特許第6371695号(P6371695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371695
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】車両用視認装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/074 20060101AFI20180730BHJP
【FI】
   B60R1/074
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-247061(P2014-247061)
(22)【出願日】2014年12月5日
(65)【公開番号】特開2016-107816(P2016-107816A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2016年2月1日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】海野 和也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 茂樹
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−199820(JP,A)
【文献】 特開2012−126222(JP,A)
【文献】 特開2002−293190(JP,A)
【文献】 特開平07−083225(JP,A)
【文献】 特開平05−240971(JP,A)
【文献】 特開平10−193223(JP,A)
【文献】 特開2003−335176(JP,A)
【文献】 特開2014−004960(JP,A)
【文献】 特開2008−296720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/074
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に支持される支持軸と、
貫通孔が設けられ、前記貫通孔に前記支持軸が貫通されて前記支持軸に回動可能に支持される回動部材と、
前記貫通孔の周面に突出されて設けられると共に、前記支持軸との間に隙間が設けられ、前記支持軸に面接触可能にされ突出部と、
前記回動部材と一体回動可能に設けられ、車両の乗員の視認を補助すると共に、前記回動部材が回動されることで格納又は起立される視認手段と、
を備えた車両用視認装置。
【請求項2】
車体側に設けられると共に、前記突出部と前記支持軸の軸方向における位置を一致される制限部と、
前記回動部材に設けられると共に、前記突出部と前記支持軸の軸方向における位置を一致され、前記制限部に当接されることで前記回動部材の回動が制限される回動部と、
を備えた請求項1記載の車両用視認装置。
【請求項3】
前記突出部が突出方向へ向かうに従い前記貫通孔の周方向及び軸方向において小さくされる請求項1又は請求項2記載の車両用視認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員の視認を補助する車両用視認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の電動格納式ミラーでは、車体側に支持軸が支持されており、駆動ケースの貫通孔に支持軸が貫通されて、駆動ケースが支持軸に回動可能に支持されている。
【0003】
ここで、このような電動格納式ミラーでは、駆動ケースの支持軸に対するガタツキを抑制できると共に駆動ケースの支持軸との摺動抵抗の増加を抑制できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−151020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、回動部材の支持軸に対するガタツキを抑制できると共に回動部材の支持軸との摺動抵抗の増加を抑制できる車両用視認装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用視認装置は、車体側に支持される支持軸と、貫通孔が設けられ、前記貫通孔に前記支持軸が貫通されて前記支持軸に回動可能に支持される回動部材と、前記貫通孔の周面に突出されて設けられると共に、前記支持軸との間に隙間が設けられ、前記支持軸に面接触可能にされる突出部と、前記回動部材と一体回動可能に設けられ、車両の乗員の視認を補助すると共に、前記回動部材が回動されることで格納又は起立される視認手段と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の車両用視認装置は、請求項1に記載の車両用視認装置において、車体側に設けられると共に、前記突出部と前記支持軸の軸方向における位置を一致される制限部と、前記回動部材に設けられると共に、前記突出部と前記支持軸の軸方向における位置を一致され、前記制限部に当接されることで前記回動部材の回動が制限される回動部と、を備えている。
請求項3に記載の車両用視認装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用視認装置において、前記突出部が突出方向へ向かうに従い前記貫通孔の周方向及び軸方向において小さくされる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の車両用視認装置では、車体側に支持軸が支持されており、回動部材の貫通孔に支持軸が貫通されて、回動部材が支持軸に回動可能に支持されている。さらに、視認手段が回動部材と一体回動可能に設けられており、視認手段は、車両の乗員の視認を補助すると共に、回動部材が回動されることで格納又は起立される。
【0009】
ここで、回動部材の貫通孔周面に突出部が突出されて設けられており、突出部が支持軸に接触可能にされている。このため、貫通孔の周面と支持軸との隙寸法を小さくでき、回動部材の支持軸に対するガタツキを抑制できる。しかも、貫通孔の周面と支持軸との接触面積を小さくでき、回動部材の支持軸との摺動抵抗の増加を抑制できる。
【0010】
請求項2に記載の車両用視認装置では、車体側に制限部が設けられると共に、回動部材に回動部が設けられており、制限部に回動部が当接されることで、回動部材の回動が制限される。
【0011】
ここで、制限部及び回動部と突出部とが支持軸の軸方向における位置を一致されている。このため、制限部に回動部が適切に当接でき、回動部材の回動を適切に制限できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両後方から見た正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る車両用ドアミラー装置における格納機構を示す車両後方から見た正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る車両用ドアミラー装置における格納機構を示す車両後方から見た断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る車両用ドアミラー装置における格納機構を示す上方から見た断面図(図2の4−4線断面図)である。
図5】本発明の実施形態に係る車両用ドアミラー装置における格納機構のケースを示す車両後斜め下方から見た斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る車両用ドアミラー装置における格納機構の主要部を示す車両後方から見た断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る車両用ドアミラー装置における格納機構の主要部を示す上方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、本発明の実施形態に係る車両用視認装置としての車両用ドアミラー装置10(車両用ミラー装置)が車両後方から見た正面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示している。
【0014】
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置10は、車両の車体側であるドアとしてのサイドドア(特にフロントサイドドア)の上下方向中間部かつ車両前側端に設置されて、車両外側に配置されている。
【0015】
図1に示す如く、車両用ドアミラー装置10は、支持体を構成する設置部材としてのステー12を備えており、ステー12の車幅方向内側端がサイドドアに固定されることで、車両用ドアミラー装置10がサイドドアに設置されている。
【0016】
ステー12の車幅方向外側部分の上側には、格納機構14(リトラクタ)が支持されている。
【0017】
図2図4にも示す如く、格納機構14には、支持体を構成する支持部材としての金属製のスタンド16が設けられている。スタンド16の下端には、略円板状の固定部18が設けられており、固定部18がステー12に固定されることで、スタンド16がステー12に固定されて、格納機構14がステー12に支持されている。
【0018】
固定部18の上側には、略円筒状の支持軸20が一体に設けられており、支持軸20は、固定部18から上方に起立されて、軸方向が上下方向に平行にされている。支持軸20の下端部は、支持部としての円筒状の下支持筒20Aにされており、下支持筒20Aは、支持軸20と同軸上に配置されている。支持軸20の上端部は、追加支持部としての円筒状の上支持筒20Bにされており、上支持筒20Bは、支持軸20と同軸上に配置されている。
【0019】
固定部18の上面には、支持軸20の外周側において、節度手段を構成する制限部としての略矩形柱状の制限突起22が所定数(本実施形態では2個)一体に設けられており、所定数の制限突起22は、それぞれ長手方向を支持軸20の周方向に沿って湾曲されると共に、支持軸20の周方向に等間隔に配置されている。また、制限突起22の長手方向両端面は、制限突起22の長手方向外側へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されている。
【0020】
スタンド16の支持軸20には、回動体を構成する駆動体24が支持されており、駆動体24は、支持軸20を中心として、格納方向(図4の矢印Aの方向)及び起立方向(図4の矢印Bの方向)に回動可能にされている。
【0021】
駆動体24の下側部分には、回動部材としての樹脂製で容器状のケース26が設けられており、ケース26の上面は、開放されている。
【0022】
図5図7に詳細に示す如く、ケース26の下壁(底壁)の車幅方向内側部分には、円筒状の貫通筒28が一体形成されており、貫通筒28は、ケース26の下壁を貫通している。貫通筒28内には、断面略円状の貫通孔30が同軸上に形成されており、貫通孔30(貫通筒28内)に支持軸20の下支持筒20Aが貫通されることで、ケース26が下支持筒20Aに回動可能に支持されている。貫通筒28の下面は、スタンド16の固定部18上に載置されており、これにより、ケース26の下側への移動が係止されている。
【0023】
貫通孔30の周面(貫通筒28の内周面)には、下側部分において、突出部としての下リブ30Aが複数(本実施形態では12個)形成されており、複数の下リブ30Aは、それぞれ貫通孔30の径方向内側に突出されると共に、貫通孔30の周方向に等間隔に配置されている。下リブ30Aは、略四角錐台状にされており、下リブ30Aは、突出方向(貫通孔30の径方向内側)へ向かうに従い貫通孔30の周方向に沿った断面積が小さくされている。下リブ30Aの突出先端面(接触部)は、貫通孔30の周方向に沿って湾曲されており、下リブ30Aの突出先端面は、支持軸20の下支持筒20Aの外周面に接触(特に面接触)可能にされている。なお、下リブ30Aの突出先端面の貫通孔30軸方向寸法は、例えば2mmにされると共に、下リブ30Aの突出先端面の貫通孔30周方向寸法は、例えば2mmにされている。
【0024】
貫通孔30が下支持筒20Aと同軸上に配置された場合には、貫通孔30の周面と下支持筒20Aの外周面との隙寸法L1(貫通孔30及び下支持筒20Aの径方向における隙寸法、図6参照)は、例えば0.26mmにされると共に、下リブ30Aの突出先端面と下支持筒20Aの外周面との隙寸法L2(貫通孔30及び下支持筒20Aの径方向における隙寸法、図6参照)は、例えば0.06mm以下(特に0.025mm)にされる。
【0025】
ケース26の下面(底面)には、貫通筒28の外周側において、節度手段を構成する回動部としての略矩形柱状の回動突起32が所定数(本実施形態では2個)一体に設けられており、所定数の回動突起32は、それぞれ長手方向を貫通筒28の周方向に沿って湾曲されると共に、貫通筒28の周方向に等間隔に配置されている。また、回動突起32の長手方向両端面は、回動突起32の長手方向外側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されている。
【0026】
回動突起32は、スタンド16の制限突起22と、支持軸20の軸方向及び径方向における位置を一致されており、貫通孔30が支持軸20の下支持筒20Aと同軸上に配置された場合には、回動突起32と制限突起22との支持軸20径方向における位置の一致量が最大にされる。回動突起32の起立方向側の長手方向端面は、制限突起22の格納方向側の長手方向端面に当接されており、これにより、ケース26ひいては駆動体24の起立方向への回動が制限されて、駆動体24が起立位置に配置されている。また、回動突起32の長手方向端面と制限突起22の長手方向端面との当接部分の少なくとも一部(本実施形態では全部)は、下リブ30Aの突出先端面と、支持軸20の軸方向における位置を一致されている。
【0027】
図3に示す如く、ケース26の上部内には、追加回動部材としての樹脂製のモータベース34が固定されており、モータベース34は、ケース26と一体にされている。
【0028】
モータベース34の車幅方向内側部分には、略円筒状の収容筒36が設けられており、収容筒36は、ケース26の貫通筒28と同軸上に配置されている。収容筒36内は、上側及び下側に開放されており、収容筒36内には、支持軸20が収容されている。
【0029】
収容筒36の上側部分には、略円筒状の接触筒36Aが同軸上に設けられており、接触筒36Aは、収容筒36の下側部分に対し縮径されている。接触筒36Aの内側近傍には、円筒状の挿入筒36Bが同軸上に設けられており、挿入筒36Bは、上端において、接触筒36Aと一体にされている。接触筒36Aと挿入筒36Bとの間には、断面略円環状の接触孔38が形成されており、接触孔38は、下側に開放されている。挿入筒36Bは、スタンド16の支持軸20の上支持筒20B内に挿入されて、接触孔38には、上支持筒20Bが挿入されており、これにより、モータベース34が上支持筒20Bに回動可能に支持されている。
【0030】
接触孔38の外周面(接触筒36Aの内周面)には、追加突出部としての矩形柱状の上リブ38Aが複数(本実施形態では8個)形成されており、複数の上リブ38Aは、それぞれ長手方向を接触孔38の軸方向に沿って配置されると共に、接触孔38の周方向に等間隔に配置されている。上リブ38Aは、接触孔38の径方向内側に突出されており、上リブ38Aの突出先端面は、上支持筒20Bの外周面に接触可能にされている。
【0031】
接触孔38が上支持筒20Bと同軸上に配置された場合には、上リブ38Aの突出先端面と上支持筒20Bの外周面との隙寸法(接触孔38及び上支持筒20Bの径方向における最小隙寸法)は、例えば0.2mmにされると共に、接触孔38の内周面(挿入筒36Bの外周面)と上支持筒20Bの内周面との隙寸法(接触孔38及び上支持筒20Bの径方向における隙寸法)は、例えば0.2mmにされる。
【0032】
モータベース34の車幅方向外側部分には、略半楕円板状の底板40が設けられており、底板40は、収容筒36の下端と一体にされている。底板40の上側には、略矩形筒状の組付筒42が一体に設けられており、組付筒42の軸方向は、上下方向に平行にされている。
【0033】
ケース26及びモータベース34の上側には、被覆部材としての樹脂製で容器状のカバー44が設けられており、カバー44の下面は、開放されている。カバー44の下端は、ケース26の上端外周に嵌合されており、カバー44は、ケース26及びモータベース34の上側を被覆すると共に、ケース26と一体にされている。
【0034】
モータベース34の車幅方向外側部分には、駆動手段としてのモータ46が組付けられており、モータ46の本体部46Aは、モータベース34の組付筒42内に固定されると共に、モータ46の出力軸46Bは、モータベース34の底板40を貫通されて、モータベース34の下側に延出されている。モータ46は、車両の制御装置(図示省略)に電気的に接続されており、制御装置の制御により、モータ46が駆動されることで、モータ46の出力軸46Bが回転される。
【0035】
図3及び図4に示す如く、ケース26内には、回動機構48(ギア機構)が設けられている。
【0036】
回動機構48には、モータ46の下側において、ギア部材(初段ギア)としてのウォームギア50が設けられており、ウォームギア50は、モータ46の出力軸46Bに同軸上に取付けられている。ウォームギア50は、出力軸46Bと一体回転可能にされており、出力軸46Bが回転されることで、ウォームギア50が回転される。
【0037】
回動機構48には、ウォームギア50の車幅方向内側において、連絡ギア(中間ギア)としてのウォームシャフト52が設けられており、ウォームシャフト52は、ケース26に回転自在に支持されている。ウォームシャフト52の一端側部分(車両後側部分)には、ヘリカルギア部52A(ウォームホイールギア)が設けられており、ウォームシャフト52の他端側部分(車両前側部分)には、ウォームギア部52Bが設けられている。ヘリカルギア部52Aは、ウォームギア50に噛合されており、ウォームギア50が回転されることで、ウォームシャフト52(ヘリカルギア部52A及びウォームギア部52B)が回転される。
【0038】
スタンド16の支持軸20には、固定ギア(最終ギア)としてのギアプレート54(ウォームホイール)が設けられており、ギアプレート54は、支持軸20が同軸上に貫通されて、支持軸20の下支持筒20Aに回転を制限された状態で支持されている。ギアプレート54には、ウォームシャフト52のウォームギア部52Bが噛合されており、ウォームギア部52Bが回転されることで、ウォームギア部52Bがギアプレート54の回りを回動される。これにより、駆動体24がウォームギア部52Bと一体に支持軸20を中心として回動される。
【0039】
図1に示す如く、駆動体24は、回動体を構成する収容部材としての略直方体形容器状のバイザ56の車幅方向内側部分内に収容されており、バイザ56の車両後側面は、開放されている。バイザ56内には、車両後側面(開放部分)近傍において、回動体を構成する視認手段としての略矩形板状のミラー58が配置されており、バイザ56は、ミラー58の全周及び車両前側面を被覆している。ミラー58の鏡面58Aは、車両後側へ向けられており、ミラー58によって車両の乗員(特に運転手)の車両後側の視認が補助される。
【0040】
バイザ56及びミラー58は、駆動体24のケース26に連結されて支持されており、バイザ56及びミラー58は、駆動体24と一体に支持軸20を中心として回動可能にされている。
【0041】
モータ46が駆動されて、出力軸46Bが一方向へ回転される際には、駆動体24が格納方向に回動されて、バイザ56及びミラー58が駆動体24と一体に車両後側かつ車幅方向内側へ回動される。さらに、ケース26の回動突起32の格納方向側の長手方向端面がスタンド16の制限突起22の起立方向側の長手方向端面に当接されることで、駆動体24の格納方向への回動が制限される。これにより、駆動体24が格納位置まで回動されることで、バイザ56及びミラー58が、サイドドアに対する突出を解除されて、格納される。
【0042】
一方、モータ46が駆動されて、出力軸46Bが他方向へ回転される際には、駆動体24が起立方向に回動されて、バイザ56及びミラー58が駆動体24と一体に車両前側かつ車幅方向外側へ回動される。さらに、ケース26の回動突起32の起立方向側の長手方向端面がスタンド16の制限突起22の格納方向側の長手方向端面に当接されることで、駆動体24の起立方向への回動が制限される。これにより、駆動体24が起立位置(使用位置、復帰位置)まで回動されることで、バイザ56及びミラー58が、サイドドアに対して突出されて、起立(展開、復帰)される。
【0043】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0044】
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、格納機構14において、駆動体24のケース26(貫通筒28)の貫通孔30にスタンド16の支持軸20の下支持筒20Aが貫通されると共に、駆動体24のモータベース34(収容筒36)の接触孔38に支持軸20の上支持筒20Bが挿入されることで、駆動体24が支持軸20(下支持筒20A及び上支持筒20B)に回動可能に支持されている。
【0045】
また、格納機構14において、制御装置の制御によりモータ46が駆動されることで、出力軸46Bが回転される。このため、回動機構48において、ウォームギア50が出力軸46Bと一体に回転されて、ウォームシャフト52(ヘリカルギア部52A及びウォームギア部52B)が回転されることで、ウォームギア部52Bがギアプレート54の回りを回動されて、駆動体24がウォームギア部52Bと一体に支持軸20を中心として回動される。これにより、駆動体24が格納方向又は起立方向に回動されることで、バイザ56及びミラー58が駆動体24と一体に回動されて格納又は起立される。
【0046】
駆動体24が格納方向に回動される際には、ケース26の回動突起32の格納方向側の長手方向端面がスタンド16の制限突起22の起立方向側の長手方向端面に当接されて、駆動体24の格納方向への回動が制限される。
【0047】
一方、駆動体24が起立方向に回動される際には、ケース26の回動突起32の起立方向側の長手方向端面がスタンド16の制限突起22の格納方向側の長手方向端面に当接されて、駆動体24の起立方向への回動が制限される。
【0048】
ところで、モータベース34(収容筒36)の接触孔38の外周面に上リブ38Aが突出された状態で形成されており、上リブ38Aの突出先端面が支持軸20の上支持筒20Bの外周面に接触可能にされている。このため、モータベース34の接触孔38外周面と上支持筒20Bの外周面との隙寸法が小さくされて、駆動体24の支持軸20に対するガタツキ及び傾動が抑制されている。
【0049】
ここで、ケース26(貫通筒28)の貫通孔30周面に下リブ30Aが突出された状態で形成されており、下リブ30Aの突出先端面が支持軸20の下支持筒20Aの外周面に接触可能にされている。
【0050】
このため、ケース26の貫通孔30周面と下支持筒20Aの外周面との隙寸法を小さくでき、駆動体24の支持軸20に対するガタツキ及び傾動を効果的に抑制できる。これにより、駆動体24、バイザ56及びミラー58の支持軸20による支持剛性を効果的に高くでき、車両の走行時等におけるミラー58のびびりを効果的に抑制できる。
【0051】
しかも、貫通孔30の周面全体が下支持筒20Aの外周面に接触される場合に比し、ケース26の貫通孔30周面と下支持筒20Aの外周面との接触面積を小さくでき、駆動体24が回動される際に、貫通孔30周面の下支持筒20A外周面との摺動抵抗(摺動トルク)の増加を抑制できる。これにより、駆動体24、バイザ56及びミラー58を回動させるためのモータ46の駆動力の増加を抑制できると共に、貫通孔30周面の下支持筒20A外周面との摺動音が発生することを抑制できる。
【0052】
また、下リブ30Aの突出先端面(下支持筒20A外周面との接触部)が、ケース26の回動突起32の長手方向端面とスタンド16の制限突起22の長手方向端面との当接部分の少なくとも一部と、支持軸20の軸方向における位置を一致されている。
【0053】
このため、貫通孔30周面の上側部分に下リブ30Aが形成される場合に比し、貫通孔30を下支持筒20Aとの同軸上の配置に近づけることができる。これにより、駆動体24が格納方向及び起立方向に回動されて回動突起32の長手方向端面が制限突起22の長手方向端面に当接される際に、回動突起32の長手方向端面と制限突起22の長手方向端面との当接量を大きくできて、回動突起32の長手方向端面が制限突起22の長手方向端面に適切に当接でき、駆動体24の格納方向及び起立方向への回動を適切に制限できる。
【0054】
しかも、貫通孔30周面の上側部分に下リブ30Aが形成される場合に比し、下リブ30Aとモータベース34の上リブ38Aとの上下方向(支持軸20の軸方向)における距離を大きくでき、駆動体24の支持軸20に対する傾動を一層効果的に抑制できる。これにより、駆動体24、バイザ56及びミラー58の支持軸20による支持剛性を一層効果的に高くでき、車両の走行時等におけるミラー58のびびりを一層効果的に抑制できる。
【0055】
また、ケース26の貫通孔30(貫通筒28)の軸方向寸法を大きくしなくても、上述の如く駆動体24の支持軸20に対する傾動を効果的に抑制できる。このため、駆動体24が貫通孔30の軸方向において大型化することを抑制でき、格納機構14ひいては車両用ドアミラー装置10が貫通孔30の軸方向において大型化することを抑制できる。
【0056】
なお、本実施形態では、ケース26の貫通孔30周面の下支持筒20A外周面との接触部(下リブ30Aの突出先端面)を貫通孔30周方向の一部に設けた。しかしながら、ケース26の貫通孔30周面の下支持筒20A外周面との接触部を貫通孔30周方向の全体に設けてもよい。
【0057】
さらに、本実施形態では、モータベース34(上リブ38A)がスタンド16の上支持筒20B外周面に接触可能にされている。しかしながら、カバー44がスタンド16の上支持筒20B外周面に接触可能にされてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、本発明の車両用視認装置を車両用ドアミラー装置10に適用した。しかしながら、本発明の車両用視認装置を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用してもよい。
【0059】
さらに、本実施形態では、本発明の視認手段をミラー58にした。しかしながら、本発明の視認手段を撮像により乗員の視認を補助するカメラにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
20 支持軸
22 制限突起(制限部)
26 ケース(回動部材)
30 貫通孔
30A 下リブ(突出部)
32 回動突起(回動部)
58 ミラー(視認手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7