特許第6372659号(P6372659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6372659
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】作業ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/08 20060101AFI20180806BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   B65B5/08
   B65G47/90 Z
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-172950(P2014-172950)
(22)【出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-47731(P2016-47731A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2017年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082108
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】浦 正樹
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−299861(JP,A)
【文献】 実開平03−001500(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/00−5/12
B65G 47/90−47/96
A61J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状物品を軸心が上下方向を向くように支持する支持部材と、当該支持部材との間で上記柱状物品を保持し、その際保持した柱状物品の軸心を所要の方向に揺動させるセンタリング部材とを備えた作業ヘッドにおいて、
上記支持部材に隣接した位置に位置決め部材を設け、当該位置決め部材を上記支持部材とセンタリング部材とによって揺動した柱状物品に係合させることにより、上記柱状物品の軸心が所定の方向を向いた状態で保持することを特徴とする作業ヘッド。
【請求項2】
上記柱状物品は上端につば部を有するシリンジであって、
上記支持部材は上記シリンジのつば部を下方から支持するとともに上記シリンジの本体部に当接する略半円形の凹部を有し、
上記センタリング部材は昇降手段によって昇降するとともに下方に向けて縮径する円錐状部を有し、さらに当該センタリング部材の軸心を上記支持部材に支持されたシリンジの軸心に対して一方側にずらして配置して、
当該センタリング部材が下降してシリンジの上端部に当接することにより、シリンジの下端部が他方側に揺動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の作業ヘッド。
【請求項3】
上記位置決め部材を、上記支持部材よりも下方に位置して上記柱状物品に係合する位置決め位置と、当該柱状物品との係合が解除される退避位置とに移動させる移動手段を設け、
上記柱状物品の一部が当該柱状物品を収容する収容部に挿入されると、上記移動手段が上記位置決め部材を上記位置決め位置から退避位置に移動させることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の作業ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業ヘッドに関し、詳しくは柱状物品を軸心が上下方向を向くように支持した支持部材と、当該柱状物品を支持部材との間で保持して上記柱状物品を傾斜させて保持する作業ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、柱状を有する物品であるシリンジを保持して箱内に形成された収容部に収納する作業ヘッドが知られ、この作業ヘッドはシリンジを吊下げて保持する支持部材と、この支持部材5の上方側に昇降可能に設けられて、支持部材が支持するシリンジを上方側から押えて、当該シリンジを保持するセンタリング部材とを備えたものが知られている(特許文献1)。
この特許文献1では、上記支持部材にシリンジを吊下げて当該シリンジの軸心を上下方向を向かせ、その状態から上記センタリング部材との間でシリンジのつば部を挟持することで、上記シリンジの軸心を傾斜させ、上記箱の収容部に収容しやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4134374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1におけるシリンジを収容する箱の収容部は、上記シリンジの直径に対して隙間が十分に確保されており、上記シリンジの傾斜角度に多少のばらつきがあっても収容することができるが、収容部の開口部を小さくしてシリンジとの隙間を少なくすると、上記傾斜角度のばらつきにより柱状物品を正確に収容できない恐れがあった。
このような問題に鑑み、本発明は柱状物品の傾斜角度を一定に保持することが可能な作業ヘッドを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明にかかる作業ヘッドは、柱状物品を軸心が上下方向を向くように支持する支持部材と、当該支持部材との間で上記柱状物品を保持し、その際保持した柱状物品の軸心を所要の方向に揺動させるセンタリング部材とを備えた作業ヘッドにおいて、
上記支持部材に隣接した位置に位置決め部材を設け、当該位置決め部材を上記支持部材とセンタリング部材とによって揺動した柱状物品に係合させることにより、上記柱状物品の軸心が所定の方向を向いた状態で保持することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、支持部材とセンタリング部材とによって揺動した柱状物品の傾斜角度にばらつきが生じても、上記位置決め部材によって上記柱状物品の軸心が所定の方向を向いた状態で保持することができるため、収容部材への収容を正確に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施例にかかるシリンジ収容装置の平面図。
図2】作業ヘッドの正面図。
図3】支持部材およびシリンジ供給手段の平面図ならびにその動作を説明する図。
図4】作業ヘッドの側面図およびその動作を説明する図。
図5】作業ヘッドの側面図の拡大図。
図6】シリンジをネストに収容する際の作業ヘッドの動作を説明する図。
図7】作業ヘッドのネスト保持部を示す側面図。
図8】ネストおよび位置決め手段の平面図。
図9】第2実施例にかかるネストおよび位置決め手段の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、図1は柱状物品としてのシリンジ1を収容部材としてのネスト2に収容し、さらに当該ネスト2を箱状のトレイ3に収容するシリンジ収容装置4を示している。
上記当該シリンジ収容装置4は、作業ヘッド5aを備えたロボット5と、上記シリンジ1を供給するシリンジ供給手段6と、上記ネスト2を供給するネスト供給手段7と、上記トレイ3を供給するトレイ供給手段8と、上記ネスト2を収容したトレイ3を排出するトレイ排出手段9とから構成され、これらは図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
図2に示すように、上記シリンジ1は円筒形状を有するとともに予め薬液が充填された本体部1aと、当該本体部1aの先端に装着された栓1bと、本体部1aの後端(上端)より側方に突出するつば部1cとから構成されている。
【0009】
上記ロボット5は、上記シリンジ1およびネスト2を保持する作業ヘッド5aと、当該作業ヘッド5aを移動させるアーム5bとから構成されている。
上記作業ヘッド5aは、図2に示すように上記アーム5bの先端に設けられたフレーム11に、上記シリンジ1を保持するシリンジ保持部12と、上記ネスト2を保持するネスト保持部13とを備えたものとなっている。
上記シリンジ保持部12は、シリンジ1を支持する支持部材14と、当該支持部材14との間で上記シリンジ1を保持するセンタリング部材15と、上記支持部材14とセンタリング部材15とによって保持されたシリンジ1を一定の傾斜角度に保持する位置決め部材16とを有している。
さらに上記シリンジ保持部12は、図4に示すように、上記支持部材14およびセンタリング部材15を上記フレーム11に対して相対的に上下動させる第1昇降手段17と、上記センタリング部材15を上記支持部材14に対して相対的に上下動させる第2昇降手段18と、上記位置決め部材16を上記フレーム11に対して上下動させる第3昇降手段19と、上記位置決め部材16を揺動させる移動手段20とを備えている。
【0010】
図3に示すように、上記支持部材14は図示左右方向に10本のシリンジ1を一列に支持するようになっており、支持部材14の正面側には上記シリンジ1の本体部1aと略同径に形成された略半円状の凹部14aが形成されている。
上記シリンジ1の本体部1aが上記凹部14aに収容されると、当該シリンジ1のつば部1cが支持部材14の上面に当接し、これによりシリンジ1は支持部材14によって支持されるようになっている。
この支持部材14によって支持されたシリンジ1は、図5において一点鎖線で示すように、自重によって軸心が上下方向(鉛直方向)を向くようになっており、またその際当該シリンジ1の軸心が上記凹部14aの半円部分の中心軸と略一致するようになっている。
また上記支持部材14は図4に示す上記第1昇降手段17によって昇降可能に設けられており、図6に示す上記シリンジ1をネスト2に収容する際に、上記フレーム11に対して昇降するようになっている。
【0011】
上記センタリング部材15は上記支持部材14の上方に設けられ、上記凹部14aと同じ間隔で10個設けられている。また各センタリング部材15は弾性変形可能に設けられた樹脂製の部材であって、下面には下方側に向けて縮径する円錐状部15aが形成されている
これらセンタリング部材15は上記第2昇降手段18によって上記支持部材14に対して相対的に昇降可能に設けられており、これにより図4(a)に示す上昇位置と、図4(c)に示す下降位置との間で昇降するようになっている。
そしてセンタリング部材15を下降位置に位置させると、図5に示すように、上記センタリング部材15の円錐状部15aがシリンジ1の本体部1aの上端開口部に密着するようになっている。
これにより、上記シリンジ1のつば部1cがセンタリング部材15と支持部材14の上面とによって上下から挟持され、シリンジ1が凹部14aから脱落しないように保持されるようになっている。
【0012】
しかして、本実施例における上記センタリング部材15は、その軸心が図5に示すように上記支持部材14に支持されたシリンジ1の軸心に対して偏倚した位置に配置されている。
これによりセンタリング部材15を下降位置に向けて下降させると、上記円錐状部15aがシリンジ1の上端部に当接し、上端開口部の全周に密着しようとするため、上記シリンジ1は支持部材14の凹部14aとの接触部分を支点にして下端が揺動して傾斜することとなる。
より具体的には、センタリング部材15の軸心は上記シリンジ1の軸心に対して前方(図5の図示右方)に偏倚しているため、センタリング部材15が接触するとシリンジ1の上端部が前方側に移動するとともに下端部が後方(図示左方)に移動し、その後センタリング部材15が下降位置に到達すると、シリンジ1が図5の2点鎖線の状態に傾斜することとなる。
【0013】
しかしながら、上記シリンジ1の製造誤差や上記支持部材14の凹部14aにおけるシリンジ1の位置のばらつき等により、上記センタリング部材15によって揺動したシリンジ1の傾斜角度は必ずしも一定とはならない。
後述するように、本実施例では上記シリンジ1をほとんど寸法的な余裕のないネスト2の収容部2aに収容するため、このような傾斜角度のばらつきはネスト2への収容不良の原因となる。
そこで本実施例では、上記支持部材14の下方に上記位置決め部材16を設けて、上記支持部材14とセンタリング部材15とによって傾斜するシリンジ1の傾斜角度を一定に保持するようにしている。
具体的に上記位置決め部材16は、上記支持部材14に支持されるとともに上記センタリング部材15の下降に伴って揺動するシリンジ1の本体部1aの下端部近傍の側面に当接するように配置されている。
その結果、上記センタリング部材15の下降が完了することによって、図5において2点鎖線で示す傾斜角度に傾斜しようとするシリンジ1を、実線で示す傾斜角度で保持することができる。
また位置決め部材16には、図8に示すように上記支持部材14の凹部14aと同じ間隔で円弧状の凹部16aが形成されており、上記センタリング部材15によって傾斜したシリンジ1の本体部1aはこの凹部16aに収容されるようになっている。
なお、シリンジ1の傾斜角度は説明のため誇大に表現しており、実際にはセンタリング部材15によるシリンジ1の傾斜角度および位置決め部材16によって保持するシリンジ1の傾斜角度はより小さくなっており、特に上記位置決め部材16によって保持したシリンジ1の傾斜角度を0°、すなわちシリンジ1の軸線が垂直方向を向くようにしてもよい。
そして図2に示すように、上記位置決め部材16の下面には、上記シリンジ1をネスト2に収容する際に、作業ヘッド5aとネスト2との位置決めを行うための係合部としての係合突起16bが2つ設けられている。
【0014】
そして上記位置決め部材16は、図4に示すように上記フレーム11に固定された第3昇降手段19(図4(c))によって昇降するようになっており、具体的には図6に示す上記シリンジ1をネスト2に収容する際に、上記フレーム11に対して昇降するようになっている。
上記移動手段20は、上記第3昇降手段19によって昇降する昇降プレート19aに設けられたエアシリンダ20aと、昇降プレート19aに軸支された回転軸20bを中心に上記位置決め部材16を揺動させる保持アーム20cと、上記エアシリンダ20aと保持アーム20cとを連結するリンク20dとから構成されている。
そして上記移動手段20は、図6に示す上記シリンジ1をネスト2に収容する際に、上記位置決め部材16を上記シリンジ1に当接する位置決め位置(図6(a))と、当該シリンジ1より退避した退避位置(図6(e))とに移動させるようになっている。
【0015】
上記作業ヘッド5aのネスト保持部13は、図2に示すように上記フレーム11を挟んで2組設けられており、各ネスト保持部13は図7に示すように上記フレーム11に固定された第4昇降手段21と、当該第4昇降手段21によって昇降する昇降プレート21aに設けられた4つの吸着ヘッド22および上記ネスト2を下方から支持する支持フック23とから構成されている。
図2における図示左方のネスト保持部13は上記第4昇降手段21によって上昇位置に位置した状態を、図示右方のネスト保持部13は下降位置に位置した状態をそれぞれ示しており、ネスト2を保持する際には下降位置に位置して、上記吸着ヘッド22が上記支持部材14の下方に突出するようになっている。
各吸着ヘッド22は図示しない負圧発生手段に接続されるとともに、図7に示すように一列に整列して設けられており、後述するネスト2の両端部に形成されたフランジ部2bの上面を吸着保持するようになっている。
上記支持フック23は上記ネスト2のフランジ部2bに形成された切欠き2cの位置に合わせて設けられており、下端部に水平方向に突出する支持部23aが形成されるとともにエアシリンダ等からなる開閉手段によって開閉するようになっている。
上記支持フック23が閉鎖状態のとき、上記支持部23aは上記ネスト2に形成された切欠き2cを上方から通過可能となっており、支持部23aがネスト2の下面側に位置すると、支持フック23が開放状態となって支持部23aがネスト2を下方から支持する。
【0016】
次に上記シリンジ供給手段6は上記シリンジ1のつば部1cを下方から支持する一対のレールによって構成されたシュート6aを備え、上記シリンジ1を整列した状態で供給するようになっている。
図4(a)に示すように、上記シュート6aは終端部に向けて下降するように傾斜しており、これによりシリンジ1は隙間なく整列した状態で終端部へと移動するようになっている。
そして上記ロボット5は上記作業ヘッド5aの支持部材14をこのシュート6aの終端部の高さに位置させ、また図3に示すように上記凹部14aをシュート6aの終端部に位置させる。これにより、シュート6aより排出されたシリンジ1は上記凹部14aに収容されるようになっている。
またシリンジ供給手段6は、上記シュート6aの終端部に設けられてシリンジ1を停止させるストッパ手段6bと、上記シュート6aの終端部に隣接して設けられた落下防止ガイド6cとを有している。
上記ストッパ手段6bは、上記シュート6aの終端部を閉鎖してシリンジ1の供給を停止させ、また終端部を開放して上記支持部材14へのシリンジ1の供給を許容するようになっている。
上記落下防止ガイド6cは、上記シュート6aに対して図示左方に向けて設けられた部材となっており、図4(b)に示すように上記支持部材14の凹部14aに収容されたシリンジ1の側面に当接するようになっている。
【0017】
上記構成を有するシリンジ供給手段6によれば、まず図3(a)に示すように上記ロボット5が作業ヘッド5aにおける支持部材14の左端の凹部14aをシュート6aの終端部に位置させると、上記ストッパ手段6bによりシュート6aの終端部を開放し、当該図示左端の凹部14aにシリンジ1を供給する。
その後、図3(b)に示すように、ロボット5が支持部材14を図示左方に移動させると、隣接する凹部14aに上記シュート6aから排出されたシリンジ1が順次収容される。
上記凹部14aはシュート6aの終端部を超えると上記落下防止ガイド6cに差し掛かり、当該凹部14aに収容されたシリンジ1の落下が防止されるようになっている。
そして図3(c)に示すように、すべての凹部14aにシリンジ1が収容されると、上記ストッパ手段6bがシュート6aの終端部を閉鎖し、また上記作業ヘッド5aでは上記センタリング部材15が作動して上記支持部材14との間で当該シリンジ1が保持されるようになっている。
【0018】
次に、上記ネスト2およびネスト供給手段7について説明する。
図8に示すように、上記ネスト2は略正方形の平板状の部材に、上記シリンジ1を収容する収容部2aを複数行複数列備えた構成を有し、上記収容部2aを囲繞するようにフランジ部2bが形成されている。
具体的には、上記収容部2aは図示横方向(X方向)に10個整列し、かつ当該10個の収容部2aが縦方向(Y方向)に10列整列したものとなっており、Y方向に並んだ奇数列の収容部2aと偶数列の収容部2aとは相互に半ピッチ偏倚した位置に設けられている。
そして上記フランジ部2bにおけるX方向両側に突出した部分は、上記作業ヘッド5aのネスト保持部13によって保持され、また上記支持フック23によって保持するための切欠き2cが形成されている。
また図5に示すように、各収容部2aは軸方向が上下方向を向いた円筒形状を有しており、その内径は上記シリンジ1の外径と略同径となっている。このため、上記シリンジ1が上方から挿入されると、当該収容部2aの上端部に上記シリンジ1のつば部1cが当接し、シリンジ1を落下しないように保持することができる。
このように、本実施例の収容部2aはシリンジ1をぐらつかないように保持することが可能であるものの、上記ロボット5によりシリンジ1をネスト2に収容する際には、シリンジ1を高精度に位置決めして挿入する必要がある。
【0019】
図1に示すように、上記ネスト供給手段7は、複数のネスト2を保持するネストストッカ31と、上記ネストストッカ31より取り出されたネスト2を上記ロボット5に隣接した受け渡し位置まで搬送するネスト搬送手段32と、上記ネスト搬送手段32の下流端に設けられてネスト2を上記受け渡し位置に位置決めする位置決め手段33とから構成されている。
上記ネストストッカ31は上記ネスト2を複数枚上下に積層させた状態で保持し、積層させたネスト2から最下段のネスト2を一枚ずつ取り出してこれを上記ネスト搬送手段32に隣接した所要の供給位置に載置するようになっている。
上記ネスト搬送手段32は、ネスト2を搬送する上流側コンベヤ32aおよび下流側コンベヤ32bと、上記ネストストッカ31の供給位置に載置されたネスト2を上記上流側コンベヤ32aまで押し出すプッシャ32cと、上記ネスト2を上流側コンベヤ32aの下流端に一時的に停止させるストッパ32dとを備えている。
上記上流側コンベヤ32aおよび下流側コンベヤ32bは上記ネスト2のフランジ2bを下方から支持する一対の丸ベルトコンベヤによって構成され、上流側コンベヤ32aの上流端は上記ネストストッカ31の供給位置に隣接した位置に設けられ、また下流側コンベヤ32bの下流端に上記位置決め手段33が設けられている。
上記プッシャ32cは上記ネストストッカ31の供給位置の搬送方向後方位置から、上記上流側コンベヤ32aの搬送経路の略中央までの間で往復動可能に設けられ、これにより上記ネストストッカ31の供給位置に供給されたネスト2を押圧して上記上流側コンベヤ32a上に移送することが可能となっている。
上記ストッパ32dは、上記上流側コンベヤ32aの下流端に設けられており、上流側コンベヤ32aを搬送されたネスト2を停止させ、上記位置決め手段33においてネスト2にシリンジ1が収容される間、当該ネスト2を待機させるようになっている。
【0020】
上記位置決め手段33は、上記下流側コンベヤ32bの下流端に設けられており、上記ネスト2を支持する一対のチャック34R,34Lと、当該チャック34R,34Lを下流側コンベヤ32bの搬送方向に直交する方向(X方向)に移動させるX方向移動手段35と、当該X方向移動手段35ごと上記チャック34R,34Lを搬送方向(Y方向)に移動させるY方向移動手段36とから構成されている。
上記チャック34R,34Lは上記X方向移動手段35によって移動する第1プレート37上に設けられており、当該第1プレート37に固定された開閉手段38によってX方向に接離して開閉するようになっている。
そして上記下流側コンベヤ32bを搬送されたネスト2が下流端において停止すると、チャック34R,34Lが閉鎖状態となって当該ネスト2を保持するようになっている。
図示左方のチャック34Lには、ネスト2における搬送方向上流側から数えて7列目および9列目の収容部2aにおける左端の収容部2aに当接する突起34aが設けられており、このうち7列目の収容部2aに当接する突起34aの下流側と、9列目の収容部2aに当接する突起34aの上流側とには、それぞれ上記収容部2aに斜め方向から当接する傾斜部が形成されている。
これと同様、図示右方のチャック34Rには、6列目および8列目の収容部2aにおける右端の収容部2aに当接する突起34aが形成され、これらの突起34aにも上記傾斜部が形成されている。
このような構成により、上記チャック34R,34Lを開閉手段38によって閉鎖状態とすると、上記突起34aの傾斜部によってネスト2がX方向およびY方向に押圧され、ネスト2が所定の姿勢で保持されるようになっている。
【0021】
さらに上記チャック34R,34Lの基部にはネスト2に向けてそれぞれ突出片が設けられており、当該突出片には上記作業ヘッド5aの位置決め部材16に設けた係合突起16bと係合する被係合部としての係合孔34bが形成されている。
左側のチャック34Lの係合孔34bのY方向の位置は、奇数列の収容部2aにおける左端より2番目の収容部2aと整列した位置に設けられ、右側のチャック34Rの係合孔34bのY方向の位置は、奇数列の収容部2aにおける右端の収容部2aと整列した位置に設けられている。
換言すると、両チャック34R,34Lの係合孔34bのY方向の位置は、ネスト2における10列目(偶数列)の収容部2aに対して半ピッチ分偏倚した位置に設けられている。
また両チャック34R,34Lの係合孔34bのX方向の位置は、10列目の収容部2aに対する係合孔34bのX方向の距離が、奇数列と偶数列の収容部2aにおけるX方向の距離と同距離となるように設けられている。
【0022】
上記X方向移動手段35は上記Y方向移動手段36によってY方向に移動する第2プレート39の上面に設けられており、上記チャック34R,34Lを保持した上記第1プレート37をX方向に移動させるエアシリンダからなるアクチエータ35aを備えている。
また上記Y方向移動手段36は、上記第2プレート39の下方に設けられた一対のYスライダ36aと、当該Yスライダ36aに沿って上記第2プレート39ごと上記X方向移動手段35およびチャック34R,34LをY方向に移動させるエアシリンダからなるアクチエータ36bとを備えている。
このような構成により、上記下流側コンベヤ32bの下流端にネスト2が搬送され、上記開閉手段38によってチャック34R,34Lを閉鎖してネスト2を保持すると、その後上記X方向移動手段35およびY方向移動手段36がネスト2を所要の受け渡し位置に精密に移動させるようになっている。
また、上記制御手段がX方向移動手段35およびY方向移動手段36のアクチエータ35a、36bへのエアの供給を停止すると、ネスト2をチャック34R、34Lで保持したままの状態で、当該ネスト2を所要の外力によってX方向およびY方向に移動させることが可能となっている。
【0023】
次に、図1を用いて上記トレイ3およびトレイ供給手段8、ならびにトレイ排出手段9について説明する。
上記トレイ3は上面に開口部が形成された箱体となっており、その内部には上記ネスト2のフランジ部2bを下方から支持する図示しない支持部が設けられ、これによりシリンジ1の栓1bがトレイ3の底面に接触しないようになっている。
一方、トレイ3の上面開口部は収容されたシリンジ1の頂部よりも上方に位置しており、上記シリンジ1を収容したトレイ3が上記トレイ排出手段9によって排出されると、後工程において上記開口部に樹脂製のフィルムが装着され、内部の空間が外部空間より区画されるようになっている。
【0024】
上記トレイ供給手段8は、複数のトレイ3を保持するトレイストッカ41と、上記トレイストッカ41より取り出されたトレイ3を上記ロボット5に隣接した収容位置まで搬送するトレイ搬送手段42とから構成されている。
上記トレイストッカ41は上記ネストストッカ31と同様の構成を有しており、上下に積層されたトレイ3のうち、最下段のトレイ3を取り出して供給位置に位置させるようになっている。
上記トレイ搬送手段42は、トレイ3を搬送する上流側コンベヤ42aおよび下流側コンベヤ42bと、上記トレイストッカ41で取り出されたトレイ3を上記上流側コンベヤ42aまで押し出すプッシャ42cと、上記トレイ3を上流側コンベヤ42aの下流端に一時的に停止させるストッパ42dと、トレイ3を下流側コンベヤ42bの下流端に位置決めする位置決め手段42eとを備えている。
上記上流側コンベヤ42aおよび下流側コンベヤ42bは上記トレイ3の下面を支持して搬送するベルトコンベヤによって構成され、また下流側コンベヤ42bの下流端の左側方部分には、上記トレイ3を上記トレイ排出手段9へと排出するための開口部が形成されている。
上記位置決め手段42eは、上記下流側コンベヤ42bの下流端で停止したトレイ3に対して斜め後方から当接して、当該トレイ3を下流側コンベヤ42bの下流端で位置決めするようになっている。
そして上記トレイ排出手段9は、図示しないプッシャによって、上記下流側コンベヤ42bの下流端に形成された開口部から当該下流側コンベヤ42bの搬送方向に対して図示左方にトレイ3を排出するように設けられ、上記ネスト2が収容されたトレイ3を図示しない後工程へと搬送するようになっている。
【0025】
上記構成を有するシリンジ収容装置4の動作について説明すると、まず上記ロボット5は作業ヘッド5aを上記シリンジ供給手段6へと移動させ、上記シリンジ保持部12の支持部材14を上記シリンジ供給手段6のシュート6aの終端部に移動させる。
そしてロボット5が、図3(a)に示すように支持部材14の左端の凹部14aをシュート6aの終端部に位置させると、シリンジ供給手段6のストッパ手段6bが上記シュート6aの終端部を開放する。
すると上記支持部材14の凹部14aにシリンジ1が収容され(図4(a))、さらに上記ロボット5が支持部材14を図示左方に移動させることで、支持部材14の各凹部14aに順次シリンジ1が収容される(図3(b))。
そしてすべての凹部14aにシリンジ1が収容されると、上記ストッパ手段6bが作動して上記シュート6aからのシリンジ1の排出を停止させる(図3(c))。
このとき、シュート6aを通過した凹部14aに収容されたシリンジ1は、上記落下防止ガイド6cによって落下が防止されるようになっている(図4(b))。
【0026】
このようにして支持部材14における全ての凹部14aにシリンジ1が収容されると、上記作業ヘッド5aの第2昇降手段18によってセンタリング部材15が下降し、当該センタリング部材15と上記支持部材14との間でシリンジ1が保持される(図4(c))。
このとき、センタリング部材15の軸心はシリンジ1の軸心に対して前方に偏倚しているため、センタリング部材15が下降するとシリンジ1は図5の2点鎖線で示すように支持部材14の凹部14aとの接触部分を支点に傾斜しようとする。
しかしながら、上記シリンジ1は上記支持部材14の下方に設けた位置決め部材16に当接してその傾斜角度が規制されるため、図5の実線で示すように支持部材14によって支持された全てのシリンジ1の傾斜角度が一定に揃えられるようになっている。
【0027】
このようにして作業ヘッド5aにシリンジ1を保持する間、上記ネスト供給手段7およびトレイ供給手段8では上記ネスト2およびトレイ3をそれぞれ受け渡し位置および収容位置に位置させる。
ネスト供給手段7では、ネストストッカ31がネスト2を載置位置に載置すると、上記プッシャ32cが当該ネスト2を上流側コンベヤ32aに移動させる。ここで最初のネスト2については上記ストッパ32dによって停止させずに、下流側コンベヤ32bへと移動させることができる。
下流側コンベヤ32bはネスト2を上記位置決め手段33へと移動させ、その際位置決め手段33のX方向移動手段35はチャック34R、34Lを開放状態としておき、これによりネスト2はこれらの間に進入する。
ネスト2が下流側コンベヤ32bの下流端に位置すると、上記チャック34R、34Lが閉鎖状態となり、チャック34R、34Lの各突起34aがそれぞれネスト2の所要の収容部2aに当接することで、ネスト2がチャック34R、34Lによって保持される。
続いてX方向移動手段35およびY方向移動手段36は上記チャック34R、34Lごとネスト2をX方向およびY方向に移動させ、これによりネスト2は位置決め手段33によって所定の受け渡し位置に高精度に位置決めされることとなり、その後上記X方向移動手段35およびY方向移動手段36のアクチエータ35a、36へのエアの供給を停止させる。
一枚のネスト2が位置決め手段33によって位置決めされると、上記ネストストッカ31からは新たなネスト2が供給され、当該ネスト2はプッシャ32cによって上流側コンベヤ32aに供給された後、上記ストッパ32dによって上流側コンベヤ32aの下流端で待機するようになっている。
【0028】
一方トレイ供給手段8においても、トレイストッカ41から取り出されたトレイ3がプッシャ42cによって上流側コンベヤ42aに押し出され、その後下流側コンベヤ42bを搬送される。
そして上記位置決め手段42eが作動してトレイ3の斜め後方から当接すると、トレイ3が下流側コンベヤ42bの下流端において供給位置に位置決めされることとなる。
また一枚のトレイ3が位置決め手段42eによって位置決めされると、上記トレイストッカ41から取り出された新たなトレイ3が上記ストッパ42dによって上流側コンベヤ42aの下流端において待機するようになっている。
【0029】
このようにしてネスト供給手段7の受け渡し位置にネスト2が位置決めされると、上記ロボット5は作業ヘッド5aを上記ネスト供給手段7に移動させ、保持したシリンジ1を上記ネスト2に収容する。
その際の動作を図6を用いて説明すると、上記ロボット5は上記ネスト2における搬送方向上流側の1列目の収容部2aからシリンジ1を収容させる。なお図6において上記1列目の収容部2aは図示右端に位置している。
まず、ロボット5は上記1列目の収容部2aの上方に上記シリンジ1が位置するように作業ヘッド5aを移動させる(図6(a))。すると、上記位置決め部材16の係合突起16bが2列目の収容部2aの上方に位置することとなる。
図8に示すように、ロボット5が一列目の収容部2aの上方にシリンジ1を位置させると、上記係合突起16bは2列目の収容部2aにおける左端の収容部2aおよび右端から2番目の収容部2aの上方に位置するようになっている。
【0030】
続いて、上記作業ヘッド5aの第3昇降手段19が上記位置決め部材16を下降させ、これにより上記一対の係合突起16bがシリンジ1の下端部よりも下方に突出し、それぞれ2列目の上記収容部2aに嵌合する(図6(b))。
この時、上記位置決め手段33のX方向移動手段35およびY方向移動手段36のアクチエータ35a、36bへのエアの供給が停止されているため、ネスト2がチャック34R、34Lに把持された状態のまま、X方向およびY方向への微小な移動が許容されるようになっている。
したがって、ネスト2の収容部2aの位置に対して作業ヘッド5aに保持されたシリンジ1の位置がずれていたとしても、上記一対の係合突起16bが収容部2aに嵌合することで、ネスト2がX方向およびY方向に微小に移動し、保持されたシリンジ1との位置が補正されることとなる。
この状態で、上記第1昇降手段17が上記支持部材14およびセンタリング部材15を一体的に下降させ、シリンジ1の先端部を1列目の収容部2aに挿入させる(図6(c))。
このとき、すべてのシリンジ1は上記位置決め部材16によって傾斜角度が一定に揃えられているため、すべてのシリンジ1を同じ条件ですべての収容部2aに挿入することができ、シリンジ1の挿入不良を可及的に防止することができる。
また、上述のとおりX方向移動手段35およびY方向移動手段36へのエアの供給を停止させているため、傾斜したシリンジ1が収容部2aに挿入されるのに従って、ネスト2の微小な移動を許容することができる。
【0031】
シリンジ1の一部が収容部2aに挿入されると、上記第3昇降手段19が上記位置決め部材16を上昇させ、これにより上記係合突起16bが2列目の収容部2aより離脱する(図6(d))。
続いて、上記移動手段20が上記位置決め部材16を位置決め位置から退避位置へと揺動させ、これにより位置決め部材16は上記シリンジ1より離脱し、上記支持部材14に対して上方となる位置まで退避する(図6(e))。
また位置決め部材16がシリンジ1より離脱すると、上記第2昇降手段18が上記センタリング部材15を上昇させ、これによりセンタリング部材15と支持部材14とによるシリンジ1の保持状態が解除される。
その結果、上記シリンジ1は凹部14aにおいて軸心が上下方向を向くこととなり、その後上記第1昇降手段17が上記支持部材14を下降させ、さらに所定の高さで支持部材14を水平方向図示左方に移動させると、シリンジ1から支持部材14が離脱する。
その後、シリンジ1は自重により収容部2aに沿って下降し、上記つば部1cが収容部2aに当接することで、当該シリンジ1は収容部2aに支持されることとなる。
【0032】
このようにして1列目の収容部2aにシリンジ1が収容されると、ロボット5は作業ヘッド5aを再びシリンジ供給手段6へと移動させ、新たに10個のシリンジ1を保持させる。また上記X方向移動手段35およびY方向移動手段36にエアの供給を復帰させてネスト2を所定の受け渡し位置に位置させる。
次に、上記ロボット5は支持部材14に保持されたシリンジ1を今度は2列目の収容部2aの上方に位置させる。すると、図8に示すように上記位置決め部材16の係合突起16bは3列目における左端から2番目の収容部2aと、右端の収容部2aの上方にそれぞれ位置することとなる。
そして図6に示す動作に基づいて2列目の収容部2aにシリンジ1を収容し、その後は上記動作に基づいて順次3列目以降の収容部2aへとシリンジ1を収容してゆく。
最後に、10列目の収容部2aにシリンジ1を収容する際、作業ヘッド5aが支持部材14のシリンジ1を当該10列目の収容部2aの上方に位置させると、上記位置決め部材16の係合突起16bは上記位置決め手段33のチャック34R,34Lに形成した係合孔34bの上方にそれぞれ位置することとなる。
このため、10列目の収容部2aにシリンジ1を収容する際には、上記チャック34R,34Lに設けた係合孔34bにより作業ヘッド5aとネスト2との位置決めを行うことで、ネスト2に位置決め用の孔を形成せずとも、シリンジ1を収容することができる。
【0033】
このようにしてネスト2の全ての収容部2aにシリンジ1が収容されると、上記X方向移動手段35はチャック34R,34Lを開放状態とし、続いて上記作業ヘッド5aのネスト保持部13が上記第4昇降手段21によって下降位置に位置する。
そしてロボット5は上記ネスト保持部13の支持フック23を閉鎖状態としたまま上記ネスト2のフランジ部2bに形成した切欠き2cの上方から挿入し、その後支持フック23を開放状態とすることで、支持フック23の支持部23aによりフランジ部2bが下方から支持される。
すると、上記吸着ヘッド22がフランジ部2bの上面を吸着保持し、その後作業ヘッド5aはこのネスト2を保持して上記トレイ供給手段8へと移送する。
トレイ供給手段8ではトレイ3が位置決め手段42eによって収容位置に位置しているため、上記作業ヘッド5aが保持したネスト2をトレイ3内に収容することができる。
このようにしてトレイ3にネスト2が収容されると、当該トレイ3は上記トレイ排出手段9によって排出され、後工程において当該トレイ3の開口部がフィルムによって閉鎖される。
【0034】
図9は第2実施例にかかるシリンジ収容装置4を説明する図であり、この第2実施例では第1実施例に対して上記ネスト供給手段7における位置決め手段33および上記作業ヘッド5aに設けた位置決め部材16の係合突起16bの構成が異なっている。
それ以外の構成については、上記第1実施例と同様であるので、詳細な説明については省略する。
本実施例の位置決め手段33も、ネスト2を保持するチャック34R,34Lと、当該チャック34R,34LをX方向に移動させるX方向移動手段35と、チャック34R,34LごとX方向移動手段35をY方向に移動させるY方向移動手段36によって構成されている。
本実施例のチャック34R,34Lのうち、図示左方のチャック34Lには、ネスト2における奇数列の収容部2aにおける図示左端に位置する収容部2aに合わせて複数の半円状の凹部34cが形成され、これと同様図示右方のチャック34Rにも、偶数列の収容部2aにおける図示右端の収容部2aに合わせて複数の半円状の凹部34cが形成されている。
【0035】
そして上記チャック34R,34Lには、ネスト2における各列の収容部2aのそれぞれに対応する位置に、それぞれY方向に向けて10個の係合孔34bが形成されている。
具体的には、各列の収容部2aに対応した係合孔34bは、それぞれ各列の収容部2aとX方向に直線上に整列するように設けられており、また図示左方のチャック34Lにおいて、各係合孔34bとこれに対応する列の左端の収容部2aとの距離は一定となっており、これと同様、図示右方のチャック34Rも同様の関係を有している。
一方、上記作業ヘッド5aにおける上記位置決め部材16の係合突起16bは、上記支持部材14に形成された凹部14aの半円部分の中心軸と直線上に整列する位置に設けられている。
また図示左方の係合突起16bと図示左端の凹部14aとの距離は、上記図示左方のチャック34Lの係合孔34bとこれに隣接する左端の収容部2aとの距離と同じとなっており、これと同様、図示右方のチャック34Rも同様の関係を有している。
なお、ネスト2の収容部2aとの位置関係が一定であれば、上記係合突起16bおよび係合孔34bを上記凹部14aおよび上記収容部2bと直線上に整列させる必要はない。
ちなみに、第1実施例とは異なり、第2実施例においては、係合突起16bはネスト2の収容部2aに係合しないため、係合突起16bおよび係合孔34bの形状を自由に設定することが可能である。
【0036】
上記構成を有するシリンジ収容装置4においても、上記第1実施例同様、シリンジ1を高精度にネスト2の収容部2aに収容することができる。つまり、上記作業ヘッド5aの位置決め部材16に設けた上記係合突起16bを各列の収容部2aに対応した上記チャック34R,34Lの係合孔34bに嵌合させることで、各列の収容部2aにそれぞれシリンジ1を収容することができる。
なお、上記第1実施例の場合、ネスト2の収容部2aに係合突起16bを嵌合させてからシリンジ1の収容を行うため、搬送方向上流側の1列目からシリンジ1を収容する必要があるが、本実施例であれば逆に10列目からの収容も行うことができる。
【0037】
なお、上記実施例では柱状物品としてシリンジ1をネスト2に収容するようになっているが、他にもアンプルやバイアルを筒状の収容部2aに収容する構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 シリンジ 2 ネスト
2a 収容部 3 トレイ
4 シリンジ収容装置 5 ロボット
5a 作業ヘッド 6 シリンジ供給手段
14 支持部材 14a 凹部
15 センタリング部材 16 位置決め部材
16b 係合突起 33 位置決め手段
34R,34L チャック 34a 突起
34b 係合孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9