(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1端末および第2端末を備え、前記第1端末にて表示される第1情報コードと前記第2端末にて表示される第2情報コードとを利用して前記第1端末と前記第2端末との間で情報伝達を行う情報伝達システムであって、
前記第1端末は、
前記第2端末に対して伝達する伝達情報に基づいて前記第1情報コードを生成する第1生成手段と、
前記第1生成手段により生成された前記第1情報コードを表示する第1表示手段と、
前記第2情報コードを撮像する第1撮像手段と、
前記第1撮像手段により撮像された前記第2情報コードをデコードする第1デコード手段と、
を備え、
前記第2端末は、
前記第1情報コードを撮像する第2撮像手段と、
前記第2撮像手段により撮像された前記第1情報コードをデコードする第2デコード手段と、
前記第2デコード手段により得られた前記伝達情報に応じて前記第2情報コードを生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段により生成された前記第2情報コードを表示する第2表示手段と、
を備え、
前記第1生成手段は、前記伝達情報を分割した複数の分割情報がそれぞれ記録されるように前記第1情報コードを順次生成し、
前記第2撮像手段は、前記第1表示手段に前記第1情報コードが表示されるごとに当該第1情報コードを撮像し、
前記第2生成手段は、前記第2デコード手段によるデコードの成否が記録されるように前記第2情報コードを生成することを特徴とする情報伝達システム。
前記第1生成手段は、前記分割情報が記録される前記第1情報コードを生成する前に、前記情報伝達に関する条件が記録されるように前記第1情報コードを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の情報伝達システム。
前記情報伝達に関する条件には、これから生成する前記第1情報コードをデコードするために必要な情報の少なくとも一部が含まれることを特徴とする請求項3または4に記載の情報伝達システム。
前記第2端末は、前記第2デコード手段によるデコードの際に、デコードした前記第1情報コードよりも情報量の大きな情報コードをデコード可能であるか否かを判定する第2判定手段を備え、
前記第2生成手段は、前記第2判定手段による判定結果を含めた情報を記録するように前記第2情報コードを生成し、
前記第1生成手段は、前記第1デコード手段によるデコード結果に、情報量の大きな情報コードをデコード可能である旨が含まれていると、前回生成時よりも多くの情報が記録されるように前記第1情報コードを生成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報伝達システム。
前記第2生成手段は、前記第2デコード手段によるデコード失敗に起因する前記第1表示手段での前記第1情報コードの表示状態に関する情報が記録されるように前記第2情報コードを生成することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報伝達システム。
前記第1端末は、前記第1デコード手段によるデコード失敗の原因に関する情報を報知する第1報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報伝達システム。
前記第2端末は、前記第2デコード手段によるデコード失敗の原因に関する情報を報知する第2報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の情報伝達システム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報伝達システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報伝達システム1は、情報コードを利用して端末間での情報伝達を行うためのシステムであって、情報伝達を行う端末として、第1端末10と第2端末20とを備えている。第1端末10および第2端末20は、情報伝達時に、互いに表示される情報コードを撮像してデコードするように向き合って配置される端末であり、例えば、カメラ機能を有するスマートフォンやパーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ等に対して所定のアプリケーションプログラムをインストールすることでそれぞれ構成することができる。
【0027】
まず、第1端末10の詳細構成について、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、第1端末10は、第1撮像手段として機能する撮像部12からの画素信号に基づいて撮像された画像データを処理する制御部11を備えている。この制御部11は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、記憶部13とともに情報処理装置として機能している。記憶部13は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの公知の半導体メモリなどによって構成されており、この記憶部13には、情報コードの読み取りや情報コードの生成のための所定のプログラム等が、制御部11により実行可能に予め格納されている。
【0028】
また、第1端末10は、操作部14および表示部15を備えている。操作部14は、複数のキー、或いはタッチパネル等により構成されており、制御部11に対してキー操作或いはタッチ操作に応じた情報を入力する機能を有するものである。表示部15は、第1表示手段として機能するもので、液晶等から構成されており、制御部11により制御されて、情報コードや情報コードの撮像により得られた情報等を表示して報知する機能を有するものである。特に、表示部15は、
図1に示すように、その表示画面の外縁近傍に撮像部12が位置するように配置されており、表示画面に向き合う物体を撮像部12にて撮像可能となるように構成されている。
【0029】
このように構成される第1端末10では、第2端末20に対して伝達すべき情報(以下、単に伝達情報ともいう)が操作部14の操作等に応じて入力されると、この伝達情報に応じて後述するように第1情報コードC1が生成されて表示部15に画面表示される。これにより、第1情報コードC1を撮像してデコードした第2端末20に対して上記伝達情報が伝達される。また、第2端末20にて上記伝達情報に対する回答に応じて後述するように第2情報コードC2が生成されて表示されると、第1端末10にて、第2情報コードC2を撮像部12にて撮像してデコードすることで、上記回答が取得される。
【0030】
次に、第2端末20の詳細構成について、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、第2端末20は、第2撮像手段として機能する撮像部22からの画素信号に基づいて撮像された画像データを処理する制御部21を備えている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、記憶部23とともに情報処理装置として機能している。記憶部23は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの公知の半導体メモリなどによって構成されており、この記憶部23には、情報コードの読み取りや情報コードの生成のための所定のプログラム等が、制御部21により実行可能に予め格納されている。
【0031】
また、第2端末20は、操作部24および表示部25を備えている。操作部24は、複数のキー、或いはタッチパネル等により構成されており、制御部21に対してキー操作或いはタッチ操作に応じた情報を入力する機能を有するものである。表示部25は、第2表示手段として機能するもので、液晶等から構成されており、制御部21により制御されて、情報コードや情報コードの撮像により得られた情報等を表示して報知する機能を有するものである。特に、表示部25は、
図1に示すように、その表示画面の外縁近傍に撮像部22が位置するように配置されており、表示画面に向き合う物体を撮像部22にて撮像可能となるように構成されている。
【0032】
このように構成される第2端末20では、表示部15に表示される第1情報コードC1を撮像部22にて撮像してデコードすることで、上記伝達情報が取得される。そして、取得した伝達情報に対して応答すべき回答が設定されると、この回答に応じて後述するように第2情報コードC2が生成されて表示部25に画面表示される。
【0033】
次に、本実施形態に係る情報伝達システム1を用いて、ワンタイムパスワードを利用してログインパスワードを取得する情報交換例について、
図3および
図4を参照して詳述する。
第1端末10の記憶部13のデータベースには、第2端末20への複数の質問事項に関する情報が選択可能に予め登録されるとともに、第2端末20からの回答に対して行動する行動事項に関する情報が予め登録されている。また、第2端末20の記憶部23のデータベースには、上記質問事項に対する回答事項に関する情報が予め登録されている。
【0034】
ここで、上記複数の質問事項としては、例えば、
図3に示すように、質問1として「ワンタイムパスワードを送信することでログインパスワードの送信要求」、質問2として「ワンタイムパスワードを送信することでチケット情報の送信要求」、質問3として「複数の分割情報を順次送信する旨」等が用意されている。また、上記回答事項としては、例えば、質問1に対する回答1として「ログインパスワードをワンタイムパスワードで暗号化して第2情報コードを生成して画面表示」、質問2に対する回答2として「チケット情報をワンタイムパスワードで暗号化して第2情報コードを生成して画面表示」、質問3に対する回答3として「了承」等が用意されている。また、上記行動事項としては、例えば、回答1に対する行動1として「ログインパスワードをワンタイムパスワードで復号」、回答2に対する行動2として「チケット情報をワンタイムパスワードで復号」、回答3に対する行動3として「未送信の分割情報があれば次の第1情報コードを作成して表示、未送信の分割情報がなければ終了」等が用意されている。
【0035】
まず、第1端末10の撮像部12にて第2端末20の表示部25を撮像可能であって第2端末20の撮像部22にて第1端末10の表示部15を撮像可能となるように、第1端末10および第2端末20を向き合わせて配置する。そして、第1端末10の制御部11にて第1端末側処理を実行するとともに、第2端末20の制御部21にて第2端末側処理を実行することで、両端末間での情報伝達(情報交換)が可能な状態となる。
【0036】
以下、本実施形態に係る第1端末側処理および第2端末側処理について、
図4に示すフローチャートを用いて詳述する。
第1端末10の制御部11にて第1端末側処理が開始されると、まず、ステップS101に示す選択処理がなされ、表示部15に複数の質問事項が選択可能に表示される。例えば、上述した
図3に例示するような質問事項が表示されている状態で、ワンタイムパスワードを利用してログインパスワードを取得するためには、上記質問1が選択される。
【0037】
続いて、ステップS103に示す第1情報コード生成処理がなされる。この処理では、質問1が選択されたことから、当該質問1が選択されたことを示す情報と、操作部14の操作等に応じて別途入力されたワンタイムパスワードとを含めた情報が記録されるように第1情報コードC1が生成される。本実施形態では、第1情報コードC1として、例えば、QRコード(登録商標)が採用されており、上記第1情報コード生成処理では、公知のQRコード生成方法に基づいて第1情報コードC1が生成される。なお、第1情報コードC1は、QRコードとして生成されることに限らず、データマトリックスコードやマキシコードなどの二次元コードとして生成されてもよいし、記録すべき情報が少ない場合にはバーコードなどの一次元コードとして生成されてもよい。また、上記ワンタイムパスワードには、利用可能な有効時間が予め設定されている。また、上記ステップS103に示す処理を実施する制御部11は、「第1生成手段」の一例に相当し得る。
【0038】
続いて、ステップS105に示す第1情報コード表示処理がなされ、上述のように生成された第1情報コードC1が表示部15に表示される。
【0039】
一方、第2端末20の制御部21にて第2端末側処理が開始されると、まず、ステップS201に示す撮像処理がなされ、撮像部22にて第1端末10の表示部15に表示される第1情報コードC1が撮像される。続いて、ステップS203に示すデコード処理がなされ、撮像された第1情報コードC1が公知のデコード方法によりデコード(解読)されて、質問1が選択されたことを示す情報と、ワンタイムパスワードとが取得される。なお、上記ステップS203に示す処理を実施する制御部21は、「第2デコード手段」の一例に相当し得る。
【0040】
続いて、上記デコード処理にて取得された質問1に対応して記憶部23に記憶されている回答1「ログインパスワードをワンタイムパスワードで暗号化して第2情報コードを生成して画面表示」が選択されて取得される(S205)。このため、ステップS207に示す第2情報コード生成処理にて、上位サーバ等から別途取得したログインパスワードを上記デコード処理にて取得されたワンタイムパスワードで暗号化した情報から、第2情報コードC2が生成される。なお、本実施形態では、第2情報コードC2として、第1情報コードC1と同様にQRコードが採用されているがこれに限らず、データマトリックスコードやマキシコードなどの二次元コードが採用されてもよいし、記録すべき情報が少ない場合にはバーコードなどの一次元コードが採用されてもよい。また、第2情報コードC2として、第1情報コードC1と異なるコード種別等の情報コードが採用されてもよい。また、上記ステップS207に示す処理を実施する制御部21は、「第2生成手段」の一例に相当し得る。
【0041】
続いて、ステップS209に示す第2情報コード表示処理がなされ、上述のように生成された第2情報コードC2が表示部25に表示される。
【0042】
一方、第1端末10では、上述のように第2情報コードC2が表示部25に表示されることで、撮像部12によりこの第2情報コードC2が撮像される(S107)。続いて、ステップS109に示すデコード処理がなされ、撮像された第2情報コードC2が公知のデコード方法によりデコード(解読)されて、ワンタイムパスワードで暗号化されたログインパスワードが取得される。このデコードの時刻がワンタイムパスワードの有効時間内であれば(S111でYes)、ワンタイムパスワードを用いて復号されることで利用可能なログインパスワードが取得される(S113)。なお、このデコードの時刻がワンタイムパスワードの有効時間内でなければ(S111でNo)、ログインパスワードの不正使用を防止するため、ワンタイムパスワードで暗号化されたログインパスワードやワンタイムパスワードが破棄される。また、上記ステップS109に示す処理を実施する制御部11は、「第1デコード手段」の一例に相当し得る。
【0043】
このようにワンタイムパスワードを活用することで、第1情報コードC1および第2情報コードC2が毎回異なるように生成されるため、情報コードの盗撮による不正使用を防止できるので、ログイン証明だけでなく、会員証やチケット、クーポン等の発行に関しても不正使用を防止することができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る情報伝達システム1では、第1端末10にて、第2端末20に対して伝達する伝達情報に基づいて第1情報コード生成処理(S103)により生成された第1情報コードC1が表示部15により表示される。そして、第2端末20にて、撮像部22により撮像された第1情報コードC1がデコード処理(S203)によりデコードされて上記伝達情報が得られると、この伝達情報に応じて第2情報コード生成処理(S207)により生成された第2情報コードC2が表示部25により表示される。そして、第1端末10にて、撮像部12により撮像された第2情報コードC2がデコード処理(S109)によりデコードされる。
【0045】
これにより、第1端末10では、第1情報コードC1を利用して上記伝達情報を第2端末20に伝達し、この情報伝達に応じて第2端末20から伝達される情報を第2情報コードC2のデコードにより得ることができる。すなわち、第1情報コードC1および第2情報コードC2を利用することで第1端末10および第2端末20の両端末間にて詳細な情報伝達(情報交換)を行うことができる。
【0046】
なお、第1端末10および第2端末20間での情報伝達(情報交換)は、上述のような質問事項および回答事項等に限らず、他の情報の伝達または交換であってもよい。
例えば、複数種類のチケット情報のいずれかを選択するための情報を第1端末10の表示部15に選択可能に表示し、その選択結果に応じて生成した第1情報コードC1を表示部15に表示してもよい。この場合には、表示部15に表示された第1情報コードC1を第2端末20の撮像部22にて撮像してデコードすることで、第2端末20では、第1端末10にて選択したチケット情報を取得することができる。この構成は、例えば、店頭に設置される第1端末10に対して、来店した顧客が所有する第2端末20を用いて上述のように情報交換することで、顧客は所望のチケット情報を取得することができる。
【0047】
また、第1端末10および第2端末20は、
図1に示すように双方が携帯型の端末として構成されることに限らず、本実施形態の第1変形例として、
図5に示すように一方が据え置き型の端末(例えば、表示画面の外縁近傍に撮像部が位置するパーソナルコンピュータ)として構成されてもよい。また、第1端末10および第2端末20は、双方が据え置き型の端末として構成されてもよい。
【0048】
また、本実施形態の第2変形例として、本発明は目の前のデバイスと確実に情報交換できることを特徴とすることから、電波盗聴や第三者とのペアリングの虞があるbluetooth(登録商標)通信や無線LAN通信等の無線通信を利用する場合に、情報コードを利用した情報交換ができたことを前提に無線通信を許可してもよい。これにより、意図しない無線通信を防止することができる。
【0049】
例えば、bluetooth通信の場合には、
図6に示すような第1端末側処理および第2端末側処理を採用してもよい。具体的には、所定のPINコードが第1端末10に入力された後(S101a)、このPINコードと当該PINコードを利用した接続要求とを含めた情報が記録されるように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。第2端末20では、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、PINコードと当該PINコードを利用した接続要求とが取得される(S205)。そして、上記PINコードを利用したbluetooth通信による接続の準備ができた旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にて上記PINコードを利用したbluetooth通信による接続の準備ができたことを認識することができる。この状態で上記PINコードを利用してbluetooth通信を開始することで(S115)、意図しないbluetooth通信を防止することができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る情報伝達システムについて、
図7を参照して説明する。
本第2実施形態に係る情報伝達システム1は、第1端末10から第2端末20に対して複数の分割情報が順次伝達される点が、上記第1実施形態に係る情報伝達システムと異なる。したがって、第1実施形態の情報伝達システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
第1端末10から第2端末20に対して画像データや音楽データなど情報伝達量が大量となるメディアデータ(伝達情報)を伝達する場合には、1度の第1情報コードC1を利用した情報伝達では対応することができない。そこで、本実施形態では、大量の情報伝達量となる伝達情報を伝達する場合に、第1端末10にて、その伝達情報を複数の情報(分割情報)に分割して第1情報コードC1を順次表示し、第2端末20にて、第1情報コードC1を順次撮像して、全ての第1情報コードC1がデコードされた後にデータを合成等する。
【0052】
以下、本実施形態に係る第1端末側処理および第2端末側処理について、
図7に示すフローチャートを用いて詳述する。
第1端末10の制御部11にて第1端末側処理が開始されると、まず、伝達対象となる伝達情報が選択されるとともに、この伝達情報の情報量に応じて分割数(例えば、100個)が設定されてこの分割数に応じて伝達情報が分割される(S101b)。次に、伝達情報を伝達する旨とその分割数とを含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0053】
第2端末20では、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、伝達情報を伝達する旨とその分割数とが取得される(S205)。そして、分割情報を受け取る準備ができた旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。そして、全ての分割情報が伝達されていないことから(S211でNo)、上記ステップS201からの処理がなされる。
【0054】
第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にて分割情報を受け取る準備ができたことを認識することができる。そして、全ての分割情報を伝達し終えていないことから(S117でNo)、1番目の分割情報を含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0055】
第2端末20では、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、1番目の分割情報が取得される(S205)。そして、1番目の分割情報の取得が成功した旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。そして、全ての分割情報が伝達されていないことから(S211でNo)、上記ステップS201からの処理がなされる。
【0056】
第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にて1番目の分割情報の取得が成功したことを認識することができる。そして、全ての分割情報を伝達し終えていないことから(S117でNo)、2番目の分割情報を含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0057】
このような第1情報コードC1および第2情報コードC2を利用した情報伝達を上述のように設定された分割数分繰り返す。この繰り返しの際に、第2端末20でのデコードが失敗したためにk番目の分割情報の取得が失敗すると、k番目の分割情報の取得が失敗した旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にてk番目の分割情報の取得が失敗したことを認識して、再度、k番目の分割情報を含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0058】
上述のような第1情報コードC1および第2情報コードC2を利用した情報伝達の繰り返しにより、全ての分割情報が第2端末20に伝達されると、第2端末20では、全ての分割情報の取得が完了した旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。そして、第2端末20では、全ての分割情報が伝達されたことから(S211でYes)、取得した全ての分割情報を合成等して伝達情報を復元することで(S213)、第2端末側処理が終了する。一方、第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にて全ての分割情報の取得が完了したことを認識でき(S117でYes)、第1端末側処理が終了する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る情報伝達システム1では、第1端末10にて、第1情報コード生成処理(S103)により、伝達情報を分割した複数の分割情報がそれぞれ記録されるように第1情報コードC1が順次生成される。そして、第2端末20にて、撮像部22により、表示部15に第1情報コードC1が表示されるごとに当該第1情報コードC1が撮像され、第2情報コード生成処理(S207)により、デコード処理(S203)によるデコードの成否を含めた情報を記録するように第2情報コードC2が生成される。
【0060】
これにより、第1端末10では、第1情報コードC1を表示するごとに表示部25に表示される第2情報コードC2をデコードすることで、表示した第1情報コードC1が第2端末20にて適切にデコードされているか否かを把握することができる。これにより、第1端末10では、1つの分割情報の伝達が成功したことを確認した後に次の分割情報が記録される第1情報コードC1を表示することで、複数の分割情報、すなわち、大量の情報であっても第2端末20に対して確実に伝達することができる。
【0061】
特に、第1情報コード生成処理にて、分割情報を含めた情報が記録される第1情報コードC1が生成される前に、上記情報伝達に関する条件、具体的には分割数を含めた情報が記録されるように第1情報コードC1が生成される。これにより、第2端末20では、分割情報が記録される第1情報コードC1をデコードする前に、分割情報の分割数、すなわち、第1情報コードC1の表示回数を予め把握することができるので、分割情報が不足することもなく確実に全ての分割情報を合成等して伝達情報を復元することができる。
【0062】
なお、上記情報伝達に関する条件としては、分割数に限らず、例えば、これから生成する第1情報コードC1をデコードするために必要な情報の少なくとも一部、具体的には、第1情報コードC1のバージョンや誤り訂正レベル、マスクの情報、コード種別等を採用することができる。これにより、第2端末20では、第1情報コードC1をデコードするために必要な情報の少なくとも一部を予め取得することができるので、第1情報コードC1の読取精度を向上させることができる。また、上記情報伝達に関する条件として、分割数や第1情報コードC1をデコードするために必要な情報に限らず、他の情報伝達に関する条件を採用してもよい。これにより、第2端末20では、分割情報が記録される第1情報コードC1をデコードする前に、これから生成する第1情報コードC1を利用した情報伝達に関する条件を取得できるため、どのような第1情報コードC1がどのように表示されるかを予め把握することができる。
【0063】
なお、本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態および変形例にも適用することができる。
【0064】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報伝達システムについて、
図8および
図9を参照して説明する。
本第3実施形態に係る情報伝達システム1は、第2端末20の読取性能に応じて第1端末10にて生成される第1情報コードC1の情報量を制御する点が、上記第2実施形態に係る情報伝達システムと異なる。したがって、第2実施形態の情報伝達システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
上記第2実施形態のように大量の情報伝達を行う場合には、第1情報コードC1に記録される情報の情報量を可能な範囲で大きくすることで、第1情報コードC1を利用した伝達回数を削減でき、情報伝達の高速化を図ることができる。その一方で、情報量を大きくすることで第1情報コードC1のセルサイズが小さくなるために、第2端末20の読取性能によってはデコードが失敗する虞がある。
【0066】
そこで、本実施形態では、第2端末20からの第2情報コードC2を利用した情報交換を活用して、第1端末10にて第2端末20の読取性能を把握し、その読取性能に応じて第1情報コードC1を生成する。具体的には、複数段階のセルサイズを用意し、第2端末20にてより情報量の大きな情報コードをデコード可能であると判定されると、前回生成時よりも1段階小さなセルサイズで次の第1情報コードC1を生成することで、第1情報コードC1の情報量を大きくする。
【0067】
以下、本実施形態に係る第1端末側処理および第2端末側処理について、
図8に示すフローチャートを用いて詳述する。
第1端末10の制御部11にて第1端末側処理が開始されると、まず、伝達対象となる伝達情報が選択されて分割される(S101b)。次に、伝達情報を分割して伝達する旨を含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0068】
第2端末20では、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、伝達情報を分割して伝達する旨が取得される(S205)。この段階では伝達情報を取得していないため(S215でNo)、分割情報を受け取る準備ができた旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。
【0069】
第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にて分割情報を受け取る準備ができたことを認識することができる。この段階では、後述する判定結果がデコード結果に含まれていないため、セルサイズ変更処理が不要であるとして(S119でNo)、全ての分割情報を伝達し終えていないことから(S117でNo)、所定のセルサイズにて1番目の分割情報を含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成される(S103)。
【0070】
本実施形態では、第1情報コードC1のセルサイズは後述するセルサイズ変更処理によって設定され、1番目の分割情報を生成する際の第1情報コードC1は、デコードしやすい比較的大きなセルサイズで生成される。そして、このように生成された第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0071】
第2端末20では、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、1番目の分割情報が取得される(S205)。分割情報が取得されたことから(S215でYes)、このデコード処理の過程を踏まえて、デコード成功した第2情報コードC2よりも1段階小さなセルサイズでの情報コードをデコード可能であるか否かについて判定される(S217)。上記ステップS207の第2情報コード生成処理では、この判定結果を1番目の分割情報の取得が成功した旨とともに記録するように第2情報コードC2が生成される。そして、このように生成された第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。なお、上記ステップS217に示す処理を実施する制御部21は、「第2判定手段」の一例に相当し得る。
【0072】
第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にて1番目の分割情報の取得が成功したことを認識することができる。そして、このデコードにより取得した判定結果が1段階小さなセルサイズでのデコードが可能であることを示すものであれば(S119でYes)、第1情報コードC1のセルサイズが1段階小さなサイズに変更される(S121)。
【0073】
そして、全ての分割情報を伝達し終えていないことから(S117でNo)、前回生成時よりも1段階小さなセルサイズにて、2番目の分割情報を含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0074】
このように第1情報コードC1のセルサイズを第2端末20の読取性能にあわせて段階的に小さくすることで、第1情報コードC1の情報量が大きくなり、情報伝達回数が削減される。例えば、
図9の例では、1番目の分割情報が記録される第1情報コードC1のデコードの際により小さなセルサイズでデコード可能であると判定されたことから(S119でYes)、前回生成時よりも1段階小さなセルサイズ(1段階大きな情報量)で2番目の分割情報が記録される第1情報コードC1が生成される。この2番目の分割情報が記録される第1情報コードC1のデコードの際により小さなセルサイズでデコード可能であると判定されると(S119でYes)、前回生成時よりもさらに1段階小さなセルサイズ(さらに1段階大きな情報量)で3番目の分割情報が記録される第1情報コードC1が生成される。この3番目の分割情報が記録される第1情報コードC1のデコードの際により小さなセルサイズではデコード不可能であると判定されると(S119でNo)、前回生成時と同じセルサイズ(同じ情報量)で4番目の分割情報が記録される第1情報コードC1が生成される。伝達すべき残りの情報量が4番目の分割情報の情報量よりも小さいため、5番目の分割情報が記録される第1情報コードC1は、残りの情報量等を考慮してセルサイズが設定されて生成される。
【0075】
図9の例では、1番目の分割情報が記録される第1情報コードC1と同じセルサイズで残りの分割情報が記録されるように第1情報コードC1が生成されると、計21回程度の伝達回数となり、上述のように段階的に第1情報コードC1のセルサイズを小さくする(段階的に情報量を大きくする)ことで、伝達回数を5回に削減することができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態に係る情報伝達システム1では、第2端末20は、デコード処理(S203)によるデコードの際に、デコードした第1情報コードC1よりも情報量の大きな情報コードをデコード可能であるか否かを判定処理(S217)にて判定し、この判定処理による判定結果を含めた情報を記録するように第2情報コードC2が第2情報コード生成処理(S207)により生成される。そして、第1端末10にて、デコード処理(S109)によるデコード結果に、情報量の大きな情報コードをデコード可能である旨が含まれていると、前回生成時よりも多くの情報が記録されるように第1情報コードC1が生成される。
【0077】
このため、第1端末10では、第2端末20にてデコード可能であってより多くの情報が記録されるように第1情報コードC1が生成されるので、第1情報コードC1を利用した1回の情報伝達量が多くなる。これにより、第1情報コードC1の表示回数、すなわち、情報伝達回数を減らすことができ、情報伝達の高速化を図ることができる。
【0078】
なお、より多くの情報が記録されるように第1情報コードC1を生成する方法として、上述したように第1情報コードC1を構成する各セルのセルサイズを小さくする方法を採用することに限らず、例えば、第1情報コードC1が誤り訂正機能を有するコードであれば、誤り訂正レベルを下げて情報量を増加させてもよい。また、第1情報コードC1のカラー化により単位セルを多値化可能することで情報量を増加させてもよい。また、公知のデータ圧縮方法を用いて分割情報を圧縮することで、分割情報自体の情報量を削減してもよい。
【0079】
なお、本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態および変形例にも適用することができる。
【0080】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る情報伝達システムについて、
図10を参照して説明する。
本第4実施形態に係る情報伝達システム1は、第2情報コードC2の表示回数を削減して情報伝達の高速化を図る点が、上記第2実施形態に係る情報伝達システムと異なる。したがって、第2実施形態の情報伝達システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
上記第2実施形態のような情報伝達では、分割数が増大すると、第2端末20での第1情報コードC1のデコード回数が増大するだけでなく、第1端末10での第2情報コードC2のデコード回数も増大してしまい、情報伝達の高速化が困難になる。
【0082】
そこで、本実施形態では、第2端末20でのデコードが所定回数連続して成功したことに応じて第2情報コードC2を表示することで、第1端末10での第2情報コードC2のデコード回数を削減して、情報伝達の高速化を図る。なお、本実施形態では、上記所定回数(以下、連続成功回数ともいう)は、例えば3回に設定されている。
【0083】
以下、本実施形態に係る第1端末側処理および第2端末側処理について、
図10に示すフローチャートを用いて詳述する。
第1端末10の制御部11にて第1端末側処理が開始されると、伝達対象となる伝達情報が選択されて所定数の分割情報に分割され(S101b)、伝達情報を伝達する旨およびその分割数と上記連続成功回数とを含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0084】
第2端末20では、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、伝達情報を伝達する旨およびその分割数と上記連続成功回数とが取得される(S205)。この段階では伝達情報を取得していないため(S215でNo)、分割情報を受け取る準備ができた旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。
【0085】
第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にて分割情報を受け取る準備ができたことを認識することができる。そして、1番目の分割情報を含めた情報が記録される第1情報コードC1と、2番目の分割情報を含めた情報が記録される第1情報コードC1と、3番目の分割情報を含めた情報が記録される第1情報コードC1とが生成され(S103)、各第1情報コードC1が1つずつ表示部15に順次表示される(S105)。
【0086】
第2端末20では、表示部15に順次表示された3つの第1情報コードC1が撮像されてデコードされるまでステップS219の判定処理にてNoと判定されて上記ステップS201からの処理がなされる。そして、3つの第1情報コードC1がそれぞれ撮像されてデコードされると(S219でYes)、3つの分割情報の取得が成功した旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。
【0087】
第1端末10では、この第2情報コードC2が撮像されてデコードされることで(S107,S109)、第2端末20にて3つの分割情報の取得が成功したことを認識することができる。そして、次の3つの第1情報コードC1が生成されると(S103)、各第1情報コードC1が1つずつ表示部15に順次表示される(S105)。
【0088】
以上説明したように、本実施形態に係る情報伝達システム1では、第2端末20にて、デコード処理(S203)によるデコードが所定回数(連続成功回数)だけ連続して成功すると、上記所定回数連続してデコードが成功したことを示す情報が記録されるように第2情報コードC2が生成されて表示される。
【0089】
このため、1つの第1情報コードC1がデコードされるごとに1つの第2情報コードC2が生成されず、上記連続成功回数の第1情報コードC1がデコードされるごとに1つの第2情報コードC2が生成される。これにより、複数の分割情報を順次伝達する場合でも確実に伝達しつつ、第2端末20での第2情報コードC2の生成回数や第1端末10での第2情報コードC2のデコード回数を上記連続成功回数に応じて適切に削減でき、大量の情報伝達に関して高速化を図ることができる。
【0090】
なお、表示部15に対して複数の第1情報コードC1が同時に表示され、第2端末20にて1度に撮像した全ての第1情報コードC1のデコードが成功すると、複数のデコードが成功したことを示す情報が記録されるように第2情報コードC2が生成されて表示されもよい。このようにしても、複数の分割情報を確実に伝達しつつ、第2端末20での第2情報コードC2の生成回数や第1端末10での第2情報コードC2のデコード回数を削減でき、大量の情報伝達に関して高速化を図ることができる。
【0091】
なお、本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態および変形例にも適用することができる。
【0092】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る情報伝達システムについて、
図11を参照して説明する。
本第5実施形態に係る情報伝達システム1は、撮像画像のうちデコードすべき範囲を限定することでデコード処理の高速化を図る点が、上記第2実施形態に係る情報伝達システムと異なる。したがって、第2実施形態の情報伝達システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
上記第2実施形態のように、互いに向き合うように配置された状態で互いに表示された情報コードを順次撮像する構成では、第2端末20に対する第1情報コードC1の表示位置と第1端末10に対する第2情報コードC2の表示位置とを変化させる必要はない。
【0094】
そこで、本実施形態では、第1端末10において、最初に撮像部12にて撮像された画像のうち第2情報コードC2が占める領域が第2コード領域(
図11の符号S2参照)として記憶部13に記憶される。以降のデコード処理(S109)では、第2コード領域S2が記憶部13に記憶されていることから、撮像部12にて撮像された画像のうち第2コード領域S2に相当する画像領域に対してデコードが行われる。
【0095】
これにより、撮像部12にて撮像された画像から第2情報コードC2が占める領域を容易に検出できるため、第2情報コードC2のデコード処理の高速化を図ることができる。なお、記憶部13は、「第1記憶手段」の一例に相当し得る。
【0096】
また、第2端末20において、最初に撮像部22にて撮像された画像のうち第1情報コードC1が占める領域が第1コード領域(
図11の符号S1参照)として記憶部23に記憶される。以降のデコード処理(S203)では、第1コード領域S1が記憶部23に記憶されていることから、撮像部22にて撮像された画像のうち第1コード領域S1に相当する画像領域に対してデコードが行われる。
【0097】
これにより、撮像部22にて撮像された画像から第1情報コードC1が占める領域を容易に検出できるため、第1情報コードC1のデコード処理の高速化を図ることができる。なお、記憶部23は、「第2記憶手段」の一例に相当し得る。
【0098】
なお、本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態および変形例にも適用することができる。
【0099】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る情報伝達システムについて、
図12および
図13を参照して説明する。
本第6実施形態に係る情報伝達システム1は、一方の端末でのデコード失敗に起因する情報コードの表示状態に関する情報を他方の端末に対して伝達する点が、上記第1実施形態に係る情報伝達システムと異なる。したがって、第1実施形態の情報伝達システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0100】
上記第1実施形態のように、互いに向き合うように配置された状態で互いに表示された情報コードを撮像する構成では、第1端末10での鏡面反射等の影響により表示部15に表示されている第1情報コードC1の一部が撮像不能な状態になると(
図13のハッチング領域M参照)、第2端末20での第1情報コードC1のデコードが失敗する場合がある。
【0101】
そこで、本実施形態では、第2端末20にて、第1情報コードC1のデコードが失敗すると、このデコード失敗が起因する表示部15での第1情報コードC1の表示状態に関するものであれば、その表示状態に関する情報が記録されるように第2情報コードC2が生成される(S207)。ここで、表示状態に関する情報とは、例えば、表示部15の表示画面のうち鏡面反射等の影響を受けている範囲を示す位置情報である。
【0102】
これにより、第1端末10では、第2情報コードC2をデコードすることで、表示部15での第1情報コードC1の表示状態に関して第2端末20でのデコード失敗原因を把握できる。このため、このデコード失敗原因を解消するように表示部15による第1情報コードC1の表示状態が制御されることで、第2端末20での第1情報コードC1の読取精度を向上させることができる。例えば、上述のように表示部15の表示画面のうち鏡面反射等の影響を受けている範囲を示す位置情報が第2情報コードC2のデコードにより取得されると、
図12に示すように、この範囲(
図12のハッチング領域M参照)を避けるように第1情報コードC1を表示することで、デコード失敗原因を解消することができる。
【0103】
なお、デコード失敗原因を解消するための表示部15による第1情報コードC1の表示状態の制御は、表示部15の明るさ不足が原因であることからこの表示部15の明るさを上げる制御であってもよい。また、第1情報コードC1を構成するセルのセルサイズを拡大するように第1情報コードC1の表示状態を制御してもよいし、第1情報コードC1が誤り訂正機能を有するコードであれば、誤り訂正レベルを上げて訂正能力を向上させるように第1情報コードC1の表示状態を制御してもよい。
【0104】
なお、本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態および変形例にも適用することができる。
【0105】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る情報伝達システムについて、
図14を参照して説明する。
本第7実施形態に係る情報伝達システム1は、デコード失敗に起因する情報コードの表示状態に関する情報を報知する点が、上記第6実施形態に係る情報伝達システムと異なる。したがって、第6実施形態の情報伝達システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0106】
本実施形態では、
図14に示すように、第1端末10は、パーソナルコンピュータとして構成されており、デコード処理(S109)による第2情報コードC2のデコードが失敗すると、このデコード失敗の原因に関する情報が表示部15に表示されて報知される。例えば、第2端末20との距離が近すぎるために第2情報コードC2のデコードが失敗している場合には、このデコード失敗の原因を解消するため、「もう少し離れて」等の文字情報を表示部15の一部(
図14の符号15a参照)に表示して報知する。なお、表示部15は、「第1報知手段」の一例に相当し得る。
【0107】
これにより、表示部15の表示による報知を受けた第2端末20の使用者等はデコード失敗の原因を把握することができる。このため、第2端末20の使用者等に対してデコード失敗の原因を解消するための対応を促すことができ、デコード失敗の原因を早期に解消することができる。
【0108】
特に、第2端末20が携帯型の端末である場合、撮像部12による表示部25の撮影状態が視認できないとデコードが困難になる場合がある。このような場合には、
図15に例示するように、撮像部12による撮像状態を表示部15の一部(
図15の符号15b参照)に表示してもよい。これにより、表示部15によりデコード失敗の原因に関する情報が画像表示により視覚的に報知されるので、第2端末20の使用者等は、デコード失敗の原因を容易かつ確実に視認することができる。
【0109】
また、第1端末10では、デコード失敗の原因を解消するため、「もう少し近づいて」、「もう少し上向きで表示して」、「部屋を明るくして」等の文字情報を表示部15の一部に表示して報知してもよい。また、付加情報として、「あと、10秒くらいで終わります」等の文字情報を表示部15の一部に表示して報知してもよい。また、デコード失敗の原因に関する情報は、表示部15に表示されて報知されることに限らず、例えば、スピーカーの音声等により報知されてもよい。
【0110】
また、第2端末20は、デコード処理(S203)による第1情報コードC1のデコードが失敗すると、このデコード失敗の原因に関する情報を表示部25に表示して報知してもよい。なお、表示部25は、「第2報知手段」の一例に相当し得る。
【0111】
これにより、表示部25の表示による報知を受けた第1端末10の使用者等はデコード失敗の原因を把握することができる。このため、第1端末10の使用者等に対してデコード失敗の原因を解消するための対応を促すことができ、デコード失敗の原因を早期に解消することができる。
【0112】
また、撮像部22による撮像状態を表示部25の一部に表示してもよい。これにより、表示部25によりデコード失敗の原因に関する情報が画像表示により視覚的に報知されるので、第1端末10の使用者等は、デコード失敗の原因を容易かつ確実に視認することができる。
【0113】
また、第2端末20では、デコード失敗の原因を解消するため、「もう少し近づいて」、「もう少し上向きで表示して」、「部屋を明るくして」等の文字情報を表示部25の一部に表示して報知してもよい。また、付加情報として、「あと、10秒くらいで終わります」等の文字情報を表示部25の一部に表示して報知してもよい。また、デコード失敗の原因に関する情報は、表示部25に表示されて報知されることに限らず、例えば、スピーカーの音声等により報知されてもよい。
【0114】
なお、本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態および変形例にも適用することができる。
【0115】
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係る情報伝達システムについて、
図16を参照して説明する。
本第8実施形態に係る情報伝達システム1は、1つの第1端末10に対して複数の第2端末20が情報伝達対象となる点が、上記第2実施形態に係る情報伝達システムと異なる。したがって、第2実施形態の情報伝達システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0116】
本実施形態における第1端末側処理および第2端末側処理は、複数の第2端末20に対して第1端末10から同時に分割情報を伝達するように構成されている。これにより、大量の情報伝達量となる伝達情報を複数の第2端末20に対して短時間で伝達することができる。
【0117】
以下、本実施形態に係る第1端末側処理および第2端末側処理について、
図16に示すフローチャートを用いて詳述する。以下の説明では、2つの第2端末20(一方の第2端末20および他方の第2端末20)に対して第1端末10から同時に分割情報を伝達する場合について説明する。なお、第1端末10および両第2端末20は、第1端末10の撮像部12にて一方の第2端末20の表示部25と他方の第2端末20の表示部25とを同時に撮像可能であって、一方の第2端末20の撮像部22にて第1端末10の表示部15を撮像可能であり他方の第2端末20の撮像部22にて第1端末10の表示部15を撮像可能となるように、向き合わせて配置される。
【0118】
第1端末10の制御部11にて第1端末側処理が開始されると、まず、伝達対象となる伝達情報が選択されるとともに、この伝達情報の情報量に応じて分割数が設定されてこの分割数に応じて伝達情報が分割される(S101b)。次に、伝達情報を伝達する旨とその分割数とを含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0119】
一方の第2端末20では、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、伝達情報を伝達する旨とその分割数とが取得される(S205)。そして、当該一方の第2端末20を他の端末と区別するための情報(以下、特定情報ともいう)と分割情報を受け取る準備ができた旨とを記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。そして、全ての分割情報が伝達されていないことから(S211でNo)、上記ステップS201からの処理がなされる。
【0120】
また、他方の第2端末20でも、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、伝達情報を伝達する旨とその分割数とが取得される(S205)。そして、特定情報と分割情報を受け取る準備ができた旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。そして、全ての分割情報が伝達されていないことから(S211でNo)、上記ステップS201からの処理がなされる。
【0121】
第1端末10では、撮像部12にて撮像された情報コードをデコードすることで(S107,S109)、一方の第2端末20の特定情報と分割情報を受け取る準備ができた旨とが取得されるとともに、他方の第2端末20の特定情報と分割情報を受け取る準備ができた旨とが取得されるまで、ステップS123に示す判定処理にてNoとの判定が繰り返される。そして、一方の第2端末20に表示された第2情報コードC2と他方の第2端末20に表示された第2情報コードC2との双方が撮像されてデコードされ、それぞれの特定情報等が取得されると(S123でYes)、両第2端末20にてそれぞれ分割情報を受け取る準備ができたことを認識することができる。そして、全ての分割情報を伝達し終えていないことから(S117でNo)、1番目の分割情報を含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。
【0122】
一方の第2端末20では、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、1番目の分割情報が取得される(S205)。そして、特定情報と1番目の分割情報の取得が成功した旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。そして、全ての分割情報が伝達されていないことから(S211でNo)、上記ステップS201からの処理がなされる。
【0123】
また、他方の第2端末20でも、表示部15に表示された第1情報コードC1が撮像されてデコードされることで(S201,S203)、1番目の分割情報が取得される(S205)。そして、特定情報と1番目の分割情報の取得が成功した旨を記録した第2情報コードC2が生成されて(S207)、この第2情報コードC2が表示部25に表示される(S209)。そして、全ての分割情報が伝達されていないことから(S211でNo)、上記ステップS201からの処理がなされる。
【0124】
第1端末10では、撮像部12にて撮像された情報コードをデコードすることで(S107,S109)、一方の第2端末20の特定情報と1番目の分割情報の取得が成功した旨とが取得されるとともに、他方の第2端末20の特定情報と1番目の分割情報の取得が成功した旨とが取得されるまで、ステップS123に示す判定処理にてNoとの判定が繰り返される。そして、一方の第2端末20に表示された第2情報コードC2と他方の第2端末20に表示された第2情報コードC2との双方が撮像されてデコードされ、それぞれの特定情報等が取得されると(S123でYes)、両第2端末20にてそれぞれ1番目の分割情報の取得が成功したことを認識することができる。そして、全ての分割情報を伝達し終えていないことから(S117でNo)、2番目の分割情報を含めた情報を記録するように第1情報コードC1が生成されて(S103)、この第1情報コードC1が表示部15に表示される(S105)。なお、上記ステップS123に示す処理を実施する制御部11は、「第1判定手段」の一例に相当し得る。
【0125】
このような第1情報コードC1および第2情報コードC2を利用した情報伝達を上述のように設定された分割数分繰り返すことで、一方の第2端末20に対して全ての分割情報が伝達されるとともに、他方の第2端末20に対して全ての分割情報が伝達される。
【0126】
なお、
図16に例示するフローチャートでは2つの第2端末20が伝達対象である場合について説明したが、3つ以上の第2端末20が伝達対象であっても、上記ステップS123に示す判定処理を採用する構成等により、各第2端末20に対して全ての分割情報を伝達することができる。
【0127】
以上説明したように、本実施形態に係る情報伝達システム1では、第2端末20が複数設けられており(
図16の例では2つ)、第1端末10は、複数の第2端末20にてそれぞれ表示される第2情報コードC2の全てがデコード処理(S109)によりデコード成功しているか否かについて判定する判定処理(S123)を備えている。
【0128】
これにより、表示部15に表示される第1情報コードC1を用いて同じ情報を第1端末10から複数の第2端末20に対してそれぞれ伝達する場合でも、第1端末10では、判定処理(S123)による判定結果から各第2端末20にて第1情報コードC1のデコードが成功しているか否かを把握することができる。特に、第1端末10では、判定処理(S123)による判定結果から全ての第2端末20に対して分割情報の伝達が成功したことを確認した後に次の分割情報が記録される第1情報コードC1を表示することで、複数の第2端末20に対しても大量の情報を確実に伝達することができる。
【0129】
なお、第1端末10の表示部15には1つの第1情報コードC1が表示されることに限らず、例えば、各第2端末20それぞれに対応する第1情報コードC1を第2端末20と同数だけ同時に表示してもよい。これにより、例えば、暗号化して分割情報を伝達する際に、各第2端末20がそれぞれ指定する暗号化方法で暗号化して第1情報コードC1を表示することができる。
【0130】
なお、本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態および変形例にも適用することができる。
【0131】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)上記各実施形態において、第1端末10から第2端末20に対して伝達される伝達情報は、第2端末20に表示される第2情報コードC2のデコードにより得られる情報に基づいて選択されてもよい。
【0132】
例えば、
図17に示す第1端末側処理および第2端末側処理のように、第1端末10にて、出身地を問うための情報が記憶された第1情報コードC1を表示部15に表示し(S125)、第2端末20にて、第1情報コードC1を撮像してデコードした後(S221,S223)、記憶部23に予め記憶される出身地データから必要な情報を取り出して第2情報コードC2を生成し(S225)、表示部25に表示する(S227)。第1端末10では、この第2情報コードC2を撮像してデコードすることで(S127,S129)、第2端末20の使用者の出身地データが取得される。これにより、第1端末10では、第2端末20の使用者の出身地に関連する伝達情報を選択して、上述のように分割情報を送信することができる。例えば、大阪出身の使用者に対して関西限定の音楽ファイルを伝達でき、販売促進のプロモーションなどに活用することができる。
【0133】
(2)本発明は目の前のデバイスと確実に情報交換できることを特徴とすることから、本発明を以下の様に活用してもよい。例えば、GPS情報を取得可能な第2端末20に対して、第1端末10にて、GPS情報の送付要求が記憶された第1情報コードC1を表示部15に表示し、第2端末20にて、第1情報コードC1を撮像してデコードした後、取得したGPS情報が記録されるように第2情報コードC2を生成して表示部25に表示する。この第2情報コードC2を撮像した第1端末10では、第2端末20にて生成されたGPS情報を取得できるので、スタンプラリー等に好適に活用することができる。