特許第6372001号(P6372001)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6372001
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
   A63F5/04 516F
【請求項の数】1
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2017-222183(P2017-222183)
(22)【出願日】2017年11月17日
(62)【分割の表示】特願2017-181842(P2017-181842)の分割
【原出願日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年11月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141508
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】今井 崇夫
(72)【発明者】
【氏名】松田 泰祐
(72)【発明者】
【氏名】竹内 賢一
(72)【発明者】
【氏名】谷川 義和
(72)【発明者】
【氏名】河江 大輔
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 裕
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 好彦
(72)【発明者】
【氏名】和田 大亮
(72)【発明者】
【氏名】小島 尚之
(72)【発明者】
【氏名】今村 昇平
(72)【発明者】
【氏名】山口 雄大
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 僚太
(72)【発明者】
【氏名】酒井 洋平
【審査官】 金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−245907(JP,A)
【文献】 「【山佐】ソウルキャリバーデッドラインバトル」,YouTube,2016年12月27日,アクセス日:2018年2月16日、主に00:56〜01:02を参照,URL,https://www.youtube.com/watch?v=9sQJLkERCeI
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、
小役及びリプレイを含む複数種類の役のうち少なくとも1つを含む複数種類の当選態様の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、
前記スタートスイッチによる前記開始操作の検出に基づいて、前記複数のリールを回転させ、前記ストップスイッチによる前記停止操作の検出及び前記内部抽選手段により決定された前記内部抽選の結果に基づいて、回転中の前記リールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段と、
前記複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、
特定役の入賞を補助する入賞補助制御に係る制御を実行可能である指示機能状態制御手段と、
遊技に関する演出を制御する演出制御手段と、
前記演出制御手段によって制御される演出を実行する演出装置と、を備え、
前記複数種類の当選態様には、前記停止操作の順序が正解打順である場合に前記リール制御手段による前記リール停止制御によって前記特定役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される特定当選態様が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記指示機能状態制御手段が前記入賞補助制御を実行可能な状態で前記内部抽選手段による前記内部抽選において前記特定当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知する入賞補助演出を実行可能であり
前記入賞補助演出の実行時において、前記演出装置に所定のキャラクタを表示可能であり、
前記入賞補助演出の実行時に前記所定のキャラクタを表示している場合において
記正解打順のうち最初の停止操作である第1停止操作が実行された場合に、前記所定のキャラクタを第1動作で動かす演出を実行し
記正解打順のうち2番目の停止操作である第2停止操作が実行された場合であっても前記第1停止操作が実行されたことにより前記所定のキャラクタを前記第1動作で動かす演出を実行した結果を維持し、
記正解打順のうち3番目の停止操作である第3停止操作が実行された場合に、前記所定のキャラクタを前記第1動作に関連する第2動作で動かす演出を実行し
前記正解打順を報知する表示である停止操作指示表示として、前記第1停止操作に対応する第1停止操作指示記号と、前記第2停止操作に対応する第2停止操作指示記号と、前記第3停止操作に対応する第3停止操作指示記号と、を表示し、
前記第3停止操作指示記号として、前記第1停止操作指示記号よりも透過し、前記第3停止操作指示記号の背面側の映像を視認可能な画像を表示する、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
また、一般に、この種の遊技機は、遊技に伴い液晶ディスプレイやスピーカ等により遊技を盛り上げる演出を実行するように構成されており、遊技機に予め記憶されている複数のキャラクタの中から特定のキャラクタを遊技者が自由に選択し、選択したキャラクタに関する演出を実行可能な遊技機も知られている。
【0004】
また、近年、遊技に伴う様々な契機に基づいて発生したポイント(経験値)を蓄積し、蓄積したポイントに応じてレベルが上昇し、一定以上のレベルに達したことを条件に実行される演出が用意されている遊技機が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の遊技機は、遊技終了時に、遊技に伴い上昇したレベルに関する情報を含む2次元コードを表示可能に構成されており、当該2次元コードに基づいて遊技者が携帯端末により管理サーバにアクセスすると、遊技に伴い上昇したレベルが管理サーバの会員情報に反映されて管理サーバに記憶される。そして、遊技開始前に遊技者が携帯端末により管理サーバにアクセスすることで当該管理サーバから取得可能なパスワードが入力されると、遊技機が管理サーバに記録されている情報のレベルから遊技を開始できるように設定される。これにより、例えば過去に行った遊技の際に上昇したレベルを引継ぐことを可能としており、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−43986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技者が会員情報を登録して、複数のキャラクタのうちの特定のキャラクタのレベルを上昇させている場合は、その遊技者が何れのキャラクタのレベルを上昇したいかの意図が把握し易いが、最初に遊技を開始した場合や上述したパスワードを入力せずに遊技を行った場合などにあって遊技終了時に2次元コードを表示させる際には、特に遊技の途中でキャラクタの選択が変更されていると、蓄積されたポイントに基づいて何れのキャラクタのレベルを上昇することが遊技者の意図に合致するか判断が難しいという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、発生した演出ポイントに関する情報を演出種別に関連付けて継続情報を出力する際に、遊技者の意図に合う継続情報となる可能性を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遊技機(1)は、
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリール(R1,R2,R3)と、
遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチ(230)と、
小役及びリプレイを含む複数種類の役のうち少なくとも1つを含む複数種類の当選態様の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(120)と、
前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチ(240)と、
前記スタートスイッチによる前記開始操作の検出に基づいて、前記複数のリールを回転させ、前記ストップスイッチによる前記停止操作の検出及び前記内部抽選手段により決定された前記内部抽選の結果に基づいて、回転中の前記リールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段(130)と、
前記複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン(L1)上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段(140)と、
特定役の入賞を補助する入賞補助制御に係る制御を実行可能である指示機能状態制御手段(185)と、
遊技に関する演出を制御する演出制御手段(320)と、
前記演出制御手段によって制御される演出を実行する演出装置(400)と、を備え、
前記複数種類の当選態様には、前記停止操作の順序が正解打順である場合に前記リール制御手段による前記リール停止制御によって前記特定役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される特定当選態様が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記指示機能状態制御手段が前記入賞補助制御を実行可能な状態で前記内部抽選手段による前記内部抽選において前記特定当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知する入賞補助演出を実行可能であり
前記入賞補助演出の実行時において、前記演出装置に所定のキャラクタを表示可能であり、
前記入賞補助演出の実行時に前記所定のキャラクタを表示している場合において
記正解打順のうち最初の停止操作である第1停止操作が実行された場合に、前記所定のキャラクタを第1動作で動かす演出を実行し
記正解打順のうち2番目の停止操作である第2停止操作が実行された場合であっても前記第1停止操作が実行されたことにより前記所定のキャラクタを前記第1動作で動かす演出を実行した結果を維持し、
記正解打順のうち3番目の停止操作である第3停止操作が実行された場合に、前記所定のキャラクタを前記第1動作に関連する第2動作で動かす演出を実行し
前記正解打順を報知する表示である停止操作指示表示として、前記第1停止操作に対応する第1停止操作指示記号と、前記第2停止操作に対応する第2停止操作指示記号と、前記第3停止操作に対応する第3停止操作指示記号と、を表示し、
前記第3停止操作指示記号として、前記第1停止操作指示記号よりも透過し、前記第3停止操作指示記号の背面側の映像を視認可能な画像を表示する、
ことを特徴とする。
【0009】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る遊技機は、演出ポイントに関する情報を次の遊技開始時に継続可能にする継続情報に関する指令が入力されていない非継続状態で、発生した演出ポイントに関する情報を演出種別に関連付けて新たな継続情報を出力する際には、演出種別選択手段により選択されている演出種別と、演出記憶手段に蓄積された演出ポイントに関する情報と、を関連付けて新たな継続情報を生成して出力するので、遊技者の意図に合う継続情報となる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技システムの構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機の非RT状態〜RT2状態における内部抽選テーブルを示す図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機のRT3状態、ボーナス成立状態及び、ボーナス作動状態における内部抽選テーブルを示す図である。
図6】(A)は、本発明の実施形態の遊技機の非RT状態〜RT3状態、ボーナス成立状態において当選可能な小役の当選態様を説明する図、(B)は、ボーナス作動状態において当選可能な小役の当選態様を説明する図である。
図7】本発明の実施形態の遊技機の非RT状態〜RT3状態及びボーナス成立状態において当選可能なリプレイの当選態様を説明する図である。
図8】(A)は、本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、(B)は、指示機能状態に関する状態遷移図である。
図9】本発明の実施形態の遊技機の演出表示装置に入賞補助演出として表示される内容を示す図で(A)〜(E)はそれぞれ異なる表示内容を示す図である。
図10】本発明の実施形態の遊技機の演出表示装置に表示される内容を示す図で、(A)は、通常の演出画面を示す図、(B)は、操作選択画面を示す図、(C)は、キャラクタ選択画面を示す図、(D)は、パスワード入力画面を示す図、(E)は、2次元コード出力画面を示す図である。
図11】(A)は、本発明の実施形態の遊技機の演出操作処理を示すフローチャート、(B)は、演出キャラクタ設定処理を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態の遊技機のポイント蓄積期間開始処理を示すフローチャート、及び本発明の実施形態の遊技システムにおける遊技を開始する際の処理を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態の遊技機のポイント蓄積期間終了処理を示すフローチャート、及び本発明の実施形態の遊技システムにおける遊技を終了する際の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0013】
1.遊技システムの概略
図1は、本実施の形態に係る遊技システム900の構成を示す図である。図1に示すように、遊技システム900は、遊技者の遊技の履歴を示す情報である遊技履歴等を含む会員情報を管理する管理サーバ700と、液晶ディスプレイ810やカメラ820を有するスマートフォンなどの通信端末機800と、本実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシン1と、を備えて構成されている。管理サーバ700と通信端末機800とは、インターネットを介して接続されることで双方向通信可能に構成されており、互いに種々のデータを送受信することができるように構成されている。
【0014】
また、スロットマシン1は、後述する演出表示装置410(図2参照)に上述の遊技履歴等の種々の情報を含む2次元コードを表示することが可能に構成されており、この演出表示装置410に表示された2次元コードを通信端末機800のカメラ820で読み取ることによって通信端末機800内に上記情報を入力し(1)、入力した情報を管理サーバ700に送信する(2)ことができるように構成されている。また、管理サーバ700は、通信端末機800上で遊技者の嗜好に合わせて選択された、スロットマシン1が実行する演出の設定である演出設定等に関する情報を含むパスワードを出力する(3)ことができるように構成されている。遊技者は、出力されたパスワードをスロットマシン1に入力する(4)ことで、過去に遊技を行った際の演出を継続することや、スロットマシン1が実行する演出を演出設定に合わせて選択することができるようになっている。遊技システム900の詳細については後述する。
【0015】
2.スロットマシンの構成
図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0016】
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3を有するリールユニット430(図3参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット430の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット440(図3参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0017】
図2に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄の何れかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(不図示)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
【0018】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0019】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、何れの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0020】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット440からメダルの払い出し等が行われる。
【0021】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス作動状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0022】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示機から構成される主制御表示装置500(図3参照)が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示される。また、主制御表示装置500では、報知表示の表示後、第1リールR1〜第3リールR3が停止した際に、報知表示を終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯することで、内部抽選で当選した役がどの役であるか遊技者が推測できるような報知表示が実行される。
【0023】
また、前面上扉UDには、演出を行うための演出表示装置410が設けられている。演出表示装置410は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(不図示)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0024】
また、演出表示装置410は、演出表示装置410の大部分の領域を占め、例えばスロットマシン1において実行される内部抽選に応じて表示される演出等を実行する演出表示領域410aと、演出表示装置410のうちスロットマシン1を正視した際の右下部の領域を占め、遊技者が選択したキャラクタの映像や画像が表示されたり、表示レベル値が表示されたりする演出等を実行する演出キャラクタ表示領域410bと、を有している(詳細は後述)。なお、演出表示装置410に表示される内容は、特に記載が無い限りは動画的に表示される映像であってもよいし、静止画であってもよいが、以下これらをまとめて単に映像と記載する。
【0025】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMBと、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSLと、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3と、クレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSと、遊技に関する演出を制御する副制御部300(図3参照)が有する演出制御手段320(図3参照)に対して指令を入力可能な入力手段としてのジョグダイヤルJGと、が設けられている。
【0026】
ジョグダイヤルJGは、左右に回転可能なリング状のダイヤル部JGDと、ダイヤル部JGDの回転中心に設けられ押下操作することができる決定ボタンJGBと、から構成されている。ダイヤル部JGDは、遊技者によってダイヤル部JGDを回転する回転操作が実行された場合に、回転方向及び回転量(角度)を検知可能なセンサとセンサが検知した回転方向及び回転量(角度)を信号(選択信号)として副制御部300へ出力する出力部とから構成されるダイヤルユニット270を内蔵している。また、決定ボタンJGBは、遊技者によって決定ボタンJGBを押下する押下操作が実行された場合に副制御部300へ信号(決定信号)を出力する決定スイッチ280を内蔵している。決定スイッチ280は、遊技者が決定ボタンJGBを押下した場合に、副制御部300へ出力する決定信号をOFF状態からON状態へ変化させる。また、決定スイッチ280は、遊技者が押下状態にある決定ボタンJGBを解放することで、決定信号をON状態からOFF状態へ変化させる。遊技者は、ダイヤル部JGDを左右に回転操作することで、演出表示装置410に表示される項目から特定の項目を選択することができ、決定ボタンJGBを押下操作することで、選択した項目を確定することができる。このように、スロットマシン1は、遊技者によるジョグダイヤルJGの操作によって副制御部300がダイヤルユニット270及び決定スイッチ280からの指令としての入力信号を受けて確定された項目に基づき、演出制御手段320が演出に関する各種制御処理を実行する。
【0027】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0028】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がON動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチ240は、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
【0029】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放(以下、「解放タイミング」と記載)すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチ240がOFF動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
【0030】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット440からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0031】
図3は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、それぞれ独立した制御基板である主制御部100と副制御部300とによって制御される。主制御部100は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチ250及びリセットスイッチ260等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット430、ホッパーユニット440、主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。また、スロットマシン1においては、主制御部100と副制御部300とについて、主制御部100から副制御部300への単方向通信のみを可能に構成され、主制御部100から副制御部300へ各種信号を送信可能であるものの、副制御部300から主制御部100へ信号等を送信することができないように通信接続されている。
【0032】
主制御部100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。主制御部100は、設定変更手段105、投入受付手段110、乱数生成手段115、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、コマンド送信手段180、指示機能状態制御手段185、主記憶手段190を含む。主制御部100を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、主記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0033】
設定変更手段105は、主記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態のスロットマシン1では、収納箱BX(図2参照)内に収められた電源装置(不図示)に設けられている設定変更スイッチ250を構成するキーシリンダに、設定キーが挿入されて時計回り(又は反時計回り)に設定キーが回されて設定変更スイッチ250がONとなった状態で、設定変更スイッチ250が作動し電源装置に電力が供給されたことを設定の変更を許可する条件(設定変更許可条件)としている。設定変更手段105は、設定変更許可条件が成立している場合に、スロットマシン1を設定の変更を許可する状態(設定変更許可状態)に制御する。
【0034】
設定変更許可状態において、設定変更手段105は、電源装置に設けられているリセットスイッチ260からの入力信号を受け付ける毎に、主記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートスイッチ230の作動が設定を確定させる条件とされており、スタートレバーSL(図2参照)の操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、詳細は後述する内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。
【0035】
投入受付手段110は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(図2参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段110が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段110は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0036】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3(図2参照)の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0037】
乱数生成手段115は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0038】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0039】
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、何れの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応付けられている。
【0040】
図4図5は、遊技状態が非リプレイタイム状態〜リプレイタイム3状態(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)、ボーナス成立状態、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのビッグボーナス(以下、ビッグボーナスを「BB」とも記載)が作動した状態であるボーナス作動状態である場合に選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルFを示す図である。図4図5に示すように、遊技状態が非RT状態〜RT3状態及びボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEは、小役を含む当選エリアの当選確率が同一に設定されており、小役を含む当選エリアとして、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「共通ベル役」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「取りこぼし役」と、にそれぞれ乱数が対応付けられている。また、遊技状態が非RT状態〜RT3状態である場合に選択される内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDでは、本実施形態において用意されているボーナスとして、ボーナスに当選する当選エリアである当選エリア「BB」が抽選対象として設定されている。
【0041】
図6(A)は、非RT状態〜RT3状態及びボーナス成立状態において当選可能な小役を含む当選エリア(当選態様)と、各当選エリアの当選時に実行されるストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作態様によって入賞可能となる小役と、を示す図である。図6(A)に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベル、特殊小役1〜特殊小役6、レア役及び取りこぼし役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」が設定されている。
【0042】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3(図2参照)に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1〜打順6の6通りの打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1(図2参照)を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2(図2参照)を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3(図2参照)を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
【0043】
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
【0044】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始され、遊技者が最初に有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3の何れかを押下操作することを第1停止操作とも記載し、第1リールR1〜第3リールR3のうち、第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応した1つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3の何れかを押下操作することを第2停止操作とも記載し、第1リールR1〜第3リールR3のうち第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールと第2停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールとの2つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3の何れかを押下操作することを第3停止操作とも記載する。
【0045】
当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」は、ベルと、特殊小役1〜特殊小役6のうち何れか1種類と、が重複して当選する当選エリアである。ここで、ベルは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に適切な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞する入賞役であり、例えば当選エリア「打順ベル1」の当選時である場合には、打順1でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。また、特殊小役1〜特殊小役6は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞可能な入賞役であり、例えば当選エリア「打順ベル1」の当選時である場合には、打順2〜打順6の何れかの打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞する。
【0046】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができない打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ特殊小役1〜特殊小役6を入賞させることができない押下タイミングで各ストップボタンが押下操作された場合には、何れの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)が発生する。また、以下の記載において、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができる打順を、正解打順とも記載する。また、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができない打順を、不正解打順とも記載する。
【0047】
当選エリア「共通ベル役」は、ベルに当選し、打順及び押下タイミングによらずベルが入賞可能に構成されている。当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、打順及び押下タイミングによらずレア役が入賞可能に構成されており、他の小役を含む当選エリアよりも当選する確率が低くなるように構成されている。当選エリア「取りこぼし役」は、取りこぼし役に当選し、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に取りこぼし役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが取りこぼし役を入賞させることができない押下タイミングであった場合には、何れの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0048】
図6(B)は、ボーナス作動状態において当選可能な小役の当選エリアを示す図である。図6(B)に示すように、当選エリア「JAC」は、ベル、特殊小役1〜特殊小役6、レア役及び取りこぼし役の、非RT状態〜RT3状態及びボーナス成立状態において当選可能な小役の全てに重複して当選する当選エリアである。
【0049】
本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「JAC」に当選した場合、詳細は後述するリール制御手段130によるリール停止制御において、入賞時の払出数が最も多いベルが他の役に優先して入賞するように第1リールR1〜第3リールR3(図2参照)を制御する。これにより、当選エリア「JAC」に当選した場合には、ストップボタンB1〜ストップボタンB3(図2参照)の打順及び押下タイミングによらずベルが入賞する。
【0050】
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。図4図5に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ」と、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ12」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
【0051】
図7は、非RT状態〜RT3状態及びボーナス成立状態において当選可能なリプレイを含む当選エリア(当選態様)と、各当選エリアの当選時に実行されるストップボタンB1〜ストップボタンB3(図2参照)の操作態様によって入賞可能となるリプレイと、を示す図である。図4図5図7に示すように、当選エリア「通常リプレイ」は、内部抽選テーブルA及び内部抽選テーブルEのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらず通常リプレイを入賞可能に構成されている。当選エリア「レアリプレイ」は、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、レアリプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。また、当選エリア「レアリプレイ」は、各内部抽選テーブルにおいて当選可能なリプレイを含む当選エリアの何れの当選エリアよりも当選確率が低くなるように設定されている。
【0052】
当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」は、遊技状態がRT1状態である場合に選択される内部抽選テーブルBにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、に重複して当選し、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」のそれぞれに設定された打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にはRT2移行リプレイが入賞し、それ以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に通常リプレイが入賞する。
【0053】
当選エリア「打順リプレイ7」〜当選エリア「打順リプレイ12」は、遊技状態がRT2状態、RT3状態である場合に選択される内部抽選テーブルC、内部抽選テーブルDにおいて設定されている当選エリアであり、RT1移行リプレイと、RT3移行リプレイと、に重複して当選し、当選エリア「打順リプレイ7」〜当選エリア「打順リプレイ12」のそれぞれに設定された打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にはRT3移行リプレイが入賞し、それ以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にRT1移行リプレイが入賞する。
【0054】
また、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ12」は、それぞれ入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」とも記載)が他のリプレイとは異なる特殊リプレイ1〜特殊リプレイ5といったリプレイと図7に示す組合せで重複当選することで、重複当選する当選態様がそれぞれ異なるように構成されている。なお、後述するリール制御手段130は、内部抽選手段120による内部抽選で特殊リプレイ1〜特殊リプレイ5を含む当選エリアに当選した場合に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が何れの打順及び押下タイミングで押下操作された場合にも、特殊リプレイ1〜特殊リプレイ5の入賞図柄組合せが表示されないようにリール停止制御を実行するように構成されている。
【0055】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数生成手段115が生成し乱数格納領域(不図示)に格納した乱数を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0056】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、主記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0057】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応付けられる役としては、BBがあり、小役及びリプレイは、後者の持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でBBを含む当選エリアに当選すると、当選したBBの抽選フラグの成立状態を、BBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、BBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、BBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0058】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSL(図2参照)へ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3(図2参照)の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3(図2参照)が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット430のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させるリール停止制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
【0059】
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【0060】
このため、スロットマシン1では、上述したベルや各リプレイのようなストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な役の入賞図柄組合せを構成する図柄が、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれにおいて、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに表示可能な範囲内に配列されている。
【0061】
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、主記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
【0062】
まず、ロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット430に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチ240からリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
【0063】
ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。本実施形態のスロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。
【0064】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0065】
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
【0066】
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、主記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、小役、リプレイ、ボーナスの入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
【0067】
また、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には小役の配当に基づき決定した枚数のメダルを払出制御手段150に払い出させる処理を行わせ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に入賞したボーナスを作動させる処理を行わせる。
【0068】
払出制御手段150は、メダルの払い出しに関する制御である払出制御を実行し、遊技結果に応じたメダルの払い出しを行う処理である払出処理を実行する。具体的には、払出制御手段150は、入賞判定手段140による入賞判定処理の結果に基づき、払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット440に払い出させる払出制御を行う。
【0069】
本実施形態における小役の配当について、ベルの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い9枚に設定され、レア役の配当は、規定投入数と同数の3枚に設定され、特殊小役1〜特殊小役6及び取りこぼし役の配当は、規定投入数よりも少ない1枚に設定されている。
【0070】
ホッパーユニット440は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット440には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ441が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ441からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット440から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット440によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、主記憶手段190のクレジット記憶領域(不図示)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0071】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に複数種類のリプレイ役のうち何れかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0072】
遊技状態移行制御手段170は、非RT状態〜RT3状態の間で移行させるRT状態移行制御処理と、BBが当選した場合に現在の遊技状態からボーナス成立状態に移行させるボーナス成立状態移行制御処理と、BBが入賞した場合に現在の遊技状態からボーナス作動状態に移行させるボーナス状態移行制御処理と、の遊技に係る状態の移行に係る制御と、BBが入賞した場合に、入賞したBBを作動させ、作動させたBBの終了条件が成立した場合に作動させていたBBを終了させるBBの作動に係る制御と、を行う。なお、本実施形態において、ボーナス作動状態が遊技者にとって有利な状態である有利状態を構成し、ボーナス成立状態が有利状態へ移行可能な権利が発生している状態を構成する。
【0073】
図8(A)は、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技に係る状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。なお、以下の記載において、非RT状態〜RT3状態をまとめて「非ボーナス状態」とも記載する。
【0074】
まず、RT状態移行制御処理の詳細について説明する。図8(A)に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、非RT状態からはRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、非RT状態において当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の何れかが当選し、かつストップボタンB1〜ストップボタンB3(図2参照)が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスの何れの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1(図2参照)上に表示された場合に、遊技状態をRT1状態へ移行させる。また、非RT状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定された内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
【0075】
RT1状態は、非RT状態と、RT2状態と、RT3状態と、から移行可能な通常の状態に相当する遊技状態で、RT1状態からはRT2状態への移行が可能となっている。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、RT1状態において、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」の何れかに当選し、かつRT2移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、遊技状態をRT2状態へ移行させる。RT1状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
【0076】
RT2状態は、RT1状態においてリール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RT2状態からは、RT1状態と、RT3状態と、への移行が可能となっている。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、RT2状態において、当選エリア「打順リプレイ7」〜当選エリア「打順リプレイ12」の何れかに当選し、かつRT1移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT1移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合と、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の何れかが当選し、かつストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスの何れの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合と、に遊技状態をRT1状態へ移行させる。
【0077】
また、遊技状態移行制御手段170は、RT2状態において、当選エリア「打順リプレイ7」〜当選エリア「打順リプレイ12」の何れかに当選し、かつRT3移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT3移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、遊技状態をRT3状態へ移行させる。RT2状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
【0078】
RT3状態は、RT2状態においてリール制御手段130によるリール停止制御によりRT3移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RT3状態からは、RT1状態への移行が可能となっている。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、当選エリア「打順リプレイ7」〜当選エリア「打順リプレイ12」の何れかに当選し、かつRT1移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT1移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合と、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の何れかが当選し、かつストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスの何れの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合と、に遊技状態をRT1状態へ移行させる。RT3状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/1.4に設定されることで、小役、リプレイ又はボーナスの何れかに当選する確率が極めて高く設定されている内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。
【0079】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技状態移行制御手段170が、非RT状態〜RT3状態の間で遊技に係る状態を遷移させることで、各遊技状態で異なる遊技性を実現している。具体的には、本実施形態のスロットマシン1においては、通常の遊技が実行されるRT1状態と、リプレイの当選確率が高いRT3状態へ移行する頻度を抑制し過度にメダルの支払いが行われることを防止するRT2状態と、高確率でリプレイに当選することで毎回の遊技において小役、リプレイ又はボーナスの何れかに極めて高い確率で当選可能なRT3状態と、でそれぞれ異なる遊技性を実現している。
【0080】
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技に係る状態の移行に係る制御のうちボーナス成立状態移行制御処理について説明する。遊技状態移行制御手段170は、内部抽選でBBを含む当選エリアに当選した場合に、遊技に係る状態を現在の遊技状態からボーナス成立状態へ移行させるボーナス成立状態移行制御処理を実行する。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、例えば非RT状態での内部抽選においてボーナスであるBBを含む当選エリア「BB」に当選した場合に、遊技に係る状態を非RT状態からボーナス成立状態に移行させる。
【0081】
また、スロットマシン1では、BBを含む当選エリアに当選し、かつ当選したBBが入賞しなかった場合、上述したように、当選したBBの抽選フラグが成立状態で維持される。スロットマシン1は、BBが入賞するまでの以降の遊技において、BBの抽選フラグが成立状態で持ち越されているボーナス成立状態での遊技が実行される。ボーナス成立状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
【0082】
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選で小役、リプレイ又はボーナスの何れかに当選する確率が極めて高く設定されているRT3状態よりもリプレイの当選確率が低い内部抽選テーブルを用いて内部抽選が実行されるように構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で小役又はリプレイに当選した場合に、BBの抽選フラグが成立状態で持ち越されていることから、小役とボーナス又はリプレイとボーナスが重複して当選した状態となる。また、上述した通り、スロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。また、スロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切である場合に入賞する特殊小役1〜特殊小役6、取りこぼし役の当選時において、当選した特殊小役1〜特殊小役6又は取りこぼし役を入賞できない押下タイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、何れの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0083】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態のリプレイの当選確率をRT3状態におけるリプレイの当選確率よりも低くなるように設定し、内部抽選でハズレ(不当選)となり得るように構成することで、BBに単独で当選した状態が発生し得るように構成されている。これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選でハズレ(不当選)となった際に、抽選フラグが成立状態にセットされ続けているBBを入賞させることができるようになる。
【0084】
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技に係る状態の移行に係る制御のうちボーナス状態移行制御処理と、遊技状態移行制御手段170が実行するBBの作動に係る制御と、について説明する。遊技状態移行制御手段170は、リール制御手段130によるリール停止制御によりBBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、BBを作動させるとともに遊技に係る状態をボーナス成立状態からボーナス作動状態へ移行させる。
【0085】
ボーナス作動状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170は、主記憶手段190の有するカウンタであるボーナス終了判定カウンタ(不図示)へ値を加算する処理を開始する。ボーナス作動状態からは、非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、ボーナス作動状態において、216枚を超えるメダルの払い出しが実行され、ボーナス終了判定カウンタに記憶されている値が予め定められた所定の払出数に対応する値(本実施形態では値「217」)に到達した場合に、作動しているBBを終了するとともに、遊技状態を非RT状態に移行する。ボーナス作動状態では、小役の当選エリアとして当選エリア「JAC」が設定され、極めて高い確率で当選エリア「JAC」に当選するように設定された内部抽選テーブルFを参照した内部抽選が行われる。
【0086】
コマンド送信手段180は、主制御部100を構成する各手段が実行する制御処理の内容等から副制御部300や遊技情報表示部DS等の出力手段へ送信するコマンドを作成する制御処理であるコマンド作成処理と、コマンド作成処理で作成したコマンドを副制御部300や出力手段に送信する制御処理であるコマンド送信処理と、を、予め定められた周期(例えば、1.49ms毎)で実行する処理である割り込み処理を2回実行する毎に実行する。本実施形態のコマンド送信手段180は、例えば、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアの情報(当選情報)を他の制御部や出力手段へ送信する場合、主記憶手段190のコマンド記憶手段196に記憶されている当選コマンドテーブルを参照してコマンド作成処理を実行することで、当選情報に基づく制御信号である当選コマンドを作成し、コマンド送信処理を実行することで作成した当選コマンドを副制御部300や出力手段へ送信する。ここで、当選コマンドテーブルは、内部抽選で当選した当選エリアと、副制御部300を含む他の制御部や出力手段へ送信されるコマンドである当選コマンドと、が対応付けられたデータテーブルである。また、当選コマンドには、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに係る情報の他に、主制御表示装置500が実行する報知表示における表示態様に係る情報も含まれている。
【0087】
指示機能状態制御手段185は、特定役の入賞を補助する入賞補助制御を含む指示機能に係る制御がそれぞれ異なる状態である複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る制御と、各指示機能状態における指示機能に係る制御と、を行う。指示機能状態制御手段185は、主記憶手段190の指示機能状態制御データ記憶手段197に記憶されている各データやON状態又はOFF状態にセットされる各種フラグ、カウンタを用いて、指示機能状態に応じた各制御処理を実行する。また、指示機能状態制御手段185が実行する指示機能に係る制御には、後述するアシストタイム状態(以下、アシストタイムを「AT」とも記載)に指示機能状態を移行させるか否かを決定するAT抽選等が含まれる。
【0088】
図8(B)は、指示機能状態制御手段185によって制御される指示機能状態を示す状態遷移図である。本実施形態のスロットマシン1は、指示機能状態制御手段185によって制御される状態として、通常非アシストタイム状態(通常非AT状態)と、チャンスゾーン状態(CZ状態)と、を含み、指示機能状態制御手段185によって入賞補助制御が実行されない状態である非アシストタイム状態(非AT状態)と、指示機能状態制御手段185によって入賞補助制御が実行されるアシストタイム状態(AT状態)と、を有している。
【0089】
まず、入賞補助制御が実行されない非AT状態について説明する。通常非AT状態は、入賞補助制御が実行されない非AT状態であり、かつCZ状態でない場合に実行される状態であり、他の状態が開始されるまで継続する状態である。通常非AT状態において、指示機能状態制御手段185は、予め定められた所定の当選役に当選した場合や予め定められた所定の遊技回数の遊技が実行された場合等の、予め定められた抽選条件が成立した場合に、通常非AT状態からCZ状態への移行を決定するか否かを抽選により決定するCZ抽選を実行する。本実施形態の指示機能状態制御手段185においては、予め定められた抽選条件として、内部抽選で当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合にCZ抽選を実行する。
【0090】
また、指示機能状態制御手段185は、予め定められた抽選条件として、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合に、非AT状態からAT状態への移行を決定するか否かを抽選により決定するAT抽選を実行する。なお、本実施形態において、指示機能状態制御手段185は、例えば、指示機能状態を非AT状態からAT状態に移行させることなく所定の遊技回数(例えば、1000ゲーム)の遊技が実行された場合に非AT状態からAT状態に移行させるように構成されていてもよい。
【0091】
CZ状態は、通常非AT状態においてCZ抽選に当選した場合に実行される状態であり、通常非AT状態よりもAT状態へ移行する確率が高く、遊技者にとって有利な状態である。CZ状態の開始時において、指示機能状態制御手段185は、主記憶手段190のCZ終了判定カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、10ゲームの遊技が実行されるまでの間、毎ゲームにAT状態の実行を決定するか否かを抽選するAT抽選を実行するように構成されており、当選確率が低い当選エリア「レア役」に当選した場合にのみAT抽選が実行される通常非AT状態よりもAT状態に移行しやすい状態となっている。指示機能状態制御手段185は、CZ終了判定カウンタの記憶する値が値「0」になるまでにAT抽選によってAT状態の実行が決定された場合に、CZ状態を終了してAT状態を開始し、CZ終了判定カウンタの記憶する値が値「0」になった時点でAT抽選によってAT状態の実行が決定されなかった場合に、CZ状態を終了して通常非AT状態を開始する。
【0092】
次に、入賞補助制御が実行されるAT状態について説明する。本実施形態において、指示機能状態制御手段185は、AT状態において、打順によって入賞する役が異なる当選エリアに内部抽選で当選した場合に、特定役が入賞する確率を上げるための制御として、コマンド送信手段180に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させる制御である入賞補助制御を実行する。入賞補助制御が指示機能状態制御手段185に実行されることで、スロットマシン1では、コマンド送信手段180に作成させた当選コマンドが主制御表示装置500に送信され、内部抽選で当選した当選エリアが何れの当選エリアであるかを報知する報知表示(入賞補助演出)が主制御表示装置500に実行される。ここで、入賞補助制御の対象になる当選エリアは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ12」と、が含まれる。また、入賞補助制御によって入賞する確率が上がる特定役は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時のベル、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」の当選時のRT2移行リプレイ、当選エリア「打順リプレイ7」〜当選エリア「打順リプレイ12」の当選時のRT3移行リプレイである。
【0093】
このため、AT状態は、遊技者がメダルを獲得することが容易になるとともに、リプレイの当選確率が高い遊技状態に移行する確率も上がることで、遊技者にとってメダルの払い出しに関して有利な状態となっている。
【0094】
上述した通り、RT3状態においては、小役、リプレイ又はボーナスに必ず当選し、非RT状態〜RT2状態よりもリプレイの当選確率が高く設定されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1においては、AT状態が開始され当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」の当選時において、RT2移行リプレイを入賞させることができる打順が報知されることで、遊技状態がRT1状態からRT2状態に移行し、当選エリア「打順リプレイ7」〜当選エリア「打順リプレイ12」の当選時において、RT3移行リプレイを入賞させることができる打順が報知されることで、遊技状態がRT2状態からRT3状態に移行した場合に、以降の遊技における当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時において、正解打順が報知されることで、RT3状態が維持されるため、AT状態における遊技が他の遊技状態よりもリプレイに高確率で当選する状態で実行される、いわゆるアシストリプレイタイム遊技(ART遊技)となっている。
【0095】
また、指示機能状態制御手段185によってAT状態に制御されている場合、副制御部300の演出制御手段320は、コマンド送信手段180から送信される当選コマンドに基づき、演出装置400に、特定役の入賞を補助する演出である入賞補助演出を実行させる。例えば、演出制御手段320は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」に当選したことを示す当選コマンドが内部抽選手段120から送信された場合、ベルを入賞させることができる正解打順を報知する、入賞補助演出を演出装置400に実行させる。演出制御手段320が演出装置400に実行させる入賞補助演出の詳細については後述する。
【0096】
AT状態は、非AT状態において上述したAT状態への移行が決定された場合に開始される状態である。AT状態の開始時において、指示機能状態制御手段185は、指示機能状態制御データ記憶手段197に含まれ、AT状態における遊技が実行される期間を管理するカウンタであるATゲーム数カウンタ(不図示)に、予め定められた遊技回数に対応する値(例えば、30ゲーム)をセットする。AT状態において遊技が実行された場合に、指示機能状態制御手段185は、遊技の実行の都度、ATゲーム数カウンタの記憶値を、1回の遊技に相当する値である値「1」ずつ減算する。ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合、指示機能状態制御手段185は、AT状態の終了条件が成立したと判定し、AT状態を終了して指示機能状態を通常非AT状態へ移行させる。なお、AT状態が終了する際、演出制御手段320は、演出装置400を構成する各構成に、遊技者にメダルの払出数の合計等を報知するAT結果報知演出を実行させる。
【0097】
副制御部300は、主制御部100のコマンド送信手段180から送信される各種コマンドに基づき、遊技を盛り上げたり、様々な報知を行う演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出表示装置410及び音響装置420を含む演出装置400等の出力手段の動作を制御する制御処理を実行する。副制御部300の機能は、主制御部100と略同様に、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。副制御部300は、コマンド受信手段310、演出制御手段320及び副記憶手段360を含む。また、演出制御手段320は、演出表示制御手段321、演出種別選択手段323、演出ポイント制御手段324(ポイント制御手段)及び継続情報出力手段325を含む。副制御部300を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、副記憶手段360に予め記憶されている各制御プログラムや演出に用いられるデータを読み出して実行する。
【0098】
コマンド受信手段310は、主制御部100のコマンド送信手段180から送信される信号(コマンド)を予め定められた周期(例えば512μs)毎に受信する制御処理であるコマンド受信処理を実行する。副制御部300においては、コマンド受信手段310が受信したコマンドに基づき、演出制御手段320により演出の制御処理が実行される。
【0099】
演出制御手段320は、主制御部100から送信された各種コマンドと、副記憶手段360の演出データ記憶手段361(演出記憶手段)に記憶されている演出に関する情報としての演出データと、に基づいて、例えば、演出表示装置410を用いて行う表示演出や音響装置420を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出を制御する。具体的には、遊技者による、メダルの投入、シングルベットボタンBT(図2参照)、マックスベットボタンMB(図2参照)、スタートレバーSL(図2参照)、ストップボタンB1〜ストップボタンB3(図2参照)及びジョグダイヤルJG等のスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLED(不図示)の点灯あるいは点滅、演出表示装置410の表示内容の変化、スピーカからの音の出力等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出の制御処理や、特定の役を入賞させることができる打順や押下タイミングを報知することで特定の役の入賞を補助する演出である入賞補助演出等の遊技を補助するための演出の制御処理を実行する。
【0100】
また、本実施形態の演出制御手段320は、乱数を用いる演出抽選毎に、乱数生成手段115が生成した乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段362に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて演出抽選を実行し、演出抽選の結果に応じた演出を演出装置400に実行させるように構成されている。
【0101】
3.入賞補助演出の詳細について
次に、図2図3及び図9を参照して、演出制御手段320によって実行される入賞補助演出の詳細について、後述する演出キャラクタとしてキャラクタB(CR−B)が設定されている状態において、当選エリア「打順ベル4」に当選した場合を例に説明する。図9は、本発明の実施形態のスロットマシン1の演出表示装置410に入賞補助演出として表示される内容を示す図で、(A)〜(E)はそれぞれ、内部抽選において当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に演出表示装置410に表示される異なる内容を示す図である。
【0102】
演出表示制御手段321は、演出表示装置410に各種の映像を表示させる制御処理を実行可能に構成されている。図9(A)に示すように、当選エリア「打順ベル4」に当選したことを示す当選コマンドがコマンド送信手段180からコマンド受信手段310に送信された場合、演出制御手段320は、入賞補助演出の実行を開始する。このとき、演出表示制御手段321は、入賞補助演出として、演出表示装置410の演出表示領域410aに、設定されている演出キャラクタであるキャラクタB(CR−B)の映像と、演出キャラクタの対戦相手としてのキャラクタX(CR−X)の映像と、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の打順を示して小役の入賞を補助する第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cと、を表示させる制御処理を実行する。
【0103】
当選エリア「打順ベル4」に当選した場合、打順4でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞するので、演出表示制御手段321は、入賞補助演出として、ストップボタンB1の打順を示す演出表示領域410aの左部に第3停止操作を指示する値「3」が描かれた第3停止指示シンボル411cを、ストップボタンB2の打順を示す演出表示領域410aの中央部に第1停止操作を指示する値「1」が描かれた第1停止指示シンボル411aを、ストップボタンB3の打順を示す演出表示領域410aの右部に第2停止操作を指示する値「2」が描かれた第2停止指示シンボル411bを、表示させる制御処理を実行する。遊技者は、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cに表示されている値「1」〜値「3」の順番に、それぞれ対応する位置のストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下操作することで、小役に入賞することができる。第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cは、演出表示領域410aに表示されている他の映像より遊技者側に配置されて見えるように表示され、演出表示装置410に表示される他の映像により隠れて見えなくなることが無いように表示される。
【0104】
図9(B)は、図9(A)が演出表示装置410に表示されてから所定時間(例えば1秒)の経過後に表示される画面であり、共に、第1停止操作が行われる前の状態を示す図である。図9(A)及び図9(B)示すように、この状態においては、第1停止指示シンボル411aは、第2停止指示シンボル411b及び第3停止指示シンボル411cより大きく表示されていると共に、表示されている値「1」以外の部分がA方向に回転するように表示される。また、第3停止指示シンボル411cは、第2停止指示シンボル411bより小さく表示されていると共に、背面側に表示されている背景やキャラクタ等の映像が第3停止指示シンボル411cを透過して見えるように表示されており、第1停止指示シンボル411a及び第2停止指示シンボル411bは、背面側に表示されている映像が透過して見えないように表示されている。このように、第1停止指示シンボル411aは、第1停止操作が行われる前の状態においては第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cのうちで最も大きく表示されると共に、映像が時間と共に変化するように表示されて、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cのうちで最も目立つように表示されている。なお、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cの背面側に表示されている背景やキャラクタ等の映像は、遊技を盛り上げて遊技者の遊技に対する興趣を向上するために表示される映像である。
【0105】
なお、第1停止指示シンボル411aが本実施形態における第1停止操作指示記号を、第2停止指示シンボル411bが本実施形態における第2停止操作指示記号を、第3停止指示シンボル411cが本実施形態における第3停止操作指示記号を、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cが、本実施形態における停止操作指示表示を構成する。従って、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cは、遊技者に正解打順を指示(報知)する停止操作指示表示であるといえる。また、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cの背面側に表示されている背景やキャラクタ等が、本実施形態における非停止操作指示表示を構成する。
【0106】
第1停止指示シンボル411aに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3の何れか(図9においてはストップボタンB2)が第1停止操作されると、図9(C)に示すように、演出表示装置410に第1停止指示シンボル411aは表示されなくなり、第2停止指示シンボル411bは図9(A)に示す第1停止指示シンボル411aと略同サイズでかつ値「2」以外の部分がA方向に回転する映像に変化し、第3停止指示シンボル411cは図9(A)に示す第2停止指示シンボル411bと略同サイズでかつ背面側に表示されている映像が透過して見えない映像に変化して、演出キャラクタであるキャラクタB(CR−B)の映像が大きく変化する。例えば、キャラクタBが構えていた武器を振りかぶる。
【0107】
また、第1停止操作後に第2停止指示シンボル411bに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3の何れか(図9においてはストップボタンB3)が第2停止操作されると、図9(D)に示すように、演出表示装置410に第2停止指示シンボル411bが表示されなくなり、第3停止指示シンボル411cは図9(A)に示す第1停止指示シンボル411aと略同サイズでかつ値「3」以外の部分がA方向に回転する映像に変化するが、キャラクタB(CR−B)の映像は変化しない。なお、この場合において、映像が変化しないとは、キャラクタB(CR−B)の映像が厳密な意味で変化しないもののみに限定されない。例えば、キャラクタB(CR−B)の姿勢は変化しないが、髪の毛や衣服等がなびいて僅かに変化しているようなものを含む。
【0108】
また、第2停止操作後に第3停止指示シンボル411cに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3の何れか(図9においてはストップボタンB1)が第3停止操作されると、図9(E)に示すように、演出表示装置410に第3停止指示シンボル411cが表示されなくなり、キャラクタB(CR−B)の映像が大きく変化する。例えば、キャラクタBが振りかぶっていた武器をキャラクタX(CR−X)に向けて振り下ろす。このように、演出制御手段320が実行する入賞補助演出において、第1停止操作及び第3停止操作が行われた際には演出キャラクタの映像が大きく変化し、第2停止操作が行われた際には演出キャラクタの映像が変化しないため、遊技者に映像の変化に伴う違和感や慌しさを感じさせることを防止することができると共に、映像に使用される画像の数を減らすことができ、また、演出制御手段320の処理負担を軽減することができる。
【0109】
また、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cは、指示する打順の順番に小さくなるように大きさが異なっている上に時間の経過に伴う変化や背景が透過するかしないか等、それぞれの表示態様が異なっており、正解打順を指示する表示である値「1」〜値「3」以外の内容においても一見して顕著な視覚的差異があるように表示されることで、遊技者は、数字を読まなくても押下操作すべきストップボタンB1〜ストップボタンB3の打順を知ることができ、遊技者のストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序のミスを防ぐと共に、遊技者の労力を削減して疲労を軽減することができる。
【0110】
また、遊技者による第1停止操作前の状態においては第1停止指示シンボル411aが、第1停止操作後かつ第2停止操作前の状態においては第2停止指示シンボル411bが、第2停止操作後かつ第3停止操作前の状態においては第3停止指示シンボル411cが、それぞれ大きさや時間と共に変化して目立つように表示されるので、遊技者は、次にストップボタンB1〜ストップボタンB3の何れを押下するべきかを容易に知ることができ、遊技者のストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序のミスを防ぐと共に、遊技者の労力を削減して疲労を軽減することができる。
【0111】
なお、第1停止操作時に第1停止指示シンボル411aが、第2停止操作時に第2停止指示シンボル411bが、第3停止操作時に第3停止指示シンボル411cが、演出表示装置410に表示されなくなる際には、演出制御手段320は、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cの表示を単に消す制御処理を演出表示制御手段312に実行させるのではなく、例えば、演出制御手段320は、音響装置420に爆発音を出力させると共に、演出表示制御手段321に、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cが粉々に飛散した後、それぞれの表示が消えるように表示させる制御処理を実行するように構成されていてもよい。このように構成されることで、遊技者に対して正解打順の通りに第1停止操作〜第3停止操作が行われたことをより分かりやすく報知することができる。また、第1停止操作時に第1停止指示シンボル411aが、第2停止操作時に第2停止指示シンボル411bが、第3停止操作時に第3停止指示シンボル411cが、演出表示装置410に表示されなくなる際の演出態様は、上述した態様に限らず、音や映像等により遊技者に対して正解打順の通りに第1停止操作〜第3停止操作が行われたことを報知することが可能な様々な態様を採用可能である。
【0112】
また、第1停止操作時に第1停止指示シンボル411aが、第2停止操作時に第2停止指示シンボル411bが、第3停止操作時に第3停止指示シンボル411cが、演出表示装置410に表示されなくなる際の演出態様は、設定されている演出キャラクタ毎に異なっていてもよい。例えば、上述した演出態様に対応するキャラクタ(例えばキャラクタB)以外のキャラクタ(例えばキャラクタA)が演出キャラクタとして設定されている場合には、演出制御手段320は、音響装置420に金属音を出力させると共に、演出表示制御手段321に、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cが2つに分断された後、それぞれの表示が消えるように表示させる制御処理を実行するように構成されていてもよいし、また、更に他のキャラクタ(例えばキャラクタC)が演出キャラクタとして設定されている場合には、演出制御手段320は、音響装置420に鈍い打撃音を出力させると共に、演出表示制御手段321に、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cが潰れた後、それぞれの表示が消えるように表示させる制御処理を実行するように構成されていてもよい。このように構成されることで、遊技者は演出キャラクタとして設定するキャラクタを選択することによる演出の変化を楽しむことができ、遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。
【0113】
なお、本実施の形態では、スロットマシン1は、第2停止指示シンボル411b及び第3停止指示シンボル411cの映像が、第1停止操作後及び第2停止操作後に変化するように構成されているが、これに限定されない。例えば、スロットマシン1は、第2停止指示シンボル411bの映像が、第1停止操作後も図9(A)の映像から変化せず、第3停止指示シンボル411cの映像が、第1停止操作後及び第2停止操作後も図9(A)の映像から変化しないように構成されていてもよい。これにより、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cの映像に使用される画像の数を減らすことができ、また、演出制御手段320の処理負担を軽減することができる。
【0114】
なお、本実施の形態では、スロットマシン1は、第1停止指示シンボル411aにおいて表示されている値「1」以外の部分がA方向に回転するように表示されるように構成されているが、これに限定されない。例えば、スロットマシン1は、第1停止指示シンボル411aが時間の経過と共に表示態様が回転以外の変化をして、遊技者に第1停止指示シンボル411aであることを認識させやすくするように構成されていてもよい。具体的には、第1停止指示シンボル411aの明るさ、色、大きさ等が時間の経過による変化するように構成されていてもよいし、形状が変化するように構成されていてもよい。
【0115】
なお、本実施の形態では、スロットマシン1は、第1停止指示シンボル411aの表示態様が時間の経過と共に変化するように構成されているが、これに限定されない。例えば、スロットマシン1は、第2停止指示シンボル411bや第3停止指示シンボル411cの表示態様が時間の経過と共に変化するように構成されていてもよい。すなわち、第1停止操作指示記号に限らず、第1停止操作指示記号〜第3停止操作指示記号のうち少なくとも何れか1つが時間の経過と共に表示態様が変化して、遊技者が数字を読まなくても正解打順を容易に判別できるように構成されていればよい。また、背面側に表示されている映像、即ち非停止操作指示表示が透過して表示されるものは第1停止指示シンボル411aや第2停止指示シンボル411bであってもよい。すなわち、第1停止操作指示記号〜第3停止操作指示記号のうち少なくとも何れか1つが、停止操作指示表示の背面側に表示される非停止操作指示表示が透過するように表示されるように構成されていてもよい。
【0116】
なお、本実施の形態では、スロットマシン1は、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cが、対応する位置のストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作後に演出表示装置410に表示されなくなるように構成されているが、これに限定されない。例えば、スロットマシン1は、第1停止指示シンボル411a〜第3停止指示シンボル411cが、対応する位置のストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作後に表示態様が変化するものであってもよく、例えば、明度が減少したり、大きさが小さくなったり、背景が透けて見えてはいなかった第1停止指示シンボル411a及び第2停止指示シンボル411bが背景が透けて見えるように表示が変化して、遊技者がストップボタンB1〜ストップボタンB3の何れを押下操作したか容易に判別できるように構成されていてもよい。
【0117】
なお、本実施の形態では、スロットマシン1は、第1停止操作が行われる前の状態において、背面側に表示されている背景やキャラクタ等の映像が第3停止指示シンボル411cを透過して見えるように表示されるが、これに限定されない。例えば、スロットマシン1は、第1停止操作が行われる前の状態において、背面側に表示されている背景やキャラクタ等の映像が第3停止指示シンボル411cの一部のみ透過して見えるように表示されてもよい。具体的には、第1停止操作が行われる前の状態において、背面側に表示されている背景やキャラクタ等の映像が第3停止指示シンボル411cに含まれる値「3」の映像以外の部分のみ透過して見えるように表示されてもよい。
【0118】
なお、上記の通り、演出表示装置410に表示される入賞補助演出の表示内容の一例について説明したが、これに限定されない。例えば、スロットマシン1は、第1停止操作〜第3停止操作に伴う演出キャラクタの動き等が、設定されている演出キャラクタ毎に異なるように構成されていてもよい。具体的には、キャラクタB(CR−B)以外の他のキャラクタ(例えばキャラクタA)が演出キャラクタとして設定されている場合においては、遊技者が第3停止操作をすると演出キャラクタが構えていた武器をキャラクタX(CR−X)に対して投げつける映像を表示するように構成されていてもよい。また、更に他のキャラクタ(例えばキャラクタC)が演出キャラクタとして設定されている場合においては、遊技者が第3停止操作をすると構えていた武器をキャラクタX(CR−X)に対して突き刺す映像を表示するように構成されていてもよい。これにより、遊技者は演出キャラクタとして設定するキャラクタを選択することによる演出の変化を楽しむことができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
【0119】
4.遊技システムの詳細及び継続情報出力手段について
演出データ記憶手段361は、遊技に伴う様々な契機により演出表示装置410に表示される、それぞれ異なる映像で表現されるキャラクタA〜キャラクタC(キャラクタA及びキャラクタCは不図示)に関する各種の映像や、音声及び楽曲等の演出データが、キャラクタA〜キャラクタCのそれぞれに関連付けて区分して記憶している。演出制御手段320は、ダイヤルユニット270及び決定スイッチ280からの入力信号(指令)に基づいて、演出制御手段320が演出装置400に実行させる演出の設定である演出設定を選択可能な、演出種別選択手段323を有している。
【0120】
演出種別選択手段323は、後述する演出キャラクタ設定処理を実行することにより、ダイヤルユニット270及び決定スイッチ280から入力された入力信号に応じて、キャラクタA〜キャラクタCのうち何れか1つのキャラクタを選択し、選択されたキャラクタを演出キャラクタとして演出データ記憶手段361に記憶させる(演出キャラクタの設定)。演出制御手段320は、設定された演出キャラクタに関連付けられている演出データの区分に基づいて演出装置400に演出を実行させるように構成されている。また、キャラクタA〜キャラクタCのそれぞれに関連付けられている演出データの区分が、本実施形態における複数の演出種別を構成する。演出キャラクタ設定処理は、遊技者による決定スイッチ280の押下操作に基づいて開始され、遊技者は、気分や嗜好に合わせて何度も設定されている演出キャラクタを変更することができる。
【0121】
また、演出制御手段320は、詳細は後述するポイント蓄積期間において演出装置400に演出を実行させる際に参照される演出ポイント(経験値)を発生させ、発生した演出ポイントを、演出データ記憶手段361に記憶されている演出ポイントの記憶値に加算して蓄積させる、演出ポイント制御手段324を有している。演出ポイント制御手段324は、遊技に伴う様々な契機に基づいて演出ポイントを発生させる。例えば、演出ポイント制御手段324は、ポイント蓄積期間において、スタートスイッチ230による開始操作の検出、小役等の入賞、その他演出における条件の達成等を契機に、予め契機毎に定められた値の演出ポイントを発生させる。
【0122】
具体的には、演出ポイント制御手段324は、スタートスイッチ230により開始操作が検出された際に値「1」、特殊小役に入賞した際に値「30」、BBに入賞した際に値「100」、演出抽選において実行確率の低い特殊な演出の実行に当選した際に値「300」等、遊技に伴う様々な契機に応じて予め設定されている演出ポイントの値を発生させる。なお、演出ポイントを発生させる複数の契機が同時に成立した場合は、成立した全ての契機のそれぞれに設定されている値の合計値に相当する演出ポイントが発生する。
【0123】
演出ポイント制御手段324は、発生した演出ポイントを演出データ記憶手段361に蓄積されている演出ポイントの記憶値に加算する毎に演出ポイントの記憶値を参照し、当該記憶値が一定の値に達すると、演出制御手段320が演出装置400に演出を実行させる際に参照する値である表示レベル値を上昇させる。例えば、演出ポイント制御手段324は、演出データ記憶手段361に蓄積されている演出ポイントの記憶値が、値「200」増加する毎に表示レベル値を値「1」ずつ上昇させ、表示レベル値を演出データ記憶手段361に記憶させる。
【0124】
演出表示制御手段321は、演出データ記憶手段361に記憶されている表示レベル値の記憶値を参照し、表示レベル値の記憶値を表示するレベル表示410d(図9(A)参照)を演出キャラクタ表示領域410bに表示させる制御処理を実行する。また、演出表示制御手段321は、演出データ記憶手段361に記憶されている演出ポイントの記憶値を参照し、演出キャラクタ表示領域410bに演出ポイントの記憶値に応じた演出ポイント表示410j(図9(A))を表示させる制御処理を実行する。
【0125】
演出ポイント表示410jは、現在の表示レベル値が値「1」上昇するまでに必要な演出ポイントの蓄積度合いを示す表示である。演出表示制御手段321は、演出ポイントの発生の都度、演出ポイント表示410jを変化させる制御処理を実行し、あとどれくらい演出ポイントが発生すると表示レベル値が値「1」上昇するかを遊技者に報知している。例えば、演出表示制御手段321は、演出ポイント表示410jを図9(A)に示すように右方向に伸びる棒グラフとして表示し、演出ポイントの発生の都度、発生した演出ポイントの値に応じた長さ分、棒グラフを延長する制御処理を実行する。具体的には、演出表示制御手段321は、演出ポイント表示410jを左右方向に伸びる10目盛りに分割された棒グラフとして表示し、演出ポイントが値「20」発生する毎に、スタートスイッチ230による開始操作の検出時に棒グラフが1目盛り分右方へ向けて延長する制御処理を実行する。
【0126】
また、例えば、演出表示制御手段321は、演出ポイントの記憶値が、表示レベル値が上昇する一定の値となったとき、棒グラフが右端に達するように表示し、表示レベル値が上昇する一定の値を超えたときは、超えた分の長さの棒グラフとして表示する制御処理を実行する。なお、表示レベル値が値「1」上昇するために蓄積が必要な演出ポイントは、表示レベル値毎に異なるように構成されていてもよい。例えば、表示レベル値が値「1」上昇するために蓄積が必要な演出ポイントは、「(表示レベル値)×10」の値として設定され、表示レベル値が上昇する程、表示レベル値が低い程表示レベル値が上昇しやすく、表示レベル値が高い程表示レベル値が上昇しにくいように構成されていてもよい。
【0127】
なお、演出表示制御手段321は、特定の遊技期間(例えば5ゲーム)において、レベル表示410dや演出ポイント表示410jを表示せずに、演出表示領域410a及び演出キャラクタ表示領域410bを合わせた領域である、演出表示装置410の映像を表示可能な領域の全域を使用して特定の映像を表示させる制御処理を実行することも可能に構成されている。演出表示制御手段321は、スタートスイッチ230による開始操作の検出時において、演出ポイント表示410jを変化させる制御処理と上記特定の映像を表示させる制御処理とを実行させることが共に決定された場合(例えば、スタートスイッチ230による開始操作の検出時に、演出ポイント表示410jを変化させる制御処理の実行前に上記特定の映像を表示させる制御処理を実行した場合)は、演出ポイント表示410jを変化させる制御処理の実行を遅延させ、上記特定の遊技期間の終了後のスタートスイッチ230による開始操作の検出時に演出ポイント表示410jを変化させる制御処理を実行する。
【0128】
このように、演出表示制御手段321は、演出表示装置410に、演出ポイントに関する情報を報知する演出ポイント表示410jを表示させ、かつ演出ポイントの発生に基づいて演出ポイント表示410jを変化させることが可能であると共に、演出表示装置410に、演出ポイント表示410jを変化させる演出と、演出ポイント表示410jに代えて他の表示内容を表示させる演出と、を実行させることが共に決定された場合、演出表示装置410に他の表示内容を表示させる演出を実行させた後に演出ポイント表示410jを変化させる演出を実行させる。
【0129】
また、演出制御手段320が演出装置400に実行させる演出には、演出キャラクタ表示領域410bに表示されている表示レベル値が増加して所定の値に達したことに基づいて実行が可能となる演出が含まれている。例えば、演出制御手段320は、演出装置400に演出を実行させる際に表示レベル値を参照し、演出キャラクタ表示領域410bに表示されている表示レベル値が値「10」に達すると、表示される演出キャラクタの衣装の映像が表示レベル値が値「10」未満のものとは異なる映像に変化させ、表示レベル値が値「20」に達すると、音響装置420から発せられる演出キャラクタの台詞としての音声が表示レベル値が「20」未満のものとは異なる台詞に変化させる制御処理を実行する。
【0130】
このように、演出制御手段320は、演出に関する制御処理を実行する際に、演出データ記憶手段361に記憶されている表示レベル値を参照し、表示レベル値に応じた演出を演出装置400に実行させる。なお、演出制御手段320は、演出に関する制御処理を実行する際に、表示レベル値ではなく演出データ記憶手段361に記憶されている演出ポイントの記憶値を参照し、演出ポイントの記憶値に応じた演出を演出装置400で実行させることとしてもよい。
【0131】
また、演出制御手段320は、ポイント蓄積期間が終了する時に、蓄積された演出ポイントに関する情報を、次のポイント蓄積期間が開始される時に継続可能にする継続情報を生成して出力可能な継続情報出力手段325を有している。なお、ポイント蓄積期間が開始される時を「遊技開始時」、ポイント蓄積期間が終了する時を「遊技終了時」とも記載する。具体的には、継続情報出力手段325は、遊技終了時に、演出データ記憶手段361に記憶されている表示レベル値を参照して、遊技履歴や表示レベル値等の継続情報を含み、通信端末機800(図1参照)を介して管理サーバ700(図1参照)へ継続情報を送信するための2次元コード(図10(E)参照)を生成し、演出表示装置410に表示(出力)させる。
【0132】
通信端末機800は、スロットマシン1の演出設定を複数の選択支から選択可能としたり、通信端末機800と管理サーバ700との情報の送受信を行う制御処理である演出選択処理を実行可能に構成されている。遊技者は、通信端末機800が演出選択処理を実行している状態で、継続情報出力手段325によって出力された2次元コードを通信端末機800に入力し(図1の(1))、遊技履歴や表示レベル値を含む、入力された2次元コードに関する情報を管理サーバ700に送信する(図1の(2))。これにより、遊技を行った際に上昇させた表示レベル値に応じて管理サーバ700に記憶されている会員情報が更新される。
【0133】
また、管理サーバ700には、演出キャラクタとして設定可能なキャラクタA〜キャラクタCの各キャラクタの成長度を表す固有レベル値が記憶されている。キャラクタの固有レベル値は、キャラクタA〜キャラクタCのそれぞれに固有の成長度を表す値であり、管理サーバ700に送信した表示レベル値に関する情報に応じて、何れかのキャラクタの固有レベル値を上昇させることができる。
【0134】
また、管理サーバ700は、遊技開始時に、複数の文字からなる文字列として形成されている、表示レベル値等の継続情報を含むパスワードを生成して通信端末機800に送信することが可能に構成されている。遊技者が通信端末機800を管理サーバ700に接続して、通信端末機800上でキャラクタA〜キャラクタCの何れかを選択すると共に演出設定の内容を選択すると、管理サーバ700は、通信端末機800上で選択されたキャラクタの固有レベル値及び選択された演出設定の内容を含む情報をパスワードとして出力する(図1の(3))。なお、このように、通信端末機800の演出選択処理において選択されてパスワードとして管理サーバ700により出力されたキャラクタを、以下「事前選択キャラクタ」と記載する。
【0135】
遊技者がジョグダイヤルJGを操作することにより、通信端末機800の液晶ディスプレイ810に表示されたパスワードがスロットマシン1に入力されると(図1の(4))、演出ポイント制御手段324は、入力された固有レベル値を演出データ記憶手段361に表示レベル値として記憶させると共に、演出設定の選択内容を演出データ記憶手段361に記憶させる。このとき、通信端末機800上で選択された事前選択キャラクタは、スロットマシン1において演出キャラクタとして設定される。このように、遊技者が過去に行った遊技において上昇させた表示レベル値は、次の遊技開始時、即ち一度遊技を終了した後で再び遊技を開始してポイント蓄積期間を開始する際に継続可能に構成されている。
【0136】
なお、以下の記載において、ジョグダイヤルJGによって管理サーバ700が出力したパスワードに関する入力信号(指令)がスロットマシン1に入力された状態を「継続状態」とも記載し、ジョグダイヤルJGによって管理サーバ700が出力したパスワードに関する入力信号(指令)がスロットマシン1に入力されていない状態を「非継続状態」とも記載する。
【0137】
継続情報出力手段325は、継続状態で新たな2次元コードを出力する際に、遊技開始時にスロットマシン1に入力されたパスワードに基づいて選択された演出キャラクタ、即ち事前選択キャラクタと、演出データ記憶手段361に蓄積された演出ポイントに関する情報、即ちポイント蓄積期間における表示レベル値の上昇分と、を関連付けて新たな2次元コードを生成して出力する。この2次元コードが管理サーバ700に入力されると、管理サーバ700に記憶されている各キャラクタの固有レベル値のうち、事前選択キャラクタに対応するキャラクタA〜キャラクタCの何れかの固有レベル値が上昇する。このように、遊技者が事前選択キャラクタを選択し、選択した事前選択キャラクタに応じたパスワードを入力して遊技を開始した場合には、遊技者は遊技終了時に事前選択キャラクタとして選択したキャラクタの固有レベル値を上昇することを意図していると推定し、継続情報出力手段325は、事前選択キャラクタと、ポイント蓄積期間における表示レベル値の上昇分と、を関連付けて新たな2次元コードを生成して出力するように構成されている。このように、管理サーバ700が通信端末機800に対して出力するパスワードに含まれる表示レベル値等の情報や、継続情報出力手段325が出力して通信端末機800を介して管理サーバ700に入力することができる2次元コードに含まれる表示レベル値等の情報が、本実施形態における継続情報を構成する。
【0138】
また、継続情報出力手段325は、非継続状態で新たな2次元コードを出力する際に、演出種別選択手段323により選択されている演出キャラクタと、演出データ記憶手段361に蓄積された演出ポイントに関する情報、即ち表示レベル値と、を関連付けて新たな2次元コードを生成して出力する。この2次元コードに含まれる情報が管理サーバ700に入力されると、管理サーバ700に記憶されている各キャラクタの固有レベル値のうち、2次元コードを生成する際に設定されている演出キャラクタに対応するキャラクタA〜キャラクタCの何れかの固有レベル値が上昇する。このように、遊技者が事前選択キャラクタを選択せずに遊技を開始した場合には、遊技者は遊技終了時に選択されている演出キャラクタの固有レベル値を上昇することを意図していると推定し、継続情報出力手段325は、遊技終了時に選択されている演出キャラクタと、ポイント蓄積期間における表示レベル値と、を関連付けて新たな2次元コードを生成して出力するように構成されている。
【0139】
このように、継続情報出力手段は、2次元コードを生成して出力する際に、継続状態であるか又は非継続状態であるかに応じて2次元コードの内容を変化させることにより、管理サーバ700に記憶されている各キャラクタの固有レベル値のうち、遊技者の意図に合うと推定されるキャラクタの固有レベル値が上昇されるように構成されている。
【0140】
以下、図2図3図10図12を参照して、本実施形態に係る遊技システム900の管理サーバ700や通信端末機800が実行する制御処理の詳細及び継続情報出力手段に関する演出操作処理について説明する。図10は、本発明の実施形態のスロットマシン1の演出表示装置410に表示される内容を示す図で、(A)は、通常の演出画面を示す図、(B)は、操作選択画面を示す図、(C)は、キャラクタ選択画面を示す図、(D)は、パスワード入力画面を示す図、(E)は、2次元コード出力画面を示す図である。図11の(A)は、本発明の実施形態のスロットマシン1の演出操作処理を示すフローチャート、(B)は、演出キャラクタ設定処理を示すフローチャートである。図12は、本発明の実施形態のスロットマシン1の遊技システムにおける、遊技を開始する際の処理を示すフローチャートであり、図13は、本発明の実施形態の遊技システムにおける、遊技を終了する際の処理を示すフローチャートである。
【0141】
始めに、図2図3図10及び図11(A)を参照して、演出制御手段320が実行する演出操作処理について説明する。演出制御手段320は、スロットマシン1の演出内容を設定したり、過去に行った遊技の際に上昇させた表示レベル値を継続させる制御処理を継続情報出力手段325に実行させたりする、演出操作処理を実行可能に構成されている。
【0142】
演出操作処理において、演出制御手段320は、ジョグダイヤルJGのダイヤル部JGDの回転操作やジョグダイヤルJGの決定ボタンJGBの押下操作が実行された場合に、ダイヤルユニット270から出力される指令である選択信号又は決定スイッチ280から出力される指令である決定信号に基づき、図10(B)〜図10(E)に示す内容を演出表示装置410に表示させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる。演出制御手段320による演出操作処理が実行されていない任意の状態、例えば演出表示装置410に図10(A)に示す通常の演出画面が表示されている状態において決定スイッチ280から決定信号が入力されると、演出制御手段320は、演出操作処理を開始する。
【0143】
演出操作処理が開始されると、演出制御手段320は、決定信号が入力された時がメダルの投入受付期間であるか否かを判定する(ステップS1)。この処理において、演出制御手段320は、操作選択画面表示信号の入力タイミングが、遊技者による演出操作処理の開始要求に応じるのに適切なタイミングであるか否かを判定している。
【0144】
演出制御手段320は、ステップS1の処理において、決定信号が入力された時がメダルの投入受付期間でないと判定した場合(ステップS1のNO)は演出操作処理を終了し、決定信号が入力された時がメダルの投入受付期間であると判定した場合(ステップS1のYES)、演出表示装置410に図10(B)に示す操作選択画面を表示させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる。
【0145】
演出表示装置410に操作選択画面が表示されている状態において、演出制御手段320は、選択信号に応じて、現在の選択の対象(以下、「選択対象」とも記載)が「キャラクタ選択」、「通常スタート」、「クイックスタート」及び「データ保存」の何れであるかを遊技者に示す選択対象報知手段としてのカーソル410cを移動させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる。この処理において、演出制御手段320は、遊技者が演出操作処理において実行を要求する処理内容を、遊技者自身が選択できるようにしている。また、演出表示装置410に操作選択画面が表示されている状態において、決定スイッチ280から決定信号が入力されると、演出制御手段320は、「キャラクタ選択」、「通常スタート」若しくは「クイックスタート」、並びに「データ保存」の、何れが選択対象となっている状態で決定信号が入力されたかを判定する(ステップS2)。この処理において、演出制御手段320は、演出操作処理におけるサブルーチンである、演出キャラクタ設定処理(ステップS3)、ポイント蓄積期間開始処理(ステップS4)及びポイント蓄積期間終了処理(ステップS5)の何れの実行を遊技者が要求しているかを判定している。
【0146】
ステップS2の処理において、「キャラクタ選択」が選択対象となっている状態で決定スイッチ280から決定信号が入力されると(ステップS2のキャラクタ選択)、演出制御手段320は、詳細は後述する演出キャラクタ設定処理を演出種別選択手段323に開始させる(ステップS3)。演出キャラクタ設定処理の実行により、演出装置400に実行させる演出の種別である演出キャラクタが設定される。また、ステップS2の処理において、「通常スタート」又は「クイックスタート」が選択対象となっている状態で決定スイッチ280から決定信号が入力されると(ステップS2の通常スタート又はクイックスタート)、演出制御手段320は、詳細は後述するポイント蓄積期間開始処理を演出ポイント制御手段324に開始させる(ステップS4)。ポイント蓄積期間開始処理の実行により、遊技に伴う様々な契機に基づいて演出ポイント制御手段324が発生させる演出ポイントを蓄積可能なポイント蓄積期間が開始される。また、ステップS2の処理において、「データ保存」が選択対象となっている状態で決定スイッチ280から決定信号が入力されると(ステップS2のデータ保存)、演出制御手段320は、詳細は後述するポイント蓄積期間終了処理を継続情報出力手段325に開始させる(ステップS5)。ポイント蓄積期間終了処理の実行により、ポイント蓄積期間が終了する。
【0147】
ステップS3、ステップS4又はステップS5の処理が終了すると、演出制御手段320は、演出復元処理を実行し、演出の状態を演出操作処理を開始する直前の状態に復元させる(ステップS6)。例えば、演出操作処理を開始する直前に、演出表示装置410に図10(A)に示す通常の演出画面が表示されている状態であった場合、演出制御手段320は、通常の演出画面を演出表示装置410に表示させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる。演出制御手段320は、ステップS6の処理を実行すると、演出操作処理を終了する。
【0148】
次に、図2図3図10及び図11(B)を参照して、演出種別選択手段323が実行する演出キャラクタ設定処理について説明する。演出種別選択手段323は、遊技者の嗜好に合わせてキャラクタA〜キャラクタCの何れに関する演出を演出装置400に実行させるかを設定する、演出キャラクタ設定処理を実行可能に構成されており、演出表示装置410に操作選択画面が表示されている状態において、「キャラクタ選択」が選択対象となっている状態で決定信号が入力された場合(図11(A)のステップS2の「キャラクタ選択」)、演出種別選択手段323は、演出キャラクタ設定処理を開始する。
【0149】
演出キャラクタ設定処理が開始されると、演出制御手段320は、図10(C)に示すキャラクタ選択画面を演出表示装置410に表示させる制御処理を演出表示制御手段に実行させる(ステップS11)。キャラクタ選択画面が演出表示装置410に表示されている状態において、演出種別選択手段323は、選択信号に応じて、現在の選択対象がキャラクタA〜キャラクタCの何れであるかを遊技者に示す選択対象報知手段としてのカーソル410cを移動させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる。この処理において、演出種別選択手段323は、演出キャラクタとしてキャラクタA〜キャラクタCの何れを設定させるか、遊技者自身が選択できるようにしている。
【0150】
ステップS11の処理において、キャラクタ選択画面が演出表示装置410に表示されている状態で決定スイッチ280からの決定信号が入力されると、演出種別選択手段323は、キャラクタA〜キャラクタCの何れが選択対象となっている状態で決定信号が入力されたかを判定し(ステップS12)、決定信号が入力された際に選択対象となっていたキャラクタに応じて、キャラクタA〜キャラクタCのうち何れか1つを演出キャラクタとして設定して演出データ記憶手段361に記憶させ(ステップS13〜ステップS15)、演出キャラクタ設定処理を終了する。
【0151】
なお、一度も演出キャラクタ設定処理やパスワードの入力に基づく演出キャラクタの選択が実行されていない初期状態(スロットマシン1の出荷直後の状態等)においては、演出キャラクタとしてキャラクタAが設定されており、演出キャラクタ設定処理が実行される毎に遊技者が選択対象に選択したキャラクタが新たな演出キャラクタとして設定される。また、演出制御手段320は、任意のメダルの投入受付期間においてジョグダイヤルJGの操作があった場合にいつでも演出キャラクタ設定処理を演出種別選択手段323に実行させることが可能であり、上記の状態においては遊技者はいつでも自由に演出キャラクタとして設定されているキャラクタを変更することができる。
【0152】
演出種別選択手段323により演出キャラクタ設定処理が実行されると、例えば演出キャラクタ設定処理によりキャラクタBが設定されている場合、演出表示制御手段321は、図10(A)に示すように、演出表示領域410aには通常の演出画面として背景などの映像と、設定されている演出キャラクタ(キャラクタB(CR−B))の映像と、を表示させ、演出キャラクタ表示領域410bには設定されている演出キャラクタ(キャラクタB(CR−B))及び表示レベル値を表示させる。一度も演出ポイントが発生していない初期状態(スロットマシン1の出荷直後の状態等)においては、演出データ記憶手段361には、演出ポイントの記憶値として値「0」が、表示レベル値の記憶値として値「1」が記憶されている。表示レベル値が値「1」である場合、演出表示制御手段321は、演出キャラクタ表示領域410bにレベル表示410dとして「Lv1」と表示させる。
【0153】
このように、演出表示制御手段321は、演出種別選択手段323によって演出キャラクタ設定処理が実行されることにより、遊技者が嗜好に合わせてキャラクタA〜キャラクタCのうちから任意に選択したキャラクタを演出表示領域410aや演出キャラクタ表示領域410bに表示することができるので、遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。また、このように、本実施形態におけるスロットマシン1は、演出種別選択手段323が、ダイヤルユニット270及び決定スイッチ280により入力された指令(入力信号)に基づいて、演出データ記憶手段361に記憶されている複数の演出種別のうちの1つを選択可能であると言える。
【0154】
以下、図2図3図10及び図12を参照して、遊技者が遊技を開始する際に管理サーバ700や通信端末機800が実行する制御処理や、演出ポイント制御手段324が実行するポイント蓄積期間開始処理について説明する。図10(B)に示す操作選択画面が演出表示装置410に表示されている状態において、演出ポイント制御手段324は、「通常スタート」又は「クイックスタート」が選択対象となっている状態で行われる決定ボタンJGBの押下操作により決定信号が入力された際に、ポイント蓄積期間開始処理を開始する(図11(A)及び図12のステップS4)。
【0155】
ポイント蓄積期間開始処理が開始されると、演出ポイント制御手段324は、操作選択画面において、「通常スタート」又は「クイックスタート」の何れが選択対象となっている状態で決定信号が入力されたかを判定する(ステップS21)。なお、「通常スタート」は、非継続状態から継続状態に切り換えて遊技を開始する際に選択される項目であり、「クイックスタート」は、非継続状態を維持したままポイント蓄積期間における遊技を開始する際に選択される項目である。この処理において、演出ポイント制御手段324は、遊技者が、過去に遊技を行った際に上昇させた表示レベル値を継続させて遊技を開始しようとしているか(「通常スタート」)、又は過去の遊技を継続させずに遊技を開始しようとしているか(「クイックスタート」)、を判定している。
【0156】
まず、遊技者が「通常スタート」を選択して遊技を開始する際、即ち継続状態で遊技を開始する際に実行される制御処理や手順について説明をする。「通常スタート」を選択して遊技を開始しようとする遊技者は、通信端末機800を操作して演出選択処理を通信端末機に開始させる。通信端末機800において演出選択処理が開始されている状態では、通信端末機800上で複数種類のスロットマシンの機種の選択が可能となり、遊技者によって、これから遊技を開始するスロットマシンの機種を識別する機種情報が入力可能な状態となる(ステップS22)。
【0157】
ステップS22の処理において、遊技者の操作に基づいて通信端末機800にスロットマシン1の機種情報が入力されると、通信端末機800は、通信端末機800の識別情報及び入力された機種情報を管理サーバ700に送信する(ステップS23)。なお、通信端末機800は、通信端末機800の識別情報に替えて、又は通信端末機800の識別情報と共に、遊技者の会員情報の識別情報(例えば、遊技者のログインID等)を送信するように構成されていてもよい。この処理により、通信端末機800は、管理サーバ700に記憶されているデータベース内の多数の会員情報のうちから通信端末機800の操作者である遊技者の会員情報を管理サーバ700に特定させている。
【0158】
管理サーバ700がステップS23の情報を受信すると、管理サーバ700は、受信した通信端末機800の識別情報と一致するデータが管理サーバ700のデータベース内にあるか否かを判定する(ステップS24)。この処理により、管理サーバ700は、受信した通信端末機800の識別情報とデータベース内の会員情報とを照らし合わせて、通信端末機800の操作者である遊技者の会員情報が管理サーバ700に登録済みであるか否かを判定している。ステップS24の処理において、管理サーバ700のデータベース内に、受信した通信端末機800の識別情報と一致する会員情報のデータがない場合(ステップS24のNO)、管理サーバ700は通信端末機800にエラーメッセージを表示させるコマンドを送信する(ステップS25)。この処理により、通信端末機800が管理サーバ700からのコマンドを受信すると、通信端末機800は、液晶ディスプレイ810にエラーメッセージを表示させる(ステップS26)。例えば、通信端末機800は、液晶ディスプレイ810に「会員情報が登録されていません」という文を表示させる。この処理において、通信端末機800は、遊技者本人を識別する会員情報が管理サーバ700に登録されていないことを遊技者に知らせている。
【0159】
ステップS24の処理において、管理サーバ700のデータベース内に、受信した遊技者の会員情報の識別情報と一致するデータがある場合(ステップS24のYES)、管理サーバ700は、遊技者の会員情報に、選択されたスロットマシン1に関する遊技履歴等の情報がある場合は当該情報を通信端末機800に送信する(ステップS27)。この処理により、管理サーバ700は、遊技者の会員情報に含まれる、遊技者が当該選択されたスロットマシン1で過去に遊技を行った際の遊技履歴と、キャラクタA〜キャラクタCの各キャラクタの固有レベル値と、を通信端末機800に送信し、遊技者が遊技を開始しようとしているスロットマシン1に関する遊技者本人の会員情報を閲覧することを可能としている。なお、ステップS24の処理において、管理サーバ700のデータベース内に、受信した遊技者の会員情報の識別情報と一致するデータはあるが、選択されたスロットマシン1に関する遊技履歴等の情報が無い場合は、遊技履歴の初期値及び固有レベル値の初期値を通信端末機800に送信する。
【0160】
遊技履歴には、遊技者が過去に当該機種で遊技を行った際の結果に関する情報である、遊技回数、大当たり回数、小役の当選回数、総払出し枚数等が含まれている。また、キャラクタA〜キャラクタCのそれぞれには、通信端末機800が実行する演出選択処理により選択可能な演出設定の選択支が用意されており、各キャラクタの固有レベル値が所定の値に達すると、通信端末機800上において選択可能な演出設定の選択支を増やすことができるように構成されている。
【0161】
演出設定は、遊技開始時に演出キャラクタとして設定されるキャラクタ、遊技に伴うミッションのオンオフ切換え、演出制御手段320による演出の実行頻度、演出表示装置410に表示される背景、音響装置420から発せられる楽曲、入賞補助演出実行時におけるストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作に伴う映像や音声、等である。ミッションのオンオフ切換えとは、後述するミッション演出を行うか否かの選択である。ミッション演出は、予め複数設けられていると共にミッション演出のそれぞれに達成条件が定められており、達成条件は、例えば、特定の演出を規定回数表示させる、レア役に規定回数入賞する、ボーナスに規定回数入賞する、等である。
【0162】
ステップS27の処理において、管理サーバ700から通信端末機800に選択されたスロットマシン1に関する遊技履歴等の情報が送信されると、通信端末機800は、管理サーバ700から受信した情報を液晶ディスプレイ810に表示させる(ステップS28)。この処理により、スロットマシン1に関する遊技履歴と、キャラクタA〜キャラクタCのそれぞれの固有レベル値と、キャラクタA〜キャラクタCのそれぞれに対応して、固有レベル値に応じて選択可能な演出設定の選択支が、通信端末機800の液晶ディスプレイ810に表示される。このように、ステップS28の処理によって、通信端末機800上で、遊技者が遊技者の嗜好によりスロットマシン1の演出設定を選択可能な状態となる。
【0163】
遊技者は、ステップS28の処理によって液晶ディスプレイ810に表示された内容に基づいて、通信端末機800を操作して演出設定の選択を行う。遊技者の選択により演出設定の選択内容が通信端末機800に入力されると(ステップS29)、通信端末機800は、演出設定の選択内容に関する情報を管理サーバ700に送信する(ステップS30)。この処理により、遊技者による演出設定の選択内容を、通信端末機800を介して管理サーバ700に認識させている。なお、このように通信端末機800の演出選択処理における演出設定の選択によって選択されたキャラクタを、以下「事前選択キャラクタ」と記載する。
【0164】
管理サーバ700は、通信端末機800から送信された、事前選択キャラクタに関する情報を含む演出設定の選択内容に関する情報を受信すると(ステップS31)、受信した内容及び通信端末機800の識別情報を暗号化(エンコード)し、複数の文字列からなるパスワードを生成して、当該パスワードを通信端末機800に送信(出力)する(ステップS32)。この処理において、管理サーバ700は、遊技者による演出設定の選択内容をスロットマシン1に入力可能な形式に変換すると共に、遊技者が固有レベル値等の改ざんを自由に行うことができないようにしている。
【0165】
ステップS32により、管理サーバ700からパスワードが送信されると、通信端末機800は当該パスワードを受信して液晶ディスプレイ810に受信したパスワードを表示させる(ステップS33)。この処理により、通信端末機800は、遊技者による演出設定の選択内容をスロットマシン1に設定するための継続情報としてのパスワードを取得し、ステップS21の処理において遊技者が「通常スタート」を選択して遊技を開始する準備が整う。
【0166】
ステップS21の処理において、ポイント蓄積期間開始処理による操作選択画面で「通常スタート」が選択対象となっている状態で決定信号の入力があった場合(ステップS21の「通常」)、演出ポイント制御手段324は、図10(D)に示すように、遊技者が管理サーバ700から取得したパスワードの入力を行うことができるパスワード入力画面を演出表示装置410に表示させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる(ステップS34)。この処理において演出表示装置410に表示されるパスワード入力画面には、複数の文字が整列されている文字整列部410eと、入力された文字を表示するパスワード入力部410gと、が含まれている。演出表示装置410にパスワード入力画面が表示されている状態において、演出表示制御手段321は、ダイヤルユニット270から出力される選択信号に応じて、現在選択対象となっている文字が文字整列部410eの何れの文字であるかを遊技者に示す文字選択カーソル410fを移動させる制御処理を実行する。
【0167】
ステップS34のパスワード入力画面が表示されている状態において、決定スイッチ280から決定信号が出力されると、演出表示制御手段321は、文字整列部410eの文字のうち遊技者が選択した文字が何れであるのかを決定し、決定した文字をパスワード入力部410gに表示する。このように、遊技者に実行されるジョグダイヤルJGの回転操作及び押下操作に応じて演出表示制御手段321が文字整列部410eの文字のうち選択された文字をパスワード入力部410gに表示する処理を繰り返すことでパスワード入力部410gに表示される文字を1文字ずつ増やし、遊技者が管理サーバ700から取得したパスワードを構成する文字の全てがパスワード入力部410gに表示された状態で決定ボタンJGBが押下操作されることで、決定スイッチ280から出力される信号である決定信号が副制御部300に入力され、スロットマシン1に対するパスワードの入力が完了する(ステップS35)。この処理において、演出ポイント制御手段324は、管理サーバ700の出力した情報を通信端末機800や遊技者の操作を介して、スロットマシン1に入力可能としている。
【0168】
ステップ35の処理において、パスワードの入力が完了した場合、演出ポイント制御手段324は、入力されたパスワードが有効なパスワードであるか否かを判定する(ステップS36)。この処理において、演出ポイント制御手段324は、入力されたパスワードの復元(デコード)を試みて、パスワードの入力ミスの有無や、その他不正なパスワードでないかどうかを判定している。
【0169】
ステップS36の処理において、演出ポイント制御手段324が入力されたパスワードを復元できなかった場合、又はその他理由により有効なパスワードではないと判定した場合(ステップS36のNO)、演出ポイント制御手段324は、演出表示装置410にエラーメッセージを表示させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる(ステップS37)。例えば、演出ポイント制御手段324は、演出表示装置410に「パスワードがまちがっています」という文を表示させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる。この処理において、演出ポイント制御手段324は、入力したパスワードが無効であることを遊技者に報知している。
【0170】
ステップS36の処理において、演出ポイント制御手段324が入力されたパスワードを復元できてかつ有効なパスワードであると判定した場合(ステップS36のYES)、演出ポイント制御手段324は、入力されたパスワードに応じた演出設定の選択内容を演出データ記憶手段に記憶させると共に、事前選択キャラクタとして選択されているキャラクタを、演出キャラクタとして設定する(ステップS38)。このとき、演出表示制御手段321は、演出データ記憶手段361の記憶内容を参照し、入力されたパスワードに含まれる演出設定の選択内容に応じた内容、例えば図10(A)に示す通常の演出画面を演出表示装置410に表示させる制御処理を実行する。
【0171】
このとき、例えば遊技者によって通信端末機800上で事前選択キャラクタとしてキャラクタBが選択され、この選択に基づいて管理サーバ700によって出力されたパスワードの入力により演出キャラクタとしてキャラクタBが設定された場合、演出表示制御手段321は、演出表示領域410aには通常の演出画面として背景などの映像と、演出キャラクタとして設定されているキャラクタ(キャラクタB(CR−B))の映像と、を表示させ、演出キャラクタ表示領域410bには演出キャラクタとして設定されているキャラクタ(キャラクタB(CR−B))の映像を表示させる。また、演出表示制御手段321は、演出データ記憶手段361を参照し、演出キャラクタ表示領域410bに、表示レベル値として、入力されたパスワードに含まれていた事前選択キャラクタの固有レベル値として取得した値を表示させる。なお、表示レベル値は固有レベル値とは異なり、演出キャラクタに関連付けられてはいないため、演出キャラクタ設定処理により演出表示装置410に表示されるキャラクタが変更された場合であっても、演出キャラクタ表示領域410bに表示される表示レベル値は変更されないように構成されている。
【0172】
このように、遊技システム900は、スロットマシン1の演出キャラクタ設定処理に限らず、通信端末機800の演出選択処理における演出設定の選択によっても、キャラクタA〜キャラクタCに関連付けられている演出データの区分(演出種別)を選択可能に構成されている。
【0173】
ステップS38の処理において、パスワードに応じた演出設定の選択内容が記憶されると、演出ポイント制御手段324は、演出データ記憶手段361に含まれて、後述するポイント蓄積期間終了処理において参照される通常スタートフラグをON状態に設定する(ステップS39)。この処理において、演出ポイント制御手段324は、継続状態であることを識別可能としている。なお、一度もポイント蓄積期間開始処理が実行されていない状態においては、通常スタートフラグはOFF状態となっている。
【0174】
ステップS39の処理において、通常スタートフラグがON状態に設定されると、遊技者による演出設定の選択内容のスロットマシン1への入力が完了し、演出ポイント制御手段324により、演出ポイントの発生及び発生した演出ポイントの蓄積が実行されるポイント蓄積期間が開始される(ステップS41)。
【0175】
次に、遊技者が、過去に遊技を行った際に上昇させた表示レベル値を継続させない「クイックスタート」を選択して遊技を開始する際、即ち非継続状態を維持したままポイント蓄積期間における遊技を開始する際に実行される制御処理や手順について説明をする。「クイックスタート」は、例えば、管理サーバ700に会員情報が登録されていない遊技者や、パスワードの入力の手間を省きたいが、これから行う遊技において上昇させた表示レベル値を次の遊技開始時に継続させたい遊技者が、スロットマシン1で遊技を開始する場合に選択する項目である。即ち、非継続状態には、「クイックスタート」の選択により開始されたポイント蓄積期間である状態と、ポイント蓄積期間でない状態と、が共に含まれる。
【0176】
ステップS21の処理において、ポイント蓄積期間開始処理による操作選択画面で「クイックスタート」が選択対象となっている状態で決定信号の入力があった場合(ステップS21の「クイックスタート」)、演出ポイント制御手段324は、演出データ記憶手段361に含まれて、後述するポイント蓄積期間終了処理において参照されるクイックスタートフラグをON状態に設定する(ステップS40)。この処理において、演出ポイント制御手段324は、クイックスタートフラグがON状態であることに基づいて、非継続状態であるポイント蓄積期間が開始されていることを識別可能としている。なお、一度もポイント蓄積期間開始処理が実行されていない状態においては、演出データ記憶手段361は、クイックスタートフラグをOFF状態として記憶している。ステップS40の処理が実行されると、演出ポイント制御手段324は、演出データ記憶手段361に表示レベル値として値「1」を記憶させる。
【0177】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、「クイックスタート」を選択してポイント蓄積期間が開始された場合には、演出キャラクタとして設定されているキャラクタは変更されないように構成されているが、これに限定されない。例えば、スロットマシン1は、「クイックスタート」を選択してポイント蓄積期間が開始された場合に、演出種別選択手段323が、ポイント蓄積期間の開始前に設定されていた演出キャラクタによらず演出キャラクタとしてキャラクタAを設定して演出データ記憶手段361に記憶させるように構成されていてもよい。
【0178】
ステップS40の処理において、クイックスタートフラグがON状態になると、演出ポイント制御手段324により、ポイント蓄積期間が開始される(ステップS41)。
【0179】
次に、図2図3図10及び図13を参照して、遊技者が、遊技を終了する際に管理サーバ700や通信端末機800が実行する制御処理や、継続情報出力手段325が実行するポイント蓄積期間終了処理について説明する。図10(B)に示す操作選択画面が演出表示装置410に表示されている状態において、継続情報出力手段325は、「データ保存」が選択対象となっている状態で行われる決定ボタンJGBの押下操作により決定信号が入力された際に、ポイント蓄積期間終了処理を開始する(図11(A)及び図13のステップS5)。
【0180】
ポイント蓄積期間終了処理が開始されると、継続情報出力手段325は、演出データ記憶手段の通常スタートフラグ及びクイックスタートフラグを参照し、何れがON状態であるかを判定する(ステップS51)。この処理において、演出ポイント制御手段324は、ポイント蓄積期間が継続状態であるか、非継続状態であるか、を判定している。
【0181】
ステップS51の処理において、通常スタートフラグ及びクイックスタートフラグの何れもOFF状態であるとき、即ちポイント蓄積期間でない時に「データ保存」が選択されたとき(ステップS51の「共にOFF」)、継続情報出力手段325は、演出表示装置410にエラーメッセージを表示させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる(ステップS52)。例えば、継続情報出力手段325は、演出表示装置410に「表示する2次元コードがありません」という文を表示させる制御処理を演出表示制御手段321に実行させる。この処理において、継続情報出力手段325は、遊技者にポイント蓄積期間終了処理の開始時がポイント蓄積期間でないことを知らせている。
【0182】
ステップS51の処理において、通常スタートフラグがON状態であるとき、即ちポイント蓄積期間が継続状態であったとき(ステップS51の「通常」)、図10(E)に示すように、継続情報出力手段325は、継続情報としての2次元コード410hを生成して演出表示装置410に生成した2次元コード410hを表示(出力)させる継続情報出力処理を実行し、演出表示装置410に2次元コード出力画面を表示する(ステップS53)。この処理において演出表示装置410に表示される2次元コード410hには、通信端末機800上で選択した事前選択キャラクタと、ポイント期間における表示レベル値の上昇分と、に関する情報が含まれる。また、当該2次元コード410hには、上記情報に加え、ポイント蓄積期間における遊技履歴と、通信端末機800が管理サーバ700に接続するための管理サーバ700のインターネット上のアドレス情報と、図12のステップS22の処理において管理サーバ700に送信された通信端末機800の識別情報と、が含まれている。この処理において、継続情報出力手段325は、2次元コード410hを演出表示装置410に表示させ、ポイント蓄積期間において上昇させた表示レベル値の上昇分を管理サーバ700に蓄積し、次の遊技開始時に継続可能としている。
【0183】
また、ステップS51の処理において、クイックスタートフラグがON状態であるとき、即ちポイント蓄積期間が非継続状態であったとき(ステップS51の「クイック」)、継続情報出力手段325は、継続情報としての2次元コードを生成して演出表示装置410に表示(出力)させる継続情報出力処理を実行する(ステップS54)。この処理にて演出表示装置410に表示される2次元コードには、継続情報出力手段325により2次元コードを生成する際に演出キャラクタとして設定されているキャラクタと、当該2次元コードを生成する際の表示レベル値と、に関する情報が含まれている。また、当該2次元コードには、上記情報に加え、ポイント蓄積期間における遊技履歴と、通信端末機800が管理サーバ700に接続するための管理サーバ700のインターネット上のアドレス情報と、が含まれている。この処理において、継続情報出力手段325は、2次元コードを演出表示装置410に表示させ、ポイント蓄積期間において上昇させた表示レベル値を管理サーバ700に蓄積し、次の遊技開始時に継続可能としている。
【0184】
ステップS53又はステップS54の処理において、継続情報出力手段325が2次元コードを演出表示装置410に表示させると、継続情報出力手段325は、演出設定初期化処理を実行して、通常スタートフラグ及びクイックスタートフラグを共にOFF状態にし、表示レベル値を値「1」に変更すると共に、図12のステップS38の処理において演出設定の選択が行われている場合には演出設定が初期化されて、ポイント蓄積期間が終了する(ステップS55)。このとき、演出種別選択手段323は、ステップS54において2次元コードを生成する際に演出キャラクタとして設定されているキャラクタによらず、キャラクタAを演出キャラクタとして設定して演出データ記憶手段361に記憶させる。また、このとき、演出ポイント制御手段324は、演出データ記憶手段361に記憶されている演出ポイントの記憶値を値「0」に変更して記憶させる。
【0185】
ステップS53又はステップS54の処理において、演出表示装置410に2次元コード出力画面が表示され、遊技者が表示された2次元コードを通信端末機800のカメラ820で読み取ると、入力された2次元コードの情報に基づいて通信端末機800が管理サーバ700に接続され、2次元コードに含まれる情報と、通信端末機800の識別情報と、が管理サーバに送信される(ステップS56)。そして、管理サーバ700が2次元コードに含まれる情報と、通信端末機800の識別情報と、を受信すると、管理サーバ700は受信した2次元コードの内容が有効であるか否かを判定する(ステップS57)。この処理において、管理サーバ700は、受信した2次元コードに含まれる情報の復元(デコード)を試みて、管理サーバ700が利用可能な情報として復元可能な情報か否かを判定している。また、情報の復元ができた場合であって、受信した2次元コードがステップS53の処理において出力された2次元コード410hである場合においては、ステップS22の処理において管理サーバ700に送信された通信端末機の識別情報と当該2次元コード410hに含まれる情報を送信した通信端末機の識別情報とが一致しているか否か、を判定している。
【0186】
ステップS57の処理にて、管理サーバ700が、それぞれの通信端末機の識別情報が一致しないと判定した場合、又はその他の理由により受信した2次元コードに含まれる情報が有効でないと判定した場合(ステップS57のNO)、管理サーバ700は、通信端末機800にエラーメッセージを表示させるコマンドを送信する(ステップS58)。そして、通信端末機800が管理サーバ700からエラーメッセージを表示させるコマンドを受信すると、通信端末機800は、液晶ディスプレイ810にエラーメッセージを表示する。例えば、通信端末機800は、液晶ディスプレイ810に「不正な2次元コードです」という文を表示する(ステップS59)。この処理において、通信端末機800は、遊技者に対し、カメラ820に読み取らせた2次元コードの情報を管理サーバ700が受付けできないことを伝えている。
【0187】
ステップS57の処理において、管理サーバ700が、受信した2次元コードに含まれる情報に問題が無く有効な2次元コードであると判定した場合(ステップS57のYES)、管理サーバ700は、受信した通信端末機の識別情報に応じた会員情報がデータベース内にあるか否かを判定する(ステップS60)。この処理において、管理サーバ700は、受信した2次元コードに含まれる情報を保存する際に関連付ける会員情報が既にあるか否かを判定している。
【0188】
ステップS60の処理において、受信した通信端末機800の識別情報に応じた会員情報がデータベース内にあると管理サーバ700が判定した場合(ステップS60のYES)、管理サーバ700は、受信した2次元コードに含まれる情報に応じて、会員情報を更新する。具体的には、データベース内の会員情報に2次元コードに含まれる遊技履歴を追加して記憶すると共に、2次元コードに含まれるキャラクタの情報に対応するキャラクタA〜キャラクタCの何れかの固有レベル値に、2次元コードに含まれる表示レベル値を加算する(ステップS61)。
【0189】
ステップS60の処理において、受信した通信端末機の識別情報に応じた会員情報がデータベース内に無いと管理サーバ700が判定した場合(ステップS60のNO)、管理サーバ700は、受信した通信端末機800の識別情報に基づいてデータベース内に新たな会員情報を登録し、受信した2次元コードに含まれる情報を新たに登録された会員情報に反映する(ステップS62)。具体的には、管理サーバ700は、受信した2次元コードに含まれる遊技履歴を新たに登録された会員情報の遊技履歴に追加して記憶すると共に、2次元コードに含まれるキャラクタの情報に対応する新たに登録された会員情報のキャラクタA〜キャラクタCの何れかの固有レベル値を、2次元コードに含まれる表示レベル値とする。ステップS61及びステップS62の処理において、管理サーバ700は、ポイント蓄積期間内に蓄積された演出ポイントに応じて上昇した表示レベル値をキャラクタA〜キャラクタCの何れかに関連付けて記憶し、次の遊技開始時に参照されるまで情報を保存して、次の遊技開始時に表示レベル値を継続可能としている。
【0190】
このように、遊技者は、遊技開始時に予め操作選択画面で「通常スタート」又は「クイックスタート」を選択してポイント蓄積期間を開始させておき、遊技終了時にスロットマシン1の継続情報出力手段325が生成した表示レベル値を含む2次元コードの情報を管理サーバ700へ送信することにより、管理サーバ700に会員情報がある場合は既にある会員情報の、会員情報が無い場合は新たに登録される会員情報におけるキャラクタの固有レベル値を上昇させ、上昇させた固有レベル値を次の遊技開始時に演出レベル値として継続可能としている。
【0191】
そして、管理サーバ700は、更新された会員情報又は新たに登録された会員情報を通信端末機800に送信し(ステップS63)、当該会員情報を受信した通信端末機800は、受信した会員情報を液晶ディスプレイ810に表示する(ステップS64)。この処理において、通信端末機800は、遊技終了後に更新又は登録された会員情報の内容を遊技者が確認可能にしている。なお、管理サーバ700に会員情報が登録されていない遊技者は、遊技開始前にまず通信端末機800を管理サーバ700に接続し、キャラクタの固有レベル値や遊技履歴が初期状態である会員情報(例えば、各キャラクタ全ての固有レベル値が値「0」、遊技履歴なし)を登録して、管理サーバ700にパスワードを出力させてから遊技を開始することもできる。この場合においては、遊技者は、表示レベル値は初期値の状態で遊技を開始することになるが、パスワードの入力により演出キャラクタの設定や演出設定の選択を行うことができる。また、管理サーバ700に既に会員情報が登録されている遊技者が、非継続状態において遊技を行い、その後出力された2次元コードの情報を管理サーバへ送信した場合は、2次元コードの生成時における表示レベル値が、2次元コードの生成時に演出キャラクタとして選択(設定)されていたキャラクタA〜キャラクタCの何れかの固有レベル値に加算される。
【0192】
5.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、演出ポイントに関する情報である表示レベル値を次の遊技開始時に継続可能にするパスワードに関する指令が入力されていない非継続状態で、発生した演出ポイントに関する情報をキャラクタに関連付けて新たな2次元コードを出力する際に、演出種別選択手段323により選択されているキャラクタと、演出データ記憶手段361に蓄積された表示レベル値と、を関連付けて新たな2次元コードを生成して出力するので、遊技者の意図に合う継続情報となる可能性を高めることができる。
【0193】
また、本実施形態のスロットマシン1は、演出ポイントに関する情報である表示レベル値を次の遊技開始時に継続可能にするパスワードに関する指令が入力された継続状態で、発生した演出ポイントに関する情報をキャラクタに関連付けて新たな2次元コードを出力する際に、遊技開始時に入力された2次元コードに基づいて選択された演出キャラクタと、演出データ記憶手段361に蓄積された表示レベル値の増分と、を関連付けて新たな2次元コードを生成して出力するので、遊技者の意図に合う2次元コードとなる可能性を高めることができる。
【0194】
また、本実施形態のスロットマシン1は、遊技終了時に、遊技者が何れのキャラクタの固有レベル値を上昇させて次の遊技開始時に継続させるかを選択する必要が無いので、遊技者の手間を省くことができると共に、遊技者がスロットマシン1に2次元コードを生成させる際に操作を誤ることなどにより、遊技者の意図と異なるキャラクタの固有レベル値を上昇させることを防止して、遊技者の遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
【0195】
6.変形例
なお、本実施形態のスロットマシン1において、演出ポイントの蓄積により表示レベル値が上昇するように構成されているが、これに限定されない。例えば、スロットマシン1は、演出ポイントの蓄積により「初級」、「中級」及び「上級」等、称号等が変化するように構成されていてもよいし、演出ポイントの蓄積により称号等が増えるように構成されていてもよい。また、継続情報出力手段325が生成する継続情報としての2次元コードには表示レベル値に関する情報が含まれるように構成されているが、これに限定されない。例えば、2次元コードには、蓄積した演出ポイントの情報が含まれていてもよい。また、遊技に伴う様々な契機に基づいて発生する演出ポイントは、正数であるものに限定されない。発生する演出ポイントは0でもよいし、負数でもよく、演出ポイントが発生した結果、演出データ記憶手段361に記憶されている演出ポイントの値が減少するように構成されていてもよい。
【0196】
また、本実施形態のスロットマシン1において、継続情報出力手段325に2次元コードを生成させ、出力させるためには、演出表示装置410に操作選択画面が表示されている状態においてジョグダイヤルJGによる操作が必要であるように構成されているが、これに限定されない。例えば、2次元コードは、演出表示装置410の一部に常に表示されて、演出ポイントの発生や表示レベル値の上昇を契機に随時更新されるように構成されていてもよい。また、演出表示装置410に操作選択画面が表示されて、「データ保存」が選択対象となっている状態で決定ボタンJGBが押下操作された場合に2次元コードを出力するように構成されているが、2次元コードの出力前に、例えば「(キャラクタ名)に経験値を蓄積しますか?」等の文を演出表示装置410に表示させて、遊技者が何れのキャラクタの固有レベル値を上昇させることを希望しているかを確認する処理が演出制御手段320を構成する各手段により実行されるように構成されていてもよい。この場合において、演出表示装置410に表示された文で示唆されるキャラクタと遊技者が固有レベル値を上昇させることを希望しているキャラクタとが異なる場合は、改めて固有レベル値を上昇させるキャラクタを選択可能な処理が演出制御手段320を構成する各手段により実行されるように構成されていてもよい。
【0197】
また、本実施形態のスロットマシン1において、キャラクタの固有レベル値が所定の値に達すると、演出設定の選択支が増えるように構成されているが、例えば、複数のキャラクタの固有レベル値が所定の固有レベル値に達すると選択可能となる演出設定が設けられていてもよいし、固有レベル値が所定の値に達すると初めて選択可能となるキャラクタが設けられていてもよい。
【0198】
また、スロットマシン1は、副制御部300に時刻を計時できる計時手段を有して、管理サーバ700が生成するパスワードに時刻情報を含めることにより、スロットマシン1にパスワードが入力された際に管理サーバ700がパスワードを生成してから所定の時間が経過したか否かを判断可能となるように構成されていてもよい。この場合、スロットマシン1にパスワードが入力された時刻が、管理サーバ700がパスワードを生成した時刻から所定の時間が経過していたことを条件として、入力されたパスワードを無効なパスワードであると判断するように構成されていてもよい。このように構成された場合、管理サーバ700から入手したパスワードを複数の遊技者が使いまわすことや、古いパスワードを遊技者が誤って使用すること等を防止をすることができる。
【0199】
また、本実施形態のスロットマシン1において、演出制御手段に対する指令はジョグダイヤルJGにより入力可能であるように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段に対する指令を入力可能な入力手段は、例えば、十字キーと決定ボタンの組み合わせや、スタートレバーSLや、ストップボタンB1〜ストップボタンB3、マックスベットボタンMB等、他の入力手段であってもよいし、演出表示装置410に設けられたタッチパネルであってもよいし、これらジョグダイヤルJG以外の入力手段の複数が演出制御手段に対する指令を入力可能に構成されていてもよい。
【0200】
また、本実施形態のスロットマシン1において、継続情報出力手段325に継続情報として2次元コードを生成させて出力させ、通信端末機800の液晶ディスプレイ810に表示された継続情報としてのパスワードをスロットマシン1に入力するように構成されているが、これに限定されない。継続情報はバーコードやパスワード等、他の視覚的に判別可能な情報であってもよいし、赤外線信号や可視光の点滅等、光学的な信号として出力される情報であってもよいし、音声により出力される情報であってもよいし、スロットマシン1は、入力手段としてカメラを備えて通信端末機800の液晶ディスプレイ810に表示された2次元コードをスロットマシン1に入力可能に構成されていてもよい。
【0201】
また、本実施形態では遊技機としてのスロットマシン1を一例として説明したが、本発明は弾球遊技機等のパチンコ機を含む各種の遊技機に適用可能であり、例えば、パチンコ機における遊技盤に配置された液晶ディスプレイ等に表示される映像等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0202】
1 スロットマシン(遊技機)
320 演出制御手段
323 演出種別選択手段
324 演出ポイント制御手段(ポイント制御手段)
325 継続情報出力手段
361 演出データ記憶手段(演出記憶手段)
JG ジョグダイヤル(入力手段)
【要約】      (修正有)
【課題】遊技者の意図に合うように発生した演出ポイントを何れのキャラクタに関連付けて次の遊技開始時に継続させるか決定することができる遊技機を提供する。
【解決手段】演出制御手段は、AT状態における内部抽選手段による内部抽選において特定当選態様に当選した場合に、正解打順を報知する入賞補助演出を実行し、入賞補助演出の実行時に所定のキャラクタを表示している場合において、ストップスイッチが正解打順のうち第1停止操作を検出した場合に、所定のキャラクタを第1動作で動かす演出を実行し、ストップスイッチが正解打順のうち第2停止操作を検出した場合に、所定のキャラクタを所定の動作で動かす演出を実行せず、ストップスイッチが正解打順のうち第3停止操作を検出した場合に、所定のキャラクタを第1動作に関連する第2動作で動かす演出を実行する。
【選択図】図9
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