(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トランスの二次コイルを通る前記交流外部出力経路を形成する時に平滑するためのコンデンサが前記トランスの二次コイルに接続されてなる請求項1に記載の交流電源回路。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、交流電源回路の一実施形態について説明する。
図1に示すように、車両としてのフォークリフトは、バッテリ10、走行用モータ11、荷役用モータ21、及び、インバータINVを備えている。インバータINVは、走行用モータ11とバッテリ10との間に設けられたインバータ回路12と、荷役用モータ21とバッテリ10との間に設けられたインバータ回路22と、制御手段としての制御装置40とを備えている。なお、バッテリ10の出力電圧は例えば、48Vである。
【0015】
更に、フォークリフトは、交流電源回路30を備えている。交流電源回路30は、トランスとしてのスコットトランス13と、整流回路14,24とを備えている。スコットトランス13のM座の一次コイル13aには、リレースイッチ31を介して外部機器が接続される。
【0016】
スコットトランス13の両一次コイル13a,23aには、マグネットスイッチ33が接続されている。マグネットスイッチ33には、バッテリ10の充電時に、外部交流電源としての三相交流電源34が接続される。三相交流電源34の出力電圧は、例えば、200Vである。マグネットスイッチ33は、マグネットスイッチ33がオンのときにオフとなり、マグネットスイッチ33がオフのときにオンとなる図示しない補助接点を有している。補助接点にはリレースイッチ31の開閉を行うリレーコイル36が接続されている。
【0017】
スコットトランス13のM座の二次コイル13bには整流回路14を介してインバータ回路12が接続され、インバータ回路12には、走行用モータ11が接続されている。走行用モータ11としては、コイルU1,V1,W1がデルタ結線されてなる三相交流モータが使用されている。
【0018】
また、スコットトランス13の二次コイル13bには、平滑用のコンデンサ15が並列接続されている。平滑用のコンデンサ15には、コンデンサ用開閉器16が直列接続されている。
【0019】
スコットトランス13のT座の二次コイル23bには整流回路24を介してインバータ回路22が接続され、インバータ回路22には、荷役用モータ21が接続されている。荷役用モータ21としては、コイルU2,V2,W2がデルタ結線されてなる三相交流モータが使用されている。
【0020】
整流回路14は、2個のダイオードD1,D2の直列回路で構成され、両ダイオードD1,D2の間にスコットトランス13の二次コイル13bの一方の端18aが接続されている。また、整流回路14のプラス側はバッテリ10の正極に接続され、整流回路14のマイナス側はバッテリ10の負極に接続されている。
【0021】
インバータ回路12には、三相の上アーム用スイッチング素子としての第1スイッチング素子Q1、第3スイッチング素子Q3、第5スイッチング素子Q5と、下アーム用スイッチング素子としての第2スイッチング素子Q2、第4スイッチング素子Q4、第6スイッチング素子Q6とを備えた三相インバータが使用されている。各スイッチング素子Q1〜Q6には、MOSFETが使用されている。第1スイッチング素子Q1及び第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3及び第4スイッチング素子Q4、第5スイッチング素子Q5及び第6スイッチング素子Q6はそれぞれ直列に接続されている。スイッチング素子Q1,Q3,Q5のドレインはそれぞれバッテリ10の正極に接続されるとともに、スイッチング素子Q2,Q4,Q6のソースはそれぞれバッテリ10の負極に接続されている。各スイッチング素子Q1〜Q6のドレインとソース間には、それぞれ寄生ダイオードDが逆並列に、すなわちカソードがドレインにアノードがソースに対応する状態に接続されている。
【0022】
第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2の接続点P10(第1スイッチング素子Q1のソースと第2スイッチング素子Q2のドレインとの接続点P10)は、電流センサCS1を介して走行用モータ11のコイルU1とコイルV1の接続点に接続されている。第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4の接続点P11(第3スイッチング素子Q3のソースと第4スイッチング素子Q4のドレインとの接続点P11)は、電流センサCS2を介して走行用モータ11のコイルV1とコイルW1との接続点に接続されている。第5スイッチング素子Q5と第6スイッチング素子Q6の接続点P12(第5スイッチング素子Q5のソースと第6スイッチング素子Q6のドレインとの接続点P12)は、走行用モータ11のコイルU1とコイルW1との接続点に接続されている。また、第1スイッチング素子Q1のソースと第2スイッチング素子Q2のドレインとの接続点P10は、スコットトランス13の二次コイル13bの他方の端18bに接続されている。
【0023】
整流回路24は、2個のダイオードD3,D4の直列回路で構成され、両ダイオードD3,D4の間にスコットトランス13の二次コイル23bの一方の端19aが接続されている。また、整流回路24のプラス側はバッテリ10の正極に接続され、整流回路24のマイナス側はバッテリ10の負極に接続されている。
【0024】
インバータ回路22には、三相の上アーム用スイッチング素子としての第1スイッチング素子Q11、第3スイッチング素子Q13、第5スイッチング素子Q15と、下アーム用スイッチング素子としての第2スイッチング素子Q12、第4スイッチング素子Q14、第6スイッチング素子Q16とを備えた三相インバータが使用されている。各スイッチング素子Q11〜Q16には、MOSFETが使用されている。第1スイッチング素子Q11及び第2スイッチング素子Q12、第3スイッチング素子Q13及び第4スイッチング素子Q14、第5スイッチング素子Q15及び第6スイッチング素子Q16はそれぞれ直列に接続されている。スイッチング素子Q11,Q13,Q15のドレインはそれぞれバッテリ10の正極に接続されるとともに、スイッチング素子Q12,Q14,Q16のソースはそれぞれバッテリ10の負極に接続されている。各スイッチング素子Q11〜Q16のドレインとソース間には、それぞれ寄生ダイオードDが逆並列に、すなわちカソードがドレインにアノードがソースに対応する状態に接続されている。
【0025】
第1スイッチング素子Q11と第2スイッチング素子Q12の接続点P20(第1スイッチング素子Q11のソースと第2スイッチング素子Q12のドレインとの接続点P20)は、電流センサCS3を介して荷役用モータ21のコイルU2とコイルV2の接続点に接続されている。第3スイッチング素子Q13と第4スイッチング素子Q14の接続点P21(第3スイッチング素子Q13のソースと第4スイッチング素子Q14のドレインとの接続点P21)は、電流センサCS4を介して荷役用モータ21のコイルV2とコイルW2との接続点に接続されている。第5スイッチング素子Q15と第6スイッチング素子Q16の接続点P22(第5スイッチング素子Q15のソースと第6スイッチング素子Q16のドレインとの接続点P22)は、荷役用モータ21のコイルU2とコイルW2との接続点に接続されている。また、第1スイッチング素子Q11のソースと第2スイッチング素子Q12のドレインとの接続点P20は、スコットトランス13の二次コイル23bの他方の端19bに接続されている。更に、交流電源回路30は、経路形成手段としての切替スイッチ17を有する。切替スイッチ17は、3つの固定接点17a,17b,17cを有し、可動接点17dが動作することにより固定接点17aと固定接点17bとが接続された状態と、固定接点17aと固定接点17cとが接続された状態に切り替えられる。固定接点17aは、配線L10により接続点P20と接続されている。固定接点17bは、配線L11により端19bと接続されている。固定接点17cは、配線L12により端18aと接続されている。
【0026】
切替スイッチ17の可動接点17dが固定接点17bと接触しているときには、二次コイル23bの端19bと接続点P20とが接続される。切替スイッチ17の可動接点17dが固定接点17cと接触しているときには、二次コイル13bの端18aと接続点P20とが接続される。
【0027】
各スイッチング素子Q1〜Q6,Q11〜Q16のゲートは、制御装置40に接続されている。また、電流センサCS1〜CS4は、制御装置40に接続されている。更に、マグネットスイッチ33、コンデンサ用開閉器16、及び、切替スイッチ17は制御装置40に接続されている。
【0028】
制御装置40は、図示しないCPU及びメモリを備え、メモリには走行用モータ11及び荷役用モータ21を駆動するのに必要な制御プログラムが記憶されている。また、メモリにはスコットトランス13を三相交流電源34に接続した状態でバッテリ10を充電する際に、各スイッチング素子Q1〜Q6,Q11〜Q16を制御するのに必要な制御プログラムが記憶されている。更に、制御装置40は、バッテリ10の直流を交流に変換して、外部機器に供給する際に、各スイッチング素子Q1〜Q6,Q11〜Q16や、切替スイッチ17などを制御する制御プログラムが記憶されている。
【0029】
次に、フォークリフトの走行動作、及び、荷役動作を行うときに制御装置40が行う制御について作用とともに説明を行う。
フォークリフトが走行動作、及び、荷役動作を行うときには、フォークリフトは、三相交流電源34から切り離されている。制御装置40は、マグネットスイッチ33をオフに保持し、コンデンサ用開閉器16を開いた状態に保持し、切替スイッチ17の可動接点17dを固定接点17bに接触させる。この状態では、各スイッチング素子Q1〜Q6,Q11〜Q16がチョッパ制御されることで、各コイルU1,V1,W1,U2,V2,W2には電流が流れ、これにより走行用モータ11、及び、荷役用モータ21が駆動する。
【0030】
制御装置40は、フォークリフトの操作者によって操作されるアクセルペダルの踏み込み量や、荷役レバーの操作量などに応じて、スイッチング素子Q1〜Q6,Q11〜Q16のデューティ比を演算し、これに従いスイッチング素子Q1〜Q6,Q11〜Q16のチョッパ制御を行う。
【0031】
次に、フォークリフトのバッテリ10を充電するときに制御装置40が行う制御について説明する。
図2に示すように、マグネットスイッチ33に三相交流電源34が接続されることで、スコットトランス13に三相交流電源34から交流(三相200V)が供給される状態に保持される。また、制御装置40は、マグネットスイッチ33をオンに保持し、コンデンサ用開閉器16を開いた状態に保持し、切替スイッチ17の可動接点17dを固定接点17bに接触させる。
【0032】
そして、制御装置40は、インバータ回路12及びインバータ回路22のスイッチング素子Q1,Q2,Q5,Q6,Q11,Q12,Q15,Q16をオフ状態に保持し、第3スイッチング素子Q3,Q13及び第4スイッチング素子Q4,Q14をオン・オフ制御する。
【0033】
スコットトランス13の一次コイル13a,23aに三相交流電源34から供給されて、二次コイル23bの端19aから電力が出力される状態で、第3スイッチング素子Q13がオン状態、第4スイッチング素子Q14がオフ状態のときには、
図2に一点鎖線で示すように、二次コイル23bの端19a→ダイオードD3→第3スイッチング素子Q13→荷役用モータ21のコイルV2→二次コイル23bの端19bの経路で電流が流れ、コイルV2に電磁エネルギーが蓄積される。そして、第4スイッチング素子Q14がオフ状態のまま第3スイッチング素子Q13がオフ状態になると、コイルV2に蓄積された電磁エネルギーは、
図2に二点鎖線で示すように、荷役用モータ21のコイルV2→二次コイル23bの端19b→二次コイル23bの端19a→ダイオードD3→バッテリ10→第4スイッチング素子Q14の寄生ダイオードD→荷役用モータ21のコイルV2の経路で流れる電流となり、バッテリ10が充電される。すなわち、バッテリ充電経路によってバッテリ10が充電される。
【0034】
また、スコットトランス13の一次コイル13a,23aに三相交流電源から交流が供給されて、二次コイル23bの端19bから電力が出力される状態で、第3スイッチング素子Q13がオフ状態、第4スイッチング素子Q14がオン状態のときには二次コイル23bの端19b→荷役用モータ21のコイルV2→第4スイッチング素子Q14→ダイオードD4→二次コイル23bの端19aの経路で電流が流れ、コイルV1に電磁エネルギーが蓄積される。そして、第3スイッチング素子Q13がオフ状態のまま第4スイッチング素子Q14がオフ状態になると、荷役用モータ21のコイルV2→第3スイッチング素子Q13の寄生ダイオードD→バッテリ10→ダイオードD4→二次コイル23bの端19a→二次コイル23bの端19bの経路で流れる電流となり、バッテリ10が充電される。このように、三相200Vを入力して、スイッチングにより降圧し、整流した後に48Vで充電する。なお、上記した説明では、インバータ回路22のスイッチング素子Q11〜Q16の制御について説明したが、インバータ回路12側についても同様の制御が行われ、バッテリ10が充電される。
【0035】
バッテリ10の充電時には、マグネットスイッチ33はオンであり、マグネットスイッチ33内の補助接点はオフとなっている。このため、リレースイッチ31は閉じた状態に維持される。
【0036】
次に、バッテリ10を電源として用いて、スコットトランス13の一次コイルから外部機器に交流を供給するときに制御装置40が行う制御について説明する。
図3に示すように、制御装置40は、マグネットスイッチ33をオフに保持し、コンデンサ用開閉器16を閉じた状態に保持し、切替スイッチ17の可動接点17dを固定接点17cに接触させる。また、一次コイル13aには、外部機器が接続された状態に保持される。外部機器としては、例えば、パソコンや、携帯電話などの家電が接続される。
【0037】
そして、制御装置40は、インバータ回路12及びインバータ回路22のスイッチング素子Q1,Q2,Q5,Q6,Q11,Q12,Q15,Q16をオフ状態に保持する。更に、制御装置40は、第4スイッチング素子Q14をオンに保持した状態での第3スイッチング素子Q3のチョッパ制御と、第4スイッチング素子Q4をオンに保持した状態での第3スイッチング素子Q13のチョッパ制御とを交互に行う。
【0038】
図3に一点鎖線で示すように、制御装置40が、第4スイッチング素子Q14をオンに保持した状態で第3スイッチング素子Q3のチョッパ制御を行うと、電流は、バッテリ10の正極→第3スイッチング素子Q3→コイルV1→二次コイル13b→コイルV2→第4スイッチング素子Q14→バッテリ10の負極の経路で流れる。
【0039】
図3に二点鎖線で示すように、制御装置40が、第4スイッチング素子Q4をオンに保持した状態で第3スイッチング素子Q13のチョッパ制御を行うと、電流は、バッテリ10の正極→第3スイッチング素子Q13→コイルV2→二次コイル13b→コイルV1→第4スイッチング素子Q4→バッテリ10の負極の経路で流れる。
【0040】
したがって、インバータ回路12の第3スイッチング素子Q3とインバータ回路22の第3スイッチング素子Q13を交互にチョッパ制御することで、二次コイル13bには方向の異なる電流が交互に流れる。
図4に示すように、第3スイッチング素子Q3,Q13と、第4スイッチング素子Q4,Q14とは、二次コイル13bに発生する電圧が正弦波となるように制御される。
【0041】
したがって、切替スイッチ17の可動接点17dが固定接点17cと接触しているときには、スイッチング素子Q1〜Q6、Q11〜Q16を制御することで、一部のコイルV1,V2を経由して二次コイル13bに電流を流す交流外部出力経路が形成される。
【0042】
そして、スコットトランス13のM座の二次コイル13bに交流電圧が印加されると、一次コイル13aにも巻数比に応じた交流電圧が発生するので、単層交流出力が可能となる。なお、スコットトランス13のT座の二次コイル23bに交流電圧を印加する場合に比べ、M座の二次コイル13bに交流電圧を印加したほうが、安定した出力が発生する。
【0043】
マグネットスイッチ33がオフになっていることで、補助接点は一次コイル13aと接続されているため、リレーコイル36に生じる電磁力によってリレースイッチ31が閉じられる。これにより、外部機器には、交流が供給される。本実施形態では、外部機器には、交流100Vが供給される。外部機器に供給される交流の電圧は、一次コイル13aに加えられる電圧などを変更することで、適宜変更することができる。このように、48Vのバッテリ電圧からスイッチングにより昇圧して、整流し、スイッチングにより100Vの交流にして外部に出力する。
【0044】
交流電源回路30は、バッテリ10を用いて走行用モータ11、及び、荷役用モータ21を駆動するモータ駆動用のインバータ回路12、及び、インバータ回路22に対して、切替スイッチ17を追加することで構成されている。切替スイッチ17は、走行用モータ11、及び、荷役用モータ21を駆動するときには、可動接点17dが固定接点17bと接触した状態にされる。また、切替スイッチ17は、バッテリ10を電源として利用して、交流を外部機器に供給するときには、可動接点17dが固定接点17cと接触した状態にされる。この状態で、スイッチング素子Q1〜Q6、Q11〜Q16を制御することで、コイルV1,V2を経由して二次コイル13bに交流電圧を印加して、一次コイル13aから交流を出力することができる。
【0045】
したがって、一部のコイルU1,U2,W1,W2には電流が流れなくなり、インバータ回路12、及び、インバータ回路22のスイッチング素子Q1〜Q6、Q11〜Q16を利用してバッテリ10の直流を交流に変換することができる。より詳しくは、三相AC200V入力と単相AC100V出力が同じトランスを使用するため、マグネットスイッチ33の補助接点を使用し、三相AC200Vの入力がある場合は単相AC100V出力を遮断してM座に交流電圧を印加し、また、一次側がAC100Vになったら単層AC100V出力を接続する。
【0046】
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)切替スイッチ17を設けることで、インバータ回路12、及び、インバータ回路22のスイッチング素子Q1〜Q6,Q11〜Q16を利用して、バッテリ10の直流を交流に変換して外部に出力することができる。このため、バッテリ10の直流を交流に変換するためのトランジスタや、トランジスタを制御するための回路を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制しつつ、バッテリ10を電源として利用することができる。
【0047】
(2)二次コイル13bにはコンデンサ15が接続されている。このため、交流を外部に出力するときに平滑を行うことができる。
(3)トランスとして、スコットトランス13を用いている。スコットトランス13を用いることで、2つ設けられたインバータ回路12,22のそれぞれに一つのスコットトランス13によって単相交流を出力することができる。したがって、各インバータ回路12,22に対応して個別にトランスを設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制することができる。
【0048】
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
○
図1の切替スイッチ17に代わり、
図5に示す開閉スイッチ51を経路形成手段として用いてもよい。開閉スイッチ51は、第1スイッチング素子Q1のソースと第2スイッチング素子Q2のドレインとの接続点P10をコイルU1とコイルV1の接続点に接続する配線L2に設けられている。開閉スイッチ51は、走行用モータ11、及び、荷役用モータ21を駆動するときには閉じた状態とされ、バッテリ10を充電するとき、並びに、バッテリ10を電源として利用するときには、開いた状態にされる。
【0049】
図5中、一点鎖線で示すように、第6スイッチング素子Q6をオンに保持し、第1スイッチング素子Q1をチョッパ制御すると、バッテリ10の正極→第1スイッチング素子Q1→二次コイル13b→コイルU1→第6スイッチング素子Q6→バッテリ10の負極の交流外部出力経路で電流が流れる。
【0050】
図5中、二点鎖線で示すように、第2スイッチング素子Q2をオンに保持し、第5スイッチング素子Q5をチョッパ制御すると、バッテリ10の正極→第5スイッチング素子Q5→コイルU1→二次コイル13b→第2スイッチング素子Q2→バッテリ10の負極の交流外部出力経路で電流が流れる。
【0051】
なお、上記したスイッチング素子Q1,Q2,Q5,Q6とは異なるスイッチング素子は、オフに保持される。上記した態様であっても、実施形態と同様に、外部機器に交流が供給される。
【0052】
○
図6に示すように、交流電源回路30は、三相交流を外部機器に供給できるように構成されていてもよい。各二次コイル13b,23bには平滑用のコンデンサ15が並列接続されている。また、接続点P10をコイルU1とコイルV1の接続点に接続する配線L2、及び、接続点P20をコイルU2とコイルV2の接続点に接続する配線L3には、それぞれ、開閉スイッチ61が設けられている。
【0053】
この場合、インバータ回路12、及び、インバータ回路22のそれぞれのスイッチング素子Q1,Q2,Q5,Q6、Q11,Q12,Q15,Q16を、
図5に示す交流電源回路30と同様に制御する。具体的にいえば、第6スイッチング素子Q6,Q16をオンに保持した状態での第1スイッチング素子Q1,Q11のチョッパ制御と、第2スイッチング素子Q2,Q12をオンに保持した状態での第5スイッチング素子Q5,Q15のチョッパ制御とを交互に行う。これにより、スコットトランス13の両二次コイル13b,23bには、交流電流が流れる。そして、三相交流が一次コイル13a,23aから出力される。このため、マグネットスイッチ33に三相交流電源34に換えて、外部機器を接続することで、外部機器に三相交流を供給することができる。
【0054】
○バッテリ10の直流を交流に変換するときに、オンに保持されるスイッチング素子と、チョッパ制御されるスイッチング素子の組み合わせは、適宜変更してもよい。例えば、第4スイッチング素子Q4をオンに保持した状態での第1スイッチング素子Q1のチョッパ制御と、第4スイッチング素子Q14をオンに保持した状態での第1スイッチング素子Q11のチョッパ制御とを交互に行ってもよい。また、経路形成手段が設けられる位置についても、チョッパ制御されるスイッチング素子によって適宜変更してもよい。
【0055】
○コンデンサ用開閉器16は、設けられていなくてもよい。
○スコットトランス13以外のトランスを用いても良い。
○モータの3つのコイルは、デルタ結線に代わりスター結線でもよい。
【0056】
○モータとして、三相モータ以外のモータを用いてもよい。
○フォークリフトのように2個のモータ(走行用モータ11及び荷役用モータ21)を備えた車両に限らず、1個のモータ(例えば、走行用モータ11)を備えた車両に交流電源回路30を搭載してもよい。
【0057】
○各スイッチング素子Q1〜Q6,Q11〜Q16として、IGBT(絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ)やパワーバイポーラトランジスタを使用してもよい。
○インバータ回路12又は、インバータ回路22のいずれか一方を用いてバッテリ10を充電してもよい。