(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1と
図2に示すように、本発明の洗濯ネットは、(断面一文字状の)平面展開状態M
0と折畳み状乃至渦巻き状の巻設状態M
1に展開巻設自在の通水シート部材1を備え、平面展開状態M
0の通水シート部材1に洗濯物Lを重ねて、通水シート部材1に洗濯物Lを巻き込んで保持するよう構成されている。
通水シート部材1は、巻設状態M
1で外端縁を形成する(予定の)一端縁部10に、幅寸法Wが拡大した拡幅部5を有している。通水シート部材1は、巻設方向中間部から巻設状態M
1で内端縁を形成する他端縁部11にわたって、つまり拡幅部5を除いた部分が、幅寸法Wが一定の平面視長方形状に形成されている。通水シート部材1は、拡幅部5の左右側端部15,15が側方突出状に形成されている。言い換えると、通水シート部材1は、一端縁部10に、側端縁から左右両側へ突出する一対の凸片部15,15を有している。
【0010】
図2(D)に示すように、通水シート部材1は、巻設状態M
1で、拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ折返し状として保持する係止手段16を備えている。
通水シート部材1は、その裏面に、巻設方向中間部に於ける左右側端縁の一部に沿って、面状ファスナーの雌部14,14が細長帯状に形成されている。拡幅部5の左右側端部15,15の表て面の一部には、面状ファスナーの雄部13,13が形成されている。なお、本発明に於て、通水シート部材1の裏面とは、巻設状態M
1で外側にくる面とし、内側にくる面を、通水シート部材1の表て面とする。
図3に示すように、巻設状態M
1で、拡幅部5の左右側端部15,15は、面状ファスナーの雄部13を雌部14に係止させて折返し状姿勢を維持し、巻設した通水シート部材1の側端部12を袋状に閉鎖して、通水シート部材1と共に巻設された洗濯物Lが側外方へはみ出してくるのを防止している。
【0011】
図2に示すように、通水シート部材1は、巻設状態M
1で、折畳み状乃至渦巻き状を保持する巻設保持手段20を備えている。
通水シート部材1は、一端縁部10の左右方向中間部に一対の係止ベルト6,6が付設され、係止ベルト6,6の表て面の全部又は一部に、面状ファスナーの雄部7,7が形成されている。通水シート部材1の裏面の左右方向中間部には、一対の係止ベルト6,6に対応する一対の面状ファスナーの雌部8,8が巻設方向に沿って並列状に形成されている。
図1と
図2に示す通水シート部材1は、面状ファスナーの雌部8が、係止ベルト6の帯幅寸法W
1とほぼ同一の幅寸法W
2に設定され、かつ、係止ベルト6の長さ寸法の3倍〜5倍の長さ寸法を有する細長い帯状に形成されている。
【0012】
図1(B)に示すように、通水シート部材1は、メッシュ状表て面2とメッシュ状裏面3が多数の弾性線状部4によって連結された立体ネット構造である。
通水シート部材1は、合成樹脂から成り、吸水性が小さく、水を通し易い構造である。なお、
図1(A)に示すように、通水シート部材1の周端縁部には、縁巻部9が縫製されている。
【0013】
上述した本発明の洗濯ネットの使用方法(作用)について説明する。
図2(A)に示すように、通水シート部材1を平面展開状態M
0として載置し、通水シート部材1の表て面に、ズボンやシャツ等の洗濯物Lを重ねて置く。
次に、
図2(B)に示すように、洗濯物Lがしわにならないように通水シート部材1と洗濯物Lを共に巻設し、
図2(C)のように、巻設状態M
1とする。この巻設状態M
1では、通水シート部材1に、複数の折り目が形成されるように一体折畳み状とし、あるいは、丸く包み込むように渦巻き(ロール)状に巻いても良い。次に、通水シート部材1が巻設状態M
1から解けないように、係止ベルト6の面状ファスナーの雄部7を、通水シート部材1の裏面の左右方向中間部の面状ファスナーの雌部8に係止させて、係止ベルト6,6で通水シート部材1を(軽く)締付ける。
次に、
図2(D)に示すように、巻設状態M
1で、拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ折返し状として、巻いた通水シート部材1の側端部12,12を袋状に形成する。拡幅部5の左右側端部15,15は、面状ファスナーの雄部13を、通水シート部材1の裏面の左右側端縁に形成された面状ファスナーの雌部14に取着して、折返し状姿勢から開かないように抑えられ、通水シート部材1と共に巻設された洗濯物Lが側外方へはみ出るのを防止している。なお、拡幅部5の左右側端部15,15を大きく側内方へ折り返して、面状ファスナーの雄部13を、左右方向中間部に設けた面状ファスナーの雌部8に係止させても良い(
図5(B)参照)。
【0014】
巻設状態M
1とした通水シート部材1及び洗濯物Lを、洗濯機の槽内に投入し、通常の洗濯を行う。この際、巻設した通水シート部材1の外側から内側へスムーズに水が浸透して、洗濯物Lがムラなく、かつ、十分に洗浄される。通水シート部材1は、立体ネット構造の弾発力によって、洗濯物Lを柔らかく包み込んで、かつ、巻き込んだ状態で保持し、洗濯機の槽内の回転によっても、洗濯物Lがはみ出たり片寄ったりせず、かつ、洗濯物Lが離脱することなく、型崩れや洗濯じわの発生を防止する。
【0015】
次に、本発明の洗濯ネットの他の実施形態について説明する。
図4と
図5に示すように、平面展開状態M
0と折畳み状乃至渦巻き状の巻設状態M
1に展開巻設自在の通水シート部材1を備え、通水シート部材1は、巻設状態M
1で外端縁を形成する一端縁部10に、幅寸法Wが拡大した拡幅部5を有し、巻設状態M
1で、拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ折返し状として保持する係止手段16を備えている。通水シート部材1は、巻設状態M
1で、折畳み状乃至渦巻き状を保持する巻設保持手段20を備えている。
通水シート部材1は、一端縁部10に一対の係止ベルト6,6が付設され、係止ベルト6,6の表て面の全部又は一部に、面状ファスナーの雄部7,7が形成されている。通水シート部材1の裏面の左右方向中間部には、一対の係止ベルト6,6に対応する一対の面状ファスナーの雌部8,8が巻設方向に沿って並列状に形成されている。巻設状態M
1で、係止ベルト6,6は、面状ファスナーの雌部8,8の内端縁に沿って、面状ファスナーの雄部7,7が取着されるように、配設されている。
【0016】
図4と
図5では、面状ファスナーの雌部8が、係止ベルト6の帯幅寸法W
1の1.5倍〜3倍の幅寸法W
2として幅広状に形成されている。
図5(A)のように、巻設状態M
1で、拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ比較的小さく折返し状として、面状ファスナーの雄部13を、通水シート部材1の側端縁に沿って形成された面状ファスナーの雌部14に取着して、拡幅部5の左右側端部15を折返し状姿勢に保持することができ、あるいは、
図5(B)のように、拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ比較的大きく折返して、面状ファスナーの雄部13を、通水シート部材1の裏面の左右方向中間部に形成された幅の広い面状ファスナーの雌部8に取着して、拡幅部5の左右側端部15,15の折返し状姿勢を維持することもできる。本発明に於て、
図5(A)のように、拡幅部5の左右側端部15,15に設けた面状ファスナーの雄部13が、側端縁に沿って形成された一の面状ファスナーの雌部14に取着された状態を、第1係止姿勢P
1とし、面状ファスナーの雄部13が、左右方向中間部に形成された面状ファスナーの雌部8に取着された状態を、第2係止姿勢P
2とする。
図5(B)のように第2係止姿勢P
2とすれば、
図5(A)に示す第1係止姿勢P
1と比較して全体の幅寸法W
0を小さくでき、コンパクトに折畳むことができる。また、拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ大きく折り返して係止できる為、洗濯物Lを確実に保持でき、洗濯物Lが側外方へはみ出るのを防止できる。なお、図示省略するが、拡幅部5の左右側端部15,15の内の一方を、第1係止姿勢P
1とし、他方を、第2係止姿勢P
2としても良い。
【0017】
なお、本発明は、設計変更可能であって、図示省略するが、通水シート部材1は、平面視台形状であって良く、巻設状態M
1で、内端縁から外端縁に向けて次第に幅寸法Wが拡大するように形成されるも良い。
【0018】
以上のように、本発明に係る洗濯ネットは、平面展開状態M
0と折畳み状乃至渦巻き状の巻設状態M
1に展開巻設自在の通水シート部材1を備え、上記平面展開状態M
0の上記通水シート部材1に洗濯物Lを重ねて、上記通水シート部材1に上記洗濯物Lを巻き込んで保持する洗濯ネットに於て、上記通水シート部材1は、上記巻設状態M
1で外端縁を形成する一端縁部10に、幅寸法Wが拡大した拡幅部5を有し、上記巻設状態M
1で、上記拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ折返し状として保持する係止手段16を備えたので、拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ折り返した状態で保持し、通水シート部材1に巻き込まれた洗濯物Lが、洗濯時に側外方へはみ出てくるのを防止できる。通水シート部材1に洗濯物Lを巻き込んで確実に保持でき、洗濯物Lの型崩れや洗濯じわの発生を防止できる。
【0019】
また、上記通水シート部材1は、上記巻設状態M
1で、上記折畳み状乃至渦巻き状を保持する巻設保持手段20を備えているので、通水シート部材1が折畳み状乃至渦巻き状の巻設状態M
1から解けて開くのを防止でき、洗濯物Lを巻き込んだ状態で保持して型崩れや洗濯じわの発生を確実に防止できる。
【0020】
また、上記係止手段16は、上記拡幅部5の上記左右側端部15,15の各々の表て面に形成された面状ファスナーの雄部13と、上記通水シート部材1の裏面の側端縁に沿って形成された面状ファスナーの雌部14とを有し、上記巻設保持手段20は、上記通水シート部材1の上記一端縁部10の左右方向中間部に付設された一対の係止ベルト6,6の表て面に形成された面状ファスナーの雄部7,7と、上記通水シート部材1の裏面の左右方向中間部に形成された一対の面状ファスナーの雌部8,8とを有し、上記巻設状態M
1で、上記拡幅部5の上記左右側端部15,15は、上記面状ファスナーの雄部13が、側端縁に沿って形成された上記面状ファスナーの雌部14に取着された第1係止姿勢P
1と、上記面状ファスナーの雄部13が、左右方向中間部に形成された上記面状ファスナーの雌部8に取着された第2係止姿勢P
2とに、切換自在であるので、洗濯物Lの大きさや種類に応じて、コンパクトに折畳んで全体の幅寸法W
0を小さくできる第2係止姿勢P
2を選択できる。また、第2係止姿勢P
2で、拡幅部5の左右側端部15,15を側内方へ大きく折り返して係止できる為、洗濯物Lを確実に保持でき、洗濯物Lが側外方へはみ出るのを防止できる。