【氏名】井手 正仁
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 貴雄
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/007231(WO,A1)
【文献】 特開2011−221192(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/038767(WO,A1)
【文献】 特開2012−113161(JP,A)
【文献】 特開2011−227291(JP,A)
【文献】 特開2004−210922(JP,A)
【文献】 特開2004−123793(JP,A)
【文献】 特開2007−293160(JP,A)
【文献】 特開2006−267401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/023
G03F 7/039
G03F 7/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)SiH基を有する化合物、(B)アルケニル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)キノンジアジド化合物を必須成分として含有し、(A)成分、(B)成分の少なくともどちらか一方が、アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物を含むポジ型感光性組成物。
【請求項2】
アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し、一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物がシロキサン化合物である事を特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
【請求項3】
アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し、一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物が環状シロキサン構造を含有する事を特徴とする請求項1または2に記載のポジ型感光性組成物。
【請求項4】
アルカリ溶液への溶解性を発現する構造がフェノール基、カルボキシル基、下記式(X1)〜(X2)で表される構造から選ばれる構造である事を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のポジ型感光性組成物。
【化1】
【請求項5】
アルカリ溶液への溶解性発現する構造が下記式(X1)〜(X2)で表される構造から選ばれる構造である事を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のポジ型感光性組成物。
【化2】
【請求項6】
アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し、一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物が、SiH基およびアルケニル基以外の反応性官能基を含有する事を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のポジ型感光性組成物。
【請求項7】
ヒドロシリル化触媒以外の重合開始剤を含有する事を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のポジ型感光性組成物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれに記載のポジ型感光性組成物を硬化して得られる硬化膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルカリ現像によりポジ型パターンを与える得る感光性組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポジ型感光性組成物はディスプレイ製造、半導体製造において広く使用されており、アクリル樹脂、フェノール樹脂を主成分とするポジ型レジストが提案・商品化されている。一方、パターニング後デバイスに機能膜として残る永久レジストとしてポジ型感光性組成物を用いる場合、より耐久性を有する樹脂であるポリイミド系ポリマー(特許文献1)、シリコン系ポリマー(特許文献2)等の材料をベースとするポジ型感光性材料が提案されているが、いずれも絶縁膜などに用いる場合には絶縁性に欠け、未だ満足のいく物性のものが得られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−033772号公報
【特許文献2】特開2011−022173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記事情から本発明の目的は、パターニング性および電気的絶縁信頼性に優れるポジ型感光性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、下記特長を有する樹脂組成物を用いることにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
【0006】
1).(A)SiH基を有する化合物、(B)アルケニル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)キノンジアジド化合物を必須成分として含有し、(A)成分、(B)成分の少なくともどちらか一方が、アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物を含むポジ型感光性組成物。
【0007】
2).アルカリ溶液への溶解性を発現する構造有し、一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物がシロキサン化合物である事を特徴とする1)に記載のポジ型感光性組成物。
【0008】
3).アルカリ溶液への溶解性発現する構造を有し、一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物が環状シロキサン構造を含有する事を特徴とする1)または2)に記載のポジ型感光性組成物。
【0009】
4).アルカリ溶液への溶解性発現する構造がフェノール基、カルボキシル基、下記式(X1)〜(X2)で表される構造から選ばれる構造である事を特徴とする1)〜3)のいずれか1つに記載のポジ型感光性組成物。
【0010】
【化1】
【0011】
5)アルカリ溶液への溶解性発現する構造が下記式(X1)〜(X2)で表される構造から選ばれる構造である事を特徴とする1)〜4)のいずれか1つに記載のポジ型感光性組成物。
【0012】
【化2】
【0013】
6).アルカリ溶液への溶解性発現する構造を有し、一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物が、SiH基およびアルケニル基以外の反応性官能基を含有する事を特徴とする1)〜5)のいずれか1つに記載のポジ型感光性組成物。
【0014】
7).ヒドロシリル化触媒以外の重合開始剤を含有する事を特徴とする1)〜6)のいずれか1つに記載のポジ型感光性組成物。
【0015】
8).1)〜7)のいずれに記載のポジ型感光性組成物を硬化して得られる硬化膜。
【発明の効果】
【0016】
本発明により得られるポジ型感光性組成物はパターニング性に優れ、加熱して硬化させる事により絶縁性に優れた薄膜を与え得る。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細を説明する。
【0018】
本発明の感光性組成物は、フォトリソグラフィーによりポジ型のパターンを形成することができ、加熱して硬化させる事により絶縁性に優れた薄膜を与え得る。
【0019】
本発明における感光性組成物では、(A)SiH基を有する化合物、(B)アルケニル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)キノンジアジド化合物を必須成分として含有し、(A)成分、(B)成分の少なくともどちらか一方が、アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物を含むことを特徴とする。SIH基を有する化合物、アルケニル基を有する化合物のどちらか一方、もしくは両方がアルカリ溶解性を発現する構造を有し一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物を含み、ナフトキノンアジド化合物と組み合わさることによって、アルカリ現像によるポジ型のパターニングが可能であり、ヒドロシリル化反応性を有する為、パターニング後の加熱により架橋反応が進行し優れた絶縁性を示す薄膜が得られる。以下、詳細説明する。
【0020】
(A成分)
本発明の感光性組成物は必須成分として、SiH基を含有する化合物を含有し、アルケニル基を有する化合物(B成分)と組み合わせることでヒドロシリル化反応性を有する為、パターニング後の加熱により架橋反応が進行し優れた絶縁性を示す薄膜となる。
【0021】
SiH基を含有する化合物としては、特に限定せず使用することができ、ジメチルヒドロシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にSiH基を有する環状、鎖状のポリもしくはオリゴシロキサン等が挙げられる。
【0022】
特に絶縁性に優れる薄膜を得られる観点より、環状シロキサン化合物が好ましく、具体例としては、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−メチルー3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチルー5,7−ジハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジプロピル−5,7−ジハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−7−ヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が例示される。特に入手性の観点より、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
【0023】
また強靭な薄膜が得られるという観点より、あらかじめポリシロキサン化合物同士または有機化合物とポリシロキサン化合物とを部分的に反応させているオリゴマーも用いることが好ましい。この一部架橋させる反応としては特には限定されるものではないが、加水分解縮合と比較して反応後に電気的および熱的に安定なC−Si結合を形成し、また反応制御が容易で未架橋基が残りにくいという観点より、ヒドロシリル化反応を適用することが好ましい。部分架橋させるモノマーとしては特に限定されるものではなく、上記SiH基を有するシロキサン化合物とアルケニル基を有するシロキサン化合物または有機化合物を適宜組み合わせて用いることができる。
【0024】
部分架橋させるアルケニル基含有化合物としては、一般式(II)で表される構造を有するアルケニル化合物や、アルケニル基を有するポリシロキサンが好ましく適用できる。具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジアリルエーテル、ノナンジオールジアリルエーテル、1,4−シクロへキサンジメタノールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールSのジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、ビニルシクロへキセン、ビニルシクロペンテン、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールSジアリルエーテル、2,5−ジアリルフェノールアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、ジアリルモノプロピルイソシアヌレート、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、モノアリルジメチルイソシアヌレート、ケイ素基に結合したビニル基(Si−CH=CH基)を有するポリシロキサン化合物(具体的には、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン)等の化合物が挙げられる。
【0025】
特に、透明性および耐熱性、耐光性、絶縁性が高い硬化物・薄膜を形成しやすいという観点から下記一般式(II)で表される構造を有するアルケニル化合物を用いる事が好ましい。
【0026】
【化3】
【0027】
これら化合物の具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、ジアリルモノプロピルイソシアヌレート、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、モノアリルジメチルイソシアヌレートが挙げられる。
【0028】
また、硬化物の透明性および硬化性の観点より、アルケニル基を有するポリシロキサンが好ましく適用できる。またその中でも化合物入手性の観点より、ケイ素基に結合したビニル基(Si−CH=CH基)を有するポリシロキサン化合物であることが好ましい。具体的には、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等の化合物が挙げられる。
また、本発明ではSIH基を有する化合物、アルケニル基を有する化合物のどちらか一方、もしくは両方がアルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物を含み、ナフトキノンアジド化合物と組み合わさることによって、アルカリ現像によるポジ型のパターニングが可能となる。
【0029】
アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物とは、アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を分子内に有し、アルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物であればよい。
【0030】
アルカリ溶解性を発現する構造としてはフェノール基や、カルボキシル基などが挙げられ、特に限定されることはない。特に、ポストベイク後に絶縁性、耐熱性に優れる硬化膜となりやすい観点より、下記式(X1)〜(X2)で表される構造が望ましい。
【0031】
【化4】
【0032】
SiH基と、アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物としては、上記アルカリ溶解性を発現する構造とアルケニル基を有する化合物と、SiH化合物とのヒドロシリル化反応生成物が好適に適用できる。アルカリ溶解性を発現する構造とアルケニル基を有する化合物として、具体的にはジアリルイソシアヌル酸、モノアリルイソシアヌル酸が挙げられる。これらのアルケニル化合物は単独でSiH化合物と反応させても良いし、上記で例示したほかのアルケニル化合物と組み合わせて反応させて、アルカリ溶液への溶解性を発現する構造を有し一分子中にアルケニル基および/またはSiH基を含有する化合物としても良い。SiH基とアルケニル基の比を調整して、アルケニル基を含有する化合物/またはSiH基を含有する化合物とすることができる。(SiH基が残っている場合はA成分、アルケニルが残っている場合はB成分となる)
またさらに絶縁性、耐熱性の強固な硬化物が得られる点より、ヒドロシリル化反応以外の架橋反応を進行する反応性官能基を有するアルケニル化合物を用いることが好ましい。反応性官能基としては例えば、(メタ)アクリル基、脂環式エポキシ基、オキセタニル基、アルコキシシリル基が挙げられる。その中でも架橋による収縮が少ない点から脂環式エポキシ基が好ましい。脂環式エポキシ基を有するアルケニル化合物としては、具体的にビニルシクロヘキセンオキシドが挙げられる。
【0033】
ヒドロシリル化反応させる場合の触媒としては、公知のヒドロシリル化触媒を用いればよい。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0034】
(B成分)
本発明の感光性組成物は必須成分として、アルケニル基を有する化合物(B成分)を含有する。(B成分)と上記SiH基を有する化合物(A成分)と組み合わせることでヒドロシリル化反応性を有する為、パターニング後の加熱により架橋反応が進行し優れた絶縁性を示す薄膜となる。このアルケニル基を有する化合物としては、上記SiH基を有する化合物を得る際に使用するアルケニル化合物と同様のものが使用できる。
【0035】
本発明にかかる感光性組成物において、上記A成分と、B成分を合計した量は、組成物中の溶剤を除いた成分100重量部中25〜95重量部、さらには35〜90重量部配合することが好ましい。また、組成物中の溶剤を除いた成分中主成分(配合重量が最も多い成分)であることが好ましい。それによりパターニング性と絶縁性の効果が高められるので好ましい。
【0036】
(C成分)
本発明の感光性組成物は、ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有し、パターニング後の加熱によりヒドロシリル化反応が進行し優れた絶縁性を示す薄膜となる。ヒドロシリル化触媒としては、公知のヒドロシリル化触媒を用いればよい。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0037】
(D成分)
本発明の感光性組成物は、キノンジアジド化合物を必須成分として含有し、アルカリ溶解性を発現する構造を含有する化合物と組み合わせることで、ポジ型のパターニング性を発現する。キノンジアジド化合物としては、特に制限は無く、レジスト分野で感光剤として使用されるもので公知のものを用いることが出来る。 キノンジアジド化合物は二種類以上を併用してもよい。キノンジアジド化合物としては、例えば、フェノール化合物と1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸又は1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル、フェノール化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステルが挙げられる。
【0038】
前記フェノール化合物としては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-α,α−ジメチルベンジル}フェノール、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、及び2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバンが挙げられる。
【0039】
キノンジアジド化合物の具体例として、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸とのエステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル、4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-α,α−ジメチルベンジル}フェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸とのエステル、又は4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-α,α−ジメチルベンジル}フェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステルなどが好適に使用できる。
【0040】
本発明の感光性組成物において、キノンジアジド化合物の含有量は、溶剤を除いた成分100重量部中、1〜30重量部であることが好ましく、5〜20重量部であることがより好ましい。
【0041】
(重合開始剤)
本発明の感光性組成物は、熱または、光によって活性化する重合開始剤を含有することが出来る。重合開始剤を含有することで、アルカリ溶解性が発現する構造を有し、一分子中に2つ以上のアルケニル基、またはSiH基を含有する化合物が、その他の反応性官能基を有する場合、その架橋反応を促進することが出来る。用いる重合開始剤としては、反応性官能基に対応するものであれば良く、公知の熱ラジカル開始剤、光ラジカル開始剤、光酸発生剤、熱酸発生剤などが適用できる。
【0042】
ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾイン系化合物、ビイミダゾール系化合物、α−ジケトン系化合物、チタノセン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ケタール系化合物、アゾ系化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン系化合物、ジスルフィド系化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン系化合物等が用いることができる。
【0043】
光酸発生剤としては、金属フルオロ硼素塩及び三弗化硼素化合物、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、アリールジアゾニウム化合物、VIa族元素の芳香族オニウム塩、Va族元素の芳香族オニウム塩、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレートチオピリリウム塩、MF6陰イオン(ここでMは燐、アンチモン及び砒素から選択される)の形のVIa元素、アリールスルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホニウム塩、ビス [4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビスヘキサフルオロ金属塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等);陰イオンがB(Cである芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホニウム塩の一種以上が包含される。これらの塩のいくつかは、FX−512(3M社)、UVR−6990及びUVR−6974(ユニオン・カーバイド社)、UVE−1014及びUVE−1016(ジェネラル・エレクトリック社)、KI−85(デグッサ社)、SP−150及びSP−172(ADEKA社)並びにサンエイドSI−60L、SI−80L及びSI−100L(三新化学工業社)、WPI113及びWPI116(和光純薬工業社)、RHODORSIL PI2074(ローディア社)、BBI−102、BBI−103、BBI−105(みどり化学)として商品として入手できる。
【0044】
(貯蔵安定剤)
本発明の感光性組成物としては貯蔵安定性確保のため、ヒドロシリル化反応抑制剤を使用してもよい。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。
【0045】
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、ジメチルマレート等のマレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノホスフィン類、ジオルガノホスフィン類、オルガノホスフォン類、トリオルガノホスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
【0046】
これらのゲル化抑制剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、トリフェニルホスフィンが好ましい。
【0047】
(溶剤)
本発明の硬化性組成物において均一に塗布するために溶剤を使用することが好ましい。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく具体的に例示すれば、エチルシクロヘキサン、トリメチルペンタン等の炭化水素系溶剤、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、イソ酪酸イソブチル、酪酸イソブチル等のエステル系溶剤、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、トリフルオロトルエン等のハロゲン系溶剤を好適に用いることができる。
【0048】
特に均一な膜が形成しやすい観点より、1,4−ジオキサン、イソ酪酸イソブチル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等が好ましい。
【0049】
使用する溶剤量は適宜設定できるが、用いるポジ型感光性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1gさらには0.3gであり、好ましい使用量の上限は0.95gさらには0.85gである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶剤を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易なる。これらの、溶剤は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶剤として用いることもできる。
【0050】
(ポストベイクについて)
本発明の感光性組成物は、最終的に加熱により、ヒドロシリル化反応が進行し、絶縁性に優れた薄膜を得ることが出来る。加熱する温度は、280℃以下が好ましく、さらに周辺部材への熱ダメージが小さい観点より、250℃以下が好ましい。
【0051】
(フォトリソグラフィーについて)
本発明の感光性組成物の調製方法は特に限定されず、種々の方法で調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製しても良く、全成分を予め混合調製した一液の状態で低温貯蔵しておいても良い。
【0052】
本発明の感光性組成物を各種基材にコーティング方法は、均一に塗布が可能である方法であれば特に限定されるものではなく、一般によく使用される、スピンコーティング、スリットコーティングで塗布することができる。
【0053】
感光させるための光源としては、使用するナフトキノンジアジド化合物の吸収波長を発光する光源を使用すればよく、通常300〜450nmの範囲の波長を含む光源、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、発光ダイオードなどを使用できる。露光量は特に制限されないが、好ましい露光量の範囲は1〜5000mJ/cm、より好ましくは1〜1000mJ/cmである。
【0054】
また溶剤除去の目的で、露光前にプリベークや真空脱揮プロセスを行うことが出来る。ただし熱を加えることで現像性が低下するなどの問題から、プリベーク温度は、130℃以下が好ましく、更に好ましく120℃以下が好ましい。真空脱揮と加熱とを同時に行うこともできる。
【0055】
現像によるパターニング形成について特に限定される方法はなく、一般的に行われる浸漬法やスプレー法等の現像方法により露光部を溶解・除去し所望のパターン形成させることができる。現像液については、一般に使用するものであれば特に限定なく使用することができ、具体例としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液やコリン水溶液等の有機アルカリ水溶液や、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸リチウム水溶液などの無機アルカリ水溶液やこれら水溶液に溶解速度等の調整のためにアルコールや界面活性剤などを添加したもの、各種有機溶剤等を挙げることができる。
【0056】
さらに透明性に優れる硬化膜を得る目的で、ブリーチング処理を行うことが出来る。ブリーチングで用いる光源としては、上記で挙げたものを特に制限無く使用できる。ブリーチング時の露光量は特に制限されないが、好ましい露光量の範囲は10〜5000mJ/cm、より好ましくは50〜2000mJ/cmである。
【0057】
(絶縁性について)
本発明の感光性組成物は、硬化後得られる薄膜は優れた絶縁膜として機能する。LSI、TFT、タッチパネル等に用いられる絶縁膜として機能する為には、リーク電流が小さい事が必須であり、1ミクロンの薄膜状態においてその値が10nA/cm以下である事が好ましく、さらに好ましくは5nA/cm以下である事が好ましい。
【実施例】
【0058】
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
【0059】
本発明の感光性組成物より形成した薄膜は、ポジ型のパターン形成が可能であり、比較例の組成物と比較して優れた特性を示す絶縁膜として機能する。
【0060】
(薄膜形成およびフォトリソグラフィー性評価方法:パターニング性)
2000Åモリブデン薄膜つきガラス基板50×50mm上に実施例1〜4および比較例1で得られた感光性組成物をスピンコートにより3μm厚で製膜し、ホットプレートにて100℃、2min乾燥、マスクアライナー(MA−10、ミカサ製)にて10ミクロンホールパターンのフォトマスク越しに200mJ/cm露光し、アルカリ現像液(TMAH2.38%水溶液、多摩化学工業製)にて現像処理を行った。さらに基板全面に600mJ/cm露光してブリーチング処理を行った後、230℃、30minでポストベイクを行い薄膜形成した。パターン形状を顕微鏡で観察しホール形成できているものを○、ホール形成ができていないものを×とした。
【0061】
(絶縁性評価:リーク電流)
上記方法でモリブデン薄膜つきガラス基板上に形成した感光性組成物の薄膜上に真空蒸着機を用いてアルミ電極(3mmΦ)を形成しコンデンサを作成した。上下電極間のリーク電流測定を実施した。
【0062】
(合成実施例1)
100mL四つ口フラスコにトルエン20g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン3gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温100℃で加熱、攪拌した。ジアリルイソシアヌル酸2g、ジアリルモノメチルイソシアヌレート3g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.7mg、トルエン5gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでアリル基由来のピーク消失を確認したのち、トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物A」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でSiH基4.0mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
【0063】
(合成実施例2)
100mL四つ口フラスコにトルエン20g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン3gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温100℃で加熱、攪拌した。モノアリルイソシアヌル酸1.5g、ジアリルモノメチルイソシアヌレート5g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.7mg、トルエン5gの混合液を滴下した。滴下後H−NMRでアリル基由来のピーク消失を確認したのち、トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物B」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でSiH基2.0mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
【0064】
(合成実施例3)
100mL四つ口フラスコにトルエン20g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン3gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温100℃で加熱、攪拌した。ジアリルイソシアヌル酸2g、ジアリルモノメチルイソシアヌレート3g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.7mg、トルエン5gの混合液を添加した。添加後H−NMRでビニル基由来のピーク消失を確認したのち、内温を80℃としてビニルシクロヘキセンオキシドを1g添加した。添加後H−NMRでビニル基由来のピーク消失を確認したのち、トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物C」を得た。H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でSiH基3.0mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
【0065】
(合成比較例1)
100mL付四つ口フラスコに、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル100g、テトラエトキシシラン5g、ジメチルジエトキシシラン10g、及びフェニルトリエトキシシラン30gを入れ、さらにギ酸10.3gと水16.0gの混合溶液を滴下して加えた。その後、80℃で1時間加熱し、さらに低分子成分を留去して「反応物D」を得た。
【0066】
(実施例1〜6、比較例1)
合成実施例1〜3、比較合成例1で得られた反応物A〜Dおよび、TAIC(トリアリルイソシアヌレート)、白金触媒(白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有))、キノンジアジド化合物((4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-α,α−ジメチルベンジル}フェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル(エステル化率2.0))、酸発生剤(SP−150)、溶剤(プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート)を表1に記載の割合で調合し感光性組成物を調整した。結果を表―2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】