特許第6371737号(P6371737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371737
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】容器搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 33/04 20060101AFI20180730BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   B65G33/04
   B65G47/28 E
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-101591(P2015-101591)
(22)【出願日】2015年5月19日
(65)【公開番号】特開2016-216173(P2016-216173A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】冨山 陽司
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−024901(JP,A)
【文献】 特開平05−310319(JP,A)
【文献】 特表2011−529407(JP,A)
【文献】 特開平05−338787(JP,A)
【文献】 特開平11−322066(JP,A)
【文献】 特開2000−109210(JP,A)
【文献】 特開2014−148370(JP,A)
【文献】 実開昭62−136417(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 33/04
B65G 47/28
B65G 47/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の搬送経路に設けられ、搬送方向の上流側より密着状態で搬送される前記容器を、前記搬送方向の下流側へ1つずつ所定の間隔に割り出して搬送する容器搬送装置であって、
外周面に螺旋状に形成された溝に前記容器の胴部を係合させて、その回転により前記容器の間隔を割り出して前記下流側に搬送するスクリューと、
前記スクリューに沿って設けられ、前記容器を搬送する搬送コンベヤと、
前記上流側を密着状態で搬送される前記容器の首部またはそれより高い領域を支持しながら、前記容器を所定の間隔に割り出して前記スクリューによる前記容器の搬送に受け渡す支持機構と、
を備えることを特徴とする容器搬送装置。
【請求項2】
前記スクリューの駆動源である第1サーボモータと、
前記支持機構の駆動源である第2サーボモータと、
前記第2サーボモータに基づく前記支持機構による前記容器の受け渡しが、前記第1サーボモータによる前記スクリューの回転に同期して行われる、
請求項1に記載の容器搬送装置。
【請求項3】
前記支持機構は、
前記第2サーボモータで回転駆動される回転体と、
前記回転体の外周に形成される、複数のポケット、を備えるスターホイールである、
求項2に記載の容器搬送装置。
【請求項4】
前記スクリューと前記支持機構は、
前記搬送コンベヤを挟んで、異なる側に設けられる、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の容器搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面に螺旋状に形成されたスクリューの溝に容器を係合させて、スクリューの回転により相前後する容器の間隔を割り出して搬送する容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリューを用いた容器、例えばプラスチックボトルの搬送装置は、容器の搬送方向の上流側の工程からコンベヤ装置により搬送されてきた容器を受け取って下流側の工程に向けて連続的に搬送する過程で、相前後する容器同士の間隔を下流側の工程に応じて割り出す。そのために、この種のスクリューは、スクリュー溝のピッチが、上流側から下流側に向けて、徐々に要求される所定の容器間隔になるように漸増されている。なお、下流側の工程としては、飲料の充填機、キャッピング装置、ラベルの貼付け装置などが掲げられる。
【0003】
近年、容器は、胴部の大きさおよび胴部の形状が多種多様化の傾向にあり、特許文献1は、容器とスクリュー溝との係合位置合わせを、サーボモータによってスクリューを所定量移動させて行うことを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−148370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、多種多様な容器について、スクリュー溝との係合位置合わせを容易にできるので、スクリューを用いた従来の容器搬送装置(以下、単に容器搬送装置ということがある)において生じていた容器の傾きを防止できる、としている。容器が大きく傾くと、容器に傷を付けずにスクリューにより健全に搬送することができなくなるおそれがある。
この容器の傾きは、容器がスクリューに受け渡され後だけでなく、上流側に設けられる搬入コンベヤからスクリューの搬送に受け渡される際にも生じる。通常、上流側の搬送コンベヤは、相前後する容器同士が密着した状態で搬送されており、前側に位置する容器は後ろ側に位置する容器から相応の荷重を受ける。そのために、移送される容器は、容器の搬送方向の前側に傾く前傾姿勢になることがあり、この前傾姿勢が大きくなると、スクリューに係合する前に容器が倒れる、あるいは、スクリューの溝以外の部分に接して容器が潰れたり、傷付いたりすることがある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、上流側の搬入コンベヤからスクリューによる搬送に受け渡される際に、容器が傾かずにスクリュー溝に係合させることのできる容器搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、容器の搬送経路に設けられ、搬送方向の上流側より密着状態で搬送される容器を、搬送方向の下流側へ所定の間隔に割り出して搬送する容器搬送装置であって、外周面に螺旋状に形成された溝に容器の胴部を係合させて、その回転により容器の間隔を割り出して下流側に搬送するスクリューと、スクリューに沿って設けられ、容器を搬送する搬送コンベヤと、上流側を密着状態で搬送される容器の首部またはそれより高い領域を支持しながら、容器を所定の間隔に割り出してスクリューによる容器の搬送に受け渡す支持機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の搬送装置によれば、支持機構により容器の首部またはそれより高い領域を支持するので、それまで容器が前傾していたとしても、直立の姿勢に矯正され、容器は傾くことなく直立の状態でスクリューによる割出し搬送に受け渡すことができる。
また、容器の中で高強度の首部またはそれよりも上を支持するので、支持機構による支持によって容器をへこませることがない。
【0007】
本発明の容器搬送装置において、スクリューの駆動源である第1サーボモータと、支持機構の駆動源である第2サーボモータと、を備え、第2サーボモータに基づく支持機構による容器の受け渡しが、第1サーボモータによるスクリューの回転に同期して行われることが好ましい。
スクリューの駆動源及び支持機構の駆動源としてサーボモータを用いれば、容器の品種が変わってもスクリューの型替えや、機械的な調整を最小限に抑えることができる。また、サーボモータ同士の同期制御であれば、両者を同期させるための複雑な機械構成を設ける必要がない。
【0008】
本発明の容器搬送装置において、支持機構として、第2サーボモータで回転駆動される回転体と、回転体の外周に形成される複数のポケットと、を備えるスターホイールを用いることができる。
スターホイールは、簡易な構造でありながら、本発明の支持機構としての目的を達成できる。
【0009】
本発明の容器搬送装置において、スクリューと支持機構を、搬送コンベヤを挟んで、異なる側に設けることができる。そうすれば、容器搬送装置の幅方向の寸法を小さくできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の搬送装置によれば、支持機構により容器の首部またはそれより高い領域を支持するので、それまで容器が前傾していたとしても、直立の姿勢に矯正され、容器は傾くことなく直立の状態でスクリューによる割出し搬送に受け渡すことができる。
また、容器の中で高強度の首部またはそれよりも上を支持するので、支持機構による支持によって容器をへこませることがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態における容器搬送装置を示す側面図である。
図2図1の容器搬送装置の要部を示す平面図である。
図3図1の容器搬送装置で容器を搬送している状態を示す図である。
図4】本実施形態の作用及び効果を説明する図である。
図5】スターホイールの代替例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本発明の実施形態に係わる容器搬送装置1は、図1及び図2に示すように、上流側Uに設けられる搬入コンベヤ2を単列で連続的に搬送される複数の容器100のそれぞれの首部101をスターホイール20で支持しながら、スクリュー10の溝13に係合させる。このスターホイール20の首部101の支持により、容器100を前傾させずにスクリュー10の溝13に係合させることができる。
以下、容器搬送装置1の構成を説明し、その後に容器搬送装置1による作用及び効果に言及する。
【0013】
[容器搬送装置1の構成]
容器搬送装置1は、搬入コンベヤ2の下流側に隣接して設けられる搬送コンベヤ3と、搬送コンベヤ3の幅方向Wの一方の側に設けられるスクリュー10と、搬送コンベヤ3の幅方向Wの他方の側に設けられるプレートガイド4と、を備える。
【0014】
搬送コンベヤ3は、搬入コンベヤ2を搬送されてきた容器100を受け取り、下流側Lに向けて容器100を搬送する。なお、この搬入コンベヤ2及び搬送コンベヤ3による容器100の搬送速度をVC2,VC3とする。この搬送速度VC2,VC3は、搬入コンベヤ2及び搬送コンベヤ3の単体としての容器100の搬送速度であって、搬送コンベヤ3はスクリュー10による容器100の搬送を考慮しない速度である。
搬入コンベヤ2=搬送速度VC2
搬送コンベヤ3=搬送速度VC3
【0015】
スクリュー10は、スクリュー10の回転軸C1が容器100の搬送方向Fに沿って配置され、スクリュー駆動装置30によって回転駆動されることで相前後する容器100同士の間隔を割り出す。スクリュー10は、スクリュー軸11の外周面に螺旋状の溝13を備えている。この溝13は、ピッチPが上流側Uから下流側Lに向けて漸増されており、下流側Lの位置Sで所定の間隔になるように構成されている。
スクリュー10は、容器100の胴部103を溝13で保持しながら容器100を搬送するものであり、容器100の胴部103に対応する高さに設けられている。また、スクリュー10は、容器100の寸法及び形状(以下、品種)に合うように高さ方向H及び幅方向Wに位置調整が可能に、回転軸C1の両端が図示を省略する軸受に支持されている。
また、スクリュー10は、スクリュー軸11の一端、この例では下流側Lの端部がギヤボックス15に連結され、このギヤボックス15はスクリュー駆動装置30の出力軸33が接続されている。したがって、110は、スクリュー駆動装置30の駆動に伴って所定の速度で回転駆動される。
なお、スクリュー10による容器100の搬送速度V10は溝13が搬送方向Fに移動する速度である。
【0016】
プレートガイド4は、搬送コンベヤ3、つまり搬送経路Rを挟んでスクリュー10の反対側に設けられ、搬送コンベヤ3及びスクリュー10によって搬送される容器100が幅方向Wに位置ずれしないように案内する。なお、プレートガイド4は、スクリュー10が設けられる領域よりも上流側Uまで延びており、搬入コンベヤ2を挟んで幅方向Wの反対側に設けられるプレートガイド5とともに、搬入コンベヤ2を搬送される容器100を案内する。
【0017】
容器搬送装置1は、所定の回転速度及び位相でスクリュー10を回転駆動させるスクリュー駆動装置30を備えている。
スクリュー駆動装置30は、出力軸33を備えるサーボモータ31と、サーボモータ31の出力軸33の回転速度及び回転位置(位相)を検出するエンコーダ35と、を備えている。回転速度及び位相を含むエンコーダ35の検出情報は、制御装置60に送られ、スターホイール駆動装置40の駆動制御に供される。
なお、エンコーダ35としては、アブソリュートエンコーダ及びインクリメンタルエンコーダのいずれをも用いることができる。スターホイール駆動装置40のエンコーダ45についても同様である。
【0018】
次に、スターホイール20は、搬送コンベヤ3(搬送経路R)を挟んでスクリュー10と幅方向Wの反対側であって、かつ、スクリュー10の上流側Uに設けられている。スターホイール20は、搬入コンベヤ2から搬送コンベヤ3に移送された容器100の首部101を支持しながら、容器100をスクリュー10による搬送に受け渡す役割を果たす。スターホイール20は、この受け渡しの際に、搬入コンベヤ2を密着状態で搬送されてきた容器100を、スクリュー10の上流側UのピッチPに合う間隔に割り出す役割も果たす。なお、本実施形態では、この二つの役割を果たすことができる機構としてスターホイール20を例示するが、本発明は、二つの役割を果たせる機構を広く採用することができる。ただし、スターホイール20は構造が簡易でありながら二つの役割を果たすことができる。
なお、スクリュー10とスターホイール20を、搬送コンベヤ3を基準にして同じ側に設けることもできるが、そうすると、スクリュー10よりもスターホイール20を搬送コンベヤ3から離す必要があり、そうすると、容器搬送装置1の幅方向Wの寸法が大きくなる。これに対して、スターホイール20を、搬送コンベヤ3を挟んでスクリュー10と反対側に設ければ、スターホイール20を搬送コンベヤ3に近づけて設けることができるので、容器搬送装置1の幅方向Wの寸法を小さくできる。
【0019】
スターホイール20は、鉛直方向に沿う回転軸C2を中心に回転駆動される回転体21と、回転体21の外周に等間隔で形成される複数の支持アーム25と、隣接する支持アーム25の間に形成される複数のポケット23と、を備える。スターホイール20は、容器100の首部101を支持するものであるから、搬送経路Rを搬送される容器100の首部101に対応する高さ方向の位置及び水平方向の位置に設けられる。ただし、スターホイール20は、容器100の品種に合うように高さ方向H及び幅方向Wに位置調整が可能に支持されている。
ポケット23は、回転体21の外周から回転軸C2に向けて後退しており、容器100は、首部101がこのポケット23に収容され、かつ支持アーム25に係合して支持されながら、スターホイール20の回転に伴って間隔が割り出される。スターホイール20は、首部101を支持するものであるから、胴部103に対応する位置に設けられるスクリュー10よりも上方に配置される。
なお、スターホイール20が支持しながら容器100を搬送する速度をV20とする。
【0020】
次に、容器搬送装置1は、所定の回転速度及び位相でスターホイール20を回転駆動させるスターホイール駆動装置40を備えている。
スターホイール駆動装置40は、出力軸43を備えるサーボモータ41と、サーボモータ41の出力軸43の回転速度及び回転位置(位相)を検出するエンコーダ45と、を備えている。エンコーダ45の検出情報(回転速度及び位相)は、制御装置60に送られ、スクリュー駆動装置30からの検出情報とともに、スターホイール駆動装置40の駆動制御に供される。
【0021】
制御装置60は、容器搬送装置1の動作を司るが、以下では、本実施形態の特徴部分であるスターホイール駆動装置40、つまりスターホイール20の駆動制御について説明する。
制御装置60は、スクリュー駆動装置30のエンコーダ35からサーボモータ31、つまりスクリュー10に関する検出情報を取得するとともに、スターホイール駆動装置40のエンコーダ45からサーボモータ41、つまりスターホイール20に関する検出情報を取得する。なお、いずれの検出情報も回転速度及び位相を含んでおり、以下では、エンコーダ35からの検出情報をスクリュー情報E1といい、また、エンコーダ45からの検出情報をホイール情報E2ということにする。
【0022】
制御装置60は、容器搬送装置1が動作している間、スクリュー情報E1とホイール情報E2を継続的に取得しながら、スクリュー情報E1に対するホイール情報E2の偏差δEを求め、この偏差δEが解消するように動作指令を生成し、サーボモータ41へ送る。したがって、スターホイール20は、スクリュー10の回転に同期して回転するように、制御装置60により動作が制御される。ここでいう同期とは、スターホイール20のポケット23とスクリュー10の溝13の位相が一致することで、スターホイール20により首部101が支持されてきた容器100の胴部103が、回転するスクリュー10の溝13にちょうど係合されることを意味する。これにより、容器100は前傾又は後傾することなく直立の状態でスクリュー10による割り出し搬送に受け渡される。
制御装置60は、搬入コンベヤ2、搬送コンベヤ3及びスクリュー駆動装置30のサーボモータ31の動作も制御する。この制御は、搬送される容器100の品種に応じて行われる。
【0023】
[容器搬送装置1の動作]
次に、図3を参照して容器搬送装置1の動作を説明する。
上流側Uから容器100が単列をなして搬入コンベヤ2により連続的に搬送されている。この搬入コンベヤ2に搬送の過程では、相前後する容器100同士が密着しているので、それぞれの容器100は自身よりも後ろの容器100から押されながら搬送される。
【0024】
それぞれの容器100は、搬入コンベヤ2から搬送コンベヤ3に乗り移るが、この乗り移った時点では、容器100の密着状態は維持されるが、容器100はスターホイール20の支持アーム25に首部101が支持された状態でスクリュー10による搬送領域に至る。そうすると、容器100は、スクリュー10の溝13に係合され、スクリュー10の回転に伴って、下流側Lに搬送される。このスクリュー10による搬送の際に容器100が前傾して倒れるのを防止するためには、搬送コンベヤ3の搬送速度VC3がスクリュー10の搬送速度V10以上、つまりVC3≧V10であることが必要である。なお、スクリュー10の搬送速度V10は、溝13の移動速度であることは前述の通りである。
【0025】
それぞれの容器100は、スクリュー10の回転に伴って、相前後する容器100同士のピッチPを漸増させながら、スクリュー10とプレートガイド4の間の搬送経路Rを下流側Lに向けて搬送される。容器100は、搬送速度VC3の搬送コンベヤ3に載せられているが、スクリュー10の搬送速度V10がVC3以下であるから、スクリュー10は搬送コンベヤ3による容器100の搬送を規制するように働く。
容器100は、スクリュー10の最も下流側Lから排出されると、例えばスターホイールを搬送手段に受け渡され、次工程に向けて搬送される。
【0026】
この一連の容器100の搬送過程において、スクリュー10はサーボモータ31の出力により回転駆動され、スターホイール20はサーボモータ41の出力により回転駆動される。サーボモータ31の回転速度及び位相(スクリュー情報E1とする)はエンコーダ35から、また、サーボモータ41の回転速度及び位相(ホイール情報E2とする)はエンコーダ45から、制御装置60に送られる。
制御装置60は、取得したスクリュー情報E1とホイール情報E2の偏差δEを求め、この偏差δEが解消する、つまりゼロにするように動作指令を生成し、サーボモータ41へ送る。これにより、スターホイール20は、スクリュー10の回転に同期して回転する。
一方で、搬入コンベヤ2を搬送されてきた容器100は、図4(a)に示すように前傾して搬送されることがあるが、本実施形態の場合には、スターホイール20により容器100は首部101が支持される。しかも、搬送コンベヤ3の搬送速度VC3は、スターホイール20による搬送速度V20と等しいか速いので、図4(b)に示すように、前傾して搬送されてきた容器100の姿勢が直立に正すことができる。なお、実際には、搬送速度VC3が搬送速度V20より速すぎると、今度は容器100が後傾して倒れるおそれがあるので、この点をも考慮して搬送速度VC3、搬送速度V20などを設定する。
10±α = V20 ≦ VC3 ≦ VC2
搬送コンベヤ2 搬送速度VC2 搬送コンベヤ3 搬送速度VC3
スクリュー10 搬送速度V10 スターホイール20 搬送速度V20
【0027】
以上の容器搬送装置1によると、以下の効果を奏する。
容器搬送装置1は、スターホイール20により首部101を支持するので、それまで容器100が前傾していたとしても直立の姿勢に矯正され、容器100は傾くことなく直立の状態でスクリュー10による割出し搬送される。
また、胴部103に加えて容器100の上部である首部101が支持されることにより、容器100の姿勢が安定するので、搬送コンベヤ3における容器100の安定した搬送のための制御が簡素化される。
さらに、容器100の中で高強度の首部101を支持するので、スターホイール20による支持により容器100をへこませるなどの負担がない。これは特に、薄肉化されてきた容器100を扱う場合に有効であり、薄肉化された容器100であっても、容器100に負担を与えなくてすむ。
【0028】
次に、本実施形態によると、スターホイール20の駆動源としてサーボモータ41を用い、スクリュー10のサーボモータ31のスクリュー情報とサーボモータ41のホイール情報とを比較することにより、スターホイール20をスクリュー10に同期して回転駆動させる。したがって、容器100の品種が異なっていても、スクリュー情報とホイール情報を取得しさえすれば、スターホイール20をスクリュー10に同期して回転駆動させることができるので、容器100の品種が変わってもスクリュー10の型替えや、機械的な調整を最小限に抑えることができる。また、サーボモータ41によるスクリュー10とスターホイール20の同期制御であるから、両者を同期させるための複雑な機械構成を設ける必要がない。
【0029】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、容器100の品種ごとにスクリュー10及びスターホイール20の回転速度及び位相を制御装置60に記憶させておくことで、スクリュー10の型替え時のスクリュー10とスターホイール20の位相の調整が容易になる。
また、以上説明した実施形態では、容器100の中で高強度の首部101を支持するが、首部101と同様に胴部103に比べて高強度の口部を支持することもできる。つまり、本発明は、首部101またはそれよりも上をスターホイール20で支持してもよい。
【0030】
また、以上の実施形態においては、スターホイール20で容器100の首部101を支持しているが、本発明はスターホイール20と同様の機能を備える機構を採用することができる。その一例として、図5に示すチェーン搬送装置50が掲げられる。
チェーン搬送装置50は、ピン55で連結された複数のプレート51が無限軌道上に配列され、このプレート51に外側に突出する支持アーム53が取り付けられている。チェーン搬送装置50は、無限軌道上を走行しながら、支持アーム53で首部101を支持するとともに、容器100を所定の間隔にして割り出す。
【0031】
また、以上の実施形態では、スクリュー10を一段にした例を示したが、本発明は、容器100の品種に応じて、スクリュー10を上下に二段設けることを許容する。
【符号の説明】
【0032】
1 容器搬送装置
2 搬入コンベヤ
3 搬送コンベヤ
4 プレートガイド
5 プレートガイド
10 スクリュー
11 スクリュー軸
13 溝
15 ギヤボックス
20 スターホイール
21 回転体
23 ポケット
25 支持アーム
30 スクリュー駆動装置
31 サーボモータ
33 出力軸
35 エンコーダ
40 スターホイール駆動装置
41 サーボモータ
43 出力軸
45 エンコーダ
50 チェーン搬送装置
51 プレート
53 支持アーム
60 制御装置
100 容器
101 首部
103 胴部
105 底
C1,C2 回転軸
R 搬送経路
図1
図2
図3
図4
図5