【実施例】
【0035】
本発明の他の特徴は、本発明の原理を例示する、以下の非限定例から明白となろう。当業者に周知の通り、反応は、空気または水分から反応成分を保護するために必要な場合、不活性雰囲気(以下に限定されないが、窒素またはアルゴン)中で行われる。温度は、摂氏度(℃)で与えられる。特に明記されていない限り、溶液のパーセントおよび比は、容積対容積の関係を表す。以下の例において使用されている反応剤は、本明細書に記載されている通り得ることができるか、または本明細書に記載されていない場合、それ自体が市販であるか、もしくは市販の物質から当分野で公知の方法により調製することができる。質量スペクトル分析は、エレクトロスプレー質量分析計を使用して記録することができる。
【0036】
化合物および中間体は、カラムサイズに応じて、流速18〜85mL/分で、市販の通常の相シリカであるRedisep R
fを4〜120g用いる、254nmでのTeledyne ISCO Combiflash R
f System、またはSilicycleカラムにより精製することができる。質量スペクトル分析は、サンプルオーガナイザー、PDA検出器、カラムマネージャー、サンプルマネージャー、二成分溶媒マネージャー、およびSQ検出器からなる、フローインジェクション分析質量分析法またはWaters Acquity Ultraperformance LC Systemを使用して記録することができる。
【0037】
マイクロ波条件中で行った反応は、バイアル操作用のRobot Sixtyを装備した、Biotage Initiator 2.0マイクロ波合成装置で実施する。温度範囲は、40〜250℃である。圧力範囲は0〜20barであり、出力範囲は2.45GHzで0〜400ワットである。バイアルサイズは、0.5mL〜20mLで変動する。溶媒吸収レベルは、デフォルト設定で高い。適用可能な場合、実験項において特定の反応時間および温度が示されている。
【0038】
分取RP−HPLCは、以下の具体的な測定条件の1つを使用して、標準状態下で行われる。
A) Waters SunFire Prep OBD C18カラム(5μm、19×50mm)、最初に初期グラジエント条件において保持時間1分で溶出し、次に、10mMギ酸アンモニウム(pH3.8)を含有するMeOHの直線グラジエントにより、30mL/分で10分間かけて溶出する。所望の生成物を含有する画分をプールし、濃縮して凍結乾燥する。
B) Waters XBridge Prep OBD C18カラム(5μm、19×50mm)、最初に初期グラジエント条件において保持時間1分で溶出し、次に、10mM炭酸水素アンモニウム(pH10.0)を含有するMeOHの直線グラジエントにより、30mL/分で10分間かけて溶出する。所望の生成物を含有する画分をプールし、濃縮して凍結乾燥する。
【0039】
C) Waters SunFire Prep OBD C18カラム(5μm、19×50mm)、最初に初期グラジエント条件において保持時間1分で溶出し、次に、0.06%TFA(v/v)を含有するMeCNの直線グラジエントにより、30mL/分で10分間かけて溶出する。所望の生成物を含有する画分をプールして、凍結乾燥する。
D) Waters XBridge Prep OBD C18カラム(5μm、19×50mm)、最初に初期グラジエント条件において保持時間1分で溶出し、次に、10mM炭酸水素アンモニウム(pH10.0)を含有するMeCNの直線グラジエントにより、30mL/分で10分間かけて溶出する。所望の生成物を含有する画分をプールして、凍結乾燥する。
【0040】
E) Waters SunFire Prep OBD C18カラム(5μm、19×50mm)、最初に初期グラジエント条件において保持時間0.5分で溶出し、次に、10mMギ酸アンモニウム(pH3.8)を含有するMeCNの直線グラジエントにより、45mL/分で6.9分間かけて溶出する。溶離液は、全操作中、Timberline Instrument TL600 Mobile Phase Heaterを使用して45℃に温める。所望の生成物を含有する画分をプールして、凍結乾燥する。
F) Waters XSelect Prep CSH OBD C18カラム(5μm、30×75mm)、最初に初期グラジエント条件において保持時間0.5分で溶出し、次に、0.1%ギ酸(v/v)を含有するMeCNの直線グラジエントにより、60mL/分で6.4分間かけて溶出する。溶離液は、全操作中、Timberline Instrument TL600 Mobile Phase Heaterを使用して45℃に温める。所望の生成物を含有する画分をプールして、凍結乾燥する。
【0041】
分析用UPLCは、以下の具体的な測定条件の1つを使用して、標準状態下で行われる。
A) Waters ACQUITY UPLC BEH C18カラム(1.7μm、2.1×30mm)、10mM炭酸水素アンモニウム(pH10)を含有するMeOHの直線グラジエントにより、0.75mL/分で2.2分間かけて溶出する。
B) Waters ACQUITY UPLC HSS C18カラム(1.8μm、2.1×30mm)、10mMギ酸アンモニウム(pH3.8)を含有するMeOHの直線グラジエントにより、0.8mL/分で2.3分間かけて溶出する。
C) Waters ACQUITY UPLC HSS C18カラム(1.8μm、2.1×30mm)、0.06%TFA(v/v)を含有するMeCNの直線グラジエントにより、0.9mL/分で2.2分間かけて溶出する。
D) Waters ACQUITY UPLC BEH C18カラム(1.7μm、2.1×30mm)、10mM炭酸水素アンモニウム(pH10)を含有するMeCNの直線グラジエントにより、0.75mL/分で2.2分間かけて溶出する。
【0042】
E) Waters ACQUITY UPLC HSS C18カラム(1.8μm、2.1×30mm)、10mMギ酸アンモニウム(pH3.8)を含有するMeCNの直線グラジエントにより、0.8mL/分で2.3分間かけて溶出する。溶離液は、全操作中、カラムプレヒーターを使用して45℃に温める。
F) Waters XSelect UPLC CSH C18カラム(1.7μm、2.1×30mm)、0.1%ギ酸(v/v)を含有するMeCNの直線グラジエントにより、0.9mL/分で2.0分間かけて溶出する。溶離液は、全操作中、カラムプレヒーターを使用して45℃に温める。
【0043】
例中に使用される略語は、以下を含む。
Ac:アセチル、AcOH:酢酸、BEH:エチレン架橋ハイブリッド、BOCまたはBoc:tert−ブチルオキシカルボニル、Bu:ブチル、dba:ジベンジリデンアセトン、DCE:1,2−ジクロロエタン、DCM:ジクロロメタン、DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、DMEM:ダルベッコ改変イーグル培地、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DMSO:ジメチルスルホキシド、dppf:1,1’−ジフェニルホスフィニルフェロセン、eqまたはequiv:当量、Et:エチル、Et
2O:ジエチルエーテル、EtOAc:酢酸エチル、EtOH:エタノール、HATU:[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート]、Hex:ヘキサン、HPLC:高速液体クロマトグラフィー、HSS:高強度シリカ、
iPrまたはi−Pr:1−メチルエチル(イソ−プロピル)、iPrOH:イソプロパノール、Me:メチル、MeCN:アセトニトリル、MeOH:メタノール、MS:質量分析法、[M+H]
+:プロトン化分子イオン、MTBEまたはt−MBE:tert−ブチルメチルエーテル、OBD:最適床密度(optimum bed density)、PDA:フォトダイオードアレイ、Ph:フェニル、Pr:プロピル、RP:逆相、RT:室温(18〜22℃)、tert−ブチルまたはt−ブチル:1,1−ジメチルエチル、TEA:トリエチルアミン、TFA:トリフルオロ酢酸、THF:テトラヒドロフラン、t
R:保持時間およびUPLC:超高速液体クロマトグラフィー、Xantphos:4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
【0044】
(例A1)化合物A1bの調製
【化15】
DCM(100mL)中のA1a(10.0g、77.4mmol、Combi Blocks)の懸濁液を塩化オキサリル(66.0mL、619.5mmol)により処理する。次に、DMF(599.6μL、7.7mmol)を滴下して加える。この反応混合物をRTで一晩撹拌し、次に、減圧下で濃縮して、トルエン(150mL)を用いて共沸し、高真空下で1時間乾燥するとA1bが得られ、これを次の反応にそのまま使用する。
【0045】
(例A2)化合物A2cの調製
【化16】
工程1:
−78℃冷却したKHMDS(1.1g、5.7mmol)の撹拌THF(20mL)溶液に、A2a(1.0g、4.6mmol)のTHF(10mL)溶液を加える。この反応物を30分間撹拌し、次に、ヨウ化プロピル(136.4μL、2.2mmol)を加える。この反応物を45分間撹拌し、RTまで温めて、2.5時間撹拌する。この反応物を飽和NH
4Clにより希釈し、EtOAc(3×)により抽出してNa
2SO
4で脱水し、溶媒を回転蒸発器で除去する。粗製混合物をCombiflashにより精製すると、A2bが得られる。
【0046】
工程2:
A2b(600mg、2.5mmol)のTHF(2mL)溶液に、NaOH(10M、1.1mL、10mmol)を加え、この反応物を3時間撹拌する。この混合物を濃縮し、次に、Et
2Oにより抽出する。水相を濃HClにより酸性にしてpH2とし、EtOAcにより抽出する。有機層をブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水してろ過し、濃縮するとA2cが得られる。
【0047】
(例A3)化合物A3bの調製
【化17】
【0048】
工程1:
A2a(2.0g、9.2mmol)のDMSO(12mL)溶液を0℃に冷却し、固体のNaH(鉱物油中60%、で分散、1.1g、44mmol)により処理する。この混合物を15分間撹拌し、次に、1,4−ジブロモブタン(1.3mL、12mmol)を加える。この反応物をRTまで温め、一晩撹拌する。この反応物を水により希釈し、EtOAc(2×)により抽出してNa
2SO
4で脱水し、溶媒を回転蒸発器で除去する。粗製混合物をCombiflashにより精製すると、A3aが得られる。
工程2:
化合物A3bは、例A2からの工程2に従い、化合物A2cの調製と同様に、A3aから調製する。
【0049】
(例A4)化合物A4bの調製
【化18】
工程1:
THF(5mL)中の化合物A4a(Aldrich、180mg、0.86mmol)を0℃に冷却し、n−BuLi(ヘキサン中の2.5M、1.4mL、3.4mmol)により処理し、この反応物を15分間撹拌する。ヨウ化イソプロピル(0.34mL、3.4mmol)を10分間かけて加え、この反応物をRTにして、一晩撹拌する。この反応物を飽和NH
4Clにより希釈し、EtOAcにより抽出する。有機層をMgSO
4で脱水し、濃縮するとA4bが得られる。
【0050】
(例B1)化合物1001の調製
【化19】
工程1:
RTで、DIPEA(13mL、72mmol)、A1a(4.8g、37mmol)、およびB1a(6.0g、29mmol、Senn Chemicals AG)のDMF(60mL)溶液を、HATU(15g、40mmol)により処理する。この反応物を1時間撹拌し、次に、水およびEtOAcにより希釈する。有機層を分離し、水(2×)により洗浄してMgSO
4で脱水し、蒸発乾固する。生成物をCombiflashにより精製すると、B1bが得られる。
【0051】
工程2:
カーバメートB1b(5.4g、17mmol)をRTでDCM(54mL)に溶解し、TFA(54mL)により処理する。この混合物を一晩撹拌し、次に、濃縮乾固する。残渣をEtOAcにとり、1N NaOHおよびブラインにより洗浄してMgSO
4で脱水し、濃縮乾固すると、B1cが得られる。
【0052】
工程3:
DIPEA(0.15mL、0.86mmol)、B1d(Oakwood、100mg、0.38mmol)、およびB1c(75g、0.34mmol)のDMF(10mL)溶液を、HATU(180mg、0.48mmol)により処理する。この反応物を3日間撹拌し、次に、飽和NH
4Cl水溶液およびEtOAcにより希釈する。有機層を分離し、水(2×)により洗浄してMgSO
4で脱水し、蒸発乾固する。生成物をDCMにより粉末にし、次に、MeOHから再結晶すると、化合物1001が得られる。
【0053】
(例B2)化合物1122の調製
【化20】
工程1:
DCM(40mL)中のA1b(870mg、5.7mmol)およびB2a(Maybridge、780mg、4.4mmol)の懸濁液をTEA(1.2mL、8.7mmol)により処理する。20分後に、この反応物を濃縮するとB2bが得られ、これをそのまま次の工程に使用する。
【0054】
工程2:
THF(15mL)およびMeOH(7.5mL)中のB2b(1.3g、4.3mmol)の溶液を水性NaOH(5N、3.9mL、19mmol)により処理し、この反応物をRTで20分間撹拌する。反応物を濃縮する。残渣をEtOAcにとり、希10%クエン酸溶液(2×)により洗浄する。有機層をMgSO
4で脱水し、濃縮するとB2cが得られる。
【0055】
工程3:
RTのDIPEA(0.13mL、26mmol)、B2c(50mg、0.19mmol)、およびB2d(44mg、0.19mmol、Aldrich)のDMF(2mL)溶液を、HATU(89mg、0.19mmol)により処理し、この反応物を1時間撹拌する。この混合物をDMSOにより希釈し、生成物を分取HPLCにより精製すると、化合物1122が得られる。
【0056】
(例B3)化合物1027の調製
【化21】
工程1:
化合物B3bは、例B2からの工程1に従い、化合物B2bと同様に、B3a(Combiblocks)から調製する。
【0057】
工程2:
化合物B3b(450mg、1.8mmol)をEtOH(100mL)に溶解し、フラスコを排気して、N
2で再び充填する。Pd−C(Aldrich、5%w/w、380mg、0.18mmol)を加え、このフラスコを排気して、H
2(1atm)で再び充填する。反応物を3日間撹拌し、次に、このフラスコにN
2を通気する。混合物をEtOAcにより希釈し、次に、セライトパッドによってろ過する(EtOAc洗液を用いる)。ろ液を蒸発乾固すると、B3cが得られる。
【0058】
工程3:
化合物1027は、例B1からの工程3に従い、化合物1001と同様に、A4aおよびB3cから調製する。
【0059】
(例B4)化合物1131の調製
【化22】
工程1:
化合物B4a(5.0g、29mmol)をMeOH(50mL)に溶解し、硫酸(1.9mL)を加える。反応物をRTで45分間撹拌し、次に、濃縮する。この残渣をEtOAcと飽和NaHCO
3とに分配する。有機層を水およびブラインにより洗浄し、MgSO
4で脱水してろ過して濃縮すると、B4bが得られる。
【0060】
工程2:
化合物B4b(250mg、1.3mmol)、tert−ブチルカーバメート(Aldrich、473mg、4.0mmol)、Cs
2CO
3(Aldrich、658mg、2.0mmol)、Pd
2(dba)
3(Strem、123mg、0.14mmol)およびXantphos(Strem、156mg、0.27mmol)をTHF(5mL)に懸濁させ、この混合物を、音波照射を用い、N
2を5分間バブリングすることにより脱気する。この反応物を密封し(シュレンク管)、一晩70℃に加熱する。この混合物をRTまで冷却してろ過し、ろ液を濃縮する。この残渣をEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液とに分配する。有機層を水およびブラインにより洗浄し、MgSO
4で脱水して濃縮する。生成物をCombiflashにより精製すると、B4cが得られる。
【0061】
工程3:
カーバメートB4c(5.4g、17mmol)をDCM(54mL)に溶解し、TFA(54mL)によりゆっくりと希釈する。この混合物を一晩撹拌し、次に濃縮乾固する。残渣をEtOAcにとり、1N NaOHおよびブラインにより洗浄し、次に、MgSO
4で脱水し、濃縮乾固すると、B4dが得られる。
【0062】
工程4:
化合物1131は、例B2からの工程2および3に従い、化合物B2dから化合物1122の調製と同様に、B4dから調製する。
【0063】
(例B5)化合物1148の調製
【化23】
【0064】
工程1:
B5a1(Aconpharm、4.0g、36mmol、Tyger)のMeCN(250ml)溶液に、固体のBoc
2O(28g、130mmol)を加える。固体のDMAP(250mg、2.0mmol)を20分の間隔で、50mgの小分けで加える。この反応物を一晩撹拌し、次に、濃縮して1:1のt−BME/EtOAcにより希釈して、10%クエン酸、飽和NaHCO
3、およびブラインにより洗浄する。有機層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発乾固する。MeOH(80ml)および飽和NaHCO
3(40ml)を加え、この混合物を3日間撹拌する。この反応物をろ過し、ろ過ケーキをMeOHにより洗浄する。ろ液を蒸発させ、この残渣をEtOAcにとり、この溶液を水およびブラインにより洗浄する。有機層をNa
2SO
4で脱水して濃縮し、生成物をCombiflashにより精製するとB5aが得られる。
【0065】
工程2:
THF(30mL)中のB5a(2.0g、6.4mmol)の懸濁液に、0℃で固体のNaH(鉱物油中60%で分散、280mg、1.1mmol)を加える。ブロモ酢酸エチル(0.86mL、7.7mmol)をこの反応物に加え、これを1時間撹拌し、RTまで温め、次に、さらに4時間撹拌する。この混合物をEtOAcより希釈して水、飽和NaHCO
3およびブラインにより洗浄する。有機層をNa
2SO
4で脱水して濃縮し、生成物をCombiflashにより精製するとB5bが得られる。
【0066】
工程3:
DCM(4mL)中の化合物B5b(2.3g、5.9mmol)をTFA(4mL)により処理し、この反応物を20時間撹拌する。この反応物を蒸発させて、残渣をTFA(4mL)にとり、RTで2時間撹拌する。この反応物を濃縮乾固し、t−BME(20mL)およびヘキサン(20mL)を加える。得られる混合物を2時間撹拌し、固体をろ過により集めると、B5cが得られる。
【0067】
工程4:
B5c(750mg、2.4mmol)のTHF(10mL)溶液を、逐次、A1b(430mg、2.9mmol)およびDIPEA(0.84mL、4.8mmol)により処理する。この反応物をRTで一晩、次に65℃で4時間撹拌する。この反応物をRTまで冷却し、濃縮乾固し、次に水(3mL)およびNaOH(5M、3mL、15mmol)を加える。この反応物を2時間撹拌し、次に、HOAcにより酸性にする。この溶液を直接使用して、分取HPLCにより生成物を精製するとB5dが得られる。
【0068】
工程5:
化合物B5d(409mg、1.3mmol)をRTでMeOH(5mL)に溶解し、1M NaOH(2mL、2mmol)により処理する。得られる混合物をRTで2時間撹拌し、1N HClを使用して酸性にし、0℃に冷却する。残渣をろ過し、冷水により洗浄すると、B5eが得られる。
【0069】
工程6:
MeCN(2mL)中のカルボン酸B5e(20mg、0.072mmol)を、逐次、3−トリフルオロメチルアニリン(Acros、23mg、0.14mmol)、DBU(21μL、0.14mmol)および塩化4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム(40mg、0.14mmol)により処理する。この反応物を一晩撹拌し、次に、直接使用して、分取HPLCにより生成物を精製すると化合物1148が得られる。
【0070】
(例B6)化合物1143の調製
【化24】
工程1:
THF(100mL)中のマロン酸ジエステルB6a(Oakwood、7.8mL、42mmol)の混合物に、0℃で固体のNaH(鉱物油中60%で分散、1.8g、45mmol)を加える。この反応物を20分間撹拌し、次にクロロピリジンB6b(Aldrich、5.1g、32mmol)を加え、この反応物を一晩撹拌する。反応物を濃縮し、残渣をt−BMEに溶解する。この溶液を10%クエン酸、10%NaHCO
3およびブラインにより洗浄する。有機層をNa
2SO
4で脱水して濃縮し、生成物をCombiflashにより精製する。次に、アリールマロン酸エステル中間体をDCM/TFA(30mL/15mL)(2:1)にとり、この溶液を2時間撹拌する。この溶液を蒸発乾固する。残渣をt−BMEにとり、10%NaHCO
3およびブラインにより洗浄する(2×)。有機層をNa
2SO
4で脱水して蒸発させ、生成物をCombiflashにより精製するとB6cが得られる。
【0071】
工程2:
B6c(4.0g、19mmol)のEtOH(50mL)溶液を含むフラスコを排気し、N
2で再び充填する。Pd/C(10%w/w、400mg)を加え、このフラスコを排気して、H
2ガス(1atm)で再び充填する。反応物を3日間撹拌し、次に、このフラスコを排気して、N
2で再び充填する。この混合物をセライトによりろ過し、次に、ろ液を蒸発乾固する。t−BMEを加え、撹拌しながら、4M HCl/ジオキサン(4M、5mL、20mmol)を加える。EtOH(10mL)を加え、この混合物を音波処理する。この固体をろ過により集めると、B6dが得られる。
【0072】
工程3:
A1b(300mg、2.0mmol)のDCM(10mL)溶液をアミンB6d(500mg、2.3mmol)、次いでDIPEA(1.0mL、5.7mmol)により処理し、この反応物を一晩撹拌する。この反応物をt−BMEおよびEtOAcにより希釈して、10%クエン酸、飽和NaHCO
3、およびブラインにより洗浄する。この混合物をろ過し、次に、ろ液(fitrate)を蒸発乾固する。生成物をCombiflashにより精製すると、B6eが得られる。
【0073】
工程4:
B6e(480mg、1.6mmol)のDMSO(4mL)溶液を、NaOH(5M、1.6mL、8mmol)により処理する。この反応物を2時間撹拌し、次に、水(30mL)により希釈する。4N HClによりこの混合物を酸性にして(pH=2)、得られる懸濁液を30分間撹拌する。この固体をろ過により集め、水により洗浄して乾燥すると、B6fが得られる。
【0074】
工程5:
化合物1143は、例B2における化合物B2cから化合物1122の調製と同様に、化合物B6fおよびB2dから調製する。
【0075】
(例B7)化合物1158の調製
【化25】
工程1:
化合物A1a(5.0g、26mmol)およびB7a(Lancaster、4.3g、33mmol)およびDIPEA(14mL、79mmol)をDMF(100mL)に溶解し、HATU(14g、36mmol)を加える。この反応物を一晩撹拌し、次に、水に注ぎ入れる。得られる沈殿物をろ過により集めると、B7bが得られる。
【0076】
工程2:
化合物B7b(5.2g、17mmol)をMeOH(200mL)に溶解し、フラスコを排気して、N
2で再び充填する。Pd−C(Aldrich、5%w/w、5g、2.3mmol)を加え、このフラスコを排気して、H
2(1atm)で再び充填する。反応物を一晩撹拌し、次に、このフラスコにN
2を通気する。この混合物をセライトパッドによりろ過する。このろ液を蒸発乾固すると、B7cが得られる。
【0077】
工程3:
化合物1158は、例B1からの工程3に従い、化合物1001と同様に、A4aおよびB7cから調製する。
【0078】
(例B8)化合物1098の調製
【化26】
工程1:
THF(300mL)およびHCl(2N、150mL)に溶解したB7a(10g、51mmol、Lancaster)の溶液に、Sn粉末(20g、170mmol)を加える。この反応混合物を50℃まで加熱し、1時間撹拌する。反応をRTまで冷却し、次に、NaOH(10N、20ml)および飽和NaHCO
3(20ml)により希釈する。この混合物をセライトによりろ過し、ろ液をEtOAcにより希釈する。有機層をブラインにより洗浄し、Na
2SO
4で脱水して濃縮するとB8aが得られる。
【0079】
工程2:
化合物A1a(580mg、4.5mmol、Combi Blocks)およびB8a(750mg、4.5mmol)およびDIPEA(1.7ml、9.5mmol)をDMF(30ml)に溶解する。TBTU(1.6g、5.0mmol)を加え、この反応物を一晩撹拌する。次に、得られるB8bの溶液を後の工程に使用する。
【0080】
工程3:
前の工程からのB8bのDMF溶液(0.15M、1.6ml、0.24mmol)を、逐次、化合物B8c(Aldrich、45mg、0.28mmol)、DIPEA(0.075ml、0.43mmol)およびHATU(110mg、0.28mmol)により処理する。この反応物を一晩撹拌してAcOH中で希釈し、この溶液から生成物を分取HPLCにより直接精製すると、化合物1098が得られる。
【0081】
(例B9)化合物1037の調製
【化27】
工程1:
化合物A1a(3.4g、26mmol、Combi Blocks)およびB9a(Aldrich、4.0g、26mmol)およびDIPEA(9.1ml、52mmol)をDMF(60ml)に溶解し、HATU(9.4g、25mmol)を加える。この反応物を一晩撹拌し、次に、EtOAcと飽和NaHCO
3とに分配する。この有機層を水、次にブラインにより洗浄し、MgSO
4で脱水して濃縮する。残渣をCombiflashにより精製すると、B9bが得られる。
【0082】
工程2:
化合物B9b(5.3g、20mmol)およびPd(OH)
2/C(20%w/w、2.1g、4.0mmol)をEtOH(75mL)中に懸濁させる。フラスコを密封して排気し、風船からH
2(1atm)で再び充填する。反応物を一晩撹拌し、次に、このフラスコを排気して、N
2(1atm)で再び充填する。この反応物をセライトによりろ過し、ろ液を濃縮するとB9cが得られる。
【0083】
工程3:
中間体B9c(1.6g、6.9mmol)および臭化シアン(730mg、6.9mmol)を丸底フラスコに秤量する。MeCN(50mL)および水(12mL)を加え、この混合物をRTで一晩撹拌する。この反応物を濃縮した後、飽和NaHCO
3により中和する。この混合物をろ過して、固体を水およびEtOAcにより洗浄する。この固体を高真空下で乾燥すると、B9dが得られる。このろ液を分離し、有機層をブラインにより洗浄し、MgSO
4で脱水し、ろ過して濃縮すると、追加のB9dが得られる。
【0084】
工程4:
化合物1037は、例B8からの工程3に従い、化合物1098と同様に、B9e(J.W.Pharma)およびB9dから調製する。
【0085】
(例B10)化合物B9fの調製
【化28】
工程1:
アミンB10a(Aldrich)(1.5g、9.6mmol)を丸底フラスコ中に秤量し、DCM(25ml)に溶解する。化合物A1b(1.5g、10mmol)、次いでDIPEA(2.5ml、14.4mmol)を加える。反応物をRTで1時間撹拌し、次に、DCMと飽和NaHCO
3とに分配する。有機層を水およびブラインにより洗浄し、MgSO
4で脱水してろ過し、濃縮する。残渣をCombiflashにより精製すると、B10bが得られる。
【0086】
工程2:
化合物B10b(200mg、0.8mmol)およびメチルアミン塩酸塩(76mg、1.1mmol)をマイクロ波用バイアル中で秤量する。DIPEA(0.39mL、2.3mmol)およびMeCN(1.5ml)を加え、マイクロ波照射下、この反応物を10分間120℃に加熱する。この反応混合物を濃縮し、EtOAcと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とに分配する。有機層を水およびブラインにより洗浄し、MgSO
4で脱水してろ過し、濃縮すると、B10cが得られる。
【0087】
工程3:
化合物1121は、例B9の工程2、3および4に従い、化合物B9bからの化合物1037の調製と同様に、化合物B10cから調製する。
【0088】
(例B11)化合物1137の調製
【化29】
工程1:
化合物1137は、例B10の工程1、2および3に従い、化合物B10aからの化合物B9fの調製と同様に、B11a(Oakwood)から調製する。
【0089】
(例A)HCMV AD169 CPEアッセイ
このアッセイフォーマットは、色素還元アッセイを用いる、感染に対して細胞を保護する化合物の能力を決定する、CPE(細胞変性効果)を基本とするアッセイである(Promega製のCellTiter96(登録商標)AQueous、Non−Radioactive Cell Proliferation AssayのMTS)。代謝的に活性な細胞中に見られるデヒドロゲナーゼ酵素により、MTSの水水溶性ホルマザンへの変換が行われる。490nmにおける吸光度によって決定されるホルマザン生成物の量は、培養中の生存細胞数に正比例する。
【0090】
試薬および物質:
【表2】
【0091】
化合物の調製:
化合物のDMSO保存溶液の段階希釈は、列2〜11および14〜23では、DMSOを使用して行う。列1、12、13および24には、DMSOしか存在していない。DMSO段階希釈液4μLを得て、D−MEM 5%FBS培養培地96μLを使用して希釈し、4%DMSO(7×)を得る。
【0092】
CPEアッセイ:
このアッセイを行うために、前日にプレート培養したMRC−5細胞(1ウェルあたり10000個の細胞)を40μL含有するアッセイプレートに、新しく調製したプレート用4%DMSO段階希釈液10μLを加える。希釈したウイルス20μLを列2〜12および14〜24に加え、非感染対照(列1および13)には、最終DMSO濃度0.6%となるよう、D−MEM 5%FBS培地しか添加しない。ウイルス希釈は、3〜4のシグナル対バックグラウンドを得る(一般に、1ウェルあたりウイルス保存液0.1〜1μLの間、またはMOI=0.05である)のに必要なウイルス量に基づく。化合物を含まない感染対照(列12および24)中で100%CPEを得るために、このアッセイプレートを5%CO
2、37℃で9日間、インキュベートする。新たに混合した室温のMTS/PMS(1:20v/v)10μLを加え、このプレートを5%CO
2、37℃で4〜5時間インキュベートする(100%CPE対照において、2.3の飽和信号となるまで)。このプレートをバイオセーフティ用Topsealにより密封し、OD492nmでEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmer)または同等なもので読取りを行う。
【0093】
(例B)HCMV AD169−Bacスルシフェラーゼアッセイ
このアッセイフォーマットは、培養培地に、直接BIGlo基質(以下に示した通り調製)を添加した後の、ルシフェラーゼシグナルの低下を検出することにより、化合物が感染を阻害する能力を決定するルシフェラーゼリポーターに基づくアッセイである。ルシフェリンのモノ酸化は、Mg
2+、ATPおよび分子状酸素の存在下で、ルシフェラーゼによって触媒される。オキシルシフェリンの生成は、適切なプレートリーダーを用いて検出することができる発光反応である。ヒトサイトメガロウイルスAD169−Bacは、Princeton UniversityのDr.Thomas Shenk(参照により本明細書に組み込まれている参考文献Yu et al. 2002 − J.Virol.76(5):2316−2328)から取得し、組換えによって改変し、HCMVゲノム中のUS2−US6位にヒト化ホタルルシフェラーゼ遺伝子(Luc2)を導入する。このウイルスはMRC−5細胞中で広がる。
【0094】
試薬および物質:
【表3】
【0095】
BIGloルシフェラーゼ緩衝液用:
【表4】
【0096】
最終濃度:
トリシン 25mM
EDTA 0.5mM
NaTPP(三リン酸Na) 0.54mM
MgSO4 16.3mM
**ATP 1.2mM
**ベータ−メルカプト 56.8mM
**ルシフェリン 0.05mM
Triton X−100 0.10%
pH 7.8(10N NaOHにより調節)
**pH調節後にのみ添加
−80℃で保管
【0097】
化合物の調製:
化合物のDMSO保存溶液の段階希釈は、列2〜11および14〜23では、DMSOを使用して行う。列1、12、13、および24には、DMSOしか存在していない。DMSO段階希釈液4μLを得て、D−MEM 5%FBS培養培地96μLを使用して希釈し、4%DMSO(7×)を得る。
【0098】
AD169ルシフェラーゼアッセイ:
このアッセイを行うために、前日にプレート培養したMRC−5細胞(1ウェルあたり10000個の細胞)を25μL含有するアッセイプレートに、新しく調製したプレート用4%DMSO段階希釈液7μLを加える。希釈したウイルス17μLを列2〜12および14〜24に加え、非感染対照(列1および13)には、最終DMSO濃度0.6%となるよう、D−MEM 5%FBS培地しか添加しない。ウイルス希釈は、CPEなしで可能な最高のルシフェラーゼシグナルを得る(一般に、1ウェルあたりウイルス保存液0.05〜1μLの間、またはMOI=0.02である)のに必要なウイルス量に基づく。アッセイプレートは5%CO
2、37℃で3日間インキュベートする。室温のBIGlo緩衝液15μLを、やはり室温で15分間インキュベートした室温のアッセイプレートに加える。このプレートをバイオセーフティ用TopSealにより密封し、蛍光シグナルをTopCountプレートリーダー(Perkin Elmer)または同等なもので読み取る。
【0099】
(例C)HCMV AD169 qPCR 96ウェルアッセイ
hCMV量的PCR(qPCR)アッセイは、化合物が、感染後の最初の72時間の間に、hCMVウイルスDNAの複製を直接または間接的に阻害する能力を評価するものである。侵入またはhCMVポリメラーゼのどちらか一方を阻害する化合物は、このアッセイにおいて活性である。化合物は、各96ウェルプレートにつき8種の化合物による9点の用量応答を使用して、96ウェルプレート中のqPCRアッセイで試験する。このアッセイは、Schnepfら(Antiviral Research 81 (2009) 64-67)により記載されている、リアルタイムPCRによるヒトサイトメガロウイルスの抗ウイルス薬の感受性を迅速に決定する方法から改良を加えた。
【0100】
試薬および物質:
【表5】
【0101】
細胞溶解緩衝液用:
【表6】
【0102】
最終濃度:
10mM Tris−HCl pH8.0
50mM KCl
2mM MgCl
2
0.45%Tween20
0.45%Nonidet P40
【0103】
プライマーおよびプローブ:
・qHCMV7=US17フォワードプライマー、5’ GAA GGT GCA GGT GCC CTG 3’(配列番号1)、IDTによる合成
・qHCMV8=US17リバースプライマー、5’GTG TCG ACG AAC GAC GTA CG 3’(配列番号2)、IDTによる合成
・qHCMV9=US17プローブ、ZEN内部クエンチャおよびIowa Black FQクエンチャを含むFAMプローブ、5’−FAM−ACG GTG CTG/ZEN/TAG ACC CGC ATA CAA A−IABkFQ−3’(配列番号3)、IDTによる合成
・RP8LL=ミトコンドリアフォワードプライマー、5’ ACC CAC TCC CTC TTA GCC AAT ATT 3’(配列番号4)、IDTによる合成
・RP9LL=ミトコンドリアリバースプライマー、5’ GTA GGG CTA GGC CCA CCG 3’(配列番号5)、IDTによる合成
・RP11LL=Iowa Black FQクエンチャを含むJOEプローブを含むミトコンドリアプローブ、5’ JOE−CTA GTC TTT GCC GCC TGC GAA GCA−IABkFQ−3’(配列番号6)、IDTによる合成
【0104】
化合物の調製:
化合物のDMSO保存溶液の段階希釈は、列2〜10では、DMSOを使用して行う。列1および11には、DMSOしか存在していない。列12は空のままである。DMEM 5%FBS細胞培養培地を用いて、希釈化合物をさらに希釈する。
【0105】
AD169 qPCRアッセイ:
このアッセイを行うために、前日にプレート培養したMRC−5細胞(1ウェルあたり30000個の細胞)を50μL含有するアッセイプレートプレートに、新しく調製した阻害剤希釈液25μLを加える。9点の用量応答において、列1はモック感染細胞を含有しており、適切なDMSO濃度を有する陰性対照で働き、列2〜10は、化合物希釈液を含有しており、列11は、適切なDMSO濃度を有する感染細胞を含有しており、陽性対照として働く。列12は、qPCR過程における標準曲線用に役立つ。DMEM 5%FBS培地中で希釈したウイルス25μL(MOI=0.05で感染させるため)を列2〜11に加え、非感染対照(列1)には、最終DMSO濃度0.6%となるよう、D−MEM 5%FBS媒体しか加えない。5%CO
2のインキュベーター中、37℃で3日間、プレートをインキュベートする。次に、新たに加えたプロテイナーゼKを含む各ウェルに細胞溶解緩衝液100μLを1:5の比(すなわち、プロテイナーゼK200μL:細胞溶解緩衝液1000μL)で加え、このアッセイプレートを56℃で1時間インキュベートすることにより、全細胞溶解物を得る。プレートを1300rpmで2分間、遠心分離にかけ、qPCRに進む前に、いかなる縮合物も除去する。
細胞溶解物を注意深くピペット操作で上下にして十分に混合し、H
2O中で1:40に希釈し、細胞に添加する溶解緩衝液100μLに対して、1:80の最終希釈液にする。希釈溶解物5μLをqPCR反応に使用する。プロテイナーゼKを不活性化するために、PCR機器中、95℃で5分間のインキュベートが必要である。細胞溶解物を−20℃で保管するか、またはqPCRを直ちに行うために使用することができる。
【0106】
標準曲線の作成:
プライマーqHCMV7およびqHCMV8を使用して、AD169からのUS17遺伝子の81bpフラグメントをPCRによって増幅する。PCR生成物をpCR4 TOPOベクター(Invitrogen)にクローニングし、挿入を内在しているクローンを選択する。ミトコンドリアDNAも加えて、HCMVコピー数を正規化する。加熱不活性化溶解緩衝液中で、細胞溶解物と同じ希釈度(1:80)にして、US17プラスミドおよびミトコンドリアDNAの段階希釈を行う。通常、10E6〜10E2コピー(1ウェルあたり)の範囲の標準曲線が適切である。
【0107】
典型的なqPCR反応は、以下からなる。
希釈済み全細胞溶解物 5μL
TaqMan Universal PCR Master mix 12.5μL
10μMのqHCMV7およびqHCMV8 0.5μL l
10μMのqHCMV9プローブ 0.5μL
10μMのRP8LLおよびRP9ll 0.25μL
10μMのRP11LLプローブ 0.25μL
Roxリファレンス色素 0.5μL
H2O 5.5μL
最終容積25μL
【0108】
qPCRサイクルは、95℃、10分間でのDNAの初期変性およびTaq酵素の活性化、次いで95℃で15秒間および60℃で1分間の45サイクルからなる。60℃での伸張ステップ後に、サイクル毎に蛍光を測定する。反応、データ取得、および解析は、AppliedBiosystems7500リアルタイムPCRシステムまたは他の適切なリアルタイムPCRシステムを使用して実施する。
【0109】
本発明の化合物をすべて、例A、B、およびCにおいて記載されているアッセイの少なくとも1つで試験し、EC
50値は、6μM以下の範囲にあることを示している。代表的なデータを以下に示す。
【表7】
【0110】
化合物の表
以下の表は、本発明の代表的な化合物を列挙している。各化合物の保持時間(t
R)は、例中に記載されている標準的分析用HPLCまたはUPLC条件を使用して測定する。当業者に周知の通り、保持時間の値は、特定の測定状態に影響を受ける。したがって、溶媒、流速、直線グラジエントなどの同一の条件を使用した場合でさえ、保持時間の値は、例えば、異なるHPLCまたはUPLC機器で測定すると変動することがある。同じ機器で測定した場合でさえも、例えば異なる個々のHPLCまたはUPLCカラムを使用して測定した場合、その値は変動することがあり、または同じ機器および同じ個々のカラムで測定した場合でも、その値は、異なる機会に取られた個々の測定間で変動することがある。
表1中の化合物はすべて、上に記載されている例と同様にして合成される。この表中の各化合物に関して、例番号によって、各化合物を調製するための同様の合成経路が特定される。適切な修正を含めた同様の合成経路を使用して、本明細書に記載されている本発明の化合物を調製することができることが、当業者には明白であろう。
【0111】
【表8】
【0112】
本出願において列挙されている特許、特許出願、および出版物をすべて含めた、参照文献の各々は、それらの各々が個々に組み込まれているかのごとく、それらの全体が参照により、本明細書に組み込まれている。さらに、本発明の上記の教示において、当業者は、本発明に対してある種の変更または修正を行うことができること、およびこれらの均等物は、依然として、本出願の添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内にあることが理解されよう。