特許第6372365号(P6372365)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

特許6372365印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム
<>
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000002
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000003
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000004
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000005
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000006
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000007
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000008
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000009
  • 特許6372365-印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6372365
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20180806BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   G06F3/12 344
   G06F3/12 308
   G06F3/12 324
   G06F3/12 343
   G06F3/12 347
   B41J29/38 Z
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-8095(P2015-8095)
(22)【出願日】2015年1月19日
(65)【公開番号】特開2016-133980(P2016-133980A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】松下 一清
(72)【発明者】
【氏名】小島 豊
(72)【発明者】
【氏名】池田 豊
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−259005(JP,A)
【文献】 特開2011−259280(JP,A)
【文献】 特開2009−272667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/00 − 29/70
B41J 5/00 − 5/52; 21/00−21/18
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
写真画像とコード画像とを含む画像データを取得する取得手段と、
前記画像データにより形成される画像における使用者からの領域の指定を受け付ける受付手段と、
前記取得手段が取得した前記画像データのうち、前記写真画像にはハーフトーン処理を施し、前記受付手段が受け付けた前記領域に少なくともその一部が含まれる前記コード画像にはハーフトーン処理を施さない処理手段と
を含む印刷指示装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記写真画像および前記コード画像がともにイメージオブジェクトに設定された前記画像データを取得し、
前記処理手段は、前記画像データにおいて前記イメージオブジェクトに設定されたデータから前記コード画像を検出すること
を特徴とする請求項1記載の印刷指示装置。
【請求項3】
前記受付手段は、使用者から複数の前記領域の指定を受け付け、
前記処理手段は、前記受付手段が受け付けた複数の前記領域のいずれかに少なくともその一部が含まれる前記コード画像にはハーフトーン処理を施さないことを特徴とする請求項1または2記載の印刷指示装置。
【請求項4】
前記受付手段は、前記画像を複数の領域に分割してなる分割領域の指定を受け付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の印刷指示装置。
【請求項5】
前記受付手段は、前記画像の少なくとも一部を座標にて特定した座標領域の指定を受け付けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の印刷指示装置。
【請求項6】
写真画像とコード画像とを含む画像データを取得する取得手段と、当該画像データにより形成される画像における使用者からの領域の指定を受け付ける受付手段と、当該取得手段が取得した当該画像データのうち、当該写真画像にはハーフトーン処理を施し、当該受付手段が受け付けた当該領域に少なくともその一部が含まれる当該コード画像にはハーフトーン処理を施さない処理手段と、ハーフトーン処理が施された当該写真画像およびハーフトーン処理が施されない当該コード画像を含む印刷データを出力する出力手段とを有する印刷指示装置と、
前記印刷指示装置から受け取った前記印刷データを用いて、記録材に画像を印刷する印刷装置と
を備える印刷システム。
【請求項7】
コンピュータに、
写真画像とコード画像とを含む画像データを取得する機能と、
前記画像データにより形成される画像における使用者からの領域の指定を受け付ける機能と、
取得した前記画像データのうち、前記写真画像にはハーフトーン処理を施し、受け付けた前記領域に少なくともその一部が含まれる前記コード画像にはハーフトーン処理を施さない機能と
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷指示装置、印刷システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像データから印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、印刷ジョブをハーフトーン処理して描画データを生成するプリンタドライバと、描画データを一時的に格納する記憶部と、記憶部から入力される描画データに基づいて描画を行うプリンタ部とを備えた描画装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−78188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、多階調で表現される写真画像と、コード情報を含むコード画像(例えばQRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)やバーコードなどが挙げられる)とを有する画像データに基づいて印刷を行う場合について考えてみる。このとき、例えば写真画像およびコード画像の両者にハーフトーン処理を行った場合には、印刷されたコード画像の読取精度が低下する懸念がある。一方、例えば写真画像およびコード画像の両者にハーフトーン処理を行わない場合には、印刷された写真画像の品質が低下する懸念がある。
本発明は、写真画像とコード画像とを含む画像データに基づく印刷を行う場合に、写真画像の品質の低下およびコード画像の読取精度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、写真画像とコード画像とを含む画像データを取得する取得手段と、前記画像データにより形成される画像における使用者からの領域の指定を受け付ける受付手段と、前記取得手段が取得した前記画像データのうち、前記写真画像にはハーフトーン処理を施し、前記受付手段が受け付けた前記領域に少なくともその一部が含まれる前記コード画像にはハーフトーン処理を施さない処理手段とを含む印刷指示装置である。
請求項2記載の発明は、前記取得手段は、前記写真画像および前記コード画像がともにイメージオブジェクトに設定された前記画像データを取得し、前記処理手段は、前記画像データにおいて前記イメージオブジェクトに設定されたデータから前記コード画像を検出することを特徴とする請求項1記載の印刷指示装置である。
請求項3記載の発明は、前記受付手段は、使用者から複数の前記領域の指定を受け付け、前記処理手段は、前記受付手段が受け付けた複数の前記領域のいずれかに少なくともその一部が含まれる前記コード画像にはハーフトーン処理を施さないことを特徴とする請求項1または2記載の印刷指示装置である。
請求項4記載の発明は、前記受付手段は、前記画像を複数の領域に分割してなる分割領域の指定を受け付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の印刷指示装置である。
請求項5記載の発明は、前記受付手段は、前記画像の少なくとも一部を座標にて特定した座標領域の指定を受け付けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の印刷指示装置である。
請求項6記載の発明は、写真画像とコード画像とを含む画像データを取得する取得手段と、当該画像データにより形成される画像における使用者からの領域の指定を受け付ける受付手段と、当該取得手段が取得した当該画像データのうち、当該写真画像にはハーフトーン処理を施し、当該受付手段が受け付けた当該領域に少なくともその一部が含まれる当該コード画像にはハーフトーン処理を施さない処理手段と、ハーフトーン処理が施された当該写真画像およびハーフトーン処理が施されない当該コード画像を含む印刷データを出力する出力手段とを有する印刷指示装置と、前記印刷指示装置から受け取った前記印刷データを用いて、記録材に画像を印刷する印刷装置とを備える印刷システムである。
請求項7記載の発明は、コンピュータに、写真画像とコード画像とを含む画像データを取得する機能と、前記画像データにより形成される画像における使用者からの領域の指定を受け付ける機能と、取得した前記画像データのうち、前記写真画像にはハーフトーン処理を施し、受け付けた前記領域に少なくともその一部が含まれる前記コード画像にはハーフトーン処理を施さない機能とを実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、写真画像とコード画像とを含む画像データに基づく印刷を行う場合に、写真画像の品質の低下およびコード画像の読取精度の低下を抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、例えばイメージオブジェクト以外のオブジェクトを含む画像データに基づく印刷を行う場合に、画像データに施す処理を簡易にすることができる。
請求項3記載の発明によれば、複数箇所にコード画像が設けられた画像データに基づく印刷を行う場合に、複数のコード画像のそれぞれの読取精度の低下を抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、より簡易に領域の指定を行うことが可能になる。
請求項5記載の発明によれば、より詳細に領域の指定を行うことが可能になる。
請求項6記載の発明によれば、写真画像とコード画像とを含む画像データに基づく印刷を行う場合に、写真画像の品質の低下およびコード画像の読取精度の低下を抑制することができる。
請求項7記載の発明によれば、写真画像とコード画像とを含む画像データに基づく印刷を行う場合に、写真画像の品質の低下およびコード画像の読取精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】印刷システムの構成例を示すブロック図である。
図2】コンピュータ装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】印刷設定処理手順を示すフローチャートである。
図4】簡易指定画面の一例を示す図である。
図5】詳細設定画面の一例を示す図である。
図6】印刷データの作成処理手順を示すフローチャートである。
図7】印刷対象となる文書(オブジェクトデータ)の一例を示す図である。
図8】(a)、(b)は写真画像とハーフトーン処理との関係を説明するための図である。
図9】(a)、(b)はコード画像とハーフトーン処理との関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される印刷システムの構成例を示すブロック図である。
この印刷システムは、ホスト装置10と、ホスト装置10とネットワーク等を介して接続された印刷装置100とを備える。ここで、ホスト装置10は、使用者から受け付けた指示に基づいて、印刷データの作成を行う。また、印刷装置100は、ホスト装置10から送られてくる印刷データに基づき、用紙等の記録材に画像を印刷する。
【0009】
ホスト装置10は、コンピュータ装置20と、コンピュータ装置20に接続される入力装置30および表示装置40とを備える。これらのうち、コンピュータ装置20は、印刷データを作成するための各種処理を実行する。また、入力装置30は、使用者による各種指示の入力を受け付けてコンピュータ装置20に送る。さらに、表示装置40は、コンピュータ装置20から送られた使用者に提示すべき画像を表示する。
【0010】
印刷指示装置の一例としてのコンピュータ装置20は、アプリケーション21と、プリンタドライバ22と、スプーラ23と、言語モニタ24とを有する。これらのうち、アプリケーション21は、文書の作成等を行うソフトウェアである。また、プリンタドライバ22は、アプリケーション21で作成された文書に基づき、印刷装置100が解釈可能な印刷データを生成する。ここで、プリンタドライバ22は、アプリケーション21から送られてきた文書を構成するオブジェクトを判別し、印刷装置100に送る印刷データとしてPDL(Page Description Language)を生成する。なお、オブジェクトとしては、図形画像を含む図形オブジェクト、文字画像を含む文字オブジェクト、写真画像やコード画像を含むイメージオブジェクトが挙げられる。さらに、スプーラ23は、プリンタドライバ22からの印刷要求に伴い、GDI(Graphics Device Interface)経由で印刷装置100に出力する印刷データを一時的に保持する。さらにまた、言語モニタ24は、印刷装置100との間でデータ等の授受を行う。なお、コード画像は、コード情報を含む画像であって、バーコード等の一次元コードやQRコード等の二次元コードが含まれる。
【0011】
そして、プリンタドライバ22は、UI(User Interface)処理部221と、イメージ判定部222と、ハーフトーン処理部223とを備える。
UI処理部221は、『ハーフトーン処理を行わない領域』を設定する。また、UI処理部221は、『ハーフトーン処理を行わない領域』を設定する場合において、その領域を「簡易指定」にて指定するのか、「簡易指定」に比べてより詳細な「詳細指定」にて指定するのかについても設定する。また、イメージ判定部222は、アプリケーション21から送られてきた文書を構成する各種オブジェクトが、イメージオブジェクトであるか否かを判定する。さらに、ハーフトーン処理部223は、入力されてくるデータにハーフトーン処理を施す。ここで、ハーフトーン処理部223が実行するハーフトーン処理としては、濃度パターン法、ディザ法あるいは誤差拡散法など、各種処理法など、公知の手法のいずれかを用いるものであればよい。
【0012】
ここで、本実施の形態では、UI処理部221が、取得手段および受付手段の一例としての機能を有している。また、ハーフトーン処理部223が、処理手段の一例としての機能を有している。さらに、スプーラ23および言語モニタ24が、出力手段の一例としての機能を有している。
【0013】
他方、印刷装置100は、トナーを用いて画像を形成するものであってもよいし、インクを用いて画像を形成するものであってもよい。また、印刷装置100は、単色(モノクロ)の画像を形成するものであってもよいし、複数色(カラー)の画像を形成するものであってもよい。
【0014】
図2は、コンピュータ装置20のハードウェア構成例を示すブロック図である。
コンピュータ装置20は、例えばパーソナルコンピュータ等により実現される。そして、コンピュータ装置20は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)201と、記憶手段であるメインメモリ202およびHDD(Hard Disk Drive)203とを備える。ここで、CPU201は、OS(Operating System)やアプリケーション21等の各種プログラムを実行する。また、メインメモリ202は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。さらに、HDD203は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。さらに、コンピュータ装置20は、入力装置30、表示装置40および印刷装置100との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)204を備えている。
【0015】
なお、図1に示すコンピュータ装置20を構成するアプリケーション21、プリンタドライバ22、スプーラ23および言語モニタ24の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。すなわち、コンピュータ装置20に設けられたCPU201が、各部の機能を実現するプログラムを、例えばHDD203の記憶装置からメインメモリ202に読み込んで、これらの各機能を実現する。なお、プログラムは、例えば図示しないネットワークを介してコンピュータ装置20に提供することができる。ただし、これに限られるものではなく、例えばCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0016】
図3は、コンピュータ装置20による印刷設定処理手順を示すフローチャートである。なお、この印刷設定処理は、コンピュータ装置20による印刷データの作成よりも前に行われる。また、図4は、印刷設定処理手順における簡易指定(後述するステップ30〜ステップ60)において、表示装置40に表示される簡易指定画面の一例を示す図である。さらに、図5は、印刷設定手順における詳細指定(後述するステップ70〜ステップ100)において、表示装置40に表示される詳細指定画面の一例を示す図である。
【0017】
まず、コンピュータ装置20により、表示装置40に印刷設定画面(図示せず)が表示される。そして、UI処理部221は、使用者が入力装置30を介して、ハーフトーン処理しない領域を指定するか否かを判定する(ステップ10)。ステップ10において否定の判断(NO)を行った場合は、この処理を終了する。
【0018】
一方、ステップ10において肯定の判断(YES)を行った場合、UI処理部221は、次に、使用者が入力装置30を介して受け付けた指定方法を判定する(ステップ20)。ここで、指定方法には、上述した簡易指定と詳細指定とがある。
【0019】
ステップ20において指定方法が簡易指定だと判断した場合、UI処理部221は、表示装置40に、図4に示す簡易指定画面を表示させる。そして、UI処理部221は、この簡易指定画面を介して、印刷対象となる用紙の向き(A)および用紙における領域の分割数(B)の選択を受け付ける(ステップ30)。ここで、用紙の向き(A)としては、「たて」、「よこ」が選択可能である。また、領域の分割数(B)としては、「16(4×4)」、「4(2×2)」等が選択可能であるが、領域の分割数(B)については必要に応じて変更してもかまわない。なお、図4に示す例においては、用紙の向き(A)として「たて」が、領域の分割数(B)として「16(4×4)」が、それぞれ選択されている。また、簡易指定画面の図中左側には、用紙の向き(A)および領域の分割数(B)が設定されたことに伴い、縦長の用紙を16分割(4×4)した模式的な表示が行われる。この例では、16分割された各領域が、分割領域に対応している。
【0020】
続いて、UI処理部221は、ハーフトーン処理しない領域1(C)の指定を受け付ける(ステップ40)。ここで、ハーフトーン処理しない領域1(C)は、上記ステップ30で選択された領域の分割数(B)に基づいて簡易指定画面の左側に表示された16個の領域の中から、ポインティングデバイス(入力装置30)等を用いて1つ選択される。なお、図4に示す例においては、16個の領域のうち図中右上側に存在する領域が、ハーフトーン処理しない領域1(C)として選択されている。
【0021】
次に、UI処理部221は、使用者が入力装置30を介して、さらにハーフトーン処理しない領域を指定するか(ハーフトーン処理しない領域2を指定するか)否かを判定する(ステップ50)。ステップ50において否定の判断(NO)を行った場合(使用者により、簡易指定画面に表示された「OK」ボタンが選択された場合)は、この処理を終了する。
【0022】
これに対し、ステップ50において肯定の判断(YES)を行った場合、UI処理部221は、ハーフトーン処理しない領域2(D)の指定を受け付ける(ステップ60)。ここで、ハーフトーン処理しない領域2(D)は、上記ステップ40で選択されたハーフトーンしない領域1(C)を除く15個の領域の中から、ポインティングデバイス(入力装置30)等を用いて1つ選択される。なお、図4に示す例においては、16個の領域のうち図中右下側に存在する領域が、ハーフトーン処理しない領域2(D)として選択されている。そして、使用者により、簡易指定画面に表示された「OK」ボタンが選択されることにより、この処理を終了する。
【0023】
一方、ステップ20において指定方法が詳細指定だと判断した場合、UI処理部221は、表示装置40に、図5に示す詳細指定画面を表示させる。そして、UI処理部221は、この詳細指定画面を介して、印刷対象となる用紙サイズ(a)および用紙の向き(b)の選択を受け付ける(ステップ70)。ここで用紙サイズ(a)としては、公知の各種サイズが選択可能である。また、用紙の向き(b)としては、「たて」、「よこ」が選択可能である。なお、図5に示す例では、用紙サイズ(a)として「A4」が、用紙の向き(b)として「よこ」が、それぞれ選択されている。
【0024】
続いて、UI処理部221は、ハーフトーン処理しない領域1について、始点となる左上の位置(c)、および、終点となる右下の位置または大きさ(高さ・幅)(d)の入力を受け付ける(ステップ80)。ここで、左上の位置(c)および右下の位置または大きさ(d)は、それぞれ数値にて入力され、これらを端部とする矩形状の領域が選択される。また、数値の単位としては、「mm」あるいは「inch」のいずれかが選択されるようになっている。なお、図5に示す例においては、図中左上側に存在する領域が、ハーフトーン処理しない領域1として選択されている。この例では、このようにして数値指定された領域が、座標領域に対応している。
【0025】
次に、UI処理部221は、使用者が入力装置30を介して、さらにハーフトーン処理しない領域を指定するか(ハーフトーン処理しない領域2を指定するか)否かを判定する(ステップ90)。ステップ90において否定の判断(NO)を行った場合(使用者により、詳細指定画面に表示された「OKボタンが選択された場合」)は、この処理を終了する。
【0026】
これに対し、ステップ90において肯定の判断(YES)を行った場合、UI処理部221は、ハーフトーン処理しない領域2について、始点となる左上の位置(e)、および、終点となる右下の位置または大きさ(高さ・幅)(f)の入力を受け付ける(ステップ100)。ここで、左上の位置(e)および右下の位置または大きさ(f)は、それぞれ数値にて入力され、これらを端部とする矩形状の領域が選択される。なお、図5に示す例においては、図中右下に存在する領域が、ハーフトーン処理しない領域1として選択されている。そして、使用者により、詳細指定画面に表示された「OK」ボタンが選択されることにより、この処理を終了する。
【0027】
なお、詳細指定においては、このようにして作成した設定を、設定名(例えば「帳票A」)を付して保存することができる。そして、次回以降にこの設定を再利用する場合は、保存した設定名を読み出すようにすればよい。
【0028】
図6は、コンピュータ装置20による印刷データの作成処理手順を示すフローチャートである。
まず、使用者により、アプリケーション21にて文書の作成が行われ、且つ、この文書の印刷指示が行われる。これに伴い、プリンタドライバ22は、アプリケーション21から文書に対応するオブジェクトデータを受信する(ステップ110)。ここで、オブジェクトデータは、画像データの一例である。
【0029】
すると、イメージ判定部222が、受信したオブジェクトデータを解析し、オブジェクトがイメージ形式であるか否か(イメージオブジェクトであるか否か)を判定する(ステップ120)。ステップ120において否定の判断(NO)を行った場合は、後述するステップ200へと進む。
【0030】
一方、ステップ120において肯定の判断(YES)を行った場合、UI処理部221は、使用者によりハーフトーン処理しない領域1が設定されているか否かを判定する(ステップ130)。ステップ130において否定の判断(NO)を行った場合は、後述するステップ200へと進む。
【0031】
また、ステップ130において肯定の判断(YES)を行った場合、UI処理部221は、ハーフトーン処理しない領域1の座標を算出する(ステップ140)。
【0032】
そして、UI処理部211は、使用者によりハーフトーン処理しない領域2が設定されているか否かを判定する(ステップ150)。ステップ150において否定の判断(NO)を行った場合は、後述するステップ170へと進む。
【0033】
これに対し、ステップ150において肯定の判断(YES)を行った場合、UI処理部221は、ハーフトーン処理しない領域2の座標を算出する(ステップ160)。
【0034】
続いて、イメージ判定部222は、対象となっているイメージオブジェクトが、ステップ140で算出されたハーフトーン処理しない領域1内にあるか否かを判定する(ステップ170)。ここで、ステップ170では、対象となっているイメージオブジェクトの少なくとも一部が、ハーフトーン処理しない領域1に含まれている場合に、肯定の判断(YES)を行う。ステップ170において肯定の判断(YES)を行った場合は、後述するステップ200へと進む。
【0035】
一方、ステップ170において否定の判断(NO)を行った場合、イメージ判定部222は、対象となっているイメージオブジェクトが、ステップ150で算出されたハーフトーン処理しない領域2内にあるか否かを判定する(ステップ180)。ここで、ステップ180では、対象となっているイメージオブジェクトの少なくとも一部が、ハーフトーン処理しない領域2に含まれている場合に、肯定の判断(YES)を行う。ステップ180において肯定の判断(YES)を行った場合は、後述するステップ200へと進む。
【0036】
また、ステップ180において否定の判断(NO)を行った場合、ハーフトーン処理部223は、このイメージオブジェクトに対しハーフトーン処理を行う(ステップ190)。
【0037】
そして、プリンタドライバ22では、ハーフトーン処理が施されたデータおよび/またはハーフトーン処理が施されていないデータを、印刷装置100が解釈可能な制御コード(PDL)に変換する(ステップ200)。このようにして得られた制御コード(PDL)は、スプーラ23に一時的に記憶された後、言語モニタ24を介して印刷装置100に出力される(ステップ210)。
【0038】
なお、制御コード(PDL)を受け取った印刷装置100は、制御コード(PDL)を解釈して、記録材上に印刷を行う。
【0039】
ではここで、上述した印刷データの作成処理手順について、具体例を挙げながら説明を行う。
図7は、印刷対象となる文書(オブジェクトデータ)60の一例を示す図である。なお、ここでは、A4サイズ縦長の用紙に画像を印刷する場合を例とする。
【0040】
図7に示す文書60は、写真画像61と、文字画像62と、図形画像63と、コード画像64とを含んでいる。ここで、写真画像61は、多値(例えば256階調)の階調画像で構成されたイメージオブジェクトである。また、文字画像62は文字オブジェクトであり、図形画像63は図形オブジェクトである。さらに、コード画像64は、2値の階調画像で構成されたイメージオブジェクトである。なお、この例において、コード画像64は、QRコードで構成されているものとする。
【0041】
図8は、写真画像61とハーフトーン処理との関係を説明するための図である。ここで、図8(a)はハーフトーン処理が施された写真画像61を、図8(b)はハーフトーン処理が施されない写真画像61を、それぞれ示している。
【0042】
また、図9は、コード画像64とハーフトーン処理との関係を説明するための図である。ここで、図9(a)はハーフトーン処理が施されたコード画像64を、図9(b)はハーフトーン処理が施されないコード画像64を、それぞれ示している。ただし、図9(a)、(b)は、コード画像64の要部を拡大したものとなっている。
【0043】
ここで、文書60においてイメージオブジェクトを構成する写真画像61およびコード画像64の両者にハーフトーン処理を施した場合について考えてみる。この場合は、印刷により得られる写真画像61が図8(a)に示すものとなり、また、印刷により得られるコード画像64が図9(a)に示すものとなる。すると、写真画像61の品質は良好なものとなる一方、コード画像64については、画像にぼやけが生じる分、その読取精度が低下してしまうことになる。
【0044】
次に、文書60においてイメージオブジェクトを構成する写真画像61およびコード画像64の両者にハーフトーン処理を施さない場合について考えてみる。この場合は、印刷により得られる写真画像61が図8(b)に示すものとなり、また、印刷により得られるコード画像64が図9(b)に示すものとなる。すると、コード画像64の読取精度は良好なものとなる一方、写真画像61については、画像が2値で表現される分、その品質が低下してしまうことになる。
【0045】
これに対し、本実施の形態では、ユーザから指定を受けた領域(ハーフトーン処理しない領域1、2)内に少なくとも一部が存在するイメージオブジェクトについては、ハーフトーン処理を施さないようにした。また、ユーザから指定を受けていない領域(ハーフトーン処理しない領域1、2以外の領域)内に存在するイメージオブジェクトについては、ハーフトーン処理を施すようにした。このため、例えば図7に示す文書60においてコード画像64が配置されている部位をハーフトーン処理しない領域として設定した場合には、印刷により得られる写真画像61が図8(a)に示すものとなり、また、印刷により得られるコード画像64が図9(b)に示すものとなる。このような設定を行うことで、写真画像61の品質が良好なものとなるとともに、コード画像64についても、その読取精度が良好なものとなる。
【0046】
なお、本実施の形態では、ハーフトーン処理しない領域の指定を行う場合に、簡易指定あるいは詳細指定のいずれか一方を選択するようにしていたが、これに限られるものではない。すなわち、簡易指定あるいは詳細指定のいずれか一方のみとしてもかまわない。
【符号の説明】
【0047】
10…ホスト装置、20…コンピュータ装置、21…アプリケーション、22…プリンタドライバ、23…スプーラ、24…言語モニタ、30…入力装置、40…表示装置、60…文書、61…写真画像、62…文字画像、63…図形画像、64…コード画像(QRコード)、100…印刷装置、221…UI処理部、222…イメージ判定部、223…ハーフトーン処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9