(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した高発熱性電子部品は、空調システムの室外機等に設けられる場合がある。そのため、伝熱材製ブロックが冷媒配管内を流れる冷媒によって冷却されたときに、外気中の水分によって伝熱材製ブロックの表面に結露が生じ易い。
そのため、特許文献1に記載の伝熱材製ブロックでは、結露した水(以下、これを結露水と適宜称する)が、その自重により伝熱材製ブロックの表面を伝って高発熱性電子部品のリード部に至る可能性が有る。高発熱性電子部品のリード部に結露水が付着した場合、伝熱材製ブロックとリード部とが短絡してしまう可能性が有る。さらに、伝熱材製ブロックが接地されている場合には、伝熱材製ブロックとリード部とが電気的に接続されることでリード部が地絡してしまう可能性もある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、伝熱材製ブロックに結露が生じた場合であっても、結露水が高発熱性電子部品のリード部に付着することを抑制できる基板アッセンブリー、空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
この発明の第一態様によれば、基板アッセンブリーは、基板本体と、前記基板本体に実装された発熱性電子部品と、前記発熱性電子部品に接触するよう設けられた伝熱材製ブロックと、前記伝熱材製ブロックに対して熱伝達可能に設けられ、内部に冷媒が流れる冷媒配管と、を備え、前記伝熱材製ブロックは、
前記基板本体に沿って連続する棒状に形成され、前記発熱性電子部品に接触する
面のうち、前記棒状の長手方向と交差する方向の端部に配置されて、前記発熱性電子部品との間に
前記伝熱材製ブロックの長手方向に連続する溝を形成する段部を備える。
【0008】
このように構成することで、冷媒配管を流れる冷媒によって伝熱材製ブロックを介して、冷媒と発熱性電子部品とが熱交換されて、発熱性電子部品の温度上昇が抑制される。さらに、冷媒配管を流れる冷媒によって伝熱材製ブロックが冷却されたときに伝熱材製ブロックの表面に結露が生じる場合がある。しかし、発生した結露水は、伝熱材製ブロックにおいて発熱性電子部品に接触する部位に形成された段部と、発熱性電子部品との間に形成された溝に流れ込む。これにより、結露水が発熱性電子部品のリード部側に流れるのを抑え、発熱性電子部品のリード部に付着することを抑制できる。
【0009】
さらに、溝に流れ込んだ結露水は、溝の内部で発熱性電子部品から離間する側に導かれるので、発熱性電子部品のリード部に、より一層付着し難くなる。
【0010】
この発明の第
二態様によれば、空気調和システムは、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機を駆動する第一態様に係る基板アッセンブリーと、前記冷媒と外気との間で熱交換させる室外熱交換器と、を有する室外機と、前記冷媒と室内空気との間で熱交換させる室内熱交換器を有する室内機と、を備える。
このように構成することで、基板アッセンブリーにおいて、冷媒配管を流れる冷媒によって冷却された伝熱材製ブロックの表面に生じた結露水は、その自重等によってリード部に向かって移動した場合に、伝熱材製ブロックに形成された段部と発熱性電子部品との間に形成された溝に流れ込む。そのため、結露水が発熱性電子部品のリード部に付着することを抑制できる。したがって、発熱性電子部品において絶縁破壊が生じることを抑え、空気調和システムの信頼性を高めることができる。
【0011】
この発明の第
三態様によれば、第
二態様に係る空気調和システムの前記基板本体における、前記発熱性電子部品
を実装する前記基板本体の実装面
は、鉛直方向に延びるように形成され、前記伝熱材製ブロック
は、
前記実装面と対向して前記発熱性電子部品に接触する面を備え、前記伝熱材製ブロックの表面に生じた結露水が前記溝の内部で前記発熱性電子部品から離間した側に導かれるように
、前記実装面と対向して前記発熱性電子部品に接触する面が、前記
実装面に対して傾斜して設けられていてもよい。
このように、鉛直方向に延びる基板本体の実装面に対し、伝熱材製ブロックを傾斜して設けることで、伝熱材製ブロックの表面に生じた結露水を、溝の内部で発熱性電子部品から離間した側に導くことができる。これにより、結露水が発熱性電子部品のリード部に付着することを抑制できる。
【0012】
この発明の第
四態様によれば、第
二態様に係る空気調和システムにおいて、
前記発熱性電子部品を実装する前記基板本体の実装面は、上下方向に延びるように形成され、前記伝熱材製ブロックは、前記実装面と対向して前記発熱性電子部品に接触する面を備え、前記基板アッセンブリーは、前記伝熱材製ブロックの表面に生じた結露水が、前記溝の内部で前記発熱性電子部品から離間した側に導かれるように
、前記実装面と対向して前記発熱性電子部品に接触する面が、鉛直方向に対して傾斜して設けられていてもよい。
このように基板アッセンブリーを構成する基板本体と伝熱材製ブロックとを、鉛直方向に対して傾斜させることで、伝熱材製ブロックの表面に生じた結露水を、溝の内部で発熱性電子部品のリード部から離間した側に導くことができる。
【0013】
この発明の第
五態様によれば、第
三又は第
四態
様に係る空気調和システムにおいて、前記伝熱材製ブロック
の長手方向は、
上下方向
とされ、且つ、
前記実装面と対向して前記発熱性電子部品に接触する面が、下方から上方に向かって前記
実装面から漸次離間するよう傾斜して設けられていてもよい。
このように伝熱材製ブロックが、鉛直方向に延びるように設けられる場合、伝熱材製ブロックを、下方から上方に向かって
実装面から漸次離間するよう傾斜して設けることで、伝熱材製ブロックの表面に生じた結露水を、溝の内部において発熱性電子部
品から離間した側に導くことができる。
【0014】
この発明の第
六態様によれば、第
三又は第
四態
様に係る空気調和システムにおいて、前記伝熱材製ブロック
の長手方向は、
前記鉛直方向と交差する方向であるとともに、水平方向に対して傾斜する方向
とされ、且つ、
前記実装面と対向して前記発熱性電子部品に接触する面が、下方から上方に向かって前記
実装面から漸次離間するよう傾斜して設けられていてもよい。
このように、伝熱材製ブロックが、水平方向に対して傾斜するように延びて設けられる場合、伝熱材製ブロックを、下方から上方に向かって基板本体側から漸次離間するよう傾斜して設けることで、伝熱材製ブロックの表面に生じた結露水を、溝の内部において発熱性電子部
品から離間した側に導くことができる。
【発明の効果】
【0015】
上記基板アッセンブリー、空気調和システムによれば、伝熱材製ブロックに結露が生じた場合であっても、結露水が発熱性電子部品のリード部に付着することを抑えることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明の実施形態における基板アッセンブリー、空気調和システムを図面に基づき説明する。
(第一実施形態)
図1は、この発明の実施形態における空気調和システムの全体構成を示す模式図である。
図2は、上記空気調和システムのコントローラーを示す正面図である。
図3は、
図2のX−X矢視断面図である。
図4は、
図2の側面図である。
図1に示すように、この第一実施形態の空気調和システム1は、室外機10と、室内機20と、を備えている。
【0018】
室内機20は、室内ファン21と、室内熱交換器22と、を備えている。
室内ファン21は、室内熱交換器22に室内空気を送り込む。
室内熱交換器22は、冷媒と室内ファン21によって送り込まれる室内空気とを熱交換させる。
【0019】
室外機10は、圧縮機11と、四方切換弁12と、室外ファン13と、室外熱交換器14と、電子膨張弁15と、アキュームレータ16と、コントローラー30と、を備えている。
圧縮機11は、圧縮機モータ(図示無し)によって駆動され、冷媒を圧縮して昇圧させる。
四方切換弁12は、空気調和システム1の冷凍サイクル3において冷媒の流れる方向を切換え可能に形成されている。
室外熱交換器14は、冷媒と室外ファン13によって送り込まれる外気とを熱交換させる。
電子膨張弁15は、冷媒を断熱膨張させる。
【0020】
さらに、室外機10を構成する圧縮機11、四方切換弁12、室外熱交換器14、電子膨張弁15及びアキュームレータ16と、室内機20を構成する室内熱交換器22とは、冷媒配管2によって接続されている。これによって、空気調和システム1には、閉サイクルの冷凍サイクル3が構成されている。
【0021】
コントローラー30は、リモートコントローラー等の操作手段(図示無し)からの運転指令に基づいて空気調和システム1の運転を制御する。このコントローラー30は、圧縮機11を駆動する圧縮機モーター(図示無し)の回転数を制御するインバータ回路を備えている。また、コントローラー30は、運転モードに応じた四方切換弁12の切り換え制御、室外ファン13及び室内ファン21の回転数制御、電子膨張弁15の開度制御等を行う。
【0022】
上記コントローラー30は、室外機10の筐体18内に収容されている。この筐体18の内部空間は、仕切板18pによって、熱交換器室18hと、機械室18mとに区画されている。コントローラー30は、圧縮機11、四方切換弁12、電子膨張弁15、アキュームレータ16等とともに、機械室18m内に設置されている。室外ファン13及び室外熱交換器14は、熱交換器室18hに設置されている。
【0023】
図2から
図4に示すように、コントローラー30は、コントローラー本体31と、基板アッセンブリーAと、を備えている。
コントローラー本体31は、
図1に示した室外機10の筐体18や仕切板18pに、ブラケット(図示無し)等を介して固定されている。
【0024】
基板アッセンブリーAは、基板本体32と、電子部品33と、冷却ブロック(伝熱材製ブロック)40と、を備えている。
図4に示すように、基板本体32は、板状で、コントローラー本体31に支持具35A,35Bを介して固定されている。この実施形態では、基板本体32は、水平面に対して起立し、鉛直面内に位置するよう設けられ、鉛直方向に延びる基板面(実装面)32fを有している。
基板本体32上には、コントローラー30として所定の機能を発揮するためのインバータ回路や各種制御回路を構成する複数の電子部品33が実装されている。
【0025】
これら複数の電子部品33には、インバータ回路を構成するアクティブコンバータ、ダイオードモジュール、パワートランジスタ等の、作動時に発熱する発熱性電子部品33Hが含まれている。この実施形態において、発熱性電子部品33Hとしては、DIP(Dual Inline Package)タイプの発熱性電子部品36と、SIP(Single Inline Package)タイプの発熱性電子部品37と、が含まれている。
【0026】
図3に示すように、DIPタイプの発熱性電子部品36は、扁平直方体状のパッケージ本体36Aと、パッケージ本体36Aの両側面から延出して基板本体32側に延びる複数のリード部36Bと、を有している。このDIPタイプの発熱性電子部品36は、パッケージ本体36Aの主面36fが基板本体32の基板面32fに沿って略平行に実装されている。
【0027】
SIPタイプの発熱性電子部品37は、扁平直方体状のパッケージ本体37Aと、パッケージ本体37Aの一側面から一列に延びる複数のリード部37Bを有している。このSIPタイプの発熱性電子部品37は、パッケージ本体37Aの主面37fが基板本体32の基板面32fに略直交するよう実装されている。
【0028】
冷却ブロック40は、例えばアルミニウム合金等からなり、基板本体32の基板面32fに沿って上下方向に連続した棒状ブロック体から形成されている。
冷却ブロック40は、基板本体32の基板面32fに沿って配置される第一面41と、基板面32fに交差する方向に配置される第二面42と、第一面41と第二面42とを結ぶ傾斜面43と、を備え、冷却ブロック40が連続する方向に直交する断面形状が略直角三角形状をなしている。
冷却ブロック40は、スペーサー(図示無し)等を介して、基板本体32の基板面32fとの間に間隔をあけた状態で、ネジ(図示無し)等によって基板面32fに固定されている。
【0029】
冷却ブロック40の第一面41には、基板面32fに実装された、DIPタイプの発熱性電子部品36のパッケージ本体36Aの主面36fが接触している。また、冷却ブロック40の第二面42には、基板面32fに実装された、SIPタイプの発熱性電子部品37のパッケージ本体37Aの主面37fが接触している。
【0030】
冷却ブロック40の傾斜面43には、冷却ブロック40が連続する上下方向に延びる凹溝45が形成されている。この凹溝45には、冷媒配管2の一部が嵌合される。この実施形態では、例えば、
図1に示すように、電子膨張弁15と、室内機20の室内熱交換器22との間において、冷媒配管2がコントローラー30の冷却ブロック40の凹溝45に嵌合されて冷媒配管2と冷却ブロック40との間で熱伝達が可能に設けられている。
【0031】
図3に示すように、冷却ブロック40の傾斜面43には、凹溝45に嵌合された冷媒配管2を傾斜面43との間に挟み込んで支持する支持部材46が設けられている。この支持部材46は、冷却ブロック40が連続する方向に一定長さを有するものであってもよいし、冷却ブロック40が連続する方向に間隔を空けて少なくとも二箇所以上に分割配置されていてもよい。
【0032】
冷却ブロック40の凹溝45に嵌合された冷媒配管2には、冷房時に電子膨張弁15で絞られた低圧の気液二相冷媒が流れて冷却ブロック40を冷却する。また、冷媒配管2には、暖房時に室内熱交換器22で凝縮液化された高圧液冷媒が流れて冷却ブロック40を冷却する。このようにして、冷媒配管2を流れる冷媒によって冷却ブロック40を冷却することで、基板本体32上に実装されて冷却ブロック40に接触配置されている複数の発熱性電子部品36,37が冷却される。
【0033】
上記冷却ブロック40には、発熱性電子部品36に接触する第一面41において、第二面42に近い側の端部(部位)に、発熱性電子部品36のパッケージ本体36Aの端部36pよりも内側に窪んだ段部47Aが形成されている。さらに、冷却ブロック40には、第一面41において、傾斜面43に近い側の端部に、発熱性電子部品36のパッケージ本体36Aの端部36qよりも内側に窪んだ段部47Bが形成されている。これら段部47A,47Bと、パッケージ本体36Aの主面36fと、により、冷却ブロック40の長手方向に連続する溝50A,50Bがそれぞれ形成されている。
【0034】
冷却ブロック40には、発熱性電子部品37に接触する第二面42において、第一面41に近い側の端部(部位)に、発熱性電子部品37のパッケージ本体37Aの端部37pよりも内側に窪んだ段部48Aが形成されている。この段部48Aと、パッケージ本体37Aの主面37fとにより、冷却ブロック40の長手方向に連続する溝50Cが形成されている。この実施形態における溝50A,50B,50Cの一例では、何れの溝も角溝状に形成されている。さらに、これら溝50Aの深さ方向と溝50Bの深さ方向とは、互いに逆向きとされ、更に、溝50Aの深さ方向と溝50Cの深さ方向とは、互いに垂直な方向となるように形成されている。
【0035】
図4に示すように、冷却ブロック40は、下方から上方に向かって基板本体32側から漸次離間するよう傾斜して設けられている。言い換えると、冷却ブロック40は、基板本体32の基板面32fに対し、上端部40tが下端部40bよりも側方に離間するように傾斜している。
例えば、冷却ブロック40が冷媒配管2を流れる冷媒によって冷却されることで冷却ブロック40の表面に結露が生じる場合、この結露水は、リード部36B,37B側に向かって移動すると、溝50A,50B,50Cに入り込む。この際、冷却ブロック40が傾斜しているため、溝50A,50B,50Cに入り込んだ結露水は、溝50A,50B,50Cにおいて発熱性電子部品36,37のパッケージ本体36A,37Aから離間した側を流れることとなる。
【0036】
したがって、上述した実施形態の基板アッセンブリーA、空気調和システム1によれば、冷媒配管2を流れる冷媒によって冷却ブロック40が冷却されたときに冷却ブロック40の表面に生じた結露水は、冷却ブロック40に形成された段部47A,47B、48Aと、発熱性電子部品33Hとの間に形成された溝50A,50B,50Cに流れ込む。これにより、発熱性電子部品33Hのリード部36B,37Bに付着することを抑制できる。
【0037】
また、冷却ブロック40が、上下方向に連続して延び、水平面に対して起立した基板本体32に対し、下方から上方に向かって基板本体32側から漸次離間するよう傾斜して設けることで、冷却ブロック40の表面に生じた結露水を、溝50A,50B,50Cの内部で発熱性電子部品33Hのリード部36B,37Bから離間した側に導くことができる。したがって、発熱性電子部品33Hのリード部36B,37Bに結露水が一層付着し難くなる。
【0038】
このように、基板アッセンブリーA、空気調和システム1によれば、発熱性電子部品33Hにおけるリード部36A,36Bと冷却ブロック40との間の絶縁破壊が生じることを抑制し、空気調和システム1の信頼性を高めることができる。
【0039】
(第一実施形態の変形例)
上記実施形態において、冷却ブロック40を、基板本体32に対して傾斜して設けるようにしたが、これに限るものではない。
図5は、上記第一実施形態における基板アッセンブリーの変形例の構成を示す断面図である。
例えば、
図5に示すように、基板アッセンブリーAを構成する基板本体32と冷却ブロック40とを、冷却ブロック40の表面に生じた結露水が溝50A,50B,50Cの内部で発熱性電子部品33Hのリード部36B,37Bから離間した側に導かれるよう、鉛直面(鉛直方向)Vに対して傾斜して設けてもよい。
【0040】
このように、基板アッセンブリーAを構成する基板本体32と冷却ブロック40とを、鉛直面Vに対して傾斜して設けることでも、冷却ブロック40の表面に生じた結露水を、溝50A,50B,50Cの内部で発熱性電子部品33Hのリード部36B,37Bから離間した側に導くことができる。
これにより、冷却ブロック40に結露が生じた場合であっても、結露水が発熱性電子部品33Hのリード部36B,37Bに付着することを抑えることが可能となる。
【0041】
さらには、上記したような基板アッセンブリーAを、コントローラー30の筐体(図示無し)内に収容し、筐体ごと傾斜させて冷却ブロック40を傾斜させるようにしてもよい。
【0042】
(第二実施形態)
次に、この発明の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態は、第一実施形態と冷却ブロック40の設置の向きが異なるだけであるので、
図1を援用して、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
【0043】
図6は、第二実施形態における空気調和システムのコントローラーの構成を示す正面図である。
図7は、
図6のY−Y矢視断面図である。
図6に示すように、この実施形態における空気調和システム1のコントローラー30、基板アッセンブリーAにおいては、正面から見て、冷却ブロック(伝熱材製ブロック)40Bが、水平方向に対して傾斜する方向に連続して延びている。
また、
図7に示すように、基板本体32と、冷却ブロック40Bとを備える基板アッセンブリーAは、下方から上方に向かって基板本体32側
に位置する鉛直面Vから漸次離間するよう傾斜して設けられている。なお、
図7中、符号「V」は、
図5と同様の鉛直面である。
【0044】
このように、冷却ブロック40Bが、水平方向に対して傾斜する方向に連続して延びるように設けられる場合においても、冷却ブロック40Bを、下方から上方に向かって基板本体32側から漸次離間するよう傾斜して設けることで、冷却ブロック40Bの表面に生じた結露水を、溝50A,50B,50Cの内部で発熱性電子部品33Hのリード部36B,37Bから離間した側に導くことができる。そして、これら溝50A,50B,50Cに流れ込んだ結露水は、それぞれ水平方向に対して傾斜する冷却ブロック40Bに沿って、斜め下方に流れていく。
【0045】
これにより、結露水が発熱性電子部品33Hのリード部36B,37Bに付着することを抑制できる。したがって、発熱性電子部品33Hにおける絶縁破壊が生じることを抑え、空気調和システム1の信頼性を高めることができる。
【0046】
なお、上記第二実施形態において、基板本体32と、冷却ブロック40Bとを傾斜して設けるようにしたが、基板本体32に対し、冷却ブロック40Bのみを傾斜させることも可能である。
【0047】
(その他の変形例)
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、冷却ブロック40の第一面41と第二面42とに沿うよう、発熱性電子部品36,37が設けられているが、第一面41及び第二面42の何れか一方にのみ発熱性電子部品が接触する構成としてもよい。
【0048】
さらに、冷却ブロック40の傾斜面43に対して他の発熱性電子部品が接触するようにしても良い。
また、上述した各実施形態においては、冷却ブロック40に対して発熱性電子部品36,37が直接的に接触する場合について説明した。しかし、冷却ブロック40と発熱性電子部品36,37との間に、サーマルグリス等の熱抵抗を低減可能な材料からなる層を形成するようにしても良い。
【0049】
さらに、冷却ブロック40の断面形状は三角形に限られない。冷却ブロック40、40Bの断面形状は、適宜変更することが可能である。例えば、冷却ブロック40の断面形状は、四角形であっても良い。
【0050】
また、上述した各実施形態においては、基板アッセンブリーAが、室外機10のコントローラー30に設けられる場合について説明した。しかし、基板アッセンブリーAは、発熱性電子部品を備えるものであれば、室外機10や、室外機10のコントローラー30に設けられるものに限られない。
【0051】
さらに、上述した各実施形態においては、溝50A,50B,50Cの形状が角溝状である場合について説明した。しかし、溝50A,50B,50Cの形状は角溝状に限られず、例えば、U字溝状等、様々な溝形状とすることができる。
また、冷媒配管2と冷却ブロック40とを別体とし、冷媒配管2を冷却ブロック40の凹溝45に対して嵌合する場合を例示した。しかし、この構成に限られず、例えば、熱交換を行う部位において冷媒配管2と冷却ブロック40とを一体に成形するようにしても良い。