特許第6371760号(P6371760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6371760-排気ガスターボチャージャ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371760
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】排気ガスターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
   F02B 37/24 20060101AFI20180730BHJP
【FI】
   F02B37/24
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-509045(P2015-509045)
(86)(22)【出願日】2013年4月19日
(65)【公表番号】特表2015-514925(P2015-514925A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】US2013037328
(87)【国際公開番号】WO2013163024
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2015年12月16日
【審判番号】不服2017-6461(P2017-6461/J1)
【審判請求日】2017年5月8日
(31)【優先権主張番号】102012008588.5
(32)【優先日】2012年4月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ラム
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー・メッツ
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・ハイビット
(72)【発明者】
【氏名】ユリア・ノール
【合議体】
【審判長】 松下 聡
【審判官】 粟倉 裕二
【審判官】 水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−180111(JP,A)
【文献】 特開2010−65591(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/047527(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B33/00-41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(2)であって、
吸気ダクト(4)によって取り囲まれたタービンホイール(3)を有するタービン(2)を有し、
VTGカートリッジ(5)であって、
前記吸気ダクト(4)を境界付けるディスク(6)及びベーン軸受リング(7)を有し、
前記吸気ダクト(4)に配置され、かつベーンレバー(10)に接続される回転可能なベーンシャフト(9)を介して前記ベーン軸受リング(7)に取り付けられる複数のベーン(8)であって、前記ベーンレバー(10)のレバーヘッド(11)が、前記ベーン軸受リング(7)をその外周に沿って取り囲むユニゾンリング(13)の関連の溝(12)内に係合する、複数のベーン(8)を有し、
調整トルクを前記ユニゾンリング(13)に伝達するために調整シャフト(15)に動作可能に接続される調整レバー(14)を有する、VTGカートリッジ(5)を有する排気ガスターボチャージャ(1)であって、
前記調整レバー(14)が平坦な構造であり、
前記調整レバー(14)が、前記ユニゾンリング(13)に隣接する第1の端部領域(14A)に、前記ユニゾンリング(13)に固定される位置決めピン(17)の周りに係合する溝(16)を有し、
前記ベーンレバー(10)が折り曲げられて、前記ユニゾンリング(13)の前記溝(12)内に係合する、
排気ガスターボチャージャ(1)。
【請求項2】
前記溝(16)が一方の側で開口している請求項1に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項3】
前記調整レバー(14)が、前記ベーン軸受リング(7)に隣接する第2の端部領域(14B)を有し、前記調整レバー(14)に、前記調整シャフト(15)が固定される凹部(17)が設けられる請求項1又は2に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項4】
前記位置決めピン(17)が前記ユニゾンリング(13)に溶接される請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項5】
吸気ダクト(4)を境界付けるディスク(6)及びベーン軸受リング(7)を有し、
前記吸気ダクト(4)に配置され、かつベーンレバー(10)に接続される回転可能なベーンシャフト(9)を介して前記ベーン軸受リング(7)に取り付けられる複数のベーン(8)であって、前記ベーンレバー(10)のレバーヘッド(11)が、前記ベーン軸受リング(7)をその外周に沿って取り囲むユニゾンリング(13)の関連の溝(12)内に係合する、複数のベーン(8)を有し、
調整トルクを前記ユニゾンリング(13)に伝達するために調整シャフト(15)に動作可能に接続される調整レバー(14)を有する排気ガスターボチャージャ(1)のVTGカートリッジ(5)であって、
前記調整レバー(14)が平坦な構造であり、
前記調整レバー(14)が、前記ユニゾンリング(13)に隣接する第1の端部領域(14A)に、前記ユニゾンリング(13)に固定される位置決めピン(17)の周りに係合する溝(16)を有し、
前記ベーンレバー(10)が折り曲げられて、前記ユニゾンリング(13)の前記溝(12)内に係合する、
VTGカートリッジ(5)。
【請求項6】
前記排気ガスターボチャージャ(1)が、請求項2〜4のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ(1)であることを特徴とする請求項5に記載のVTGカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の排気ガスターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
このような排気ガスターボチャージャの場合、調整シャフトによって回転されることができるユニゾンリングによってガイドベーンが調整される可変タービン形状(VTG)が設けられるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、VTGの、特に調整シャフトのシステム内の軸受力を低減することができる、請求項1の前提部に記載したタイプの排気ガスターボチャージャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は請求項1の特徴によって達成される。
【0005】
従属請求項は本発明の有利な発展形態を含む。
【0006】
請求項7及び8は、独立して市販することができる対象物として本発明によるVTGカートリッジを規定している。
【0007】
本発明のさらなる詳細、特徴及び利点は、図面を参照して例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明による排気ガスターボチャージャの大幅に単純化した概略図である。
図2】本発明によるVTGカートリッジの第1の実施形態の平面斜視図である。
図3図2に示したVTGカートリッジの拡大部分図である。
図4】本発明によるVTGカートリッジの部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、チャージャの回転軸線Lを有する本発明による排気ガスターボチャージャ1の大幅に単純化した基本概略図を示している。
【0010】
排気ガスターボチャージャ1はまた、いわゆるVTGカートリッジ5が設けられる吸気ダクト4によって取り囲まれたタービンホイール3を備えるタービン2を有する。このVTGカートリッジ5について、図2図4を参照して以下に詳細に説明する。
【0011】
当然、排気ガスターボチャージャ1はまた、排気ガスターボチャージャの他のすべての共通部分、例えば、軸受ハウジング21に回転可能に取り付けられかつ一方の端部でタービンホイール3を支承し、他方の端部でコンプレッサ18のコンプレッサホイール19を支承するロータ20を有する。これらの部分は、本発明の原理を説明するために重要でないので、同様に、図1に大幅に単純化した概略形態でのみ示されている。
【0012】
上述したように図2図4を参照して以下に詳細に説明するVTGカートリッジは、同様に、大幅に単純化した概略形態で示されている。
【0013】
VTGカートリッジは、排気ガスをタービンホイール3に通過させるための吸気ダクト4をベーン軸受リング7とディスク6との間で境界付ける構造ユニットを意味すると理解される。さらに、このタイプのVTGカートリッジ5は、吸気ダクト4に配置される複数のベーンを有し、これらのベーンについて、図2及び図4は、対応する参照番号を有するすべてのベーン軸受の代表例として、1つのベーンを参照番号8で示している。ベーン8は、ベーン軸受リング7において閉位置と開位置との間で回転可能に移動させることができる。このために、ベーン8は、各々が回転軸線を有するベーンシャフト9を有する。次に、ベーンシャフト9はベーンレバー10に接続され、これらの内、2つのベーンレバーが各々図2の参照番号10で示されている。図2が示すように、ここに示した実施形態は、例えば、各々同一の設計の好ましくは折り曲げられた10個のベーンレバー、相応して10個のベーン8を有する。
【0014】
各々のベーンレバー10は、ユニゾンリング13の関連の溝12内に係合するレバーヘッド11を有する。図2は、この点に関して、ユニゾンリング13が外側で、すなわちその外周に沿ってベーン軸受リング7を取り囲むことを示している。
【0015】
ユニゾンリング13を半径方向に取り付けるために、本発明に従ってベーンレバー10によって形成される半径方向軸受が設けられる。このために、ベーンレバー10は転がりレバーとして形成され、これらのレバーヘッド11はユニゾンリング13の溝12に支持される。図2及び図4は、溝12が、ベーン軸受リング7のベーンレバー10の軸受平面に対してオフセットされる平面に配置されることを示しており、このことが、この実施形態のベーンレバー10の折り曲げ構造の理由である。
【0016】
図2図4を組み合わせて見た場合に理解できるように、本発明による排気ガスターボチャージャ1、又は本発明によるVTGカートリッジ5はまた、調整トルクをユニゾンリング13に伝達するために調整シャフト15(図3に見ることができる)に動作可能に接続される調整レバー14を有する。調整シャフト15は適切なアクチュエータによって作動させることができ、このアクチュエータはそれ自体公知であり、本発明の原理を説明するために重要でないので、図2図4に詳細に図示していない。
【0017】
しかし、図2図4は、調整レバー14が平坦な構造であることを示している。この場合、調整レバー14は第1の端部領域14Aを有し、この端部領域は、組み立てられた状態で調整レバー13に隣接し、位置決めピン17の周りに係合する溝16を有する。位置決めピン17はユニゾンリング13に固定され、ユニゾンリング13に溶接されることが好ましい。
【0018】
図2図4からも理解できるように、溝16は一方の側に開口しており、これにより、図3に示した図面から特に理解できるように、第1の端部領域14Aのフォーク状の構造がもたらされる。
【0019】
調整レバー14はまた第2の端部領域14Bを有し、この端部領域は、ベーン軸受リング7に隣接して、特にベーン軸受リング7の上方に配置され、調整シャフト15が固定される凹部17が設けられる。図2には、凹部17のみを見ることができ、これに対し、図3は、凹部17における調整シャフト15の配置を単純化した概略図で示している。調整シャフト15は例えば凹部17に溶接してもよい。
【0020】
上述の開示に加えて、本発明の開示を補完するために図1図4の本発明の例示的な図面が本明細書に明示的に参照される。
【符号の説明】
【0021】
1 排気ガスターボチャージャ
2 タービン
3 タービンホイール
4 吸気ダクト
5 VTGカートリッジ
6 ディスク
7 ベーン軸受リング
8 ベーン
9 ベーンシャフト
10 ベーンレバー
11 レバーヘッド
12 溝
13 ユニゾンリング
14 調整レバー
14A、14B ユニゾンリングの端部領域
15 調整シャフト
16 溝
17 位置決めピン
L チャージャの長手方向軸線
図1
図2
図3
図4