(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0015】
[実施の形態の要約]
本実施の形態の輻射要素は、熱媒体が流れる管状部材と、面内方向の熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率よりも高く、前記管状部材の管外径の1/2以下の厚さを有し、前記管状部材と熱結合する熱伝導部材とを備える。
【0016】
管状部材は、銅、ステンレススチール等の金属製又は樹脂製のものを用いることができる。管状部材には、温度、圧力、流量等が制御された熱媒体、又は少なくとも温度が制御された熱媒体が流通する。熱媒体は、例えば水を用いることができる。管状部材は、1本の管を蛇行させて並列して配設された複数の流路部分を有するものとしてもよく、メインパイプに複数の管を接続し、複数の管を並列して配設された複数の流路部分としてもよい。
【0017】
熱伝導部材は、1つ又は複数の熱伝導シートを用いることができる。熱伝導シートは、膨張させた黒鉛を圧延によりシート化した膨張黒鉛シート、膨張黒鉛シートに可とう性を付与した可とう性膨張黒鉛シート、繊維に熱伝導粉末を添加してなる湿式抄紙の黒鉛シート等や、これらと他の金属又は樹脂との複合材を用いることができる。膨張黒鉛シートとしては、例えば東洋炭素株式会社製の膨張黒鉛シート(型式PF−UHP、厚さ0.2〜1.5mm、厚さ方向の熱伝導率5W/mK、面内方向の熱伝導率200W/mK)等を用いることができる。湿式抄紙の黒鉛シートとしては、例えば阿波製紙株式会社製のCARMIX(黒鉛シート)等を用いることができる。
【0018】
熱伝導部材は、平坦な形態を有する第1の熱伝導シートと、第1の熱伝導シート上に配置され、谷部と山部が交互に形成された形態を有し、谷部が複数の流路部分の外周面にそれぞれ接触する第2の熱伝導シートとを備えたものでもよい。第1の熱伝導シートと第2の熱伝導シートとは、接着してもよいし、接着せずに第2の熱伝導シートを第1の熱伝導シートの上に置くだけでもよい。第1の熱伝導シートと第2の熱伝導シートとは、同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。例えば、第1の熱伝導シートに膨張黒鉛シートを用い、第2の熱伝導シートに湿式抄紙の黒鉛シートを用いてもよい。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る輻射要素が適用された輻射パネルの平面図である。
図2Aは、
図1のA−A線断面図、
図2Bは
図2Aのパネル本体を下から見た平面図である。
図3は、
図1のB−B線断面図である。
【0020】
この輻射パネル1は、
図1に示すように、パネル本体2と、パネル本体2の底壁20の裏面20b(
図2A参照)に配置された平坦な形態を有する第1の熱伝導シート30Aと、第1の熱伝導シート30Aに接着され、波形状に谷部31と山部32が交互に形成された第2の熱伝導シート30Bと、第2の熱伝導シート30Bの谷部31に熱交換パイプ44が位置するように配置された管状部材4と、管状部材4の熱交換パイプ44をパネル本体2の底壁20側に押え付ける押え部材5とを備える。ここで、第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bと管状部材4は、輻射要素を構成する。第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bは、パネル本体2と管状部材4とを熱結合する熱伝導部材3の一例である。熱交換パイプ44は、並列して配設された流路部分の一例である。
【0021】
(パネル本体の構成)
パネル本体2は、
図1に示すように、例えば短手方向の辺(短辺)と長手方向の辺(長辺)との比が1:2の長方形を有する底壁20(
図2A参照)と、底壁20の短辺に設けられた側壁21a、21bと、底壁20の長辺に設けられた側壁21c、21dと、側壁21a〜21dの開口側端部に外側に向かって形成された鍔部22a〜22dと、側壁21b〜21dの開口側端部に内側に向かって形成された鍔部23a〜23fとを備える。輻射パネル1を室内の天井や壁等に敷設した場合は、パネル本体2の底壁20の表面20cが赤外線(熱線)を放出又は吸収して室内を輻射空調する輻射面となる。
【0022】
パネル本体2は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、鋼板等の金属、又は樹脂等から一体的に形成される。パネル本体2は、例えば0.5〜2mmの厚さを有する。
【0023】
鍔部23a〜23dは、押え部材5を係止する機能を有する。鍔部23e、23fは、管状部材4のメインパイプ部40の浮き上がりを防止する機能を有する。
【0024】
本実施の形態のパネル本体2の底壁20は、例えば600mm×1200mmの長方形を有する。なお、パネル本体2の底壁20は、正方形(例えば600mm×600mm)でもよい。パネル本体2の形状を平面視で1:2の長方形とすることにより、1つのパネル本体2の長辺に他の2つのパネル本体2の短辺を組み合わせ、必要に応じて正方形のパネル本体を用いることにより、矩形の天井面、側壁、床面に施工し易くなる。
【0025】
パネル本体2は、
図2Bに示すように、底壁20のほぼ全面に複数の円形の吸音孔20aが形成されている。なお、吸音孔20aは、円形に限られず、矩形状や三角形、長円、楕円等の他の形状でもよい。吸音孔20aは、例えば格子状に配列され、輻射パネル1の長手方向のピッチPxは、例えば5〜20mm、輻射パネル1の短手方向のピッチPyは、第2の熱伝導シート30Bの山部32のピッチとほぼ等しい値(例えば10mm)で形成されている。
【0026】
吸音孔20aの孔径は、吸音効果の点で0.5〜3mmが好ましい。また、吸音孔20aの孔径は、吸音率がやや低下するが、視覚の点で0.5〜1mmが好ましく、0.6〜0.8mmがより好ましい。吸音孔20aの孔径を0.5〜1mmとすることにより、2m離れた所からパネル本体2を見たときに吸音孔20aが孔として視認され難くなり、不安な気持ちを少なくさせるという効果が得られる。吸音孔20aの数及び直径は、例えば開口率0.8〜3%となるように定められる。なお、発明者によるJIS A 1409に定められた残響室法吸音率測定によると、吸音孔20aの孔径2.5mm、開口率16%の金属製のパネル本体2に対し、吸音孔20aの孔径0.7mm、開口率1.6%としても吸音率は、51%から44%へ若干の低下にとどまることが実証できている。また、吸音孔20aは、第2の熱伝導シート30Bの後述する山部32毎に異なる孔径としてもよい。これにより、ヘルムホルツ共鳴による共鳴周波数を複数にすることが可能になる。
【0027】
(熱伝導シートの構成)
第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bは、面内方向の熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率よりも高く、熱交換パイプ44の外径(例えば3〜4mm)の1/3以下若しくは1/2以下、又は1mm以下若しくは2mm以下の厚さ(例えば0.15〜0.4mm)を有する。
【0028】
第1の熱伝導シート30Aは、パネル本体2の底壁20の裏面20bとほぼ同じ大きさを有する。第1の熱伝導シート30Aは、パネル本体2に形成された複数の吸音孔20aに連通する複数の吸音孔としての連通孔30aが形成されている。これにより第2の熱伝導シート30Bの山部32と第1の熱伝導シート30Aとの間の空間30cが共鳴空間となり、ヘルムホルツ共鳴による吸音が可能になる。なお、連通孔30aの孔径は、吸音孔20aと等しいのが好ましいが、連通しているのなら異なる孔径でもよい。
【0029】
第2の熱伝導シート30Bは、幅はパネル本体2の底壁20の裏面20bとほぼ同じ大きさを有し、長さはパネル本体2の底壁20の裏面20bよりも短い大きさを有する。これにより熱交換パイプ44を谷部31にセットし易くなる。
図1中、3a、3bは、第1の熱伝導シート30Aが第2の熱伝導シート30Bから露出する露出部である。第2の熱伝導シート30Bは、
図2Aで説明したように、波形状に谷部31と山部32が交互に形成されている。本実施の形態では、山部32の頭頂付近、及び谷部31の底付近は、それぞれ円弧状に形成されている。谷部31の上面の曲率半径は、熱交換パイプ44の外周面との接触面積を増やすために熱交換パイプ44の外径の約1/2が好ましい。山部32の下面の曲率半径は、谷部31の上面の曲率半径と等しくても、異なっていてもよい。谷部31は熱交換パイプ44の外周面にそれぞれ接触する。また、熱交換パイプ44の第1の熱伝導シート30Aの上面からの高さをH、山部32の第1の熱伝導シート30Aの上面からの高さをhとしたとき、押え部材5による押付け力が熱交換パイプ44に伝わり易いように、H≧hの関係が好ましい。なお、押え部材5による押付け力が熱交換パイプ44に伝わるのなら、H<hでもよい。
【0030】
第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bを製造するための素材シートは、例えば、次のように作製される。すなわち、所定の割合の炭素繊維等からなる熱伝導粉末、アクリル繊維等からなる叩解パルプ、ポリエステル繊維等からなる非叩解繊維、及びポリエステル繊維等からなるバインダー繊維の組成物を水中に混合分散し、固形分濃度が所定の値となるようにスラリーを調製する。次に、凝集剤を添加した後、スラリーをシート化して抄紙シートとし、この抄紙シートをプレスして乾燥させた後、このシートを所定の条件(圧力、温度、時間)で加熱プレスを行ってバインダー繊維を溶融して素材シートを作製する。
【0031】
(管状部材の構成)
管状部材4は、輻射パネル1の長手方向の一方に設けられたメインパイプ部40と、メインパイプ部40にほぼ同一ピッチでほぼ平行に接続された複数の熱交換パイプ44とを有する。供給側メインパイプ42及び戻り側メインパイプ43は、熱交換パイプ44の内径よりも大きい内径を有する。なお、
図1に示す熱交換パイプ44の数は、理解を容易にするために実際よりも少ない数で図示している。
【0032】
メインパイプ部40は、長手方向の中央位置に形成された仕切り部41を境に供給側メインパイプ42と戻り側メインパイプ43とを備える。供給側メインパイプ42は、一端に供給側コネクタ42aを有する。戻り側メインパイプ43は、一端に戻り側コネクタ43aを有する。
【0033】
各熱交換パイプ44は、一端が第2の熱伝導シート30Bの谷部31のピッチとほぼ同じピッチでほぼ平行に配列されて供給側メインパイプ42に接続され、他端が第2の熱伝導シート30Bの谷部31のピッチとほぼ同じピッチでほぼ平行に配列されて戻り側メインパイプ43に接続されており、流路の途中がループ状となっている。熱交換パイプ44のピッチは、例えば10〜50mmとすることができる。熱交換パイプ44は、断面円形を有し、例えば、外径2〜5mmが好ましく、外径3〜4mmがより好ましい。
【0034】
管状部材4は、例えば、熱可塑性樹脂等からなり、メインパイプ部40と複数の熱交換パイプ44をそれぞれ押出成形し、これらを溶着して組み立てられる。なお、管状部材4は、射出成型等により一体的に形成してもよい。
【0035】
供給側メインパイプ42の供給側コネクタ42aには、図示しない熱交換ユニットから供給側配管が接続される。戻り側メインパイプ43の戻り側コネクタ43aには、図示しない熱交換ユニットから戻り側配管が接続される。
【0036】
(押え部材の構成)
押え部材5は、例えば、バネ性を有する金属からなる押え板50と、押え板50に接合された発泡ゴム、発泡樹脂等からなる弾性部材51とを備える。押え板50は、両端側が中央部よりも持ち上がっており、これにより押え板50をパネル本体2の鍔部23a〜23dに係止したとき、中央部で管状部材4の熱交換パイプ44を底壁20側に押え付けることができる。
【0037】
(製造装置の構成)
図4Aは、第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bの製造装置の一例を示す平面図である。
図4Bは、第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bの製造装置の一例を示す側面図である。
【0038】
この製造装置6は、第1の熱伝導シート30A用の第1の素材シート300を供給する第1の素材シート供給部60と、第2の熱伝導シート30B用の第2の素材シート301を供給する第2の素材シート供給部61と、第1の素材シート供給部60から供給された第1の素材シート300を後段に送る送りローラ62と、第2の素材シート供給部61から供給された第2の素材シート301を波形形状に成型する一対の波形成型ローラ63A、63Bと、第1の素材シート300に貫通孔による連通孔30aを形成する一対の貫通孔形成ローラ64A、64Bと、連通孔30aが形成された第1の素材シート300に接着剤を塗布する第1の接着剤塗布ローラ65Aと、波形形状に成型された第2の素材シート301に接着剤を塗布する第2の接着剤塗布ローラ65Bと、接着剤が塗布された第1及び第2の素材シート300、301を貼り合わせる第1及び第2の貼り合わせローラ66A、66Bと、互いに貼り合わされた第1及び第2の素材シート300、301を所定の長さに切断して
図1〜
図3に示す第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bを製造する切断部67とを備える。
図4A中、300a、300bは、
図1に示す露出部3a、3bとなる領域である。
【0039】
次に、
図4A、
図4Bに示す製造装置6を用いた第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bの製造方法を説明する。まず、第1の熱伝導シート30Aの長さ(例えば1200mm)に対応した幅の第1の素材シート300、及び第2の熱伝導シート30Bの長さ(例えば1000mm)に対応した幅の第2の素材シート301を上述した方法で作製する。次に、第1の素材シート300を第1の素材シート供給部60にセットし、第2の素材シート301を第2の素材シート供給部61にセットする。
【0040】
第1の素材シート供給部60から第1の素材シート300を供給し、第2の素材シート供給部61から第2の素材シート301を供給してこれらを順次加工することにより、第1の熱伝導シート30Aの上に第2の熱伝導シート30Bが接着された熱伝導部材3が得られる。なお、第2の素材シート301を波形にプレスして第2の熱伝導シート30Bを成型し、第1の熱伝導シート30Aに貼り合わせても構わない。
【0041】
(輻射パネルの動作)
図示しない熱交換ユニットから温度等が制御された熱媒体を、供給側配管を介して供給側メインパイプ42の供給側コネクタ42aに供給すると、熱媒体は供給側メインパイプ42から各熱交換パイプ44に分岐し、さらに各熱交換パイプ44を循環して戻り側メインパイプ43で合流し、戻り側コネクタ43aから戻り側配管を介して熱交換ユニットに戻る。熱媒体が熱交換パイプ44を通過する間に第1及び第2の熱伝導シート30A、30B、及びパネル本体2との熱交換が行われる。すなわち、熱媒体の熱が熱交換パイプ44から第2の熱伝導シート30B及び第1の熱伝導シート30Aに伝わり、さらにパネル本体2の底壁20全体に伝わり、底壁20の表面20cが輻射面となって輻射空調が行われる。
【0042】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)管状部材4の熱交換パイプ44と第2の熱伝導シート30Bとは面接触しているので、熱交換パイプ44からの熱が第2の熱伝導シート30Bに伝わり易くなる。また、第2の熱伝導シート30Bとパネル本体2との間に第1の熱伝導シート30Aを配置しているので、第2の熱伝導シート30Bに伝わった熱がパネル本体2の底壁20全体に伝わり易くなる。この結果、冬は低めの温度、夏は高めの温度の熱媒体を用いてもパネル本体2の表面温度を第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bを用いない場合の表面温度と同等にすることができ、効率的な輻射を行うことができる。
(2)管状部材として樹脂製のものを用い、熱伝導部材として薄くて軽い第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bを用いているので、軽量化を図ることができ、熱伝導部材3及び管状部材4のパネル本体2への組込みが容易になる。
(3)パネル本体2に吸音孔20aを設け、第2の熱伝導シート30Bの山部32と第1の熱伝導シート30Aとの間の空間30cを共鳴空間としているので、ヘルムホルツ共鳴により大きな吸音効果が得られる。
(4)天井側のスラブとの間に空間を設けて天井に本実施の形態に係る輻射パネル1を敷設した場合、輻射パネル1の運転中は、室内に対する輻射だけでなく、熱交換パイプ44及び第2の熱伝導シート30Bから天井側のスラブに対しても輻射が行われるので、例えば、夜間に天井側のスラブに蓄熱しておき、昼間にスラブの蓄熱を室内の空調に利用することができる。
【0043】
(第2の熱伝導シートの変形例)
図5A〜
図5Fは、第2の熱伝導シート30Bの変形例を示す。
図5A〜
図5Fは、第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bのみを図示する。
【0044】
図5Aに示す第2の熱伝導シート30Bは、谷部31と山部32のそれぞれに平坦面31a、32aを設け、谷部31と山部32とを傾斜した傾斜部33で接続したものである。
図5Bに示す第2の熱伝導シート30Bは、谷部31と山部32のそれぞれに平坦面31a、32aを設け、谷部31と山部32とを垂直な起立部34で接続したものである。
図5Cに示す第2の熱伝導シート30Bは、谷部31は半円状を有し、山部32に平坦面32aを設け、谷部31と山部32とを曲線部35で接続したものである。
図5A、
図5Bに示す構成によれば、熱交換パイプ44と第2の熱伝導シート30Bとを3箇所で線接触させることができる。
図5Cに示す構成によれば、熱交換パイプ44と第2の熱伝導シート30Bとを面接触させることができる。
【0045】
図5Dに示す第2の熱伝導シート30Bは、谷部31のピッチPvを熱交換パイプ44のピッチPpの1/2としたものである。
図5Eに示す第2の熱伝導シート30Bは、谷部31のピッチPvを熱交換パイプ44のピッチPpの1/2とし、谷部31の高さhを熱交換パイプ44の高さHの1/2以下としたものである。なお、谷部31と熱交換パイプ44の関係は、
図5D、
図5Eに示すものに限られず、Pv=Pp/N(Nは整数)としてもよい。
【0046】
図5A〜
図5Eの第1の熱伝導シート30Aには、第2の熱伝導シート30Bの山部32に対応する位置に連通孔30aが形成されている。
【0047】
図5Fに示す第2の熱伝導シート30Bは、
図5Cに示す第2の熱伝導シート30Bの山部32に谷部36を付加し、第2の熱伝導シート30Bの山部32に対応する第1の熱伝導シート30Aの位置に連通孔30aを形成したものである。この
図5Fに示す構成によれば、第1の熱伝導シート30Aと第2の熱伝導シート30Bとの接着面積を増やすことができる。
【0048】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る輻射パネルの平面図である。本実施の形態は、第1の実施の形態とは、管状部材4が異なり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0049】
本実施の形態の管状部材4は、輻射パネル1の長手方向の一方に設けられた供給側メインパイプ42と、輻射パネル1の長手方向の他方に設けられた戻り側メインパイプ43と、第2の熱伝導シート30Bの谷部31のピッチとほぼ同じピッチでほぼ平行に配列され、供給側メインパイプ42と戻り側メインパイプ43との間を接続する複数の熱交換パイプ44とを備える。供給側メインパイプ42は、一端に供給側コネクタ42aを有する。戻り側メインパイプ43は、一端に戻り側コネクタ43aを有する。
【0050】
第2の実施の形態によれば、熱交換パイプ44がループ状になっていないため、第2の熱伝導シート30Bの長さを長くすることができ、熱交換パイプ44の熱をパネル本体2に伝え易くなる。また、管状部材4のパネル本体2への組込みが容易になる。
【0051】
[第3の実施の形態]
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る輻射パネルの平面図である。本実施の形態は、第1の実施の形態とは、管状部材4が異なり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0052】
本実施の形態の管状部材4は、輻射パネル1の長手方向の一方に設けられた第1の実施の形態と同様の第1のメインパイプ部40Aと、輻射パネル1の長手方向の他方に設けられた第2のメインパイプ部40Bと、第2の熱伝導シート30Bの谷部31のピッチとほぼ同じピッチでほぼ平行に配列され、第1のメインパイプ部40Aと第2のメインパイプ部40Bとの間を接続する複数の熱交換パイプ44とを備える。
【0053】
第1のメインパイプ部40Aは、第1の実施の形態と同様に、長手方向の中央位置に形成された仕切り部41を境に供給側メインパイプ42と戻り側メインパイプ43とを備える。供給側メインパイプ42は、一端に供給側コネクタ42aを有する。戻り側メインパイプ43は、一端に戻り側コネクタ43aを有する。第1及び第2のメインパイプ部40A、40Bは、熱交換パイプ44の内径よりも大きい内径を有する。
【0054】
第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様に、熱交換パイプ44の流路の途中がループ状になっていないため、第2の熱伝導シート30Bの長さを長くすることができ、熱交換パイプ44の熱をパネル本体2に伝え易くなる。また、管状部材4のパネル本体2への組込みが容易になる。
【0055】
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る輻射パネルの平面図、
図9は、
図8のC−C線断面図である。第1の実施の形態では、管状部材としてメインパイプ部40と複数の熱交換パイプ44からなる構成を用いたが、本実施の形態は、1本の樹脂パイプ45を用いたものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0056】
樹脂パイプ45は、
図8に示すように、直線部分と曲線部分とが交互に形成されるように湾曲させて第2の熱伝導シート30B上に配置される。樹脂パイプ45は、管状部材の一例である。樹脂パイプ45の複数の直線部分は、並列して配設された流路部分に相当する。なお、複数本の樹脂パイプ45を用いてもよい。
【0057】
樹脂パイプ45は、例えば3層構造のガスバリア性(酸素不透過)を有するチューブである。このチューブは、ポリウレタンからなる第1層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる第2層、ポリウレタンからなる第3層を、内側からこの順に有する。EVOHは、ガスバリア性が高く、樹脂パイプ45中の熱媒体に空気中の酸素が溶け込むのを防ぐ。これにより、樹脂パイプ45を介して熱媒体を循環させる熱交換ユニットにおける錆の発生を抑制することができる。このような三層構造の樹脂パイプ45として、例えば外径20〜30mmのものを用いることができる。
【0058】
パネル本体2は、第1の実施の形態の構成に対し、樹脂パイプ45を通すための切欠き24a、24bをさらに備える。なお、切欠き24a、24bを設けずに、樹脂パイプ45を上方に折り曲げて配管してもよい。
【0059】
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と比べて管状部材の配管抵抗を小さくすることができる。なお、管状部材は、樹脂パイプ45に限らず、銅、ステンレススチール等の金属パイプを用いることもできる。
【0060】
[第5の実施の形態]
図10は、本発明の第5の実施の形態に係る輻射パネルの
図2Aに対応する要部断面図である。本実施の形態は、第1の実施の形態に対して第2の熱伝導シート30Bを省略したものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0061】
本実施の形態の輻射パネル1は、
図10に示すように、パネル本体2と、パネル本体2の底壁20の裏面20bに配置された第1の熱伝導シート30Aと、第1の熱伝導シート30A上に配置された管状部材4と、管状部材4の熱交換パイプ44をパネル本体2の底壁20側に押え付ける押え部材5とを備える。ここで、第1の熱伝導シート30Aと管状部材4は、輻射要素を構成する。
【0062】
第5の実施の形態によれば、熱媒体の熱を熱交換パイプ44から第1の熱伝導シート30Aを介してパネル本体2の底壁20全体に伝えることができるので、第1の熱伝導シート30Aを用いない場合と比べて効率的な輻射を行うことができる。また、第2の熱伝導シート30Bを用いないので、熱交換パイプ44の外径やピッチ、および管状部材4を自由に選択できる。
【0063】
[第6の実施の形態]
図11は、本発明の第6の実施の形態に係る輻射パネルの
図2Aに対応する要部断面図である。本実施の形態は、第1の実施の形態に対して第1の熱伝導シート30Aを省略したものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0064】
本実施の形態の輻射パネル1は、
図11に示すように、パネル本体2と、パネル本体2の底壁20の裏面20bに配置され、波形状に谷部31と山部が交互に形成された第2の熱伝導シート30Bと、第2の熱伝導シート30Bの谷部31に熱交換パイプ44が位置するように配置された管状部材4と、管状部材4の熱交換パイプ44をパネル本体2の底壁20側に押え付ける押え部材5とを備える。ここで、第2の熱伝導シート30Bと管状部材4は、輻射要素を構成する。
【0065】
第6の実施の形態によれば、熱媒体の熱を熱交換パイプ44から第2の熱伝導シート30Aを介してパネル本体2の底壁20全体に伝えることができるので、第2の熱伝導シート30Aを用いない場合と比べて効率的な輻射を行うことができる。また、パネル本体2に吸音孔20aを設け、第2の熱伝導シート30Bの山部32とパネル本体2との間を空間(共鳴空間)30cとしているので、ヘルムホルツ共鳴により大きな吸音効果が得られる。
【0066】
[第7の実施の形態]
図12は、本発明の第7の実施の形態に係る輻射パネルの
図2Aに対応する要部端面図である。本実施の形態は、第1の実施の形態の構成に対して管状部材4の上に第3の熱伝導シート30Cを配置したものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0067】
本実施の形態の輻射パネル1は、
図12に示すように、パネル本体2と、パネル本体2の底壁20の裏面20bに配置された第1の熱伝導シート30Aと、第1の熱伝導シート30Aに接着され、波形状に谷部31と山部が交互に形成された第2の熱伝導シート30Bと、第2の熱伝導シート30Bの谷部31に熱交換パイプ44が位置するように配置された管状部材4と、熱交換パイプ44の上に配置された第3の熱伝導シート30Cと、第3の熱伝導シート30Cを介して熱交換パイプ44をパネル本体2の底壁20側に押え付ける押え部材5とを備える。ここで、第1乃至第3の熱伝導シート30A〜30Cと管状部材4は、輻射要素を構成する。
【0068】
第3の熱伝導シート30Cは、第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bと同様の熱伝導特性及び厚さを有する。
【0069】
第7の実施の形態によれば、第1の実施の形態と比べて、天井側のスラブへの蓄熱をより効率的に行うことができる。また、第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bの他に第3の熱伝導シート30Cを設けることにより、熱交換パイプ44から天井側に逃げようとする熱を第1の熱伝導シート30A及びパネル本体2の底壁20に伝え易くなる。
【0070】
なお、第3の熱伝導シート30Cの代わりに、熱伝導性線状材を用いてもよい。熱伝導性線状材は、例えば、薄い金属板に多数のひし形の孔を形成したメタルラス等の金属板やワイヤーラス等の金網、炭素繊維やガラス繊維等の織物を用いることができる。熱伝導性線状材として、縦方向(長手方向)に延びる炭素繊維及び横方向に延びる炭素繊維を層状に配置し又は編み込み、これらをエポキシ樹脂等の接着剤を含浸した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いることができる。熱伝導性線状材は、熱伝導性(CFRPで6W/m・K程度、メタルラスで17W/m・K程度)が良好であるため、熱交換パイプ44からの熱を天井側のスラブに放射し易くなる。
【0071】
また、第3の熱伝導シート30Cの代わりに、セラミックス、グラスウール等の断熱材を配置してもよい。これにより、天井側のスラブへの蓄熱はできないが、熱交換パイプ44からの熱をパネル本体2側へ伝え易くなる。
【0072】
[第8の実施の形態]
図13は、本発明の第8の実施の形態に係る輻射パネルの平面図である。
図14は、
図13のD−D線断面図である。本実施の形態は、第2の実施の形態とは、熱伝導部材3が異なり、他は第2の実施の形態と同様に構成されている。以下、第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0073】
本実施の形態の輻射パネル1は、パネル本体2と、パネル本体2の底壁20の裏面20b(
図14参照)に配置された熱伝導ユニット100とを備える。熱伝導ユニット100は、熱伝導部材3に管状部材4が組み込まれて全体としてユニット化されたものである。なお、管状部材4は、
図13に示すものに限られず、
図1、
図7、
図8に示すものでもよい。
【0074】
熱伝導ユニット100は、波形状に谷部31と山部32が交互に形成された主熱伝導シート130Aと、主熱伝導シート130Aの谷部31に熱交換パイプ44が位置するように配置された管状部材4と、熱交換パイプ44が主熱伝導シート130Aの谷部31に収容した状態で主熱伝導シート130Aの山部32に接着された副熱伝導シート130Bとを備える。ここで、主熱伝導シート130A、副熱伝導シート130B及び管状部材4は、輻射要素を構成する。主熱伝導シート130A及び副熱伝導シート130Bは、パネル本体2と管状部材4とを熱結合する熱伝導部材3の一例である。熱交換パイプ44は、並列して配設された流路部分の一例である。また、主熱伝導シート130Aは、第1乃至第4、第6、第7の実施の形態の第2の熱交換シート30Bに対応し、副熱伝導シート130Bは、第7の実施の形態の第3の熱交換シート30Cに対応する。
【0075】
主熱伝導シート130Aは、
図5Cに示す第2の熱伝導シート30Bと同様の構成を有する。なお、主熱伝導シート130Aは、
図5A、
図5B、
図5D、
図5Fに示す第2の熱伝導シート30Bと同様の構成でもよい。
【0076】
副熱伝導シート130Bは、主熱伝導シート130Aの山部32の平坦面32aに接着されている。副熱伝導シート130Bは、
図12に示す第3の熱伝導シート30Cと同様の構成を有する。なお、副熱伝導シート130Bと主熱伝導シート130Aとは、接着以外のステープル等の他の方法によって接合されていてもよい。
【0077】
第8の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)管状部材4の熱交換パイプ44と主熱伝導シート130Aとは面接触しているので、熱交換パイプ44からの熱が主熱伝導シート130Aに伝わり易くなる。また、副熱伝導シート130Bが熱交換パイプ44に接触しているので、熱交換パイプ44から副熱伝導シート130Bを介して主熱伝導シート130Aの谷部31に伝わり易くなる。
(2)管状部材4、主熱伝導シート130A及び副熱伝導シート130Bを熱伝導ユニット100としてユニット化しているので、パネル本体2への組込みが容易になる。
(3)パネル本体2に吸音孔20aを設け、主熱伝導シート130Aの山部32と底壁20との間の空間30cを共鳴空間としているので、ヘルムホルツ共鳴により大きな吸音効果が得られる。
【0078】
(熱伝導部材3の変形例)
図15A〜
図15Cは、第8の実施の形態の熱伝導部材3の変形例を示す要部断面図である。
図15Aに示す熱伝導部材3は、
図14に示す熱伝導部材3を上下逆にしてパネル本体2の底壁20の裏面20bに配置したものである。なお、高い吸音性能が求められていない場合には、本変形例のように、パネル本体2の吸音孔20aを省いてもよい。
図15Aにおいて、主熱伝導シート130Aは、第1乃至第4、第6、第7の実施の形態の第2の熱交換シート30Bに対応し、副熱伝導シート130Bは、第1乃至第5、第7の実施の形態の第1の熱交換シート30Aに対応する。
【0079】
図15Bに示す熱伝導部材3は、
図14に示す主熱伝導シート130Aの谷部31を180°を超えて熱交換パイプ44に接触するようにしたものである。
図15Bに示す構成とすることにより、
図14に示す構成と比較して熱交換パイプ44からの熱が主熱伝導シート130Aを介してパネル本体2に伝わり易くなる。本変形例は、主熱伝導シート130Aの山部32と底壁20との間の空間30cを共鳴空間としている。なお、高い吸音性能が求められていない場合には、パネル本体2の吸音孔20aを省いてもよい。また、
図15Bに示す熱伝導部材3を上下逆にしてパネル本体2の底壁20の裏面20bに配置してもよい。
【0080】
また、主熱伝導シート130Aの谷部31を180°を超えて熱交換パイプ44に接触させているので、副熱伝導シート130Bを主熱伝導シート130Aに接着しなくても熱交換パイプ44が主熱伝導シート130Aの谷部31から抜けることがなく、副熱伝導シート130Bを省くこともできる。
【0081】
図15Cに示す熱伝導部材3は、
図14に示す主熱伝導シート130Aの谷部31に副熱伝導シート130Cを接着したものである。副熱伝導シート130Cは、パネル本体2の吸音孔20aに対応した位置に連通孔30aが形成されている。主熱伝導シート130Aの山部32と副熱伝導シート130Cとの間の空間30cを共鳴空間とすることができる。なお、高い吸音性能が求められていない場合には、パネル本体2の吸音孔20a及び副熱伝導シート130Cの連通孔30aを省いてもよい。また、
図15Cに示す主熱伝導シート130Aは、
図5A、
図5B、
図5D、
図5Fに示す第2の熱伝導シート30Bと同様の構成でもよく、
図15Bに示す主熱伝導シート130Cと同様の構成でもよい。また、
図15Cに示す熱伝導部材3を上下逆にしてパネル本体2の底壁20の裏面20bに配置してもよい。
図15Cにおいて、主熱伝導シート130Aは、第1乃至第4、第6、第7の実施の形態の第2の熱交換シート30Bに対応し、副熱伝導シート130Bは、第7の実施の形態の第3の熱交換シート30Cに対応し、副熱伝送シート130Cは、第1乃至第5、第7の実施の形態の第1の熱交換シート30Aに対応する。
【実施例1】
【0082】
本発明の実施例1を比較例1と比較しながら説明する。実施例1の試料は、
図1〜
図4に示す第1の実施の形態に対応するものを用いた。
【0083】
(試料)
実施例1及び比較例1の管状部材4は、共にメインパイプ部40として内径16mm、外径20mmのものを用い、熱交換パイプ44として内径2.3mm、外径3.4mmのものを用い、熱交換パイプ44をピッチ10mmでメインパイプ部40に接続した。
【0084】
実施例1及び比較例1のパネル本体2は、共に底壁20のサイズが幅約600mm、長さ約600mm、側壁21a〜21dの高さが8mm、板厚0.7mm、材質SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)のものを用いた。
【0085】
実施例1の第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bは、厚さ0.3mmの放熱シート(阿波製紙株式会社製CARMIX(黒鉛シート))を用いた。比較例1は、熱伝導シートの代わりに不燃シートとして一枚の平坦なガラスクロスを用いた。
【0086】
(温度の測定方法)
実施例1の試料と比較例1の試料を並列配管で接続して、各試料の配管に流量計を設置し、流量をそれぞれ1.0L/分に設定し、40℃〜45℃の温水を通水し、パネル本体2の底壁20の表面の温度を熱画像計測器(CHINO社製サーモビジョンCPA7000)で計測した(実施例2、3も同じ)。
【0087】
図16は、実施例1の熱画像データを比較例1とともに示す図である。同図中、AR02は比較例1の観察領域を示し、AR01は実施例1の観察領域を示す。
図16に示す熱画像データは、パネル本体2の底壁20の表面が十分に加熱された時点のものを示す。両者を比較すると、実施例1の方が比較例1よりも輝度が高くなっていることが分かる。
【0088】
図17は、本発明の実施例1の温度分布曲線を比較例1とともに示す図である。同図は、
図16のラインLI01、LI02に対応する温度分布曲線である。実施例1の最小温度は34.6℃、最大温度は37.0℃、平均温度は35.8℃であった。比較例1の最小温度は32.5℃、最大温度は34.4℃、平均温度は33.5℃であった。両者を比較すると、実施例1の方が比較例1よりも平均温度で2.3℃高い結果となった。
【0089】
図18は、実施例1の温度分布の割合を比較例1とともに示す図である。
図19Aは、比較例1の温度頻度を示す図、
図19Bは、実施例1の温度頻度を示す図である。
図18、
図19A及び
図19Bは、
図16に示す観察領域における温度分布の割合及び温度頻度を示す。
図18、
図19A及び
図19Bから実施例1の方が比較例1よりも比較的高温の領域が広いことが分かる。
【実施例2】
【0090】
本発明の実施例2を比較例1と比較しながら説明する。実施例2の試料は、
図10に示す第5の実施の形態に対応するものを用いた。
【0091】
実施例2の管状部材4及びパネル本体2は、実施例1と同じものを用いた。実施例2の第1の熱伝導シート30Aは、実施例1の第1の熱伝導シート30Aと同じものを用いた。温度の測定方法は、実施例1と同じである。
【0092】
図20は、実施例2の熱画像データを比較例1とともに示す図である。同図中、AR02は比較例1の観察領域を示し、AR01は実施例2の観察領域を示す。
図20に示す熱画像データは、パネル本体2の底壁20の表面が十分に加熱された時点のものを示す。両者を比較すると、実施例2の方が比較例1よりも輝度が高くなっていることが分かる。
【0093】
図21は、本発明の実施例2の温度分布曲線を比較例1とともに示す図である。同図は、
図17のラインLI01、LI02に対応する温度分布曲線である。実施例2の最小温度は33.5℃、最大温度は36.4℃、平均温度は35.0℃であった。比較例1の最小温度は31.5℃、最大温度は34.9℃、平均温度は33.2℃であった。両者を比較すると、実施例2の方が比較例1よりも平均温度で1.8℃高い結果となった。
【0094】
図22は、実施例2の温度分布の割合を比較例1とともに示す図である。
図23Aは、比較例1の温度頻度を示す図である、
図23Bは、実施例2の温度頻度を示す図である。
図22、
図23A及び
図23Bは、
図20に示す観察領域における温度分布の割合及び温度頻度を示す。
図22、
図23A及び
図23Bから実施例2の方が比較例1よりも比較的高温の領域が広いことが分かる。
【実施例3】
【0095】
本発明の実施例3を比較例1と比較しながら説明する。実施例3の試料は、
図12に示す第7の実施の形態に対応するものを用いた。
【0096】
実施例3の管状部材4及びパネル本体2は、実施例1と同じものを用いた。実施例3の第1及び第2の熱伝導シート30A、30Bは、実施例1と同じものを用いた。第3の熱伝導シート30Cは、実施例1の第1の熱伝導シート30Aと同じものを用いた。温度の測定方法は、実施例1と同じである。
【0097】
図24は、実施例3の熱画像データを比較例1とともに示す図である。同図中、AR02は比較例1の観察領域を示し、AR01は実施例3の観察領域を示す。
図24に示す熱画像データは、パネル本体2の底壁20の表面が十分に加熱された時点のものを示す。両者を比較すると、実施例3の方が比較例1よりも輝度が高くなっていることが分かる。
【0098】
図25は、本発明の実施例3の温度分布曲線を比較例1とともに示す図である。同図は、
図24のラインLI01、LI02に対応する温度分布曲線である。実施例3の最小温度は24.0℃、最大温度は36.3℃、平均温度は30.2℃であった。比較例1の最小温度は19.4℃、最大温度は29.3℃、平均温度は24.4℃であった。両者を比較すると、実施例3の方が比較例1よりも平均温度で5.8℃高い結果となった。
【0099】
図26は、実施例3の温度分布の割合を比較例1とともに示す図である。
図27Aは、比較例1の温度頻度を示す図である。
図27Bは、実施例3の温度頻度を示す図である。
図26、
図27A及び
図27Bは、
図24に示す観察領域における温度分布の割合及び温度頻度を示す。
図26、
図27A及び
図27Bから実施例3の方が比較例1よりも比較的高温の領域が広いことが分かる。
【0100】
[他の実施の形態]
なお、本発明の実施の形態は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形実施が可能である。例えば、温度及び湿度が制御された空気をチャンバーを介してパネル本体に形成した複数の貫通孔から室内側に供給する空気式パネルと本実施の形態の輻射パネルとを組み合わせてもよい。これにより、窓側の領域の方が内側の領域よりも通常高い冷暖房能力が要求され、その要求に応じて冷暖房能力が異なる輻射パネルと空気式パネルを配置することができる、各パネルはパイプ用の配管とチャンバー用の配管が混在しないため、天井裏の配管が容易になる、等の効果を奏する。
【0101】
また、室内で火災が発生した場合、炎が貫通孔からパネル本体の裏側に進入するのを抑制するため、
図1、
図6、
図7、
図8に示す領域3a、3bの連通孔30aを省略してもよい。また、
図10に示す第1の熱伝導シート30Aの連通孔30aを省略してもよい。
【0102】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で各実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることは可能である。例えば、
図12に示す第7の実施の形態に係る第3の熱伝導シート30Cを、
図10に示す第5の実施の形態の熱交換パイプ44の上に配置してもよい。これにより、天井側のスラブへの蓄熱をより効率的に行うことができ、第1の熱伝導シート30Aと第3の熱伝導シート30Cとの間に共鳴空間を形成することができ、吸音効果を高めることができる。
【0103】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記各実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更することが可能である。例えば、施工時にパネル本体2以外のものを用いて熱伝導シートを天井等に取り付けできるのなら、パネル本体2を省いてもよい。また、第1の熱伝導シート30Aに樹脂を含浸させて強度を持たせてパネル本体2を省いてもよい。また、押え部材5は、弾性部材51を省いて押え板50のみで構成してもよい。
【0104】
また、第1乃至第7の実施の形態では、パネル本体2に吸音孔20aを設け、第1の熱伝導シート30Aに連通孔30aを設けたが、高い吸音性能が求められていない場合には、吸音孔20a及び連通孔30aを省いてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1…輻射パネル、2…パネル本体、3…熱伝導部材、3a、3b…露出部、4…管状部材、
5…押え部材、6…製造装置、20…底壁、20a…吸音孔、20b…裏面、
20c…表面、21a-21d…側壁、22a-22d…鍔部、23a-23f…鍔部、
24a、24b…切欠き、30A…第1の熱伝導シート、30B…第2の熱伝導シート、
30C…第3の熱伝導シート、30a、30b…連通孔、30c…空間、31…谷部、
31a…平坦面、32…山部、32a…平坦面、33…傾斜部、34…起立部、
35…曲線部、36…谷部、40…メインパイプ部、40A…第1のメインパイプ部、
40B…第2のメインパイプ部、41…仕切り部、42…供給側メインパイプ、
42a…供給側コネクタ、43…戻り側メインパイプ、43a…戻り側コネクタ、
44…熱交換パイプ、45…樹脂パイプ、50…押え板、51…弾性部材、
60…第1の素材シート供給部、61…第2の素材シート供給部、62…送りローラ、
63A、63B…波形成型ローラ、64A、64B…貫通孔形成ローラ、
65A、65B…接着剤塗布ローラ、66A…第1の貼り合わせローラ、
66B…第2の貼り合わせローラ、67…切断部、
100…熱伝導ユニット、130A…主熱伝導シート、
130B、130C…副熱伝導シート、300…第1の素材シート、
300a、300b…領域、301…第2の素材シート、H…熱交換パイプの高さ、
h…山部の高さ、Pp…熱交換パイプのピッチ、Pv…谷部のピッチ、
Px、Py、…吸音孔のピッチ