(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371773
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】インフュージョンライン・マネジメントシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20180730BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
G06Q50/24
A61J3/00 310Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-542028(P2015-542028)
(86)(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公表番号】特表2016-504653(P2016-504653A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】US2013069832
(87)【国際公開番号】WO2014078375
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2016年10月27日
(31)【優先権主張番号】61/725,692
(32)【優先日】2012年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デュダー,トーマス エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ジェプソン,スティーブン,クラレンス
【審査官】
加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−296912(JP,A)
【文献】
特開2010−264255(JP,A)
【文献】
特開2005−284855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフュージョンライン・マネジメントシステムであって、
1つ以上の患者処方箋のための処方情報を受け取り、当該受け取った情報が、1つ以上の各処方箋のために、対応する前記処方箋に関連した、マスターラベルと1つ以上のサブラベルとを含むラベルを、生成するために使用されるラベル生成装置を備え、
各前記マスターラベルは少なくとも前記処方箋に関連する情報と、前記処方箋が関係づけられるべきである患者インフュージョンシステムの特定部分を識別するインジケーターとを含み、
前記1つ以上のサブラベルはそれぞれ前記インジケーターを含み、前記1つ以上のサブラベルは、前記マスターラベルから個別に取りはずし可能であって、前記患者インフュージョンシステムにおける複数の箇所に貼り付け可能であり、
前記患者インフュージョンシステムが、処方された薬剤を含む薬剤容器と、1つ以上のチューブセクションと、インフュージョンポンプとを備え、前記マスターラベルが前記薬剤容器に貼り付け可能であり、
前記1つ以上のサブラベルが、前記1つ以上の各チューブセクション及び前記インフュージョンポンプに貼り付け可能である複数のサブラベルを含み、
前記ラベル生成装置が、前記処方情報を受け取るように構成されたネットワーク通信インターフェースと、前記マスターラベル上の処方情報およびインジケーターと、前記1つ以上の各サブラベル上のインジケーターとを印刷するように構成された出力装置としてのプリンターと、前記ネットワーク通信インターフェースと前記プリンターとを制御するように構成されたプロセッサーとを含み、
さらに患者情報ソフトウエアシステムを備え、当該患者情報ソフトウエアシステムは、前記患者に投与される薬剤を示している目視できるディスプレイ(visual display)であるインフュージョンマップを生成し、このインフュージョンマップディスプレイは、少なくとも1つの前記薬剤容器、1つ以上のチュービングセット(tubing set)及び少なくとも1つのインフュージョンポンプを含んでいるインフュージョンシステムの構成要素に適用される前記ラベルを有する実際のインフュージョンシステムのバーチャルな表示(representation)であることを特徴とするインフュージョンライン・マネジメントシステム。
【請求項2】
前記出力装置がさらに前記マスターラベルに埋め込まれた無線周波数識別タグにデータを書くことができ、
前記情報が前記無線周波数識別タグに記憶される機械可読な情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のインフュージョンライン・マネジメントシステム。
【請求項3】
前記情報が、ヒトが読み取れる情報と機械可読な情報の両方を含むことを特徴とする請求項1に記載のインフュージョンライン・マネジメントシステム。
【請求項4】
機械可読な情報が、光学的に読み取り可能な要素として表される情報であることを特徴とする請求項3に記載のインフュージョンライン・マネジメントシステム。
【請求項5】
前記マスターラベルが、前記情報と前記インジケーターを表示するための前面と、粘着剤でコーティングされ、薬剤容器に付着するように構成された背面とを備え、前記1つ以上の各サブラベルが、少なくとも前記インジケーターを表示するための前面と、前記患者インフュージョンシステムに付着するように構成された粘着剤でコーティングされた背面とを備えることを特徴とする請求項1に記載のインフュージョンライン・マネジメントシステム。
【請求項6】
前記ラベル生成装置が病院コンピューターシステムと電気的に通信を行っており、前記ラベル生成装置が前記病院コンピューターシステムから前記処方情報を受け取ることを特徴とする請求項1に記載のインフュージョンライン・マネジメントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤容器、チューブセット、アクセスポート、ポンプチャネル、及びカテーテルを備える患者用インフュージョンシステム構成を識別し、管理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者用インフュージョンシステムにおける薬剤投与ミスは、誤接続をはじめとする多くの原因により生じる可能性がある。したがって、そのような過誤がなるべく生じないようにするため、ナースなどのクリニシャンは、その勤務シフトの間何度も、専門職ガイドライン及び/または標準的操作手順に従って、ライントレーシングとも称される「ラインマネジメント」を行なうように義務づけられている。ラインマネジメントには、通常はバッグ、ボトル、あるいはシリンジに収納されるそれぞれの薬剤が、チューブを通じて正しいカテーテルに経路づけられているか、そして(インフュージョンポンプが使用される場合は)チューブが正しいポンプチャネルに関連づけられているかを確かめることが含まれる。ラインマネジメントにはさらに、異なる薬剤を含み、及び/または異なる速度で流れる、2つ以上のチューブセグメントを結合するのが安全であることを確かめることも含まれる。例を挙げると、ナースは、シフトを開始するときと、患者を別の施設、病院の別の区域、あるいは別のクリニシャンから受け入れるときと、静脈内への薬剤投与をするすぐ前に、各患者のためのラインマネジメントを実施することができる。ラインマネジメントの手順を詳細に繰り返し実行しようとすると、とりわけ患者の全体としてのインフュージョンチューブシステムの複雑性が増すにつれ、クリニシャンにとって時間的に大きな負担となり、ミスが生じがちである。すなわち、複数のチューブセット、薬剤、接合部、アクセスポート、ポンプチャネルはカテーテルとともに、ラインマネジメントを実施するために必要な時間を増大し、ミスを生じさせる機会をさらに増やすことになる。
【0003】
薬剤容器は、通常はその上にシンプルなラベルが貼られた状態でファーマシーから送られてくるが、クリニシャンはラインマネジメントを容易にするために、チューブシステムのいろいろな位置に、しばしば手作業でインフュージョンのセットアップを示すラベルを付ける。通常、ラベル表示は入手できる材料を使用した簡単なもので、例えばチューブのまわりに医療用テープを巻いて薬剤名のような識別情報のラベルを貼ったものである。こうしたラベル表示は、システムのいくつかのポイントで繰り返される。例えば、ラベルは、チューブセットの1つ以上のスパイク端部及びカテーテル接続端部に、各アクセスポート及び接合部に、ローラークランプとスライドクランプの上に、カテーテルの上に、またポンプチャネル自体の上に貼られる。送達される薬剤が変更されるがチューブシステムが再使用される場合には、そのラベルは取りはずして新しい薬剤名を記載した新ラベルと取り換えなければならない。
【0004】
したがって、クリニシャンの時間を節約し、ミスが起きる可能性を減らすために、ラインマネジメントプロセスをスリム化する必要がある。さらに、コスト効果の優れたより完全で専門的なラベルシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
インフュージョンライン・マネジメントシステムはこうしたニーズに対処するものである。本システムは、クリニシャンが患者のインフュージョンを設計するにあたって、クリニシャンのワークフローのスリム化をはかるものである。さらに、本システムを使用して生成されるラベルは、比較的に低コストで、専門的であり、統一されており、比較的に読み取りやすい。
【0006】
第1の態様において、インフュージョンライン・マネジメントシステムは、1つ以上の患者処方箋のための処方情報を受け取るラベル生成装置を具備する。その受け取った情報は、その1つ以上の各処方箋のために、その対応する処方箋に関連した、マスターラベルと1つ以上のサブラベルとを有するラベルを、生成するために使用される。それぞれの生成されたマスターラベルは、少なくとも当該処方箋に関連する情報と、当該処方箋が関係づけられるべきである患者インフュージョンシステムの特定部分を識別するインジケーターとを含む。同様に、この1つ以上の関連するサブラベルはそれぞれ当該インジケーターを含む。本サブラベルは、マスターラベルから個別に取りはずし可能であって、本患者インフュージョンシステムにおける複数の箇所に貼り付け可能である。
【0007】
別の態様においては、コンピューターで読み取り可能な、非一時的な媒体が命令を記憶するように構成され、命令がプロセッサーによって実行されるとき当該命令によってコンピューターがラインマネジメントの方法を実行する。本方法は、病院情報システムから処方情報を受け取るステップと、インジケーターを選択するステップと、選択されたインジケーターを受け取った処方情報に関連づけるステップとを有する。本方法はさらに、マスターラベルと1つ以上のサブラベルを印刷するためのラベル生成リクエストを生成するステップを有する。本マスターラベルは少なくとも当該受け取った処方情報と当該関連づけられたインジケーターとを含んでおり、1つ以上のサブラベルがそれぞれ少なくとも当該関連づけられたインジケーターを含んでいる。
【0008】
さらに別の態様においては、インフュージョンライン・マネジメントシステムは、患者に関連づけられた1つ以上の処方箋に関連した処方情報を記憶する病院コンピューターシステムを有する。ラベル生成装置は本病院コンピューターシステムから処方情報を受け取り、1つ以上の各処方箋のために、この対応する処方箋に関連した、マスターラベルと1つ以上のサブラベルとを有するラベルを生成する。各マスターラベルは少なくとも前記処方情報と固有のインジケーターとを含み、1つ以上のサブラベルはそれぞれ当該固有のインジケーターを含む。1つ以上のサブラベルは、マスターラベルから個別に取りはずし可能であって、患者インフュージョンシステムにおける複数の箇所に貼り付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のインフュージョンライン・マネジメントシステムを示す概略図である。
【
図2A】
図1のインフュージョンライン・マネジメントシステムのマルチパートラベルの平面図を示す。
【
図2B】
図1のインフュージョンライン・マネジメントシステムのマルチパートラベルの底面図を示す。
【
図3A】
図1のインフュージョンライン・マネジメントシステムを使用した、バーチャルなインフュージョンマップのスクリーンショット例を示す。
【
図3B】
図1のインフュージョンライン・マネジメントシステムを使用した、バーチャルなインフュージョンマップのスクリーンショット例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
インフュージョンチューブ・ラインマネジメントシステムは、全体として10で示される。
図1に示されるように、システム10は、好ましくは、コンピューター・医師/処方者・オーダーエントリー(computerized physician/prescriber order entry、cPOE)システム12と、マルチパートラベル14と、ラベルを生成するために使用されるラベル生成装置16とを備える。本明細書はcPOEシステム12に関して説明しているが、当業者にあっては、ここで説明するラベルを印刷するために必要となる情報を生成できるコンピューターシステムならば他のどんなものであっても、本cPOEシステムに代えて使用できることを理解するであろう。
【0011】
マルチパートラベル14は、処方薬が患者のために調製される時点で好ましくは単一体として生成され、薬剤容器(例えばバッグ、ボトル、シリンジ等)に好ましくは単一ステップで貼り付けられる。ラベル14に移される情報は、好ましくはcPOEシステム12から引き出される。
【0012】
cPOEシステム12は、患者の治療のための医師の指示を電子的に記載することを可能とする。一般的には、病院は既存の使用可能なcPOEシステム12を有しており、ラインマネジメントシステム10は、好ましくは、ラインマネジメントシステムが有線または無線による通信によってcPOEシステムからデータを受け取るように、既存のcPOEシステム及び他の病院情報システムとインターフェースする。
【0013】
ラベル生成装置16は、処方薬を調剤するときに使用されるよう、好ましくは病院またはクリニックのファーマシーに設置される。
図1に示されるように、ラベル生成装置16は、好ましくはコンピューター装置であって、少なくともメモリー18と、プロセッサー20と、1つ以上の入力装置22と、ネットワーク通信インターフェース(network communication interface)24と、ディスプレイ26と、出力装置28と、電源とを有する。メモリー18は、好ましくは非一時的なコンピューター読み取り可能な記録媒体であって、例えば、読み取り専用メモリー(ROM)、またはランダムアクセスメモリ(RAM)、またはハードディスク、または不揮発性フラッシュメモリーもしくは他の電気的消去可能・書き込み可能読み取り専用メモリー(EEPROMs)、または光学式もしくは磁気光学式、または他のコンピューター読み取り可能記憶媒体である。ラベル生成装置16の操作のための命令は、好ましくはメモリー18に記憶される。
【0014】
装置16はまた、メモリー18に記憶された命令を実行できるマイクロプロセッサーまたは他の中央処理装置のようなプロセッサー20を備える。ディスプレイ26は、例えば、液晶ディスプレイ、カソードレイチューブ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイのような装置、あるいはユーザーが容易に識別できる方法でメモリーとプロセッサーからデータを出力できるようなあらゆる他の装置である。プリンターのような出力装置28は、好ましくは処方薬が調剤されるときに、マルチパートラベル14を出力するために使用される。あるいは、ラベル14は、処方箋がcPOEシステム12に入力されるとき、あるいは処方箋が患者に渡されるときに出力されうる。さらに、出力装置28は、好ましくは、ラベル14に埋め込まれたRFIDタグのような不揮発性メモリーに記憶されるよう電子的にデータを出力できる。
【0015】
ネットワーク通信インターフェース24は、ラベル生成装置16を、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)及び/またはインターネットを介して、cPOEシステム12及び/または病院情報システムに接続可能とする。ネットワーク接続インターフェース(network connection interface)24は、例えばIEEE802.3標準を使用した有線イーサネット(登録商標)接続、またはIEEE802.11a/b/g/n/acのような標準を使用した無線接続、またはこれらに取って代わる新しく開発された標準などでありうる。ネットワーク接続インターフェース24はまた、LTE、WiMAX、UMTS、CDMA、HSPA、HSPA+、GPRSなどのようなセルラーデータネットワークに接続するように使用されてもよい。さらに、ネットワーク接続インターフェース24は、ブルートゥース、ワイヤレスUSB、またはIEEE802.15標準において定義される他の接続のような、ワイヤレスパーソナルエリアネットワークを備えてもよい。
【0016】
各マルチパートラベル14は、好ましくは薬剤容器に好適な情報を含むマスターラベル30と、マスターラベルに剥離可能に付属する1つ以上の関連サブラベル32とを具備する。さらに
図2A及び2Bに目を向けると、少なくともマスターラベル30は、好ましくは薬剤に関連する処方情報35をcPOEシステム12から受け取って表示するための前面34と、感圧粘着剤のような粘着剤(adhesive)38でコーティングされた背面(裏面、rear surface)36を具備する。
【0017】
マスターラベル30の前面34に含まれる情報35は、例えば薬剤名、服用量、患者識別情報等を示すヒトが読み取れる情報として表示された処方情報と、例えば1つ以上のバーコード、QRコード(登録商標)をはじめとする光学的に読み取り可能なデータのような機械可読な情報とを含んでもよい。あるいは、マスターラベル30は、選択的に、機械可読な情報を電子的に記憶し(storing)、また、送信するための無線周波数識別(RFID)タグのような記憶デバイス(storage device)40(図では隠されている)を具備する。RFIDタグは、ラベル14の前面34に添付したり、ラベル内に埋め込んだりすることができる。
【0018】
さらに、マスターラベル30の前面に含まれる情報35は、ラベル及び対応薬剤をインフュージョンシステムと関連付けるために使用される最小数のヒトが読める文字(例えば、1つのアルファベット文字)を有するインジケーター41を含む。インジケーター41は、好ましくはまた、固有のカラー、パターン、及び/又は形状などの、他の識別用の表示を含む。従ってインジケーターの一例としては、星形のフィールドにクロスハッチのパターンを有して赤色で印刷された「A」という文字が挙げられる。インジケーター41を関連付けられた各サブラベルにおいて一貫して表示することにより、クリニシャンが素早く正確にラベルを認識できる能力が補強され、このようにして、クリニシャンは必要なラインをトレースして、インフュージョンチューブシステムの特定のアイテムが関連していることを認識する。
【0019】
各サブラベル32は、好ましくは、関連するマスターラベルに含まれる情報の全てまたはその一部分含む。好ましくは、サブラベルのそれぞれは、少なくとも上述のインジケーター41(すなわち、固有の最小数のヒトが読み取れる文字、カラー、形状、及び/又はパターン)を含む。それぞれのサブラベル32は、好ましくはマスターラベル30から別々に分離可能で、インフュージョンシステムの構成要素(例えば、薬剤容器をカテーテルに接続するチューブ、チューブにおいて機能するポンプチャネル等)に貼付可能である。薬剤容器上のマスターラベル30からサブラベル32を取りはずしてインフュージョンシステム内の種々の構成要素に貼り付けるというこのプロセスは、薬剤が最初に患者に投与されるときに、クリニシャンによって実行される。
【0020】
好ましくはサブラベル32は、薬剤についての特定の情報を含んでいないインジケーター41を含む。このため、送達される薬剤が変更されても、サブラベル32とチューブは再使用可能という有利性がある。したがって、
ラインマネジメントシステム10は、好ましくは一定の患者のための各薬剤に現在割り当てられたインジケーターを追跡するように最適化され、交換用の薬剤を投与するために同じインフュージョンセットアップを使用するのが適切な場合、投与停止薬剤から交換用の薬剤へとインジケーターを再び割り当てる。クリニシャンは、再割当てされたインジケーターを有する薬剤は、同じインジケーターを有するスパイクのところで、インフュージョンシステムに接続されるべきであることがわかるであろう。例えば、インジケーター「B」を有する新薬剤容器は、前に「B」というラベルが貼られていたスパイクに接続されるべきである。さらに、クリニシャンは、薬剤名とその関連インジケーターとの両方を含むマスターラベルを読むことによって、どの任意時点においても、どの薬剤がある特定のインジケーターと関連しているかを容易に照会できるであろう。こうして、一定のチューブセットのラベルをクリニシャンが貼り直すために必要となる回数が減少する。
【0021】
もちろん、関連するポンプチャネルフローレートは、薬剤が交換された場合に調整が必要となる。この調整は薬剤容器のマスターラベルに印刷されたフローレートを参照して手動で行なうことができ、あるいは自動プログラミング機能を有するポンプを使用している場合は、交換用薬剤のマスターラベル30の機械可読部分を読み取るためのスキャナー(例えばRFIDリーダー、バーコードスキャナー等)を使用して自動的に行なうことができる。
【0022】
さらに
図3A及び3Bに目を向けると、本発明の
インフュージョンラインマネジメントシステム10は、
図3A及び3Bに示されるように、好ましくは、インフュージョンマップ42の形態の表示画面を備える患者情報ソフトウエアシステム
43(図1参照)と組み合わせて使用される。このようにして使用されると、
ラインマネジメントシステム10は、患者情報システムの「バーチャル」なインフュージョンマップ42と患者のベッドわきの実際のインフュージョンシステムとの間の対応を容易にすることができる。これによってクリニシャンは
患者情報ソフトウエア
システム43によって表示されたインフュージョンマップ42を見ることができ、実際に存在するインフュージョンチューブシステムにおいて、例えばアクセスポートのような対応する物理的アイテムの所在をすばやく特定できる。さらに、患者情報ソフトウエア
システム43とラインマネジメントシステム10と
を組み合わせ
て使用することにより、インフュージョンシステム全体が、より安全で効果的な構成となるようにすることができる。
【0023】
インフュージョンマップディスプレイ42で示されるように、インフュージョンシステム44は、当業者において一般的に知られているような、少なくとも1つ以上の薬剤容器46と、それぞれの薬剤容器に関連づけられた1つ以上のチューブセット48と、1つ以上の薬剤容器に含まれる薬剤を投与するように構成された任意のインフュージョンポンプ50とを備える。
【0024】
インフュージョンチューブシステムにおいて使用されるチューブセット48はいくつかのアクセスポートを備えており、その数は一般にはゼロと3の間である。好ましくはチューブセットの製造者は、各アクセスポートの近くに目立つ番号を設け、番号はチューブセットのスパイク端部の最初のアクセスポートに番号「1」を付し、次のアクセスポートで「2」を、次いで「3」というように番号を付すであろう。クリニシャンが貼り付けたサブラベル32と組み合わせると、インフュージョンセットアップ全体における各アクセスポートは、一意に識別され(uniquely identified)得る(例えば
図3A、3Bに示されるようにA1、A2、A3、B1、C1、C2等と)。これによって、システム10は、チューブセット48と、薬剤が接続されるべき特定のアクセスポートとの両方を、はっきりと特定できる。
【0025】
好ましくは、マルチパートラベル14は薬局で印刷され、患者のベッドわきに送達される前に薬剤容器に貼付される。あるいは、マルチパートラベル14は、ポイントオブケアにおいて必要に応じて生成されうる。ラベル生成装置16は、ラップトップもしくはデスクトップコンピューター、病院情報システムと統合されて複数の場所(例えば薬局、看護ステーション、救急科、臨床検査室、医師オフィス等)でのアクセスを可能とするクライアントコンピューター、またはラップトップコンピューター、タブレット、スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント、移動可能コンピューター、移動可能ワークステーションもしくは手持ちラベルメーカーなどの携帯型機器など、多くの形態をとることができる。さらに、コンピューター装置は、スマートインフュージョンポンプ及び/または患者監視装置のようなベッドわきにある器具に統合されてもよい。これらの代わりとなる装置は、好ましくはまた前述したように、有線または無線による通信方法を介してcPOEと通信する。あるいは、ラベル生成装置は、薬剤容器上のマスターラベルから情報を読み取ることによってプログラムできる。あるいは、ラベル生成装置は、使用時にクリニシャンが手動でプログラムできる。
【0026】
ラベルを物理的に生成するかわりに、システムは、薬剤容器やチューブセットなどの様々な関心の対象である構成要素に直接的に「書き込む」ことができる。例えばその構成要素は、その構成要素上に、ヒトが読み取れる情報を生成するインクまたは染料を受け取り保持できる。その他の情報移転方法、例えば電子的、磁気的、熱的、あるいは光学的などの方法もまた考慮可能である。そのような情報移転の方法の例としては、消去及びプログラム可能読み取り専用メモリー(EPROM)技術、無線周波数識別タグ、あるいは他の不揮発性コンピューター読み取り可能記憶デバイスが挙げられる。
【0027】
本明細書において本発明のインフュージョンライン・マネジメントシステムの特定の実施態様を述べてきたが、当業者によって、より広い態様における発明、及び以下の特許請求の範囲に記載の発明から逸脱することなく、この実施態様に対する変更・修正がなされうることを理解されよう。