(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技の進行を制御するメイン制御手段60と、演出の出力を制御するサブ制御手段70とを備える。
メイン制御手段60は、役の抽選、リール31の駆動制御、入賞時の払出し等を制御する。メイン制御手段60は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0009】
また、サブ制御手段70は、演出の選択・出力、ART遊技の抽選(決定)、ストップスイッチ42の報知の指令等を制御する。サブ制御手段70は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、上記メイン制御基板と同様に、演算等を行うCPU、演出の出力に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、メイン制御基板とサブ制御基板は、別体で構成されるとともに、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、遊技に関する情報(遊技結果等)を送信可能なように両者が電気的に接続されている。
【0010】
図1に示すように、メイン制御手段60の入力側(
図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態でのベットスイッチ40は、max投入専用のスイッチであり、遊技者は、いずれの遊技状態においても、常に最大枚数のメダルを投入して遊技を行うようになっている。
なお、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
【0011】
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0012】
メイン制御手段60の出力側(
図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0013】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。
図2では、図柄番号を併せて図示している。
図2に示すように、本実施形態では、各リール31は、21コマに等分割され、各コマに所定の図柄が表示されている。
【0014】
なお、
図2に示すように、本実施形態では、特別役を意味する図柄として「7」及び「BAR」を備え、「7」は、「赤7」及び「黄7」を備えている。
また、「スイカ」は、類似(近似)する図柄である「スイカA」と「スイカB」とを備える。さらにまた、「リプレイ」は、互いに類似する図柄である「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」を備える。
これに対し、「ベル」及び「チェリー」はそれぞれ1種類である。
【0015】
また、
図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。なお、各図柄の右下の数字は図柄番号を示している。
【0016】
なお、本明細書では、
図3中、左及び中リール31の「ベル」、及び右リール31の「赤7」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左リール31の「リプレイC」、中リール31の「赤7」、及び右リール31の「スイカB」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「赤7」、中及び右リール31の「チェリー」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
【0017】
さらにまた、
図3に示すように、表示窓11から見える9個の図柄に対し、有効ラインが設定されている。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せラインであり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。本実施形態では、
図3に示すように、水平方向中段の有効ライン(1本)のみが定められ、他の図柄組合せラインは、全て無効ラインとなっている。
【0018】
例えば、
図3中、各リール31の上段を通過する図柄組合せラインや、左リール31の下段、中リール31の中段、及び右リール31の上段を通過する図柄組合せラインも考えられるが、このようなラインは、本実施形態では無効ラインとなっている。無効ラインは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0019】
また、従来より、メダルの投入枚数に応じて有効ライン数が異なるスロットマシンが知られている。例えば、メダル投入枚数が1枚のときは有効ラインは1本、メダル投入枚数が2枚のときは有効ライン数は3本、メダル投入枚数が3枚のときは有効ライン数は5本に設定すること等が挙げられる。これに対し、本実施形態では、遊技中は、3枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、すべての遊技において、常に水平方向中段の1本のみが有効ラインとなる。
【0020】
さらに、
図1において、サブ制御手段70の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0021】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、ドットディスプレイ、有機ELディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や、ストップスイッチ42の押し順等を表示するものである。
【0022】
図4〜
図6は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
図4〜
図6に示すように、役としては、大別して、特別役、リプレイ、及び小役が設けられている。なお、
図6中、「特定図柄」は、役自体ではい(その詳細については後述する)。
【0023】
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。ただし、特別役の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイは、メダルが自動投入される。さらに、小役においては、特別遊技を除く通常遊技での払出し枚数と特別遊技での払出し枚数とが異なる役を有する。この場合、かっこ書きの前に通常遊技中の払出し枚数を示し、かっこ書きで特別遊技中の払出し枚数を示している。
例えばベルAでは、「9枚(12枚)」とあるのは、通常遊技中の払出し枚数は9枚であり、特別遊技中は12枚という意味である。他の小役についても同様である。
また、役に対応する図柄の組合せは、1種類だけ設けてもよいし(たとえばベルL)、複数種類設けてもよい(たとえばベルA〜K)。
【0024】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、
図4に示すように、特別役として、1BB(第1種ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)が設けられている。1BBは、1BB−A〜1BB−Gまでの7種類を有し、RBは、RB−A及びRB−Bの2種類を有する。
なお、他の特別役としては、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナス(2BB)ともいう。)やSB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
【0025】
1BB−A〜1BB−Gがそれぞれ入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つである1BB遊技に移行する。どの1BBが入賞したかによって1BB遊技の種類が異なるが、その点については後述する。
また、RB−A又はRB−Bが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つであるRB遊技に移行する。
1BB遊技やRB遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。なお、1BB−A〜1BB−G、及びRB−A、RB−Bは、それぞれ別個の役(後述する当選フラグ63aが別)である。
【0026】
また、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した(メダルを自動投入する)再遊技を行うことができる役である。本実施形態では、リプレイとして、リプレイA〜Hの8種類を備える。なお、リプレイF、G、Hは、後述する遊技状態を移行させるための役として用いられる。
そして、
図4に示すように、リプレイA〜Hのうち、リプレイAについては、すべて「リプレイA」、「リプレイB」又は「リプレイC」からなる。
【0027】
なお、
図4中、「リプレイA/B/C」とあるのは、「リプレイA」、「リプレイB」又は「リプレイC」を意味する。同様に、「スイカA/B」とあるのは、「スイカA」又は「スイカB」を意味する。他の「/」についても、いずれの図柄でもよいこと(「又は」)を意味する。
【0028】
したがって、たとえばリプレイAについては、中リール31は「リプレイA」の1種類であるが、左及び右リール31はそれぞれ「リプレイA」〜「リプレイC」の3種類のうちいずれでもよいので、リプレイAの図柄の組合せは6通りある。
なお、
図2に示すように、中リール31では、リプレイの図柄は「リプレイA」のみが設けられており、左及び右リール31では、リプレイの図柄は「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」の3種類が設けられている。
【0029】
小役は、
図5に示す12種類のベル(ベルA〜ベルL)と、
図6に示すスイカ、4種類の特殊(特殊A〜特殊D)、3種類のチェリー(チェリーA〜チェリーC)を備える。
図5に示すように、ベルA〜ベルIについては、左及び右リール31の図柄は、「リプレイA」、「リプレイB」、又は「リプレイC」のいずれかに設定されている。
【0030】
また、ベルJの図柄の組合せは、「リプレイA/B/C」−「ベル」−「チェリー」である。
ここで、左リール31について中段に「リプレイA/B/C」を停止させたときは、上段に「ベル」を停止させることができる。
また、右リール31について中段に「チェリー」を停止させたときは、常に下段に「ベル」を停止させることができる。よって、ベルJを入賞させるときは、常に、右下がりラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させることができる。
【0031】
また、スイカについては、「ベル」−「スイカA/B」−「赤7/BAR」を有効ラインに停止させたときは、右下がりラインに、「スイカA/B」−「スイカA/B」−「スイカA/B」を停止させることができる。
さらにまた、チェリーAの入賞時において、左リール31の停止時に「赤7」又は「スイカB」が中段に停止すると、それぞれ下段又は上段に「チェリー」が停止する。そして、中リール31の中段に「チェリー」が停止したときは、右上がりライン又は右下がりラインに「チェリー」−「チェリー」−「ANY」(2連チェリー)となる。
【0032】
さらに、右リール31については、中段に「スイカA/B」が停止すると、下段に「チェリー」が停止する。その結果、「赤7/スイカB」−「チェリー」−「スイカA/B」が有効ラインに停止すると、右下がりラインに「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」(3連チェリー)となる。ただし、右上がりラインに「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」となる場合はない。
【0033】
チェリーBの入賞時には、チェリーAと同様に、右上がりライン又は右下がりラインに「チェリー」−「チェリー」−「ANY」となる場合がある。さらに、有効ラインにチェリーBである「赤7」−「チェリー」−「ベル」が停止したときは、右上がりラインに「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」となる。
さらに、チェリーCの入賞時には、中段ライン(有効ライン)に、「チェリー」−「チェリー」−「ANY」、又は「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」となる場合がある。
【0034】
また、特定図柄は、特定図柄A〜Cの3種類を有する。特定図柄は、抽選される役自体ではないが、後述する複合ベルの取りこぼし時に出現する停止出目である。特定図柄は、遊技状態を移行する契機となる停止出目となる場合がある。
【0035】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役は、特別役(1BB及びRB)である。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0036】
一方、特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の役(リプレイ、小役)は持ち越されない。役の抽選において、リプレイ又は小役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0037】
なお、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0038】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0039】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
【0040】
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、当該遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0041】
次に、メイン制御手段60の具体的構成について説明する。
図1に示すように、メイン制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、メイン制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0042】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、リプレイ、及び小役)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、たとえば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0043】
乱数発生手段は、所定の領域(たとえば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0044】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。たとえば、抽出した乱数値が1BB−Aの当選領域に属する場合は、1BB−Aの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0045】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられ、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
また、本実施形態の「遊技状態」としては、
図19に示すように、非RT遊技、RT2遊技、RT3遊技、RT4遊技、RT1遊技、1BB遊技、RB遊技を備え、これら遊技状態ことに役抽選テーブル62が設けられている。
【0046】
上記遊技状態においては、通常遊技と特別遊技とを備え、特別遊技は、1BB遊技及びRB遊技である。これに対し、非RT遊技、RT2遊技、RT3遊技、RT4遊技、RT1遊技は、いずれも通常遊技(特別遊技以外の遊技)である。さらに、RT1遊技は、特別役に当選した後の内部中遊技である。これに対し、非RT遊技、RT2遊技、RT3遊技、RT4遊技は、いずれも非内部中遊技である。
【0047】
図7〜
図13は、各遊技状態で抽選される当選の種類を示す図である。
まず、
図7は、特別役について示している。特別役は、上述のように、7種類の1BBと2種類のRBとを備え、通常遊技の非内部中で抽選される。いずれかの特別役に当選し、内部中遊技となったときは、特別役の抽選は行われない。
また、
図7(本実施形態)では、いずれも特別役も、単独当選のみが設けられている。しかし、これに限らず、スイカ、チェリー、特殊等のレア小役と特別役とが重複当選するように設定することも可能である。
【0048】
図8は、リプレイの当選のうち、リプレイA〜E群を示している。ここで、リプレイA〜E群とは、当選役の中にリプレイA〜E(これら5種類のリプレイ)を常に含む場合である。
そして、リプレイA〜Eは、リプレイA、B、C、D、Eの5つのリプレイの重複当選(当該遊技における同時当選)である。同様に、リプレイA〜Fは、リプレイA、B、C、D、E、Fの6つの重複当選である。リプレイA〜Gは、リプレイA〜Gの7つの重複当選、リプレイA〜Hの8つの重複当選である。
【0049】
図9は、リプレイの当選のうち、リプレイFH群、及びリプレイCEF群を示している。リプレイFH群は、当選役の中にリプレイF及びHの2つを常に含むものであり、リプレイCEF群は、当選役の中にリプレイC、E、Fの3つを常に含むものである。
リプレイFH群は、リプレイFH〜リプレイCFHの4種類を有する。また、リプレイCEF群は、リプレイCEF〜リプレイCDEFの4種類を有する。
【0050】
図10〜
図12は、複合ベルの当選を示すものである。複合ベルとは、2つのベル及び少なくとも1つの特殊を含む当選であり、
図10の複合ベルX1〜X9、
図11の複合ベルY1〜Y9、
図12の複合ベルZ1〜Z9を備える。
また、複合ベルX1〜X9は、ストップスイッチ42の正解押し順が左第一停止に設定されているものであり、複合ベルY1〜Y9は、正解押し順が中第一停止に設定されているものであり、複合ベルZ1〜Z9は、正解押し順が右第一停止に設定されているものである。
【0051】
図10において、複合ベルX1〜X9は、いずれも、ベルJ及び特殊Bを含む当選である。そして、複合ベルX1〜X9には、それぞれベルA〜ベルIの当選が割り当てられている。
また、
図11において、複合ベルY1〜Y9は、いずれも、ベルL及び特殊Dを含む当選である。そして、複合ベルY1〜Y9には、それぞれベルA〜ベルIの当選が割り当てられている。
さらにまた、
図12において、複合ベルZ1〜Z9は、ベルL、並びに特殊C及び特殊Dを含む当選である。そして、複合ベルZ1〜Z9には、それぞれベルA〜ベルIの当選が割り当てられている。
【0052】
さらにまた、
図13において、ベルKLは、ベルK及びベルLの重複当選である。
さらに、本実施形態では、特殊については、特殊A〜特殊Cの各単独当選が設けられている。なお、特殊Dは、単独当選せずに、以下に示すチェリーとの重複当選を有する。
【0053】
チェリーは、チェリーA(単独当選)、チェリーAB(チェリーA及びチェリーBの重複当選)、複合チェリー(チェリーCと特殊Dとの重複当選)を有する。
【0054】
以上の各当選において、より具体的な当選確率については説明を省略するが、概要としては、以下の通りである。
まず、特別役は、非RT遊技、RT2遊技、RT3遊技、RT4遊技で抽選される。
【0055】
さらにまた、RT1遊技、RT4遊技、特別遊技では、リプレイについては、リプレイA〜E群のみを抽選する。さらに、RT3遊技及びRT4遊技では、リプレイの合算の当選確率は、約1/1.5程度(高確率)に設定される。これにより、RT3遊技及びRT4遊技では、リプレイが高確率で当選する遊技状態となり、遊技の進行に伴ってメダル所有枚数が徐々に増加する遊技状態、メダル所有枚数が遊技の進行によってもほぼ現状維持される遊技状態、又は遊技の進行によってもメダル所有枚数があまり減らない遊技状態となる。
【0056】
特に、RT3遊技やRT4遊技では、詳細は後述するが、複合ベル当選時に、正解押し順(最も有利なストップスイッチ42の押し順)が報知され、複合ベル当選時のベルの入賞確率がリプレイの当選確率とともに同時に高くなるように設定され(後述するART遊技)、遊技の進行に伴ってメダル所有枚数が徐々に増加する遊技状態となる。
【0057】
また、複合ベルについては、全体の当選確率をPとすると、複合ベルX、複合ベルY、複合ベルZがそれぞれ「1/3×P」に設定される。
さらに、各複合ベルX、Y、Zのうち、「1」〜「9」がそれぞれ1/9ずつ割り当てられる。具体的には、例えば複合ベルX1の当選確率は、「1/9×1/3×P」となる。
【0058】
なお、スロットマシン10では、出玉率を定めるための設定値が設けられており、複数の設定値(本実施形態では、設定1〜設定6の6段階)の中からいずれか1つの設定値が設定される。そして、設定値が高いほど、1BB及びRBの当選確率が高く設定されている。
【0059】
説明を
図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、すべての役について、各役ごとに当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選においていずれかの当選となったときは、当該当選に対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。
【0060】
たとえば、リプレイA〜Hに当選したときは、リプレイA〜H(合計8個)に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフとなる。
また、例えば複合ベルX1に当選したときは、ベルA、ベルJ、特殊Bの3つの当選フラグ63aがオンとなる。
【0061】
さらに、上述したように、特別役以外の小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役又はリプレイに当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、1BB及びRBの当選は持ち越されるので、当該遊技でこれらの特別役に当選し、当選した特別役に係る当選フラグ63aが一旦オンになったときは、その特別役が入賞するまでオンの状態が維持され、その特別役が入賞した時点でオフにされる。
【0062】
また、たとえば役抽選手段61で1BB−Aに当選し、当該遊技で1BB−Aが入賞しなかった場合において、次遊技(内部中)で複合ベルX1に当選したときは、前遊技で当選した1BB−A、及び当該遊技で当選したベルA、ベルJ、及び特殊Bの当選フラグ63aがオンにされる。そして、この遊技で1BB−Aが入賞しなかったときは、1BB−Aの当選フラグ63aのオンの状態は維持される。これに対し、当該遊技での遊技結果(入賞/非入賞)にかかわらず、当該遊技の終了時にベルA、ベルJ、特殊Bに係る当選フラグ63aはオフにされる。
【0063】
図1において、リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0064】
たとえば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0065】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間又はリール31の回転量(移動コマ(図柄)数)の範囲内を意味する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、ストップスイッチ42が操作された場合には、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が4コマに設定されている。
【0066】
そして、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間に、リール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが所定の有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が所定の有効ラインに停止するように制御される。
【0067】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
【0068】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
【0069】
さらに、複数の役に当選している遊技では、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する図柄の引込み停止制御を行い、当該遊技で当選している役に係る図柄であっても、蹴飛ばし停止制御を行う場合がある。
【0070】
さらに、リール制御手段64は、ストップスイッチ42の押し順(操作順番)を検出する押し順検出手段64aを備える。押し順検出手段64aは、遊技者によりストップスイッチ42が操作されたときに、左、中、及び右ストップスイッチ42のうち、いずれが操作されたかを検出する。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力される。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
【0071】
さらに、本実施形態では、通常遊技(非ART遊技)時は、最初に操作すべき(第一停止の)ストップスイッチ42は、左又は中と定めており、右第一停止の場合には後述するペナルティを課す。なお、押し順報知が行われた場合において、その報知内容が右第一停止であるときはペナルティを課すことはない。このため、遊技者は、押し順報知なし時には、左又は中第一停止としてストップスイッチ42を操作することとなる。
【0072】
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段61による役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブル65には、たとえば0番の図柄(左リール31であれば「スイカA」)が中段(有効ライン)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を中段に停止させる、というように停止位置が事前に定められている。
【0073】
停止位置決定テーブル65は、以下のものを備える。
1BB−Aテーブルは、1BB−Aの当選フラグ63aのみがオンであるとき、すなわち当該遊技で1BB−Aに当選したとき、又は当該遊技以前に1BB−Aに当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、1BB−Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、1BB−A以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0074】
本実施形態では、1BB−Aに係る図柄は、すべてのリール31において「黄7」である。さらに、「黄7」は、左リール31では2連、中及び右リール31には各1個ずつ設けられている。したがって、遊技者は、「黄7」が有効ラインに停止するように目押しをしなければ、確実に「黄7」を有効ラインに停止させることはできない。
【0075】
ここで、上記のように、適切なリール31の位置(操作タイミング)でストップスイッチ42を操作しなければ、対象となる図柄を有効ラインに停止させる(有効ラインまで引き込む)ことができないことを、「PB(引込み率)≠1」と称する。
これに対し、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても(ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず)、対象となる図柄を常に有効ラインに停止させる(引き込む)ことができることを、「PB=1」と称する。
【0076】
そして、「PB=1」は、その役について、すなわち全リール31がそのようになっている場合と、特定の(一部の)リール31についてそのようになっている場合とを有する。
上述したように、本実施形態では、最大移動コマ数は「4」であるので、5図柄以内の間隔で対象図柄が配列されているときは、「PB=1」となり、5図柄を超える間隔で配列されているときは、「PB≠1」となる。
【0077】
また、1BB−Bテーブル、1BB−Cテーブル、1BB−Dテーブル、1BB−Eテーブル、1BB−Fテーブル、1BB−Gテーブル、RB−Aテーブル、RB−Bテーブルについても、1BB−Aテーブルと同様である。1BB−Bテーブル、1BB−Cテーブル、1BB−Dテーブル、1BB−Eテーブル、1BB−Fテーブル、1BB−Gテーブル、RB−Aテーブル、RB−Bテーブルは、それぞれ、1BB−Aテーブル中、「1BB−A」を、それぞれ「1BB−B」、「1BB−C」、「1BB−D」、「1BB−E」、「1BB−F」、「1BB−G」、「RB−A」、「RB−B」と読み替えたものに相当する。
【0078】
図4に示すように、1BB及びRBは、いずれも、少なくとも中リール31は「赤7」又は「黄7」の図柄を含むものである。そして、1BB−A、1BB−B、1BB−E、1BB−Gについては、すべて、「赤7」又は「黄7」の図柄の組合せからなる。
これに対し、1BB−C、1BB−D、1BB−F、RB−A、RB−Bは、中リール31の図柄が「赤7」又は「黄7」であるが、左及び右リール31の図柄は、「赤7」又は「黄7」ではない。
ただし、1BB−C、1BB−D、1BB−F、RB−A、RB−Bは、入賞時には、無効ラインであるが一直線状のラインに「赤7」、「黄7」、又は「BAR」が揃うように設定されている。
【0079】
図3では、1BB−C入賞時の停止態様を示している。たとえば1BB−Cでは、左リール31の停止時に、中段に14番の「リプレイC」が停止したとき(左リール31では、「リプレイC」は14番のみに設けられている)、下段には13番の「赤7」が停止する。また、右リール31の停止時に、中段に18番の「スイカB」が停止したとき(右リール31では、「スイカB」は18番のみに設けられている)、上段には19番の「赤7」が停止する。その結果、1BB−Cの入賞時には、有効ラインである中段ラインには「リプレイC」−「赤7」−「スイカB」が停止するが、斜め右上がりのラインには、「赤7」−「赤7」−「赤7」が停止する。
【0080】
以上は、1BB−D、1BB−F、RB−A、RB−Bについても同様である。
1BB−Dの入賞時には、左リール31では、12番の「チェリー」付近を目押しすれば、左リール31の停止時には上段に「赤7」が停止し、右リール31の停止時には下段に「赤7」が停止するので、斜め右下がりの直線ラインには、「赤7」−「赤7」−「赤7」が停止する。
また、1BB−Fの入賞時には、左リール31の下段に「黄7」が停止し、右リール31の上段に「赤7」が停止するので、斜め右上がりのラインには、「黄7」−「黄7」−「赤7」が停止する。
【0081】
さらにまた、RB−Aの入賞時には、左リール31の下段に「黄7」が停止し、右リール31の上段に「BAR」が停止するので、斜め右上がりのラインには、「黄7」−「黄7」−「BAR」が停止する。
さらに、RB−Bの入賞時には、左リール31の下段に「赤7」が停止し、右リール31の上段に「BAR」が停止するので、斜め右上がりのラインには、「赤7」−「赤7」−「BAR」が停止する。
【0082】
このため、特別役に当選し、内部中遊技となった場合において、当選した特別役に係る図柄の組合せを遊技者に報知するときは、「黄7」、「赤7」又は「BAR」の組合せを報知する。
たとえば1BB−Cの内部中遊技では、遊技者に対し、「右上がりラインに「赤7」−「赤7」−「赤7」を狙え!」と報知する。
そして、遊技者が各リール31の「赤7」を狙って目押しをすると、
図3に示すように、右上がりラインに「赤7」−「赤7」−「赤7」が停止する。このとき、実際の有効ライン(中段)には、「リプレイC」−「赤7」−「スイカB」が停止するが、遊技者から見れば、「赤7」揃いが停止したと認識する。
また、右上がりラインに「赤7」を狙うべきことを報知することによって、より確実に「赤7」を所定位置(たとえば右リール31であれば上段)に停止させることができる。たとえば、1BB−Cの内部中遊技において、「赤7」揃いを狙うことだけを報知したときに、仮に遊技者が第一停止として右リール31の下段に「赤7」を狙ったときは、実際に有効ラインに停止させる必要がある「スイカB」を停止させることができず、遊技者に損をさせることとなる。
本実施形態では、実際には中段の1ラインが有効ラインであるが、そのような遊技設定を理解していない遊技者にとっては、狙うべきラインまで報知することで、特別役に係る図柄をより確実に停止させることが可能となる。
【0083】
次に、リプレイ及び小役に係る停止位置決定テーブル65について説明する。なお、以下の停止位置決定テーブル65は、特別役の当選を持ち越していないとき(非内部中)のものであり、特別役の当選を持ち越している場合については、さらに後述する。
リプレイA〜Eテーブルは、リプレイA〜Eの当選時(リプレイA〜Eの当選フラグ63aオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、リプレイA〜Eのいずれかを入賞させるとともに、リプレイA〜E以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0084】
図8では、リプレイA〜E当選時の入賞態様について示している。リプレイA〜E当選時には、ストップスイッチ42の押し順や操作タイミングによって入賞役が異なるように設定され、特に限定されるものではないが、たとえば順押し時には、リプレイAを入賞させることが挙げられる。
【0085】
なお、左及び右リール31においては、5図柄以内の間隔で、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」の少なくとも1つが配置されている。また、中リール31については、5図柄以内の間隔で「リプレイA」が配置されている。したがって、リプレイAについては、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず、リプレイAを常に入賞させることができる(PB=1)。
【0086】
図4に示すように、リプレイBの中リール31の図柄は、「ベル」である。ここで、
図2に示すように、中リール31では、「ベル」の図柄の1つ上の図柄は常に「リプレイA」に設定されている。このため、中リール31の停止時に中段に「ベル」を停止させたときは、上段には常に「リプレイA」が停止する。
【0087】
また、リプレイBの左リール31の図柄は、「黄7」又は「スイカA」に設定されている。そして、8番の「黄7」の1つ上の9番の図柄は「リプレイB」であり、0番、3番、又は18番の「スイカA」の1つ上の図柄は「リプレイA」である。よって、左リール31の停止時に0番、3番、8番、又は18番の図柄を中段に停止させると、上段には「リプレイA」又は「リプレイB」が停止する。リプレイDの左リール31についても同様である。
【0088】
さらにまた、リプレイBの右リール31の図柄は、「黄7」、「赤7」、「BAR」又は「チェリー」である。そして、3番の「BAR」、8番の「黄7」、11番若しくは14番の「チェリー」、又は19番の「赤7」のそれぞれ1つ上の図柄は「リプレイA」、「リプレイB」、又は「リプレイC」のいずれかである。
【0089】
以上より、リプレイBを入賞させるときは、中リール31については中段にいずれかの「ベル」を停止させると、上段には常に「リプレイA」が停止する。そして、中リール31の「ベル」の図柄については、5図柄以内の間隔で配置されているので、中ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず、常に、中リール31の停止時には中段に「ベル」を停止させることができる。よって、上段には常に「リプレイA」を停止させることができる。
【0090】
また、左リール31については、0番、3番、8番又は18番の図柄を停止させたときは、上段に「リプレイA」又は「リプレイB」を停止させることができる。
同様に、右リール31については、3番、8番、11番、14番又は19番の図柄を中段に停止させると、上段には「リプレイA」、「リプレイB」、又は「リプレイC」のいずれかを停止させることができる。
これにより、リプレイBの入賞時には、上段ラインに「リプレイA/B」−「リプレイA」−「リプレイA/B/C」を停止させることができる。
【0091】
さらにまた、リプレイCの左リール31の図柄は、「ベル」に設定されている。そして、左リール31の「ベル」の図柄(2番、5番、10番、15番、又は20番)を中段に停止させたとき、その1つ下の下段には、「リプレイA」、「リプレイB」又は「リプレイC」が停止する。リプレイE、F、Hの左リール31についても同様である。
【0092】
また、リプレイCの中リール31の図柄は、「スイカA」又は「スイカB」である。そして、中リール31の「スイカA」又は「スイカB」の図柄を中段に停止させたとき、その1つ下の下段には、「リプレイA」が停止する。リプレイGの中リール31についても同様である。
さらにまた、リプレイCの右リール31の図柄は、「ベル」である。そして、右リール31の「ベル」の図柄を中段に停止させたとき、その1つ下の下段には、「リプレイA」、「リプレイB」又は「リプレイC」が停止する。リプレイD、Hの右リール31についても同様である。
以上より、リプレイCを入賞させたときは、下段ラインに「リプレイA/B/C」−「リプレイA」−「リプレイA/B/C」を停止させることができる。
【0093】
リプレイDについては、左リール31はリプレイBと同じであり、右リール31はリプレイCと同じである。よって、リプレイDの入賞時には左リール31の上段にリプレイA/B」を停止させることができ、右リール31の下段に「リプレイA/B/C」を停止させることができる。よって、リプレイDの入賞時には、右下がりラインに「リプレイA/B」−「リプレイA」−「リプレイA/B/C」を停止させることができる。
【0094】
リプレイEについては、左リール31はリプレイCと同じであり、右リール31はリプレイBと同じである。よって、リプレイEの入賞時には左リール31の下段に「リプレイA/B/C」を停止させることができ、右リール31の上段に「リプレイA/B/C」を停止させることができる。よって、リプレイEの入賞時には、右上がりラインに「リプレイA/B/C」−「リプレイA」−「リプレイA/B/C」を停止させることができる。
【0095】
リプレイA〜Fテーブルは、リプレイA〜Fの当選時(リプレイA〜Fの当選フラグ63aオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、右第一停止時にはリプレイFを入賞させ、左又は中第一停止時にはリプレイA〜Eのいずれかを入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0096】
リプレイFの図柄の組合せは、
図4に示すように、「ベル」−「ベル」−「チェリー」であるが、左及び中リール31の「ベル」、並びに右リールの「チェリー」は、いずれも、それぞれ5図柄以内の間隔で配置されているので、リール制御手段64は、常に、リプレイFを入賞させることができる。
【0097】
リプレイA〜Gテーブルは、リプレイA〜Gの当選時(リプレイA〜Gの当選フラグ63aオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、押し順が右左中であるときはリプレイGを入賞させ、押し順が右中左であるときはリプレイFを入賞させ、これら以外の押し順であるときはリプレイA〜Eのいずれかを入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0098】
ここで、リプレイGは、
図4に示すように、「スイカA/B」−「スイカA/B」−「チェリー」であるが、左及び中リール31には、5図柄以内の間隔で、「スイカA」又は「スイカB」のいずれかが配置されている。右リール31の「チェリー」は上述のリプレイFと同様である。これにより、リール制御手段64は、常に、リプレイGを入賞させることができる。
【0099】
また、リプレイGの入賞時には、左リール31については、18番の「スイカA」以外の「スイカA/B」を停止させるように制御する。ここで、16番の「スイカA」が中段を通過する直前に左ストップスイッチ42が操作されたときは16番の「スイカA」を中段に停止させることができる。さらに、17番の「BAR」が中段を通過する直前に左ストップスイッチ42が操作されたときは0番の「スイカA」を中段に停止させることができる。これにより、18番の「スイカA」を中段に停止させることなく、常に中段に「スイカA/B」を停止させることができる。
【0100】
さらにまた、中リール31の停止時に、「スイカA」又は「スイカB」を停止させたときは、下段には常に「リプレイA」を停止させることができる。
さらに、右リール31の停止時に、中段に「チェリー」を停止させるときは、7番の「チェリー」以外の「チェリー」を停止させるように制御する。ここで、6番の「チェリー」が中段を通過する直前に右ストップスイッチ42が操作されたときは6番の「チェリー」を中段に停止させることができる。
【0101】
さらに、7番の「チェリー」が中段を通過する直前に右ストップスイッチ42が操作されたときは11番の「チェリー」を中段に停止させることができる。これにより、7番の「チェリー」を中段に停止させることなく、常に中段に「チェリー」を停止させ、下段に「ベル」を停止させることができる。
以上より、リプレイGの停止時には、同時に下段ラインに「ベル」−「リプレイA」−「ベル」を停止させることができる。
【0102】
リプレイA〜Hテーブルは、リプレイA〜Hの当選時(リプレイA〜Hの当選フラグ63aオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、押し順が右中左であるときはリプレイGを入賞させ、押し順が右左中であるときはリプレイFを入賞させ、これら以外の押し順であるときはリプレイA〜Eのいずれかを入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
また、リプレイA〜G当選時と、リプレイA〜H当選時とでは、いずれも、右第一停止でリプレイG又はFが入賞するように制御されるが、リプレイG入賞時及びリプレイF入賞時の押し順が逆の関係となっている。
【0103】
さらに、リプレイFH群の各当選に対応する停止位置決定テーブルとして、リプレイFHテーブル、リプレイAFHテーブル、リプレイBFHテーブル、及びリプレイCFHテーブルが設けられている。
これらの停止位置決定テーブルは、所定の押し順でストップスイッチ42が操作されたときはリプレイHを入賞させ、その所定の押し順以外の押し順でストップスイッチ42が操作されたときはリプレイFを入賞させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
【0104】
図9に示すように、たとえば、リプレイFHテーブルの場合には、押し順が左中右であるときはリプレイHを入賞させ、左中右以外の押し順であるときはリプレイFを入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めている。
【0105】
ここで、リプレイHの図柄の組合せは、
図4に示すように「ベル」−「リプレイA」−「ベル」であるが、左リール31の停止時に中段に「ベル」を停止させると、下段には「リプレイA/B/C」が停止する。
同様に、右リール31の停止時に中段に「ベル」を停止させると、下段には「リプレイA/B/C」が停止する。
したがって、リプレイHの入賞時には、「下段」−「中段」−「下段」、すなわち小山形ラインに「リプレイA/B/C」−「リプレイA」−「リプレイA/B/C」が停止する。
【0106】
また、リプレイCEF群の各当選に対応する停止位置決定テーブルとして、リプレイCEFテーブル、リプレイACEFテーブル、リプレイBCEFテーブル、及びリプレイCDEFテーブルが設けられている。
これらの停止位置決定テーブルは、所定の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、リプレイF以外の当選したリプレイを入賞させ、その所定の押し順以外の押し順でストップスイッチ42が操作されたときはリプレイFを入賞させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
【0107】
たとえば、リプレイCEFテーブルでは、所定の押し順である左中右であるときは、当選役のうち、リプレイF以外のリプレイC又はEを入賞させ、所定の押し順以外の押し順であるときは、リプレイFを入賞させる。
【0108】
また、
図10〜
図12に示す複合ベルX(X1〜X9)、Y(Y1〜Y9)、Z(Z1〜Z9)の各当選時にそれぞれ対応する27個の停止位置決定テーブル65が設けられている。
そして、複合ベルX当選時は、左第一停止を正解押し順とし、中又は右第一停止を不正解押し順としている。また、複合ベルY当選時は、中第一停止を正解押し順とし、左又は右第一停止を不正解押し順としている。さらにまた、複合ベルZ当選時は、右第一停止を正解押し順とし、左又は中第一停止を不正解押し順としている。
なお、上述したように、押し順報知なし時の右第一停止は、ペナルティとなる。
【0109】
図10に示すように、複合ベルX1当選時は、当選役がベルA、ベルJ、特殊Bの3つであり、本実施形態では、複合ベル当選時は、特殊は入賞しない。
なお、複合ベル当選時の特殊は、本実施形態では常に(いかなる押し順でも)入賞しない役であるが、他の当選時には、入賞可能となる役である。たとえば複合ベルXの当選となったときは、特殊Bの当選を含むが、複合ベルX当選時には特殊Bが入賞する場合はない。これに対し、後述する特殊Bの単独当選時には、特殊Bが入賞する。したがって、複合ベルX〜Z当選時の特殊B〜Dは、単なる制御役だけのものではなく、他の当選時に入賞する役を利用したものである。
なお、特殊Bの単独当選時は、本実施形態では「PB=1」で入賞するが、「PB≠1」とすることも可能である。
【0110】
さらに、複合ベルXの当選には、ベルA〜Iのいずれか1つと、ベルJとを含むが、前者のベルA〜Iは、「PB≠1」であり、ベルJは、「PB=1」に設定されている。
たとえば左リール31において、「リプレイA」だけに着目すると、5図柄以内の間隔で配置されていない。「リプレイB」及び「リプレイC」のそれぞれについても同様である。ただし、5図柄以内の間隔で、「リプレイA/B/C」の少なくとも1つが配置されている。したがって、ベルJの左リール31の図柄は、「リプレイA/B/C」であるので、「PB=1」となる。
【0111】
また、たとえばベルA〜Iは、それぞれ3種類の図柄の組合せを有し、左及び右リール31は、「リプレイA」、「リプレイB」、又は「リプレイC」のいずれかである。さらに、中リール31については、「赤7」、「黄7」、「BAR/スイカA」のいずれかである。
ここで、右リール31において、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」は、それぞれ単体では5図柄以内の間隔で配置されていないが、5図柄以内の間隔で、「リプレイA/B/C」の少なくとも1つが配置されている。
また、中リール31において、「赤7」、「黄7」、「BAR/スイカA」は、それぞれ単体では5図柄以内の間隔で配置されていないが、5図柄以内の間隔で、「赤7」、「黄7」、「BAR/スイカA」の少なくとも1つが配置されている。
【0112】
したがって、たとえばベルAを入賞させようとしたとき、左第一停止時には、「PB=1」でベルAに係る図柄を有効ラインに停止させることができる。中又は右第一停止時も同様に「PB=1」である。
しかし、いずれか1つのリール31を停止させたとき、入賞可能となるベルAの図柄の組合せは、その時点で1種類に絞られる。たとえば、左リール31の停止時に「リプレイA」を有効ラインに停止させたときは、当該遊技で入賞可能となるベルAの図柄の組合せは、「リプレイA」−「黄7」−「リプレイA」だけとなる。よって、第二停止以降は、「PB≠1」となる。
以上は、ベルB〜Iについても同様であり、第一停止時は「PB=1」、第二及び第三停止時は「PB≠1」である。
【0113】
これに対し、ベルJ、K、Lは、いずれも全リール31について「PB=1」に設定されている。
上述したように、左及び右リール31については、常に有効ラインに「リプレイA/B/C」のいずれか1つを停止させることができる。
また、左、中、右リール31については、常に有効ラインに「ベル」を停止させることができる。
さらにまた、左リール31については、常に有効ラインに「スイカA/B」を停止させることができる。
さらに、右リール31については、常に有効ラインに「チェリー」を停止させることができる。
【0114】
さらに、左リール31については、常に、中段(有効ライン)に「スイカA/B」を停止させ、同時に下段に「ベル」を停止させることができる。
ここで、左リール31の停止時に、18番の「スイカA」を中段に停止させると、下段には17番の「BAR」が停止するので、下段には「ベル」が停止しない。
【0115】
しかし、16番の「スイカA」を中段に停止させると下段には15番の「ベル」が停止する。また、17番の「BAR」が中段(有効ライン)に位置する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されたときは、その位置から4コマ移動制御して、0番の「スイカA」を中段に停止させることができる。このとき、下段には20番の「ベル」が停止する。よって、18番の「スイカA」を中段に停止させることなく、常に、中段に「スイカA/B」を停止させ、同時に下段に「ベル」を停止させることができる。
【0116】
また、右リール31については、常に、中段(有効ライン)に「チェリー」を停止させ、同時に下段に「ベル」を停止させることができる。
ここで、右リール31の停止時に、7番の「チェリー」を中段に停止させると、下段には6番の「チェリー」が停止するので、下段には「ベル」が停止しない。
【0117】
しかし、6番の「チェリー」を中段に停止させると下段には5番の「ベル」が停止する。また、7番の「チェリー」が中段(有効ライン)に位置する瞬間に右ストップスイッチ42が操作されたときは、その位置から4コマ移動制御して、11番の「チェリー」を中段に停止させることができる。このとき、下段には10番の「ベル」が停止する。よって、7番の「チェリー」を中段に停止させることなく、常に、中段に「チェリー」を停止させ、同時に下段に「ベル」を停止させることができる。
【0118】
複合ベルX1〜X9当選時は、左第一停止時にはベルJを入賞させ、中又は右第一停止時にはベルJ以外の当選したベル(たとえば、複合ベルX1のときはベルA)を入賞可能に制御する。
ここで、複数の役が同時に当選(重複当選)している場合のリール31を停止制御するときの方法として、「枚数優先」と「個数優先」とが挙げられる。
「枚数優先」とは、重複当選している役のうち、払出し枚数の最も多い役に係る図柄を優先して有効ラインに停止させる(引き込む)ように停止制御するものである。
一方、「個数優先」とは、リール31の停止時に、その図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能性を有する役の数が最も多くなるように、リール31を停止制御するものである。
【0119】
本実施形態では、複合ベルXの当選時は、9枚役のベルA〜Iのいずれか1つ、9枚役のベルJ、及び1枚役の特殊Bの重複当選となる。
同様に、複合ベルYの当選時は、9枚役のベルA〜Iのいずれか1つ、9枚役のベルL、及び1枚役の特殊Dの重複当選となる。
さらに同様に、複合ベルZの当選時は、9枚役のベルA〜Iのいずれか1つ、9枚役のベルL、及び各1枚役である特殊C及びDの重複当選となる。
【0120】
たとえば、複合ベルX1の当選時には、当選役は、ベルA(9枚)、ベルJ(9枚)、特殊B(1枚)となる。
このため、複合ベル当選時には、まず、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、枚数優先により、ベルの入賞を優先するように制御する。
【0121】
たとえば、複合ベルX1当選時に、左第一停止(押し順正解)時には、ベルJを入賞させるように制御する。なお、この場合の第二停止以降は不問であり、左中右又は左右中のいずれであってもベルJを入賞させる。
複合ベルX1当選時に、最初に左リール31を停止させるときは、中段に「リプレイA」、「リプレイB」、又は「リプレイC」のいずれかを停止させる。左第一停止時においては、ベルAの左リール31の図柄と、ベルJの左リール31の図柄とは同一となるので、左第一停止時に、中段に「リプレイA」、「リプレイB」、又は「リプレイC」のいずれかを停止させれば、ベルA及びベルJの双方の図柄を有効ラインに停止させたことになる。
【0122】
これに対し、左リール31の停止前に他のリール31が停止しているときは、上記のようにはならない。たとえば、中リール31がすでに停止しており、中リール31の中段に「黄7」が停止していれば、そのときのベルAに係る左リール31の図柄は「リプレイA」のみとなる。
【0123】
図14(A)は、複合ベルX1当選時の左第一停止の停止態様の例を示す図である。左リール31において、「リプレイA/B/C」のいずれかに係る図柄は「PB=1」であるので、常に停止させることができる。さらに、左リール31の停止時に中段に「リプレイA/B/C」のいずれかを停止させたときは、常に、上段に「ベル」が停止する。
【0124】
また、2番目に中リール31を停止させるときは、ベルJに係る図柄を優先し、中段に「ベル」を停止させる。
図14(B)は、このときの停止態様の例を示す図である。
さらに、3番目に右リール31を停止させるときは、ベルJに係る図柄を優先し、中段に「チェリー」を停止させる。
【0125】
ここで、右リール31の停止時には、7番の「チェリー」は中段に停止させないようにし、代わりに6番又は11番の「チェリー」を中段に停止させる。これにより、右リール31の停止時には、常に下段に「ベル」が停止する。
図14(C)は、このときの停止態様の例を示す図である。
なお、以上は、2番目に右リール31を停止させ、3番目に中リール31を停止させるときも同一となる。
【0126】
よって、複合ベルX1当選時には、ベルJが入賞するとともに、右下がりラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させることができる。これにより、実際に入賞した図柄の組合せは、「リプレイA/B/C」−「ベル」−「チェリー」であるが、一直線状の右下がりラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させることで、遊技者に対し、ベルが入賞したことを知らせることができる。
【0127】
また、複合ベルX1当選時の押し順正解時に、中又は右第一停止時には、複合ベルX1当選中に含まれるベルAを入賞可能に制御する。これは、押し順不正解時には、ベルJを入賞させないため、ベルA又は特殊Bを入賞させることが考えられるが、枚数優先により、ベルAを入賞可能に制御する。
【0128】
ベルAの図柄の組合せは、
図5に示す通りである。このため、たとえば中第一停止時には、「黄7」、「赤7」、「BAR」、又は「スイカA」を中段に停止させる。
ここで、
図2に示すように、中リール31については、5図柄以内の間隔で、上記4図柄のうちの少なくとも1つが配置されている。したがって、中リール31の停止時には、ベルAに係る図柄を「PB=1」で停止させることができる。
図15(A)は、複合ベルX1当選時に、中第一停止(押し順不正解)で、中段に「黄7」を停止させたときの例を示している。なお、中リール31の停止時に、中段に「黄7」、「赤7」、「BAR」、又は「スイカA」を停止させたときは、同時に上段には「ベル」が停止する。
【0129】
次に、上記の場合の左及び右リール31停止は以下のようになる。
中リール31の停止時に中段に「黄7」が停止したときは、この時点で入賞可能となるベルAの図柄の組合せは、「リプレイA」−「黄7」−「リプレイA」の1つに絞られる。
【0130】
したがって、左第二停止時には、「リプレイA」を中段(有効ライン)に停止可能であるときは停止させる。ここで、左リール31については、「リプレイA」は、4番及び19番に配置されている。したがって、左リール31の「リプレイA」の図柄は、PB≠1である。また、左リール31を無作為に停止させたときに、4番又は19番の「リプレイA」の図柄が有効ラインに停止する確率は、10/21である。
【0131】
図15(B)は、左第二停止時に、「リプレイA」を有効ラインに停止させることができたときの例を示している。なお、左リール31の停止時に中段に「リプレイA」を停止させると、同時に上段に「ベル」が停止する。
さらに、
図15(B)の状態から、右第三停止時には、「リプレイA」を中段に停止させることができるときは、「リプレイA」を有効ラインに停止させる。
【0132】
これにより、中第一停止、左第二停止の順で停止させると、上段には「ベル」−「ベル」−「回転中」となる。この上段ラインは有効ラインではないが、擬似的に、1つの直線ライン(無効ライン)に擬似テンパイ形を作り出すことができる。
【0133】
最後に、右リール31を停止させる場合において、「リプレイA」を中段に停止させることができるときは、その位置で右リール31を停止させる。右リール31では、「リプレイA」は、4番にのみ設けられている。したがって、右リール31を無作為に停止させたときに、4番の「リプレイA」の図柄が有効ラインに停止する確率は、5/21である。
【0134】
図15(C)は、右第三停止時に中段に「リプレイA」を停止させることができ、ベルAが入賞したときの停止態様を示す図である。
右リール31の停止時に中段に「リプレイA」を停止させると、同時に上段には「ベル」が停止する。したがって、ベルA入賞時には、上段ラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させることができる。
【0135】
一方、右リール31の停止時に「リプレイA」を中段に停止させることができないときは、中段に「ベル」を停止させることにより、上段に「ベル」を停止させないように制御する。
図16(A)は、
図15(B)の後、右第三停止時に、中段に「リプレイA」を停止させることができなかった場合の停止態様の例を示す。これにより、上段ラインでは、「ベル」揃いにはならない。
【0136】
また、
図15(A)の後、左第二停止時に、中段に「リプレイA」(ベルAに係る図柄)を停止させることができないときは、上段に「ベル」を停止させるように制御する(
図16(B))。
さらに、右第三停止時には、「ベル」を中段に停止させることで、上段には「ベル」が停止しないように制御する(
図16(C))。したがって、この場合には、
図16(A)と同様に上段ラインには「ベル」揃いが停止しない。
【0137】
以上より、複合ベルX1当選時の中第一停止時(押し順不正解時)は、第一停止の中リール31については、「PB=1」でベルAに係る図柄を停止させることができるが、左及び右リール31については、ベルAに係る図柄が停止するタイミングでストップスイッチ42を操作しなければベルAは入賞しない。そして、ベルA入賞時は、中段に「リプレイA」−「黄7」−「リプレイA」が停止するとともに上段に「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止する。
【0138】
一方、第二停止時には、ベルAに係る図柄を中段に停止させることができたか否かにかかわらず、上段に「ベル」を停止させ、第三停止時は中段に「ベル」を停止させて、上段ラインに「ベル」揃いを停止させない。
なお、第二停止左の場合に、中段に「リプレイA」を停止させなかったときは、第三停止である右リール31については、「リプレイA」を中段に停止可能であっても停止させないように制御する。ベルAが入賞しないときは、上段ラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止してしまうことを回避するためである。
【0139】
また、上記とは逆に、中右左の順でストップスイッチ42が操作されたときは、第二停止である右リール31を停止させる場合において、「リプレイA」を中段に停止させることができるときは、その位置で右リール31を停止させる。これに対し、「リプレイA」の図柄を中段に停止させることができないときは、「ベル」を上段に停止させるように制御する。この時点で、上段ラインでは「回転中」−「ベル」−「ベル」となり、擬似テンパイ形となる。
【0140】
そして、第三停止である左リール31の停止時には、ベルAのテンパイ時には、中段に「リプレイA」を停止させることができるときはその位置で停止させ(ベルAの入賞)、「リプレイA」を中段に停止させることができないときは、上段に「ベル」の図柄を停止させないように制御する。
さらに、第二停止時にベルAが有効ライン上でテンパイしていないときは、第三停止である左リール31の停止時には、「リプレイA」を中段に停止可能であっても停止させないように制御する。すなわち、ベルA非入賞時に上段ラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止しないように制御する。
【0141】
以上をまとめると、複合ベルX1当選時の第一停止中時(押し順不正解時)は、第二停止時点で上段ラインにベルの擬似テンパイ形を形成させ、かつ第三停止時には、ベルAを入賞させるとともに上段ラインに「ベル」を揃えるか、又は上段ラインに「ベル」が揃わないように制御する(役の非入賞時)。
【0142】
上記は、中第一停止時に中段に「黄7」を停止させた例を示しているが、中リール31の停止時に中段に「赤7」が停止したときは、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは「リプレイB」−「赤7」−「リプレイB」の1つとなる。
左リール31では、「リプレイB」の図柄は9番にのみ配置されているため、左リール31を無作為に停止させたときに「リプレイB」が中段に停止する確率は、5/21となる。
【0143】
また、右リール31では、「リプレイB」の図柄は、9番、12番、15番に配置されている。よって、右リール31を無作為に停止させたときに「リプレイB」が中段に停止する確率は、11/21となる。
【0144】
さらにまた、中リール31の停止時に中段に「BAR」又は「スイカA」が停止したときは、この時点で入賞可能となる図柄の組合せは「リプレイC」−「BAR/スイカA」−「リプレイC」の1つとなる。左リール31では、「リプレイC」の図柄は14番にのみ配置されているため、左リール31を無作為に停止させたときに「リプレイC」が中段に停止する確率は、5/21となる。
また、右リール31では、「リプレイC」の図柄は、20番にのみ配置されているので、上記と同様に、右リール31を無作為に停止させたときに「リプレイC」が中段に停止する確率は、5/21となる。
【0145】
なお、複合ベルX1当選時には、押し順正解は第一停止が左であり、かつ非ART遊技中の第一停止右はペナルティであるので、複合ベルX1当選時に第一停止右となるのは稀であり、遊技者の操作ミス等の場合に生じ得る。
複合ベルX1当選時の右第一停止時には、中第一停止時と同様に押し順不正解時となるので、ベルAのみが入賞可能となる(枚数優先により特殊BよりもベルAの入賞を優先する)。
【0146】
具体的には、右第一停止時には、中段に「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」のいずれかを停止させる。右リール31では、5図柄以内の間隔で「リプレイA」、「リプレイB」、又は「リプレイC」のいずれかが配置されているので、「PB=1」でこれらのいずれかの図柄(ベルAに係る図柄)を中段に停止させることができる。そして、この場合には上段に「ベル」が停止する。
【0147】
右リール31の停止時に中段に「リプレイA」が停止したときは、この時点での入賞可能性を有する図柄の組合せは、「リプレイA」−「黄7」−「リプレイA」となる。したがって、第二停止が左であるときは、「リプレイA」の図柄を中段に停止可能であるときはその位置で停止させ(この場合には上段に「ベル」が停止)、「リプレイA」を中段に停止させることができないときは、上段に「ベル」を停止させる。そして、この時点で、上段ラインに「ベル」−「回転中」−「ベル」という擬似テンパイ形を作り出す。
【0148】
次に、中第三停止時には、第二停止時点でベルAが有効ラインにテンパイしている場合には、「黄7」を中段に停止させることができるときはその位置で中リール31を停止させる。これにより、有効ラインには「リプレイA」−「黄7」−「リプレイA」が停止してベルAの入賞になるとともに、上段ラインには「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止する。
【0149】
これに対し、中第三停止時に、中段に「黄7」を停止させることができないときは、中段に「ベル」を停止させる(上段には「ベル」を停止させない)。これにより、ベルAの非入賞になるとともに、上段ラインでは、「ベル」−「ベル以外」−「ベル」となる。
また、左第二停止時に、ベルAを有効ラインにテンパイさせることができなかった場合には、中第三停止時には、中段に「黄7」を停止可能であっても停止させないように制御する。すなわち、ベルA非入賞時は上段ラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止しないように制御する。
【0150】
上記と逆の場合も同様である。
右第一停止時に、中段に「リプレイA」を停止させた場合において、第二停止が中であるときは、「黄7」の図柄を中段に停止可能であるときはその位置で中リール31を停止させる。「黄7」を中段に停止させると上段には「ベル」が停止する。また、中第二停止時に「黄7」を停止させることができないときは、上段に「ベル」が停止する位置で中リール31を停止させる。これにより、この時点で、上段ラインに「回転中」−「ベル」−「ベル」という擬似テンパイ形を作り出すことができる。
【0151】
また、左第三停止時には、中第二停止時にベルAが有効ライン上でテンパイしている場合には、「リプレイA」の図柄を中段に停止可能であるときはその位置で左リール31を停止させる。これにより、ベルAが入賞するとともに上段ラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止する。また、左第三停止時に中段に「リプレイA」を停止させることができないときは、中段に「ベル」を停止させる(上段に「ベル」を停止させない)。これにより、ベルAの非入賞になるとともに上段ラインには「ベル以外」−「ベル」−「ベル」が停止する。
【0152】
また、中第二停止時点でベルAが有効ラインにテンパイしていない場合には、左第三停止時には、中段に「リプレイA」を停止可能であっても停止させないように制御する。すなわち、ベルA非入賞時は上段ラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止しないように制御する。
【0153】
以上のようにして、複合ベルX1当選時に、第一停止左(押し順正解)時には、ベルJを入賞させるとともに、右下がりラインに「ベル」揃いを停止させる。
また、第一停止が中又は右(押し順不正解)時には、ストップスイッチ42の操作タイミングが合っていればベルAを入賞させるとともに、上段ラインに「ベル」揃いを停止させる。また、押し順不正解時にベルAが非入賞となるときは、第二停止時に上段ラインに「ベル」図柄が2個揃い、擬似テンパイするが、「ベル」が3個揃わないようにすることで、ベルの非入賞を遊技者に知らせることができる。
【0154】
さらにまた、複合ベルX1当選時の押し順不正解時において、ベルAが入賞しないとき、すなわち役の非入賞であるときは、特定図柄が停止するように定められている。
図17(A)は、特定図柄Aの停止態様を説明する図である。
図17(A)に示すように、複合ベルX1の当選時に、第一停止が中であり、中リール31の停止時には、「黄7」が停止したと仮定する。
【0155】
次に、第二停止が右であり、このときは、中段に「リプレイA」が停止したと仮定する。この時点では、有効ラインにベルAがテンパイするとともに、上段ラインには「回転中」−「ベル」−「ベル」が停止している。
そして、左第三停止時に、中段に「リプレイA」を停止させることができないとき、すなわちベルAが非入賞となるときは、上述のように、中段に「ベル」を停止させる。
【0156】
以上より、有効ラインには、「ベル」−「黄7」−「リプレイA」が停止する。この図柄の組合せは、
図6の下欄に示すように、特定図柄Aとなる。すなわち、特定図柄Aは、最終停止が左であるときの複合ベル当選時のベルこぼし目となる。
【0157】
また、複合ベルX1当選時に、第一停止が右(本実施形態ではペナルティとなる)、第二停止が左、第三停止が中であり、ベル非入賞であるとする。このときの停止態様の例を
図17(B)に示す。
右第一停止時には、ベルAを入賞させるようにするために、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」のいずれかを停止させる。この例では、20番の「リプレイC」を中段に停止させた例を示している。
【0158】
次に、左第二停止時は、ベルAを入賞させるようにするため、中段に「リプレイC」を停止可能であるときはその位置で停止させ、「リプレイC」を中段に停止させることができないときは上段に「ベル」が停止するように制御する。
図17(B)の例では、14番の「リプレイC」を中段に停止させた例を示している。この時点では、有効ラインにベルAがテンパイするとともに、上段には「ベル」が擬似テンパイする。
【0159】
そして、中第三停止時には、テンパイしているベルAの「BAR」又は「スイカA」を停止させることができないときは、
図17(B)に示すように中段に「ベル」を停止させる。これにより、上段ラインには「ベル」揃いが停止しない。また、有効ラインには、特定図柄Bである「リプレイC」−「ベル」−「リプレイC」が停止する。
【0160】
さらにまた、複合ベルX1当選時に、第一停止が中、第二停止が左、第三停止が右であり、ベル非入賞であるとする。このときの停止態様の例を
図17(C)に示す。
中第一停止時は、中段に「黄7」が停止したとする(
図17(A)と同様)。
【0161】
次の左第二停止時には、ベルAに係る図柄である「リプレイA」を停止させることができず、上段に「ベル」を停止させたとする。
図17(C)の例では、9番の「リプレイB」を中段に停止させた例である。よって、この時点でベルAの非入賞が確定するが、上段ラインには、「ベル」−「ベル」−「回転中」が停止している。
【0162】
最後に、右第三停止時には、中段に「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインには、特定図柄Cである「リプレイB」−「黄7」−「ベル」が停止する。
このようにして、右第三停止時の複合ベル当選時のベルこぼし目時には、特定図柄Cが停止する。
【0163】
以上のリール31の停止制御は、複合ベルX2〜X9についても同様である。第一停止左時には常にベルJを入賞させ、第一停止中又は右時には、ベルB(複合ベルX2当選時)〜ベルI(複合ベルX9当選時)が入賞可能であるときは入賞させる。また、ベルB〜ベルI入賞時には上段ラインに「ベル」揃いが停止する。
さらに、役の非入賞時は、第二停止時に上段ラインに「ベル」が擬似テンパイするが、第三停止時に「ベル」を中段に停止させて、上段ラインに「ベル」揃いが停止しないようにするとともに、特定図柄A〜Cのいずれかを有効ラインに停止させる。
【0164】
図11に示すように、複合ベルY1〜Y9の当選は、ベルL及び特殊Dの当選を含むものであり、それぞれ、ベルA〜ベルIを含む。
また、複合ベルY当選時は、中第一停止が押し順正解となり、この場合には常にベルLを入賞させるように制御する。また、左又は右第一停止時には、それぞれベルL以外の当選ベルを入賞可能に制御する。さらに、ベルを入賞させることができないときは、特定図柄A〜Cのいずれかを有効ラインに停止させる。
ベルL入賞時は、
図5に示すように、有効ライン(中段)に「ベル」揃いが停止する。
また、第一停止が左又は右時には、以下のように制御する。
【0165】
たとえば複合ベルY2当選時に、第一停止が左(押し順不正解)であったときは、枚数優先により、特殊DよりもベルBを優先して入賞させるように制御する。したがって、特殊Dが入賞する場合はない。なお、複合ベルY当選時に右第一停止時についても上記と同様である。
図5に示すように、ベルBの左リール31に係る図柄は、「リプレイA」、「リプレイB」又は「リプレイC」であるので、常にいずれかを有効ラインに停止させることができる。また、これらのいずれかの図柄を有効ライン(中段)に停止させたときは、上記と同様に上段に「ベル」が停止する。
【0166】
次に、第二停止が中であるときは、第一停止の有効ラインの図柄に応じて、ベルBに係る図柄を有効ラインに停止可能であるときは、その図柄を有効ラインに停止させる。
たとえば左第一停止時の有効ラインに停止した図柄が「リプレイA」であるときは、中リール31については中段に「黄7」が停止可能であるときはその図柄を停止させ、第一停止時の図柄が「リプレイB」であるときは「赤7」が停止可能であるときはその図柄を停止させ、第一停止時の図柄が「リプレイC」であるときは「BAR」又は「スイカA」を停止可能であるときはその位置で停止させる。
【0167】
また、中リール31の停止時に中段に「黄7」、「赤7」、「BAR」又は「スイカA」を停止させると、上段には常に「ベル」が停止するので、この時点で上段に「ベル」が擬似テンパイする。
一方、左リール31のベルBに係る図柄に対応する「黄7」、「赤7」、「BAR」又は「スイカA」を中段に停止させることができないときは、上段に「ベル」を停止させて、上段ラインに「ベル」を擬似テンパイさせる。
【0168】
次に、第三停止である右については、第二停止時点で有効ラインにベルBがテンパイしているときは、テンパイしているベルBに係る図柄(たとえば、「リプレイA」−「黄7」−「回転中」であるときは、「リプレイB」の図柄)を有効ラインに停止可能であるときはその図柄を有効ラインに停止させ、それ以外の場合には、特定図柄C(最終停止右)である「ベル」を有効ラインに停止させる。
【0169】
また、第一停止が左であり、第二停止が右であるときは、第一停止の図柄に応じて、ベルBに係る図柄を有効ラインに停止可能であるときは、その図柄を有効ラインに停止させる。
たとえば左第一停止左時の有効ラインに停止した図柄が「リプレイC」であるときは、右リール31については中段に「リプレイA」が停止可能であるときはその図柄を停止させる。
【0170】
また、右リール31の停止時に中段に「リプレイA」を停止させると、上段には常に「ベル」が停止するので、この時点で上段ラインに「ベル」が擬似テンパイする。
一方、右リール31について「リプレイA」を中段に停止させることができないときは、上段に「ベル」を停止させて、上段ラインに「ベル」を擬似テンパイさせる。
【0171】
次に、第三停止である中については、第二停止時点で有効ラインにベルBがテンパイしているときは、テンパイしているベルBに係る図柄(上記の例では、「リプレイC」−「回転中」−「リプレイA」であるので、中リール31は「BAR」又は「スイカA」の図柄)を有効ラインに停止可能であるときはその図柄を有効ラインに停止させ、それ以外の場合には、特定図柄B(最終停止中)である「ベル」又は「スイカB」を有効ラインに停止させる。
【0172】
以上のリール31の停止制御は、複合ベルY1や、Y3〜X9についても同様である。中第一停止時には常にベルLを入賞させ、左又は右第一停止時には、ベルA(複合ベルY1当選時)〜ベルI(複合ベルY9当選時)が入賞可能であるときは入賞させる。また、ベルA〜ベルI入賞時には上段ラインに「ベル」揃いが停止する。
さらに、役の非入賞時は、上段ラインに「ベル」が擬似テンパイするが、第三停止時に「ベル」が上段に停止しないようにするとともに、特定図柄A〜Cのいずれかを有効ラインに停止させる。
【0173】
図12に示すように、複合ベルZ1〜Z9の当選は、ベルL、特殊C及び特殊Dの当選を含むものであり、それぞれ、ベルA〜ベルIを含む。
また、複合ベルZ当選時は、右第一停止が押し順正解となり、この場合には常にベルLを入賞させるように制御する。また、左又は中第一停止時には、それぞれベルL以外の当選ベルを入賞可能に制御する。さらに、ベルを入賞させることができないときは、特定図柄A〜Cのいずれかを有効ラインに停止させる。
【0174】
右第一停止時には、ART遊技中等の押し順報知時以外はペナルティとなるが、複合ベルZ当選時に偶然第一停止右であったときは、ベルLを入賞させる停止制御自体は行う。
複合ベルZ当選時のベルL入賞時は、複合ベルY当選時と同様である。有効ライン(中段)に「ベル」揃いとなる。
また、複合ベルZ当選時に、左又は中第一停止であるとき、枚数優先により、ベルL以外の(当選している)ベルを優先して有効ラインに停止させるので、特殊C又は特殊Dが入賞することはない。
【0175】
また、ベルL以外の他のベルを優先して有効ラインに停止させるときは、第二停止時には他のベルをテンパイ可能であるときはテンパイさせ、第三停止時に入賞可能であるときは他のベルを入賞させる。また、このときは上段ラインに「ベル」揃いが停止する。
さらに、第二停止時に当選に係る他のベルがテンパイしたが、第三停止時に当選に係る他のベルが入賞不可能であったときは、中段に「ベル」を停止させる(上段に「ベル」を停止させない)ようにして、特定図柄A〜Cのいずれかを停止させる。
【0176】
さらにまた、第二停止時に当選に係る他のベルが入賞不可能となったときは、第二停止時には上段に「ベル」を停止させて上段ラインに「ベル」の擬似テンパイ形を形成させた後、第三停止時に中段に「ベル」を停止させ、特定図柄A〜Cのいずれかを停止させる。
【0177】
ベルKLテーブルは、ベルKL当選時に用いられ、ベルKを入賞させるようにリール31の停止位置を定めたものである。
図5に示すように、ベルKの図柄の組合せは、「スイカA/B」−「ベル」−「リプレイA/B/C」である。したがって、「PB=1」で、ベルKを入賞させることができる。
【0178】
また、ベルKの入賞時には、右上がりラインに「ベル」揃いを停止させる。
図2において、左リールの停止時には、18番の「スイカA」は停止させずに、代わりに16番又は0番の「スイカA」を停止させる。これにより、左リール31の停止時には常に下段に「ベル」を停止させることができる。
【0179】
また、右リール31については、中段に「リプレイA/B/C」を停止させると、常に上段に「ベル」が停止する。これにより、ベルKの入賞時には常に右上がりラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させることができる。
【0180】
スイカテーブルは、スイカ当選時に用いられ、スイカの図柄の組合せを入賞させるようにリール31の停止位置を定めたものである。
図6に示すように、「スイカA/B」−「スイカA/B」−「スイカA/B」が中段に揃うか、又は「ベル」−「スイカA/B」−「赤7/BAR」を有効ラインに停止させる。左リール31については、中段に「ベル」を停止させると、上段には常に「スイカA/B」が停止する。また、右リール31については、「赤7」又は「BAR」を中段に停止させると下段に「スイカA/B」が停止する。これにより、「ベル」−「スイカA/B」−「赤7/BAR」を有効ラインに停止させると、同時に、斜め右下がりラインに「スイカA/B」−「スイカA/B」−「スイカA/B」が停止する。
【0181】
特殊Aテーブルは、特殊A(単独当選時)に用いられ、特殊Aを入賞させるようにリール31の停止位置を定めたものである。
特殊Bテーブル、特殊Cテーブルについても、特殊Aテーブルと同様である。
【0182】
チェリーテーブルは、チェリーAテーブル、チェリーABテーブル、複合チェリーテーブルを備える。
チェリーAテーブルは、チェリーAの単独当選時に用いられ、チェリーAを入賞させるようにリール31の停止位置を定めたものである。チェリーAテーブルが用いられた場合において、中リール31の停止時に中段に「チェリー」が停止するように狙うことで、中段に「チェリー」を停止させることができる。また、左リール31については、「赤7」又は「スイカB」を中段に狙うことで、「赤7」中段停止時には下段に「チェリー」が停止し、「スイカB」中段停止時には上段に「チェリー」を停止させることができる。これにより、斜めラインに「チェリー」−「チェリー」−「ANY」(2連チェリー)を停止させることができる。
【0183】
チェリーABテーブルは、チェリーA及びBの重複当選時に用いられ、上記の2連チェリー、又は斜めラインに3連チェリー(「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」)を停止可能に、リール31の停止位置が定められている。たとえば有効ラインにチェリーBの図柄の組合せである「赤7」−「チェリー」−「ベル」を停止させると、右上がりラインに「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」を停止させることができる。
【0184】
複合チェリーテーブルは、左リール31の停止時に中段、すなわち有効ラインに「チェリー」(12番)を停止可能であり、中及び右リール31についても、「チェリー」を狙うことで、有効ラインに3連チェリーを停止可能としている。
【0185】
また、非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるときに用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0186】
また、内部中遊技において、小役又はリプレイの当選時(単独当選時及び重複当選時の双方を含む)には、予め定めた優先順位で当選役に係る図柄を有効ラインに引き込む停止制御を行う。
まず、内部中遊技では、リプレイについては、リプレイA〜Eのみが抽選される。そして、内部中遊技においてリプレイA〜Eに当選したときは、1つの特別役と、5つのリプレイが同時に当選していることになる。
【0187】
この場合、左第一停止時に個数優先制御を行うとすれば、リプレイC若しくはEに係る「ベル」、又はリプレイB若しくはDに係る「黄7/スイカA」を有効ラインに停止させる。「ベル」、又は「黄7/スイカA」を中段に停止させたときは、複数のリプレイを同時に表示したことになるので、この場合には特別役に係る図柄を停止させる必要はない。
【0188】
ここで、左第一停止時に「ベル」を中段に停止させると、下段には「リプレイA/B/C」が停止する。また、中第二停止時には、リプレイC又はEのいずれを優先してもよい。ここで仮にリプレイCを優先するとした場合、中段に「スイカA/B」を停止させる。このとき、同時に下段には「リプレイA」が停止する。最後に右リール31を停止させるときは、中段に「ベル」を停止させる。このとき、同時に下段には「リプレイA/B/C」が停止する。よって、リプレイCが入賞するとともに、下段ラインには、「リプレイA/B/C」−「リプレイA」−「リプレイA/B/C」が停止する。
【0189】
さらに、内部中遊技においても、複合ベルX〜Zが抽選される。そして、本実施形態では、特別役に当選した後は、抽選により、又は所定遊技回数経過後等は、当選した特別役の図柄の種類を報知する。さらに、当選した特別役の図柄の種類を報知した後、いずれかの複合ベルX〜Z当選時には、正解押し順を報知するように制御する。
【0190】
なお、特別役当選報知後の複合ベルX〜Z当選時は、
a)常に、正解押し順を報知する
b)所定の条件(たとえば所定の特別役に当選したこと等)を満たしているか否かに基づいて報知するか否かを決定する
c)複合ベルX〜Z当選時ごとに抽選で報知を行うか否かを決定する
こと等が挙げられるが、本実施形態では、当選した特別役の図柄の種類を報知した後の複合ベル当選時は、常に正解押し順を報知するものとする。
【0191】
特別役に当選し、当選した特別役の図柄の種類を報知した後は、遊技者は、その図柄を狙って目押しを行うのが通常である。そして、報知された図柄を正しく目押ししたにもかかわらず、当該遊技では複合ベルに当選しており、正解押し順でストップスイッチ42を操作しなかったために、複合ベル及び特別役の双方が非入賞となる可能性がある。
【0192】
そこで、本実施形態では、当選した特別役の図柄の種類を報知した後に複合ベルに当選したときは、正解押し順を報知することにより、当該遊技では複合ベルに当選したこと、当選した複合ベルの入賞が優先されることを遊技者に報知する。これにより、内部中遊技の複合ベル当選時の遊技で、役の非入賞となることをなくすことができる。
【0193】
内部中遊技における複合ベル当選時は、当該遊技で当選した小役及び特別役を、できる限り同時に有効ラインに停止させる必要がある。ただし、複数の小役を同時に有効ラインに停止させることができるときは、特別役に係る図柄を蹴飛ばし制御する(特別役に係る図柄を有効ラインに停止可能であっても、停止させない)ことが可能である(規則)。
また、小役と特別役のうちいずれか一方しか有効ラインに停止させることができないときは、事前に定めた一方のみを停止させればよい。なお、本実施形態では、小役を停止させることを優先する。
以下、具体例を挙げて説明する。
【0194】
(1)1BB−A内部中の複合ベルX1(ベルA、ベルJ、特殊B)当選時
複合ベルX1当選時は、第一停止を左にすべきことを遊技者に報知する。ここで、左リール31の図柄は、1BB−Aでは「黄7」、ベルAでは「リプレイA/B/C」、ベルJでは「リプレイA/B/C」、特殊Bでは「リプレイA/B/C」である。
したがって、左第一停止時に、小役と特別役とを同時に停止表示することはできない。ここで、複数の有効ラインを有する場合には、一方の有効ラインに小役に係る図柄を停止させ、他方の有効ラインに特別役に係る図柄を停止させることが可能であるときは、その位置で停止させる制御も可能である。
【0195】
これに対し、本実施形態のように有効ラインが1ラインである場合には、いずれかを優先する必要があるが、上記のように小役の方を優先する。また、左第一停止時に、有効ライン(中段)に「リプレイA/B/C」を停止させれば、ベルA、ベルJ、特殊Bに係る図柄を停止させたことになるので、複数の小役を同時に有効ラインに停止させたこととなる。
よって、以上の場合には、非内部中と同様の停止制御となる。
【0196】
(2)1BB−C内部中の複合ベルX1当選時
複合ベルX1当選の前に、1BB−Cに当選している旨、すなわち「「赤7」−「赤7」−「赤7」を狙え!」と報知したときは、遊技者は、各リール31の「赤7」を狙って目押しをすることが通常である。その後に、複合ベルXに当選した遊技では、「「赤7」−「赤7」−「赤7」を狙え!」という報知に代えて、「左から押せ!」等の報知を行う。しかし、「「赤7」−「赤7」−「赤7」を狙え!」という報知を既に行っているので、遊技者は、左から押すとともに、「赤7」を狙って操作する場合もあり得る。
【0197】
複合ベルX1の当選のうち、左リール31の「リプレイC」は、ベルA、ベルJ、特殊Bの図柄となっており、さらに、1BB−Cの図柄にもなっている。したがって、左リール31の停止時に個数優先を行うときは、第一優先図柄は「リプレイC」となる。
そして、左第一停止時に「リプレイC」を中段に停止させたときは、1BB−C、ベルA、ベルJ、特殊B、すなわち当該遊技で当選している全役に係る図柄を有効ラインに停止させたこととなる。
図18(A)は、このときの停止態様を示している。
【0198】
なお、遊技者が左第一停止時に「赤7」を狙って目押しをしたとき、13番の「赤7」と14番の「リプレイC」とが隣同士に位置しているので、14番の「リプレイC」を有効ラインに停止させることができる。
また、第一優先図柄である「リプレイC」を有効ラインに停止させることができないときは、「リプレイA/B」を有効ラインに停止させる。「リプレイA/B」を有効ラインに停止させれば、ベルA、ベルJ、特殊Bの3役に係る図柄を同時に有効ラインに停止させたことになる。
【0199】
次に、第二停止を中としたとき、第一停止時に「リプレイA/B」が有効ラインに停止していれば、その時点で当該遊技では1BB−Cの入賞可能性を有さないので、非内部中の複合ベルX1当選時の停止制御と同一となる。
【0200】
これに対し、
図18(A)のように、左第一停止時に有効ラインに「リプレイC」を停止させた場合において、第二停止が中であるとする。
このときは、中リール31では、1BB−Cに係る図柄は「赤7」であり、ベルAに係る図柄は(左リール31が「リプレイC」で停止しているので)「BAR/スイカA」である。また、ベルJに係る図柄は「ベル」であり、特殊Bに係る図柄は、「ベル」である。よって、個数優先により、ベルJ及び特殊Bに係る図柄である「ベル」を有効ラインに停止させる。
【0201】
すなわち、複数の小役(ベルJ及び特殊B)を同時に有効ラインに停止させることができるので、特別役に係る図柄である「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときであっても、その「赤7」を蹴飛ばし制御して、「ベル」を有効ラインに停止させることができる。具体的には、13番の「赤7」を停止可能であっても、その1つ上の14番の「ベル」を有効ラインに停止させる。
図18(B)は、このときの停止態様を示す図である。
さらに、右第三停止時には、非内部中と同様に、ベルJを入賞させるように制御する。
図18(C)は、このときの停止態様を示す図である。なお、右リール31の停止時に中段に「チェリー」を停止させたときは、下段に「赤7」は停止しない。
【0202】
(3)1BB−C内部中の複合ベルX7当選時
複合ベルX7は、ベルG、ベルJ、特殊Bの重複当選である。ここで、左第一停止時に有効ラインに「リプレイC」を停止させると、1BB−C、ベルG、ベルJ、特殊Bの全役の図柄を同時に有効ラインに停止させたことになるので、停止させる第一優先図柄は「リプレイC」である。
次に、「リプレイC」を停止させることができないときは、第二優先図柄は、「リプレイA/B」となる。「リプレイA/B」を有効ラインに停止させれば、ベルG、ベルJ、特殊Bの3役の図柄を同時に有効ラインに停止させたことになる。
【0203】
次に、第二停止を中としたとき、第一停止時に「リプレイA/B」が有効ラインに停止していれば、その時点で当該遊技では1BB−Cの入賞可能性を有さないので、非内部中の複合ベルX7当選時の停止制御と同一となる。
これに対し、左第一停止時に有効ラインに「リプレイC」を停止させたと仮定する。
この場合、中リール31の図柄は、1BB−Cは「赤7」であり、ベルGは(左リール31が「リプレイC」で停止しているので)「赤7」であり、ベルJは「ベル」であり、特殊Bは「ベル」である。
【0204】
このようなケースでは、「複数の小役を同時に有効ラインに停止可能であるときは、特別役に係る図柄を蹴飛ばし制御してもよい」という規則を利用して、ベルJ及び特殊Bに係る「ベル」を優先して有効ラインに停止させる。したがって、「赤7」が停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されても、「赤7」を停止させずに「ベル」を停止させる。
さらに、右第三停止時には、非内部中の複合ベルX7当選時と同様に、ベルJを入賞させる。
以上より、各リール31の停止時の停止態様は、
図18と同様となる。
【0205】
上記において、複合ベルX7がベルG及びベルJの重複当選であり、この重複当選内に特殊Bが含まれていないと仮定すると、以下のようになる。
先ず、左第一停止時に「リプレイC」を有効ラインに停止可能であるときは、1BB−C、ベルG、ベルJの全役を同時に有効ラインに停止させることができるので、「リプレイC」を有効ラインに停止させる。
【0206】
次に、中第二停止時には、1BB−CとベルGに係る図柄が「赤7」であり、ベルJに係る図柄が「ベル」であるので、個数優先を行うと、「赤7」が有効ラインに停止可能であるときは、「赤7」を停止させざるを得ない。複数個の小役を同時に有効ラインに停止させることができないので、特別役に係る図柄の蹴飛ばし制御を行うことができないからである。
したがって、中第二停止時に「赤7」を有効ラインに停止させたときは、右第三停止時には、「スイカB」を有効ラインに停止させると1BB−Cを入賞させることができ、「リプレイC」を有効ラインに停止させるとベルGを入賞させることができる。
【0207】
しかし、右リール31は、「スイカB」又は「リプレイC」のいずれかは、5図柄を超える間隔で配置されている箇所もあるので、双方のいずれの図柄も有効ラインに停止させることができない可能性を有する。よって、押し順報知が行われ、その報知に従ってストップスイッチ42を操作したにもかかわらず、役の非入賞となる可能性がある。
【0208】
そこで、本実施形態では、このような点を解消するため、複合ベルX当選には特殊Bを含めることで、中第二停止時の個数優先を利用して、必ずベルJが入賞するように制御している。このため、押し順報知が行われ、その報知に従って第一停止を左とすれば、常にベルJを入賞させることができる。
【0209】
なお、内部中遊技の複合ベルX当選時に、報知された押し順に従わなかった場合、すなわち遊技者が、中又は右第一停止とした場合には、上記のように、枚数優先によってベルJ以外の当選ベルを入賞可能に制御する。
たとえば、1BB−A内部中の複合ベルX1当選時に、第一停止を中としたときは、「黄7/赤7/BAR/スイカA」を有効ラインに停止させる。これらのいずれかの図柄は、5図柄以内の間隔で配置されているので、常にいずれかの図柄を停止させることができる。ここで、中リール31の停止時に「黄7」を有効ラインに停止させたときは、1BB−A及びベルAの双方に係る図柄を同時に有効ラインに停止させたことになる。
【0210】
なお、本実施形態の図柄配列ではないが、たとえば中リール31の停止時に、「黄7」又は「赤7(若しくは、BAR/スイカA)」のいずれも有効ラインに停止可能であるときは、「黄7」を優先し、1BB−AとベルAとの双方の図柄を同時に有効ラインに停止させることを優先する。
【0211】
中第一停止時に「赤7/BAR/スイカA」を有効ラインに停止させたときは、非内部中の複合ベルX1当選時と同様の停止制御となる。
これに対し、中第一停止時に「黄7」を有効ラインに停止させたときは、第二停止時は、ベルAに係る図柄を有効ラインに停止させることを優先する。たとえば第二停止が左の場合において、ベルAに係る図柄である4番の「リプレイA」と、1BB−Aに係る図柄である7番の「黄7」のいずれも有効ラインに停止可能であるときは、「リプレイA」を優先して有効ラインに停止させる。すなわち、本実施形態では、特別役と小役とのいずれか一方を有効ラインに停止させるときは、小役を優先するように定めている。
【0212】
これに対し、「リプレイA」を有効ラインに停止させることができないが、「黄7」を有効ラインに停止可能であるときは、「黄7」を有効ラインに停止させ、1BB−Aをテンパイさせる。
さらに、「リプレイA」又は「黄7」のいずれも有効ラインに停止させることができないときは、上述したように、上段に「ベル」を停止させて「ベル」を擬似テンパイさせる。なお、この時点で当該遊技での役の非入賞が確定する。
【0213】
また、第二停止時に「黄7」を有効ラインに停止させ、1BB−Aをテンパイさせたときは、第三停止時に「黄7」を有効ラインに停止可能であるときは、その位置で第三リール31を停止させ、1BB−Aを入賞させる。
【0214】
(4)1BB−C内部中の複合ベルX8、X9当選時
この場合も、1BB−C内部中の複合ベルX7当選時と同様である。左第一停止時には、「リプレイC」を第一優先図柄として有効ラインに停止させる。
次に、第二停止が中であるとき、有効ラインに「赤7」を停止させれば1BB−C及びベルH(複合ベルX8当選時)又はベルI(複合ベルX9当選時)を有効ラインに停止させることとなり、有効ラインに「ベル」を停止させればベルJ及び特殊Bを停止させることになるが、「複数個の小役を同時に有効ラインに停止させることにより、特別役に係る図柄の蹴飛ばし制御」を行うので、中リール31の停止時には「ベル」を有効ラインに停止させる。
【0215】
(5)1BB−F内部中の複合ベルX7当選時
この場合も、1BB−C内部中の複合ベルX7当選時と同様である。左第一停止時には、「リプレイB」を有効ラインに停止させると、1BB−F、ベルG、ベルJ、及び特殊Bに係る図柄を有効ラインに停止させることになるので、「リプレイB」を第一優先図柄として有効ラインに停止させる。
次に、第二停止が中であるとき、有効ラインに「黄7」を停止させれば1BB−F及びベルGを有効ラインに停止させることとなり、有効ラインに「ベル」を停止させればベルJ及び特殊Bを停止させることになるが、上記と同様の制御により、中リール31の停止時には「ベル」を有効ラインに停止させる。
1BB−F内部中の複合ベルX8又はX9当選時についても、上記と同様である。
【0216】
(6)RB−A内部中の複合ベルX7当選時
左第一停止時には、「リプレイB」を有効ラインに停止させると、RB−B、ベルG、ベルJ、及び特殊Bに係る図柄を有効ラインに停止させることになるので、「リプレイB」を第一優先図柄として有効ラインに停止させる。
次に、第二停止が中であるとき、有効ラインに「黄7」を停止させればRB−B及びベルGを有効ラインに停止させることとなり、有効ラインに「ベル」を停止させればベルJ及び特殊Bを停止させることになるが、上記と同様の制御により、中リール31の停止時には「ベル」を有効ラインに停止させる。
RB−A内部中の複合ベルX8又はX9当選時についても、上記と同様である。
また、RB−B内部中の複合ベルX7〜X9当選時についても、上記と同様である。
【0217】
(7)1BB−A内部中の複合ベルX1当選時に、第一停止が右であるとき
この場合は、右第一停止時に、特別役に係る図柄(「黄7」)とベルAに係る図柄(「リプレイA/B/C」)とが異なるので、1ラインに同時に停止させることはできない。このため、右第一停止時は、ベルAに係る図柄を優先して有効ラインに停止させるので、右リール31の図柄である「リプレイA/B/C」のいずれかを有効ラインに停止させる。右リール31の停止時に、有効ラインに常に「リプレイA/B/C」のいずれかを停止可能であることについては、上述した通りである。したがって、たとえば右第一停止時に8番の「黄7」を有効ラインに停止可能であっても、8番の「黄7」を停止させずに、たとえば9番の「リプレイB」を停止させる。
【0218】
よって、この時点で、入賞可能性を有する役はベルAのみとなるので、第二停止以降は、非内部中と同様の停止制御を行う。これにより、1BB−Aに係る図柄の引込みは行わない。
【0219】
(8)1BB−D内部中に複合ベルX1に当選し、第一停止が右であるとき
この場合は、第一停止である右リール31の停止時に、「リプレイA」又は「リプレイB」が有効ラインに停止したときは、第一停止時点で入賞可能性を有する役は、ベルAのみとなるので、この場合の第二停止以降のリール31の停止制御は、非内部中と同様となる。
一方、右第一停止時に「リプレイC」を有効ラインに停止させたときは、1BB−Dに係る図柄とベルAに係る図柄とを同時に有効ラインに停止させたことになる。
【0220】
次に、第二停止が左であるときは、ベルAに係る図柄である「リプレイC」を優先して有効ラインに停止させる。したがって、左ストップスイッチ42の操作時に、12番の「チェリー」(1BB−Dに係る図柄)及び14番の「リプレイC」に係る図柄(ベルAに係る図柄)の任意の一方を有効ラインに停止可能であるときは、ベルAに係る「リプレイC」を優先させる。ただし、14番の「リプレイC」を有効ラインに停止させることができないが、12番の「チェリー」を有効ラインに停止可能であるときは、「チェリー」を停止させ、1BB−Dをテンパイさせる。
【0221】
また、左第二停止時点で「リプレイC」及び「チェリー」のいずれも有効ラインに停止させることができないときは、上段に「ベル」を停止させてベルの擬似テンパイ形を作る。なお、この時点で、当該遊技での役の非入賞が確定する。
仮に、左第二停止時に「チェリー」を有効ラインに停止させたときは、中第三停止時に、「赤7」を有効ラインに停止可能であるときは、その位置で中リール31を停止させ、1BB−Dを入賞させる。
【0222】
一方、左第二停止時に「リプレイC」を有効ラインに停止させたときは、中第三停止時に、「BAR/スイカA」を有効ラインに停止可能であるときは、その位置で中リール31を停止させ、ベルAを入賞させる(上段ライン「ベル」揃い)。
さらにまた、第二停止時に役の非入賞が確定し、第二停止時に「ベル」の擬似テンパイ形を作ったときは、第三停止時には上段に「ベル」を停止させないように制御する(非内部中と同様)。
【0223】
(9)内部中遊技の複合ベルY当選時での押し順正解時
図4に示すように、特別役に係る中リール31の図柄は、いずれも「黄7」又は「赤7」である。したがって、特別役内部中にいずれかの複合ベルYに当選したとき、報知に従って第一停止を中とすれば、中リール31では常に「ベル」が有効ラインに停止し、この時点で特別役の入賞可能性はなくなる。したがって、特別役内部中の複合ベルY当選時に、第一停止が中であるときは、特別役非内部中の複合ベルY当選時と同様の停止制御となる。
【0224】
(10)特別役内部中の複合ベルY1当選時での押し順不正解時
上記の場合において、報知に従わずに第一停止を左又は右としたときは、以下のようになる。
たとえば1BB−C内部中の複合ベルY1当選時に、第一停止を左としたとき(報知に従わなかったとき)は、ベルAを優先して入賞させるように制御する。
ここで、左リール31の停止時に「リプレイA」又は「リプレイB」が有効ラインに停止したときは、第一停止時点で入賞可能性を有する役は、ベルAのみとなるので、この場合の第二停止以降のリール31の停止制御は、非内部中と同様となる。
【0225】
一方、左第一停止時に「リプレイC」を有効ラインに停止させたときは、1BB−Cに係る図柄とベルAに係る図柄とが同時に有効ラインに停止表示させたことになる。
次に、第二停止が中であるときは、ベルAに係る図柄を優先して有効ラインに引き込むように制御する。すなわち、第二停止である中リール31については、第一停止時の停止図柄に応じてベルAに係る図柄を有効ライン停止させるように制御する。ここで、左第一停止時の有効ラインに停止した図柄が「リプレイA」又は「リプレイB」であるときは、非内部中の複合ベルY1当選時と同様となる。
【0226】
これに対し、左第一停止時に「リプレイC」を有効ラインに停止させたときは、中第二停止時にはベルAに係る図柄(「BAR」又は「スイカA」)を優先して有効ラインに停止させ、ベルAをテンパイさせる。一方、ベルAに係る図柄(「BAR」又は「スイカA」)を有効ラインに停止させることができないが、1BB−Cに係る「赤7」を有効ラインに停止可能であるときは、「赤7」を有効ラインに停止させ、1BB−Cをテンパイさせる。
【0227】
そして、右第三停止時には、ベルAがテンパイしている場合においてベルAを入賞可能であるときはベルAを入賞させる。また、1BB−Cがテンパイしている場合において1BB−Cを入賞可能であるときは1BB−Cを入賞させる。
さらに、ベルAがテンパイしている場合において、右第三停止時にベルAを入賞させることができないときは、中段に「ベル」を停止させる。
【0228】
(11)特別役内部中の複合ベルZ当選時での押し順正解時
特別役内部中にいずれかの複合ベルZに当選したとき、報知に従って第一停止を右とすれば、右リール31では常に「ベル」が有効ラインに停止し、この時点で特別役の入賞可能性はなくなる。したがって、特別役内部中の複合ベルZ当選時に、第一停止が右であるときは、特別役非内部中の複合ベルZ当選時と同様の停止制御となる。
【0229】
(12)特別役内部中の複合ベルZ当選時での押し順不正解時
たとえば、1BB−A内部中の複合ベルZ1当選時に、第一停止が左であるときは、「リプレイA/B/C」を有効ラインに停止させるので、第一停止時点での入賞可能性を有する役は、ベルAのみとなり、この時点で1BB−Aの入賞可能性がなくなる。したがって、この場合の停止制御は、非内部中の複合ベルZ1当選時の押し順不正解時と同様となる。
【0230】
一方、第一停止が中であるときは、ベルAを優先して引き込むので、中リール31の有効ライン上の停止図柄は、「黄7/赤7/BAR/スイカA」となる。そして、「赤7/BAR/スイカA」の停止時には、その時点で入賞可能性を有する役は、ベルAのみとなるので、それ以降の停止制御は、非内部中と同様である。
【0231】
これに対し、中第一停止時に有効ラインに「黄7」を停止させたときは、1BB−A及びベルAに係る双方の図柄を有効ライン停止させたことになる。
次に、第二停止が左である場合には、ベルAに係る図柄である「リプレイA」を有効ラインに停止させることを優先し、「リプレイA」を停止させることができないが、1BB−Aに係る「黄7」を有効ラインに停止可能であるときは「黄7」を有効ラインに停止させる。
【0232】
さらに次に、第三停止である右については、ベルAがテンパイしている場合において「リプレイA」を有効ラインに停止可能であるときは「リプレイA」を停止させ、ベルAを入賞させる。「リプレイA」を停止させることができないときは、中段に「ベル」を停止させる。
一方、1BB−Aがテンパイしている場合において「黄7」を有効ラインに停止可能であるときは「黄7」を停止させ(1BB−Aの入賞)、「黄7」を停止させることができないときは、役の非入賞となる。
【0233】
説明を
図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、たとえばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
【0234】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時には、メダルを払い出すことなく、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
【0235】
特別遊技制御手段68は、特別遊技の開始、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了を制御するものである。
いずれかの1BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、1BBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技から1BB遊技を開始するように制御する。
また、いずれかのRBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、RBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からRB遊技を開始するように制御する。
【0236】
図7に示すように、入賞した1BB又はRBと、それに基づく特別遊技(1BB遊技又はRB遊技)の終了条件が予め定められており、入賞した特別役に応じて、特別遊技中の終了条件が異なるように設定されている。
【0237】
このため、特別遊技制御手段68は、1BB遊技では、メダル払出し枚数をカウントし続け、カウント値が各所定値になったと判断したときは、当該遊技をもって1BB遊技を終了するように制御する。
また、特別遊技制御手段68は、RB遊技では、遊技回数又は役の入賞回数をカウントし続け、カウント値が各所定値になったと判断したときは、当該遊技をもってRB遊技を終了するように制御する。
【0238】
なお、特別遊技では、同一の役抽選テーブル62を用いてもよいが、入賞役に応じて異なる役抽選テーブル62を用いてもよい。
特別遊技では、小役の抽選のみを行うようにしてもよく、あるいはリプレイを含めて役の抽選を行うようにしてもよい。
【0239】
メイン状態制御手段69は、遊技状態間の移行を制御するものである。なお、メイン状態制御手段69は、入賞役や停止出目等の遊技結果、又は特別遊技が終了したか否か(払出し枚数、所定遊技回数の消化、役入賞回数)に基づいて遊技状態を移行させるものである。
【0240】
図19は、本実施形態における遊技状態の移行を説明する図である。
本実施形態の遊技状態の移行条件は、遊技状態に応じて、特定図柄(ベルこぼし目)停止(RT2遊技に移行)、リプレイF入賞(非RT遊技に移行)、リプレイG入賞(RT3遊技に移行)、リプレイH入賞(RT4遊技に移行)、1BB又はRBの当選(RT1遊技に移行)、1BB又はRBの入賞(1BB遊技又はRB遊技に移行)、1BB遊技又はRB遊技の終了(非RT遊技に移行)に設定されている。
【0241】
先ず、非内部中遊技である非RT遊技、RT2遊技、RT3遊技、及びRT4遊技では、いずれも1BB及びRBの抽選が行われる。そして、いずれかの1BB又はRBに当選し、当該遊技で当選した1BB又はRBが入賞しなかったときは、次遊技から、内部中遊技であるRT1遊技に移行する。
【0242】
RT1遊技では、それぞれ当選した1BB又はRBが入賞するまで継続される。当選した1BBが入賞すると1BB遊技に移行する。また、当選したRBが入賞すると、RB遊技に移行する。
【0243】
1BB遊技又はRB遊技が終了すると、非RT遊技に移行する。非RT遊技では、1BB若しくはRBに当選するか、又は特定図柄(
図6)が停止するまで継続される。非RT遊技において1BB又はRBに当選し、その1BB又はRBが入賞しなかったときはRT1遊技に移行する。また、非RT遊技で特定図柄が停止すると、RT2遊技に移行する。
RT2遊技は、1BB若しくはRBに当選するか、又はリプレイF若しくはリプレイGが入賞するまで継続される。1BB又はRBに当選すると、RT1遊技に移行する。これに対し、RT2遊技でリプレイFが入賞すると非RT遊技に移行する。また、RT2遊技でリプレイGが入賞するとRT3遊技(ART準備中)に移行する。
【0244】
RT3遊技では、1BB若しくはRBに当選するか、リプレイF又はリプレイHが入賞するまで継続される。1BB又はRBに当選すると、RT1遊技に移行する。また、リプレイFが入賞すると非RT遊技に移行し、リプレイHが入賞するとRT4遊技(ART遊技)に移行する。
【0245】
RT4遊技では、1BB若しくはRBに当選するか、特定図柄が停止するまで継続される。1BB又はRBに当選すると、RT1遊技に移行する。また、特定図柄が停止するとRT2遊技に移行する。
以上のようにして、メイン状態制御手段69は、各遊技状態では、遊技状態の移行条件を満たすか否かを判断し、遊技状態の移行条件を満たすと判断したときは、それぞれ所定の遊技状態に移行するように制御する。
【0246】
また、メイン制御手段60は、サブ制御手段70に対し、各種の情報(コマンド)を送信するように制御する。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作されたかの情報(ストップスイッチ42の押し順を含む)、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(有効ラインに停止した図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態の情報等が挙げられる。
なお、後述するフリーズを行うときは、決定したフリーズ時間の情報等を送信する。
【0247】
説明を
図1に戻す。
図1において、サブ制御手段70は、演出制御手段71等を備える。
演出制御手段71は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段71は、遊技ごとに、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出を選択し、出力する。
【0248】
演出制御手段70は、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、演出内容を選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出内容が予め設けられている。そして、演出制御手段70は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出内容を選択する。
【0249】
また、演出内容は、当選役及び遊技状態等に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。たとえば、非内部中の特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等というように、それぞれ複数種類の演出内容が設けられている。
演出内容は、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段70は、選択した演出内容に従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0250】
また、本実施形態では、ART遊技を備える。本実施形態のART遊技とは、リプレイの当選確率を高く設定するとともに(RT遊技)、ストップスイッチ42の押し順に応じて遊技結果に有利/不利が生じる役に当選したときには、有利な押し順を報知する遊技(AT遊技)である。
【0251】
特に、ART遊技は、リプレイ当選確率の高いRT4遊技において実行する。したがって、RT4遊技において、有利な押し順が報知されている間は、ART遊技となり、報知がなくなった後のRT4遊技は、単なるRT遊技となる。
また、RT3遊技は、RT2遊技からART遊技であるRT4遊技に移行する過程で経由する遊技状態としての役割を有し、いわゆるART準備中である。
【0252】
サブ制御手段70は、報知制御手段72及びサブ状態制御手段73を備える。
まず、報知制御手段72は、RT2遊技においてART遊技の実行権利を有する場合には、リプレイA〜G、リプレイA〜Hの当選時に、リプレイGを入賞させるためのストップスイッチ42の押し順を報知する。これにより、リプレイGを入賞させてRT3遊技(ART準備中)への移行を促す。
【0253】
さらに、報知制御手段72は、RT3遊技においてART遊技の実行権利を有する場合には、リプレイFH群の当選時に、リプレイHを入賞させるためのストップスイッチ42の押し順を報知する。これにより、リプレイHを入賞させてRT4遊技(ART遊技)への移行を促すとともに、リプレイFが入賞して非RT遊技に転落しないように促す。
さらに、RT4遊技のART遊技中は、リプレイA〜E群、リプレイFH群、リプレイCEF群の当選時にはリプレイF以外のリプレイを入賞させるための押し順を報知することにより、リプレイFが入賞しない(非RT遊技に転落しない)ように促す。
【0254】
さらにまた、報知制御手段72は、RT3遊技かつART準備中、RT4遊技かつART遊技中の複合ベルX、Y、又はZの当選時に、正解押し順を報知する。
また、RT1遊技(内部中遊技)に移行した後、当選した特別役に係る図柄の報知を行った後に複合ベルに当選したときは、正解押し順を報知する。
これに対し、非RT遊技中やRT2遊技中に複合ベルに当選したときでも、正解押し順を報知しない。
【0255】
よって、非RT遊技における複合ベル当選時には、特定図柄を出現させることを優先し、非RT遊技から速やかにRT2遊技に移行させる。なお、非RT遊技において複合ベル当選時(押し順非報知時)に、偶然、ベルが入賞したときは、RT2遊技には移行せず、次に特定図柄が出現するまで待つ。
【0256】
さらにまた、サブ状態制御手段73は、メイン制御手段60から送信されてくる役抽選手段61の役抽選結果に基づいて、ART遊技を実行するか否かの抽選(決定)、ART遊技を既に実行しているときの加算遊技回数の決定、ART遊技中の遊技回数のカウント等を制御する。
【0257】
上述のように、1BB遊技又はRB遊技が終了すると、非RT遊技に移行し、非RT遊技中に特定図柄が停止すると、RT2遊技に移行する。そして、本実施形態では、RT2遊技が通常遊技(非内部中、かつ非ART遊技)に相当する。
また、本実施形態では、ART遊技中等の、第一停止を右にすべき旨の押し順報知が行われたとき以外(非RT遊技やRT2遊技中等)は、ストップスイッチ42の押し順は、左又は中第一停止と定めている(左又は中第一停止指示)。そして、第一停止指示中に、第一停止が右(変則押し)で操作されたときは、たとえば数遊技間、ART遊技に係る抽選を行わない等のペナルティを設定するようにしている。
【0258】
これにより、遊技者は、第一停止を右にすべき旨の押し順報知が行われたとき以外は、常に左又は中第一停止として遊技を消化する。そして、非RT遊技中の複合ベルZ当選時には、左又は中第一停止でストップスイッチ42が操作されれば、特定図柄の出現確率が高くなる。
【0259】
また、RT2遊技では、リプレイA〜G、及びリプレイA〜Hの抽選が行われる。ここで、リプレイA〜G、又はリプレイA〜Hの当選時は、
図8に示すように、少なくとも第一停止が右(押し順非報知時のペナルティ押し順)のときを条件に入賞するように設定されている。したがって、非RT遊技やRT2遊技で左又は中第一停止の押し順で遊技を消化している限りは、RT3遊技に移行する場合はない。非RT遊技やRT2遊技でART遊技の実行権利を獲得し、リプレイA〜G、又はリプレイA〜Hの当選時にリプレイGを入賞させる押し順が報知され、その押し順に従ってリプレイGを入賞させればRT3遊技に移行することができる。
【0260】
サブ状態制御手段73は、非RT遊技及びRT2遊技では、ART遊技を実行するか否かの決定(抽選)を行う。
本実施形態では、非RT遊技中又はRT1遊技中に、
1)チェリーA当選時の10%、
2)チェリーAB当選時の30%、
3)複合チェリー当選時の50%、
4)スイカ当選時の20%、
5)特殊A〜C当選時の30%
の確率で、ART遊技の抽選に当選するように設定されている。
【0261】
なお、本実施形態では説明を省略するが、たとえば、サブ状態制御手段73側で独自に決定するモードであって、特定条件下で移行する「低確率」、「通常」、「高確率」のような複数のモードを設け、高確率であるほど、ART遊技の抽選に当選しやすくなるように設定してもよい。たとえば、複合チェリー当選時は、サブ滞在モードが「低確率」であるときは30%、「通常」であるときは50%、「高確率」であるときは100%の確率でART遊技の抽選に当選するように設定すること等が挙げられる。
【0262】
さらに、ART準備中又はART遊技中にチェリー等の小役に当選したときは、ART遊技の遊技回数を上乗せするか否かの抽選を行う。たとえば、ART遊技の抽選に当選したときに、その遊技回数(初期値)については、固定値にするか又は抽選で決定する。そして、その後のART準備中やART遊技中におけるチェリー等の当選時は、(ART遊技を実行するか否かの抽選ではなく)ART遊技の遊技回数を上乗せするか否かの抽選に切り替える。
【0263】
<フリーズ>
上記実施形態では設けていないが、メイン制御手段60側で、フリーズを制御するようにしてもよい。
メイン制御手段60は、フリーズを制御するときは、遊技者が遊技を進行する上で操作する各操作スイッチ(ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42)の操作、並びにメダル投入口43からのメダルの投入操作を所定時間受け付けないように制御する。
【0264】
ここで、「フリーズ(フリーズ演出、又はフリーズ動作ともいう。)」とは、スロットマシン10の操作スイッチの機能を一時停止状態にすることをいい、より具体的には、たとえば、
a)遊技媒体(本実施形態ではメダル)の受付け、又は予めクレジットされた遊技媒体の投入(賭け)枚数を定めるためのベットスイッチ40の操作を一時停止状態にすること
b)遊技を開始するためのスタートスイッチ41の操作を一時停止状態にすること
c)ストップスイッチ42の操作(リール31の停止操作)を一時停止状態にすること
等が挙げられる。
【0265】
また、操作スイッチの機能を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく信号(たとえば、遊技媒体の投入を検知するセンサからの信号、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41又はストップスイッチ42の操作に基づき操作スイッチから送信される信号)の受付けを所定期間行わないことが挙げられる。
この場合、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、受け付けた信号を無効にする制御処理を行うことや、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を検知したときであっても受付け処理自体を行わないことが挙げられる。
【0266】
さらにまた、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、遊技者の操作に基づく信号の受付けは行うが、受け付けた信号に基づいて実施する操作スイッチの制御処理を所定期間実行せずに、所定期間経過後に受け付けた信号に基づいた制御処理を開始させることが挙げられる。
【0267】
さらに、スタートスイッチ41のフリーズに関しては、スタートスイッチ41を操作しても、所定期間リール31の回転を開始させないことや、所定期間、役抽選を開始しないことが挙げられる。
また、フリーズを行う条件としては、たとえば特別役に当選したときが挙げられる。
【0268】
<ART遊技開始時の外端信号の出力>
メイン制御手段60側では、役の抽選、リール31の停止制御、遊技状態の移行等を制御するが、ART遊技を実行するか否か、及びART遊技への誘導、ART遊技中の押し順報知等については、サブ制御手段70側が行う。
ここで、RT4遊技に移行したときは、常にART遊技であれば、メイン制御手段60は、現在の遊技がART遊技であるか否かを判断することができる。
【0269】
しかし、仮に、遊技者がRT2遊技において変則押しをした場合(意図的に変則押しをした場合、及びストップスイッチ42の操作に失敗し、偶然に変則押しとなった場合の双方を含む)、当該遊技でリプレイA〜G、又はリプレイA〜Hの当選となり、かつリプレイGが入賞してしまうと、意図しないRT3遊技に移行する。さらにRT3遊技において、リプレイFH群の当選時に、変則押しされた結果、リプレイHが入賞すると、スロットマシン10側で意図しないRT4遊技に移行してしまう場合がある。
【0270】
以上のようにしてRT4遊技に移行したときは、サブ制御手段70側では、ART遊技の権利を有さないでRT4遊技に移行したと判断し、一切の押し順報知を行わないように制御する。しかし、メイン制御手段60側では、ART遊技の抽選に当選し、押し順報知に従った結果、RT4遊技に移行したのか、あるいは、ART遊技の権利を有することなく、遊技者が変則押しをした結果、偶然にRT4遊技に移行したのかは、判別できない。
仮に、RT4遊技に移行したとき、ART遊技の実行回数を一律に「+1回」とカウントしてしまうと、ART遊技の実行回数を正しくカウントできないこととなる。
【0271】
メイン制御手段60は、外部端子基板と電気的に接続され、メイン制御手段60側から外部端子基板に対して外端信号(ART遊技の実行回数をカウントするための信号)を送信する。その外端信号は、たとえばホールコンピュータに送信される。そして、ホールコンピュータは、各台(スロットマシン10)が、当日、ART遊技の実行回数を含めて、どの程度の出玉があったか(差玉情報)等の各種統計情報を収集し、ホールの経営管理に利用する。
【0272】
ここで、セキュリティ上の理由により、外部端子基板は、メイン制御基板とのみ接続が許可され、セキュリティの面でメイン制御基板より劣るサブ制御基板とは接続されないのが一般的である。したがって、メイン制御基板(メイン制御手段60側)で、ART遊技の実行回数を把握する必要がある。
なお、サブ制御基板からメイン制御基板に対してART遊技が実行された旨の情報を送信できれば何ら問題はないが、上述したように、信号は、メイン制御基板からサブ制御基板への一方向送信であるので、サブ側からメイン側への信号送信はできない。
【0273】
そこで本実施形態において、ART遊技の実行の有無をメイン制御手段60側で把握する方法として、以下の方法が挙げられる。
RT4遊技では、ストップスイッチ42の押し順が不問であるリプレイA〜Eが抽選される。
そこで、メイン制御手段60は、リプレイA〜Eの当選時に、ストップスイッチ42の押し順をランダムに決定し(特に、右第一停止となる押し順が好ましい)、それを指示押し順としてサブ制御手段70に送信する。サブ制御手段70では、指示押し順を受信したときは、遊技者に対し、指示押し順を報知する。
【0274】
そして、メイン制御手段60は、当該遊技で、ストップスイッチ42が指示押し順で操作されたか否かを検出し、指示押し順と検出した押し順とが一致していれば、現在のRT4遊技をART遊技であると判断する。
なお、指示押し順の送信は、1回でも可能であるが、RT4遊技(ART遊技)の移行後、リプレイA〜E当選時の最初の2〜3回(複数回)に対して行うことで、より信頼性を高めることができるとともに、偶然にRT4遊技に移行したときのART遊技のカウントを防止することができる。
【0275】
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態に対し、複合ベルの当選態様が異なる。第1実施形態では、複合ベル当選時は、正解押し順が左第一停止(複合ベルX)、中第一停止(複合ベルY)、及び右第一停止(複合ベルZ)の3択であったが、第2実施形態では、正解押し順が5択となる。
具体的には、
複合ベルX当選時:正解押し順が左中右
複合ベルX’当選時:正解押し順が左右中
複合ベルY当選時:正解押し順が中第一停止(第1実施形態と同一)
複合ベルZ当選時:正解押し順が右中左
複合ベルZ’当選時:正解押し順が右左中
に設定されている。
【0276】
図20は、第2実施形態において、複合ベルX(X1〜X9の9種類)当選時の当選役の種類と停止態様とを示す図である。また、
図21、
図22、
図23は、それぞれ、複合ベルX’(X1’〜X9’の9種類)当選時、複合ベルZ(Z1〜Z9の9種類)当選時、複合ベルZ’(Z1’〜Z9’)当選時の各当選役の種類と停止態様とを示す図である。
【0277】
図20において、複合ベルXは、当選役にベルJ及び特殊Bを含むものであり、さらに、複合ベルX1〜X9に対し、それぞれベルA〜ベルIが割り当てられている。
図24は、複合ベルX1当選時において、第一停止が左時の停止態様の例を示す図である。複合ベルX1当選時に、第一停止が左であるとき、中段に「リプレイA/B/C」のいずれかを停止させるように制御する。
図24(A)の例は、4番の「リプレイA」を中段に停止させた例である。なお、中段に「リプレイA/B/C」を停止させると、上段には常に「ベル」が停止する。
また、左第一停止時点では、押し順正解となるか否かは未だ決まっていない。
【0278】
図24(B)は、中第二停止時の停止態様の例を示す図である。中第二停止時点で、押し順正解となる。よって、この場合には、ベルJを入賞させるように制御する。このため、中リール31の停止時には中段に「ベル」を停止させる。
【0279】
さらに、
図24(B)の後、右第三停止時には、中段に「チェリー」を停止させるように制御する。この場合、第1実施形態と同様に、7番を除く「チェリー」を停止させる。
図24(C)の例では、6番の「チェリー」を有効ラインに停止させ、ベルJを入賞させた例を示している。また、右リール31の停止時に、(7番を除く)「チェリー」を有効ラインに停止させたときは、常に下段に「ベル」が停止する。これにより、ベルJの入賞時には、同図に示すように、右下がりラインに「ベル」揃いが停止する。
【0280】
これに対し、
図25(A)は、複合ベルX1当選時において、左第一停止後、右第二停止時の停止態様の例を示す図である。右第二停止時の場合は、押し順不正解となる。右第二停止時には、第一優先として、ベルAに係る図柄(左リール31停止時の図柄が「リプレイA」であるので、右リール31の図柄は「リプレイA」)を有効ラインに停止させるように制御する。
【0281】
図2に示すように、右リール31の「リプレイA」の図柄は、4番(1か所)に設けられている。したがって、0番〜4番までの図柄が有効ラインを通過する瞬間に右ストップスイッチ42が操作されたときは、「リプレイA」を有効ラインに停止させる。したがって、右リール31の停止時に「リプレイA」が有効ラインに停止する確率は、無作為に右ストップスイッチ42を操作すると、「5/21」の確率となる。
【0282】
この場合、中第三停止時には、中リール31の「黄7」を有効ラインに停止させて、ベルAを入賞可能であるときは、その位置で中リール31を停止させ、ベルAを入賞させる(
図25(B))。これにより、上段ラインには「ベル」揃いが停止する。
これに対し、中第三停止時に、「黄7」を有効ラインに停止させることができないときは、「ベル」の図柄を中段に停止させる(
図25(C))。これにより、有効ラインには、第1実施形態と同様の特定図柄Bが停止する。
【0283】
一方、
図24(A)(左第一停止時)の後、右第二停止時(押し順不正解時)に、中段に「リプレイA」を停止させることができないときは、第二優先として、ベルJに係る「チェリー」を有効ラインに停止させるように制御する(
図26(A))。ここで、右リール31の「チェリー」は、5図柄以内の間隔、すなわち「PB=1」で配置されているので、常に「チェリー」を有効ラインに停止させることができる。なお、押し順正解時と同様に、右リール31は、7番以外の「チェリー」を中段に停止させ、下段には「ベル」が停止するように制御する。
【0284】
よって、上述したように、無作為に右ストップスイッチ42を操作したときは、5/21の確率で「リプレイA」を有効ラインに引き込むが、それ以外の16/21の確率(5番〜20番までの図柄が有効ラインを通過する瞬間に右ストップスイッチ42が操作されたとき)で、「チェリー」が有効ラインに停止する。
【0285】
さらに、
図26(A)の停止態様の後、中第三停止時には、
図26(B)に示すように、中段に「ベル」を停止させ、ベルJを入賞させるように制御する。中リール31の「ベル」は、「PB=1」である。さらに、ベルJの入賞時には、右下がりラインに「ベル」揃いが停止する。
【0286】
一方、複合ベルX1当選時に、中又は右第一停止であるときは、その時点で押し順不正解が確定する。そして、中又は右第一停止時には、ベルAを入賞可能であるときは、ベルAを入賞させるように制御する。
【0287】
図27及び
図28は、複合ベルX1当選時に、中第一停止時の停止態様の例を示す図である。中第一停止時には、ベルAに係る図柄を有効ラインに停止させる。中リール31において、ベルAに係る図柄は、「黄7/赤7/BAR/スイカA」のいずれかであるので、常に有効ラインに停止させることができる。したがって、中第一停止時の押し順不正解時であっても、中第一停止時には常にベルAに係る図柄を有効ラインに停止させることができる(PB=1)。
図27(A)の例では、有効ラインに「黄7」を停止させた例を示している。
【0288】
次に、第二停止を左とすると、ベルAでは、中リール31の図柄が「黄7」である左リール31の図柄は「リプレイA」であるので、「リプレイA」を有効ラインに停止可能であるときは停止させる。
図27(B)は、左リール31の停止時に有効ラインに「リプレイA」を停止させた例である。
【0289】
次に、右第三停止時には、ベルAでは、中リール31の図柄が「黄7」である右リール31の図柄は「リプレイA」であるので、「リプレイA」を有効ラインに停止可能であるときは停止させる。
図27(C)は、右リール31の停止時に「リプレイA」を停止させた例を示している。これにより、ベルAの入賞となる。このとき、上段ラインには「ベル」揃いが停止する。
【0290】
一方、
図27(B)の停止態様の後、右第三停止時に有効ラインに「リプレイA」を停止させることができないときは、中段に「ベル」を停止させる。
図28(A)は、このときの停止態様の例を示している。この場合、上段ラインには「ベル」揃いが停止しない。また、有効ラインには特定図柄Cが停止する。
【0291】
また、
図27(A)の停止態様から、左第二停止時に有効ラインに「リプレイA」を停止させることができないときは、上段に「ベル」を停止させる。
図28(B)は、このときの停止態様の例(中段に「リプレイC」を停止させた例)を示している。そして、右第三停止時には、
図28(C)に示すように、「ベル」を中段に停止させ、上段ラインには「ベル」揃いが停止しないようにするとともに、有効ラインに特定図柄Cを停止させる。
【0292】
さらにまた、
図29及び
図30は、複合ベルX1当選時に、右第一停止時の停止態様の例を示す図である。
なお、第1実施形態と同様に、押し順報知が行われない遊技で第一停止を右としたときは、ペナルティを発生させるので、通常遊技中に第一停止が右となることは稀である。
【0293】
右第一停止時には、ベルAに係る図柄を有効ラインに停止させる。右リール31においてベルAに係る図柄は、「リプレイA/B/C」のいずれかであるので、常に有効ラインに停止させることができる。したがって、右第一停止時の押し順不正解時であっても、右第一停止時には常にベルAに係る図柄を有効ラインに停止させる。
図29(A)の例では、有効ラインに「リプレイC」を停止させた例を示している。
【0294】
次に、第二停止を左とすると、右リール31の図柄が「リプレイC」であるベルAの左リール31の図柄は「リプレイC」であるので、「リプレイC」を有効ラインに停止可能であるときは停止させる。
図29(B)は、左リール31の停止時に有効ラインに「リプレイC」を停止させた例である。
【0295】
次に、中第三停止時には、右リール31の図柄が「リプレイC」であるベルAの中リール31の図柄は「BAR/スイカA」であるので、これらのいずれかの図柄を有効ラインに停止可能であるときは停止させる。
図29(C)は、中リール31の停止時に「BAR」を停止させた例を示している。これにより、ベルAの入賞となる。このとき、上段ラインには「ベル」揃いが停止する。
【0296】
一方、
図29(B)の停止態様の後、中第三停止時に有効ラインに「BAR/スイカA」を停止させることができないときは、中段に「ベル」を停止させる。
図30(A)は、このときの停止態様の例を示している。この場合、上段ラインには「ベル」揃いが停止しない。また、有効ラインには特定図柄Bが停止する。
【0297】
また、
図29(A)の停止態様から、左第二停止時に有効ラインに「リプレイC」を停止させることができないときは、上段に「ベル」を停止させる。
図30(B)は、このときの停止態様の例を示している(この時点でベルAの非入賞が確定する)。そして、中第三停止時には、
図30(A)と同様に、「ベル」を中段に停止させ、上段ラインに「ベル」揃いが停止しないようにするとともに、有効ラインに特定図柄Bを停止させる。
図30(C)は、このときの停止態様の例を示している。
【0298】
以上は、複合ベルX2〜X9当選時についても同様である。
左第一停止時は、「リプレイA/B/C」を停止させ、中第二停止時は、この時点でベルJの入賞が確定する。一方、右第二停止時は、ベルJと重複当選した他のベルに係る図柄を第一優先で停止させる。このとき、左リール31の有効ラインに停止した図柄と対応する図柄が第一優先の停止図柄となる。たとえば複合ベルX2当選時に左第一停止時に「リプレイC」が停止したときは、ベルBのうち、左リールが「リプレイC」である右リール31の図柄は「リプレイA」であるので、右リール31の停止時には「リプレイA」が第一優先の停止図柄となる。
【0299】
そして、第一優先の停止図柄を停止させたときは、中第三停止時には「PB≠1」となり、入賞時にはベルJと重複当選した他のベルが入賞するとともに上段ラインに「ベル」揃いが停止する。一方、他のベルの非入賞時には特定図柄Bが停止し、上段ラインには「ベル」揃いが停止しない。
また、左第一停止後、右第二停止時に第一優先の停止図柄を停止させることができないときは、ベルJに係る図柄を有効ラインに停止させる。この時点でベルJの入賞が確定し、中第三停止時には「PB=1」でベルJに係る図柄を有効ラインに停止させることができる。
【0300】
したがって、第2実施形態では、複合ベルX当選時の左第一停止時には、この時点で押し順正解/不正解が未だ決まっておらず、左リール31停止時には、押し順正解の図柄と押し順不正解の図柄とが同時に有効ラインに停止することを意味する。なお、本実施形態と異なり、複数の有効ラインを設ける場合には、押し順正解の図柄と押し順不正解の図柄とを異ならせ、同時に異なる有効ラインに停止させることも可能である。これに対し、本実施形態のように1本の有効ラインである場合には、左第一停止時に、押し順正解の図柄と押し順不正解の図柄との共通図柄を有効ラインに停止させる。
【0301】
また、右第一停止時には、その時点で押し順不正解が確定するので、ベルJと重複当選した他のベルに係る図柄を第一優先で引き込み、第一優先の図柄を引き込むことができないときは、第二優先のベルJに係る図柄を引き込む。
【0302】
また、
図21において、複合ベルX’は、当選役にベルJ及び特殊BDを含むものであり、さらに、複合ベルX1’〜X9’に対し、それぞれベルA〜ベルIが割り当てられている。
図31〜
図33は、複合ベルX1’当選時のリール31の停止態様の例を示す図である。まず、
図31(A)は、左第一停止時に、4番の「リプレイA」を中段に停止させた例である。この左第一停止時点では、押し順正解となるか否かは未だ決まっていない。
【0303】
図31(B)は、右第二停止時の停止態様の例を示す図である。右第二停止時点で、押し順正解となる。よって、この場合には、ベルJを入賞させるように制御する。右リール31の停止時には中段に「チェリー」(7番を除く)を停止させる。中段に(7番以外の)「チェリー」を停止させると、常に下段には「ベル」が停止する。
さらに、その後、中第三停止時には、中段に「ベル」を停止させるように制御する。これにより、
図31(C)に示すように、ベルJが入賞する。さらに、右下がりラインに「ベル」揃いが停止する。
【0304】
これに対し、
図32(A)は、左第一停止後、中第二停止時の一停止態様を示す図である。中第二停止時の場合は、押し順不正解となる。中第二停止時には、第一優先として、ベルAに係る図柄(左リール31停止時の図柄が「リプレイA」であるので、中リール31の図柄は「黄7」)を有効ラインに停止させるように制御する。
【0305】
図2に示すように、中リール31の「黄7」の図柄は、8番(1か所)に設けられている。したがって、4番〜8番までの図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「黄7」を有効ラインに停止させる。したがって、中リール31の停止時に「黄7」が有効ラインに停止する確率は、無作為に中ストップスイッチ42を操作すると、「5/21」の確率となる。
【0306】
この場合、右第三停止時には、右リール31の「リプレイA」を有効ラインに停止させてベルAを入賞可能であるときは、その位置で中リール31を停止させ、ベルAを入賞させる(
図32(B))。これにより、上段ラインには「ベル」揃いが停止する。
これに対し、右リール31の「リプレイA」を有効ラインに停止させることができないときは、「ベル」の図柄を中段に停止させる(
図32(C))。これにより、有効ラインには、特定図柄Cが停止する。
【0307】
一方、
図31(A)の後、中第二停止時に有効ラインに「黄7」を停止させることができないときは、
図33(A)に示すように、第二優先として、ベルJに係る「ベル」を有効ラインに停止させるように制御する。ここで、中リール31の「ベル」は、5図柄以内の間隔、すなわち「PB=1」で配置されているので、常に「ベル」を有効ラインに停止させることができる。よって、上述したように、無作為に中ストップスイッチ42を操作したときは、5/21の確率で「黄7」を有効ラインに引き込むが、16/21の確率で「ベル」が有効ラインに停止する。
【0308】
そして、
図33(A)の停止態様の後、右第三停止時には、
図33(B)に示すように、中段に(7番を除く)「チェリー」を停止させ、ベルJを入賞させるように制御する。右リール31の「チェリー」についても「PB=1」である。また、右リール31の7番を除く「チェリー」を中段(有効ライン)に停止させると下段には常に「ベル」が停止するので、ベルJの入賞時には、右下がりラインに「ベル」揃いが停止する。
【0309】
なお、複合ベルX2’〜X9’当選時についても、上記と同様である。
たとえば複合ベルX2’当選時の押し順不正解時において、左第一停止後、中第二停止時に、ベルBに係る図柄を第一優先で引き込み、ベルBに係る図柄を引き込むことができないときは、ベルJに係る図柄を有効ラインに停止させる。
【0310】
第2実施形態において、複合ベルY当選時は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第2実施形態では、「中第一停止」の押し順正解を有し、「中左右」と「中右左」とに分けていない。
【0311】
さらに、
図22において、複合ベルZ当選時は、当選役にベルK及び特殊Bを含むものであり、さらに、複合ベルZ1〜Z9に対し、それぞれベルA〜ベルIが割り当てられている。
図34〜
図36は、複合ベルZ1当選時のリール31の停止態様の例を示す図である。まず、
図34(A)は、右第一停止時に、4番の「リプレイA」を中段に停止させた例である。また、右第一停止時点では、押し順正解となるか否かは未だ決まっていない。
【0312】
図34(B)は、中第二停止時の停止態様の例を示す図である。中第二停止時点で、押し順正解となる。よって、この場合には、ベルKを入賞させるように制御する。中リール31の停止時には中段に「ベル」を停止させる。
さらに、左第三停止時には、ベルKを入賞させるため、「スイカA/B」を有効ラインに停止させる。ここで、同時に下段に「ベル」を停止させるため、18番の「スイカA」を除く「スイカA/B」を停止させる。18番に代えて、16番又は0番の「スイカA」を中段に停止させれば、下段には「ベル」が停止する。
図2において、左リール31には、18番の「スイカA」を除く「スイカA/B」が5図柄以内の間隔で配置されているので、「PB=1」で有効ラインに18番の「スイカA」を除く「スイカA/B」を停止させることができる。
【0313】
図34(C)は、このときの停止態様の例を示す図である。この例では、有効ラインに「スイカA」を停止させた例を示している。また、左リール31の停止時に「スイカA/B」を停止させると、常に下段には「ベル」が停止する。これにより、ベルKの入賞時には、右上がりラインに「ベル」揃いが停止する。
【0314】
これに対し、
図35(A)は、右第一停止後、左第二停止時の一停止態様を示す図である。左第二停止時の場合は、押し順不正解となる。左第二停止時には、第一優先として、ベルAに係る図柄(右リール31停止時の図柄が「リプレイA」であるので、左リール31の図柄は「リプレイA」)を有効ラインに停止させるように制御する。
図35(B)は、左リール31の停止時に中段に「リプレイA」を停止させた例である。
【0315】
この場合、中第三停止時には、中リール31の「黄7」を有効ラインに停止させて、ベルAを入賞可能であるときは、その位置で中リール31を停止させ、ベルAを入賞させる(
図35(B))。これにより、上段ラインには「ベル」揃いが停止する。
これに対し、中リール31の「黄7」を有効ラインに停止させることができないときは、「ベル」の図柄を中段に停止させる(
図35(C))。これにより、有効ラインには、第1実施形態と同様の特定図柄Bが停止する。また、上段ラインには「ベル」揃いが停止しない。
【0316】
一方、
図34(A)の後、左第二停止時に有効ラインに「リプレイA」を停止させることができないときは、第二優先として、ベルKに係る「スイカA/B」(18番の「スイカA」を除く)を有効ラインに停止させるように制御する。
図36(A)は、このときの一停止態様を示している。
【0317】
さらに、
図36(A)の停止態様の後、中第三停止時には、
図36(B)に示すように、中段に「ベル」を停止させ、ベルKを入賞させるように制御する。中リール31の「ベル」は、「PB=1」である。さらに、ベルKの入賞時には、右上がりラインに「ベル」揃いが停止する。
【0318】
また、複合ベルZ1当選時に、左又は中第一停止であるときは、その時点で押し順不正解が確定する。そして、左又は中第一停止であるときは、ベルAを入賞可能であるときは、ベルAを入賞させるように制御する。
【0319】
また、
図23において、複合ベルZ’当選時は、当選役にベルK、特殊B及び特殊Dを含むものであり、さらに、複合ベルZ1’〜Z9’に対し、それぞれベルA〜ベルIが割り当てられている。
図37〜
図39は、複合ベルZ1’当選時のリール31の停止態様の例を示す図である。まず、
図37(A)は、右第一停止時に、4番の「リプレイA」を中段に停止させた例である。また、右第一停止時点では、押し順正解となるか否かは未だ決まっていない。
【0320】
図37(B)は、左第二停止時の停止態様の例を示す図である。左第二停止時点で、押し順正解となる。よって、この場合には、ベルKを入賞させるように制御する。左リール31の停止時には、中段に(18番の「スイカA」を除く)「スイカA/B」を停止させる。また、左リール31の停止時に(18番を除く)「スイカA/B」を停止させると、常に下段には「ベル」が停止する。
さらに、中第三停止時には、ベルKを入賞させるため、「ベル」を有効ラインに停止させる。
図37(C)は、このときの停止態様の例を示す図である。これにより、ベルKの入賞時には、右上がりラインに「ベル」揃いが停止する。
【0321】
これに対し、
図38(A)は、中第二停止時の一停止態様を示す図である。中第二停止時の場合は、押し順不正解となる。中第二停止時には、第一優先として、ベルAに係る図柄(右リール31停止時の図柄が「リプレイA」であるので、中リール31の図柄は「黄7」)を有効ラインに停止させるように制御する。
図38(B)の例では、中リール31の停止時に有効ラインに「黄7」を停止させた例である。なお、中リール31では、「黄7」は1か所のみに設けられているので、無作為に右ストップスイッチ42を操作すると、5/21の確率で停止する。
【0322】
この場合、左第三停止時には、左リール31の「リプレイA」を有効ラインに停止させて、ベルAを入賞可能であるときは、その位置で左リール31を停止させ、ベルAを入賞させる(
図38(B))。これにより、上段ラインには「ベル」揃いが停止する。
これに対し、左第三停止時に、「リプレイA」を有効ラインに停止させることができないときは、「ベル」の図柄を中段に停止させる(
図38(C))。これにより、有効ラインには特定図柄Aが停止する。
【0323】
一方、
図37(A)の後、中第二停止時に有効ラインに「黄7」を停止させることができないときは、第二優先として、ベルKに係る「ベル」を有効ラインに停止させるように制御する。
よって、上述したように、無作為に中ストップスイッチ42を操作したときは、5/21の確率で「黄7」を有効ラインに引き込むが、16/21の確率で、「ベル」が有効ラインに停止する。
図39(A)は、このときの一停止態様を示している。
【0324】
さらに、
図39(A)の停止態様の後、左第三停止時には、中段に(18番を除く)「スイカA/B」を停止させ、ベルKを入賞させるように制御する。
図39(B)は、中段に「スイカA」を停止させた例である。ここで、左リール31の18番を除く「スイカA/B」は、上述したように「PB=1」である。さらに、中段に(18番を除く)「スイカA/B」を停止させると、同時に下段には「ベル」が停止するので、ベルKの入賞時には、右上がりラインに「ベル」揃いが停止する。
【0325】
また、複合ベルZ1’当選時に、左又は中第一停止であるときは、その時点で押し順不正解が確定する。そして、左又は中第一停止であるときは、ベルAを入賞可能であるときは、ベルAを入賞させるように制御する。
【0326】
以上のようにして、第2実施形態では、複合ベルの当選を5種類持たせ、押し順ベルを5択に設定している。これにより、押し順報知と非報知時との出玉差をより設けることができる。
また、非RT遊技で特定図柄が停止することを待ってRT2遊技に移行するが、3択より5択の方が押し順不正解・ベル非入賞となる確率が高いので、非RT遊技からより速やかにRT2遊技に移行させることができる。
【0327】
第1実施形態において、複合ベル当選時は、1/3の確率で押し順正解(常にベルJ又はL入賞)となるので、第一停止時に押し順一致での入賞確率は、100%となる。
これに対し、第2実施形態では、第一停止時に押し順一致時、5/21の確率で入賞率が5/21となり、16/21の確率で入賞率が1/1となる。
したがって、第一停止時に押し順一致時の入賞率は、
5/21×5/21+16/21×1/1
≒0.82(約82%)
となる。
よって、第2実施形態では、第1実施形態よりも、複合ベル当選時(非報知時)の入賞率を下げることができる。これにより、報知/非報知時の出玉の差をより設けることができる。
【0328】
また、第2実施形態では、押し順正解が、左中右、左右中、第一停止中、右中左、右左中の5通りとなり、遊技者が中第一停止で遊技を行ったときと、常に左第一停止で遊技を行ったときとで、複合ベル当選時の入賞率に差が付かないようにするため、複合ベルY(中第一停止)の当選確率は、低く設定することが好ましい。
さらにまた、通常遊技中は、右第一停止をペナルティに設定したとき、複合ベルZ(押し順正解が右中左)、複合ベルZ’(押し順正解が右左中)の当選確率を、複合ベルX、X’、Yよりも高く設定すれば、通常遊技中のベースを低く抑えることもできる。
【0329】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)複合ベル当選時において、押し順正解時には「PB=1」でベルが入賞するようにし、押し順不正解時には「PB≠1」でベルが入賞可能とした。
ここで、たとえば第1実施形態の複合ベルX1当選時には、押し順正解時に入賞するベルJと、押し順不正解時に入賞するベルAとで、払出し枚数を同一(9枚)に設定している。しかし、これに限らず、押し順不正解時に入賞するベルについても「PB=1」とし、かつ払出し枚数を少なく設定する(たとえば1枚)ことも可能である。
このようにすれば、押し順正解/不正解で、遊技者が得るメダル枚数に差を付けることができる。
【0330】
(2)複合ベル当選時において、押し順不正解時に入賞可能となる役(PB≠1)の払出し枚数を、押し順正解時に入賞する役(PB=1)の払出し枚数よりも少なく設定した場合には、押し順不正解時に入賞可能となる役の数を、押し順正解時に入賞する役の数よりも多くなるように設定する。
これにより、複合ベル当選時において、押し順不正解時には、個数優先制御を用いて、押し順不正解時に入賞可能となる役を優先して引き込むことができる。また、押し順不正解時には、仮にその役が入賞したとしても、その役の払出し枚数は、押し順正解時に入賞する役の払出し枚数よりも少ないので、報知なし時(非ART遊技)のベースを下げることができる。
【0331】
(3)本発明の第2実施形態では、複合ベルY当選時には、中第一停止の時点で正解押し順となるように構成したが、中第一停止後、第二停止で左右に分岐してもよい。たとえば中第一停止が正解となる複合ベルを、複合ベルYとY’とに分け、複合ベルY当選時の正解押し順を中左右に設定し、複合ベルY’当選時の正解押し順を中右左に設定することが挙げられる。
この場合も複合ベルXとX’、複合ベルZとZ’と同様に、中左右正解のときに、中第一停止時には、押し順正解となる図柄及び不正解となる図柄の双方を(同時)停止させ、第二停止が左であれば、PB=1となる正解図柄を引き込み、第三停止においても、PB=1の図柄を引き込んで役を入賞させる。一方、中第一停止後、第二停止が右のときは、PB≠1の図柄を優先して引き込み、PB≠1の図柄を停止させることができないときはPB=1の図柄を停止させる。右第二停止時にPB=1の図柄が停止したときは左第三停止時にはPB=1の図柄を停止させて役を入賞させる。一方、右第二停止時にPB≠1の図柄が停止したときには、左第三停止においてもPB≠1の図柄を引き込むことができるタイミングでストップスイッチ42が操作されればその図柄を停止させて役を入賞させるが、その図柄を引き込むことができないときは、当該役の取りこぼしを生じさせるようにする。
また、複合ベルY、Y’当選時に、左又は右を第一停止にしたとき(第一停止時点で押し順不正解時)の停止制御は、第2実施形態と同様の制御とすればよい。
このようにすれば、押し順が6択となり、さらに取得率を下げることが可能となり、遊技状態の移行をスムーズに行うことができる。
【0332】
<付記>
本願の原出願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
当初発明は、ストップスイッチの押し順に応じて停止態様が異なる押し順役に当選したときの押し順に応じたリール停止制御に関するものである。
【0333】
従来のスロットマシンにおいて、ストップスイッチの押し順に応じてリールの停止態様が異なる押し順役を設けたものが知られている(たとえば、特開2012−024552号公報参照)。
また、押し順役当選時において、a)押し順正解時には当選役が入賞するが、押し順不正解時には役の非入賞となる場合と、b)押し順正解時と不正解時とで、いずれも役が入賞するが、入賞に係る図柄の組合せが停止する有効ライン数を異ならせること等で、払出し枚数を異ならせる(正解押し順時の払出し枚数を多くする)ことが知られている。
【0334】
前述の従来の技術において、押し順を3択に設定し、かつ各正解を均等割としたときは、正解押し順を報知しない通常遊技中(非AT中)であっても、押し順役当選時には1/3の確率で正解押し順となる。このため、押し順役の取得率(押し順正解率)が高くなってしまい、通常遊技中のベースを下げることができない。
また、押し順役当選時の押し順不正解時には取りこぼし出目を出現可能にし、その取りこぼし出目により、遊技状態(RT)を移行させるように設定することが知られているが、3択押し順では、偶然の正解率が高くなるので、遊技状態をスムーズに移行させることができない。
【0335】
また、3択押し順時に通常遊技中のベースを下げるため、正解押し順をたとえば右第一停止(変則押し)に多く割り振り、かつ通常遊技中(非AT中)の右第一停止をペナルティに設定する方法が知られている。
しかし、このような押し順限定は、遊技性に制限を設けることになるとともに、遊技者の不本意な操作ミスであっても、右第一停止が行われれば、無条件にペナルティが発生してしまう。
【0336】
なお、現行5号機では、規則上、押し順役当選時の押し順不正解時であっても成立役を最大限引き込まなければならないため、従来の4号機のように、押し順役当選時の押し順不正解時にはリール制御によって強制的に成立役を外すことはできない。
【0337】
したがって、当初発明が解決しようとする課題は、押し順役を設けたスロットマシンにおいて、通常遊技中のベースを下げることができ、かつ、押し順役当選時の不正解時には取りこぼし出目を出現可能とすることである。
【0338】
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
第1の解決手段(第2実施形態に係る発明)は、
複数種類の図柄を表示した複数のリール(31)と、
各前記リールに対応して設けられ、前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチ(42)と、
前記ストップスイッチが操作される前に役の抽選を行う役抽選手段(61)と、
前記ストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段の抽選結果に基づいて前記リールを停止制御するリール制御手段(64)と
を備え、
前記役抽選手段による抽選の結果、当選役として役A及び役Bを含み、かつ遊技者にとって有利な前記ストップスイッチの押し順を定めた特定当選となる場合を有し(当選当選が複合ベルX1であるときは、役AはベルJ、役BはベルA、有利な押し順は左中右に相当する。)、
役Aに係る図柄(左リール31の「リプレイA/B/C」、中リール31の「ベル」、右リール31の「チェリー」)は、すべての前記リールについて、前記ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず常に有効ラインに停止可能であり、
最初に停止する前記リールについては、前記ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず、常に役Aに係る図柄及び役Bに係る図柄の双方を有効ラインに停止可能であり、
役Bに係る図柄は、2番目以降の前記リールについては、前記ストップスイッチの操作タイミングによって有効ラインに停止可能な場合と停止不可能な場合とを有し、
前記リール制御手段は、前記役抽選手段で前記特定当選となった場合において、
最初に操作された前記ストップスイッチが有利な押し順に対応する前記ストップスイッチであるときは、役Aに係る図柄及び役Bに係る図柄の双方を有効ラインに停止させ(たとえば複合ベルX1当選時に、左第一停止時は、「リプレイA/B/C」を有効ラインに停止させ)、
最初に操作された前記ストップスイッチが有利な押し順に対応する前記ストップスイッチである場合において、2番目に操作された前記ストップスイッチが有利な押し順に対応する前記ストップスイッチであるときは、そのストップスイッチに対応する前記リールの停止時には、役Aに係る図柄を有効ラインに停止させ(たとえば複合ベルX1当選時に、左第一停止後、中第二停止時にはベルJに係る「ベル」を有効ラインに停止させ)、
最初に操作された前記ストップスイッチが有利な押し順に対応する前記ストップスイッチである場合において、2番目に操作された前記ストップスイッチが有利な押し順に対応する前記ストップスイッチでないときは、そのストップスイッチに対応する前記リールの停止時には、役Bに係る図柄を有効ラインに停止させる(たとえば複合ベルX1当選時に、左第一停止時に有効ラインに「リプレイA」を停止させたときは、右第二停止時には、ベルAに係る「リプレイA」を有効ラインに停止させる)ことを優先するとともに、役Bに係る図柄を有効ラインに停止させることができないときは、役Aに係る図柄(ベルJに係る「チェリー」)を有効ラインに停止させるように制御する
ことを特徴とする。
【0339】
本実施形態では、特定当選は、第2実施形態における複合ベルX、X’、Z、及びZ’の当選に相当する。
さらに特定当選は、たとえば複合ベルX1であるときは、役Aに相当するベルJ、役Bに相当するベルAの他、特殊Bが含まれる。すなわち、特定当選に含まれる当選役は、役A及び役Bのみに限らず、押し順を振り分ける制御用としての役等を含んでもよく、さらに、その役がいくつあってもよい。
【0340】
また、「役Bに係る図柄は、2番目以降の前記リールについては、前記ストップスイッチの操作タイミングによって有効ラインに停止可能な場合と停止不可能な場合とを有し」とは、たとえば複合ベルX1当選時を例に挙げると、ベルAに係る図柄の組合せは3種類設けられているので、左第一停止時には「リプレイA/B/C」のうちの任意の図柄を停止可能(「リプレイA/B/C」全体でPB=1)であるが、左リール31が停止することにより、その時点でベルAの1つの図柄の組合せが定まる。たとえば左リール31の停止時に「リプレイA」が有効ラインに停止したときは、中リール31の図柄は「黄7」の1種類、右リール31の図柄は「リプレイA」の1種類となるので、いずれの図柄も「PB≠1」となり、有効ラインに停止可能な場合と、停止不可能な場合とを有することとなる。
なお、「有効ラインに停止可能な場合」とは、上記例のように、複合ベルX1当選時に左第一停止で「リプレイA」が有効ラインに停止した場合には、右第二停止(押し順不正解)時は、「リプレイA」の図柄が有効ラインに停止できるタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときである。
【0341】
したがって、特定当選時に、第一停止時には、押し順正解となる図柄と押し順不正解となる図柄との双方を有効ラインに停止させ、第二停止時に、押し順正解であるときは役Aに係る図柄を停止させ、押し順不正解であるときは役Bに係る図柄(PB≠1)を優先して停止させるとともに、役Bに係る図柄を停止させることができないときは役Aに係る図柄(PB=1)を停止させる。
【0342】
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
役Bの図柄の組合せは、N(Nは、2以上の整数)種類(たとえば、複合ベルに係るベルA〜Iは、それぞれ3種類)設けられ、
最初の前記リールについては、役Aに係る図柄が有効ラインに停止したとき、役Bに係る図柄の少なくとも1つが有効ラインに停止するように定められ、
最初の前記リールが停止することにより、有効ラインに停止した役Bに係る図柄が決定すると、2番目に停止する前記リールについては、役Bに係る図柄の種類がM(Mは、1以上の整数であって、M<N)種類となり、
役Bに係るM種類の図柄は、前記ストップスイッチの操作タイミングによって有効ラインに停止可能な場合と停止不可能な場合とを有する
ことを特徴とする。
【0343】
第2実施形態では、たとえば複合ベルX1当選時に、最初に停止するリールが左リール31であり、左リール31の停止時に有効ラインに「リプレイA」が停止すると、2番目に停止するリールについては、ベルAに係る図柄の種類は、1種類(中リール31は「黄7」の1種類、右リール31は「リプレイA」の1種類)となる。
【0344】
第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、
前記リールの停止時における図柄の組合せの有効ラインは、1本であり、
前記リール制御手段は、前記役抽選手段で前記特定当選となった場合において、最初に操作された前記ストップスイッチが有利な押し順に対応する前記ストップスイッチであるときは、同一図柄である役Aに係る図柄及び役Bに係る図柄を有効ラインに停止させる
ことを特徴とする。
【0345】
本実施形態のように、有効ラインが1ラインの場合には、たとえば複合ベルX1当選時に、左第一停止時に「リプレイA/B/C」のいずれが停止したときであっても、同一図柄である役A(ベルJ)に係る図柄及び役B(ベルA)に係る図柄が有効ラインに停止したこととなる。
【0346】
第4の解決手段は、第1〜第3の解決手段において、
前記リール制御手段は、前記役抽選手段で前記特定当選となった場合において、
最初に操作された前記ストップスイッチが有利な押し順に対応する前記ストップスイッチでないときは、最初の前記リールの停止時に、役Aに係る図柄を有効ラインに停止させず、役Bに係る図柄を有効ラインに停止可能に前記リールを停止制御する
ことを特徴とする。
【0347】
第2実施形態において、たとえば複合ベルX1当選時に、中第一停止としたときは、役Aに相当するベルJに係る「ベル」を停止させずに、役Bに相当するベルAに係る「黄7/赤7/BAR/スイカA」のいずれかを停止させる。また、右第一停止としたときは、役Aに相当するベルJに係る「チェリー」を停止させずに、役Bに相当するベルAに係る「リプレイA/B/C」のいずれかを停止させる。
【0348】
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定当選時に、押し順正解であれば、役Aに係る図柄を常に入賞させることができる。また、特定当選時に押し順不正解であれば、第二停止時に役Bに係る図柄を停止させたときは、最終的に役Bが入賞する場合と入賞しない場合とを作り出すことが可能であるので、特定当選時の押し順不正解時に、一定の確率で、役の非入賞時の取りこぼし目(実施形態における特定図柄A〜C)停止させることが可能となる。