特許第6371746号(P6371746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社田中衡機工業所の特許一覧

特許6371746穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法
<>
  • 特許6371746-穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法 図000002
  • 特許6371746-穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法 図000003
  • 特許6371746-穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法 図000004
  • 特許6371746-穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法 図000005
  • 特許6371746-穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法 図000006
  • 特許6371746-穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法 図000007
  • 特許6371746-穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371746
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/06 20060101AFI20180730BHJP
   B65B 43/54 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   B65B1/06
   B65B43/54 D
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-183359(P2015-183359)
(22)【出願日】2015年9月16日
(65)【公開番号】特開2017-56975(P2017-56975A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2017年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】594010733
【氏名又は名称】株式会社田中衡機工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】田中 康之
(72)【発明者】
【氏名】西 浩之
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−334316(JP,A)
【文献】 特開2001−122202(JP,A)
【文献】 実開昭52−049155(JP,U)
【文献】 実開平06−006201(JP,U)
【文献】 特開2002−293306(JP,A)
【文献】 米国特許第5375396(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00−3/36
B65B 43/26
B65B 43/46
B65B 43/54
B65B 51/00−51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の穀物を充填して成る穀物パックが複数連設された穀物パック体を製造する穀物パック体製造装置であって、基体に昇降自在に設けられた袋体を垂設状態に保持する袋体保持部と、この袋体保持部で保持された前記袋体内に配され該袋体に前記穀物を充填する穀物充填部と、前記袋体の穀物充填部位よりも上方位置を横断して該袋体をシールするシール部とを有し、前記穀物充填部は、前記袋体の上部開口部から挿入配設される管状体で構成され、前記袋体保持部は、前記基体に昇降自在に設けられ前記袋体の上部左右位置を挟持する左右一対の挟持部を有する構成であり、前記袋体保持部には、前記穀物充填部に被嵌される被嵌部が設けられ、この被嵌部により前記袋体保持部は前記穀物充填部にガイドされた状態で昇降するように構成されており、前記穀物充填部の下端部には前記袋体の幅を保持する袋体拡張部が設けられ、前記袋体拡張部は、前記穀物充填部の下端開口部の開口縁対向位置に下方へ向けて突設される一対の左棒状部材と右棒状部材で構成され、この左棒状部材の外縁から右棒状部材の外縁までの間隔は、最大で前記袋体の巾と同一若しくは略同一の巾に設定されていることを特徴とする穀物パック体製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の穀物パック体製造装置において、前記左棒状部材及び前記右棒状部材夫々の下端部は内方へ折曲されていることを特徴とする穀物パック体製造装置。
【請求項3】
所定量の穀物を充填して成る穀物パックが複数連設された穀物パック体を製造する穀物パック体の製造方法であって、請求項1,2いずれか1項に記載の穀物パック体製造装置を用い、下記の各工程を下記の順序で繰り返して行い、前記所定量の穀物が充填された穀物パックが複数連設された穀物パック体を製造することを特徴とする穀物パック体の製造方法。

(1)前記袋体保持部で保持された前記袋体への前記穀物充填部による前記穀物の充填工

(2)前記シール部によるシール工程
(3)前記袋体保持部の降下による前記袋体の降下工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば収穫された玄米は、玄米計量収納装置を用いて計量しつつ収納袋(例えばフレコンバック)に収納されて、この状態で流通するが、この玄米を収納袋に収納する際、所定割合の玄米をサンプルとして抜き取り(例えば1tに対して600g)、この抜き取ったサンプル用の玄米を適宜検査(品位等検査)することで、収納袋に収納された玄米の等級が決められる。
【0003】
前述した玄米計量収納装置には、計量前に玄米を一時貯留するホッパー部が設けられ、このホッパー部の周面にはサンプル排出用のシャッター部が設けられ、このシャッター部の開閉の際に排出された玄米は玄米搬送用ホースを介して落下しサンプル用の玄米として抜き取られる。
【0004】
尚、サンプル用の玄米は、検査における平均値を取るべく、一度に全量(例えば600g)が抜き取られるのではなく、ホッパー部から収納袋へ玄米を搬送しつつ任意のタイミングでシャッター部を開閉することで、ホッパー部に貯留される玄米の任意の部位から任意の量(100g)の玄米が複数回(最大6回)抜き取られる。
【0005】
ところで、従来においても、前述のように抜き取ったサンプル用の玄米50を充填して成る玄米パック51aが複数連設された玄米パック体51の製造装置(以下、従来例)が提案されている。
【0006】
この従来例は、図7に図示したように長さ方向に区画された複数のポケット状収納部52a(例えば100g容量)が6つ並設された長尺の袋体52を用いるもので、この袋体52を搬送するに際してポケット状収納部52aの開口部52a’を強制的に開放する開放手段53と、この開放手段53で開いた開口部52a’から挿入してサンプル用の玄米50を100g充填する玄米充填部54とを備えたものである。尚、玄米充填部54には前述した玄米計量収納装置の玄米搬送用ホースが接続され、サンプル用の玄米50が100gずつ供給される。
【0007】
従って、従来例は、搬送される袋体52に対し、開放手段53によりポケット状収納部52aを開放しつつ玄米充填部54で玄米50を充填する作業を連続して行い、この玄米50の充填後、各ポケット状収納部52aはシール部でシールされ、袋体52の長さ方向にサンプル用の玄米50が100gずつ充填された玄米パック51aが6つ連設された玄米パック体51が複数設けられる。その後、玄米パック体51は検査機関に持ち込まれて検査が実施される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来例は、開放手段53により開口部52a’を良好に開口できない場合があって玄米パック51aの製造作業が良好にできず、また、開放手段53により開口部52a’を開口したり、更に、玄米充填部54を開口部52a’まで移動若しくは退避させたり、その上、玄米充填部54を開口部52a’に良好に挿入したりしなければならないなど、これらを自動化する構造は複雑であるから、コスト高にして量産性が悪いなどの問題点がある。
【0009】
本発明は、前述した問題点を解決する、従来にない作用効果を発揮する極めて実用的な穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
所定量の穀物40を充填して成る穀物パック41aが複数連設された穀物パック体41を製造する穀物パック体製造装置であって、基体1に昇降自在に設けられた袋体2を垂設状態に保持する袋体保持部3と、この袋体保持部3で保持された前記袋体2内に配され該袋体2に前記穀物40を充填する穀物充填部4と、前記袋体2の穀物充填部位よりも上方位置を横断して該袋体2をシールするシール部6とを有し、前記穀物充填部4は、前記袋体2の上部開口部2aから挿入配設される管状体で構成され、前記袋体保持部3は、前記基体1に昇降自在に設けられ前記袋体2の上部左右位置を挟持する左右一対の挟持部3a・3aを有する構成であり、前記袋体保持部3には、前記穀物充填部4に被嵌される被嵌部3cが設けられ、この被嵌部3cにより前記袋体保持部3は前記穀物充填部4にガイドされた状態で昇降するように構成されており、前記穀物充填部4の下端部には前記袋体2の幅を保持する袋体拡張部7が設けられ、前記袋体拡張部7は、前記穀物充填部4の下端開口部4aの開口縁対向位置に下方へ向けて突設される一対の左棒状部材7Aと右棒状部材7Bで構成され、この左棒状部材7Aの外縁から右棒状部材7Bの外縁までの間隔は、最大で前記袋体2の巾と同一若しくは略同一の巾に設定されていることを特徴とする穀物パック体製造装置に係るものである。
【0012】
また、請求項1記載の穀物パック体製造装置において、前記左棒状部材7A及び前記右棒状部材7B夫々の下端部は内方へ折曲されていることを特徴とする穀物パック体製造装置に係るものである。
【0013】
また、所定量の穀物40を充填して成る穀物パック41aが複数連設された穀物パック体41を製造する穀物パック体41の製造方法であって、請求項1,2いずれか1項に記載の穀物パック体製造装置を用い、下記の各工程を下記の順序で繰り返して行い、前記所定量の穀物40が充填された穀物パック41aが複数連設された穀物パック体41を製造することを特徴とする穀物パック体の製造方法に係るものである。

(1)前記袋体保持部3で保持された前記袋体2への前記穀物充填部4による前記穀物40
の充填工程
(2)前記シール部6によるシール工程
(3)前記袋体保持部3の降下による前記袋体2の降下工程
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、前述した従来例に比し、確実に穀物パック体を設けることができ、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れるなど、従来にない作用効果を発揮する極めて実用的な穀物パック体製造装置及び穀物パック体の製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例の使用状態説明図である。
図2】本実施例を示す斜視図である。
図3】本実施例の要部の説明図である。
図4】本実施例の要部の説明図である。
図5】本実施例の動作説明図である。
図6】本実施例により製造された穀物パック体41を示す斜視図である。
図7】従来例の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
穀物パック体41の製造に際し、袋体保持部3で保持された袋体2への穀物充填部4による穀物40の充填工程、シール部6によるシール工程、袋体保持部3の降下工程を行い、再び、前記充填工程、前記シール工程、前記降下工程を繰り返して行い、所定量の穀物40が充填された穀物パック41aが複数連設された穀物パック体41が製造されることになる。
【0018】
従って、前述した従来例のような穀物40を充填する度に袋体2を開口する作業は不要であり、また、開口部52a’を開口させたり、更に、玄米充填部54を開口部52a’まで移動させたり退避させたりも不要であり、更に、玄米充填部54を開口部52a’に良好に挿入しなければならない構造も不要であるから、袋体2に効率的に穀物40を充填した穀物パック体41を設けることができ、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【実施例】
【0019】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0020】
本実施例は、所定量の穀物40を充填して成る穀物パック41aが複数連設された穀物パック体41を製造する穀物パック体製造装置であって、基体1に昇降自在に設けられた袋体2を垂設状態に保持する袋体保持部3と、この袋体保持部3で保持された袋体2内に配され該袋体2に穀物40を充填する穀物充填部4と、袋体2の穀物充填部位よりも上方位置を横断してシールするシール部6とを有するものである。尚、本実施例では、穀物40として玄米(米穀)を採用しているが麦や豆類などの粒状若しくは粉状の穀物であれば適宜採用し得るものである。
【0021】
本実施例は、図1に図示したように公知の玄米計量収納装置30に接続されており、この玄米計量収納装置30は、収納袋31(フレコンバックや紙袋)を載置する袋載置部30aの上部に配設されたホッパー部30bと、このホッパー部30bの下部に設けられる計量機能付き玄米導出部30cとを備えたものである。また、このホッパー部30bの周面にはサンプル排出用のシャッター部30dが設けられ、このシャッター部30dの開閉の際に排出された玄米40は玄米搬送用ホース30eを介して落下搬送されてサンプル用の玄米40として抜き取られる。尚、サンプル用の玄米40は、検査における平均値を取るべく、一度に全量(例えば600g)が抜き取られるのではなく、ホッパー部30bから収納袋31へ玄米40を流しつつ任意のタイミングでシャッター部30dを開閉することで、ホッパー部30bに貯留される玄米40の任意の部位から任意の量(100g)の玄米が複数回(6回)抜き取られる。
【0022】
符号32はホッパー部30bに玄米40を供給する玄米供給部である。
【0023】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0024】
基体1は、図1に図示したように適宜な金属製のフレーム構造体であり、この基体1の上部には袋体保持部3及び穀物充填部4が設けられ、下部にはシール部6が設けられている。
【0025】
袋体保持部3は、図2に図示したように基体1上部の設置部1aに設けられる駆動源8(電動モーター)の駆動軸8aに左右一対の巻取りローラー9・9を設け、この巻取りローラー9・9夫々に下端部に挟持部3aを備えた帯状の長尺部材3bを巻回したものである。
【0026】
従って、袋体2の上部左右位置を挟持部3a・3aで挟持すると、袋体2を上部開口部2aが上方へ向いた垂設状態で保持することができ、巻取りローラー9・9を正逆回転させて長尺部材3b・3bを巻回したり送り出したりすることで挟持部3a・3aは昇降し、これに伴い袋体2を昇降することができる。
【0027】
また、袋体保持部3は、後述する穀物充填部4に被嵌する被嵌部3cを有している。
【0028】
この被嵌部3cは、図2に図示したように左右の長尺部材3b同士間に架設される金属板材の中央位置に設けられており、この被嵌部3cが穀物充填部4にガイドされて袋体保持部3(挟持部3a・3a)は良好に昇降することになる。
【0029】
穀物充填部4は、図1,2に図示したように適宜な金属製の管状体で構成されており、基体1上部の上方設置部1aに垂設されている。尚、穀物充填部4は合成樹脂など非金属で設けても良い。
【0030】
この穀物充填部4の上端開口部には玄米計量収納装置30の玄米搬送用ホース30eが接続され、下端開口部4aはシール部5の近傍位置に配設されている。
【0031】
従って、穀物充填部4は、袋体保持部3で保持された袋体2の上部開口部2aから底部近傍位置まで挿入配設され、玄米搬送用ホース30eを介して供給される玄米40は下端開口部から袋体2内へ導出される。
【0032】
また、穀物充填部4の下端部には、袋体2を左右外方向に張設する袋体拡張部7が設けられている。
【0033】
この袋体拡張部7は、図2,3に図示したように穀物充填部4の下端開口部4aの開口縁対向位置に下方へ向けて突設される一対の左棒状部材7Aと右棒状部材7Bで構成され、この左棒状部材7Aと右棒状部材7Bとの間隔は、最大で袋体2の巾と同一若しくは略同一の巾に設定されている(外形寸法が袋体2の巾と同一若しくは略同一の巾に設定された巾広部7aが設けられている。)。
【0034】
具体的には、左棒状部材7Aと右棒状部材7Bは、穀物充填部4の下端部への連設部から下方へ行くに従い外方へ傾斜し、この外向き傾斜部7b・7bの下端に垂直部7c・7cが設けられた形状に形成され、この左右の垂直部7c・7cで巾広部7aが構成されている。
【0035】
従って、この袋体拡張部7により袋体2の幅を保持することになり、後述するシール部6でシール工程をする際に袋体2にシワが生じにくく、良好にシールが形成されることになる。
【0036】
また、巾広部7aの下方側部位の内径寸法は該巾広部7aの巾よりも巾狭にして穀物充填部4の下端開口部4aの径と同一若しくは巾広に設定されている。
【0037】
具体的には、垂直部7c・7cの下端に下方へ行くに従い内方へ傾斜する内向き傾斜部7d・7dが設けられている。
【0038】
従って、この内向き傾斜部7d・7dの存在により、袋体2を下側から袋体拡張部7へ被せる作業が良好に行えることになり、しかも、この形状により玄米40の充填の障害にならず、外向き傾斜部7b・7bの下部(垂直部7c・7c及び内向き傾斜部7d・7d)における玄米40の残留(引っ掛かり落下しない現象)が生じることを防止することができる。
【0039】
シール部6は、図2,4に図示したように基体1下部の下方設置部1bにして袋体保持部3及び穀物充填部4の下方位置に配置されている。
【0040】
具体的には、袋体保持部3で保持された袋体2の表裏面の一方の面側に位置する熱線部6bと、袋体2の表裏面の他方の面側に位置し熱線部6bに接離自在に枢着される袋体押さえ部6aとで構成されている。
【0041】
この袋体押さえ部6aは、駆動源(図示省略の)の駆動により擺動自在に設けられており、また、この袋体押さえ部6aとの対向する熱線部6bには熱線部材6b’が一本設けられている。
【0042】
従って、シール部6に配された袋体2を、袋体押さえ部6aを擺動させて該袋体押さえ部6aと熱線部6bとで挟持することで、この挟持した部位には横断するように一本の止着部5が形成される。尚、実際には、一本の止着部5を形成した後に少し袋体2を下方に移動させて一本の止着部5を形成し、合計二本の止着部5が近接させた状態で形成される。
【0043】
また、本実施例では、袋体保持部3及びシール部6の作動は、操作スイッチ等を備えた制御部10で制御される。
【0044】
また、本実施例では、袋体2として適宜な透明樹脂製の部材で形成された有底筒状の袋体2を採用している。
【0045】
符号11は製造された穀物パック体41を受ける収納ケースである。
【0046】
以上の構成から成る本実施例に係る穀物パック体製造装置を使用した穀物パック体41の製造工程について説明する。
【0047】
先ず、袋体2をシール部6の熱線部6bと袋体押さえ部6aとの間を通過させ、袋体拡張部7及び穀物充填部4に被嵌させて袋体保持部3で保持(袋体2の上部開口部2aを左右の挟持部3a・3aで挟持)し、この状態で袋体保持部3を上昇させると、袋体保持部3で保持された袋体2の底部付近に袋体拡張部7及び穀物充填部4の下端開口部4aが位置し、袋体2内へ穀物充填部4から玄米40を充填する(図5の(A),(B)参照の充填工程)。この玄米40は、玄米計量収納装置30のシャッター部30dの開閉の際に排出され玄米搬送用ホース30eを介して穀物充填部4に供給されたサンプル用の玄米40である。
【0048】
続いて、シール部6において袋体2に止着部5を形成する(図5の(C)参照のシール工程)。
【0049】
続いて、袋体保持部3を降下することで袋体2を所定量降下させ(降下工程)、止着部5を底部として穀物充填部4から穀物40を充填する(図5の(D)参照)。
【0050】
以上のような充填工程、シール工程、降下工程を繰り返して行い、一の袋体2から該袋体2の長さ方向に所定量の穀物40が充填された穀物パック41aが複数連設された穀物パック体41が設けられる。
【0051】
よって、本実施例によれば、前述した従来例のような穀物40を充填する度に袋体2を開口する作業は不要であり、また、開口部52a’を開口させたり、更に、玄米充填部54を開口部52a’まで移動させたり退避させたりも不要であり、更に、玄米充填部54を開口部52a’に良好に挿入しなければならない構造も不要であるから、袋体2に効率的に穀物40を充填した穀物パック体41を設けることができ、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0052】
また、本実施例は、穀物充填部4は、袋体2の上部開口部2aから底部近傍位置まで挿入配設される管状体で構成されているから、確実に袋体2内に玄米40を充填することができる。
【0053】
また、本実施例は、穀物充填部4の下端部には前記袋体2を左右外方向に拡張する袋体拡張部7が設けられているから、袋体2にシワがよりにくくシール部6にて確実に良好なシール工程が行えることになる。
【0054】
また、本実施例は、袋体拡張部7は、穀物充填部4の下端開口部4aの開口縁対向位置に下方へ向けて突設される一対の左棒状部材7Aと右棒状部材7Bで構成され、この左棒状部材7Aと右棒状部材7Bとの間隔は、最大で袋体2の巾と同一若しくは略同一の巾に設定されているから、簡易構造でありながら確実にその機能を発揮することができる。
【0055】
また、本実施例は、袋体保持部3には、穀物充填部4に被嵌され該穀物充填部4にガイドされる被嵌部3cが設けられているから、袋体2は昇降の際に揺れたり捻れたりせず良好な昇降が行われることになる。
【0056】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0057】
1 基体
2 袋体
2a 上部開口部
3 袋体保持部
3a 挟持部
3c 被嵌部
4 穀物充填部
4a 下端開口部
6 シール部
7 袋体拡張部
7A 左棒状部材
7B 右棒状部材
40 穀物
41 穀物パック体
41a 穀物パック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7