(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
<積立サービス概要>
以下、図を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、支払料金PFと、使用料金Fとの一例を示すグラフである。具体的には、ある需要家Uの1月から12月までの支払料金PFと、使用料金Fとを示すグラフである。
使用料金Fとは、需要家Uがエネルギー供給者ECから供給されるエネルギーを使用することに応じて生じる料金である。需要家Uとは、エネルギー供給者ECからエネルギーの供給を受けるエネルギーの使用者であって、エネルギー供給者ECと当該エネルギーの使用契約を行う契約者である。エネルギー供給者ECは、電気、ガス及び水道等のエネルギーを需要家Uに供給する事業者である。エネルギー供給者ECとは、例えば、電気事業者、ガス事業者及び水道局である。電気事業者とは、一般電気事業者及び小売電気事業者である。また、ガス事業者とは、一般ガス事業者、簡易ガス業者、ガス導管事業者及び大口ガス事業者である。
支払料金PFとは、エネルギー供給者ECからエネルギーの供給を受ける需要家Uが当該エネルギー供給者ECに支払う料金である。
以下、エネルギー供給者ECが、電気事業者であって、使用料金Fが電気使用料金である場合について説明する。
【0014】
ここで、需要家Uは、電気事業者と電力の使用契約の他、支払料金PFから電気使用料金を差し引いた差額である積立金額を積立てる積立サービスの契約を行う場合がある。需要家Uは、積立サービスを契約する期間において、電気使用料金が含まれる支払料金PFを電気事業者に支払う。電気事業者は、需要家Uが積立てる積立金額に応じて、需要家Uに利益BTを提供する。利益BTとは、積立金額と同等の価値の利益である。利益BTとは、例えば、積立金額と同等の価値の商品券、宿泊券やポイント等である。
以下、需要家Uは、1年間の積立サービスを契約し、電気事業者に支払料金PFを1か月毎に1年間支払う場合について説明する。
図1に示すとおり、この一例では、ある需要家Uが1月から12月までの間、支払料金PFとして3万円を支払うことによって、電気事業者には需要家Uから総額36万円が支払われる。また、
図1に示す通り、この一例では、ある需要家Uの1月から12月までの電気使用料金とは、総額20万9000円である。この場合、需要家Uの積立金額とは、総額15万1000円である。この場合、電気事業者は、15万1000円と同等の価値の利益BTを需要家Uに提供する。
【0015】
ここで、需要家Uが提供されることを所望する利益BTは、需要家U毎に異なる場合がある。需要家Uが電気事業者と積立サービスの契約を行う場合、需要家Uが支払う支払料金PFに応じて積立てられる積立金額と、当該需要家Uが提供されることを所望する利益BTの金額とは、乖離しないことが求められる。具体的には、需要家Uの積立金額と、需要家Uが提供されることを所望する利益BTの金額とのうち、積立金額の方が低い金額である場合、当該需要家Uは、当該利益BTの提供を受けることが困難である。また、需要家Uの積立金額と、需要家Uが提供されることを所望する利益BTの金額とのうち、利益BTの金額の方が低い金額である場合、当該需要家Uは、積立金額と同等の価値の利益BTの提供を受けることが困難である。乖離程度算出装置1は、需要家Uが提供されることを所望する利益BTの金額と、需要家Uが支払う支払料金PFとの乖離の程度を算出する。
【0016】
なお、需要家Uが積立サービスを契約する期間は1年間以外の期間であってもよい。積立サービスを契約する期間とは、例えば、半年間であってもよく、2年間であってもよく、他の期間であってもよい。
また、需要家Uは、積立サービスを契約する期間、1か月毎に支払料金PFを電気事業者に支払うことに代えて、所定の期間毎に支払料金PFを支払ってもよい。所定の期間とは、2か月間であってもよく、半年間であってもよく、他の期間であってもよい。
以降の説明において、需要家Uが積立サービスを契約する期間を契約期間と記載する。需要家Uは、契約期間において、電気使用料金を含む支払料金PFを電気事業者に支払う。
【0017】
<乖離程度算出装置の概要について>
以下、
図2を参照して乖離程度算出装置1の概要について説明する。
図2は、第1実施形態の乖離程度算出装置1の概要を示す図である。
図2に示す通り、乖離程度算出装置1は、電気事業者のオフィスOF内に備えられる。また、乖離程度算出装置1は、情報の送受信が可能なネットワークNを介して情報処理装置IPUと接続される。情報処理装置IPUとは、例えば、ワークステーションやデスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、タブレットPC、多機能携帯電話端末(スマートフォン)等である。情報処理装置IPUとは、例えば、需要家Uの住居に備えられる。
需要家Uは、当該需要家Uが過去にエネルギー供給者EC(この一例では、電気事業者)に支払った使用料金F(この一例では、電気使用料金)を情報処理装置IPUに入力する。この一例では、需要家Uは、当該需要家Uが過去に電気事業者に支払ったある月の領収書Rに記載された電気使用料金を情報処理装置IPUに入力する。以降の説明において、使用料金F(この一例では、電気使用料金)を示す情報を使用料金情報FIと記載する。
【0018】
また、
図2に示す通り、情報処理装置IPUには、電気事業者から需要家Uに対して利益BTに関する質問が表示される。この質問とは、需要家Uが提供されることを所望する利益BTを需要家Uが選択することを目的とする質問であって、利益BTの種類を示す質問である。以降の説明において、利益BTの種類を、単に種類CGと記載する。
この一例では、種類CGが、「ハワイ旅行4泊6日の宿泊券(種類CG11)」、「コンビニポイント2000点(種類CG21)」及び「熱海旅行2泊3日の宿泊券(種類CG31)」である。ここで、ハワイ旅行4泊6日の宿泊券とは、ハワイ旅行4泊6日の旅費としてかかる費用と同等の価値の商品券である。また、コンビニポイントとは、コンビニエンスストアでの買い物の支払いに使用することができるポイントである。また、熱海旅行2泊3日の宿泊券とは、熱海旅行2泊3日の旅費としてかかる費用と同等の価値の商品券である。
需要家Uは、情報処理装置IPUに表示される種類CGのいずれかを選択し、当該情報処理装置IPUに選択した結果を入力する。以降の説明において、需要家Uが質問に応じて選択した内容を示す情報であって、種類CGを示す情報を選択情報CIと記載する。この一例では、情報処理装置IPUに表示される質問に応じて、需要家Uは、「ハワイ旅行4泊6日の宿泊券(種類CG11)」を選択する。この場合、選択情報CIとは、「ハワイ旅行4泊6日の宿泊券(種類CG11)」を示す情報である。
情報処理装置IPUは、ネットワークNを介して使用料金情報FI及び選択情報CIを乖離程度算出装置1に送信する。
【0019】
なお、需要家Uが、情報処理装置IPUを用いて使用料金情報FIを乖離程度算出装置1に送信する方法に代えて、積立てサービスの申し込みを行う窓口の担当者が当該窓口に積立サービスを申し込みに来る需要家Uの使用料金情報FIを乖離程度算出装置1に入力する方法であってもよい。この場合、乖離程度算出装置1は、当該窓口が設置される建物に備えられる。
【0020】
また、需要家Uの領収書Rに記載された電気使用料金を情報処理装置IPUに入力することに代えて、他の情報に基づく電気使用料金を情報処理装置IPUに入力してもよい。例えば、需要家Uが領収書Rを所有していない場合、需要家Uの過去の電気使用料金の支払い履歴を電気事業者に問合せすることによって取得した情報に基づいて、電気使用料金を情報処理装置IPUに入力してもよい。また、例えば、積立サービスの申し込みを行う窓口の担当者が、需要家Uの契約情報を検索し、当該需要家Uの過去の電気使用料金の支払い履歴を参照することによって取得した情報に基づいて、電気使用料金を情報処理装置IPUに入力してもよい。
【0021】
乖離程度算出装置1は、ネットワークNを介して情報処理装置IPUから使用料金情報FI及び選択情報CIを取得する。乖離程度算出装置1は、取得した使用料金情報FI及び選択情報CIに基づいて、需要家Uが所望する利益BTの金額と、積立金額との乖離の程度を算出する。
【0022】
<乖離程度算出装置の接続について>
以下、
図3を参照して、乖離程度算出装置1の構成について説明する。
図3は、第1実施形態の乖離程度算出装置1の構成の一例を示す図である。
図3に示す通り、乖離程度算出装置1と情報処理装置IPUとは、接続される。上述したように、情報処理装置IPUは、乖離程度算出装置1に使用料金情報FIと、選択情報CIとを送信する。
乖離程度算出装置1は、制御部100と、記憶部500とを備える。記憶部500には、予め利益種別情報BCI2が記憶される。
【0023】
<利益種別情報について>
以下、
図4を参照して利益種別情報BCI2について説明する。
図4は、第1実施形態の利益種別情報BCI2の一例を示す表である。
利益種別情報BCI2とは、種類CGを示す情報である。具体的には、利益種別情報BCI2は、種類CGを需要家Uに提供する際に積立てすることが求められる積立金額の価格PRと、種類CGとが関連付けられた情報である。
利益種別情報BCI2には、複数の種類CGと、種類CG毎の価格PRとが含まれる。
図4に示す通り、この一例では、利益種別情報BCI2には、「ハワイ旅行4泊6日宿泊券(種類CG11)」と、「30万円(価格PR1)」とが関連付けられて記憶される。また、利益種別情報BCI2には、「コンビニポイント2000点(種類CG21)」と、「20万円(価格PR2)」とが関連付けられて記憶される。また、利益種別情報BCI2には、「熱海旅行2泊3日宿泊券(種類CG31)」と、「10万円(価格PR3)」とが関連づけられて記憶される。
【0024】
<乖離程度算出装置の構成について>
図3に戻り、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)を備えており、取得部110と、目標料金算出部120と、推定料金算出部130と、乖離程度算出部140と、乖離情報出力部150とをその機能部として備える。
取得部110は、情報処理装置IPUから使用料金情報FIと、選択情報CIとを取得する。取得部110は、取得した選択情報CIを目標料金算出部120に供給する。また、取得部110は、取得した使用料金情報FIを推定料金算出部130に供給する。
【0025】
目標料金算出部120は、取得部110から選択情報CIを取得する。目標料金算出部120は、取得した選択情報CIが示す種類CGに基づいて、目標料金GFを算出する。目標料金GFとは、需要家Uが所望する利益BTに応じた支払料金PFの目標値である。目標料金算出部120は、利益種別情報BCI2と、選択情報CIが示す種類CGとに基づいて、目標料金GFを算出する。具体的には、目標料金算出部120は、利益種別情報BCI2に含まれる種類CGのうち、選択情報CIが示す種類CGに対応する種類CGと関連付けられる価格PRを目標料金GFとして算出する。
この一例では、選択情報CIが示す種類CGが「ハワイ旅行4泊6日宿泊券(種類CG11)」である。また、利益種別情報BCI2が示す種類CGのうち、「ハワイ旅行4泊6日宿泊券(種類CG11)」に対する価格PRが「30万円(価格PR1)」である。これにより、目標料金算出部120は、目標料金GFを「30万円」として算出する。
目標料金算出部120は、算出した目標料金GFを示す情報を乖離程度算出部140に供給する。
【0026】
推定料金算出部130は、取得部110から使用料金情報FIを取得する。推定料金算出部130は、使用料金情報FIに基づいて、推定料金ESを算出する。推定料金ESとは、需要家Uが積立サービスを契約する期間に積立てる積立金額の推定値である。
この一例では、需要家Uは、電気事業者と1年間の積立サービスを契約し、電気事業者に支払料金PFとして3万円を1か月毎に1年間支払う場合について説明する。この場合、推定料金算出部130は、支払料金PFである3万円から電気使用料金を差し引いた積立金額を算出する。また、推定料金算出部130は、算出した積立金額に12を乗じた料金を推定料金ESとして算出する。推定料金算出部130は、算出した推定料金ESを示す情報を推定料金算出部130に供給する。
なお、需要家Uが積立サービスを契約する期間が1年間以外の期間である場合、推定料金算出部130は、当該期間に需要家Uが電気事業者に支払う支払料金PFの合計から、当該期間の電気使用料金の合計を差し引いた金額を推定料金ESとして算出してもよい。
【0027】
乖離程度算出部140は、目標料金算出部120から目標料金GFを示す情報を取得する。また、乖離程度算出部140は、推定料金算出部130から推定料金ESを示す情報を取得する。乖離程度算出部140は、目標料金GFと、推定料金ESとに基づいて、乖離度DRを算出する。乖離度DRとは、目標料金GFと、推定料金ESとの乖離の程度を示す値である。この一例では、乖離度DRとは、目標料金GFに対する推定料金ESの割合を示す値である。乖離程度算出部140は、算出した乖離度DR示す情報を乖離情報出力部150に供給する。以降の説明において、乖離度DRを示す情報を乖離情報DIと記載する。
【0028】
なお、乖離度DRは、目標料金GFに対する推定料金ESの割合を示す値である構成に代えて、目標料金GFから推定料金ESを差し引いた差額を示す値であってもよい。
【0029】
乖離情報出力部150は、乖離程度算出部140から乖離度DRを示す情報を取得する。乖離情報出力部150は、乖離情報DIを出力する。
乖離情報出力部150は、例えば、乖離情報DIを情報処理装置IPUに出力する。情報処理装置IPUは、乖離程度算出装置1から乖離情報DIを受信し、当該情報処理装置IPUが備えるディスプレイ等の表示部に乖離度DRを表示する。需要家Uは、当該表示を確認することによって、乖離度DRを確認することができる。
【0030】
<乖離程度算出装置の動作について>
以下、
図5を参照して、乖離程度算出装置1の動作について説明する。
図5は、第1実施形態の乖離程度算出装置1の動作の一例を示す流れ図である。
取得部110は、情報処理装置IPUから使用料金情報FIと、選択情報CIとを取得する(ステップS110)。目標料金算出部120は、取得部110が取得した選択情報CIに基づいて、目標料金GFを算出する(ステップS120)。推定料金算出部130は、取得部110が取得した使用料金情報FIに基づいて、推定料金ESを算出する(ステップS130)。乖離程度算出部140は、目標料金算出部120が算出した目標料金GFと、推定料金算出部130が算出した推定料金ESとに基づいて、乖離度DRを算出する(ステップS140)。乖離情報出力部150は、乖離程度算出部140が算出した乖離度DRを示す乖離情報DIを出力する(ステップS150)。
【0031】
<第1実施形態のまとめ>
以上説明したように、本実施形態の乖離程度算出装置1は、需要家Uが積立サービスを契約することに伴って積立てると推定される推定料金ESと、当該需要家Uが提供されることを所望する利益BTに応じた支払料金PFの目標値である目標料金GFとの乖離度DRを出力する。本実施形態の乖離程度算出装置1は、出力した乖離度DRを参照する需要家Uに対して、推定料金ESと、目標料金GFとにどの程度差があるか乖離の程度を提示することができる。
例えば、乖離度DRが0.5である場合には、目標料金GFに対して積立てると推定される積立金額が半分程度であることを示す。需要家Uは、乖離度DRに基づいて、提供されることを所望する利益BTに応じた目標料金GFがより低額なものを選択するか、支払料金PFを増額することによって、積立てられる積立金額を増額するかを検討することができる。
したがって、本実施形態の乖離程度算出装置1によれば、積立サービスを契約する需要家Uが、当該需要家Uに合った利益BT又は支払料金PFを選択するための情報を提供することができる。
【0032】
[変形例1]
以下、
図6を参照して、第1実施形態の変形例1について説明する。
図6は、変形例1の乖離程度算出装置1の概要の一例を示す図である。
第1実施形態では、需要家Uが過去に電気事業者に支払った電気使用料金の領収書Rに記載された電気使用料金を、1か月分だけ情報処理装置IPUに入力する場合について説明した。
変形例1では、需要家Uが過去にエネルギー供給者EC(この一例では、電気事業者)に支払った複数回分の請求にそれぞれ対応する使用料金F(この一例では、電気使用料金)を情報処理装置IPUに入力する場合について説明する。
なお、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
図6に示す通り、この一例では、需要家Uが複数回分の電気事業者の請求にそれぞれ対応する複数の領収書R1、領収書R2、…、領収書Rnを所有する。nとは、3以上の整数である。領収書Rには、互いに異なる月の電気使用料金が記載される。
この一例では、需要家Uが領収書R1から領収書R12までの領収書Rを所有する場合について説明する。領収書R1から領収書R12までの領収書Rは、需要家Uが過去に支払った電気使用料金の領収書Rであって、需要家Uが使用したある年の電気使用料金が記載される領収書Rである。具体的には、領収書R1から領収書R12までの領収書Rには、需要家Uが支払ったある年の1月から12月までの電気使用料金がそれぞれ記載される。この一例では、領収書R1から領収書R12までの領収書Rには、
図1に示す1月から12月までの電気使用料金が記載される。
変形例1では、情報処理装置IPUは、需要家Uが支払った1月から12月までの電気使用料金を示す情報を使用料金情報FIとして乖離程度算出装置1に送信する。
【0034】
乖離程度算出装置1が備える推定料金算出部130は、情報処理装置IPUから取得した使用料金情報FIに基づいて、推定料金ESを算出する。具体的には、推定料金算出部130は、使用料金情報FIが示す複数の使用料金F(この一例では、電気使用料金)の統計演算に基づいて、推定料金ESを算出する。
この一例では、推定料金算出部130は、使用料金情報FIが示す複数の電気使用料金のうち、最も高額な電気使用料金と同じ金額を支払料金PFから差し引いた積立金額を算出する。また、推定料金算出部130は、算出した積立金額に積立サービスの契約月数を乗じた値を推定料金ESとして算出する。
【0035】
なお、上述では、推定料金算出部130は、使用料金情報FIに含まれる電気使用料金のうち、最も高額な電気使用料金を支払料金PFから差し引いた積立金額に基づいて推定料金ESを算出する場合について説明したが、これに限られない。例えば、推定料金算出部130は、使用料金情報FIに含まれる複数の電気使用料金をそれぞれ支払料金PFから差し引いた積立金額の総額を推定料金ESとしてもよい。また、推定料金算出部130は、使用料金情報FIに含まれる複数の電気使用料金の平均の金額を支払料金PFから差し引いた積立金額に積立サービスの契約月数を乗じた値を推定料金ESとして算出してもよい。
【0036】
<変形例1のまとめ>
以上説明したように、変形例1の乖離程度算出装置1において、使用料金情報FIとは、複数回分の請求にそれぞれ対応する電気使用料金を示す情報である。推定料金算出部130は、使用料金情報FIが示す複数の電気使用料金の統計演算に基づいて、推定料金ESを算出する。具体的には、変形例1の乖離程度算出装置1は、使用料金情報FIが示す複数の電気使用料金に基づいて、複数の使用料金Fのうち、最も高額の電気使用料金を支払料金PFから差し引いた積立金額に基づいて、推定料金ESを算出する。
変形例1の乖離程度算出装置1によれば、複数の電気使用料金に基づいて、需要家Uの電気使用料金の傾向に基づいた推定料金ESを算出することができる。これにより、変形例1の乖離程度算出装置1は、需要家Uの推定料金ESをより精度高く算出することに伴い、乖離度DRをより精度高く算出することができる。したがって、変形例1の乖離程度算出装置1によれば、積立サービスを契約する需要家Uが、当該需要家Uに合った利益BT又は支払料金PFを選択するための情報を提供することができる。
【0037】
[第2実施形態]
以下、図を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、選択情報CIに基づいて、目標料金GFが算出される場合について説明した。
第2実施形態では、目標料金GFが、価格変動情報CPIに更に基づいて算出される場合について説明する。
なお、上述した第1実施形態及び変形例1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
<価格変動情報について>
図7は、第2実施形態の価格変動情報CPIの一例を示す表である。
価格変動情報CPIとは、利益BTの価格変動を示す情報である。例えば、利益BTが海外旅行の宿泊券である場合、当該利益BTに応じた金額は、燃油サーチャージや為替レートに応じて変動する場合がある。具体的には、利益BTが海外旅行の宿泊券である場合、当該利益BTに応じた金額は、燃油サーチャージの金額だけ増額する。また、利益BTに応じた金額は、海外旅行の宿泊先の国と出発国との為替レートに応じて増減する場合がある。より具体的には、出発国の通貨が宿泊先の国の通貨より高いレートである場合、利益BTに応じた金額は、減額する。また、出発国の通貨が宿泊先の国の通貨より低いレートである場合、利益BTに応じた金額は、増額する。この一例では、価格変動情報CPIが日本出発着の飛行機に発生する燃油サーチャージに応じた利益BTの価格変動を示す情報である場合について説明する。
【0039】
図7に示す通り、価格変動情報CPIは、行先DSTと変動価格CFとが関連付けられた情報である。行先DSTとは、利益BTである海外旅行の宿泊券の当該海外旅行先の国である。また、変動価格CFとは、行先DSTに応じて利益BTに応じた金額に付加される価格又は差し引かれる価格である。
この一例では、利益BTである海外旅行の行先DSTが、「韓国・極東ロシア(行先DST1)」、「中国・台湾・香港(行先DST2)」、「グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム(行先DST3)」、「タイ・シンガポール・マレーシア(行先DST4)」、「インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ(行先DST5)」及び「北米・欧州・中東・オセアニア(行先DST6)」である。
また、行先DST1には、「+1500円(変動価格CF1)」が関連付けられる。また、行先DST2には、「+4500円(変動価格CF2)」が関連付けられる。また、行先DST3には、「+5000円(変動価格CF3)」が関連付けられる。また、行先DST4には、「+8500円(変動価格CF4)」が関連付けられる。また、行先DST5には、「+11000円(変動価格CF5)」が関連付けられる。また、行先DST6には、「+17500円(変動価格CF6)」が関連付けられる。
【0040】
<乖離程度算出装置の構成について>
以下、
図8を参照して、乖離程度算出装置2の構成について説明する。
図8は、第2実施形態の乖離程度算出装置2の構成の一例を示す図である。
図8に示す通り、乖離程度算出装置2は、制御部100と、記憶部600とを備える。記憶部600には、予め利益種別情報BCI2と、価格変動情報CPIとが記憶される。
【0041】
なお、記憶部600には、価格変動情報CPIが予め記憶される構成に代えて、価格変動情報CPIが所定の期間毎又は所定の時間毎に更新される構成であってもよい。例えば、価格変動情報CPIが燃油サーチャージに応じた利益BTの価格変動を示す情報である場合、価格変動情報CPIは、燃油サーチャージが確定する確定時期毎に更新される。また、例えば、価格変動情報CPIが為替レートに応じた利益BTの価格変動を示す情報である場合、価格変動情報CPIは、為替レートが変化する時間毎に更新される。
【0042】
目標料金算出部120は、取得部110から選択情報CIを取得する。目標料金算出部120は、選択情報CIに基づいて、目標料金GFを算出する。
また、目標料金算出部120は、選択情報CIが示す種類CGが海外旅行の宿泊券である場合、当該種類CGが示す海外旅行先の国を検索キーとして、価格変動情報CPIに含まれる行先DSTを検索する。目標料金算出部120は、価格変動情報CPIに検索キーと一致する行先DSTが含まれる場合、当該行先DSTに対応する変動価格CFを読み出す。
この一例では、選択情報CIが示す種類CGが「ハワイ旅行4泊6日宿泊券(種類CG11)」である。したがって、目標料金算出部120は、価格変動情報CPIから「インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ(行先DST5)」に対応する「+11000円(変動価格CF5)」を読み出す。
目標料金算出部120は、読み出した変動価格CFと、目標料金GFとに基づいて、新たに目標料金GFを算出する。具体的には、目標料金算出部120は、読み出した変動価格CFと、算出した目標料金GFとを足し合わせた金額を新たに目標料金GFとして算出する。
【0043】
<第2実施形態のまとめ>
以上説明したように、本実施形態の乖離程度算出装置2は、価格変動情報CPIに更に基づいて、目標料金GFを算出する。本実施形態の乖離程度算出装置2によれば、利益BTの価格変動によって目標料金GFの価値が変動する場合であっても、価値の変動に応じて目標料金GFを算出することができる。これにより、本実施形態の乖離程度算出装置2は、目標料金GFをより精度高く算出するため、乖離度DRをより精度高く算出することができる。したがって、本実施形態の乖離程度算出装置2によれば、積立サービスを契約する需要家Uが、当該需要家Uに合った利益BT又は支払料金PFを選択するための情報を提供することができる。
【0044】
[第3実施形態]
以下、図を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態の乖離程度算出装置3の概要を示す図である。
第1実施形態、変形例1及び第2実施形態では、使用料金情報FIに基づいて、推定料金ESを算出する場合について説明した。
第3実施形態では、使用料金情報FIとは異なる情報に更に基づいて推定料金ESを算出する場合について説明する。
なお、上述した第1実施形態、変形例1及び第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
<乖離程度算出装置の概要について>
上述した通り、情報処理装置IPUには、使用料金Fと、種類CGとが入力される。また、
図9に示す通り、情報処理装置IPUには、需要家Uの住居に関する情報が入力される。以降の説明において、需要家Uの住居に関する情報を住居情報HIと記載する。
【0046】
住居情報HIには、例えば、住居の広さ、住居人数、住居の築年数、住居の種類、宅地エリア及び熱源タイプ等である。住居の種類とは、例えば、住居が一戸建てであるか、集合住宅であるかを示す情報である。また、宅地エリアとは、住居が建てられている宅地が寒冷地であるか否かを示す情報である。また、熱源タイプとは、住宅の熱源が電気によって作られるか、ガスによって作られるかを示す情報である。具体的には、熱源タイプとは、住居に備えられる給湯システムが電気給湯であるかガス給湯であるかを示す情報である。
需要家Uは、住居情報HIを情報処理装置IPUに入力する。情報処理装置IPUは、ネットワークNを介して使用料金情報FIと、選択情報CIと、住居情報HIとを乖離程度算出装置3に送信する。
【0047】
<乖離程度算出装置の構成について>
以下、
図10を参照して、乖離程度算出装置3の構成について説明する。
図10は、第3実施形態の乖離程度算出装置3の構成の一例を示す図である。
図10に示す通り、制御部100と、記憶部700とを備える。記憶部700には、利益種別情報BCI2と、価格変動情報CPIと、気温変動情報CTIとが予め記憶される。気温変動情報CTIとは、気温の変動を示す情報である。ここで、需要家Uの電気使用料金は、気温に影響される場合がある。例えば、夏場の気温が例年と比較して高い場合、需要家Uの電気使用料金は、エアコンの使用頻度が増えることに伴って増加する。また、冬場の気温が例年と比較して低い場合、需要家Uの電気使用料金は、エアコンの使用頻度が増えることに伴って増加する。気温変動情報CTIは、例えば、例年と比較して気温の変動を示す情報である。
【0048】
<住居情報に基づいて推定料金を算出する場合について>
推定料金算出部130は、住居情報HIと、気温変動情報CTIとのうち、少なくとも1つと、使用料金情報FIとに基づいて、推定料金ESを算出する。
まず、推定料金算出部130が住居情報HIに基づいて、推定料金ESを算出する場合について説明し、次に気温変動情報CTIと、使用料金情報FIとに基づいて、推定料金ESを算出する場合について説明する。
推定料金算出部130は、取得部110から使用料金情報FIと、住居情報HIとを取得する。推定料金算出部130は、住居情報HIに基づいて、需要家Uの特徴を既知の方法によって選定する。
【0049】
住居情報HIが示す「住居の広さ」に基づく需要家Uの特徴とは、例えば、需要家Uの住居の広さが所定の閾値よりも広い場合、空調設備の稼働に伴う電気使用料金が住居が狭い需要家Uよりも高額である等の特徴である。また、住居情報HIが示す「住居人数」に基づく需要家Uの特徴とは、需要家Uが一人暮らしと、複数人とでは、電気使用料金が後者の方が高額である等の特徴である。住居情報HIが示す「住居の築年数」に基づく需要家Uの特徴とは、例えば、築年数が長い程、住居に断熱材が使用されていない又は住居の断熱材の劣化が進行している場合がある。この場合、需要家Uは、空調設備を稼働に伴う電気使用料金が他の需要家Uよりも高額である等の特徴である。また、住居情報HIが示す「住居の種類」に基づく需要家Uの特徴とは、例えば、一戸建てと集合住宅とでは、前者の方が空調設備の稼働に伴う電気使用料金が高額である等の特徴である。また、住居情報HIが示す「宅地エリア」に基づく需要家Uの特徴とは、例えば、需要家Uの住居が建てられている宅地が寒冷地である場合、空調設備の稼働に伴う電気使用料金が宅地エリアが寒冷地ではない需要家Uよりも高額である等の特徴である。また、住居情報HIが示す「熱源タイプ」に基づく需要家Uの特徴とは、例えば、需要家Uの住居に備えられる給湯システムが電気給湯とガス給湯とでは、電気使用料金は、前者の方が高額である等の特徴である。
【0050】
推定料金算出部130は、住居情報HIに基づいて、上述のような需要家Uの特徴を既知の方法によって選定し、選定した需要家Uの特徴に応じた推定料金ESを算出する。具体的には、推定料金算出部130は、電気使用料金が高額であると選定した需要家Uには、支払料金PFから高額の電気使用料金が差し引かれた低額の積立金額に基づいて、推定料金ESを算出する。また、推定料金算出部130は、電気使用料金が低額であると選定した需要家Uには、支払料金PFから低額の電気使用料金が差し引かれた高額の積立金額に基づいて、推定料金ESを算出する。
【0051】
<気温変動情報に基づいて推定料金を算出する場合について>
次に、推定料金算出部130が気温変動情報CTIと、使用料金情報FIとに基づいて、推定料金ESを算出する場合について説明する。
推定料金算出部130は、取得部110から使用料金情報FIを取得する。また、推定料金算出部130は、記憶部700から気温変動情報CTIを読み出す。
推定料金算出部130は、気温変動情報CTIに基づいて、夏の気温が例年より高い又は冬の気温が例年より低い場合、電気使用料金が高額であると判定する。この場合、推定料金算出部130は、支払料金PFから高額の電気使用料金が差し引かれた低額の積立金額に基づいて、推定料金ESを算出する。
また、推定料金算出部130は、気温変動情報CTIに基づいて、夏の気温が例年より低い又は冬の気温が例年より高い場合、電気使用料金が低額であると判定する。この場合、推定料金算出部130は、支払料金PFから低額の電気使用料金が差し引かれた高額の積立金額に基づいて、推定料金ESを算出する。
【0052】
なお、推定料金算出部130は、使用料金情報FIと、住居情報HIとに基づいて算出した推定料金ESを乖離程度算出部140に供給してもよく、使用料金情報FIと、気温変動情報CTIとに基づいて算出した推定料金ESを乖離程度算出部140に供給してもよい。
また、推定料金算出部130は、使用料金情報FIと、住居情報HIと、気温変動情報CTIとに基づいて算出した推定料金ESを乖離程度算出部140に供給してもよい。この場合、推定料金算出部130は、使用料金情報FIと、住居情報HIとに基づいて算出した電気使用料金に基づく積立金額(第1積立金額)と、使用料金情報FIと、気温変動情報CTIとに基づいて算出した電気使用料金に基づく積立金額(第2積立金額)とに基づいて、推定料金ESを算出する。具体的には、推定料金算出部130は、第1積立金額と、第2積立金額とのうち、金額が低額である積立金額に基づいて、推定料金ESを算出してもよい。また、推定料金算出部130は、第1積立金額と、第2積立金額とのうち、金額が高額である積立金額に基づいて、推定料金ESを算出してもよい。また、乖離程度算出部140は、第1積立金額と、第2積立金額との平均の値に基づいて、推定料金ESを算出してもよい。また、推定料金算出部130は、第1積立金額と、第2積立金額とに重みづけを行って算出した値に基づいて、推定料金ESを算出してもよい。
【0053】
<第3実施形態のまとめ>
以上説明したように、本実施形態の乖離程度算出装置3は、住居情報HIと、気温変動情報CTIとのうち、少なくとも1つと、使用料金情報FIとに基づいて、推定料金ESを算出する。
本実施形態の乖離程度算出装置3によれば、需要家Uの住宅の特徴に応じて算出した電気使用料金に基づいて積立金額を算出し、より精度高く推定料金ESを算出することができる。本実施形態の乖離程度算出装置3は、推定料金ESをより精度高く算出することに伴い、乖離度DRをより精度高く算出することができる。したがって、本実施形態の乖離程度算出装置3によれば、積立サービスを契約する需要家Uが、当該需要家Uに合った利益BT又は支払料金PFを選択するための情報を提供することができる。
【0054】
また、本実施形態の乖離程度算出装置3によれば、気温の変動に応じて算出した電気使用料金に基づいて積立金額を算出し、より精度高く推定料金ESを算出することができる。これにより、本実施形態の乖離程度算出装置3は、推定料金ESをより精度高く算出することに伴い、乖離度DRをより精度高く算出することができる。したがって、本実施形態の乖離程度算出装置3によれば、積立サービスを契約する需要家Uが、当該需要家Uに合った利益BT又は支払料金PFを選択するための情報を提供することができる。
【0055】
[第4実施形態]
以下、図を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
第1実施形態、変形例1、第2実施形態及び第3実施形態では、乖離程度算出装置1、乖離程度算出装置2及び乖離程度算出装置3が乖離情報DIを出力する場合について説明した。
第4実施形態では、乖離程度算出装置4が乖離情報DIの他、低減情報RIを出力する場合について説明する。
なお、上述した第1実施形態、変形例1、第2実施形態及び第3実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
<低減情報について>
以下、
図11を参照して低減情報RIについて説明する。
図11は、第4実施形態の低減情報RIの一例を示す表である。
低減情報RIとは、使用料金F(この一例では、電気使用料金)を低減する方法を示す情報である。
図11に示す通り、この一例では、低減情報RIには、「朝6時に掃除機を使う(低減情報RI1)」と、「冷蔵庫を壁から離して配置する(低減情報RI2)」と、「古い家電を新しいものに買い替える(低減情報RI3)」との3つが含まれる。
【0057】
<乖離程度算出装置の構成について>
以下、
図12を参照して、乖離程度算出装置4の構成について説明する。
図12は、第4実施形態の乖離程度算出装置4の構成の一例を示す図である。
図12に示す通り、乖離程度算出装置4は、制御部200と、記憶部700とを備える。
制御部200は、CPUを備えており、取得部110と、目標料金算出部120と、推定料金算出部130と、乖離程度算出部140と、乖離情報出力部150と、低減情報出力部160とをその機能部として備える。
低減情報出力部160は、乖離程度算出部140から乖離情報DIを取得する。低減情報出力部160は、取得した乖離情報DIが所定の閾値以下である場合、低減情報RIを出力する。所定の閾値とは、乖離情報DIが目標料金GFに推定料金ESが満たないことを示す値である。この一例では、乖離情報DIが目標料金GFに対する推定料金ESの割合を示すため、所定の閾値が「1」である。つまり、低減情報出力部160は、乖離情報DIが「1」より小さい値の場合、低減情報RIを出力する。
低減情報出力部160は、例えば、低減情報RIを情報処理装置IPUに出力する。情報処理装置IPUは、乖離程度算出装置1から低減情報RIを受信し、当該情報処理装置IPUが備えるディスプレイ等の表示部に乖離情報DIを表示する。需要家Uは、当該表示を確認することによって、乖離情報DIに示される電気使用料金を低減する方法を確認し、当該方法を実行することにより、電気使用料金を低減することができる。
【0058】
<第4実施形態のまとめ>
以上説明したように、本実施形態の乖離程度算出装置4は、乖離度DRが目標料金GFに推定料金ESが満たないことを示す場合、低減情報RIを出力する。
したがって、本実施形態の乖離程度算出装置4において、目標料金GFが推定料金ESに満たない需要家Uに対して電気使用料金を低減する方法を示し、需要家Uが当該方法を実行することによって、電気使用料金を低減することができる。この場合、支払料金PFから差し引かれる電気使用料金が低減するため、積立てられる積立金額が多くなる。また、積立金額が多くなることに伴って、推定料金ESの金額が多くなる。つまり、本実施形態の乖離程度算出装置4によれば、目標料金GFが推定料金ESに満たない需要家Uに対して推定料金ESを多くする方法を提示し、推定料金ESを目標料金GFに近づけるように促すことができる。本実施形態の乖離程度算出装置4によれば、積立サービスを契約する需要家Uが、当該需要家Uに合った利益BT又は支払料金PFを選択するための情報を提供することができる。
【0059】
[変形例2]
第1実施形態、変形例1、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態では、支払料金PFが所定の値(3万円)である場合について説明した。
変形例2では、需要家Uに応じて支払料金PFを算出し、当該支払料金PFに基づいて推定料金ESを算出する構成について説明する。
なお、上述した第1実施形態、変形例1、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
<乖離程度算出装置の構成について>
以下、
図13を参照して、乖離程度算出装置5の構成について説明する。
図13は、変形例2の乖離程度算出装置5の構成の一例を示す図である。
図13に示す通り、乖離程度算出装置5は、制御部200を備える。制御部200は、CPUを備えており、取得部110、目標料金算出部120と、推定料金算出部130と、乖離程度算出部140と、乖離情報出力部150と、低減情報出力部160とをその機能部として備える。
また、推定料金算出部130は、基準料金算出部131と、付加料金算出部と132と、支払料金算出部133と、積立金額算出部134とをその機能部として備える。
【0061】
基準料金算出部131は、取得部110から取得した使用料金情報FIに基づいて、基準料金BFを算出する。基準料金算出部131は、使用料金情報FIが示す複数の使用料金F(この一例では、電気使用料金)の統計演算に基づいて、基準料金BFを算出する。基準料金BFとは、支払料金PFを算出する際の基準である。
この一例では、基準料金算出部131は、使用料金情報FIが示す複数の電気使用料金のうち、最も高額な電気使用料金をと同じ金額を基準料金BFとして算出する。
図1に示す通り、この一例では、1月から12月までの電気使用料金のうち、2月の電気使用料金が最も高額である。これにより、基準料金算出部131は、2月の電気使用料金と同じ金額である2万4000円を基準料金BFとして算出する。
【0062】
なお、基準料金算出部131は、使用料金情報FIに含まれる電気使用料金のうち、最も高額な電気使用料金を基準料金BFとして算出することに代えて、他の金額を基準料金BFとして算出してもよい。他の金額とは、例えば、使用料金情報FIに含まれる複数の電気使用料金の平均の金額であってもよく、複数の電気使用料金のうち、最も高額な電気使用料金に所定の値を乗じた金額であってもよい。
【0063】
付加料金算出部132は、取得部110から使用料金情報FIと、住居情報HIとを取得する。付加料金算出部132は、使用料金情報FIと、住居情報HIとのうち、少なくとも1つに基づいて、付加料金AFを算出する。具体的には、付加料金算出部132は、使用料金情報FIや住居情報HIに基づいて、需要家Uの特徴を既知の方法によって選定し、選定した特徴に基づいて、当該需要家Uに応じた付加料金AFを算出する。
【0064】
まず、付加料金算出部132が使用料金情報FIに基づいて、付加料金AFを算出する場合について説明する。付加料金算出部132は、取得した使用料金情報FIが示す電気使用料金に基づいて、需要家Uの特徴を既知の方法によって選定し、選定した需要家Uの特徴に応じた付加料金AFを算出する。
電気使用料金に基づく需要家Uの特徴とは、例えば、需要家Uが一人暮らしの場合と、複数人で暮らしている場合とでは、電気使用料金の傾向が異なる。付加料金算出部132は、例えば、電気使用料金に基づいて、需要家Uが一人暮らしであるか、複数人で暮らしているかを選定する。
ここで、需要家Uが一人暮らしの住宅である場合、当該需要家Uは、若年者である場合がある。需要家Uが若年者である場合、需要家Uは、積立サービスにおいて比較的多くの積立金額を積立てることが困難である場合がある。また、需要家Uが複数人数で暮らしている住宅である場合、当該需要家Uは、家族である場合がある。ここで、需要家Uが家族で暮らす住宅の場合、当該需要家Uは、積立サービスにおいて比較的多くの積立金額を積立てることが可能である場合がある。
付加料金算出部132は、使用料金情報FIが示す電気使用料金に基づいて、上述のような需要家Uの特徴を既知の方法によって選定し、選定した需要家Uの特徴に応じた付加料金AFを算出する。具体的には、付加料金算出部132は、積立金額を比較的多く積み立てることが可能であると選定した需要家Uには、高額の付加料金AFを算出し、積立金額を比較的多く積み立てることが困難であると選定した需要家Uには、低額の付加料金AFを算出する。
【0065】
次に、付加料金算出部132が住居情報HIに基づいて、付加料金AFを算出する場合について説明する。付加料金算出部132は、取得した住居情報HIに基づいて、需要家Uの特徴を既知の方法によって選定し、選定した需要家Uの特徴に応じた付加料金AFを算出する。
付加料金算出部132は、住居情報HIに基づいて、上述した需要家Uの特徴を既知の方法によって選定し、選定した需要家Uの特徴に応じた付加料金AFを算出する。具体的には、付加料金算出部132は、電気使用料金が高額であると選定した需要家Uには、比較的多くの積立金額を積立てることを目的として高額の付加料金AFを算出し、電気使用料金が低額であると選定した需要家Uには、電気使用料金が高額である需要家Uと比較して低額の付加料金AFを算出する。
【0066】
なお、上述では、付加料金算出部132は、電気使用料金が高額であると選定した需要家Uには、高額の付加料金AFを算出する場合について説明したが、これに限られない。例えば、電気使用料金が高額である需要家Uは、他の支出を確保することが困難である場合がある。この場合、付加料金算出部132は、電気使用料金が高額であると選定した需要家Uには、低額の付加料金AFを算出してもよい。
【0067】
また、付加料金算出部132は、使用料金情報FI及び住居情報HIに基づいて、需要家Uの特徴を選定し、付加料金AFを算出してもよい。例えば、付加料金算出部132は、使用料金情報FIに基づいて、積立金額を比較的多く積み立てることが可能であると選定し、かつ、住居情報HIに基づいて、電気使用料金が高額であると選定した需要家Uには、より高額の付加料金AFを算出してもよい。また、付加料金算出部132は、使用料金情報FIに基づいて、積立金額を比較的多く積み立てることが困難であると選定し、かつ、住居情報HIに基づいて、電気使用料金が低額であると選定した需要家Uには、より低額の付加料金AFを算出してもよい。
また、例えば、付加料金算出部132は、使用料金情報FIに基づいて、積立金額を比較的多く積み立てることが困難であると選定した需要家Uであっても、住居情報HIに基づいて、電気使用料金が低額であると選定した需要家Uには、高額の付加料金AFを算出してもよい。また、例えば、付加料金算出部132は、使用料金情報FIに基づいて、積立金額を比較的多く積み立てることが可能であると選定した需要家Uであっても、住居情報HIに基づいて、電気使用料金が高額であると選定した需要家Uには、低額の付加料金AFを算出してもよい。
【0068】
付加料金算出部132は、使用料金情報FIと、住居情報HIとのうち、少なくとも1つに基づいて算出した付加料金AFを示す情報を支払料金算出部133に供給する。
支払料金算出部133は、付加料金算出部132から付加料金AFを取得する。支払料金算出部133は、取得した付加料金AFと、基準料金BFとに基づいて、支払料金PFを算出する。
【0069】
なお、上述では、乖離程度算出装置5は、使用料金情報FI及び住居情報HIを情報処理装置IPUから取得する場合について説明したが、これに限られない。例えば、付加料金算出部132が使用料金情報FIに基づいて、付加料金AFを算出する場合、情報処理装置IPUは、需要家Uから住居情報HIを取得しなくてもよい。
【0070】
積立金額算出部134は、支払料金算出部133から支払料金PFを示す情報を取得する。また、積立金額算出部134は取得部110から使用料金情報FIを取得する。積立金額算出部134は、取得した使用料金情報FIと、支払料金PFとの差額(積立金額)に基づいて、積立サービスを契約する期間に積立てる積立金額である推定料金ESを算出する。また、積立金額算出部134は、算出した推定料金ESを示す情報を乖離程度算出部140に供給する。
以降の構成については、上述した実施形態及び変形例と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
なお、上述では、乖離程度算出装置5の制御部200が低減情報出力部160を備える場合について説明したが、これに限られない。乖離程度算出装置5の制御部200は、低減情報出力部160を備えていなくてもよい。この場合、乖離程度算出装置5は、乖離情報DIに基づいて低減情報RIを出力しない。
【0072】
<変形例2のまとめ>
以上説明したように、変形例2の乖離程度算出装置5において、推定料金算出部130は、使用料金情報FIと、住居情報HIとに基づいて、需要家Uに応じた基準料金BF及び付加料金AFを算出し、支払料金PFを算出する。また、変形例2の乖離程度算出装置5において、推定料金算出部130は、当該算出した支払料金PFに基づいて、推定料金ESを算出する。
これにより、変形例2の乖離程度算出装置5において、推定料金算出部130は、より精度高く推定料金ESを算出することができる。変形例2の乖離程度算出装置5は、推定料金ESをより精度高く算出することに伴い、乖離度DRをより精度高く算出することができる。したがって、変形例2の乖離程度算出装置4によれば、積立サービスを契約する需要家Uが、当該需要家Uに合った利益BT又は支払料金PFを選択するための情報を提供することができる。
【0073】
なお、上記の各実施形態における乖離程度算出装置1、乖離程度算出装置2、乖離程度算出装置3、乖離程度算出装置4及び乖離程度算出装置5が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
【0074】
なお、乖離程度算出装置1、乖離程度算出装置2、乖離程度算出装置3、乖離程度算出装置4及び乖離程度算出装置5が備える各部は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、乖離程度算出装置1、乖離程度算出装置2、乖離程度算出装置3、乖離程度算出装置4及び乖離程度算出装置5が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0075】
また、乖離程度算出装置1、乖離程度算出装置2、乖離程度算出装置3、乖離程度算出装置4及び乖離程度算出装置5が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0076】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した各実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。