特許第6372620号(P6372620)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6372620
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】端子及び配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20180806BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20180806BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20180806BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20180806BHJP
   H01R 11/11 20060101ALI20180806BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20180806BHJP
【FI】
   H02G3/16
   H01M2/30 A
   H01M2/20 A
   H01M2/34 B
   H01M2/20 Z
   H01R11/11 D
   H01G11/10
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-539816(P2017-539816)
(86)(22)【出願日】2016年8月30日
(86)【国際出願番号】JP2016075282
(87)【国際公開番号】WO2017047372
(87)【国際公開日】20170323
【審査請求日】2017年11月8日
(31)【優先権主張番号】特願2015-182747(P2015-182747)
(32)【優先日】2015年9月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 慎一
(72)【発明者】
【氏名】下田 洋樹
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−176970(JP,A)
【文献】 特開2011−238430(JP,A)
【文献】 特開2014−53183(JP,A)
【文献】 特開2007−6612(JP,A)
【文献】 特開2003−348732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H01G 11/10
H01M 2/20
H01M 2/30
H01M 2/34
H01R 11/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子の電極端子に接続する接続部と、電線に接続される電線接続部と、を備え、前記接続部と前記電線接続部との間には、前記接続部に付着した液体を前記電線接続部から離間した位置に落下させるように導くガイド部が設けられている、端子。
【請求項2】
前記接続部は、板状の金属からなる板状部に設けられており、前記ガイド部は、前記板状部の前記電線接続部側の端部に設けられている請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記板状部の端縁を切り欠いた形状とされている請求項2に記載の端子。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記板状部の板面と交差する方向に延びている請求項2又は請求項3に記載の端子。
【請求項5】
前記ガイド部は、戻り部を有するように曲がった形状で前記接続部と前記電線接続部とを連結している請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の端子。
【請求項6】
前記接続部は、複数の前記電極端子の間を接続するものである請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の端子。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の端子と、前記端子を収容する絶縁プロテクタとを備えた配線モジュールであって、前記絶縁プロテクタは、前記端子の板面と対向する底板部と、前記底板部から起立して前記端子を仕切る仕切り壁とを備え、前記底板部及び仕切り壁の少なくとも一方には、前記ガイド部に導かれて落下した前記液体を外部に排出する排出孔が形成されている配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、端子に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車等の車両の蓄電モジュールは、電極端子を有する複数の蓄電素子を並べて配置し、隣り合う蓄電素子の電極端子間をバスバーで接続することにより、複数の蓄電素子が直列に接続されている。ここで、バスバーの取り付け作業を簡素化するために、複数のバスバーが収容された配線モジュールを複数の蓄電素子に装着することがある。
【0003】
この種の配線モジュールには、各蓄電素子の電圧を検知するための電圧検知端子がバスバーに重ねられている(特許文献1参照)。この電圧検知端子は、電線の一方の端部において絶縁被覆から露出された芯線に接続されており、電線の他方の端部は蓄電モジュールの外部に引き出されてECU(Electronic Control Unit)等に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−333343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電極端子間を接続するためのバスバーには水滴等の液体が付着することがある。例えば、車両の停車時等にバスバーの温度が低下すると、バスバーに結露が発生することがある。このようにバスバーに付着した水滴等の液体が電圧検知端子に接続された電線に至ると不具合が生じることが懸念される。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電線に液体が付着することによる不具合を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の端子は、蓄電素子の電極端子に接続する接続部と、電線に接続される電線接続部と、を備え、前記接続部と前記電線接続部との間には、前記接続部に付着した液体を前記電線接続部から離間した位置に落下させるように導くガイド部が設けられている。
本構成によれば、端子に付着した液体は、ガイド部に導かれて電線接続部から離間した位置に落下するため、電線に液体が付着することによる不具合を抑制することが可能になる。
【0008】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記接続部は、板状の金属からなる板状部に設けられており、前記ガイド部は、前記板状部の前記電線接続部側の端部に設けられている。
【0009】
前記ガイド部は、前記板状部の端縁を切り欠いた形状とされている。
このようにすれば、ガイド部を形成するための曲げ加工を行わなくてもよいため、製造工程を簡素化することができる。
【0010】
前記ガイド部は、前記板状部の板面と交差する方向に延びている。
このようにすれば、板状部の平面から離間した位置に液体を導くことができる。
【0011】
前記ガイド部は、戻り部を有するように曲がった形状で前記接続部と前記電線接続部とを連結している。
このようにすれば、ガイド部の構成を簡素化することができる。
【0012】
前記接続部は、複数の前記電極端子の間を接続するものである。
【0013】
前記端子と、前記端子を収容する絶縁プロテクタとを備えた配線モジュールであって、前記絶縁プロテクタは、前記端子の板面と対向する底板部と、前記底板部から起立して前記端子を仕切る仕切り壁とを備え、前記底板部及び仕切り壁の少なくとも一方には、前記ガイド部に導かれて落下した前記液体を外部に排出する排出孔が形成されている配線モジュールとする。
このようにすれば、液体を排出孔から外部に排出することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電線に液体が付着することによる不具合を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態1の配線モジュールを示す正面図
図2】配線モジュールの一部を拡大して示す正面図
図3図2のA−A断面図
図4】配線モジュールの一部を拡大して示す底面図
図5】電線の端末部に接続されたバスバー端子を示す斜視図
図6】電線の端末部に接続されたバスバー端子を示す側面図
図7】実施形態2の配線モジュールの一部を拡大して示す正面図
図8図7のB−B断面図
図9】配線モジュールの一部を拡大して示す底面図
図10】電線の端末部に接続されたバスバー端子を示す斜視図
図11】実施形態3の配線モジュールの一部を拡大して示す正面図
図12図11のC−C断面図
図13】電線の端末部に接続されたバスバー端子を示す斜視図
図14】実施形態4の配線モジュールの一部を拡大して示す正面図
図15図14のD−D断面図
図16】電線の端末部に接続されたバスバー端子を示す斜視図
図17】実施形態5の配線モジュールの一部を拡大して示す正面図
図18図17のE−E断面図
図19】配線モジュールの一部を拡大して示す底面図
図20】電線の端末部に接続されたバスバー端子を示す斜視図
図21】実施形態6の電線の端末部に接続されたバスバー端子を示す斜視図
図22】電線の端末部に接続されたバスバー端子を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
実施形態1を図1図11を参照して説明する。
本実施形態の配線モジュール10は、蓄電モジュールに装着される。蓄電モジュールは、例えば電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両に搭載され、電源として使用される。以下では、X方向を右方、Y方向を前方、Z方向を上方として説明する。
【0017】
蓄電モジュールは、左右一列に並んだ複数の蓄電素子BC(図18参照)を備え、複数の蓄電素子BCの前面(側面)に配線モジュール10が取り付けられる。各蓄電素子BCは、蓄電要素が収容された扁平な直方体状の本体部を有し、この本体部の端部に設けられた台座部PEから突出するボルト状の電極端子BPを備える。図示しないナット及び電極端子BPを締結部材としてナットと台座部PEと間にバスバー端子20(「端子」の一例)を挟んで締結される。複数の蓄電素子BCは、異極の電極端子BPが隣り合う向きで配置されることにより直列接続されている。直列接続の端部に位置する電極端子BPは、図示しない電線を介して外部のインバータ等の機器に接続される。
【0018】
(配線モジュール10)
配線モジュール10は、図1に示すように、複数のバスバー端子20と、複数のバスバー端子20を収容する絶縁プロテクタ40とを備えて構成されている。
【0019】
(バスバー端子20)
バスバー端子20は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)等の金属で形成されており、図5図6に示すように、板状の板状部21と、板状部21と一体に形成されて電線38の端末部に接続される電線接続部33とを備えている。
【0020】
板状部21は、隣り合う電極端子BP間を接続する略長方形状の極間接続部22(「接続部」の一例)と、極間接続部22と電線接続部33との間を連結する連結部25とを備えている。板状部21の下端部には、左右一対の第1ガイド部26(「ガイド部」の一例)と、被係止部27と、凹部30と、突片32とが左右方向に並んで設けられている。
【0021】
第1ガイド部26は、電線接続部33の両脇から側方側に延びており、外方側に向けて傾斜状に突出寸法が大きくなる(下端が低くなる)傾斜部26Aと、段差状に被係止部27に連なる段差部26Bとを備えている。被係止部27は、第1ガイド部26と凹部30の間に設けられ、絶縁プロテクタ40の離脱規制片47に係止されることにより、前方側へのバスバー端子20の離脱が規制される。凹部30は、板状部21の下端部を長方形状に切り欠いた形状である。突片32は、左右の両端部に設けられ、一定の幅で突出している。
【0022】
極間接続部22には、電極端子BPが挿通される左右一対の通し孔23が貫通形成されている。電線接続部33は、電線38が載置される底板から立ち上がる一対のワイヤバレル部35と、一対のワイヤバレル部35に一体に連なる一対のインシュレーションバレル部36とを有する。ワイヤバレル部35は、電線38の絶縁被覆38Bを除去して露出させた導体部38Aを圧着する。インシュレーションバレル部36は、電線38を絶縁被覆38Bの上から保持する。ワイヤバレル部35及びインシュレーションバレル部36は底板から前方側に延びて電線38に巻き付くようになっており、電線38は、極間接続部22の平面よりも前方に離間した位置に配されている。
【0023】
電線接続部33に接続される電線38は、図示しない外部のECU(Engine Control Unit)に接続される。ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、蓄電素子BCの電圧・電流・温度等の検知、各蓄電素子BCの充放電コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0024】
連結部25には、Z字状に延びる第2ガイド部28(「ガイド部」の一例)が設けられている。第2ガイド部28は、図6に示すように、極間接続部22の下端の中間部から下方に面一に延びるバスバー側延出部28Aと、電線接続部33における電線38が載置される底板から面一に延びる電線側延出部28Bと、バスバー側延出部28Aと電線側延出部28Bとを傾斜状に連結する傾斜連結部28C(「戻り部」の一例)とを備えている。電線側延出部28Bは、ワイヤバレル部35に連なっている。傾斜連結部28Cの極間接続部22(バスバー側延出部28A)に対する角度及び傾斜連結部28Cの長さに応じて、電線38は、極間接続部22の平面に対して前方に離間した位置に配される。傾斜連結部28Cとバスバー側延出部28Aとが鋭角に連結されたエッジ部29に至った液体Dは、エッジ部29から下方に落ちる。このとき、電線接続部33や電線38は、極間接続部22の平面から離間しているため、液体Dが電線接続部33や電線38にかからない。
【0025】
(絶縁プロテクタ40)
絶縁プロテクタ40は、絶縁性の合成樹脂からなり、図1に示すように、バスバー端子20を収容する複数の収容部41を備えている。各収容部41は、図2図3に示すように、板状部21の一方の面(蓄電素子BC側の面)が対向するように板状部21を載置可能な底板部42と、板状部21を角筒状に包囲する仕切り壁45とを備えている。底板部42には、図4に示すように、電極端子BPが通る円形状の開口部43が左右一対形成されている。
【0026】
仕切り壁45は、図2に示すように、蓄電素子BCの並び方向に沿って延びる一対の対向壁部46A,46Bと、一対の対向壁部46A,46B間を連結する一対の連結壁部49とを備えている。対向壁部46A,46Bは、バスバー端子20の前面側(蓄電素子BCとは反対側)からの離脱を規制する複数の離脱規制片47を備えている。複数の離脱規制片47は、仕切り壁45における一対の対向壁部46A,46Bの内面から内方に突出しており、底板部42及び仕切り壁45を切り欠くことにより、片持ち状に延びて撓み変形可能な形状に形成される。離脱規制片47を撓ませて板状部21を底板部42の上に配置すると、離脱規制片47が復元変形してバスバー端子20の離脱が規制される。仕切り壁45の外側には、底板部42と同一平面に連なる複数の板状の延出部50が延びている。
【0027】
収容部41は、底板部42、対向壁部46A,46B、及び、延出部50を切り欠くことにより、水等の液体Dを排出する複数の排出孔51A,51Bが形成されている。排出孔51A,51Bは、直方体状の空間を形成する。外側の排出孔51Aは、連結壁部49に沿うように形成されている。排出孔51Bは、排出孔51Aよりも幅が太く、長さが短く形成されている。図2に示すように、極間接続部22側に付着した液体Dは、下方の第1ガイド部26まで伝って移動すると、第1ガイド部26の下縁を伝って斜め下方に移動し、段差部26Bの位置に至ると、下方に落ちるとともに、排出孔51Bを通って外部に排出される。また、図3に示すように、極間接続部22側に付着した液体Dは、下方の第2ガイド部28まで伝って移動すると、エッジ部29から下方に落ちる。
【0028】
配線モジュール10は、各収容部41にバスバー端子20を収容することで形成される(図1)。そして、複数の蓄電素子BCに配線モジュール10を装着し、ナットを電極端子BPに締結することで蓄電モジュールが形成される。この蓄電モジュールが車両に搭載されると、配線モジュール10は、電線接続部33が下側となる向き(Z方向が上方となる向き)で配置される。
【0029】
本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
本実施形態によれば、バスバー端子20の極間接続部22に付着した液体Dは、ガイド部26,28に導かれて電線接続部33から離間した位置に落下するため、電線に液体Dが付着することによる不具合を抑制することが可能になる。
【0030】
また、極間接続部22は、板状の金属からなる板状部21に設けられており、ガイド部26,28は、板状部21の下端部(電線接続部33側の端部)に設けられている。
このようにすれば、上下方向の下端部以外にガイド部26,28を設ける構成と比較して効率的に液体Dを落下させることができる。
【0031】
また、第1ガイド部26(ガイド部)は、板状部21の端縁を切り欠いた形状とされている。
このようにすれば、ガイド部26を形成するための曲げ加工を行わなくてもよくなる。
【0032】
また、第2ガイド部28(ガイド部)は、傾斜連結部28C(戻り部)を有するように曲がった形状で極間接続部22と電線接続部33とを連結している。
このようにすれば、簡素な構成でガイド部28を形成することができる。
【0033】
また、配線モジュール10の絶縁プロテクタ40は、バスバー端子20の板面と対向する底板部42と、底板部42から起立してバスバー端子を仕切る仕切り壁45とを備え、底板部42及び仕切り壁45の少なくとも一方には、ガイド部26に導かれて落下した液体Dを外部に排出する排出孔51Bが形成されている。
このようにすれば、液体Dを排出孔51Bから外部に排出することが可能になる。
【0034】
<実施形態2>
実施形態2を図7図10を参照して説明する。
実施形態2のバスバー端子60は、実施形態1の第1ガイド部26を設けず、斜め下方(板状部62の板面と交差する方向)に延びる第1ガイド部61を設けたものである。以下では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
図7に示すように、バスバー端子60における板状部62の通し孔67は、左右方向(電極端子BP間の接続方向)に長い長円形状をなしており、電極端子BPを左右方向に所定のクリアランスを有して挿通可能とされている。板状部62は、図10に示すように、厚みの薄い一対の平板状の平板部63A,63Bを重ねて形成され、平板部63A,63B間は、ヒンジ部64で接続されている。なお、平板部63A,63Bを薄くするのは、一体に形成される電線接続部33の圧着のための曲げを容易にするためである。平板部63A,63Bを2枚重ねるのは、板状部62の厚みを厚くして電気抵抗を小さくするためである。平板部63Bには、一対の保持片65が角部に設けられており、この保持片65を曲げて平板部63Aに係止させることで、平板部63A,63Bが重ねられた状態に保持される。
【0036】
一方の平板部63A(前面側の平板部)下端縁には、第1ガイド部61が形成されている。第1ガイド部61は、平板部63Aの板面(板状部62の板面)から斜め下方に延びている。第1ガイド部61の平板部63Aの板面に対する角度及び平板部63Aの下端からの長さは、この第1ガイド部61の下端から落下した液体Dが電線接続部33や電線38に接触しない角度及び長さが設定される。
【0037】
第1ガイド部61に隣接する位置には、離脱規制片47に係止する第3ガイド部68(「ガイド部」の一例)が突出している。第3ガイド部68は、長方形の板状である。バスバー端子60は、金属板材にプレス機により、打ち抜き加工を施すことで、一対の平板部63A,63Bがヒンジ部64で連結された展開形状となるとともに、このとき第1ガイド部61が形成される。そして、ヒンジ部64を曲げて一対の平板部63A,63Bを重ね、保持片65を曲げて平板部63Aに係止させることにより、バスバー端子60が形成される。
【0038】
図8に示すように、極間接続部22側に付着した液体Dは、下方の第1ガイド部61及び第3ガイド部68の先端部まで伝って下方に落ち、電線接続部33及び電線38にはかからない。
【0039】
実施形態2によれば、第1ガイド部61は、板状部62の板面と交差する方向に延びている。
このようにすれば、板状部62の平面とは異なる平面に液体Dを導いて、電線38に接触させないようにすることができる。
【0040】
<実施形態3>
実施形態3を図11図13を参照して説明する。
実施形態3のバスバー端子70は、第2ガイド部28を設けず、第1ガイド部71を設けたものである。上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
板状部62は、図13に示すように、電線接続部33の底板と連結部73により連結されている。連結部73は、板状部62の板面に対して傾斜した方向に延びている。第1ガイド部71は、傾斜部71Aと、段差部71Bとを備える。第1ガイド部71は、離脱規制片47に係止してバスバー端子70の離脱を規制する被係止部としても機能する。
【0042】
図11図12に示すように、極間接続部22側に付着した液体Dは、下方の第1ガイド部71まで伝って移動すると、第1ガイド部71の下縁を伝って斜め下方に移動し、段差部71Bの位置に至ると、下方に落ちるとともに、排出孔51Bを通って外部に排出される。
【0043】
<実施形態4>
実施形態4を図14図16を参照して説明する。
実施形態4のバスバー端子80は、実施形態2のバスバー端子60のZ字状の連結部を傾斜状の連結部73としたものである。上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
<実施形態5>
実施形態5を図17図20を参照して説明する。
実施形態5のバスバー端子90は、第2ガイド部28を設けず、第3ガイド部91(「ガイド部」の一例)を排出孔51Bに進入させたものである。上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
第3ガイド部91は長方形の板状であって、図18に示すように、板状部21の下端から排出孔51Bを通って仕切壁46Aの下端の位置まで延びている。この第1ガイド部91は、液体Dの移動を案内するだけでなく、離脱規制片47に係止してバスバー端子70の離脱を規制する被係止部としても機能する。
極間接続部22側に付着した液体Dは、下方の第3ガイド部91まで伝って移動し、第3ガイド部91の下端から下方に落ちると、排出孔51Bを通って外部に排出される。
【0046】
<実施形態6>
実施形態6を図21図22を参照して説明する。
実施形態6のバスバー端子100は、第2ガイド部28を設け、第1ガイド部を設けないものである。上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、バスバー端子20を電極端子BPとナットとで締結することとしたが、これに限られない。例えば、ナット状の電極端子に締結部材としてのボルトの軸部を通して締結してもよい。また、通し孔23を設けず、例えば、レーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接等で電極端子に接続するようにしてもよい。
【0048】
(2)蓄電素子BCは電池としたが、これに限られず、キャパシタ等であってもよい。
(3)絶縁プロテクタ40は、一体に形成されているものに限られない。例えば、絶縁性の合成樹脂からなる複数の連結ユニットを左右に連結して構成してもよい。
【0049】
(4)配線モジュール10の向きは、上記実施形態の向きに限られず、他の向きで配置することができる。例えば、バスバー端子の板面が水平方向を向くように配線モジュールや蓄電モジュールを配置してもよい。
(5)液体Dは水としたが、水以外の液体であってもよい。
【0050】
(6)実施形態1の第2ガイド部28(ガイド部)は、Z字状に延びる形状としたが、これに限られない。例えば、S字状に延びる形状としてもよい。
(7)隣り合う電極端子BP間を接続するバスバー端子としたが、これに限られず、他の端子としてもよい。例えば、電極端子BPに接続される電圧検知端子としてもよい。この場合、例えば、電極端子BP間を接続するバスバーが接続されていない1つの電極端子BP(例えば直列接続の端部の電極端子BP)に接続される電圧検知端子や、電極端子BP間を接続するバスバーに別体で重ねられる電圧検知端子としてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10: 配線モジュール
20,60,70,80,90,100: バスバー端子
21: 板状部
22: 極間接続部
23,67: 通し孔
25: 連結部
26,61,71: 第1ガイド部(ガイド部)
28,68,91: 第2ガイド部(ガイド部)
33: 電線接続部
38: 電線
40: 絶縁プロテクタ
41: 収容部
42: 底板部
43: 開口部
45: 仕切り壁
51A,51B: 排出孔
BC: 蓄電素子
BP: 電極端子
D: 液体
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