(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケースには、前記可動室内において前記抵抗体の移動方向に突出し、前記可動部材の前記内孔に挿通されるとともに、前記一対の外部接続部が表面に配設された突出部が設けられ、
前記突出部及び前記可動部材の前記内孔を区画する内周壁のうち一方には、前記移動方向に沿って延びるガイド溝が形成され、他方には、前記ガイド溝内に収容されるガイド片が設けられており、
前記ガイド溝と前記ガイド片との係合により、前記突出部と前記可動部材との相対回動が規制される
請求項3に記載の放電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、抵抗体を電気回路に接続して閉回路を形成したときには、高電圧のコンデンサに蓄えられた電荷が一気に放出されるため、抵抗体に高い電圧で大きな電流が流れることがある。こうした場合には、抵抗体の発熱量が過大になるおそれがある。特許文献1に記載の放電装置では、この点については考慮されておらず、未だ改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、抵抗体の過熱を抑制することのできる放電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための放電装置は、内部に可動室が形成されたケースと、互いに離間して配設され、可動室内に一端が露出するとともに、同可動室内からケースの外部に延びて他端がコンデンサを含む電気回路に接続される一対の外部接続部と、可動室内に設けられて、作動信号の入力に伴い作動してガスを発生するガス発生部と、可動室内におけるガス発生部と一対の外部接続部との間に収容されて、同可動室内を移動可能な抵抗体と、を備え、ガス発生部から発生させたガスによって抵抗体を一対の外部接続部に接触する位置まで移動させることにより、抵抗体を介して一対の外部接続部間を接続し、抵抗体及びコンデンサを含む閉回路を形成する。この放電装置の抵抗体は、可動室内に移動可能に収容される可動部材と、可動部材に固定されており一対の外部接続部に接続される一対の接点部を有する導通部材と、を含み、導通部材における一対の接点部を連結する連結部の少なくとも一部が巻き線になっている。
【0009】
導通部材の接点部間の長さが長くなると、同導通部材の電気抵抗、すなわち抵抗体の電気抵抗が大きくなる。このため、ガス発生部を作動させて、外部接続部を介して抵抗体を電気回路に接続したときに、同抵抗体を電流が流れにくくなる。抵抗体の発熱量は電流の2乗に比例するため、抵抗体の電気抵抗を大きくして抵抗体を流れる電流を抑えることにより、抵抗体の発熱量を抑えることができる。なお、導通部材を長くする上では、一対の接点部を結ぶ連結部を直線状に延ばしてもよいが、こうした場合には抵抗体の体格が大きくなってしまう。これに対し、上記構成のように、連結部を巻き線にすれば、導通部材の長さを長くしつつ抵抗体の体格が大きくなってしまうことも抑制することができる。したがって、上記構成によれば、導通部材の抵抗を高くしつつ抵抗体の体格が大型化することも抑えることができる。
【0010】
また、上記構成では、抵抗体の導通部材が巻き線になっており、同巻き線を電流が流れたときに発生する磁場によって自己誘導が起こるため、抵抗体は突入電流を抑えるインダクタとして機能する。すなわち、上記構成によれば、導通部材の巻き線を流れる電流が急激に増大することも抑えられる。
【0011】
したがって、上記構成によれば、抵抗体を電気回路に接続したときの抵抗体の過熱を抑えることができる。
また、上記放電装置では、可動部材は、絶縁材料からなり、導通部材は、連結部が絶縁被膜された導線であって、一対の接点部が可動部材から外部に露出した状態で可動部材に埋め込まれていることが望ましい。
【0012】
導通部材を巻き線にする際には、巻き線が短絡しないように絶縁被膜された導線を用いることがある。しかしながら、ガス発生部から発生したガスによって抵抗体が移動する際に、導通部材が可動室の壁面に擦れると、導通部材の巻き線の被覆が剥がれてしまい巻き線が短絡してしまうおそれがある。こうした場合には、巻き線の巻いてある方向に沿って電流が流れず、巻き線を流れる電流によって発生する磁場が弱くなってしまうため、突入電流を抑えるインダクタとしての機能が薄れてしまうおそれがある。
【0013】
上記構成によれば、導通部材が絶縁材料からなる可動部材に埋め込まれているため、抵抗体が移動したときに導通部材の巻き線が可動室の壁面に擦れてしまうことがなく、同巻き線の被覆が剥がれてしまうことが抑えられる。また、導通部材が絶縁材料からなる可動部材に埋め込まれており、絶縁材料によって覆われているため、導通部材以外の部分を通じて電流が流れることがない。このため、巻き線が短絡することを抑制することができる。
【0014】
また、上記放電装置では、可動部材は、筒状をなし、中心軸延伸方向に移動するものであり、前記巻き線は、可動部材の形状に沿って筒状に巻かれており、一対の接点部は、可動部材の内周壁によって区画された内孔に配設されていることが望ましい。
【0015】
導通部材の一対の接点部が可動部材の外周壁を通じて外周側に配設されると、同接点部は可動部材から径方向外側に飛び出した状態になる。このため、可動部材を収容する可動室として同可動部材の直径よりも大きな空間が必要になる。
【0016】
上記構成によれば、可動部材の内孔に導通部材の一対の接点部が配設されて筒状の可動部材の内側に収容された状態になるため、可動部材を収容する可動室として同可動部材の直径と略同じ大きさの空間を確保すればよい。このため、一対の接点部を可動部材の外周側に設ける場合に比べて、可動室を小さくすることができ、ひいては、放電装置の小型化を図ることができるようになる。
【0017】
また、上記放電装置では、ケースには、可動室内において抵抗体の移動方向に突出し、可動部材の内孔に挿通されるとともに、一対の外部接続部が表面に配設された突出部が設けられ、突出部及び可動部材の前記内孔を区画する内周壁のうち一方には、前記移動方向に沿って延びるガイド溝が形成され、他方には、ガイド溝内に収容されるガイド片が設けられており、ガイド溝とガイド片との係合により、突出部と可動部材との相対回動が規制されることが望ましい。
【0018】
上記構成によれば、ガイド溝とガイド片との係合により、突出部と可動部材との相対回動が規制されるため、抵抗体がケースに対して相対回動することが抑えられる。その一方で、可動室内を抵抗体が移動するときには、その移動方向に沿ってガイド溝内をガイド片が摺動する。このため、抵抗体を移動させたときに、可動部材の内孔に設けられた一対の接点部を突出部の表面に配設された一対の外部接続部に接触させやすくなる。
【0019】
また、上記放電装置では、一対の接点部は、前記内孔を区画する内周壁における互いに対向する位置に配設されるとともに、同内孔を区画する内周壁に沿って前記移動方向に延びており、一対の接点部間の距離は、同移動方向における後方側ほど短くなっており、移動方向後方側の端部では、一対の外部接続部の厚さを含む突出部の幅よりも短くなっていることが望ましい。
【0020】
上記構成によれば、接点部間の距離が抵抗体の移動方向における後方側ほど短くなっているため、抵抗体が移動するに連れて、各接点部と突出部との距離が短くなる。そして、接点部間の距離が移動方向後方側の端部では、一対の接点部間の距離が一対の外部接続部の厚さを含む突出部の幅よりも短くなっているため、抵抗体が移動する過程で各接点部と外部接続部とが接触して外部接続部が各接点部の間に挟み込まれるようになる。したがって、抵抗体が移動すると、接点部が外部接続部に押しつけられた状態で保持されるようになり、各接点部と外部接続部とを接触した状態を維持することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、抵抗体の過熱を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、放電装置の一実施形態について、
図1〜
図8を参照して説明する。
図1に示すように、放電装置が設けられた車両10には、駆動力源として内燃機関11とモータ12とが搭載されている。内燃機関11の出力軸13及びモータ12の出力軸14は、動力伝達機構15に接続されている。動力伝達機構15は、例えば遊星歯車機構によって構成されている。動力伝達機構15には、減速機16を介して駆動輪17が接続されている。このため、内燃機関11及びモータ12が駆動されたときには、各出力軸13,14の回転トルクが動力伝達機構15を介して駆動輪17に伝達される。なお、モータ12は三相交流式のモータである。
【0024】
車両10には、高電圧のバッテリー18が設けられている。バッテリー18は電気回路19を介してモータ12に接続されている。電気回路19には、コンバータ20とインバータ21とが設けられている。コンバータ20はバッテリー18から入力される電力を昇圧したうえでインバータ21に出力する。インバータ21は入力される直流電力をモータ12の駆動に適した交流電力に変換したうえで同モータ12に出力する。
【0025】
また、車両10には、例えばマイクロコンピュータを中心に構成される電子制御装置22が設けられている。この電子制御装置22には、各種センサの出力信号が取り込まれている。各種センサとしては、例えばアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ23、車両10の走行速度を検出する速度センサ24、及び車両10の異常(具体的には、衝突)の有無を検出する衝突センサ25などが設けられている。
【0026】
電子制御装置22は、各センサ23,24,25から入力される信号に基づき各種の演算を行い、その演算結果に基づいて内燃機関11の作動制御や、コンバータ20の作動制御、インバータ21の作動制御などの各種制御を実行する。
【0027】
なお、電子制御装置22は、基本的には以下のような考えのもとに各種制御を実行する。
例えば車両10の発進時や軽負荷走行時など、内燃機関11の運転効率が低くなる状況においては、バッテリー18からの電力供給によってモータ12を駆動し、同モータ12の発生トルクによって車両10を走行させる。一方、車両10の定常走行時など、高効率での内燃機関11の運転が可能な状況においては、内燃機関11を駆動して同内燃機関11の発生トルクによって車両10を走行させる。他方、車両10の加速走行時など、車両10走行のために大きなトルクが要求される状況においては、内燃機関11を駆動するとともにモータ12も駆動し、これら内燃機関11およびモータ12の発生トルクによって車両10を走行させる。
【0028】
次に、
図2を参照して、電気回路19について説明する。
図2に示すように、電気回路19のコンバータ20には、直列に接続された二つのスイッチング素子26,27(具体的には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が設けられている。各スイッチング素子26,27にはそれぞれ一つのダイオード28,29が並列接続されている。バッテリー18の電圧(例えば、200ボルト)は、それらスイッチング素子26,27の一方(具体的には、スイッチング素子27のドレーン端子とソース端子との間)に印加されている。バッテリー18とスイッチング素子27(詳しくはドレーン端子)とは、リアクトル30を介して接続されている。また、直列接続されたスイッチング素子26,27の両端間(具体的には、スイッチング素子26のドレーン端子とスイッチング素子27のソース端子との間)には高電圧のコンデンサ31が接続されている。
【0029】
コンバータ20の作動制御では、各スイッチング素子26,27の作動が制御される。これにより、リアクトル30の特性を利用して、直列接続されたスイッチング素子26,27の両端間にバッテリー18の電圧(電源電圧)より高い電圧(例えば、650ボルト)が発生するようになる。なお、コンバータ20から出力される電流や電圧の変動はコンデンサ31によって抑えられる。
【0030】
コンバータ20の出力電力はインバータ21に入力される。インバータ21は、六つのスイッチング素子32(具体的には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)により構成される三相ブリッジ整流回路を内蔵している。また、このインバータ21はモータ12に接続されている。なお、各スイッチング素子32にはそれぞれ一つのダイオード33が並列接続されている。
【0031】
インバータ21の作動制御では、各スイッチング素子32の作動が制御される。これにより、コンバータ20から入力された直流電力がモータ12の駆動に適した交流電力に変換されてモータ12に供給される。こうしたインバータ21の作動制御を通じて、モータ12が車両10の運転状態に適した態様で駆動されるようになる。
【0032】
ところで、車両10が衝突などによってダメージを受けた場合に、電気回路19から漏電するおそれがある。上述したように、車両10は、駆動力源として内燃機関11とモータ12とが搭載されたハイブリッド車両であり、電気回路19に印加される電圧が高くなり易い。このため、電気回路19からの漏電を抑えることに対する要求が高い。本実施形態では、電気回路19からの漏電を抑えるために、車両10の衝突に際してバッテリー18と電気回路19との接続を遮断する遮断器34が設けられている。そして、衝突センサ25の出力信号に基づき、車両10の衝突が検知されたときには、遮断器34を作動させてバッテリー18から電気回路19への電力供給を停止するようにしている。
【0033】
また、電気回路19にはコンデンサ31が設けられているため、バッテリー18から電力が供給されているときにコンデンサ31には電荷が蓄えられる。そのため、上述したように単に遮断器34を作動させてバッテリー18から電気回路19への電力供給を停止させたとしても、電気回路19が高電圧の状態のまま維持されてしまうことになる。そのため、本実施形態では、
図2に示すように、電気回路19にコンデンサ31と並列に放電装置35を設けるようにしている。これにより、車両10の異常(具体的には、衝突)が検知されたときに、遮断器34を作動させてバッテリー18から電気回路19への電力供給を停止させることに加えて、コンデンサ31に蓄えられている電荷を放電装置35によって強制的に放電させるようにしている。
【0034】
次に、
図3〜
図8を参照して、放電装置35について説明する。
図3に示すように、放電装置35には、一対の外部接続部36が設けられている。一対の外部接続部36は、放電装置35のケース37から突出して延びており、電気回路19におけるコンデンサ31の陽極側の部分または陰極側の部分に接続されている。なお、ケース37は絶縁性の樹脂を射出成形することによって形成された絶縁体である。
【0035】
図4に示すように、ケース37の内部には、略円柱状に区画形成された可動室38が形成されている。可動室38には一対の外部接続部36の一端が配設されている。また、可動室38の
図4における下端部には、ガス発生部39が設けられている。ガス発生部39は、電子制御装置22からの作動信号の入力に伴い作動してガスを発生する。
【0036】
可動室38内におけるガス発生部39と一対の外部接続部36との間には、電気抵抗となる抵抗体40が収容されている。抵抗体40は、可動部材41と、可動部材41に固定されている導通部材42とからなる。
【0037】
可動部材41は、例えば樹脂からなる絶縁体であり、可動室38と略同径の円筒状をなしている。また、可動部材41の中心軸Lの延伸方向(
図4の上下方向)における寸法である高さは、可動室38の高さよりも低い。すなわち、可動部材41は、中心軸Lの延伸方向に移動可能な状態で可動室38に収容されている。
【0038】
また、
図4に示すように、可動部材41には、同可動部材41の内周壁43によって区画された内孔44を上下に2分する受圧板45が設けられている。また、可動部材41は、一端がガス発生部39に当接して支持されている。なお、以下では、可動部材41の移動方向、すなわち抵抗体40の移動方向を単に移動方向という。
【0039】
また、導通部材42は、一対の接点部46と、一対の接点部46を連結する連結部47とによって構成されている。この導通部材42は、連結部47が絶縁被膜された導線であって、一対の接点部46が可動部材41から外部に露出した状態で可動部材41に埋め込まれている。なお、連結部47は、可動部材41の形状に沿って筒状に巻かれた巻き線になっている。また、一対の接点部46は絶縁被膜されていない導体であり、その先端が折り返された状態で可動部材41の内孔44に配設されている。
【0040】
ここで、ケース37には、可動室38内において抵抗体40の移動方向(
図4の下方)に突出し、可動部材41の内孔44に挿通された突出部48が設けられている。
図4及び
図5に示すように、突出部48の表面には、同突出部48を挟むようにして一対の外部接続部36が配設されている。
図4に示すように、一対の外部接続部36は、突出部48の表面に沿って抵抗体40側(
図4の下方)に延びている。そして、その上端側の端部が折れ曲がってケース37外部に延び、上述したように電気回路19に接続されている。このように、一対の外部接続部36は、可動室38内に一端が露出するとともに、他端が電気回路19に接続されている。なお、一対の外部接続部36は、金属からなる板状の導体であるが、互いに離間して配設されており、非導通状態になっている。
【0041】
また、
図4及び
図5に示すように、抵抗体40の一対の接点部46は、内孔44を区画する内周壁43における互いに対向する位置に配設されており、一対の外部接続部36にそれぞれ対向している。また、
図6に示すように、一対の接点部46は、内周壁43に沿って移動方向に延びている。上述したように、一対の接点部46は、その先端部が折り返されているため、先端部ほど厚さ(
図6の左右方向における寸法)が厚くなっている。このため、一対の接点部46間の距離は、移動方向における後方側(
図6の下方)ほど短くなっている。すなわち、一対の接点部46間の距離は、移動方向における後方側(
図6の下方側)の端部の距離W1の方が、移動方向における前方側(
図6の上方側)の距離W2よりも短くなっている。そして、この距離W1は、一対の外部接続部36の厚さを含む突出部48の幅W3よりも短い(W1<W3)。なお、一対の外部接続部36の先端部は、先端ほど厚さが薄くなるように先細り形状になっている。
【0042】
図4及び
図6に示すように、可動部材41がガス発生部39に当接して支持されている場合には、一対の接点部46と一対の外部接続部36とは互いに対向し、且つ離間した状態に保持されている。
【0043】
また、
図5に戻り、突出部48には、同突出部48から互いに反対方向(
図5の上下方向)にそれぞれ突出し、抵抗体40の移動方向(
図5の奥行き方向)に延びる1対のガイド片49が設けられている。
【0044】
一方、可動部材41の内孔44を区画する内周壁43には、ガイド片49と対向する位置に、ガイド片49と略同形であり抵抗体40の移動方向に延びるガイド溝50が形成されている。ガイド溝50にはガイド片49が収容されており、ガイド溝50とガイド片49との係合によって突出部48と可動部材41との相対回動が規制されている。また、ガイド片49はガイド溝50内で摺動可能になっている。
【0045】
また、
図1に示すように、ケース37には、ハニカム形状に肉抜きされた上壁部51が形成されている。
次に、放電装置35の動作態様について説明する。
【0046】
放電装置35は、衝突センサ25により検出される車両10の衝突の有無に応じて以下のように作動する。
車両10の衝突が検知されておらず、電子制御装置22から作動信号が入力されていない時には、ガス発生部39が作動しない。このため、
図4に示すように、放電装置35では、抵抗体40の一対の接点部46と一対の外部接続部36とが接触しない位置で抵抗体40が保持される。これにより、放電装置35は、コンデンサ31の陽極側の部分と陰極側の部分とを接続しない状態になっている。
【0047】
一方、車両10の衝突が検知されると、電子制御装置22は、遮断器34を作動させてバッテリー18から電気回路19への電力供給を停止するとともに、ガス発生部39に作動信号を入力する。ガス発生部39に作動信号が入力されると、ガス発生部39が作動してガスを発生させる。このため、
図7に示すように、発生するガスの圧力を受圧板45が受けて抵抗体40が移動し、一対の接点部46と一対の外部接続部36とが接触する。その結果、導通部材42を介して一対の外部接続部36が接続されて、電気回路19には抵抗体40とコンデンサ31とを含む閉回路が形成される。こうして閉回路が形成されると、抵抗体40にコンデンサ31から電流が供給されるようになり、コンデンサ31に蓄えられている電荷の電気エネルギーが抵抗体40において熱エネルギーに変換され、コンデンサ31に蓄えられている電荷が強制的に放電される。そのため、電気回路19の各部の電位が低下する。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、導通部材42の連結部47を巻き線にしたため、導通部材42の一対の接点部46間の長さが長くなり、導通部材42の電気抵抗、すなわち抵抗体40の電気抵抗が大きくなる。このため、ガス発生部39を作動させて、外部接続部36を介して抵抗体40を電気回路19に接続したときに、同抵抗体40を電流が流れにくくなる。抵抗体40の発熱量は電流の2乗に比例するため、抵抗体40の電気抵抗を大きくして抵抗体40を流れる電流を抑えることにより、抵抗体40の発熱量が抑えられる。なお、抵抗体40の電気抵抗は、上述したように大きくなっているが、所望の時間(例えば数分)内においてコンデンサ31に蓄えられている電荷を十分に放出させることのできるように定められている。
【0049】
また、導通部材42を長くする上では、一対の接点部46を結ぶ連結部47を直線状に延ばしてもよいが、こうした場合には抵抗体40の体格が大きくなってしまう。この点、本実施形態では、連結部47を巻き線にしたため、導通部材42の長さを長くしつつ抵抗体40の体格が大きくなってしまうことも抑制される。したがって、導通部材42の抵抗を高くしつつ抵抗体40の体格が大型化することも抑えられる。
【0050】
また、本実施形態では、抵抗体40の導通部材42を巻き線にしており、同巻き線を電流が流れたときに発生する磁場によって自己誘導が起こるため、抵抗体40は突入電流を抑えるインダクタとして機能する。このため、導通部材42の巻き線を流れる電流が急激に増大することも抑えられる。
【0051】
また、本実施形態では、可動部材41は絶縁材料からなり、導通部材42は一対の接点部46が可動部材41から外部に露出した状態で可動部材41に埋め込まれているため、抵抗体40が移動したときに導通部材42の巻き線が可動室38の壁面に擦れてしまうことが抑えられ、巻き線の被覆が剥がれてしまうことが抑えられる。また、導通部材42が絶縁材料からなる可動部材41に埋め込まれており、絶縁材料によって覆われているため、導通部材42以外の部分を通じて電流が流れることがない。このため、巻き線が短絡することが抑制される。
【0052】
また、可動部材41は筒状をなし、導通部材42の一対の接点部46が可動部材41の内周壁43によって形成された内孔44に配設されている。このため、一対の接点部46が筒状の可動部材41の内側に収容された状態になり、可動部材41を収容する可動室38として同可動部材41の直径と略同じ大きさの空間を確保すればよくなる。これに対し、導通部材42の一対の接点部46が可動部材41の外周壁を通じて外周側に配設されると、同接点部46は可動部材41から径方向外側に飛び出した状態になる。このため、可動部材41を収容する可動室38として同可動部材41の直径よりも大きな空間が必要になる。したがって、本実施形態によれば、一対の接点部46を可動部材41の外周側に設ける場合に比べて、可動室38を小さくすることができる。
【0053】
また、可動部材41の内周壁43にガイド溝50を形成し、突出部48にガイド溝50内に収容されるガイド片49を設けて、ガイド溝50と記ガイド片49との係合によって、突出部48と可動部材41との相対回動が規制されるようにした。このため、抵抗体40がケース37に対して相対回動することが抑えられる。その一方で、可動室38内を抵抗体40が移動するときに、ガイド溝50内をガイド片49が摺動する。本実施形態では、一対の接点部46と一対の外部接続部36とを対向させた状態から抵抗体40を移動させる。このため、抵抗体40が移動したときにも、一対の接点部46と一対の外部接続部36とを対向させた状態を維持しやすくなり、一対の接点部46を一対の外部接続部36に接触させやすくなる。
【0054】
また、一対の接点部46間の距離は、移動方向における後方側ほど短くなっており、移動方向後方側の端部の距離W1は、一対の外部接続部36の厚さを含む突出部48の幅W3よりも短くなっている(W1<W3)。このため、
図8に示すように、抵抗体40が移動する過程で各接点部46と外部接続部36とが接触して外部接続部36が各接点部46の間に挟み込まれる。
【0055】
また、一対の外部接続部36における移動方向後方に向かって延びる先端部は、先端ほど厚さが薄くなるように先細り形状になっている。すなわち、移動方向前方側ほど徐々に厚さが厚くなるようになっている。このため、抵抗体40が移動したときに突出部48が内孔44の深い位置に嵌まり込みやすくなり、外部接続部36と接点部46とを圧着させることができる。
【0056】
ケース37の上壁部51を肉抜きしたため、上壁部51の肉厚が薄くなり、ケース37を射出成形したときに収縮して凹みが形成されることを抑制される。また、単に薄くするのではなく、ハニカム形状に肉抜きしているため、同上壁部51に垂直に作用する荷重に対する剛性の低下を抑えることもできる。このため、抵抗体40の移動により上壁部51に荷重が作用したとしても耐久性を確保することができる。
【0057】
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)導通部材42の接点部46間を連結する連結部47を巻き線にしているため、導通部材42の抵抗を高くしつつ抵抗体40の体格が大型化することを抑えることができるとともに、抵抗体40を突入電流を抑えるインダクタとして機能させることができる。したがって、抵抗体40を電気回路19に接続したときに抵抗体40に流れる電流が抑えられ、抵抗体40の過熱を抑えることができる。
【0058】
(2)可動部材41は絶縁材料からなり、導通部材42は一対の接点部46が可動部材41から外部に露出した状態で可動部材41に埋め込まれているため、抵抗体40が移動したときに巻き線の被覆が剥がれてしまうことを抑えることができ、巻き線が短絡することを抑制することができる。
【0059】
(3)可動部材41は筒状をなし、導通部材42の一対の接点部46が可動部材41の内周壁43によって形成された内孔44に配設されているため、一対の接点部46を可動部材41の外周側に設ける場合に比べて、可動室38を小さくすることができ、ひいては、放電装置35の小型化を図ることができるようになる。
【0060】
(4)可動部材41の内周壁43にガイド溝50を形成し、突出部48にガイド溝50内に収容されるガイド片49を設けて、突出部48と可動部材41との相対回動を規制した。このため、抵抗体40がケース37に対して相対回動することを抑えて、抵抗体40を移動させたときに、一対の接点部46を一対の外部接続部36に接触させることができる。
【0061】
(5)一対の接点部46間の距離は、移動方向における後方側ほど短くなっており、移動方向後方側の端部の距離W1を、一対の外部接続部36の厚さを含む突出部48の幅W3よりも短くした。このため、抵抗体40が移動すると、各接点部46と外部接続部36とが接触して外部接続部36が各接点部46の間に挟み込まれて、接点部46が外部接続部36に押しつけられた状態で保持されるようになる。したがって、各接点部46と外部接続部36とを接触した状態を維持することができる。
【0062】
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することができる。
・ケース37の上壁部51を肉抜きしなくてもよい。
・一対の外部接続部36の先端部を先細り形状にしなくてもよい。例えば、先端部の厚さを一定にするようにしてもよい。
【0063】
・一対の接点部46は、一対の外部接続部36と接触する部分以外が絶縁被膜されていてもよい。
・可動部材41の内周壁43に径方向に突出するガイド片49を設けて、突出部48の表面にガイド片49を収容するガイド溝50を形成するようにしてもよい。
【0064】
・一対の接点部46間の距離が移動方向の後方側ほど短くなっていなくてもよい。例えば、一点の接点部46の先端を折り返さずに直線状に延ばして、一点の接点部46間の距離が抵抗体40の移動方向において一定になるようにしてもよい。この場合には、一対の接点部46間の距離を、一対の外部接続部36の厚さを含む突出部48の幅W3と略等しくすることにより、一対の接点部46と一対の外部接続部36とが接触し得るようにする必要がある。
【0065】
・放電装置35の構成は上述したものに限られない。例えば、
図9〜
図11に示すように変更してもよい。なお、
図9〜
図11において、上記実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して説明を省略する。
【0066】
図9に示すように、抵抗体40の可動部材41には、外周壁から径方向に突出して、同可動部材41の移動方向(
図9の奥行き方向)に延びる係止部61が設けられている。一方、同可動部材41が収容されるケース37には、可動室38を区画する内周壁53における係止部61と対向する位置に、係止部61と略同形であって、可動部材41の移動方向に延びる係止溝62が形成されている。係止溝62には係止部61が収容されており、係止溝62と係止部61との係合によってケース37と可動部材41との相対回動が規制されている。なお、係止部61は係止溝62内で摺動可能になっている。
【0067】
こうした構成によれば、ケース37と抵抗体40との相対回動を一層規制することができる。
また、
図10に示すように、放電装置70では、抵抗体71の一対の接点部72が可動部材73の外周側に配設されている点が上記実施形態と異なっている。
【0068】
図10に示すように、抵抗体71の直径は、可動室38の直径よりも小さく、抵抗体71の外周壁74とケース37の内周壁53との間には隙間が形成されている。抵抗体71の導通部材42は、一対の接点部72が可動部材73の外周壁74から外周側に突出した状態、すなわち上記隙間に露出した状態で連結部47が可動部材73に埋め込まれている。なお、一対の接点部72は、抵抗体71の径方向に延びている。
【0069】
一方、ケースの内周壁53には、周方向において一対の接点部72が位置している領域に、抵抗体71の移動方向に延びる一対の外部接続部75が配設されている。
こうした構成によれば、
図10に示すように、電子制御装置22から作動信号が入力されていない時には一対の接点部72と一対の外部接続部75とが接触しない状態で抵抗体71が保持される。
【0070】
一方、車両10の衝突が検知されると、
図11に示すように、ガス発生部39から発生するガスによって抵抗体71が移動して一対の接点部72と一対の外部接続部75とが接触する。その結果、導通部材42を介して一対の外部接続部75が接続されて、電気回路19には抵抗体71とコンデンサ31とを含む閉回路が形成される。したがって、こうした構成によっても、コンデンサ31に蓄えられている電荷を強制的に放電することができる。
【0071】
また、
図12に示すように、放電装置80は、抵抗体81の直径が可動室38の直径よりも小さく、抵抗体81の外周壁82とケース37の内周壁53との間に隙間が形成されている。導通部材83の連結部84は、上記実施形態のように可動部材85に埋め込まれてはおらず、可動部材85の外周壁82に沿って筒状に巻かれている。すなわち、連結部84は、抵抗体81と内周壁53との隙間に配設されている。導通部材83の一対の接点部86は、連結部84から可動部材85の上端に沿って延びるとともに、その先端部が可動部材85の内周壁43に沿って延びて内孔44に位置している。したがって、導通部材83は、可動部材85から全体が外部に露出した状態で同可動部材85に固定されている。
【0072】
こうした構成によれば、連結部84の直径が可動部材85の内部に埋め込まれた場合に比して大きくなるため、同連結部84の長さを長くして抵抗を一層大きくすることができる。その結果、抵抗体81に流れる電流が一層抑えられる。また、一対の接点部86が可動部材85の内孔44に配設されているため、同一対の接点部86が可動部材85の外周壁82側に設ける場合に比べて、可動室38を小さくすることができる。したがって、こうした構成によっても、放電装置80の小型化を図ることができる。
【0073】
また、連結部及び一対の接点部を共に可動部材とケース37の内周壁53との間に配設した放電装置を採用してもよい。こうした構成であっても、導通部材の一対の接点部間を連結する連結部が巻き線になるため、導通部材の抵抗を高くしつつ抵抗体の体格が大型化することを抑えることができる。また、抵抗体を突入電流を抑えるインダクタとして機能させることができる。したがって、こうした構成によっても上記(1)と同様の効果を得ることはできる。
【0074】
・突出部48に設けられた一対のガイド片49は互いに反対方向に突出していなくてもよい。また、一対のガイド片49の少なくとも一方を省略してもよい。なお、ガイド片49を省略した場合には、同ガイド片49を収容するガイド溝50を省略することができる。
【0075】
・可動部材41、73は筒状に限られない。例えば、円柱状であってもよいし、直方体状であってもよい。
・導通部材42の一部が可動部材41,73から露出していても良い。
【0076】
・導通部材42を介して一対の外部接続部36,75を接続することができ、導通部材42の巻き線が短絡しないのであれば、可動部材41,73を絶縁材料によって構成しなくてもよい。
【0077】
・連結部47の一部のみが巻き線になっていてもよい。
・放電装置35,70が設けられる車両10はハイブリッド車両に限らない。例えば、電気自動車であってもよい。