特許第6372380号(P6372380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6372380
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】内装部品
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20180806BHJP
   B60Q 3/10 20170101ALI20180806BHJP
   B60Q 3/14 20170101ALI20180806BHJP
   B60Q 3/20 20170101ALI20180806BHJP
   B60Q 3/64 20170101ALI20180806BHJP
【FI】
   B60R13/02 B
   B60R13/02 Z
   B60Q3/10
   B60Q3/14
   B60Q3/20
   B60Q3/64
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-20901(P2015-20901)
(22)【出願日】2015年2月5日
(65)【公開番号】特開2016-141358(P2016-141358A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 絢香
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−101840(JP,A)
【文献】 特開昭62−104737(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3069803(JP,U)
【文献】 特開2015−003663(JP,A)
【文献】 特開2015−003662(JP,A)
【文献】 特開2007−196706(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0032592(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/02
B60Q 3/10
B60Q 3/14
B60Q 3/20
B60Q 3/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の基材と、
前記基材の表面に貼着された表皮材と、
前記基材の裏面側に配置され、前記基材の裏面に光を照射するとともに白色で発光する照光部と、を備え、
前記表皮材は、暗色の表糸と、当該表糸よりも明るい色である裏糸と、によって編まれた編物であり、
前記裏糸は、前記表糸より細い糸で目を詰めて細かく編まれており、
前記表皮材の表面には、前記表糸が露出しているとともに、前記表皮材の裏面には、前記裏糸が露出している
内装部品。
【請求項2】
前記表皮材の裏糸は、蛍光色である
請求項1に記載の内装部品。
【請求項3】
前記表皮材の裏面には、前記裏糸の色よりも暗い色の模様が設けられている
請求項1又は2に記載の内装部品。
【請求項4】
前記基材の表面及び裏面の少なくとも一方には、前記裏糸よりも暗い色の模様の描かれたシートが設けられる
請求項1又は2に記載の内装部品。
【請求項5】
前記基材と前記照光部との間には、前記照光部から照射された光を拡散する拡散部材が設けられている
請求項1〜4のいずれか一項に記載の内装部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の表面に表皮材が貼着された内装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、インストルメントパネルやドアトリムなどの内装部品が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車両のドアトリムは、透光性の芯材と、芯材の表面に貼付された表皮材とを有するトリム本体と、トリム本体と車体パネルとの間に配置され、トリム本体の裏側から光を照射する照光ユニットとを備えている。この表皮材は、異なる柄模様をもつ複数の層から構成されている。そして、照光ユニットの消灯時には、表皮材の表面側の柄模様のみがトリム表面に現出する。一方、照光ユニットの点灯時には、上記柄模様に加えて表皮材の裏面側の柄模様がトリム表面に現出することで、表面側の柄模様と裏面側の柄模様とが融合した模様が現出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−101840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の内装部品は、照光ユニットによって光を照射することにより、表皮材を明るく光らせることができる。ただし、照光ユニットによって照射される光が白色等である場合には、照光ユニットの点灯時と消灯時とで視認される表皮材の色がほとんど変化しない。このため、視覚的演出を効果的に行うことが難しい。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、視覚的演出を効果的に行うことのできる内装部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決する内装部品は、透光性の基材と、前記基材の表面に貼着された表皮材と、前記基材の裏面側に配置され、前記基材の裏面に光を照射するとともに白色で発光する照光部と、を備え、前記表皮材は、暗色の表糸と、当該表糸よりも明るい色である裏糸と、によって編まれた編物であり、前記裏糸は、前記表糸より細い糸で目を詰めて細かく編まれており、前記表皮材の表面には、前記表糸が露出しているとともに、前記表皮材の裏面には、前記裏糸が露出していることをその要旨としている。
【0007】
上記構成によれば、照光部の消灯時には表糸の暗色がそのまま表皮材の表面の色として視認される。一方、夜間や暗所において照光部を点灯させると、照光部から照射された光により表皮材が明るく光る。このとき、照光部から照射された光は、基材を透過するとともに、表皮材を構成する明るい色の裏糸によって反射されながら、暗色の表糸の隙間などを透過する。そして、このように表皮材を透過した光が表皮材の表面の色として視認される。したがって、照光部によって照射される光が白色の場合であっても、表皮材を透過する光の色を、表皮材の表面の色、すなわち表糸の色のみからでは想像し難い他の明るい色に変換することができる。よって、視覚的演出を効果的に行うことができる。
【0008】
上記内装部品について、前記表皮材の裏糸は、蛍光色であることが好ましい。
上記構成によれば、照光部を夜間や暗所において点灯させると、照光部から照射された光が表皮材を透過したときに、表皮材の裏糸が蛍光(波長変換)効果により光を得て発光する。このため、表皮材がより明るく光って見え、表皮材の裏面の色を更に視認させることができる。よって、視覚的演出を一層効果的に行うことができる。
【0009】
上記内装部品について、前記表皮材の裏面には、前記裏糸の色よりも暗い色の模様が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、照光部を夜間や暗所において点灯させると、表皮材の裏面に設けられた模様の部分では光が吸収されやすくなり、模様の部分を光が透過し難くなる。このため、表皮材において模様の部分よりもそれ以外の部分を明るく光らせることができ、明暗を作ることができる。したがって、視覚的演出を一層効果的に行うことができる。
【0010】
上記内装部品について、前記基材の表面及び裏面の少なくとも一方には、前記裏糸よりも暗い色の模様の描かれたシートが設けられることが好ましい。
上記構成によれば、照光部を夜間や暗所において点灯させると、シートの模様の部分では光が吸収されやすくなり、模様の部分を光が透過し難くなる。このため、表皮材において模様の部分よりもそれ以外の部分を明るく光らせることができ、明暗を作ることができる。したがって、視覚的演出を一層効果的に行うことができる。
【0011】
上記内装部品について、前記基材と前記照光部との間には、前記照光部から照射された光を拡散する拡散部材が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、照光部から照射された光が拡散部材によって拡散されるので、照光部単体による光の照射範囲が限られているときであっても、表皮材のより広い範囲を明るく光らせることができるようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、視覚的演出を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】内装部品の第1の実施形態において消灯時の外観を示す正面図。
図2】同実施形態の内装部品における構造を示す図1の2−2断面図。
図3】同実施形態の内装部品における構造を模式的に示す模式図。
図4】同実施形態の内装部品における構造を点灯時において示す模式図。
図5】同実施形態の内装部品における点灯時の外観を示す正面図。
図6】内装部品の第2の実施形態における構造を点灯時において示す模式図。
図7】同実施形態の内装部品における表皮材の外観を模式的に示す平面図。
図8】同実施形態の内装部品における点灯時の外観を示す正面図。
図9】内装部品の変形例における構造を点灯時において示す模式図。
図10】内装部品の変形例における構造を模式的に示す模式図。
図11】内装部品の変形例における点灯時の外観を示す正面図。
図12】内装部品の変形例における点灯時の外観を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図1図5を参照して、内装部品を車両のダッシュボードに具体化した第1の実施形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、ダッシュボード10は、エアーコンディショナの吹出口11を備えている。ダッシュボード10の表面は、車両の内装の一部として機能している。このダッシュボード10は、夜間や暗所において表面の色を切り替え可能である。ダッシュボード10の表面は、編み物からなる表皮材30によって覆われている。
【0016】
図2に示すように、ダッシュボード10は、透光性のある透明な樹脂基材20と、樹脂基材20の表面に貼着された表皮材30と、樹脂基材20の裏面に光を照射する照光部22とを備える。樹脂基材20の裏面側には、空間を設けた状態で樹脂基材20に沿った形状である取付パネル25が設けられている。取付パネル25の表面には、反射材26が設けられている。
【0017】
照光部22は、丸棒状の導光体23と図示しない光源とを備えている。導光体23は、ダッシュボード10の長手方向に沿って、取付パネル25に2本設けられている。導光体23は、一端又は両端に設けられるLED等の光源から入射した光を、内面反射を利用して入射した端の反対側へ導くものである。導光体23の表面には、光の拡散を高める拡散材が含有されていることが好ましい。照光部22は、光源における消灯と点灯とを切り替えることで、消灯と点灯とを切り替え可能である。光源(LED)は、白色で発光するものが好ましい。光源が白色であれば、波長範囲が広く、より明るく感じられる。また、白色の光源は、青色などの短波長の光を含むため、蛍光色の裏糸32を励起しやすく、波長変換作用を高められる。
【0018】
図3に示すように、表皮材30を構成する編み物は、表糸31と裏糸32とが異なる色である。表糸31は、暗色である。裏糸32は、表糸31よりも明るい色である。なお、本実施形態において、暗い色は明度と彩度とが低い色で、明るい色は明度と彩度とが高い色とする。このため、裏糸32は表糸31よりも明度と彩度とが高い。ここで、明度と彩度とが高い低いなどの表現は、マンセル表色系やPCCS(日本色研配色体系:Practical Color Co‐ordinate System)により分類された表色系によるものとする。表皮材30の表面の色は、表糸31が露出することで表糸31とほぼ同色である。また、表皮材30の裏面の色は、裏糸32が露出することで裏糸32とほぼ同色である。なお、表糸31は、裏糸32が見え難いよう裏糸32よりも太いものを選ぶことが好ましい。また、裏糸32は、表糸31よりも細めの糸で、目を詰めて細かく編むのが好ましい。光が裏糸に照射されずに、編み目を抜けることを防ぎ、また表糸31の編み目に裏糸32が位置する割合が高まることで、裏糸32に照射された光が、表糸31の編み目から放射できる。この表皮材30は、表面の色と裏面の色とが異なる編物であるため、表皮材30自体は1層である。このため、異なる色の複数の層からなる表皮材を樹脂基材に取り付けるときには位置ずれを気にしたり、複数回取り付けたりしなければならないが、表皮材30は1層であるため位置ずれすることがなく、一度で取り付けることができる。
【0019】
表皮材30の表糸31は、例えば黒色や、紺色、焦茶色、濃灰色等の、低明度で無彩色〜低彩度の暗く濃い色である。表皮材30の裏糸32は、中明度で高彩度の蛍光色であって、例えば黄緑色や、オレンジ色、ピンク色等である。このように蛍光色の糸であれば、蛍光効果により光が透過した際に、裏糸32が光を得て発光することで表皮材30の表面に裏面の色を浮かび上がらせることができる。また、光源24が白色であれば、蛍光色の裏糸32によって蛍光色付近の波長域の光がより強く反射され、さらに暗い色の表糸31によって他の色調の光が吸収されることで、より鮮やかな蛍光色を表現できる。
【0020】
照光部22が消灯しているときには、昼間及び夜間ともに、表皮材30の表糸31の色がそのまま視認される。光源24を点灯させて、導光体23を発光させると、導光体23から出射した光によって表皮材30の裏糸32の色が表皮材30の表側に透過される。よって、照光部22が夜間や暗所において点灯すると、表皮材30の裏糸32の色が視認される。
【0021】
次に、上記のように構成された内装部品の作用について説明する。
図1に示されるように、照光部22が消灯しているときには、ダッシュボード10の色は、表皮材30の表面の色がそのまま視認される。これは、図3に示すように、表皮材30の表糸31が表面に露出しているので、この表糸31の色が視認されるためである。
【0022】
一方、図5に示されるように、照光部22が夜間や暗所において点灯すると、ダッシュボード10の色は、照光部22が消灯しているときと異なる色となり、表皮材30の裏面の色が視認される。これは、図4に示すように、照光部22から出射される光によって表皮材30の表面を透過して表皮材30の裏面の色が出現するためである。また、表皮材30の裏糸32が蛍光色であるため、蛍光効果によって裏糸32の色が浮かび上がったように見える。
【0023】
上記のようなダッシュボード10は、照光部22の消灯と点灯とを切り替えることによって、夜間や暗所において、照光部22が消灯しているときに表皮材30の表面の色を視認させ、照光部22が点灯しているときに表皮材30の裏面の色を出現させて視認させることができる。よって、光視覚的演出を効果的に行なうことができる。
【0024】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)照光部22の消灯時には表糸31の暗色がそのまま表皮材30の表面の色として視認される。一方、夜間や暗所において照光部22を点灯させると、照光部22から照射された光により表皮材30が明るく光る。このとき、照光部22から照射された光は、樹脂基材20を透過するとともに、表皮材30を構成する明るい色の裏糸32によって反射されながら、暗色の表糸31の隙間などを透過する。そして、このように表皮材30を透過した光が表皮材30の表面の色として視認される。したがって、照光部22によって照射される光が白色の場合であっても、表皮材30を透過する光の色を、表皮材30の表面の色、すなわち表糸31の色のみからでは想像し難い他の明るい色に変換することができる。よって、視覚的演出を効果的に行うことができる。
【0025】
(2)照光部22を夜間や暗所において点灯させると、照光部22から照射された光が表皮材30を透過したときに、表皮材30の裏糸32が蓄光効果により光を得て発光する。このため、表皮材30がより明るく光って見え、表皮材30の裏面の色を更に視認させることができる。よって、視覚的演出を一層効果的に行うことができる。
【0026】
(第2の実施形態)
以下、図6図8を参照して、内装部品をダッシュボードに具体化した第2の実施形態について説明する。この実施形態の内装部品は、表皮材30の裏面に模様を追加した点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0027】
図6に示すように、第1の実施形態と同様の表皮材30の裏面に、例えば顔料インクによって模様33が印刷されている。この模様33は、表皮材30の裏糸32の色よりも暗い色である。またこの模様33を構成するインクは、表皮材30の裏面側だけに付着しており、表皮材30の表面側まで到達していない。よって、図7に示すように、表皮材30を表面側から視認したときには、例えば菱形が並んだ模様33をほとんど認識することなく、表皮材30の表面の色のみが視認される。
【0028】
次に、上記のように構成された内装部品の作用について説明する。
図1に示されるように、照光部22が消灯しているときには、第1の実施形態と同様に、ダッシュボード10の色は、表皮材30の表面の色がそのまま視認される。
【0029】
一方、図8に示されるように、照光部22が夜間や暗所において点灯すると、ダッシュボード10の色は、照光部22が消灯しているときと異なる色となるとともに、表皮材30の裏面に印刷された模様33が視認される。これは、図6に示すように、模様33に光が遮られて透過できず、模様33の部分が影となり、模様33以外の部分において表皮材30の裏面の色が透過される。このため、照光部22が点灯しているときには、模様33を含んだ色を視認させることができる。
【0030】
上記のようなダッシュボード10は、照光部22の消灯と点灯とを切り替えることによって、異なる色を出現させて視認させることができるとともに、表皮材30の裏面の色が透過されるときに模様33を含んだ色を視認させることができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(3)照光部22を夜間や暗所において点灯させると、表皮材30の裏面に設けられた模様33の部分では光が吸収されやすくなり、模様33の部分を光が透過し難くなる。このため、表皮材30において模様33の部分よりもそれ以外の部分を明るく光らせることができ、明暗を作ることができる。したがって、視覚的演出を一層効果的に行うことができる。
【0032】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもができる。
・上記第2の実施形態では、表皮材30の裏面に模様33を設けたが、模様が描かれたシートを表皮材30の表面及び裏面の少なくとも一方に配置してもよい。例えば、図9に示すように、表皮材30の裏面に印刷された模様33に替えて、裏糸32よりも暗い色の模様33が描かれたシート40を表皮材30の裏面に接着させる。このようにすれば、表皮材30の裏面に模様33を印刷したときと同様の効果を得ることができるようになる。また、模様33が描かれたシート40を交換すれば、模様を容易に変更することができる。
【0033】
・また、模様33の描かれたシート40をカラーシートとすれば、色変換シートとして機能させることができ、表皮材30の裏面の色とシート40の色とを組み合わせた色を表皮材30の表面に出現させることができるようになる。
【0034】
・上記各実施形態では、照光部22を光源24と導光体23とから構成したが、導光体23に替えて、図10に示すように、照光部22を例えばLED等の光源24そのものを複数並べてもよい。このようにすれば、位置毎に点灯と消灯との細かい制御が可能である。また、位置毎に色を変えることも可能である。
【0035】
・また、図10に示すように、光源24そのものを複数並べるときには、樹脂基材20と光源24との間に照射された光を拡散する拡散部材50を設けることが好ましい。このようにすれば、照光部22から照射された光は拡散部材50によって拡散されて、照光部22からの光がより広範囲に拡散された状態で表皮材30の表面側に透過させることができるようになる。なお、光源24の光で十分な光を確保することができるなら、拡散部材50を省略してもよい。
【0036】
・上記各実施形態において、裏糸32を、蓄光作用のある蛍光色としてもよい。このような裏糸32は、裏糸32を蓄光性のある染料、顔料などで染色することで得ることができる。
【0037】
・上記各実施形態では、照光部22を一律消灯又は点灯するようにしたが、照光部22を光が流れるように点灯させてもよい。例えば、照光部22が導光体23の場合には、導光体23の端に設置された光源を点滅させることで、導光体23を通過する光が途切れて、照光部22を光が流れるように点灯させることができる。また、照光部22が光源24そのものの場合には、光源24を順番に点灯して消灯させることで、照光部22を光が流れるように点灯させることができる。このように光が流れるように点灯すると、図11及び図12に示すように、照光部22の点灯した図中左右方向の中央部分の光が透過した部分のみ、表皮材30の裏面の色が出現する。図11は、第1の実施形態において光を流れるように点灯した状態を示している。図12は、第2の実施形態において光を流れるように点灯した状態を示している。また、裏糸32が蓄光作用のある蛍光色であれば、蓄光作用によって残光効果が得られ、光量の強弱によるグラデーションによって、光の動きがよりスムーズに見えるようになる。
【0038】
・上記実施形態では、取付パネル25の表面に反射材26を設けたが、照光部22の光で十分な光を確保することができるなら、反射材26を省略してもよい。
・上記各実施形態では、裏糸32を蛍光色としたが、蛍光色でなくてもよい。
【0039】
・上記各実施形態では、樹脂基材20を基材として用いたが、樹脂に限らず、ガラス等の他の材料からなる透明な基材を用いてもよい。
・上記各実施形態では、車両のダッシュボード10に内装部品を具体化したが、ダッシュボード10に限らず、車両のセンターコンソール、インストルメントパネル等に内装部品を具体化してもよい。なお、インストルメントパネルのロアに内装部品が具体化したときには、足元照明としても使用でき、足元の視認性を高めることができる。
【0040】
・また、車両のコンソールサイド、ドアトリム等に内装部品を具体化してもよい。このように、内装側面に適用されれば、車内の全体の明るさが増加して、空間の快適性を向上させることができるようになる。
【0041】
・また、車両のコンソールボックス、アクセサリーボックス、ドアトリムポケット、カップホルダー等の内張りに内装部品を具体化してもよい。このように内張りに具体化すれば、照光部の点灯時に収納品のシルエットが強調されることで、収納品を容易に判別でき、意匠性を向上させることができる。また、表面が編み物で構成されているので、衝撃吸収効果も期待することができる。
【0042】
・さらに、車両の内装部品に限らず、住宅等の内装部品に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10…ダッシュボード、11…吹出口、20…樹脂基材、22…照光部、23…導光体、24…光源、25…取付パネル、26…反射材、30…表皮材、31…表糸、32…裏糸、33…模様、40…シート、50…拡散部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12