【文献】
「餓狼伝説☆双撃」,パチスロ必勝ガイドMAX 8月号,吉良 誠二 株式会社ガイドワークス,2012年 8月 1日,第1巻,p.24-29,主にp.24右下欄,p.25右下欄を参照
【文献】
「パチスロリングにかけろ1 ギリシア十二神編」,パチスロ必勝ガイドMAX 11月号増刊,吉良 誠二 株式会社ガイドワークス,2012年 9月25日,第1巻,p.24-39,主にp26,p28右上欄を参照
【文献】
「KOF3」,パチスロ必勝ガイドMAX 11月号増刊,吉良 誠二 株式会社ガイドワークス,2012年 9月25日,第1巻,p.58-59,主にp59右上欄
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を、
図1〜
図15に基づいて説明する。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在に設けられた前扉3を有している。前記筐体11の内部において、開口上部には、3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、ホッパーユニット65と、電源ユニット5が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
【0015】
前記前扉3は、筐体11にヒンジ(図示せず)を介して水平方向に回動自在に取り付けられた板状の扉である。前扉3には、
図1に示すように、遊技者側に向かって臨む正面パネル12が設けられており、正面パネル12には、3個の回転リール40の図柄を視認可能な図柄表示窓13が形成されている。そして、この図柄表示窓13の下方であってスロットマシン10の高さ方向略中央部は、スロットマシン10を作動させるためのものであって、遊技を進行させるために操作される操作手段が設けられたカウンター状の操作部3Aとなっている。操作手段としては、メダル投入口14、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50が設けられている。なお、操作手段としては、その操作によりスロットマシン10により行われる演出に関わる選択を行うことができる演出選択スイッチが設けられていてもよい。前扉3の下部には、ホッパーユニット65から払い出されたメダルを受ける下皿3Bが設けられている。また、メダル投入口14の下方であって前扉3の裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター4が設けられている。
【0016】
前記リールユニット60は、筐体11の内部に収納される枠体に固定された3個のステッピングモータ(図示せず)と、各ステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール40から構成されている。ここで、3個の回転リール40について、個々の回転リール40を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置する回転リール40を左リール41と称し、中央に位置する回転リール40を中リール42と称し、右側に位置する回転リール40を右リール43と称するものとし、個々の回転リール40を特定しない場合には、単に回転リール40というものとする。
各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの表面には、
図3に示すように、「赤7」、「青7」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルa」、「ベルb」、「ベルc」、「BAR」、「チェリー」、「ダミー」などの図柄が、1つの回転リール40につき21個ずつ、表示されている。なお、「ダミー」は、役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄に含まれない図柄である。また、
図3において左端の数字は、各図柄を特定するための図柄番号を示している。
【0017】
そして、スロットマシン10を正面視したとき、図柄表示窓13からは、各回転リール40の図柄がそれぞれ3個ずつ、合計9個視認できるようになっている。
また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ60A(
図2参照)に検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとステッピングモータをつなぐスポークに設けられた突片とすることができる。
前記ホッパーユニット65は、
図1に示すように、筐体11の内部に設けられた払い出し装置であって、遊技の結果に基づいて、遊技者にメダルを払い出すためのものである。前記電源ユニット5は、スロットマシン10の主電源のON/OFFを行うためのものである。
【0018】
(制御装置20)
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図2に示すように、メイン制御装置21及びサブ制御装置22を構成する。
ここで、メイン制御装置21の制御に基づくスロットマシン1の作動状態を遊技状態といい、サブ制御装置22の制御に基づくスロットマシン1の作動状態をサブ状態という。
【0019】
そして、制御装置20の入力側には、
図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50、インデックスセンサ60Aの各パーツが接続されている。
前記メダルセンサ15は、
図1に示すように、メダルセレクター4に内蔵された検知センサであって、投入された遊技メダルの通過を検知するものである。
前記ベットスイッチ16は、カウンター状の操作部3Aの上面左側に設けられたボタンスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、次ゲーム以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシン10は、メダル投入口14から投入されたメダル、又は入賞により払い出されるメダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
【0020】
前記精算スイッチ17は、操作部3Aの上面左端に設けられたボタンスイッチであって、クレジットを払い戻すためのものである。
前記スタートスイッチ30は、操作部3Aの正面左側に設けられたレバー状のスイッチであって、回転リール40を回転開始させるためのものである。スタートスイッチ30の筐体内部側には、特に図示しないが、レバーの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサが設けられており、センサの検出信号がスタートスイッチ30の操作信号として扱われるようになっている。
ストップスイッチ50は、操作部3Aの正面中央部に設けられた3個のボタンスイッチであって、回転中の回転リール40を停止させるためのものである。ここで、3個のストップスイッチ50について、個々のストップスイッチ50を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置するストップスイッチ50を左停止スイッチ51と称し、中央に位置するストップスイッチ50を中停止スイッチ52と称し、右側に位置するストップスイッチ50を右停止スイッチ53と称するものとし、個々のストップスイッチ50を特定しない場合には、単にストップスイッチ50というものとする。3個のストップスイッチ50は、それぞれ、3個の回転リール40に対応して設けられている。具体的には、左リール41には左停止スイッチ51が対応し、中リール42には中停止スイッチ52が対応し、右リール43には右停止スイッチ53が対応している。各ストップスイッチ50の筐体内部側には、特に図示しないが、ボタンの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサがそれぞれ設けられており、センサの検出信号が各ストップスイッチ50の操作信号として扱われるようになっている。そして、左停止スイッチ51の操作により左リール41を停止させることができ、中停止スイッチ52の操作により中リール42を停止させることができ、右停止スイッチ53の操作により右リール43を停止させることができる。
【0021】
前記インデックスセンサ60Aは、特に図示しないが、リールユニット60の枠体に設けられた検知部であって、回転リール40の回転を検知するためのものである。
一方、制御装置20の出力側には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、液晶表示装置67、ランプ68、スピーカ69の各パーツが接続されている。液晶表示装置67は、
図1に示すように、図柄表示窓13の上側に設けられており、入賞の報知その他の演出画像を表示するためのものである。ランプ68は正面パネル12の周囲に設けられており、発光体の点灯又は点滅により入賞等を報知するためのものである。スピーカ69は、下皿3Bの奥壁に設けられており、BGMや操作音等、所定の音声を出力するためのものである。
【0022】
(メイン制御装置21)
メイン制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、メイン制御装置21は、
図2に示すように、役抽選手段70、遊技状態移行制御手段80、リール制御手段90、遊技結果判定手段100、払出制御手段110、信号出力手段120などの各手段として機能する。
(役抽選手段70)
役抽選手段70は、所定の図柄組合せが対応付けられた役について当選か否かの役抽選を行うものであり、
図2に示すように、役抽選テーブル71と、判定手段72とを備えている。そして、スタートスイッチ30の操作信号受信のタイミングで、図示しないカウント抽出手段が、図示しないループカウンタの数値を読み取り、判定手段72がこの数値と役抽選テーブル71とを比較して、当選の有無を判定するものである。
【0023】
役抽選テーブル71は、前記ループカウンタがカウントする数値(例えば0〜65535)を全領域として各当選項目の当選領域を規定したものである。なお、役抽選テーブル71の詳細については後述する。判定手段72は、カウント抽出手段がピックアップしたカウントデータと、前記役抽選テーブル71の当選判定領域データとを照合し、カウントデータが所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウントデータがいずれの当選領域にも属さない場合には、ハズレの決定をするものである。
ここで、スロットマシン10は、ストップスイッチ50の操作によって所定の当選した役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃って表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。前記役としては、
図4に示すように、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次ゲームにおいて遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、入賞により次ゲームからボーナスゲームが開始されるボーナス役とを備えている。ボーナス役が入賞すると、次ゲームからボーナスゲームが開始される。再遊技役が入賞すると、再遊技が作動し、次ゲームにおいて、ベットすることなくスタートスイッチ30が操作可能となる。小役が入賞すると、所定枚数のメダルが払い出される。
【0024】
なお、有効ラインとは、3個の回転リール40のそれぞれに表示されている図柄であって図柄表示窓13の上段、中段、下段に位置する各回転リール40につき1個ずつの図柄を繋いでできるライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。入賞ラインは、あらかじめ定められた規定数のメダルをベットすることにより有効ラインになる。本実施の形態においては、
図1に示すように、各回転リール40の中段に位置する図柄を繋いでできる中段ラインL1と、各回転リール40の下段に位置する図柄を繋いでできる下段ラインL2と、左リール41の上段に位置する図柄、中リール42の中段に位置する図柄、右リール43の下段に位置する図柄を繋いでできる右下がりラインL3とが入賞ラインとして設定されている。ここで、規定数とは、1回の遊技を行うために賭けることができるメダル数である。本実施の形態では、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットすると、入賞ラインL1〜L3が有効になる。
【0025】
図4に示すように、前記ボーナス役としては、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せが対応付けられたBB(ビッグボーナス)役と、「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが対応付けられたRB(レギュラーボーナス)役が設けられている。また、再遊技役としては、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられたリプレイ1役と、「リプレイ・リプレイ・ベル(ベルa又はベルb又はベルc)」の図柄組合せが対応付けられたリプレイ2役と、「リプレイ・ベル(ベルa又はベルb又はベルc)・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられたリプレイ3役とが設けられている。そして、小役としては、入賞により9枚のメダルが払い出される28個のベル役と、入賞により1枚のメダルが払い出されるスイカ役とチェリー役が設けられている。スイカ役には「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄組合せが対応付けられており、チェリー役には、「チェリー・ANY・ANY」(ANYは何の図柄でもよい)の図柄組合せが対応付けられている。
【0026】
前記した28個のベル役は、ベルa図柄、ベルb図柄、ベルc図柄(以下ベル図柄と総称する)の3種類の図柄の順列により構成される27個のベル役(ベル1役〜ベル27役)と、左リール41における3種類のベル図柄、中リール42における赤7図柄、青7図柄、チェリー図柄の3種類の図柄及び右リール43における赤7図柄、青7図柄、チェリー図柄の3種類の図柄の組合せにより構成される27個の図柄組合せが対応付けられたベル28役とからなる。
前記ボーナス役が入賞すると、次ゲームからボーナスゲームが開始される。すなわち、BBが入賞した場合にはビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始され、RBが入賞した場合にはレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される。BBゲームは、RBゲームが連続して行われる遊技期間である。RBゲームは、他の遊技期間に比べて小役の当選確率が高く設定された遊技期間であり、所定回数の入賞又は所定回数のゲーム消化により終了する。そして、BBゲームに移行すると、RBゲームが無条件で、すなわちRBゲームに移行させるための図柄(RB図柄)を揃えることなく開始され、1回のRBゲームが終了すると、再び無条件で次のRBゲームが開始される。BBゲームは、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数を超えた場合に終了する。
【0027】
なお、BBゲーム中に、所定のRB図柄を揃えた場合にRBゲームが開始されるようにしてもよい。また、ボーナス役が入賞した場合に、所定枚数(例えば15枚)のメダルを払い出すようにしてもよい。また、ボーナスゲームの終了条件を、他の条件(例えばゲーム回数)としてもよい。また、ボーナスゲーム中の規定数を、例えば1枚にしてもよく、1枚のメダルのベットにより、入賞ラインL1〜L3のいずれかが有効になるようにしてもよいし、異なるライン、例えば上段ラインのみが有効になるようにしてもよい。
ここで、役抽選の結果、いずれかの役が当選すると、当選した役に対応する当選フラグが成立する。当選した役がボーナス役の場合にはボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)が、当選した役が小役の場合には小役フラグ(ベル1フラグ〜ベル28フラグ、スイカフラグ、チェリーフラグ)が、当選した役が再遊技役の場合にはリプレイフラグ(リプレイ1フラグ、リプレイ2フラグ、リプレイ3フラグ)がそれぞれ成立する。小役フラグ及びリプレイフラグは当該遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナス役が入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス役に当選した場合には、当選の権利が次ゲーム以降に持ち越されるようになっている。また、ボーナスフラグが持ち越されている間(ボーナス内部中)は、ボーナス役の当選判定は行われない。また、本実施の形態では、以下に述べるように、役抽選テーブル71には、複数の役が同時に当選となる重複当選領域が設けられており、カウント抽出手段が抽出したループカウンタのカウントデータが前記した重複当選領域に属する場合には、当該領域に含まれる役の全てについて、それぞれに対応する当選フラグを成立させることになる。
【0028】
(役抽選テーブル71)
本実施の形態における役抽選テーブル71の概念図を
図5に示す。ここで、
図5は、複数の役抽選テーブル71に設定されている当選領域の有無を示したものであり、役抽選テーブル71に左欄に示した当選領域が含まれている場合を丸印で表し、その当選領域が含まれていない場合には無印で表している。
役抽選テーブル71としては、
図5に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、RT状態において用いられるRTテーブルと、ボーナス内部中状態において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中状態において用いられるボーナス中テーブルとが設けられている。
【0029】
ここで、通常状態とは、スロットマシン10の初期状態(工場出荷時又は設定変更後)の遊技状態である。RT状態とは、再遊技役の当選確率が通常状態とは異なるように設定されている遊技状態であり、いわゆるリプレイタイムと呼ばれるものである。ボーナス内部中状態とは、ボーナスフラグが持ち越されている遊技状態であり、ボーナス作動中状態とはボーナスゲームが行われる遊技状態である。
各役抽選テーブル71には、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域が設定されている。
図5において、「リプレイA」「スイカ」「チェリー」「BB」「RB」の当選領域は、それぞれ、リプレイ1役、スイカ役、チェリー役、BB役、RB役の単独当選領域である。一方、「左ベル1」から「右ベル3」までの9個の当選領域は、それぞれ、複数のベル役の重複当選領域となっている。具体的には、
図4に示すベル1役〜ベル27役のうちのいずれかのベル役と、ベル28役が同時に当選する当選領域である。また、「リプレイB」の当選領域は、リプレイ1役、リプレイ2役及びリプレイ3役の重複当選領域であり、「ベル」の当選領域は、ベル役全ての重複当選領域となっている。
【0030】
ここで、上記した「左ベル1」〜「右ベル3」の9個の重複当選領域に対しては、3個のストップスイッチ50に基づく3通りの操作順序(押し順)が、それぞれ割り当てられている。具体的には、「左ベル1」〜「左ベル3」の各当選領域に対しては、左停止スイッチ51を最初に操作する押し順(左第一停止)が、「中ベル1」〜「中ベル3」の各当選領域に対しては、中停止スイッチ52を最初に操作する押し順(中第一停止)が、「右ベル1」〜「右ベル3」の各当選領域に対しては、右停止スイッチ53を最初に操作する押し順(右第一停止)が、それぞれ割り当てられている。割り当てられている押し順が、各当選領域の当選に対する正解の押し順となる。以下、「左ベル1」から「右ベル3」までの9個の当選領域に含まれる当選領域を「押し順ベル」と総称するものとする。そして、いずれかの「押し順ベル」が当選した場合、正解の押し順で、ストップスイッチ50が操作(停止操作)されたか否かによって、ベル役が入賞し得るか否かが変化するようになっているが、これについては後述する。
【0031】
なお、押し順の設定は、上記した3通りを設定する場合に限られない。例えば、各当選領域に、3個のストップスイッチ50に基づく6通りの押し順(左中右、左右中、中左右、中右左、右中左、右左中)をそれぞれ割り当てることもできる。
さらに、「リプレイB」の当選時には、ストップスイッチ50の押し順により、入賞する再遊技役が変化するようになっているが、この詳細については後述する。
さて、
図5では明記していないが、各役抽選テーブル71における小役の、当選領域の全領域に対する割合(以下当選確率という)は、通常テーブル、RTテーブル及び内部中テーブルにおいては、同等に設定されている。ボーナス中テーブルでは、全ての小役の当選確率の合計が他のテーブルに比べて非常に高く、例えば約1/1.1に設定されている。また、「リプレイB」の当選領域は通常テーブルにのみ設けられており、ボーナス中テーブルには再遊技役の当選領域は設けられていない。各役抽選テーブル71における再遊技役の当選確率は、RTテーブルが最も高く、通常テーブル及び内部中テーブルはそれよりも低くなるように設定されている。例えば、RTテーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/1.5に設定されており、通常テーブル及び内部中テーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されている。これにより、遊技状態がRT状態である遊技は、新たにメダルを投入することなく遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなる。
【0032】
なお、上記した役抽選テーブル71の構成や当選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではない。
(遊技状態移行制御手段80)
遊技状態移行制御手段80は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うものであり、図示しないが、移行条件判定手段と、状態記憶手段と、遊技カウンタとを備えている。
移行条件判定手段は、役抽選の結果、後述する遊技結果判定手段100の判定結果、及び以下に述べる遊技カウンタの計測値に基づいて、遊技の状況が、遊技状態を移行させるための所定条件に該当するか否かを判定するためのものである。また、状態記憶手段は、前記移行条件判定手段の判定結果及び役抽選手段70の抽選結果に基づいて、現在の遊技状態を記憶するためのものである。遊技カウンタは、遊技に関する数値を計測するものである。具体的には、ボーナスゲーム中のゲーム回数、入賞回数、払出枚数などのカウントなどを行うものである。
【0033】
移行条件判定手段は、役抽選の結果に基づいてボーナス内部中状態への移行及びRT状態の終了を決定し、遊技結果判定手段100の判定結果に基づいて、ボーナス内部中状態の終了、ボーナス作動中状態への移行、再遊技の作動、RT状態への移行又は終了(通常状態への移行)を決定し、遊技カウンタの計測値に基づいて、ボーナス作動中状態の終了などを決定する。そして、状態記憶手段が記憶している記憶内容に応じて、役抽選手段70が対応する役抽選テーブル71を選択し役抽選を行うことにより、通常状態、RT状態、ボーナス内部中状態、ボーナス作動中状態などの所定の遊技状態が発動するようになっている。なお、遊技状態の移行の具体例については後述する。
【0034】
(リール制御手段90)
リール制御手段90は、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものであり、特に図示しないが、回転制御手段と、停止制御手段とを備えている。
(回転制御手段)
回転制御手段は、スタートスイッチ30の有効な操作信号を受信した場合に、リールユニット60のステッピングモータを駆動させて回転リール40の回転を開始させるものである。具体的には、遊技状態ごとにあらかじめ定められた規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ30の操作信号を入力した場合に、所定のウエイト時間(前ゲームのスタートスイッチ30の操作から4.1秒)が経過していることを条件として、各ステッピングモータに駆動信号を出力することにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせるものとなっている。
【0035】
(停止制御手段)
停止制御手段は、少なくとも役抽選の結果及びストップスイッチ50が操作された時点における対応する回転リール40の回転位置に基づいて、回転リール40の回転を適位置で停止させるものである。
停止制御手段は、リールユニット60に設けられた回転リール40の回転を検知するためのインデックスセンサ60A(
図2参照)の検知信号に基づき、現時点における回転リール40の回転角度を把握し、ストップスイッチ50が操作された時点での回転リール40の回転角度から、所定の有効ライン上に位置している図柄を特定することができるようになっている。そして、特定された図柄を基準として、この基準図柄から回転方向にあらかじめ定められた個数(最大スベリコマ数、本実施の形態では4コマ)移動したときの図柄までの範囲(具体的にはストップスイッチ50が操作されてから190msec以内)で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。換言すれば、停止制御手段は、ストップスイッチ50が操作された時点から対応する回転リール40が停止するまでに、この回転リール40が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数の範囲内となるように、ステッピングモータの駆動停止を制御するものである。ここで、「コマ」とは、回転リール40の周囲に付された図柄1個分に相当する範囲を意味するものであり、回転リール40のコマ数は21コマである。
【0036】
停止制御手段は、役抽選の結果がいずれかの役の当選の場合(すなわちいずれかの当選フラグが成立している場合)には、各回転リール40の回転を停止させるに際し、当選した役に対応した図柄組合せが有効ライン上に極力揃うように、かつ、当選していない役に対応した図柄組合せについてはいずれの有効ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、役抽選の結果がハズレの場合(すなわちいずれかの当選フラグも成立していない場合)には、いずれの有効ライン上にも、いずれの役に対応した図柄組合せも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。具体的には、前記基準図柄をその位置に停止させてもよい場合にはそのまま回転リール40を停止させ、その位置に停止させてはいけない場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上からその図柄を蹴飛ばして停止させる。また、最大スベリコマ数の範囲内に、当選した役に対応した図柄組合せを構成する図柄が含まれている場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上にその図柄を引き込んで停止させる。
【0037】
また、本実施の形態では、複数の当選フラグが同時に成立している場合があり、このような場合に引き込み制御において、内部当選状態に設定されている複数の役のうちいずれの役に対応した図柄を優先して引き込むかをあらかじめ設定している。具体的には、引き込み優先順位を、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に設定している。さらに、小役間の引き込み優先順位として、払い出し数優先と、組み合わせ数優先との2種類の優先順位が設定されている。払い出し数優先とは、払い出し枚数が多いほど優先順位が高くなるように設定されたものである。組み合わせ数優先とは、有効ライン上に停止表示される図柄の組み合わせの数が多いほど優先順位が高くなるように設定されたものである。なお、払い出し数優先においては、同一の払い出し枚数の小役に重複して当選した場合には、それらの小役の引き込み優先順位は同一となる。また、引き込み優先順位は、これに限られるものではない。
【0038】
そして、本実施の形態では、停止制御手段は、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を、回転リール40の停止位置をあらかじめ定めた停止テーブルを参照して制御を行うテーブル制御により行うものとなっている。停止テーブルには、当選フラグの成立の有無、ストップスイッチ50の操作のタイミング、ストップスイッチ50の操作順序、既に停止している回転リール40の停止位置(言い換えれば有効ライン上に停止している図柄の種類)、引き込み優先順位などに応じて、回転リール40の停止位置が設定されている。
また、停止図柄の情報は所定の記憶部に記憶される。
ここで、「押し順ベル」当選時の停止制御について説明する。
【0039】
本実施の形態では、
図3のリール図柄の配列に示すように、ベル1〜27役に対応した図柄組合せを構成する図柄は、全ての回転リール40において、最大スベリコマ数の範囲内で有効ライン上に引き込み可能となるように配置されているわけではないので、ストップスイッチ50の操作のタイミングにより、それらの図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込める場合もあるし、引き込めない場合もある。一方、ベル28役に対応した図柄組合せを構成する図柄は、個々の図柄組合せについてみると、全ての回転リール40において、最大スベリコマ数の範囲内で有効ライン上に引き込み可能となるように配置されているものではないが、ベル28役が当選している場合には、ストップスイッチ50の操作のタイミングに関わらず、ベル28役に対応したいずれかの図柄組合せを構成する図柄を、有効ライン上に引き込むことができるようになっている。
【0040】
停止制御手段は、役抽選により、いずれかの「押し順ベル」が当選した場合には、ストップスイッチ50の操作態様に応じて、ベル役に対応した図柄組合せか、あるいは他のいずれの役に対応付けられた図柄組合せにも該当しない特定のハズレの図柄組合せであるブランク(ベルブランク)を有効ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
具体的には、当選した「押し順ベル」に対して割り当てられている正解の押し順でストップスイッチ50が操作されると、ストップスイッチ50の操作のタイミングに関わらず、中リール42及び右リール43において、ベル1〜27役に対応する図柄(ベルa図柄、ベルb図柄、ベルc図柄)に優先して、ベル28役に対応するいずれかの図柄(赤7図柄、青7図柄又はチェリー図柄)を有効ライン上に引き込んで、ベル28役を入賞させる。前記したように、この場合には、ベル28役が必ず入賞する。一方、その正解の押し順以外の押し順(不正解の押し順)でストップスイッチ50が操作された場合には、中リール42及び右リール43において、ストップスイッチ50の操作のタイミングが、ベル1〜27役のうちのいずれかのベル役に対応する図柄を有効ライン上に引き込み可能な場合には、当該図柄を有効ライン上に引き込んで、ベル役を入賞させることができる。しかし、ベル1〜27役のうちのベル役に対応する図柄のうちのいずれも有効ライン上に引き込むことができない場合には、ベルブランクを有効ライン上に停止表示させ、この場合には入賞はしない。
【0041】
このように、「押し順ベル」が当選した場合において、当該「押し順ベル」に設定された正解の押し順でストップスイッチ50が操作された場合には、必ずベル28役が入賞し、正解の押し順でストップスイッチ50が操作されなかった場合には、ベル28役は入賞せず、ベル1〜27役のうちのいずれかが入賞するか、あるいは何の役も入賞しないようになっている。
さらに、停止制御手段は、「リプレイB」が当選した場合には、ストップスイッチ50の押し順によって、入賞する再遊技役が変化するように停止制御を行う。具体的には、「リプレイB」の当選時において、左第一停止又は中第一停止でストップスイッチ50が操作された場合には、中リール42又は右リール43において、ベル図柄に優先して、リプレイ図柄を有効ライン上に引き込んで、リプレイ1役を入賞させる。また、「リプレイB」の当選時において、右第一停止でストップスイッチ50が操作された場合には、右リール43において、リプレイ図柄に優先して、ベル図柄を有効ライン上に引き込んで、リプレイ2役を入賞させる。後述するが、通常状態中にリプレイ2役が入賞すると、遊技状態がRT状態に移行するようになっている。
【0042】
(遊技結果判定手段100)
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ50の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、停止制御手段の記憶している停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄組合せが、所定の役に対応するものか否かを判断し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には、その判定結果情報を、払出制御手段110及び遊技状態移行制御手段80に送信する。また、役に対応する図柄組合せではないが、遊技状態の移行契機となっている図柄組合せが表示されたと判断した場合には、その判定結果情報を、遊技状態移行制御手段80に送信する。判定結果情報を受信した遊技状態移行制御手段80は、ボーナス作動中状態やRT状態への移行処理、あるいは再遊技作動処理を行う。再遊技が作動すると、次ゲーム開始前に、自動的に規定数のメダルが投入された扱い(自動ベット)とされる。具体的には、ベットスイッチ16の操作又はメダル投入によらず、図示しない所定のベット表示部にベット表示(掛け枚数の表示)がされて、その後のスタートスイッチ30の操作が可能となる。さらに、サブ制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、液晶表示装置67やランプ68やスピーカ69により、入賞やボーナスゲームの開始に際して所定の演出が行われる。
【0043】
(払出制御手段110)
払出制御手段110は、ホッパーユニット65によるメダルの払い出しを制御するものである。具体的には、遊技結果判定手段100の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出させる。すなわち、遊技結果判定手段100が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出し、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(遊技状態の移行)
ここで、上記した遊技状態移行制御手段80の制御に基づく遊技状態の移行について、
図6を参照しつつ説明する。本実施の形態では、上述したように、遊技状態として、通常状態、ボーナス内部中状態、ボーナス作動中状態及びRT状態を有している。また、ボーナス作動中状態として、BB状態及びRB状態を有している。
【0044】
本実施の形態におけるスロットマシン10は、初期状態(工場出荷時)の遊技状態は、通常状態となっている。すなわち、役抽選手段70は、役抽選に用いる役抽選テーブル71として通常テーブル(
図5参照)を取得している。そして、通常状態中に、ボーナス役が当選した場合にはボーナス内部中状態に移行し、ボーナス内部中状態において、BB役が入賞した場合には、ボーナス作動中状態のうちBB状態に移行し、RB役が入賞した場合には、ボーナス作動中状態のうちRB状態に移行する。そして、あらかじめ定められた枚数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス作動中状態が終了し、通常状態に移行する。これにより、ボーナスゲームが終了する。本実施の形態では、BBゲームは、299枚を超えるメダルが払い出されると終了するように設定され、RBゲームは、59枚を超えるメダルが払い出されると終了するように設定されている。
【0045】
一方、通常状態中にリプレイ2役が入賞した場合には、RT状態に移行する。また、RT状態中(以下RT中と省略する)に、ボーナス役が当選した場合にはボーナス内部中状態に移行し、ベルブランクが表示された場合には通常状態に移行するようになっている。ここで、通常状態中においては、所定条件の下で、後述するAT制御手段130の制御に基づき、「リプレイB」が当選した場合に、リプレイ2役を入賞させるためのストップスイッチ50の押し順(右第一停止)を報知(ナビ)するナビ演出(移行ナビ)が行われるとともに、RT中においては、「押し順ベル」が当選した場合に正解の押し順をナビするナビ演出(ベルナビ)が行われるようになっているが、これについては後述する。
【0046】
なお、メイン制御装置21は、図示しない信号出力手段が設けられており、サブ制御装置22に、遊技の進行に関する情報や所定のコマンドを出力するようになっている。例えば、現時点の遊技状態、役抽選の結果、停止操作の態様、遊技結果、メダルの払い出しなど、遊技の進行に関する情報や、演出を開始させたり終了させたりするためのコマンドを、所定の契機で、サブ制御装置22に出力する。
(サブ制御装置22)
サブ制御装置22は、メイン制御装置21からの出力信号に基づいて、液晶表示装置67やランプ68やスピーカ69等の演出装置に演出を実行させるものである。サブ制御装置22は、
図2に示すように、サブ状態移行制御手段140、特定演出制御手段150、演出実行制御手段160、AT制御手段170、ATゲーム数加算手段180の各手段として機能する。
【0047】
なお、サブ制御装置22には、図示しない信号入力手段が設けられており、メイン制御装置21からのコマンドや遊技の進行に関する情報信号を入力するようになっている。サブ制御装置22は、これらの信号入力によって、メイン制御装置21の制御に基づく遊技の状況を把握することができるものであるが、サブ制御装置22からメイン制御装置21への信号出力はできないようになっている。
(サブ状態移行制御手段140)
サブ状態移行制御手段140は、サブ状態を決定し、複数のサブ状態の間でサブ状態を移行させる制御を行うものであり、特に図示しないが、移行条件判定手段と、サブ状態記憶手段とを備えている。
【0048】
移行条件判定手段は、メイン制御装置21から入力した諸情報に基づいて、遊技の状況が、サブ状態を移行させるための所定条件に該当するか否かを判定するためのものである。具体的には、移行条件判定手段は、メイン制御装置21から入力した所定の遊技結果情報(遊技状態に関する情報、当該遊技での停止図柄の情報)に基づいて、所定のサブ状態への移行又は終了(他のサブ状態への移行)を決定するようになっている。なお、サブ状態の移行の具体例については後述する。
また、サブ状態記憶手段は、前記移行条件判定手段の判定結果に基づいて、現在のサブ状態を記憶する所定のサブ状態フラグを成立させるためのものである。ここで、サブ状態には、AT(アシストタイム)が実行される状態であるAT状態と、それ以外のサブ状態である非AT状態がある。ATとは、当選した役に関する情報(本実施の形態では押し順)を遊技者に報知する補助演出としての所定のナビが行われる複数ゲームにわたる補助演出状態である。AT状態には、
図7に示すように、ART準備状態と、ART状態が設けられている。非AT状態には、サブ通常状態及びボーナス中状態が設けられている。ART状態とは、メイン状態がRT状態中にATが行われる遊技期間(アシストリプレイタイム)である。ボーナス中状態は、メイン状態がボーナス作動中状態である場合のサブ状態である。サブ通常状態は、AT状態にもボーナス中状態も該当しない通常のサブ状態である。
【0049】
前記ART準備状態は、メイン状態が通常状態である場合のAT状態であって、メイン状態がRT状態に移行するまでの準備状態である。非AT状態であるサブ通常状態では、原則として、ベルナビや移行ナビは行われない。このため、サブ状態がAT状態である遊技は、サブ状態がサブ通常状態である遊技よりも遊技者にとって有利なものとなっている。
メイン状態がRT状態に移行すると、AT状態はART状態となる。また、ART状態には、通常ART状態と、特別ART状態が設けられている。通常ART状態は、「押し順ベル」の当選時に上述したベルナビが行われる補助演出状態であり、特別ART状態は、ATのゲーム数を高確率で上乗せし得る特別演出状態である。
【0050】
そして、サブ状態記憶手段は、移行条件判定手段の決定に基づいて、上記した各サブ状態それぞれに対応するサブ状態フラグをセットし、又はリセットする。なお、サブ通常状態については、サブ状態フラグをセットしないようにしてもよい。サブ状態フラグの有無及び種類に応じて、特定演出制御手段150及びAT制御手段170の制御内容が変化する。
(サブ状態の移行)
上記構成を有するサブ状態移行制御手段140の制御に基づくサブ状態の移行の具体例を、
図7に基づき説明する。
前述したように、スロットマシン10は、初期状態(工場出荷時等)においては、遊技状態は通常状態であり、サブ状態もサブ通常状態となっている。そして、サブ通常状態中に、後述するAT抽選に当選すると、ART準備状態に移行する。すなわち、移行条件判定手段がART準備状態への移行を決定し、サブ状態記憶手段がART準備状態中フラグをセットする(サブ状態移行時において以下同様)。ART準備状態中においては、上述したベルナビ及び移行ナビが行われるようになっている。
【0051】
ここで、通常状態中は、「押し順リプレイ」として「リプレイB」が抽選対象となっている(
図5参照)。ART準備状態中において、「リプレイB」の当選時には、右第一停止を促す移行ナビが行われる。そして、当該移行ナビに従うことで、メイン状態がRT状態に移行する。
メイン状態がRT状態に移行すると、サブ状態は、通常ART状態に移行する。通常ART状態は、1セット40ゲームを基本としてゲーム数が上乗せされた場合には上乗せゲーム数を加えたゲーム数により管理されるものとなっている。そして、通常ART状態においては、原則として、ATのゲーム数のカウント(本実施の形態では減算)が行われ、設定されたゲーム数(40ゲーム+上乗せゲーム数)を消化したときに、サブ状態は、サブ通常状態に移行する。なお、例外として、ATのゲーム数のカウントが行われない場合と、設定されたゲーム数を消化してもAT状態が終了しない場合があるが、これについては後述する。
【0052】
通常ART状態中(以下通常ART中という)において、所定条件に該当した場合には、サブ状態が特別ART状態に移行する。特別ART状態中(以下特別ART中という)には、上述したベルナビ及び移行ナビが行われるとともに、1ゲームごとに必ず、抽選で決定された所定ゲーム(5〜20ゲーム)のATゲーム数が上乗せされる上乗せ特化区間である。そして、特別ART状態は、所定のゲーム数(最低4ゲーム)の消化により終了する。すなわち、本実施の形態では、特別ART中に、最低20ゲームの上乗せゲーム数を獲得可能となっている。そして、特別ART状態が終了すると、通常ART状態に移行する。なお、特別ART中においては、ATのゲーム数のカウントは行われない。
【0053】
メイン状態がボーナス作動中状態に移行すると、すなわちボーナス役が入賞すると、サブ状態は、ボーナス中状態に移行する。そして、ボーナスゲームが終了すると、サブ状態は、サブ通常状態又はART準備状態に移行する。
(特定演出制御手段150)
特定演出制御手段150は、通常ART中において実行される演出である特定演出の実行を制御するものであり、
図2に示すように、実行抽選手段151、ストックカウンタ152、演出内容設定手段153、演出内容書換手段154、実行記憶手段155、及び実行決定手段156を備えている。なお、特定演出とは、通常ART中において複数ゲームにわたって行われる演出であって、ARTのゲーム数として設定されるゲーム数の増大の可能性、具体的には、ATのゲーム数の上乗せ、又は上乗せ特化区間である特別ART状態への移行を遊技者に示唆する演出のことであるが、この詳細については後述する。
【0054】
(実行抽選手段151)
実行抽選手段151は、前記特定演出を実行するか否かの特定演出実行抽選を行うものである。具体的には、実行抽選手段151は、通常ART中において、スイカ役又はチェリー役などの特定役の当選時に、特定演出を実行するか否かの特定演出実行抽選を行う。特定演出実行抽選で当選すると、後述する実行決定手段155によって、特定演出の実行が決定される。本実施の形態では、特定演出の実行が決定されると、原則として所定の前兆演出を経て特定演出が行われるものとなっている。
(ストックカウンタ152)
ストックカウンタ152は、前記特定演出の実行が決定された回数のうち、実行されていない未実行回数を記憶する特定演出ストック手段である。
【0055】
具体的には、ストックカウンタ152は、特定演出実行抽選で当選した場合に、記憶値に単位値(本実施の形態では1)を加算し、特定演出が実行される場合(実行することが確定した場合)に記憶値から単位値(1)を減算する。すなわち、ストックカウンタ152は、1回の当選につき1ずつ、記憶値を加算し、特定演出が実行されるごとに1ずつ、記憶値を減算するようになっている。そして、ストックカウンタ152の記憶値が1以上である間、すなわち特定演出の実行がストックされている間は、ストックされている回数だけの特定演出の実行が保証されている状態となり、複数ゲームにわたる特定演出が終了した後に、次の複数ゲームにわたる特定演出が連続して実行され得るようになっている。なお、特別ART状態の終了時にストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合には、次の特定演出の実行が決定されるものの、連続しては実行されず、所定の潜伏期間を経て、次の特定演出が開始されるようになっている。
【0056】
(演出内容設定手段153)
演出内容設定手段153は、特定演出で遊技者に報知する報知内容をあらかじめ決定するものである。すなわち、演出内容設定手段153は、ATのゲーム数を上乗せするか否か又は特別ART状態に移行するか否かをあらかじめ決定するものである。特定演出の報知内容、言い換えれば特定演出の結果としては、ATのゲーム数を上乗せする「上乗せ確定」、特別ART状態に移行する「特別ART移行確定」、及びATのゲーム数を上乗せしないとともに特別ART状態に移行しない「ハズレ」、の3つがある。
演出内容設定手段153は、ATの開始時(ART準備状態への移行時、あるいはART状態への移行時)に、所定回数分(本実施の形態では6回分)の特定演出の報知内容を所定の記憶部にセット(上書き又はリセット後にセット)する。具体的には、
図8(A)に示すように、所定の記憶部として、6個の記憶領域を有する設定用記憶部が設けられている。設定用記憶部の6個の各記憶領域は、1回目から6回目までの所定ゲーム数にわたる特定演出に対応するものとなっている。そして、演出内容設定手段153は、「上乗せ確定」、「特別ART移行確定」、「ハズレ」、のいずれかを示す情報を、所定の割合(例えば「上乗せ確定」2:「特別ART移行確定」1:「ハズレ」3)で、前記各記憶領域にランダムにセットする。なお、
図8(A)では、「上乗せ確定」に対応する情報を「上乗」、「特別ART移行確定」に対応する情報を「移行」、「ハズレ」に対応する情報を「ハズレ」と表している。そして、6回分の特定演出の報知内容をセットしてから、1回目の記憶領域を参照して、当該記憶領域に記憶されている特定演出の報知内容を示す情報を、前記設定用記憶部とは別に設けられた参照用記憶部(
図8(A)参照)にセットする。この参照用記憶部にセットされた特定演出の報知内容が、これから実行する特定演出の報知内容を表すものとなり、この情報に基づいて、特定演出が実行される。
【0057】
また、演出内容設定手段153は、前記参照用記憶部にセットされている情報に基づき、実行された特定演出が終了した場合、又は後述する実行決定手段156によって「ハズレ」に対応する特定演出の消滅が決定された場合には、設定用記憶部の参照済みの記憶領域の次の領域にセットされている特定演出の報知内容を示す情報を、設定用記憶部にセットする。そして、特定演出が実行されるごとに、設定用記憶部の記憶領域を参照して、次回の特定演出の報知内容を参照用記憶部にセットする。このようにして、特定演出の報知内容があらかじめ決定されるものとなる。なお、設定用記憶部の6回分の特定演出の報知内容を示す記憶領域を全て参照した場合には、再度、6回分の特定演出の報知内容を設定用記憶部のセットする。
【0058】
(演出内容書換手段154)
演出内容書換手段154は、前記演出内容設定手段153があらかじめ設定した特定演出の報知内容を、所定条件の下で書き換える処理を行うものである。具体的には、演出内容書換手段154は、特定演出実行抽選の当選時に、演出内容設定手段153が前記参照用記憶部にセットした特定演出の報知内容を示す情報を参照し、当該情報が「ハズレ」に係るものである場合が所定回数(例えば4回)連続することになるときには、参照用記憶部にセットされている「ハズレ」の報知内容を書き換え可能に形成されている。すなわち、演出内容設定手段153は、図示しないハズレ回数カウンタを備えており、ハズレ回数カウンタは、参照した(実行した)特定演出の報知内容が「ハズレ」である場合にカウンタを更新(カウンタの初期値が0の場合には加算、初期値が所定値の場合には減算)し、「ハズレ」でない場合にはカウンタをリセット(初期化)することにより、特定演出の報知内容が連続して「ハズレ」となった回数をカウントする。そして、演出内容書換手段154は、ハズレ回数カウンタのカウント値が初期値(0、又は所定値の4)となった場合には、参照用記憶部にセットされている特定演出の報知内容を、「上乗せ確定」に書き換えるようなっている。このようにすることで、「ハズレ」に係る特定演出が、4回以上は連続して発生しないこととなる。これは、特定演出の報知内容を設定する際の抽選結果の偏りによって、ATゲーム数の減算が行われる1回目の特定演出(前回の特定演出に連続して実行されるものではない特定演出)において、ATゲーム数の上乗せの利益が付与されない「ハズレ」が連続して発生し、通常AT中にゲーム数上乗せによる利益を受けられなくなる、又はその利益が少なくなることを防止するためである。なお、特定演出の終了後に連続して実行される特定演出では、ATゲーム数が減算されないことに鑑み、「ハズレ」が連続して発生することを許容している。
【0059】
ここで、ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合において、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満となった場合には、後述する実行決定手段156は、報知内容が「ハズレ」の特定演出(前回終了した特定演出に連続して実行されるものを除く)の実行を決定しないようになっている。特定演出の実行を決定しない場合には、この「ハズレ」の特定演出の消滅を決定する。この決定により、演出内容設定手段153は、参照用記憶部にセットされている当該「ハズレ」の特定演出に係る情報を消去するとともに、ストックカウンタ152は記憶値を減算する。
なお、「上乗せ確定」への書き換えは、「ハズレ」の累積発生回数に基づいて行うようにしてもよい。また、「ハズレ」の報知内容は、「上乗せ確定」に書き換えるだけでなく、「特別ART移行確定」に書き換える場合もあるように形成してもよい。例えば、書き換えを行う際に、いずれに書き換えるかを抽選により決定するようにしてもよい。また、ATゲーム数が減算されないこととなっている、特定演出(初当たり)の終了後に連続して実行される特定演出、あるいは、連続して実行された特定演出の後に実行が決定されたATゲーム数が減算される特定演出(再度の初当たり)についても、上記した手法を用いて「ハズレ」が連続して発生しないようにしてもよい。
【0060】
(実行記憶手段155)
実行記憶手段155は、複数ゲームにわたる特定演出の終了後に、連続して複数ゲームにわたる特定演出が実行されていることを記憶するものである。具体的には、実行記憶手段154は、特定演出の最終回に該当するゲームでストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合において、実行決定手段156によって特定演出の実行が決定された場合には、特定演出実行フラグをセット(ON)する。セットされた特定演出実行フラグは、特定演出の終了時にストックカウンタ152の記憶値が1以上でない場合(つまり0の場合)にリセット(OFF)される。そして、特定演出実行フラグがONとなっている間は、ATゲーム数のカウント(ゲーム数減算)が行われないようになっている。
【0061】
ただし、特別ART状態の終了後において次の特定演出の実行が決定されている場合(ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合に特別ART状態に移行した場合、又は特別ART中に特定演出実行抽選に当選した場合)には、特別ART状態の終了後に特定演出の実行が決定された場合でも、特定演出実行フラグはいったんOFFとされる。これにより、特別ART状態の終了後に実行される特定演出中は、ATゲーム数のカウントが行われるものとなる。そして、特別ART状態の終了後に実行される特定演出の終了後に、連続して特定演出が実行される場合には、特定演出実行フラグを再度ONにする。
(実行決定手段156)
実行決定手段156は、前記実行抽選手段151の抽選の結果、ストックカウンタ152の記憶値、参照用記憶部にセットされている情報及びATの残りゲーム数に基づいて、特定演出の実行の有無を決定するものである。具体的には、実行決定手段156は、上述した特定演出実行抽選で当選した場合、又はゲーム開始時にストックカウンタが「1」以上である場合おいて、前兆演出又は特定演出の実行中でない場合には、ATの残りゲーム数が10ゲーム以上、具体的には後述するATカウンタ172のカウント値が10以上であることを条件に、次ゲームから実行する演出として、所定の前兆演出及び特定演出の実行を決定する。一方、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満、具体的にはATカウンタ172のカウント値が10未満であるときには、参照用記憶部にセットされている、演出内容設定手段153によりあらかじめ決定された、あるいは演出内容書換手段145によって書き換えられた特定演出の報知内容が「ハズレ」でないことを条件に、次ゲームから実行する演出として、前記特定演出のみの実行を決定する。言い換えれば、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満である場合において、あらかじめ決定されている特定演出の報知内容が「上乗せ確定」又は「特別ART移行確定」であるときには、前兆演出なしで特定演出が行われ、あらかじめ決定されている特定演出の報知内容が「ハズレ」であるときには、前兆演出も特定演出も実行されない。
【0062】
なお、ATカウンタ172のカウント値が10未満であるときにおいても、参照用記憶部にセットされている特定演出の報知内容が「ハズレ」でない場合には、前兆演出及び特定演出の実行を決定するように形成してもよい。このように形成する場合には、前兆演出のゲーム数は、前兆演出の実行決定時のATカウンタ172のカウント値によって変化させる。具体的には、前兆演出の最大ゲーム数と特定演出の最大ゲーム数が、前兆演出の実行決定時におけるATの残りゲーム数を上廻る場合には、ATの残りゲーム数から特定演出の最大ゲーム数(5ゲーム)を減じたゲーム数を、前兆演出のゲーム数とする。そして、ATの残りゲーム数が特定演出の最大ゲーム数に満たない場合には、前兆演出は行わないようにすることができる。
【0063】
また、実行決定手段155は、特定演出の終了時に、ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合(ストックカウンタ152によって特定演出がストックされている場合)には、次ゲームから実行する演出として、前兆演出を伴わない特定演出の実行を決定する。これにより、特定演出が連続して実行されることとなる。一方、特別ART状態の終了時にストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合には、特別ART状態の終了後に実行させる演出として、前兆演出及び特定演出の実行を決定する。この場合には、特別ART状態の終了後、所定ゲームにわたる前兆演出の実行後に、特定演出が実行されることとなる。このように、特定演出抽選に当選して得た未実行の特定演出実行の権利は、特定演出の終了後、次の特定演出が連続して実行されることにより、あるいは特別ART状態の終了後に実行されることにより、全て消化されるものとなる。
【0064】
ここで、上記したように、前回の特定演出に連続して行われる特定演出では、ATゲーム数のカウントが行われないので、ストックされている特定演出の消化中にATゲーム数が0になってしまうことはない。また、特別ART状態の終了後に実行される特定演出では、ATゲーム数のカウントが行われるものの、特別ART状態においては、最低20ゲームの上乗せがされるように設定されているとともに、後述するが、前兆演出と特定演出の合計のゲーム数は最大10ゲームに設定されているので、特別ART状態の終了後前兆演出と特定演出を実行させても、特定演出の消化中にATゲーム数が0になってしまうことはない。
【0065】
(演出実行制御手段160)
演出実行制御手段160は、液晶表示装置67やランプ68やスピーカ69等の演出装置の作動を制御するものである。具体的には、特定演出制御手段150や、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、各演出装置に演出データやコマンドを出力して、演出を実行させる。
前記演出データとしては、液晶表示装置67に所定の動画や静止画を表示させるための画像データ、ランプ68を所定の態様で点灯点滅させるための発光パターンデータ、スピーカ69から所定の音声を出力させるための音声データなどが設けられている。また、これらのデータに基づき実行される演出パターンのデータとして、少なくとも、ベルナビ及び移行ナビを行わせる場合に用いられるナビ演出データと、ナビ演出を行わない場合に用いられる通常演出データと、上述した特定演出の演出データである特定演出データと、上述した所定の前兆演出の演出データである前兆演出データとが設けられている。通常演出データには、例えば所定の役が当選した場合に用いられる演出データや、複数回のゲームにわたり連続して実行される連続演出に係る演出データが含まれる。連続演出は、例えば、所定の役が当選した場合やスタートスイッチ30の操作を契機に行われる演出実行抽選で当選した場合に実行が決定され、抽選により決定された、あるいはあらかじめ定められた所定のゲーム数にわたって、所定の筋書きに沿った連続演出が行われるようになっている。連続演出としては、例えばボーナス役やATの当選ついての期待度が異なる複数のパターンを設け、ボーナス役やATの当選の期待度を示唆するものとすることができる。
【0066】
特定演出データとしては、ゲーム数及び報知内容(演出の結果)が異なる複数のデータが設けられている。本実施の形態では、特定演出は、最大5ゲームにわたり行われるもので、液晶画面上で二人のキャラクターが戦う内容となっており、演出の結果として、一方のキャラクターが他方のキャラクターに勝利することで、上述したATのゲーム数を上乗せすること又は特別ART状態に移行することを遊技者に報知(結果表示)するものとなっている。具体的には、特定演出データとしては、3ゲームにわたって対戦(バトル)が行われ、最終回の4ゲーム目にバトルに負ける筋書きとなっている負けバトル用データと、3ゲームにわたってバトルが行われ4ゲーム目にバトルに勝利する筋書きとなっているとともに、最終回の5ゲーム目で上記した結果表示が行われる勝ちバトル用データとが設けられている(
図8(B)参照)。また、勝ちバトル用データには、ATのゲーム数を所定数上乗せすることを報知する結果表示が行われる上乗せ用データと、特別ART状態に移行することを報知する結果表示が行われる移行用データが設けられている。負けバトル用データは、特定演出の報知内容の「ハズレ」に対応するものであり、勝ちバトル用データの上乗せ用データは、特定演出の報知内容の「上乗せ確定」に対応するものであり、勝ちバトル用データの移行用データは、特定演出の報知内容の「特別ART移行確定」に対応するものである。すなわち、演出内容設定手段153によりあらかじめ決定されている特定演出の報知内容が「ハズレ」である場合には負けバトル用データに基づく特定演出として負けバトルが実行され、その後特定演出を終了する。特定演出の報知内容が「上乗せ確定」である場合には上乗せ用データに基づく特定演出として勝ちバトルが実行され、5ゲーム目でATゲーム数が上乗せされる旨と上乗せゲーム数が表示される。特定演出の報知内容が「特別ART移行確定」である場合には移行用データに基づく特定演出として勝ちバトルが実行され、5ゲーム目で特別ART状態に移行する旨が表示されるとともに、その次ゲームから特別ARTが開始される。なお、特別ARTでは、必ず上乗せがされる設定となっている。したがって、勝ちバトルは、演出が実行されるとATのゲーム数が加算される上乗せ確定演出に該当し、負けバトルは、演出が実行されてもATのゲーム数が加算されない上乗せなし演出に該当する。
【0067】
なお、本実施の形態では、特定演出では上記したようなバトルが行われるものとして説明するが、特定演出は、バトル演出に限られるものではなく、ATのゲーム数上乗せや、特別ART状態への移行を遊技者に示唆し得る内容であれば、どのような内容であってもよい。
前兆演出データは、最大5ゲームにわたり、特定演出の開始を示唆する演出を行わせるための演出データである。本実施の形態では、最大4ゲームにわたって特定演出の開始を遊技者に期待させる内容の演出が行われ、5ゲーム目に特定演出への発展を報知する内容の本前兆データ(
図8(B)参照)と、最大4ゲームにわたって特定演出の開始を遊技者に期待させる内容の演出が行われるものの、特定演出に発展せずそのまま終了する内容のフェイク前兆データが設けられている。前兆演出は、前記特定演出制御手段150の実行決定手段155によって特定演出の実行が決定されている場合に実行され得るものであるが、実行決定手段155によって特定演出の実行が決定されていない場合であっても、スタートスイッチ30の操作を契機に行われる演出実行抽選で当選した場合には実行される。特定演出の実行が決定されている場合には、本前兆データ基づく前兆演出が実行され、特定演出の実行が決定されていない場合には、フェイク前兆データ基づく前兆演出が実行される。
【0068】
以上のように、前兆演出と特定演出がともに実行される場合には、最大10ゲームが費やされるものとなっている。なお、前兆演出と特定演出の各ゲーム数は、それぞれの演出の実行の決定時に、それぞれ5ゲームの範囲内で、抽選により決定することができる。
ここで、演出実行制御手段160は、1回の前兆演出及び特定演出を実行する際に用いる複数の記憶部を備えている。具体的には、
図8(B)に示すように、前兆演出用の記憶部と、特定演出用の記憶部を有しており、各記憶部は、それぞれ5個の記憶領域に分割されている。各記憶領域は、1ゲーム目から5ゲーム目に対応するものとなっている。そして、実行決定手段156が前兆演出及び特定演出の実行を決定した場合には、参照用記憶部に記憶されている特定演出の報知内容を示す情報に基づき、所定の前兆演出データを特定するための情報や、所定の特定演出データを特定するための情報を、対応する記憶部の各記憶領域にセットする。例えば、参照用記憶部に記憶されている情報が、「上乗せ確定」に係るものである場合には、「上乗せ確定」を報知する際に用いられる前兆演出データや特定演出データに関する情報をセットする。そして、前兆演出や特定演出を実行する際には、各記憶領域にセットされた情報を参照しつつ、ゲームごとに、実行させるべき演出を決定するようになっている。各記憶部の記憶領域にセットされた情報は、前兆演出や特定演出の実行終了時、又は次の前兆演出や特定演出の実行が決定されたときにリセットされる。そして、演出実行制御手段160は、上記したようにセットされた前兆演出データを特定するための情報を参照して、特定した前兆演出データに基づき各演出装置を作動させて前兆演出を実行させ、前兆演出の終了後(全ての前兆演出データの実行後)には、引き続き、上記したようにセットされた特定演出データを特定するための情報を参照して、特定した特定演出データに基づき各演出装置を作動させて特定演出を実行させる。
【0069】
さらに、演出実行制御手段160は、AT状態において、ベルナビ及び移行ナビを行わせる。通常ART状態又は特別ART状態において移行ナビが行われる場合とは、ベルナビに従わずに停止操作を行った結果、ベルブランクが表示されてメイン状態が通常状態に転落した場合である。
ベルナビは、「押し順ベル」が当選した場合に正解の押し順を報知するものである。前述したように、正解の押し順で停止操作された場合には、ベル役が必ず入賞し、不正解の押し順で停止操作された場合には、ベル役が入賞するか、ベルブランクが表示される。
移行ナビは、「リプレイB」が当選した場合に、リプレイ2役を入賞させるための押し順(右第一停止)を報知するものである。当該ナビに従って停止操作された場合には、リプレイ2役が必ず入賞し、当該ナビに従わなかった場合には、リプレイ2役は入賞せず、リプレイ1役が必ず入賞する。
【0070】
なお、遊技状態が通常状態であってATの実行が決定していない場合に、リプレイ2役を入賞させるための押し順(右第一停止)で停止操作された場合には、所定のペナルティを課すようにしてもよい。例えば、所定ゲームの間、ベルナビが行われないようにしたり、後述するAT抽選などが行われないようにすることができる。
(AT制御手段170)
AT制御手段170は、ATの開始及び終了を制御するものであり、
図2に示すように、AT抽選手段171と、ATカウンタ172とを備えている。
(AT抽選手段171)
AT抽選手段171は、ATの開始及び終了を抽選により決定するものである。本実施の形態では、AT抽選手段は、サブ通常状態中において、ボーナス役、スイカ役又はチェリー役などの特定役の当選時などに、ATを実行するか否かのAT実行抽選を行う。AT実行抽選で当選した場合にはAT実行フラグをセットして抽選結果を記憶し、ATが実行された場合にはAT実行フラグをリセットする。AT実行フラグを有している間は、ATの実行が決定されている状態となる。
【0071】
また、AT抽選手段171は、ART状態において、1セットを消化するとき、すなわち1セットに係るゲーム数(40ゲーム+上乗せゲーム数)の最後のゲームが実行されるときに、ATを継続するか否かの継続抽選を行う。継続抽選で当選した場合にはART状態が継続し、1セットの最低ゲーム数(40ゲーム)が設定される。特定役が当選すれば上乗せ抽選が行われるし、ベルナビや移行ナビも行われる。継続抽選でハズレとなった場合にはART状態は終了し、サブ通常状態となる。
さらに、AT抽選手段171は、演出内容設定手段153によりあらかじめ決定されている特定演出の報知内容が「上乗せ確定」である場合に、当該特定演出の最終回(結果表示)が実行される前までに、上乗せするATのゲーム数を決定する上乗せ抽選を行う。この上乗せ抽選では、上乗せするATのゲーム数(上乗せゲーム数)を、例えば10〜300のゲーム数の範囲で決定する。また、特別ART中においては、毎ゲーム、例えばスタートスイッチ30の操作を契機に上乗せ抽選を行う。この上乗せ抽選では、上乗せゲーム数を、5〜20のゲーム数の範囲で決定する。
【0072】
なお、特別ART中は、少なくとも1回の上乗せ抽選が保証されているものの、この上乗せ抽選によって、必ず上乗せが確定するとは限らない設定としてもよい。例えば、上乗せ抽選は必ず1回(例えば連続演出の最終回で)行われるものの、1回だけ行われる上乗せ抽選が100%でない(抽選結果に「0」=上乗せなしを含んでいる)設定や、毎ゲーム上乗せ抽選が行われるものの、当該上乗せ抽選の当選確率が100%でない設定となっていてもよい。
(ATカウンタ172)
ATカウンタ172は、ATのゲーム数をカウントするゲーム数カウンタである。具体的には、ATカウンタ172は、前記したAT抽選で当選すると、ATの1セットに係るゲーム数(40)を記憶し、メイン状態がRT状態へ移行してサブ状態がART状態(通常ART状態)に移行したことを契機に、ゲーム数のカウント(カウント値の減算)を開始する。具体的には、通常ART中は、原則として、1ゲームが行われるごとに、スタートスイッチ30の操作を契機として、カウント値を1だけ減算する。
【0073】
また、前記AT抽選手段171による上乗せ抽選で上乗せゲーム数が決定されると、ATカウンタ172には、後述するATゲーム数加算手段180によって、決定されたゲーム数が加算される。ATカウンタ172がゲーム数を有している間は、AT状態が継続する。通常ART中にATカウンタ172のカウント値が0になると、上述した継続抽選が行われる。また、ART状態(特別ART状態を含む)において、メイン状態がRT状態から通常状態へ転落しても、ATカウンタ172は、ATのゲーム数のカウントを継続する。ATカウンタ172がゲーム数を有している間に、メイン状態をRT状態に移行させることができれば、サブ状態は再びART状態(通常ART状態)となる。ATカウンタ172がゲーム数を有している間に、メイン状態をRT状態に移行させることができなければ、そのままAT状態が終了する。
【0074】
一方、ATカウンタ172は、通常ART状態から特別ART状態に移行した場合には、ATのゲーム数のカウントを中断するとともに現在のゲーム数の情報をリセットすることなく保持し、特別ART状態の終了後、通常ART状態に移行したことを契機に、中断したゲーム数のカウントを再開する。ここで、特別ART状態においては、毎ゲーム、上乗せ抽選が行われ、必ず所定ゲーム数が上乗せされるので、特別ART状態に移行した場合には、ATのゲーム数が減算されることなく上乗せのみされることとなる。また、通常ART状態においてボーナス役が当選した場合には、ATカウンタ172は、ATのゲーム数のカウントを中断するとともに現在のゲーム数の情報をリセットすることなく保持し、ボーナスゲームの終了後、メイン状態がRT状態に移行したことを契機に、中断したゲーム数のカウントを再開する。なお、特別ART中にも、ATカウンタ172がATのゲーム数のカウントを行うように形成してもよい。
【0075】
さらに、ATカウンタ172は、ART状態において、前述した特定演出制御手段150の実行記憶手段155によって特定演出実行フラグがセットされている間は、ATのゲーム数のカウントを中断するとともに、カウント値をリセットすることなく保持し、特定演出実行フラグがリセットされたことを契機として、ゲーム数のカウント(具体的には減算)を再開する。特定演出実行フラグがセットされている間とは、所定ゲームにわたる特定演出の終了後に、連続して次の特定演出が行われている間である。すなわち、本実施の形態では、前回の特定演出に連続して実行される次の特定演出(以下連戦バトルという)の実行中は、ATのゲーム数の減算が行われないものとなっている。
【0076】
ここにおいて、前述した前兆演出と特定演出がともに実行される場合のゲーム数は、上乗せ抽選により上乗せされる上乗せゲーム数の最低値を超えない数値に設定されているとともに、ATの残りゲーム数が10ゲーム以下となった場合、すなわちATカウンタのカウント値が10以下となった場合には、前兆演出なしで、「上乗せ確定」又は「特別ART移行確定」に係る特定演出(勝ちバトル)のみが実行される設定となっている。例えば、ATの残りゲーム数が9ゲーム以下となったときに勝ちバトルが実行された場合には、当該勝ちバトルが連続実行に係るものでなく実行中にATカウンタ172がカウント値を減算して勝ちバトルの途中でATカウンタ172のカウント値が0となったとしても、勝ちバトルの終了後には10ゲーム以上のゲーム数の上乗せが保証されているので、ATカウンタ172のカウント値が0となることよって行われる継続抽選に当選しないでATが終了してしまうことはない。また、ATの残りゲーム数が10ゲーム以上あるときに、前兆演出を伴う特定演出(勝ちバトル又は負けバトル)が実行され、当該特定演出の終了後にATの残りゲーム数が9ゲーム以下となった場合において、次の特定演出(勝ちバトル又は負けバトル)が連続して実行される場合には、ATのゲーム数の減算が行われないので、その特定演出の終了後にATカウンタ172のカウント値が0となっていることはない。
【0077】
ところで、ATの残りゲーム数が2ゲームとなったときに、連戦バトルでない勝ちバトルに係る特定演出が開始された場合には、ATカウンタ172の減算が行われるので、勝ちバトルの2ゲーム目終了でATカウンタ172が0となる。しかし、この場合には、ATを終了させることなく、勝ちバトルを最後まで実行させる。したがって、ATカウンタ172が0となった2ゲーム目から、上乗せが確定する勝ちバトルの4ゲーム目まで、ATカウンタ172が0となったままの状態が続くこととなる。そして、上乗せ確定によりATカウンタ172の加算処理が行われる場合には、0に上乗せゲーム数をそのまま加算する。つまり、0を繰り返した2ゲーム分はおまけということになる。このようなケースは希な例ではあるが、この場合、ATカウンタ172が0となったゲームで、上乗せをして結果表示を見せるという方法もあるところ、そのようにしなかったのは、特定演出を最後まで遊技者に見せたいという配慮からである。なお、ATカウンタ172の0を繰り返したゲーム数を、上乗せされたゲーム数から差し引くようにしてもよい。
【0078】
このようにして、本実施の形態では、特定演出の実行中に、ATが終了してしまうことがないようにしているのである。
(ATゲーム数加算手段180)
ATゲーム数加算手段180は、AT抽選手段171の抽選結果に基づいて、ATカウンタ172のカウント値に所定の数値を加算する処理を行うことにより、ATゲーム数を加算させるものである。具体的には、上乗せ抽選の結果に基づいて、抽選より決定されたゲーム数に係る数値をATカウンタ172のカウント値に加算し、AT実行抽選又は継続抽選の結果当選した場合は、1セット40ゲーム分に係る数値をATカウンタ172のカウント値に加算する。
【0079】
(スロットマシン10の作動)
次に、上記構成を有するスロットマシン10の、メイン制御装置21の制御に基づく遊技作動の概略を、
図9のフローに基づき説明する。
図9は、1回のゲームの流れを示す。
ステップ100において、規定数のメダルがベットされたか否かが判断される。ベットには、メダルの投入、ベットスイッチ16の操作の他、再遊技作動による自動ベットも含まれる。規定数のメダルがベットされない場合にはステップ100に戻り、規定数のメダルが投入された場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、スタートスイッチ30が操作されたか否かが判断される。スタートスイッチ30が操作されていない場合には、ステップ101に戻り、スタートスイッチ30が操作された場合には、次のステップ102に進む。
【0080】
ステップ102において、役抽選処理が行われる。具体的には、役抽選手段70により役抽選が行われ、この役抽選で当選すると、当選した役に対応する当選フラグがセットされる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、回転制御手段により回転リール40の回転開始処理が行われる。具体的には、所定のウエイト時間が経過していることを条件に、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせる。そして、次のステップ104に進む。
【0081】
ステップ104において、いずれかのストップスイッチ50が操作されたか否かが判断される。ストップスイッチ50が操作されていない場合には、ステップ104に戻り、いずれかのストップスイッチ50が操作された場合には、次のステップ105に進む。
ステップ105において、停止制御手段により、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、全ての回転リール40が停止したか、すなわち3個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。全ての回転リール40が停止していない場合にはステップ104に戻り、全ての回転リール40が停止した場合には、次のステップ107に進む。
【0082】
ステップ107において、遊技結果判定処理が行われる。そして、次のステップ108に進み、遊技結果に応じた処理が行われる。すなわち、所定の役が入賞した場合には、入賞メダルの払い出しや、再遊技作動や、ボーナスゲームへの移行処理が行われ、1回の遊技が終了する。所定の役は入賞しないものの、遊技状態の移行契機となる図柄組合せが表示された場合には、遊技状態の移行処理が行われる。何の役も入賞せず、かつ遊技状態の移行契機となる図柄組合せも表示されない場合には、そのまま1回の遊技が終了する。
次に、サブ制御装置22の制御に基づくサブ制御処理のうちの、通常ART中の処理について、
図10のフローに基づき説明する。
図10は、通常ART状態における1回のゲームにおける処理を示すものである。また、役抽選の結果は、メイン制御装置21から遊技の進行に応じて出力される情報信号の入力に基づき判断される。
【0083】
まず、
図10のステップ200において、役抽選の結果、特定演出抽選の実行契機となっている特定役(スイカ役又はチェリー役)が当選したか否かが判断される。特定役が当選した場合には、次のステップ201において、特定演出実行抽選が行われる。そして、次のステップ202進む。
ステップ202において、特定演出実行抽選に当選したか否かが判断される。特定演出実行抽選に当選した場合には、次のステップ203において、ストックカウンタ152の記憶値が1加算される。そして、次のステップ204に進む。
前記ステップ200において、特定役が当選していない場合には、ステップ201〜203を飛び越してステップ204に進む。また、前記ステップ202において、特定演出実行抽選に当選しなかった場合は、ステップ203を飛び越してステップ204に進む。
【0084】
ステップ204において、特定演出実行フラグがONとなっているか否かが判断される。特定演出実行フラグがONとなっていない場合には、次のステップ205において、ATカウンタ172のカウント値を1減算する。そして、次のステップ206に進む。前記ステップ204において、特定演出実行フラグがONとなっている場合には、ステップ205を飛び越してステップ206に進む。
ステップ206において、特定演出実行決定中であるか否かが判断される。ここで、特定演出実行決定中とは、特定演出が実行されている場合、及び特定演出の実行中ではないが特定演出の実行が確定している場合のことである。特定演出の実行が確定している場合とは、特定演出実行前の前兆演出が行われている場合である。特定演出実行中であるか否かは、特定演出を実行する際に参照する記憶部に、所定の特定演出データ(
図8(B)の負けバトル又は勝ちバトル)を特定するための情報がすでにセットされていることに基づき判断することができる。同様に、前兆演出実行中であるか否かは、前兆演出を実行する際に参照する記憶部に、所定の前兆演出データを特定するためのデータがすでにセットされていることに基づき判断することができる。なお、特定演出や前兆演出を特定するためのデータは、特定演出や前兆演出の実行の決定時にセットされるものとなっている(
図11参照)。特定演出実行決定中でない場合は、ステップ207において、演出決定実行処理が行われ、特定演出実行決定中である場合は、ステップ208において、特定演出決定中の処理が行われる。そして、通常ART中の処理を終了する。
【0085】
前記ステップ207の演出決定実行処理について、
図11のフローに基づき説明する。
図11のステップ300において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上であるか否かが判断される。このステップでストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合とは、当該ゲームにおいて特定演出実行抽選で当選した場合(
図10のステップ201〜203)と、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満で勝ちバトルの実行が決定された場合である。ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合には、次のステップ301に進み、演出内容書換手段154による書き換え判定処理が行われる。書き換え判定処理については後述する。そして、次のステップ302に進む。
【0086】
ステップ302において、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満か否かが判断される。すなわち、ATカウンタ172のカウント値が10未満(9以下)であるか否かが判断される。ATの残りゲーム数が10ゲーム未満である場合には、次のステップ303に進む。
ステップ303において、参照した特定演出の報知内容は「ハズレ」であるか否かが判断される。すなわち、
図8(A)に示す参照用記憶部を参照して、参照用記憶部にセットされている情報(あらかじめ設定されている特定演出の報知内容)が、「ハズレ」に係るものか否かが判断される。参照した特定演出の報知内容が「ハズレ」でない場合、すなわち、「上乗せ確定」又は「特別ART移行確定」に係るものである場合には、ステップ304に進み、特定演出(勝ちバトル)の実行が決定される。具体的には、最大5ゲームにわたる特定演出の実行予定が設定される(
図8(B)参照)。そして、ステップ306に進む。
【0087】
前記ステップ302において、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満でない場合、すなわち、ATカウンタ172のカウント値が10以上である場合には、ステップ305に進み、所定ゲームにわたる前兆演出及び特定演出(勝ちバトル・負けバトル含む合計10ゲームまで)の実行が決定される。具体的には、最大5ゲームにわたる前兆演出の実行予定、及び所定ゲーム(負けバトルは最大4ゲーム、勝ちバトルは最大5ゲーム)の特定演出の実行予定が設定される(
図8(B)参照)。そして、ステップ306に進む。
ステップ306において、ストックカウンタ152の記憶値が1減算される。そして、ステップ308に進む。
【0088】
ステップ303において、参照した特定演出の報知内容は「ハズレ」であると判断された場合には、ステップ307に進み、ストックカウンタ152の記憶値が1減算される。そして、次のステップ608に進む。前記ステップ300において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上でないと判断された場合にも、ステップ308に進み、ステップ308において実行演出抽選処理が行われる。実行演出抽選処理は、役抽選の結果等のメイン情報に応じて、当該ゲームで実行すべき演出の有無及び種類を実行演出抽選抽選により決定するものである。このように、特定演出がストックされていない場合や、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満で参照した特定演出の報知内容が「ハズレ」である場合には、特定演出は行われない。そして、次のステップ309に進む。
【0089】
ステップ309において、演出実行処理が行われる。すなわち、実行演出抽選により決定された演出を実行させる処理や、実行演出抽選の結果がハズレの場合に行われる通常の表示を行わせる処理や、特定演出又は前兆演出の1ゲーム目が行われる。そして、演出決定実行処理を終了する。
なお、上記したフローでは、特定演出実行抽選(
図10のステップ201)に当選した当該ゲームで、特定演出又は前兆演出が開始されるようになっているが、特定演出実行抽選に当選した次ゲームから特定演出又は前兆演出が開始されるように形成してもよい。
ここで、上記したステップ303における書き換え判定処理について、
図12のフローに基づき説明する。
【0090】
図12のステップ400において、参照した特定演出の内容は「ハズレ」か否かが判断される。参照した特定演出の内容が「ハズレ」に係るものでない場合には、ステップ405に進み、ハズレ回数カウンタがリセットされる。そして、書き換え判定処理を終了する。一方、参照した特定演出の内容が「ハズレ」に係るものである場合は、次のステップ401において、ハズレ回数カウンタがハズレ回数をカウントする。そして、次のステップ402に進む。
ステップ402において、ハズレ回数が所定値に達したか否か、すなわちハズレ回数カウンタのカウント値が所定値に達したか否かが判断される。ハズレ回数が所定値に達していない場合には、そのまま書き換え判定処理を終了する。なお、この場合には、
図11のステップ303がYesとなり、特定演出が行われないこととなる。一方、ハズレ回数が所定値に達している場合には、ステップ403に進む。
【0091】
ステップ403において、参照用記憶部にセットされている特定演出の報知内容を示す情報を「ハズレ」から「上乗せ確定」に書き換える処理が行われる。そして、書き換え判定処理を終了する。この場合には、
図11のステップ303がNoとなって、特定演出(勝ちバトル)の実行が決定されることとなる。
次に、
図10のステップ208における特定演出決定中の処理について、
図13のフローに基づき説明する。
まず、
図13のステップ500において、前兆演出中か否かが判断される。前兆演出中である場合には、次のステップ501において、前兆演出中の処理が行われる。具体的には、前兆演出データに基づき2〜5ゲーム(1ゲーム目は前ゲームで実行済みである)の前兆演出のうちの所定ゲーム目の演出を実行させる処理が行われる。前兆演出中の処理の終了により、特定演出決定中の処理を終了する。一方、前兆演出の実行中でない場合には、ステップ502に進む。
【0092】
ステップ502において、特定演出実行中の処理が行われる。そして、特定演出実行中の処理の終了により、特定演出決定中の処理を終了する。
続いて、ステップ502の特定演出中の処理について、
図14のフローに基づき説明する。
図14のステップ600において、上乗せ確定演出の実行が決定されているか否かが判断される。すなわち、今回ゲームで上乗せ確定の結果表示(
図8(B)勝ちバトルの最終回参照)が行われるか否かが判断される。上乗せ確定演出の実行が決定されていない場合には、次のステップ601に進む。
【0093】
ステップ601において、特別ART移行確定演出の実行が決定されているか否かが判断される。すなわち、今回ゲームで特別ART移行確定の結果表示が行われるか否かが判断される。特別ART移行確定演出の実行が決定されていない場合には、次のステップ602に進む。
ステップ602において、所定ゲーム目の特定演出が実行される。具体的には、前兆演出の終了後に行われる特定演出の場合及び特定演出の終了後に連続して行われる特定演出の場合には特定演出の1ゲーム目以降、前兆なしで開始された特定演出の場合には特定演出の2ゲーム目以降のいずれかが実行される。そして、次のステップ603に進む。
【0094】
ステップ603において、バトルに負けた場面が表示されるバトル負け演出が実行されたのか、換言すれば、当該ゲームが負けバトルの最終回であったか否かが判断される。バトル負け演出が実行されたのでない場合には、次のステップ604において、バトルに勝った場面が表示されるバトル勝ち演出が実行されたのか、換言すれば、当該ゲームが勝ちバトルの最終回の前ゲームであったか否かが判断される。バトル勝ち演出が実行されたのでない場合には、そのまま特定演出中の処理を終了する。一方、バトル勝ち演出が実行された場合には、次のステップ605において、特定演出の報知内容が「上乗せ確定」に係るものであるか否かが判断される。つまり、特定演出用記憶部(
図8(B))にセットされている情報が、「上乗せ確定」に係るものであるか否かが判断される。特定演出の報知内容が「上乗せ確定」に係るものでない場合には、次のステップ606に進む。
【0095】
ステップ606において、特別ART移行確定演出の実行を決定する。すなわち、次回演出(結果表示)として、特別ART移行確定演出を設定する。なお、特別ART移行確定演出の実行を決定すると、次ゲームにおいて、ステップ601がYesとなる。そして、特定演出中の処理を終了する。
前記ステップ601において、特別ART移行確定演出の実行が決定されていると判断された場合には、ステップ607に進み、特別ART移行確定演出が実行される。これにより、特別ART状態への移行が告知される。そして、次のステップ608において、特別ART状態の設定が行われる。特別ART状態の設定とは、特別ART状態のゲーム数を設定し、サブ状態が特別ART状態であることを記憶する処理である。この処理は、特別ART移行確定演出が実行されたゲームの終了後に行われる。そして特定演出実行中の処理を終了する。なお、このゲームの次ゲームから、特別ARTが開始される。
【0096】
前記ステップ605において、特定演出の報知内容が「上乗せ確定」に係るものであると判断された場合には、ステップ609に進み、上乗せ抽選処理が行われる。そして、次のステップ610において、抽選結果に基づく所定のゲーム数がATカウンタ172に加算される。なお、この加算は内部的なものであって、この時点では液晶画面等に表示されるものではない。そして、次のステップ611に進み、上乗せ確定演出の実行が決定される。すなわち、次回演出(結果表示)として、上乗せ確定演出を設定する。なお、上乗せ確定演出の実行を決定すると、次ゲームにおいて、ステップ600がYesとなる。そして、特定演出中の処理を終了する。
【0097】
前記ステップ600において、上乗せ確定演出の実行が決定されていると判断された場合には、ステップ612に進み、上乗せ確定演出が実行される。これにより、上乗せゲーム数が告知される。そして、次のステップ613に進む。
ステップ613において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上か否かが判断される。ストックカウンタ152の記憶値が1以上でない場合には、ステップ617に進み、特定演出実行フラグがOFFとされる。なお、すでに特定演出実行フラグがOFFである場合にはOFF状態が維持される。そして、特定演出中の処理を終了する。一方、ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合には、次のステップ614に進む。
【0098】
ステップ614において、特定演出の実行が決定される。具体的には、演出内容設定手段153があらかじめ設定した特定演出の報知内容(参照用記憶部にセットされている特定演出の報知内容)を参照し、報知内容に基づいて、最大5ゲームにわたる特定演出の実行予定が設定される。ここで決定されるのは、連戦バトルに係る特定演出であって、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満であっても、負けバトルに係る特定演出が選択され得る。なお、特定演出実行中の処理においては、書き換え判定処理は行われない。
次のステップ615において、特定演出実行フラグがONとされる。ここで、すでに特定演出実行フラグがONである場合(特定演出が2回以上連続している場合)には、ON状態が維持される。そして、特定演出中の処理を終了する。
【0099】
なお、上記したステップ609とステップ610の処理(ATゲーム数上乗せ処理)を、ステップ612の直前で行うようにしてもよい。
次に、サブ制御装置22の制御に基づくサブ制御処理のうちの、特別ART中の処理について、
図15のフローに基づき説明する。
図15は、特別ART状態における1回のゲームにおける処理を示すものである。
まず、
図15のステップ700において、特定演出実行判定処理が行われる。ここで、特定演出実行判定処理とは、
図10のステップ200から203までに行われる処理(
図10の※参照)であり、特定役に当選した場合に特定演出実行抽選を行い、当選した場合にはストックカウンタ152の記憶値を加算するものである。すなわち、特別ART中に特定演出実行抽選に当選した場合にも、当該当選がストックされるようになっている。そして、次のステップ701において、上乗せ抽選処理が行われ、抽選結果に基づいて、次のステップ702においてATカウンタ172の加算処理が行われるとともに、次のステップ703において、上乗せゲーム数の報知が行われる。そして、次のステップ704に進む。
【0100】
ステップ704において、特別ART状態の期間として設定された所定のゲーム数のカウント処理が行われる。カウントは、初期値0からカウント値を加算して設定値(4)になったらカウント終了するものであってもよいし、所定の設定値からカウント値を減算してカウント値が0になったらカウントを終了するものであってもよい。そして、次のステップ705において、ゲーム数を消化したか否か、すなわちゲーム数のカウントが終了したか否かが判断され、ゲーム数を消化していない場合にはそのまま特別ART中の処理を終了し、ゲーム数を消化した場合には、次のステップ706に進む。
ステップ706において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上か否かが判断される。ここでストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合とは、特別ART中に特定演出実行抽選に当選した場合と、ストックカウンタ152の記憶値が1以上であるときに特定ART状態に移行した場合が該当する。ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合には、次のステップ707において、次回特定演出の設定が行われる。ここで、次回特定演出の設定とは、次回の特定演出の終了までの演出予定を設定することであり、演出内容設定手段153があらかじめ設定した前兆演出及び特定演出の報知内容を参照して、前兆演出のゲーム数や、次回特定演出のゲーム数や報知内容(「ハズレ」か「上乗せ確定」か「特別ART移行確定」か)を決定する。そして、次のステップ708に進む。
【0101】
前記ステップ706でストックカウンタ152の記憶値が1以上でないと判断された場合には、ステップ707を飛び越してステップ708に進む。
ステップ708において、特定演出実行フラグをOFFにする。こうして、特別ART状態の終了後に実行される特定演出中には、ATゲーム数の減算が行われるものとなる。そして特別ART中の処理を終了する。
なお、既述したように、特別ART状態の終了後から、前兆演出を経て特定演出が終了するまでのゲーム数は、特別ART中に上乗せされ得る総ゲーム数の最小値と同等以下に設定するように形成されているので、上乗せゲーム数を獲得できない「ハズレ」に係る特定演出(負けバトル)が実行された場合であっても、特定演出の終了後に、ATカウンタ172が0になっていることはない。
【0102】
(総括)
以上説明したように、本実施の形態では、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満であった場合には、あらかじめ決定されている特定演出の報知内容がATのゲーム数を上乗せする、及び特別ART状態に移行する、のいずれかであるときのみ、特定演出を実行するようにしている。また、所定ゲームにわたる特定演出の終了後に連続して行われる所定ゲームにわたる特定演出の実行中は、ATのゲーム数の減算を行わないようにしている。これにより、極力ATのゲーム数の減算を行いつつ、特定演出中にAT状態が終了してしまうのを防止することができる。また、ATの終了間際に特定演出実行抽選の契機となる特定役が当選した場合であって、当該当選に基づく特定演出(ただし勝ちバトル)の実行中に、ATカウンタ172のカウント値が0となった場合でも、上乗せを前倒しして特定演出を終了させることなく、特定演出を最後まで実行させる。これにより、遊技者に違和感を与えることなく、特定演出の実行を遂行できる。
【0103】
さらに、ATのゲーム数の減算を行わない場合を、所定ゲームにわたる特定演出の終了後に連続して実行される特定演出の実行中のみとしたので、ATのゲーム数の減算を行わない状況が種々発生する仕様に比べて、処理を簡潔にすることができる。
また、本実施の形態では、特定演出の終了によりサブ状態が特別ART状態に移行した場合には、ストックカウンタ152の記憶値が1以上であっても特定演出実行フラグをいったんOFFにしているので、サブ状態が特別ART状態から通常ART状態に移行した後(この場合には、ATゲーム数が必ず上乗せされている)に実行される特定演出中においても、ATのゲーム数を減算することができ、ATのゲーム数の減算を極力行うことができる。
【0104】
なお、上記した実施の形態では、ATカウンタ172は、カウント値を減算することによりATゲーム数のカウントを行うように形成されていたが、カウント値を加算してATゲーム数をカウントし、カウント値が設定値(40ゲーム+上乗せゲーム数)に達したらATが終了するように形成してもよい。このように形成した場合には、ATゲーム数の上乗せがされる処理(
図14のステップ610、
図15のステップ702)では、ATカウンタ172の減算が行われることとなる。
また、上記した実施の形態では、所定回数分の特定演出の報知内容をあらかじめ設定しておくように形成されていたが、特定演出の報知内容を、特定演出実行抽選に当選する度に、抽選により決定するようにしてもよい。
【0105】
(変形例1)
上記した実施の形態では、あらかじめ決定されている特定演出の報知内容がATのゲーム数を上乗せするものである場合、特定演出の最終回までの間に、上乗せゲーム数を決定しかつATカウンタ172のカウント値を加算(更新)するように形成されていたが、特定演出が「上乗せ確定」である場合は、特定演出の実行開始時に、上乗せゲーム数を決定しかつATカウンタ172のカウント値を更新するようにしてもよい。具体的には、
図14におけるステップ609とステップ610の処理を、
図11のステップ304、305の後に行うようしてもよい。このよう形成した場合は、勝ちバトルが開始されるときにATゲーム数の上乗せがされるので(ただし、結果表示は特定演出の最終回)、例えばATの残りゲーム数が10ゲーム以下となったときに特定演出の実行契機となる特定役が当選した場合でも、当該当選を契機とした特定演出(前兆演出を含む)の実行中、ATゲーム数が0となってしまうことがない。
【0106】
また、上記した実施の形態では、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満となった場合において、特定役の当選に基づく特定演出を実行する場合には、あらかじめ設定されている特定演出の報知内容が「上乗せ」又は「特別ART移行」である勝ちバトルのみを発生させるように形成されていたが、かかる場合は、「特別ART移行」に係る勝ちバトルである場合のみ、特定演出を開始させるようにしてもよい。あるいは、「上乗せ」に係る勝ちバトルである場合のみ、特定演出を開始させるようにしてもよい。
さらに、上記した実施の形態では、連戦バトルは前兆演出なしで行われるようにしてあったが、連戦バトルを行う場合にも、前兆演出を伴うように形成してもよい。すなわち、
図14のステップ614で、前兆演出と特定演出の実行を決定するようにしてもよい。
【0107】
(変形例2)
上記した実施の形態及び変形例1では、連戦バトルの実行中は、原則として、ATゲーム数を更新(減算)しないように形成されていたが、原則として、連戦バトルも含む特定演出の実行中はATゲーム数を更新することとし、これに基づく不都合が生じないように種々の対応策を設けるようにしてもよい。この場合の対応策を、以下に説明する。
(1)ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以上(例えば11ゲーム以上)ある状態で連戦バトルが開始された場合には、当該特定演出の実行中はATゲーム数を更新し、ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下(例えば10ゲーム以下)である状態で連戦バトルが開始された場合には、当該特定演出の実行中はATゲーム数を更新しない。
【0108】
(2)ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である状態で連戦バトルが開始された場合においては、負けバトルである場合である場合にのみ、ATゲーム数を更新しない。
(3)ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合に開始される連戦バトルは、勝ちバトルのみ発生可能とする。例えば、所定の特定演出が終了したときの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上ある場合には、連戦バトルが勝ちバトルの場合にはそのまま実行し、負けバトルの場合には勝ちバトルに書き換えて実行する。あるいは、負けバトルを消滅させる処理のみ行うようにしてもよい。
【0109】
(4)ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下(例えば10ゲーム以下)である場合には、負けバトル(連戦バトルは除く)を発生させない設定としたうえで、所定回数(例えば3回)連続して負けバトルが発生した場合、又は負けバトルの累積回数が所定回数に達した場合には、次に実行予定の特定演出を勝ちバトルに書き換える。所定回数は、1回の通常ART中(最低40ゲーム)において、特定演出が行われる可能性がある最大値、具体的には、特定役の当選確率及び特定演出実行抽選の当選確率に基づき算定可能な特定演出実行抽選の当選予測回数に設定する。また、1回の特定演出は最大3ゲーム行われるものとする。
【0110】
このような設定となっている場合において、例えばATの残りゲーム数が11ゲームとなったときに、連戦バトルでない負けバトル(1回戦)が発生し、この負けバトル中に特定演出実行抽選に当選したとする。そうすると、1回戦の負けバトルの終了後の残り8ゲーム目に、1回目の連戦バトル(2回戦)が開始されるが、この連戦バルトが負けバトルであって、かつこの負けバトル中に特定演出実行抽選に当選したものとする。そうすると、残り5ゲーム目に2回目の連戦バトル(3回戦)が開始されるが、この2回目の連戦バトルも負けバトルで、かつ負けバトル中に特定演出実行抽選に当選したものとする。そして、残り2ゲーム目に開始される3回目の連戦バトル(4回戦)も負けバトルであったとする。仮に、このような状況が発生したとしても、3回目の連戦バトルは勝ちバトルに書き換えられるので、連戦バトルの終了後には何ゲームかの上乗せがされているものとなり、特定演出の終了後にATゲーム数が0になっていることを回避できる。ちなみに、勝ちバトルでは最低10ゲームが上乗せされるようにしておけば、1回目以降のいずれかの連戦バトルが勝ちバトルであればATゲーム数が上乗せされるので、何ら問題はない。
【0111】
なお、上記した例において、ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下(例えば10ゲーム以下)である場合には、負けバトル(連戦バトルは除く)を発生させない設定としたうえで、所定回数(例えば4回)連続して負けバトルが発生することとなる場合、又は負けバトルの累積回数が所定回数に達することとなる場合には、次に実行予定の特定演出を勝ちバトルに書き換えるようにしてもよい。この場合には、所定回数は、1回の通常ART中において、特定演出実行抽選が行われる可能性がある最大値+1回(上述の例によれば4回)に設定する。
以上、(1)〜(4)のように形成した場合には、より効果的に、特定演出の実行中にAT状態を終了させることなく、極力ATゲーム数を更新することができる。
【0112】
(変形例3)
上記した実施の形態及び変形例1及び2では、特定演出がストックされる仕様となっていたが、かかるストック機能を設けない場合、すなわち特定演出の実行中には、契機役が当選しても特定演出実行抽選を行わないように形成してある場合でも、特定演出の実行中にATカウンタ172がカウントを終了してしまう場合が想定できる。このような場合には、ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合には、負けバトルを発生させないようにすることや、ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合には、負けバトルを勝ちバトルに書き換えることで、特定演出実行中のゲーム数カウントを行いつつ、特定演出の実行中にATが終了してしまうのを防ぐことができる。
【0113】
本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機に応用できる。また、所定の操作手段の操作に基づいて遊技が進行する遊技機にも応用できる。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾が生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例を適宜組み合わせる、又は組み替えることもできる。