(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る照明装置1の斜視図である。照明装置1は、円盤状の灯具本体3、及び支持部材5を備える。灯具本体3は、電気絶縁性を有する円環状の筐体7、及び筐体7に固定される導光体9を含む。本実施形態では、導光体9は、導光板であり、円板状である。支持部材5は、灯具本体3を支持し、例えば、屋内又は屋外の壁に固定される。なお、本実施形態では、X軸及びY軸は水平面に平行であり、Z軸は鉛直軸に平行である。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。
【0022】
図2は、照明装置1から導光体9を取り外した状態を示す斜視図である。筐体7は、導光体9が配置される円形状の開口部23を有する。開口部23は、筐体7においてZ軸方向に貫通している。導光体9は、一対の出光面41及び入光面43を有する。
図2では、一対の出光面41のうちの一方のみが表れている。一対の出光面41は導光体9の一対の主面である。入光面43は導光体9の端面である。入光面43は光拡散処理されている。光拡散処理は、本実施形態では、粗面化である。導光体9の入光面43は曲面を含む。本実施形態では、入光面43は、円周を形成する曲面である。
【0023】
一対の出光面41のうち少なくともいずれか一方の出光面41には、白色インクにより複数の円形ドットが形成されたドットパターンが印刷されている。ドットパターンは、入射する光を透過及び拡散させる透光性を有する。ドットパターンにおいて、導光体9の径方向中心近傍に形成された円形ドットが最も大きな面積を有し、導光体9の径方向最外周近傍に形成された円形ドットが最も小さい面積を有する。各円形ドットの面積が導光体9の径方向中心から外側に向かって徐々に小さくなるように、導光体9の径方向中心と径方向最外周との間に複数の円形ドットが形成されている。なお、
図1では、灯具本体3は水平であるが、
図2では、灯具本体3は回転軸15の回りに回転している。
【0024】
図3は、
図1のIII−III線に沿った断面図であり、導光体9を通る水平面に沿って灯具本体3を切断した断面を示す。灯具本体3は、複数の基板13、及び複数の発光素子11をさらに含む。本実施形態では、複数の基板13は、2枚の円弧状の基板13である。基板13の各々は、実装面14、円弧状の外端面35、及び円弧状の内端面37を有する。実装面14は、基板13の一対の主面のうちの一方である。内端面37は、導光体9の入光面43に沿った曲面を含む。本実施形態では、内端面37は、略半円周を形成する曲面である。
【0025】
2枚の基板13は入光面43に沿って円環状に配置される。本明細書において、基板13が入光面43に沿って配置されるということの意味は、内端面37の全部又は一部が入光面43に対向しているか否か及び入光面43に当接しているか否かに依存することなく、断面視において、内端面37が入光面43に対して略平行であること、及び内端面37が入光面43に対して鋭角に傾斜していることを含む。また、本明細書において、略平行は平行を含む。
【0026】
図4(a)〜
図4(e)を参照して、基板13が入光面43に沿って配置される構成を例示する。
図4(a)〜
図4(e)は、
図1のV−V線に沿った断面に対応し、発光素子11を通る鉛直面に沿って灯具本体3を切断した断面を模式的に示す。
図4(a)〜
図4(e)では、図面の簡略化のため、断面を示す斜線を省略している。
【0027】
図4(a)では、内端面37が入光面43に対して略平行であり、内端面37の全部が入光面43に対向及び当接している。ただし、内端面37が入光面43に当接していなくてもよい。
図4(b)では、内端面37が入光面43に対して略平行であり、内端面37の一部が入光面43に対向及び当接している。ただし、内端面37が入光面43に当接していなくてもよい。
【0028】
図4(c)では、内端面37が入光面43に対して略平行であり、内端面37の全部が入光面43に対向しておらず、基板13が導光体9に当接している。ただし、基板13は導光体9に当接していなくてもよい。
図4(d)では、内端面37が入光面43に対して略平行であり、内端面37の全部が入光面43に対向しておらず、実装面14の一部が出光面41に対向及び当接している。ただし、実装面14が出光面41に当接していなくてもよい。
【0029】
図4(e)では、内端面37が入光面43に対して鋭角に傾斜しており、内端面37の一部が入光面43に対向しており、基板13が導光体9に当接している。ただし、内端面37の全部が入光面43に対向してもよいし、基板13は導光体9に当接していなくてもよい。入光面43に対する内端面37の傾斜角度αは鋭角である。傾斜角度αは、例えば、0度より大きく45度以下であることが好ましい。傾斜角度αは、例えば、0度より大きく30度以下であることがさらに好ましい。
【0030】
傾斜角度αの上限値として45度及び30度を例示したが、少なくとも発光素子11から出射される光が導光体9の入光面43に入射可能な角度であれば、傾斜角度αの上限値は例示した角度に限定されず、例えば、45度より大きな角度でもよい。
【0031】
発光素子11として、後述する側面発光型LED(Light Emitting Diode)を用いた場合、傾斜角度αを90度にすると発光素子11から出射される光の多くは導光体9の入光面43に入射しないため、照明器具として実用性に欠ける。そこで、傾斜角度αを90度未満とし、さらに傾斜角度αを小さくすればするほど、発光素子11から出射される光が入光面43に入射しやすくなるため、照明器具として実用性が高くなる。
【0032】
例えば、発光素子11として指向角が120度の側面発光型LEDを用いた場合、傾斜角度αを45度にすると光効率は約65%となり実用に耐えうる光効率を確保でき、さらに傾斜角度αを30度にすると光効率が約85%となりさらに高い実用性を確保できる。光効率は、発光素子11が出射した光に対する入光面43に入射した光の割合である。
【0033】
図4(a)〜
図4(e)において、内端面37の断面形状は、直線状であるが、任意の形状でよく、例えば、曲線状でもよい。
【0034】
再び
図3を参照して、本実施形態では、複数の発光素子11は、例えば、60個のLEDである。複数の発光素子11は、2枚の基板13の内端面37に沿って等間隔で配置される。複数の発光素子11のうちの半数の発光素子11は、一方の基板13の実装面14に設けられ、残りの半数の発光素子11は、他方の基板13の実装面14に設けられる。
【0035】
本実施形態では、各発光素子11は、LEDチップと蛍光体とを1ユニット化して、基板13の実装面14に載置して基板13の導電パターンに電気的に接続するSMD(Surface Mount Device)タイプのLEDである。なお、各発光素子11は、LEDチップを基板13の実装面14に載置して蛍光体で封止したCOB(Chip on Board)タイプのLEDを採用することもできる。
【0036】
図5を参照して、導光体9、基板13、及び発光素子11の詳細を説明する。
図5は、
図1のV−V線に沿った断面図であり、発光素子11を通る鉛直面に沿って灯具本体3を切断した断面を示す。
【0037】
筐体7は、基板13が搭載されると共に導光体9を保持し、ベース7L及びカバー7Uを含む。導光体9の一対の出光面41は入光面43に交差する。一対の出光面41は、互いに対向する略平行な面であり、平面視で円形状である。本実施形態では、出光面41は入光面43に直交する。出光面41には、ハードコーティングが実施され、被膜44が形成されている。なお、
図1、
図2、及び
図4では被膜44の図示を省略している。
【0038】
基板13の実装面14は、出光面41に沿っており、出光面41に略平行である。基板13の内端面37は導光体9の入光面43に当接する。また、明るさのムラを抑制するため、基板13の実装面14は、光を反射又は拡散し易い色(例えば、白色)に塗装されることが好ましい。
【0039】
本明細書において、実装面14が出光面41に沿っているということの意味は、実装面14の一部が出光面41に対向しているか否か及び出光面41に当接しているか否かに依存することなく、断面視において、実装面14が出光面41に対して略平行であること、及び実装面14が出光面41に対して鋭角に傾斜していることを含む。
【0040】
図4(a)〜
図4(e)を参照して、実装面14が出光面41に沿っている構成を例示する。
図4(a)〜
図4(c)では、実装面14が出光面41に対して略平行であり、実装面14が出光面41に対向及び当接していない。基板13は、導光体9に当接しているが、導光体9に当接していなくてもよい。
【0041】
図4(d)では、実装面14が出光面41に対して略平行であり、実装面14の一部が出光面41に対向及び当接している。ただし、実装面14が出光面41に当接していなくてもよい。
【0042】
図4(e)では、実装面14が出光面41に対して鋭角に傾斜しており、実装面14が出光面41に対向及び当接していない。基板13は、導光体9に当接しているが、導光体9に当接していなくてもよい。出光面41に対する実装面14の傾斜角度βは鋭角である。傾斜角度βは、例えば、0度より大きく45度以下であることが好ましい。傾斜角度βは、例えば、0度より大きく30度以下であることがさらに好ましい。例えば、傾斜角度βは傾斜角度αに等しい。
【0043】
傾斜角度βの上限値として45度及び30度を例示したが、少なくとも発光素子11から出射される光が導光体9の入光面43に入射可能な角度であれば、傾斜角度βの上限値は例示した角度に限定されず、例えば、45度より大きな角度でもよい。
【0044】
発光素子11として、側面発光型LEDを用いた場合、傾斜角度βを90度にすると発光素子11から出射される光の多くは導光体9の入光面43に入射しないため、照明器具として実用性に欠ける。そこで、傾斜角度βを90度未満とし、さらに傾斜角度βを小さくすればするほど、発光素子11から出射される光が入光面43に入射しやすくなるため、照明器具として実用性が高くなる。
【0045】
例えば、発光素子11として指向角が120度の側面発光型LEDを用いた場合、傾斜角度βを45度にすると光効率は約65%となり実用に耐えうる光効率を確保でき、さらに傾斜角度βを30度にすると光効率が約85%となりさらに高い実用性を確保できる。
【0046】
再び
図5を参照して、発光素子11の各々と入光面43との間の距離は、一定距離dであり、均一である。発光素子11の発光面は、導光体9の径方向中心に向かって入光面43に対向する。発光素子11は、基板13の実装面14に沿って光を出射する。例えば、発光素子11は、基板13の実装面14に対して垂直な方向よりも平行な方向に強く発光する。つまり、本実施形態では、発光素子11は、側面発光型LED(サイドビュー型LED)である。
【0047】
複数の発光素子11の各々は、導光体9の中心に向けて光を出射する。つまり、発光素子11の各々は、導光体9の径方向中心に向かって入光面43に向けて光を出射する。導光体9の出光面41は、入光面43から入射した光を出射する。具体的には、複数の発光素子11が出射した光は、入光面43から導光体9の内部に入射する。このとき、入光面43が粗面化されているため、入光面43によって拡散された光が導光体9の内部に入射する。そして、導光体9に入射した光は、導光体9において内部反射しながら導光体9の内部を伝搬する。導光体9の内部に入射した光のうち出光面41に形成されたドットパターンに到達した光は、各円形ドットを透過しつつ拡散されて一対の出光面41から出射される。
【0048】
以上のように、
図1〜
図5を参照して説明したように、本実施形態によれば、基板13の実装面14に複数の発光素子11が設けられると伴に、基板13の実装面14が導光体9の出光面41に沿っている。従って、導光体9の入光面43に沿うように基板13を形成及び配置することによって、基板13の増加を抑制しつつ、導光体9の入光面43と各発光素子11との間の距離を均一にできる。加えて、基板13の内端面37が導光体9の入光面43に沿うように、基板13を原基板から切り抜くことは容易である。その結果、導光体9からの出射光の明暗(明るさのムラ)の発生を簡易に抑制しつつ、照明装置1のデザインの制約を軽減できる。
【0049】
また、
図1を参照して説明したように、本実施形態によれば、筐体7は電気絶縁性を有する。従って、発光素子11に対する規定の絶縁距離(沿面距離)を確保しつつ、灯具本体3の薄型化を実現できる。絶縁距離とは、絶縁物を挟む導電部間の最短距離のことである。発光素子11に対する絶縁距離は、発光素子11の一対の端子(アノード及びカソード)のうちのいずれかと灯具本体3の他の導電部との間の最短距離である。筐体7が導電性を有する場合は、規定の絶縁距離を確保するためには、筐体7と発光素子11とが接近しないように、筐体7を厚くすることが要求される。しかしながら、筐体7は、電気絶縁性を有するため、絶縁距離に影響を与えず、筐体7を薄くできる。
【0050】
筐体7は、例えば、電気絶縁性を有する合成樹脂により形成される。合成樹脂であるため、灯具本体3の軽量化を実現できる。また、各発光素子11に供給する電流を小さくして放熱量を抑制しつつ、多数の発光素子11を設けて光量を増加させている。さらに、多数の発光素子11を設け、隣り合う発光素子11の間隔を小さくすることにより、複数の発光素子11から出射される光の明暗(明るさのムラ)を抑制し、ひいては、出光面41からの出射光の明暗(明るさのムラ)を抑制する。
【0051】
さらに、
図2を参照して説明したように、本実施形態によれば、導光体9の入光面43は光拡散処理されている。従って、各発光素子11が出射した光は、拡散されて、導光体9の内部に入射する。その結果、導光体9の出光面41のうち複数の発光素子11の近傍の領域(つまり、略円環状の領域)からの出射光が、導光体9の出光面41のうち中央の領域(つまり、略円形状の領域)からの出射光よりも暗くなることを抑制できる。つまり、導光体9の明るさのムラを抑制できる。
【0052】
なお、発光素子11をLEDで構成した場合、LEDから出る光は直進性が強く照射角が小さいため、隣り合う発光素子11の間の領域における光量が不足する。その結果、導光体9において明るさのムラが生じる場合がある。そこで、入光面43に光拡散処理を行う。光拡散処理された入光面43を介して導光体9の内部に入射する光の照射角は大きくなり、隣り合う発光素子11の間の領域における光量不足を低減できる。その結果、導光体9の明るさのムラを抑制できる。
【0053】
さらに、
図3を参照して説明したように、本実施形態によれば、複数の基板13が導光体9の入光面43に沿って配置される。従って、円環状の1枚の基板を実装する場合よりも、基板の外形寸法のばらつきの影響を受け難く、入光面43と基板13の内端面37との当接の精度を高くできる。その結果、入光面43と各発光素子11との間の距離dの精度を高くできる。つまり、複数の発光素子11に対して、距離dのばらつきを小さくでき、導光体9からの出射光の明暗(明るさのムラ)の発生をさらに抑制できる。
【0054】
また、円環状の1枚の基板を実装する場合、加工精度が低いと、導光体9に基板が嵌らないことも発生し得るが、複数の基板13を用意することにより、導光体9の入光面43に沿って基板13を配置できる。さらに、基板13は円弧状であるため、原基板から円環状の1枚の基板を切り出すよりも、原基板から多くの基板13を切り出すことができる。従って、歩留まりが良く、原基板において廃棄する部分を削減することができる。
【0055】
一般的には、基板13の位置決め作業及び基板13同士を接続する作業は、基板13の数の増加に伴って煩雑になり、工数が増える。一方、本実施形態では、2枚の基板13を実装する。従って、基板13及び発光素子11の取付精度を高くすると伴に、原基板からの基板13の切り出し枚数を多くしつつ、工数の増加を抑制できる。
【0056】
また、本実施形態によれば、複数の発光素子11は、導光体9の周囲に等間隔で配置される。従って、導光体9からの出射光の明暗(明るさのムラ)の発生をさらに抑制できる。
【0057】
さらに、
図4及び
図5を参照して説明したように、本実施形態によれば、基板13は、実装面14が導光体9の出光面41に沿う姿勢で灯具本体3の内部に配置されている。従って、基板が起立して基板の実装面が導光体の入光面に対向している場合よりも、容易に灯具本体3の薄型化を実現できる。さらに、
図5に示すように、基板13の内端面37と発光素子11とが導光体9の入光面43に対向するとともに、基板13及び発光素子11が出光面41よりも導光体9の厚さ方向に突出しないように、基板13及び発光素子11を配置することにより、灯具本体3の薄型化を実現できる。
【0058】
また、本実施形態によれば、発光素子11は側面発光型LEDである。従って、実装面14が出光面41に沿っている場合でも、発光素子11が出射した光を入光面43に簡易に導くことができる。
【0059】
さらに、本実施形態によれば、導光体9の出光面41には被膜44が形成されている。その結果、導光体9を保護しつつ、保護シートを出光面41に取り付ける場合よりも、コストダウン、品質の向上、光効率の向上、及び工数の削減を実現できる。光効率は、例えば、複数の発光素子11から出射される光の強度に対する、一対の出光面41の一方又は双方からの出射光の強度の割合である。
【0060】
すなわち、保護シートを用意する必要がないため、照明装置1のコストダウンが実現される。また、保護シートを取り付ける場合は保護シートと出光面41との間に気体が入り込む可能性があるが、被膜44を形成することによって、被膜44と出光面41との間に気体が入り込むことを抑制できる。従って、出光面41からの出射光に明暗(明るさのムラ)が発生することが抑制され、照明装置1の品質が向上する。さらに、保護シートを取り付ける場合は、保護シートにより出光面41からの出射光が吸収されるが、被膜44を形成することによって、出射光の吸収を抑制でき、照明装置1の光効率を向上できる。さらに、保護シートを取り付ける工程を削減できるため、照明装置1を組み立てる工数を削減できる。
【0061】
被膜44は、例えば、有機系コート剤(例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、又はアクリル樹脂)、シリコン系コート剤(例えば、シラン化合物)、又は無機系コート剤(例えば、金属酸化物)からなる。
【0062】
さらに、本実施形態によれば、導光体9は、互いに対向する一対の出光面41を有する。従って、一対の出光面41はそれぞれ光を出射する。その結果、1個の出光面を有する場合と異なる照明を行うことができる。また、発光素子11の各々は、導光体9の中心に向けて光を出射する。従って、出光面41からの出射光に明暗(明るさのムラ)が発生することがさらに抑制される。
【0063】
次に、照明装置1の詳細を説明する。
図3を参照して、支持部材5について説明する。支持部材5は自在継手50を含む。従って、灯具本体3を任意に回転させ、出光面41を任意の方向に向けることができる。その結果、光を任意の方向に出射できる。
【0064】
本実施形態では、自在継手50は2軸ヒンジ機構である。具体的には、自在継手50は、回転軸15、U字状の支持部51、及び一対の板状の支持部53を含む。回転軸15は、灯具本体3に固定され、導光体9の出光面41(
図1参照)に略平行である。回転軸15は、筐体7の側面から灯具本体3の外部に向かって、導光体9の径方向に沿って延びる。
【0065】
回転軸15は、支持部51によって、軸線A1の回りに回転可能に支持される。その結果、灯具本体3は、軸線A1の回りに回転可能である。支持部51は、一対の支持部53の間に配置され、一対の支持部53によって、軸線A2の回りに回転可能に支持される。その結果、灯具本体3は、軸線A2の回りに回転可能である。
【0066】
図3を参照して、基板13の周方向の位置決めについて説明する。基板13の周方向は、導光体9の周方向に沿った方向である。筐体7のベース7Lには複数の円柱状の凸部19が形成される。複数の凸部19は、円環状に配置された2枚の基板13の外端面35に沿って配置される。各基板13は、外端面35に形成される複数の凹部31を有する。凸部19は凹部31に嵌合する。その結果、各基板13の周方向に沿った移動が規制され、基板13の周方向に沿った位置が定まる。各基板13は、外端面35に形成される角部33を有し、筐体7のベース7Lは、角部33に対応して凸部20を有してもよい。凸部20は角部33に当接される。なお、角部33は凹部の一例である。
【0067】
図3及び
図6を参照して、基板13の垂直方向及び径方向の位置決めについて説明する。基板13の径方向は、導光体9の径方向に沿った方向を示す。
図3に示すように、筐体7のカバー7Uには、カバー7Uの内周面に沿って、複数のリブ17が形成される。リブ17は、導光体9に向かって導光体9の径方向に沿って延設される。リブ17の先端は、導光体9に対して発光素子11よりも径方向外側に位置する。
【0068】
図6は、
図1のVI−VI線に沿った断面図であり、リブ17を通る鉛直面に沿って灯具本体3を切断した断面を示す。基板13は、ベース7Lとカバー7Uとで挟まれる。具体的には、基板13は、ベース7Lとカバー7Uの各リブ17とで挟まれる。その結果、各基板13の垂直方向に沿った移動が規制され、各基板13の垂直方向に沿った位置が定まる。また、ベース7Lに形成された凸部と導光体9の入光面43とに各基板13を当接させることによって、各基板13の径方向に沿った移動が規制され、各基板13の径方向に沿った位置が定まる。
【0069】
図6を参照して、導光体9の位置決めについて説明する。各基板13の内端面37は導光体9の入光面43に当接する。その結果、導光体9の径方向に沿った移動が規制され、導光体9の径方向に沿った位置が定まる。また、導光体9は、ベース7Lとカバー7Uとによって挟まれる。その結果、導光体9の垂直方向に沿った位置が定まる。さらに、基板13の当接、及びベース7Lとカバー7Uとによる挟持によって、導光体9の周方向に沿った移動が規制される。その結果、導光体9の周方向に沿った位置が定まる。
【0070】
以上のように、
図3及び
図6を参照して説明したように、本実施形態によれば、ベース7Lの凸部19を基板13の凹部31に嵌合させ、基板13をベース7Lとカバー7Uとで挟むことによって、基板13の位置決めを行う。加えて、基板13の内端面37を導光体9の入光面43に当接させることによって、導光体9の位置決めを行う。従って、ネジを使用することなしに、基板13及び導光体9の位置決めを行うことができる。その結果、部品点数の削減及び組立工数の削減を実現できる。
【0071】
図7は、本実施形態の変形例に係る照明装置1を示す斜視図である。本変形例に係る照明装置1は、本実施形態に係る照明装置1の支持部材5に代えて、吊下げ部材60を備える。吊下げ部材60は、天井に固定された固定具65(例えば、フランジ)に固定され、灯具本体3を吊り下げる。吊下げ部材60は複数本の線状部材61を含む。線状部材61は、例えば、ワイヤー、コード、又はチェーンである。線状部材61の材質は、例えば、金属及び/又は合成樹脂である。照明装置1は、各発光素子11(
図3参照)に電源電圧を供給する電源ケーブル63を含む。なお、
図1〜
図6では、電源ケーブルの図示を省略している。また、
図7では、被膜44(
図5参照)の図示が省略されている。
【0072】
以上、
図1〜
図7を参照して説明したように、本実施形態(以下、本変形例を含む。)によれば、各基板13の実装面14が導光体9の出光面41に沿っているため、導光体9からの出射光の明暗(明るさのムラ)の発生を簡易に抑制しつつ、照明装置1のデザインの制約を軽減できる。
【0073】
以上、図面(
図1〜
図7)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(8))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0074】
(1)本実施形態では、導光体9は円形状であるが、導光体9の形状は、限定されず、任意である。例えば、導光体9は多角形状でもよい。例えば、導光体9は、円環状、又は多角環状でもよい。この場合、導光体9の外端面が入光面43でもよいし、導光体9の内端面が入光面43でもよい。
【0075】
具体的には、本実施形態では、入光面43は、円周を形成する曲面であるが、任意の形状をとることができる。例えば、導光体9の入光面43は、単数又は複数の任意の曲面で形成されてもよいし、複数の任意の平坦面で形成されてもよいし、単数又は複数の曲面と単数又は複数の平坦面とで形成されてもよい。
【0076】
(2)導光体9の入光面43が任意の形状をとる場合でも、基板13の内端面37は、入光面43の形状に沿った形状に形成される。また、本実施形態では、2枚の基板13を実装したが、1枚の基板、又は3枚以上の基板によって、導光体9の入光面43を囲んでもよい。
【0077】
(3)本実施形態では、筐体7は円環状であり、開口部23は円形状であるが、筐体7及び開口部23の形状は、限定されず、任意である。また、灯具本体3は、支持部材5により壁に固定され、又は吊下げ部材60により天井に固定されたが、灯具本体3は、任意の部材又は器具により、任意の場所に固定されてよい。また、灯具本体3は、移動可能なように配置されてもよい。
【0078】
(4)本実施形態では、発光素子11は、側面発光型LEDであるが、上面発光型LEDを採用することもできる。この場合は、発光素子11の光を入光面43に導くための光学系を設ける。
【0079】
(5)本実施形態では、入光面43は粗面化されているが、光拡散処理は、粗面化に限定されず、例えば、被膜を形成する処理、又は化学処理でもよい。
【0080】
(6)本実施形態では、照明装置1の各構成要素の好適な例を示したが、光拡散処理は必要に応じて省略することができる。また、出光面41に被膜44が形成されなくてもよい。例えば、出光面41に保護シートを取り付けてもよい。さらに、筐体7は、電気絶縁性を有しなくてもよい。例えば、筐体7は金属により形成されてもよい。この場合、放熱効果を向上できる。
【0081】
(7)本実施形態では、基板13は、複数の凹部31を有するが、凹部31に代えて、複数の孔部を有してもよい。孔部は、基板13を貫通してもよいし、貫通しなくてもよい。ベース7Lの凸部19は孔部に嵌合する。また、基板13は凹部31及び孔部を有し、ベース7Lは凹部31及び孔部に対応して凸部19を有してよい。
【0082】
また、本実施形態では、ネジを使用することなしに、基板13及び導光体9の位置決めを行うが、基板13及び/又は導光体9をネジ等の固定部材により位置決めしてよい。
【0083】
(8)本実施形態では、導光体9の一対の主面が、一対の出光面41であるが、一対の主面のうちの一方を出光面41にしてもよい。この場合、一対の主面のうちの他方に反射要素を形成又は取り付けてもよい。また、導光体9は、導光板であるが、板状に限定されず、例えば、円柱状、角柱状、立方体状、又は直方体状でもよい。