特許第6372705号(P6372705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6372705-画像形成装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6372705
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20180806BHJP
   G06T 1/20 20060101ALI20180806BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20180806BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   G06T1/20 B
   B41J5/30 Z
   B41J29/38 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-166284(P2015-166284)
(22)【出願日】2015年8月25日
(65)【公開番号】特開2017-46126(P2017-46126A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2017年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】杉原 宏
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−078408(JP,A)
【文献】 特開2010−232801(JP,A)
【文献】 特開2014−059778(JP,A)
【文献】 特開2008−065498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06T 1/20− 1/40
B41J 5/30
B41J29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
専用ハードウェアで実現され、複数の特定機能の画像処理をそれぞれ実行する複数の画像処理部と、
プログラマブル回路と、
前記複数の特定機能のうちのいずれかの特定機能の画像処理を実行可能な回路構成を前記プログラマブル回路に設定する機能設定部と、
前記プログラマブル回路に設定された回路構成で実行可能な特定機能の画像処理を実行可能な前記画像処理部と前記プログラマブル回路とに、それぞれ、前記特定機能の画像処理を割り当てて並列処理を実行させる処理割当部と、
同一種別の複数の画像処理を実行する場合、(a)前記複数の画像処理部のうちの、当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部に、当該複数の画像処理を実行させるか、(b)当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部および前記プログラマブル回路に当該複数の画像処理を実行させるかを決定するジョブ管理部とを備え、
前記複数の画像処理部における各画像処理部の特定機能について処理速度は、当該特定機能の画像処理を実行可能な回路構成を設定された前記プログラマブル回路の処理速度より高く、
前記ジョブ管理部は、(a)当該同一種別の画像処理を実行可能な回路構成が現時点で前記プログラマブル回路に設定されている場合には、前記処理割当部を使用して、当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部および前記プログラマブル回路に、当該複数の画像処理を実行させ、(b)当該同一種別の画像処理を実行可能な回路構成が現時点で前記プログラマブル回路に設定されていない場合には、(b1)当該同一種別の画像処理を実行可能な回路構成を前記プログラマブル回路に設定するための設定所要時間、および(b2)当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部に当該複数の画像処理をシーケンシャルに実行させる場合の予測所要時間と当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部および前記プログラマブル回路に当該複数の画像処理をパラレルに実行させる場合の予測所要時間との差に基づいて、当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部に当該複数の画像処理を実行させるか、当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部および前記プログラマブル回路に当該複数の画像処理を実行させるかを決定すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、当該画像処理部が実行する前記特定機能の画像処理と同一の特定機能の画像処理を実行可能な回路構成が前記プログラマブル回路に設定されていることを検出した場合、前記画像処理の一部を前記プログラマブル回路に実行させ、
前記画像処理部および前記プログラマブル回路は、前記画像処理の並列処理を実行すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記機能設定部は、2つのジョブが特定機能を使用する場合、前記2つのジョブにより使用される前記特定機能の画像処理を実行可能な回路構成を前記プログラマブル回路に設定し、
前記処理割当部は、前記2つのジョブの一方の画像処理を前記画像処理部に割り当て、前記2つのジョブの他方の画像処理を前記プログラマブル回路に割り当てること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記機能設定部は、ユーザーに対応する特定機能の画像処理を実行可能な回路構成を前記プログラマブル回路に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記機能設定部は、前記複数の特定機能の利用履歴に基づいて、利用頻度の最も高い特定機能を特定し、特定した前記特定機能の画像処理を実行可能な回路構成を前記プログラマブル回路に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置には、プリンター機能、スキャン機能、コピー機能などの複数の機能が搭載されている。さらに、コピー機能、プリンタ機能などにおいて、多くの補助機能が存在する。
【0003】
複数の補助機能が存在するが、ユーザーは、特定の補助機能のみを高い頻度で使用するケースが多い。例えば、コピーを実施する場合には、常に集約コピーを使用するユーザーなどが考えられる。しかし、一般的に、複合機は、すべての機能が均等に使用されることを想定しているため、集約コピーのみを高速に処理するようには構成されていない。
【0004】
ある画像処理装置では、小さい回路のハードウェアを補助的なアクセラレターとして使用し、複数の機能を実現している(例えば特許文献1参照)。補助的なアクセラレターは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブルな回路で実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−147335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の画像形成装置では、ユーザーの使用用途に合わせてパフォーマンスを向上させることができない。
【0007】
例えば、コピーの集約機能の処理は複雑であるため、最初のページ(ファーストコピー)が出力されるまでの時間が長くなり、要求される出力速度(1分あたりの印刷枚数)が満たせない可能性がある。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、必要に応じて、特定機能のパフォーマンスを向上させることができる画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、専用ハードウェアで実現され、複数の特定機能の画像処理をそれぞれ実行する複数の画像処理部と、プログラマブル回路と、前記複数の特定機能のうちのいずれかの特定機能の画像処理を実行可能な回路構成を前記プログラマブル回路に設定する機能設定部と、前記プログラマブル回路に設定された回路構成で実行可能な特定機能の画像処理を実行可能な前記画像処理部と前記プログラマブル回路とに、それぞれ、前記特定機能の画像処理を割り当てて並列処理を実行させる処理割当部と、同一種別の複数の画像処理を実行する場合、(a)前記複数の画像処理部のうちの、当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部に、当該複数の画像処理を実行させるか、(b)当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部および前記プログラマブル回路に当該複数の画像処理を実行させるかを決定するジョブ管理部とを備える。前記複数の画像処理部における各画像処理部の特定機能について処理速度は、当該特定機能の画像処理を実行可能な回路構成を設定された前記プログラマブル回路の処理速度より高い。そして、前記ジョブ管理部は、(a)当該同一種別の画像処理を実行可能な回路構成が現時点で前記プログラマブル回路に設定されている場合には、前記処理割当部を使用して、当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部および前記プログラマブル回路に、当該複数の画像処理を実行させ、(b)当該同一種別の画像処理を実行可能な回路構成が現時点で前記プログラマブル回路に設定されていない場合には、(b1)当該同一種別の画像処理を実行可能な回路構成を前記プログラマブル回路に設定するための設定所要時間、および(b2)当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部に当該複数の画像処理をシーケンシャルに実行させる場合の予測所要時間と当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部および前記プログラマブル回路に当該複数の画像処理をパラレルに実行させる場合の予測所要時間との差に基づいて、当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部に当該複数の画像処理を実行させるか、当該同一種別の画像処理を実行可能な画像処理部および前記プログラマブル回路に当該複数の画像処理を実行させるかを決定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置において、必要に応じて、特定機能のパフォーマンスを向上させることができる。
【0011】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1におけるコントローラー11の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1に示す画像形成装置は、出力すべき画像に対して画像処理を実行し、画像処理後の画像を出力する、複合機などの装置である。図1に示す画像形成装置は、複数の画像処理部1−1〜1−n、プログラマブル回路2、コントローラー11、記憶装置12、操作パネル13、インターフェイス14、印刷装置15、および画像読取装置16を備える。
【0015】
複数の画像処理部1−1〜1−nは、複数の特定機能の画像処理をそれぞれ実行する。例えば、プリンター機能の場合、色変換、スクリーン処理などの画像処理が実行される。例えば、スキャン機能の場合、解像度変換、画像フォーマット変換などの画像処理が実行される。また、補助機能として、画像の拡大・縮小、2in1などの集約画像の作成などが適宜実行される。
【0016】
ここでは、各画像処理部1−i(i=1,・・・,n)は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用ハードウェアにより実現されており、通常、特定機能についてのその画像処理部1−iの処理速度は、その特定機能の画像処理を実行可能な回路構成を設定されたプログラマブル回路2の処理速度より高い。
【0017】
プログラマブル回路2は、回路構成情報を含む機能設定データ31を受け付け、受け付けた機能設定データ31により指定された回路構成を実現し、その回路構成で動作する。プログラマブル回路2は、例えばFPGAである。
【0018】
コントローラー11は、画像処理部1−1〜1−n、プログラマブル回路2、記憶装置12、操作パネル13、インターフェイス14、印刷装置15、画像読取装置16などの内部装置を制御し、それらの内部装置を使用してジョブを実行する。
【0019】
コントローラー11は、コンピューターを内蔵しており、プログラムを実行し、ジョブ管理部21、機能設定部22、処理割当部23などの各種処理部として機能する。
【0020】
ジョブ管理部21は、ジョブ要求を受け付け、ジョブ要求により指定されたジョブを順番に実行する。
【0021】
機能設定部22は、上述の複数の特定機能(つまり、画像処理部1−1〜1−nで画像処理を実行可能な複数の特定機能)のうちのいずれかの特定機能の画像処理を実行可能な回路構成をプログラマブル回路2に設定する。
【0022】
処理割当部23は、プログラマブル回路2に設定された回路構成で実行可能な特定機能の画像処理を実行可能な画像処理部1−iとプログラマブル回路2とに、それぞれ、その特定機能の画像処理を割り当てて並列処理を実行させる。
【0023】
記憶装置12は、フラッシュメモリー、ハードディスクドライブなどといった不揮発性の記憶装置であって、プログラマブル回路2に設定すべき所定の回路構成(つまり、特定機能を実現する回路構成)を示す機能設定データ31を記憶している。
【0024】
操作パネル13は、ユーザーに対して操作画面などを表示する液晶ディスプレイなどの表示装置、およびユーザー操作を検出するタッチパネルなどの入力装置を備える。
【0025】
インターフェイス14は、ネットワークインターフェイス、周辺機器インターフェイスなどの通信装置であって、ジョブ要求を受信したり、センドジョブの画像データ送信を行ったりする。
【0026】
印刷装置15は、画像処理部1−1〜1−nおよびプログラマブル回路2による画像処理後の画像を印刷する。
【0027】
画像読取装置16は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、読み取った原稿画像の画像データを生成する。
【0028】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0029】
図2は、図1におけるコントローラー11の動作を説明するフローチャートである。
【0030】
コントローラー11のジョブ管理部21は、インターフェイス14を使用して外部の端末装置からプリントジョブなどのジョブ要求を受信したり、操作パネル13に対するユーザー操作によるコピージョブなどのジョブ要求を受け付けたりする。
【0031】
ジョブ管理部21は、受け付けたジョブ要求により指定されたジョブをキューイングし、ジョブを順番に実行していく。その際、ジョブ管理部21は、複数のジョブが並行に実行可能な場合には、それらのジョブを並行に実行する。また、1または複数のジョブにおいて実行すべき複数の画像処理が並行に実行可能な場合には、ジョブ管理部21は、画像処理部1−iとプログラマブル回路2とにそれらの画像処理を並行に実行させる。その際、ジョブ管理部21は、処理割当部23を使用して、画像処理部1−iとプログラマブル回路2とに、それぞれ、その特定機能の画像処理を割り当てる。
【0032】
同一種別の複数の画像処理(複数のジョブ内の複数の画像処理または1つのジョブ内の複数の画像処理)を並行に実行する場合、ジョブ管理部21は、その種別の画像処理を実行可能な画像処理部1−iにその複数の画像処理を実行させるか、画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2にその複数の画像処理を実行させるかを決定する。
【0033】
具体的には、ジョブ管理部21は、その種別の画像処理を実行可能な回路構成が現時点でプログラマブル回路2に設定されている場合には、処理割当部23を使用して、画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2に、その複数の画像処理を実行させる。
【0034】
一方、その種別の画像処理を実行可能な回路構成が現時点でプログラマブル回路2に設定されていない場合には、ジョブ管理部21は、その種別の画像処理を実行可能な回路構成をプログラマブル回路2に設定するための設定所要時間(つまり、プログラマブル回路2の回路構成変更の所要時間)、および画像処理部1−iにその複数の画像処理を実行させる場合の予測所要時間(シーケンシャル所要時間)と画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2にその複数の画像処理を実行させる場合の予測所要時間(パラレル所要時間)との差に基づいて、その種別の画像処理を実行可能な画像処理部1−iにその複数の画像処理を実行させるか、画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2にその複数の画像処理を実行させるかを決定する。例えば、設定所要時間とパラレル所要時間との和がシーケンシャル所要時間より短ければ、ジョブ管理部21は、画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2にその複数の画像処理を実行させると決定する。
【0035】
なお、シーケンシャル所要時間およびパラレル所要時間は、処理速度とデータサイズから計算するようにしてもよいし、予め実験などにより求めておいてもよいし、前回の処理時の所要時間から求めてもよい。
【0036】
例えば、複数のプリントジョブがキューイングされている場合、必要に応じて、画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2で複数のプリントジョブのための画像処理が(例えばジョブ単位で)並列に実行される。また、1つのプリントジョブにおいて複数ページの印刷が指示されている場合、必要に応じて、画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2で複数ページのための画像処理が(例えばページ単位で)並列に実行される。
【0037】
そして、ジョブ管理部21は、上述のように、別の特定機能の画像処理のためにプログラマブル回路2に設定されている回路構成の変更が必要になった場合、機能設定部22に、プログラマブル回路2への回路構成の設定を実行させる。
【0038】
機能設定部22は、このようにして特定機能のための回路構成の設定要求を受け付けると(ステップS1)、指定された特定機能の機能設定データ31をプログラマブル回路2へ転送し(ステップS2)、プログラマブル回路2に対してコマンドを発行して、プログラマブル回路2の回路構成を、機能設定データ31に基づく回路構成(つまり、その特定機能に必要な回路構成)に変更させる(ステップS3)。その際、プログラマブル回路2は、コマンドを受け付けると、自律的に自己の回路構成を変更し、回路構成の変更が完了すると、プログラマブル回路2はリセットされ、リセット解除後、プログラマブル回路2は、変更後の回路構成での動作を開始する。
【0039】
そして、プログラマブル回路2の変更が完了すると、ジョブ管理部21は、画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2を使用した並列画像処理を開始する(ステップS4)。
【0040】
以上のように、上記実施の形態によれば、複数の画像処理部1−1〜1−nは、複数の特定機能の画像処理をそれぞれ実行する。機能設定部22は、その複数の特定機能のうちのいずれかの特定機能の画像処理を実行可能な回路構成をプログラマブル回路2に設定する。処理割当部23は、プログラマブル回路2に設定された回路構成で実行可能な特定機能の画像処理を実行可能な画像処理部1−iとプログラマブル回路2とに、それぞれ、その特定機能の画像処理を割り当てて並列処理を実行させる。
【0041】
これにより、必要に応じて、画像形成装置の特定機能のパフォーマンスを向上させることができる。
【0042】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0043】
例えば、上記実施の形態において、機能設定部22は、ジョブ管理部21により受け付けられた2つのジョブが同一の特定機能を使用する場合、その2つのジョブにより使用される特定機能の画像処理を実行可能な回路構成をプログラマブル回路2に設定し、処理割当部23は、その2つのジョブの一方の画像処理を画像処理部1−iに割り当て、その2つのジョブの他方の画像処理をプログラマブル回路2に割り当てるようにしてもよい。例えば、互いに異なる種別であるコピージョブとセンドジョブ(画像データ送信のジョブ)とが並行して実行される場合、プログラマブル回路2および画像処理部1−iの一方に、コピージョブの画像処理が割り当てられ、他方に、センドジョブの画像処理が割り当てられる。また、例えば、インターフェイス14が接続するネットワークを介して接続される、2人のユーザーの2つの端末装置から、上述の画像形成装置に内蔵されている図示せぬ文書ボックス内の文書画像データの閲覧要求が受信された場合、プログラマブル回路2および画像処理部1−iの一方に、一方のユーザーの閲覧のための画像処理(画像の拡大/縮小、フォーマット変換など)が割り当てられ、他方に、他方のユーザーの閲覧のための画像処理が割り当てられる。
【0044】
また、上記実施の形態において、機能設定部22は、ユーザーに対応する特定機能の画像処理を実行可能な回路構成をプログラマブル回路2に設定するようにしてもよい。その場合、例えば、ユーザーにより指定された特定機能を示す設定データを記憶装置12に格納しておき、機能設定部22は、その設定データを参照して、ログインユーザーに対応する特定機能を特定し、特定した特定機能のための回路構成をプログラマブル回路2に設定する。
【0045】
また、その場合、ユーザーログイン時に上述のようにしてログインユーザーに対応する特定機能をプログラマブル回路2に設定し、その後、実行すべきジョブの数(つまり、キューイングされているジョブの数)などに応じて、上述のようにして、別の特定機能をプログラマブル回路2に設定するようにしてもよい。あるいは、その場合、ユーザーログイン時に上述のようにしてログインユーザーに対応する特定機能のための回路構成をプログラマブル回路2に設定し、その後、そのユーザーがログアウトするまで、プログラマブル回路2に設定されている回路構成の変更を禁止するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施の形態において、機能設定部22は、複数の特定機能(コピー機能、プリンター機能、スキャン機能など)の利用履歴を記憶装置12に記録し、その利用履歴に基づいて、利用頻度の最も高い特定機能を特定し、特定した特定機能の画像処理を実行可能な回路構成をプログラマブル回路2に設定するようにしてもよい。その場合、ユーザーごとに利用履歴を記憶装置12に記録し、ユーザーログイン時にそのユーザーの利用履歴に基づいてそのユーザーの利用頻度の最も高い特定機能を特定し、特定した特定機能のための回路構成をプログラマブル回路2に設定するようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施の形態において、プログラマブル回路2に設定されている回路構成は、上述のようにコントローラー11によって自動的に変更される他、ユーザーが特定機能変更指示のユーザー操作を行った際に、コントローラー11が、そのユーザーにより指定された特定機能のための回路構成に、プログラマブル回路2に設定されている回路構成を変更するようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施の形態において、プログラマブル回路2は、現在設定されている回路構成(つまり特定機能)を示す状態情報を、外部(画像処理部1−i)から読み取り可能なレジスターなどに記憶し、画像処理部1−i(i=1,・・・,n)は、当該画像処理部1−iが実行する特定機能の画像処理と同一の特定機能の画像処理のための回路構成がプログラマブル回路2に設定されていることを、上述の状態情報に基づいて検出した場合、その画像処理の一部をプログラマブル回路2に実行させ、画像処理部1−iおよびプログラマブル回路2は、その画像処理の並列処理を実行するようにしてもよい。つまり、この場合、各画像処理部1−iが、処理割当部23を内蔵していることになる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えば、複合機などの画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1−1〜1−n 画像処理部
2 プログラマブル回路
22 機能設定部
23 処理割当部
図1
図2