特許第6371704号(P6371704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6371704医療実務者にアラートするシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371704
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】医療実務者にアラートするシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20180730BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20180730BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   G06Q50/22
   G08B25/00 510L
   H04M11/04
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-536359(P2014-536359)
(86)(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公表番号】特表2014-532250(P2014-532250A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】IB2012055353
(87)【国際公開番号】WO2013057615
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2015年10月2日
【審判番号】不服2017-4755(P2017-4755/J1)
【審判請求日】2017年4月5日
(31)【優先権主張番号】61/548,242
(32)【優先日】2011年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ソームロ,アムジャド
【合議体】
【審判長】 佐藤 智康
【審判官】 渡邊 聡
【審判官】 石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−164807(JP,A)
【文献】 特表2010−541311(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/204858(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q50/22
G08B25/00
H04M11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療実務者にアラートするシステムであって、
各受信装置が対応する医療実務者に関連付けされ、複数のタイプのアラートの1つによって受信メッセージについて前記医療実務者にアラートするユーザアラート装置と、入力メッセージを受信する受信機と、前記ユーザアラート装置に前記複数のタイプのアラートの1つにより入力メッセージについて前記医療実務者にアラートさせる回路とを有する、複数の受信装置と、
各メッセージが前記アラートのタイプの選択された1つに対応し、前記受信装置が前記選択されたタイプのアラートによって前記メッセージを受信したことを前記医療実務者にアラートするように、前記受信装置の選択された1以上に複数の予め選択されたタイプの医療重大性の1つの医療情報を搬送するメッセージを送信する送信局と、を有し、
前記送信局は、各送信局識別子が前記アラートのタイプの1つに対応する複数の送信局識別子であって、前記ユーザアラート装置が選択されたアラートにより前記送信局識別子に応答するように、前記メッセージが前記選択されたアラートに対応する前記送信局の1つにより送信される、複数の送信局識別子を有するか、又は、
前記受信装置の少なくとも1つは、各受信局識別子が前記アラートのタイプの1つに対応する複数の受信局識別子であって、前記ユーザアラート装置が選択されたアラートにより前記受信局識別子に応答するように、前記送信局が前記選択されたアラートに対応する受信局識別子に前記メッセージを送信する、複数の受信局識別子
を有するシステム。
【請求項2】
生理的パラメータをモニタする患者モニタであって、前記患者モニタは複数の選択された医療基準のそれぞれに応答して前記患者モニタされた生理状態を示すメッセージを前記医療実務者の1人に出力し、前記医療実務者に関連する受信装置が前記メッセージの医療重大性に対応するタイプのアラートにより前記医療実務者にアラートするように、前記送信局は各メッセージの選択された医療基準と対応するタイプのアラートとを関連付け、前記メッセージを前記医療実務者の1人に送信する、患者モニタを更に有する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記送信局識別子は、
ソースPSTN(Public Switched Telephone Network)番号、
ソースIPアドレス、
ソースIPポート番号、及び
SIP登録されたソース論理アドレス、
の少なくとも1つである、請求項1又は2記載のシステム。
【請求項4】
声出力装置の着信音、バイブレート装置のバイブレーションパターン、又は光出力装置による光のパターン若しくはカラーは、前記アラートのタイプを示す、請求項1乃至何れか一項記載のシステム。
【請求項5】
前記受信局識別子は、
ソースPSTN(Public Switched Telephone Network)番号、
ソースIPアドレス、
ソースIPポート番号、
SIP登録されたソース論理アドレス、
デスティネーションIPアドレス、
デスティネーションIPポート番号、及び
SIP登録されたデスティネーション論理アドレス
の少なくとも1つである、請求項1乃至何れか一項記載のシステム。
【請求項6】
1以上の物理的な受信装置に1以上の論理アドレスを含むメッセージを送信するためのプロキシサーバとして動作するSIP(Session Initiation Protocol)設定されたサーバを更に有する、請求項1乃至何れか一項記載のシステム。
【請求項7】
医療実務者にアラートする方法であって、
1以上のタイプの予め選択された医療重大性による医療情報を搬送するメッセージを選択された1以上の受信装置に送信するステップと、
前記受信装置の1つが、前記メッセージを受信し、前記メッセージにより搬送された医療情報の医療重大性のタイプの1つに対応するタイプのアラートを実行することによって、前記メッセージの受信に応答するステップと、
を有し、
前記方法は更に、
各送信局識別子が前記アラートのタイプの1つに対応し、前記受信装置が送信局識別子に対応するアラートによって応答するように、複数の送信局識別子の1つを用いて送信される前記メッセージを符号化するステップ、又は、
各受信局識別子が前記アラートのタイプの1つに対応し、前記受信装置が前記受信局識別子に対応するアラートによって応答するように、複数の受信局識別子の1つを用いて送信される前記メッセージを符号化するステップ
を有する方法。
【請求項8】
前記メッセージを符号化するステップは、テキスト又は音声コマンドを前記アラートタイプを示すメッセージ本体に挿入することを含む、請求項記載の方法。
【請求項9】
前記アラートタイプの実行は、
前記受信装置上で所定の着信音を再生すること、
所定のパターンに従って前記受信装置をバイブレートすること、及び
前記受信装置の光出力装置上で所定のライトのパターン又はライトのカラーを表示すること、
の少なくとも1つを含む、請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
前記送信局識別子は、
ソースPSTN(Public Switched Telephone Network)番号、
ソースIPアドレス、
ソースIPポート番号、
SIP登録されたソース論理アドレス、
デスティネーションIPアドレス、
デスティネーションIPポート番号、及び
SIP登録されたデスティネーション論理アドレス
の少なくとも1つを含む、請求項乃至何れか一項記載の方法。
【請求項11】
前記メッセージは、音声メッセージ、SMSメッセージ、電子メールメッセージ及びインスタントメッセージ(IM)の少なくとも1つを含む、請求項乃至10何れか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療システム、病院システム及びモバイル装置に関し、具体的には自らのモバイル装置上で医師に提供されるアラートに関する。
【背景技術】
【0002】
医師は移動し、モバイル環境において実際の医療を可能にする装置を備えることが増えている。モバイル環境は、インターネット、音声通信、病院システム及び医療システムとの接続を含む。典型的な医師は、スマートフォン又はタブレットコンピュータ、携帯電話などの他のモバイル装置を携行する。医療提供中、医師は、ウェブブラウザを介し電話通信、電子メール、インスタントメッセージング及びシステムアクセスを利用するかもしれない。システムアクセスは、実験結果又は他の診断情報の確認、指示又は処方箋の作成、スケジューリング及び日中に生じる各種イベントへの応答に関するものであるかもしれない。医師は移動するため、スケジュールの変更、新たな結果又は新たなイベントがメッセージとして送信されることが多くなる。
【0003】
医師に対するメッセージは、専門実務及び/又は医療の役割に応じて各種ソースから発生する。医療の実践の大きさ、利用される施設及び専門性に応じて、いくつかの役割は組み合わされ、他のものは分離される。1以上のスケジューラは、新たなアポイントメント、通常予定される患者の訪問、患者のための実験テスト、フォローアップアポイントメント、緊急アポイントメント、及び医療施設の管理、制約会社のエージェントの訪問又は他のベンダなどの管理的アポイントメントを処理する。医療実務者はまた、実験結果、患者コール、システムモニタ、患者モニタなどの受信などのイベントに応答する。これらのイベントは、しばしばその性質、緊急性又は予想されるレスポンスに応じて、音声、テキスト又は電子メールなどの電子メッセージとして医師に通信される。
【0004】
医師に通信されるメッセージは全てが同じように通信できるとは限らず、又は医師は圧倒される可能性がある。医師は、フィルタを設定し、必要とされるより多くの中断を許容することによって、医療提供と新たなイベント及び変更の確認とをバランスさせることを試みる。1つのフィルタリング方法は、メッセージを確認し、その性質、緊急性及び当該時点における医師から期待されるレスポンスに従ってメッセージをを転送するオフィスのスタッフを雇うことである。これは、医師へのメッセージのトラフィックを低減するが、メッセージの意志決定を医師から離れたものにする。これはまた、24時間常駐しているとは限らないスタッフの追加的な費用を伴う。
【0005】
他のアプローチは、より短いテキストメッセージによって、より迅速なメッセージの確認を可能にすることである。医療実務者は、依然として各メッセージを視覚的に確認するが、各メッセージに費やされる時間は短い。フィルタを設定し、メッセージを短縮し、各メッセージを視覚的に確認することの組み合わせが通常の結果である。医療実務者は、全てのメッセージを確認するため自らのワークフローを中断するか、又は現在の医療行為を継続するため全てのメッセージの確認を保留する。
【0006】
病院及び医療システムはしばしば、各種患者モニタを含む。閾値が設定され、システムは、メッセージを医師に自動送信するようプログラムされる。これらは、同一ソースからのメッセージとしてシステムモニタに現れる。頻繁に、医師はそれがモニタからのものであり、その性質、緊急性及び期待されるレスポンスを決定するためメッセージを確認する必要があることしか知らないメッセージを受信する。
【0007】
現在の技術は、医師がメッセージのコンテンツを確認する前に、受信したときにメッセージの性質、緊急性及び期待されるレスポンスを区別するための限定的な手段しか可能にしない。モバイル装置又はスマートフォンの着信音は、メッセージがオフィス、実験室、ICUなどの特定のソースから受信されたことを医師にアラーとするのに利用されるが、メッセージコンテンツに基づき区別したアラートを可能にするものでない。
【0008】
その性質、緊急性及びメッセージに対して期待されるレスポンスを区別するアラートは、医師がメッセージの確認を自分のパーソナルワークフローに最も良く統合する方法を決定することを可能にするのに効果的であろう。これは、現在のタスクの性質、緊急性及び期待されるレスポンスと、医療実務者により最良に判断されたメッセージアラートに示唆されたものとのバランスに依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願は、上述した問題などを解決する医師に対するコンテンツに固有のアラートのための新規かつ改良された方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
現在の電話は、複数の指定された発信者のそれぞれについて選択された着信音を生成できる。本コンセプトの一例では、医療機関は、それぞれが医療状況の緊急性などの異なるタイプのアラートに対応する複数の出力電話番号を有する。実務者に医療問題をアラートする必要があるとき、出力する携帯電話の音声コール又はテキストメッセージが、医療状況の緊急性とアラートのタイプに対応する電話番号から送信される。その後、実務者の電話は、当該タイプのアラートを示す着信音により鳴動する。着信音よりも、ディスプレイが開き、又はバイブレーションがアラートタイプを示すのに利用可能である。電子メールメッセージについて、インターネットプロトコル(IP)アドレスが同様に利用可能である。
【0011】
将来的なモバイル装置は、複数の電話番号又はIPアドレスを有するかもしれない。各電話番号又はIPアドレスは、複数のアラートタイプの対応する1つを示す着信音などと関連付けされる。医療状況に関するメッセージが、アラートタイプに対応する電話番号又はIPアドレスに送信される。
【0012】
一態様によると、医療実務者にアラートするシステムは、複数の受信装置と送信局とを有する。各受信装置は、対応する医療実務者に関連付けされる。受信装置は、ユーザアラート装置、受信機及び回路を有する。ユーザアラート装置は、複数のタイプのアラートの1つによって受信メッセージについて実務者にアラートする。受信機は、入力メッセージを受信する。回路は、ユーザアラート装置に複数のタイプのアラートの1つによって入力メッセージについて実務者にアラートさせる。送信局は、各メッセージが選択されたアラートのタイプに対応し、複数の予め選択されたタイプの医療重大性の1つの医療情報を搬送するメッセージを、受信装置が選択されたタイプのアラートによってメッセージを受信したことについて実務者にアラートするように、選択された1以上の受信装置に送信する。
【0013】
他の態様によると、医療実務者にアラートするシステムが提供される。患者モニタは、生理状態をモニタし、モニタされた生理状態及びモニタされた生理状態の医療重大性を示すメッセージを実務者の1人に出力する。送信局は、メッセージ及び関連するアラートタイプに関連する医療重大性に対応するアラートタイプと実務者の1人の受信装置とを関連付ける。受信装置は、メッセージの医療重大性に対応するアラートタイプにより実務者にアラートする。
【0014】
他の態様によると、医療実務者にアラートする方法は、1以上のタイプの予め選択された医療重大性による医療情報を搬送するメッセージを選択された1以上の受信装置に送信する。受信装置の1つによって、医療メッセージが受信され、メッセージにより搬送された医療情報の医療重大性のタイプの1つに対応するタイプのアラートを実行することによって当該受信に応答する。
【0015】
他の態様によると、アラートを送信する方法は、1以上のタイプの予め選択された重大性による情報を搬送するメッセージを選択された1以上の受信装置に送信する。受信装置の1つによって、メッセージを受信し、予め選択された重大性のタイプの1つに対応するタイプのアラートを実行することによって、受信装置に関連する人にアラートする。
【発明の効果】
【0016】
1つの効果は、アラートがメッセージコンテンツを示すのに利用可能であることである。
【0017】
他の効果は、着信音のアラートがハンズフリーな情報の配信を医療実務者に提供することである。
【0018】
他の効果は、アラートが医療、医療サービスプロバイダ、医療施設又は医療実務者について標準化可能であるということである。
【0019】
他の効果は、アラートが医療実務者についてカスタマイズ可能であるということである。
【0020】
他の効果は、アラートがメッセージの複数の発信元を収容可能であるということである。
【0021】
他の効果は、メッセージを読む前に医療実務者にその性質、緊急性及び/又は期待されるレスポンスを示すことである。
【0022】
他の本発明の更なる効果は、以下の詳細な説明を参照及び理解した当業者に理解されるであろう。
【0023】
本発明は、各種コンポーネント及びコンポーネントの組み合わせ、並びに各種ステップ及びステップの組み合わせの形態をとりうる。図面は、好適な実施例を説明するためだけのものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、受信装置の拡大図と共に送り先の医師にアラートが送信される一実施例による環境を示す図である。
図2図2は、受信装置の一実施例の図である。
図3図3は、特定のアラートをトリガする送信先装置にメッセージを送信する一例となる構成の図である。
図4図4A、4B及び4Cは、各種医師アラートをトリガするメッセージフォーマットの図である。
図5図5は、送信先装置において明示される可能性のあるアラート設定を示す一例となるテーブルである。
図6図6は、SIPプロトコルを利用した可能性のある1−nのデバイスのデスティネーションとm−1のソースとを示す図である。
図7図7は、メッセージ本体のコンテンツに基づきアラートをトリガする実施例のフローチャートである。
図8図8は、ソース及び/又はデスティネーションアドレスにより反映されるメッセージコンテンツに基づきアラートをトリガする実施例のフローチャートである。
図9図9A及び9Bは、一実施例によるメッセージの設定及び送信のそれぞれのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照して、メッセージ5が、各種ソース、各種機構及び各種メッセージフォーマットにより医師20の携帯電話、スマートフォン、PDAなどの受信装置10に到着する。送信先の医師20のスマートフォン又は他の受信装置上のアラートは、メッセージ5又はメッセージコンテンツに対する性質、緊急性及び/又は期待されるレスポンスを示す。メッセージのソースは、病院や医療施設などの組織25を含む。メッセージの発信元は、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、スマートフォン、モニタリング装置などの送信局30からメッセージを送信する。メッセージの発信元は、患者モニタ34などのシステムにより許可されたソース、スケジューリング、病院管理、実験、放射線、入院患者などのためのシステム38、外来患者システム32、及び音声通信42及び/又はシステム通信44を介した他の医師又は医療実務者40を含む。セルラシステム50やPSTN(Public System Telephone Network)、イーサネット(登録商標)60やWiFi70などの有線及び無線ネットワーク、インターネット80及びこれらの相互接続された組み合わせなどを介し接続が維持される。
【0026】
メッセージは、音声、電子メール、テキスト及びインスタントメッセージとして提供され、テキスト、音声及び他のマルチメディアフォーマットを含む。メッセージ技術は、インターネットプロトコル(IP)、ショートメッセージシステム(SMS)、PSTNプロトコル及びセッションイニシエーションプロトコル(SIP)を利用する。SIPは、IETF(Internet Engineering Task Force)により開発されたシグナリングプロトコルである。SIPは、アドレスにマッピングするSIPにより構成されたサーバ90を利用して、複数の論理アドレスの登録を許可する。論理アドレスは、当該論理アドレスを利用するメッセージの性質、緊急性及び/又は期待されるレスポンスを示す情報を含むことが可能である。
【0027】
IPアドレス、SIP論理アドレス、ポート番号、PSTN番号のセット及び/又は組み合わせが、メッセージを送信及び/又は受信するのに利用される。アドレスが以前に装置又は人を示していた場合、アドレスの組み合わせは、人又は装置と、性質、緊急性及び/又は期待されるレスポンスとの双方を示す。メッセージ5は、医療実務者20と組織25との間で合意されたメッセージカテゴリを表すアドレスの組み合わせを利用するようカテゴリ化される。各組織は、メッセージカテゴリと関連する期待されるレスポンスとを定義可能である。デフォルト設定が、実務者に提供できる。実務者は、複数の組織の設定を組み合わせ又は分離可能である。受信装置10上でトリガされ、メッセージカテゴリに対応するアラートが、受信装置10上で設定される。
【0028】
受信装置10上で設定されたアラートは、手動によるエントリ及び/又はダウンロードを含む。アラートは、医療実務者20、医療提供者及び/又は医療施設25に固有のものとすることが可能であるか、又は医療に一般化することが可能である。例えば、コードブルーとして通常知られる生命の危険のある緊急事態は、アラーム着信音であるアラートを有してもよく、スマートフォンディスプレイ上の青色の点滅を有してもよい。
【0029】
図2を参照して、一実施例による受信装置10は、入力メッセージ5を受信する受信機110を有する。受信機110は、WiFi70又はPSTN50の何れかの無線接続から受信する。回路160は、受信機から受信したメッセージを処理し、メッセージ5により示されるアラートを特定する。受信装置のメモリ170に格納されている設定を利用して、回路160は、アラート装置120の各種コンポーネントを起動する。
【0030】
アラート装置120は、バイブレート装置130、音声出力装置150及び光表示装置140を有する。バイブレート装置130は、アクティブ化されると、設定されたアラートパターンに従って受信装置10にバイブレーションパターンを発生させる。音声出力装置150は、受信したメッセージ5により示されるアラートについて設定された着信パターンを鳴動又は再生する。装置10の通常の入出力表示機能に利用される光出力ディスプレイ140は、受信したメッセージ5により示されるアラートによりトリガされたカラー及び/又は点滅パターンを表示する。
【0031】
図3を参照して、一例となる構成は、特定のアラートをトリガするメッセージ5を受信装置10に送信することを示す。メッセージは、物理的な送信局30の1つから送信されるが、アラートによりメッセージコンテンツを区別する。アラートはグループ化されるが、特定のパターンは、異なる性質、緊急性及び/又は期待されるレスポンスを示す。
【0032】
例えば、骨折した四肢を有する患者の放射線画像は、画像があることを示す黄色のライトであるアラートパターンを示し、生命の危険のない手術がスケジューリングされる必要がある。生命の危険のある状態の緊急手術についてスケジューリングされた患者の放射線画像は、赤色の点滅を示すものであってもよい。手術が差し迫っているか、又は緊急手術の状況を決定するため画像の確認が必要である場合、聴取可能なアラートが追加されてもよい。放射線は本例のメッセージの全てについて同一のソースであるが、メッセージコンテンツはアラートパターンにより区別される。
【0033】
アラートは、専門性に固有のものであってもよい。家庭医療実務者は、外科医や内科医実務者と異なるアラートを利用してもよい。例えば、実務者のオフィスからのアラートは、苦しんでいる患者に対する薬の要求を示すメッセージに対する1つの着信音と、スケジューリング問題に関するオフィスからのメッセージについての異なる着信音とを利用してもよい。期待されるレスポンスは異なる。第1の例では、実務者はメッセージを確認し、処方箋を指示する。第2の例では、以降にスケジューラにコールすることが保証されるかもしれない。複数のメッセージのそれぞれについての異なるアラートは、実務者が1回のコール又はシステムの利用により複数のメッセージをアドレス指定することを可能にする。
【0034】
他の例では、ICU実務者のためのシステムアラートは、メッセージの致命度を区別する。1つの着信音は装置の不調を示し、異なる着信音はモニタにより記録された疑わしい異常な患者状態を示し、他の着信音は致死的な状態がモニタされた/モニタされていることを示す。これらの通知は、異なる緊急度のアクションを求めるものであってもよい。第1は、バックアップ装置を準備するためのコールが行われるべきであることを示すものであってもよい。あるベッドの患者に関連するイベントからの着信音によるアラートと、他のベッドの患者に関連するイベントからの着信音とは、患者の状態に依存して異なるレスポンスの緊急性を示すものであってもよい。
【0035】
適切に設定されたプロトコルは、着信音のパターン、バイブレーションのパターン及び/又はライトのパターンの関連付けを可能にする。送信局30を用いたソースは、メッセージ5のPSTN番号(発信者ID)、SIP登録された論理ソースアドレス、ソースIPアドレス及び/又はポート番号、デスティネーションIPアドレス及び/又はポート番号、並びにSIP登録されたデスティネーション論理アドレスを用いて区別できる。
【0036】
図4A〜4Cを参照して、メッセージコンテンツは、他の各種方法により特定できる。特定の装置10の設定は、各アラートがどのように決定されるか、またそれが当該装置上でどのように明示されるかを設定する。アラートは、発信者又はソースの論理アドレス410において示すことができる、あるいは、アラートは、論理デスティネーションアドレス420により示すことができる。SIP登録コマンドは、論理アドレスの利用を許可し、論理アドレスと実際のアドレスとの間を決定する。装置10によるメッセージ5の受信は、論理アドレスの一方又は双方を用いて装置10上で設定されたアラートをトリガする。
【0037】
他の実施例は、実務者の受信装置10にインストールされたアプリケーションを用いてメッセージ本体を調べる。メッセージが受信されると、アプリケーションは、メッセージ430の本体を開き、アラートインジケータのための最初の部分などの指定された部分を調べる。メッセージは、アラートを指定する符号化による音声、テキストなどとすることができる。例えば、音声メッセージによると、アプリケーションは、音声コマンドをサーチできる。音声インジケータの一例は、カラー又は病院で頻繁に利用される他の標準化された方法などを用いた“コードブルー”とすることができる。
【0038】
図5を参照して、一例となるテーブルは、デスティネーション装置10において明示されるアラート500の設定を示す。アラートは、着信音510のみとすることが可能である。アラートはまた、受信装置のディスプレイスクリーンを用いたライトディスプレイ530又はバイブレーション520とすることが可能である。アラートは、着信音、バイブレーションパターン又はライティングパターンの組み合わせとすることができる。各アラートがどのように明示されるかは、装置10の設定により決定される。各アラートは、医療実務者によりとられるべき期待されるアクション540と関連付け可能である。
【0039】
ライトディスプレイアラート530は、少なくともおそらく押しつけがましい。特定のカラーは、装置のディスプレイスクリーン上に表示可能である。カラーはまた、特定のパターンによりオン及びオフするよう作成可能である。ライトディスプレイは、人により携行されるとき、状況が許すときに容易に視聴されるか、又は患者には見えない視覚的表示を医療実務者に提供する。しかしながら、ディスプレイを見るため、ディスプレイは医療実務者に見えるものでなければならない。
【0040】
バイブレーションパターンアラート520は、装置を携行する人によって感じられる。アラートに用いられるバイブレーションパターンは、連続的又は断続的とすることができる。バイブレーションは、アラートレベルを区別するため、強度、スピード、タイムオン、タイムオフなど可変とすることができる。着信音パターン510は、産業界で周知であり、聴取可能なパターン及び/又は記録を含むことができる。カスタマイズ可能な記録がまた利用される。選択された着信音に応じて、着信音は、必要に応じてより押しつけがましく又はそうでなくされてもよい。
【0041】
アラート500は、その性質、緊急性又は期待されるレスポンスを示すようグループ化できる。これは、医療実務者が意味のあるアラートによって標準化されたメッセージコンテンツグループを利用することを可能にする。重要性のレベルは、ライト、バイブレーション、着信音パターンなどを用いてアラートにおいて区別されてもよい。アポイントメントの確認、退院の確認、受け取った保険支払い又はスケジューリングされた患者の到着などの情報メッセージでさえサービスに影響を与える異なるレスポンスをトリガ可能であり、さらにアラートにより実現可能である。
【0042】
例えば、アラート500は、レスポンスのためのタイムフレームを示すことができる。1つのアラートは、即座のアクションを示すものであってもよい。さらなる他のアラートは、アクションが1時間以内に要求されることを示すものであってもよい。他のものは、アクションがその日の終わりまで要求されることを示すものであってもよい。アラート500は、オフィス、放射線科、実験室、ICU、EMRなどのレスポンスが送信されるべき人を示すことができる。アラート500は、入院患者、外来患者、管理部門又は人などのメッセージが誰に関係しているか示すことができる。アラート500は、ソースのコール、ソースの電子メール、ソースのテキスト、メッセージの確認、特定の場所の決定又は移動などのアクション又はレスポンスのタイプを示すことができる。
【0043】
図6を参照して、SIPプロトコルサーバ80を利用した装置のデスティネーションの1−nマッピング及びソースのm−1マッピングによる実施例が示される。本実施例は、他の設定と別に又は一緒に1−n及びm−1マッピングを利用する。装置のデスティネーションの1−nマッピングは、SIPのフォーキング(forking)又はインターネットプロトコルの転送機能を利用して、全てのメッセージが1つのデスティネーション600に送信されるメッセージ5を複数の装置10に送信する。医療実務者20は、電話、スマートフォン、タブレット、接続性を備えた他の計算装置、これらの組み合わせ又は複数を利用してもよい。1−nマッピングは、メッセージが全ての装置、各装置又は装置10の組み合わせに送信されることを可能にする。1−nマッピングは、フォーキングプロキシを利用したSIPサーバ90又は複数の転送先を有するIPサーバにより実行されるべきである。SIPサーバは、最大のフレキシビリティを提供する。IPサーバは、典型的には、転送リストに加入及び設定するためのブラウザセッションを要求する。
【0044】
m−1マッピングは、複数のデスティネーションアドレス610が装置10の1つにどのようにマッピングされるかを示す。SIPプロキシサーバ90を利用して、複数の論理的なデスティネーションが1つの装置に登録される。各アドレスは、異なるメッセージカテゴリ又はアラートタイプを表す。例えば、アドレスB、C及びDはそれぞれ、アラートグループ1,2及び3に関連付けされたデスティネーションのため利用される。メッセージのアラートレベルは、何れの論理デスティネーションアドレスが利用されるかにより反映される。異なるドメインからのアドレスは、同一の装置にマッピングするよう登録されてもよい。
【0045】
他の実施例では、1−n及びm−1マッピングが組み合わせて利用される。医療実務者は、複数のソースからメッセージ及び関連するアラートを受信し、複数の論理デスティネーションに送信され、全てがメッセージコンテンツに基づきアラートをトリガする1以上のデスティネーション装置により受信される。
【0046】
図7を参照して、フローチャートは、アラートのタイプを決定するためメッセージ本体のコンテンツを読む実施例を示す。ステップ700において、アプリケーションが装置10にインストールされる。ステップ710において、アプリケーションはメッセージ5が到着するのを待機する。アプリケーションは、特定のソース及び/又はデスティネーションアドレスを待機するよう設定されるか、又は全てのメッセージを確認してもよい。ステップ720において、アプリケーションは、アラートのタイプを示すコードについてメッセージ本体の指定された部分を読む。特定タイプのアラートは、ステップ730においてトリガされ、それはライトパターン、バイブレーションパターン及び/又は着信音パターンを含むことができる。アラートパターンは、医師740へのメッセージコンテンツを区別する。
【0047】
図8を参照して、フローチャートは、ソース及び/又はデスティネーションアドレスにより反映されるメッセージコンテンツに基づきアラートをトリガする実施例を示す。装置10は、ステップ800において、各ソース及び/又はデスティネーションアドレスとアラートパターン500の特定の1つとを関連付けるよう構成される。装置10は、ステップ810において、メッセージが受信されるのを待機する。メッセージが受信されると、ステップ820において、ソース及び/又はデスティネーションアドレス又はナンバーの設定によって、メッセージコンテンツ及びアラートタイプが決定される。着信音パターン、バイブレーションパターン、ライトパターン又はこれらの組み合わせなどの対応するアラート500が決定される。ステップ820における判定により決定されたアラートは、ステップ830において再生される。ステップ840において、実務者は、ステップ810の設定からアラートのタイプと、とられるべきアクションを示すため装置10により実行される着信音、ライトパターン及びバイブレーションパターンの組み合わせからのアラートパターンとを解釈する。
【0048】
図9A及び9Bを参照して、一実施例によるメッセージの設定及び送信がそれぞれ示される。図9Aのステップ900において、アラートカテゴリが定義される。カテゴリは、その性質、緊急性及び期待されるアクションがメッセージカテゴリについて共通するようなメッセージコンテンツを表す。メッセージカテゴリは、医療施設25により同意された実務者40の期待されるアクションを表す。メッセージカテゴリは、医療プロトコル、医療サービスプロバイダプロトコル又は医療施設プロトコルに基づくものとすることが可能であり、各医療実務者に固有のものとすることができる。ステップ910において、医療施設は、定義されたアラートカテゴリに従ってソースアドレス410を設定する。ソースアドレスの設定は、PSTNナンバー、IPアドレス及び/又はポート番号、SIPアドレス及び/又はポート番号の確保を含むことができる。ソースアドレスの設定はまた、SIPサーバ90又はIPサーバへのアドレスの登録を含むことができる。
【0049】
ステップ920において、任意的には、医療施設又はサービスプロバイダは、特定のデスティネーション420を含むように、又は複数の装置マッピング600を許可するように、各実務者のアドレスを登録し、及び/又は番号を確保することができる。ステップ920は、各実務者について設定をカスタマイズするのに利用可能であるか、又は実務者により起動されたアラートのための一般化された実務として利用可能である。
【0050】
他の実施例では、アラートがメッセージ本体430に符号化される場合、ステップ910及び920における設定が低減される。
【0051】
ステップ930において、メッセージが符号化される。この符号化は、送信されるメッセージの性質、緊急性又は期待されるレスポンスを示すメッセージの特定のソース410及び/又はデスティネーション420を選択することを含む。送信局は、メッセージの送信の一部として符号化を実行する。他の実施例では、アラートカテゴリはメッセージの一部として含まれる。アラートカテゴリは、受信装置10上で解釈される入力テキスト、入力音声、コマンド又は推論される自然言語、キーワードなどとすることができる。メッセージ5は、ステップ940において、送信局30により送信される。
【0052】
本発明は、好適な実施例を参照して説明された。上記の詳細な説明を参照及び理解した他者に改良及び代替が想起するかもしれない。本発明は、添付した請求項の範囲又はその均等に属する限り、このような全ての改良及び代替を含むものとして構成されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9