特許第6372788号(P6372788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6372788撮像装置、撮像システム、撮像方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6372788
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像システム、撮像方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20180806BHJP
   G03B 17/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   H04N5/232 030
   G03B17/00 K
   G03B17/00 Q
   H04N5/232 411
   H04N5/232 450
【請求項の数】16
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-171369(P2014-171369)
(22)【出願日】2014年8月26日
(65)【公開番号】特開2016-46756(P2016-46756A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】木曽 俊也
【審査官】 佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−184522(JP,A)
【文献】 特開2001−109037(JP,A)
【文献】 特開2012−182526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な撮像手段を備えた撮像装置であって、
当該撮像装置と他の撮像装置とを通信接続する通信手段と、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する撮影タイミング発生手段と、
前記撮影タイミング発生手段が撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を前記通信手段から他の撮像装置に送信することにより、当該撮像装置のインターバル撮影と他の撮像装置のインターバル撮影とを一致させたインターバル撮影を制御する同時制御手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔を計測する時間計測手段と、
前記時間計測手段に比べて計測可能な時間単位の精度が低く、かつ電力消費も低い内蔵時計を有する時計回路部と、
前記インターバル撮影において、少なくとも前記時間計測手段の計測動作を行うための回路及び前記通信手段の通信動作を行うための回路を含む所定回路への電源供給をオフし、かつ、前記時計回路部への電源供給をオンした状態である第1の省電力モードに切り替える切り替え手段と、を備え、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔よりも所定時間短い待機時間を計測させ、この待機時間を計測した後に前記所定回路への電源供給をオンして前記時間計測手段の計測動作及び前記通信動作の通信動作が可能な状態に移行させるウェイクアップ機能を有する、
とを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
記撮影タイミング発生手段は、前記他の撮像装置に備えられている前記時間計測手段の計測動作が停止している状態において、自己の前記時間計測手段により撮影間隔が計測されたタイミングで撮影指示信号を発生する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記切り替え手段は、前記インターバル撮影における前回の撮影終了直後から次回の撮影開始までの撮影待機の状態において前記第1の省電力モードとこの第1の省電力モードよりも消費電力の大きい第2の省電力モードとを切り替え、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔に対応した待機間隔を計測し、
前記時間計測手段は、前記切り替え手段により第2の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔を計測する、
ことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の省電力モードは、前記時計回路部への電源供給を除いて装置本体への電源供給をオフ状態とする低消費電力状態のモードであり、
前記第2の省電力モードは、前記所定回路を含む装置本体への電源オン状態を維持しながら次の撮影に備える低消費電力状態のモードである、
ことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項5】
当該撮像装置は、前記切り替え手段により第2の省電力モードに切り替えられている状態でマスタ側の撮像装置として機能し、第1の省電力モードに切り替えられている状態でスレーブ側の撮像装置として機能する、
ことを特徴とする請求項又はに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記切り替え手段は、前記インターバル撮影の最初の撮影を指示するレリーズ操作が行われた直後に第1の省電力モードに設定し、前記同時制御手段によって同時撮影を指示した直後に第2の省電力モードから第1の省電力モードへの切り替えを行う、
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記スレーブ側として機能する当該撮像装置は、前記マスタ側の撮像装置から前記撮影指示信号を受信した際に自己の撮像手段に対して撮影指示を行う撮影指示応答手段を更に備え、
前記切り替え手段は、前記撮影指示応答手段による撮影指示直後に第1の省電力モードから第2の省電力モードへの切り替えを行う、
ことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記スレーブ側として機能する当該撮像装置は、
記第1の省電力モードへの切り替えによって装置本体への電源供給がオフされている状態において、前記時計回路部が待機間隔を計測した際に、装置本体への電源供給をオンして撮影可能な状態とする電源復帰手段、を備え、
前記撮影指示応答手段は、前記電源復帰手段によって装置本体への電源供給がオンされている状態で前記マスタ側の撮像装置から前記撮影指示信号を受信した際に自己の撮像手段に対して撮影指示を行う、
ことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記指定手段により指定された撮影間隔を含む撮影パラメータを当該撮像装置に設定すると共に、前記通信手段から前記他の撮像装置に送信して撮影パラメータの設定を指示する設定制御手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な複数台の撮像装置が通信接続されて成る撮像システムであって、
前記撮像装置は、
撮影手段と、
当該撮像装置と他の撮像装置とを通信接続する通信手段と、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する撮影タイミング発生手段と、
前記撮影タイミング発生手段が撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を前記通信手段から他の撮像装置に送信することにより、当該撮像装置のインターバル撮影と他の撮像装置のインターバル撮影とを一致させたインターバル撮影を制御する同時制御手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔を計測する時間計測手段と、
前記時間計測手段に比べて計測可能な時間単位の精度が低く、かつ電力消費も低い内蔵時計を有する時計回路部と、
前記インターバル撮影において、少なくとも前記時間計測手段の計測動作を行うための回路及び前記通信手段の通信動作を行うための回路を含む所定回路への電源供給をオフし、かつ、前記時計回路部への電源供給をオンした状態である第1の省電力モードに切り替える切り替え手段と、
前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、自己の撮像装置に備えられている前記時間計測手段の計測動作を停止する停止手段と、を備え、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔よりも所定時間短い待機時間を計測させ、この待機時間を計測した後に前記所定回路への電源供給をオンして前記時間計測手段の計測動作及び前記通信動作の通信動作が可能な状態に移行させるウェイクアップ機能を有し、
前記同時制御手段は、自己の撮像装置に備えられている前記時間計測手段の計測動作が停止している状態において、前記他の撮像装置に備えられている前記時間計測手段により撮影間隔を計測させ、当該他の撮像装置により撮影間隔が計測されたタイミングで当該他の撮像装置から送信されてくる撮影指示信号に基づいて自己の撮像装置の撮影タイミングを特定する、
ことを特徴とする撮像システム。
【請求項11】
前記切り替え手段は、前記インターバル撮影における前回の撮影終了直後から次回の撮影開始までの撮影待機の状態において前記第1の省電力モードとこの第1の省電力モードよりも消費電力の大きい第2の省電力モードとを切り替え、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔に対応した待機間隔を計測し、
前記時間計測手段は、前記切り替え手段により第2の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔を計測する、
ことを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記第1の省電力モードは、前記時計回路部への電源供給を除いて装置本体への電源供給をオフ状態とする低消費電力状態のモードであり、
前記第2の省電力モードは、前記所定回路を含む装置本体への電源オン状態を維持しながら次の撮影に備える低消費電力状態のモードである、
ことを特徴とする請求項11に記載の撮像システム。
【請求項13】
当該撮像装置は、前記切り替え手段により第2の省電力モードに切り替えられている状態でマスタ側の撮像装置として機能し、第1の省電力モードに切り替えられている状態でスレーブ側の撮像装置として機能する、
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の撮像システム。
【請求項14】
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な複数台の撮像装置がマスタ・スレーブの関係で通信接続されて成る撮像システムであって、
前記複数台の撮像装置の中でマスタ側として機能する撮像装置は、
当該撮像装置と他の撮像装置とを通信接続する通信手段と、
前記インターバル撮影における撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する撮影タイミング発生手段と、
前記撮影タイミング発生手段が撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を前記通信手段から他の撮像装置に送信することにより、当該撮像装置のインターバル撮影と他の撮像装置のインターバル撮影とを一致させたインターバル撮影を制御する同時制御手段と、
前記複数台の撮像装置の中でマスタ側として機能する撮像装置とスレーブ側として機能する撮像装置を撮影毎に逐次変更する変更手段と、
を備え、
前記複数台の撮像装置の中でスレーブ側として機能する撮像装置は、
前記マスタ側の撮像装置から前記撮影指示信号の受信に同期して自己の撮像手段に撮影指示を行う撮影指示応答手段を備える、
ことを特徴とする撮像システム。
【請求項15】
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な撮像装置における撮像方法であって、
前記撮像装置は、
撮影手段と、
前記撮像装置と他の撮像装置とを通信接続する通信手段と、
撮影間隔を計測する時間計測手段と、
前記時間計測手段に比べて計測可能な時間単位の精度が低く、かつ電力消費も低い内蔵時計を有する時計回路部と、を備え、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する処理と、
前記指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する処理と、
前記撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を通信手段から他の撮像装置に送信することにより、当該撮像装置のインターバル撮影と他の撮像装置のインターバル撮影とを一致させたインターバル撮影を制御する処理と、
前記指定された撮影間隔を前記時間計測手段に計測させる処理と、
前記インターバル撮影において、少なくとも前記時間計測手段の計測動作を行うための回路及び前記通信手段の通信動作を行うための回路を含む所定回路への電源供給をオフし、かつ、前記時計回路部への電源供給をオンした状態である第1の省電力モードに切り替える処理と、を含み、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定された撮影間隔よりも所定時間短い待機時間を計測させ、この待機時間を計測した後に前記所定回路への電源供給をオンして前記時間計測手段の計測動作及び前記通信動作の通信動作が可能な状態に移行させるウェイクアップ機能を有する、
ことを特徴とする撮像方法。
【請求項16】
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な撮像装置のコンピュータのプログラムであって、
前記撮像装置は、
撮影手段と、
前記撮像装置と他の撮像装置とを通信接続する通信手段と、
撮影間隔を計測する時間計測手段と、
前記時間計測手段に比べて計測可能な時間単位の精度が低く、かつ電力消費も低い内蔵時計を有する時計回路部と、を備え、
当該プログラムは前記コンピュータに、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する機能と、
前記指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する機能と、
前記撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を通信手段から他の撮像装置に送信することにより、当該撮像装置のインターバル撮影と他の撮像装置のインターバル撮影とを一致させたインターバル撮影を制御する機能と、
前記指定された撮影間隔を前記時間計測手段に計測させる機能と、
前記インターバル撮影において、少なくとも前記時間計測手段の計測動作を行うための回路及び前記通信手段の通信動作を行うための回路を含む所定回路への電源供給をオフし、かつ、前記時計回路部への電源供給をオンした状態である第1の省電力モードに切り替える機能と、を実現させ、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定された撮影間隔よりも所定時間短い待機時間を計測させ、この待機時間を計測した後に前記所定回路への電源供給をオンして前記時間計測手段の計測動作及び前記通信動作の通信動作が可能な状態に移行させるウェイクアップ機能を有する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な撮像手段を備えた撮像装置、撮像システム、撮像方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラなどの撮像装置において、複数の撮影を指定された撮影間隔(時間間隔)で逐次実行するインターバル撮影機能を使用して、例えば、植物の開花状態などを比較的長い一定の撮影間隔で撮影する場合に、長時間撮影でも電池の消耗を抑えるために撮影を行わないときにはカメラ本体への電源供給を停止し、撮影時にはカメラ本体に電源を供給して撮影可能な状態にする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−197546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、被写体の周囲に複数台の撮像装置(カメラ)を設置して、各カメラでその被写体をインターバル撮影するようにすれば、その被写体を多角的に観察することができるようになるが、複数台のカメラを使用してインターバル撮影を行う場合に、一人の撮影者は、カメラ毎に撮影間隔などの撮影パラメータを設定した後、個々のカメラに対してレリーズ操作を素早く順次行う必要があるために撮影者に大きな負担をかける。また、各カメラの撮影タイミングは、レリーズ操作の遅れに相応するために精度の良いインターバル撮影を行うことは困難なものとなる。そこで、撮影者をカメラ毎にすると、操作上の負担は各撮影者に分散されるが、カメラ台数分の人数を必要とすると共に、各カメラのレリーズ操作を一斉に合わせることは依然として困難なものとなる。
【0005】
本発明の課題は、複数台の撮像装置を用いて同じ被写体を異なる位置からインターバル撮影を行う場合にユーザに負担をかけることなく、精度の良いインターバル撮影を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の撮像装置は、
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な撮像手段を備えた撮像装置であって、
当該撮像装置と他の撮像装置とを通信接続する通信手段と、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する撮影タイミング発生手段と、
前記撮影タイミング発生手段が撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を前記通信手段から他の撮像装置に送信することにより、当該撮像装置のインターバル撮影と他の撮像装置のインターバル撮影とを一致させたインターバル撮影を制御する同時制御手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔を計測する時間計測手段と、
前記時間計測手段に比べて計測可能な時間単位の精度が低く、かつ電力消費も低い内蔵時計を有する時計回路部と、
前記インターバル撮影において、少なくとも前記時間計測手段の計測動作を行うための回路及び前記通信手段の通信動作を行うための回路を含む所定回路への電源供給をオフし、かつ、前記時計回路部への電源供給をオンした状態である第1の省電力モードに切り替える切り替え手段と、を備え、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔よりも所定時間短い待機時間を計測させ、この待機時間を計測した後に前記所定回路への電源供給をオンして前記時間計測手段の計測動作及び前記通信動作の通信動作が可能な状態に移行させるウェイクアップ機能を有する、
とを特徴とする。
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の撮像システムは、
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な複数台の撮像装置が通信接続されて成る撮像システムであって、
前記撮像装置は、
撮影手段と、
当該撮像装置と他の撮像装置とを通信接続する通信手段と、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する撮影タイミング発生手段と、
前記撮影タイミング発生手段が撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を前記通信手段から他の撮像装置に送信することにより、当該撮像装置のインターバル撮影と他の撮像装置のインターバル撮影とを一致させたインターバル撮影を制御する同時制御手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔を計測する時間計測手段と、
前記時間計測手段に比べて計測可能な時間単位の精度が低く、かつ電力消費も低い内蔵時計を有する時計回路部と、
前記インターバル撮影において、少なくとも前記時間計測手段の計測動作を行うための回路及び前記通信手段の通信動作を行うための回路を含む所定回路への電源供給をオフし、かつ、前記時計回路部への電源供給をオンした状態である第1の省電力モードに切り替える切り替え手段と、
前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、自己の撮像装置に備えられている前記時間計測手段の計測動作を停止する停止手段と、を備え、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔よりも所定時間短い待機時間を計測させ、この待機時間を計測した後に前記所定回路への電源供給をオンして前記時間計測手段の計測動作及び前記通信動作の通信動作が可能な状態に移行させるウェイクアップ機能を有し、
前記同時制御手段は、自己の撮像装置に備えられている前記時間計測手段の計測動作が停止している状態において、前記他の撮像装置に備えられている前記時間計測手段により撮影間隔を計測させ、当該他の撮像装置により撮影間隔が計測されたタイミングで当該他の撮像装置から送信されてくる撮影指示信号に基づいて自己の撮像装置の撮影タイミングを特定する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数台の撮像装置を用いて同じ被写体を異なる位置からインターバル撮影を行う場合にユーザに負担をかけることなく、精度の良いインターバル撮影を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】複数台の撮像装置(カメラ)が同じ被写体を異なる位置から同時にインターバル撮影を行うために各カメラを通信接続した撮像システムを示した図。
図2】各カメラの基本的な構成要素を示したブロック図。
図3】インターバル撮影用の時間間隔をRTC8で計測した場合とインターバル撮影用のタイマ3cで計測した場合の撮影タイミングを例示した図。
図4】複数台のカメラによる同時インターバル撮影時での1〜3枚目の撮影タイミングを例示した図。
図5】各種の撮影モードがメニュー表示されている状態において、そのメニュー画面の中から複数台のカメラによる同時インターバル撮影が選択された際に実行開始されるフローチャート。
図6図5の動作に続くフローチャート。
図7図6の動作に続くフローチャート。
図8図7の動作に続くフローチャート。
図9】本実施形態の変形例を説明するための図。
図10】本実施形態の他の変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図1図8を参照して説明する。
図1は、複数台の撮像装置(カメラ)が同じ被写体を異なる位置から同時にインターバル撮影を行うために各カメラを通信接続した撮像システムを示した図である。
撮像装置(カメラ)は、例えば、電池を電源とするコンパクトデジタルカメラであり、静止画撮影のほか、動画撮影も可能なもので、インターバル撮影機能を備えている。このインターバル撮影機能は、複数枚の撮影を一定の撮影間隔で逐次実行するもので、1枚目の撮影開始は撮影者のシャッター操作によって指示し、2枚目以降はユーザ操作で設定された撮影間隔毎に撮像装置自体が自動的に撮影指示を行うことによって、予めユーザ操作によって設定された枚数分の撮影を繰り返すようにした撮影機能である。そして、インターバル撮影機能には、単一のカメラでインターバル撮影を行う通常のインターバル撮影機能のほか、複数台のカメラが同じ被写体を異なる位置から同時にインターバル撮影を行う同時インターバル撮影機能を有している。
【0011】
図示の例は、複数台(2台)のカメラが同じ被写体を異なる位置から同時にインターバル撮影(同時撮影)を行う場合の様子を示したもので、被写体(例えば、開花間近の花)をその左右両側に設置したカメラでインターバル撮影する場合である。各カメラは、同じ被写体(花)を異なる位置から撮影間隔(例えば、10秒)毎にインターバル撮影するもので、この左側設置のカメラAと右側設置のカメラBは、マスタ・スレーブの関係にあり、その一方がマスタ側のカメラとして機能し、他方がスレーブ側のカメラとして機能するようなっている。
【0012】
ここで、“撮影間隔”とは、インターバル撮影における前回の撮影から次回の撮影までの撮影を繰り返す時間的な間隔を示し(前回の撮影終了直後から次回の撮影開始時までの時間的な間隔を区別して示す場合は“撮影待機間隔”と称する)、予めユーザ操作によって任意に設定されている値である。このようなマスタ・スレーブの関係においてスレーブ側カメラによる撮影は、マスタ側カメラからの指示にしたがって実行するようになる。各カメラA、カメラBは、短距離無線通信、例えば、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)通信を介して通信接続されている。
【0013】
図2は、撮像装置(カメラ)の基本的な構成要素を示したブロック図である。
制御部1は、電源部(二次電池)2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこのカメラの全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリなどを有している。電源部2は、カメラ本体(制御部1、記憶部3など)に電力を供給する本体電源である。記憶部3は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、後述する図5図8に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているプログラムメモリ3aを有している。
【0014】
更に、記憶部3には、このカメラが動作するために必要となる各種の情報(例えば、インターバル撮影用の撮影パラメータ、インターバル撮影時の撮影枚数を計数する枚数カウンタ値など)を一時的に記憶するワークメモリ3bと、後述するインターバル撮影用のタイマ3c、各撮影画像を記録保存する画像メモリ3dを有している。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続されている状態においては所定のサーバ装置側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0015】
制御部1には、その入出力デバイスとして操作部4、表示部5、撮像部6、無線通信部7、RTC(リアルタイムクロック)8などが接続され、それらの入出力動作を制御する。操作部4は、図示省略したが、撮影が可能な動作モード(撮影モード)と、撮影済み画像(保存画像)を再生する動作モード(再生モード)とを切り替えたり、更に撮影モードとして、インターバル撮影モードに切り替えたりするモード変更ボタンと、撮影開始を指示するレリーズボタンのほかに、露出やシャッタスピード、ズーム、フォーカスなどの撮影パラメータやインターバル撮影用の撮影パラメータ(後述する撮影間隔など)を設定するボタンなどを備え、制御部1は、この操作部4からの入力操作信号に応じた処理として、例えば、モード変更処理、撮影制御処理、撮影パラメータ設定処理などを行う。表示部5は、高精細液晶ディスプレイあるいは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであり、撮影画像(ライブビュー画像)を表示するモニタ画面(ライブビュー画面)となったり、撮影済み画像を再生する再生画面となったりする。
【0016】
撮像部6は、図示しないが、光学レンズからの被写体画像が撮像素子(CCDやCMOSなど)に結像されることにより被写体を高精細に撮影することが可能なもので、撮影レンズ、撮像素子、ストロボ、各種のセンサ、アナログ処理部、デジタル処理部を有する構成で、光電変換された画像信号(アナログ値の信号)は、色分離やRGBの色成分毎のゲイン調整などが行われた後、デジタル値のデータに変換される。このデジタル変換された画像データは、表示部5にフルカラー表示される。無線通信部7は、他のカメラとの間で無線LANなどの短距離無線通信を行う。
【0017】
RTC(リアルタイムクロック:時計回路部)8は、カメラ本体クロック又はシステムクロックとは別のクロックによって動作して1秒単位の時刻情報を計数する内蔵時計を含む構成であり、カメラ本体(制御部1、記憶部3など)への電源がオフされている状態(本体電源オフ状態)においても特別なバッテリー(図示省略)からの電力供給によってRTC8が動作するようになっている。そして、このRTC8は、カメラ本体への電源がオン状態で動作するインターバル撮影用のタイマ3cに比べて計測可能な時間単位の精度が低く、かつ電力消費も低い簡易な時計回路部であり、後述するが、インターバル撮影用の撮影待機時間(待機間隔)を計測して次回の撮影のために自動起動(ウェイクアップ)させる機能を有している。インターバル撮影用のタイマ3cは、カメラ本体への電源オンされている状態において、カメラ本体クロック又はシステムクロックで動作することにより1/100秒単位までの詳細な時間情報を計数可能なもので、インターバル撮影時にはその時間間隔を計測する。
【0018】
図3は、インターバル撮影用の時間間隔を、RTC8で計測した場合とインターバル撮影用のタイマ3cで計測した場合の撮影タイミングを例示した図である。
インターバル撮影においては、電池(本体電源)の消耗を抑えるために撮影を行わない状態(前回の撮影が終了した直後から次回の撮影を開始するまでの撮影待機状態)のときに、電源供給を抑制する低消費電力状態にするようにしている。同様に、複数台のカメラによる同時インターバル撮影時においても、撮影待機状態のときには低消費電力状態にするようにしている。この同時インターバル撮影時においては、低消費電力状態(消費レベル)の異なる第1の省電力モードと第2の省電力モードを有している。
【0019】
第1の省電力モードは、撮影待機状態において、カメラ本体への電源供給をオフして、インターバル撮影用の時間間隔を計測するためのRTC8を動作させる低消費電力状態の電源モード(電源オフ・スタンバイモード)であり、電池の消費を大きく抑えることができるために長時間撮影に最適なものとなる。第2の省電力モードは、カメラ本体への電源オン状態を維持しながらカメラ本体を休止状態として、インターバル撮影用の時間間隔を計測するためのタイマ3cを動作させる低消費電力状態の電源モード(電源オン・スリープモード)であり、第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)よりも電池の消費は大きくなるが、カメラ本体の起動動作が不要となるために次の撮影などの動作を素早く対応することができ、精度の良いインターバル撮影に有効なものとなる。
【0020】
図示の例は、第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)と第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)でインターバル撮影を行った場合を示している。
ここで、例えば、インターバル撮影の撮影間隔を“3秒”として、撮影者が“1.4秒”のタイミングでレリーズ操作を行うことによって1枚目の撮影が行われたものとすると、第2の省電力モードにおいて、2枚目の撮影は“4.4秒”のタイミングとなり、3枚目の撮影は“7.4秒”のタイミングとなる。これに対し、第1の省電力モードにおいてRTC8は、1秒単位の精度で1秒毎のタイミングでしか撮影することができないため、2枚目の撮影は“4秒”のタイミングとなり、3枚目の撮影は“7秒”のタイミングとなり、第2の省電力モードの撮影タイミングと異なってしまう。
【0021】
そこで、本実施形態においては、複数台(例えば、2台)のカメラによる同時インターバル撮影を行う場合に、その2台のカメラのうち、その一方のカメラを第1の省電力モードに切り替え、他方のカメラを第2の省電力モードに切り替えるようにしている。この場合、この第2の省電力モードに切り替えられたカメラをマスタ側として機能させ、第1の省電力モードに切り替えられたカメラをスレーブ側として機能させることによって各カメラの撮影タイミングのずれを解消するようにしている。すなわち、マスタ側のカメラは、スレーブ側のカメラとの同時撮影(インターバル撮影)を制御するようにしている。
【0022】
図4は、複数台のカメラによる同時インターバル撮影時での1〜3枚目の撮影タイミングを例示した図である。
複数台のカメラを使用して同時インターバル撮影を行うために、そのいずれかのカメラ側でレリーズ操作が行われると、当該カメラ(自カメラ)は、自己の撮像部6に対して撮影を指示するほか、他のカメラに対して撮影指示信号を送信する。これによって各カメラ(自カメラ及び他カメラ)が同期する同時撮影(1枚目の撮影)が行われる。図示の例は、図1で示した左側設置のカメラAと右側設置のカメラBのうち、カメラA側でレリーズ操作が行われた場合を示している。このようにして1枚目の撮影が行われると、カメラA側では、第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)に初期設定され、カメラB側では、第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)に初期設定される。なお、図中、塗り潰した領域は、第1の省電力モードに設定されている期間を示し、また、白抜き領域は、第2の省電力モードに設定されている期間を示している。
【0023】
このようにして1枚目の撮影を行った後は、予め任意に設定されている撮影パラメータ(撮影間隔)毎に2枚目以降の撮影を自動的に行うようにしている。この場合、第2の省電力モードに設定されているカメラ(マスタ側のカメラ)において、自己のインターバル撮影用のタイマ3cがその計測動作を開始した後、そのタイマ3cがタイムアップとなって撮影間隔を計測すると、そのマスタ側のカメラは、そのタイミングで自己の撮像部6に対して撮影を指示するほか、第1の省電力モードに設定されている他のカメラ(スレーブ側のカメラ)に対してインターバル撮影を指示するための撮影指示信号を送信するようにしている。
【0024】
この場合、マスタ・スレーブの関係は、カメラBがマスタ、カメラAがスレーブとなっているので、カメラBの主動の下、同時撮影(2枚目の撮影)が行われる。このようにして2枚目の撮影が行われると、カメラAは、第2の省電力モードに切り替えられてマスタ側のカメラとして機能するようになり、カメラBは、第1の省電力モードに切り替えられてスレーブ側のカメラとして機能するようになる。これによってカメラAは、そのインターバル撮影用のタイマ3cがその計測動作を開始し、その後、タイムアップとなって撮影間隔を計測すると、そのタイミングで自己の撮像部6に対して撮影を指示するほか、他のカメラBに対して撮影指示信号を送信する。これによってカメラAの主動の下、同時撮影(3枚目の撮影)が行われる。以下、カメラA、B側では、撮影毎に第1の省電力モード、第2の省電力モードに交互に切り替えられ、マスタ・スレーブの関係も撮影毎に交互に切り替えられることによって、複数台のカメラによる同時インターバル撮影が逐次実行される。
【0025】
次に、本実施形態における撮像装置(カメラ)の動作概念を図5図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。なお、図5図8は、カメラの全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図5図8のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0026】
図5図8は、各種の撮影モードがメニュー表示されている状態において、そのメニュー画面の中から複数台のカメラによる“同時インターバル撮影”のメニュー項目が選択指定された際に実行開始される各カメラの動作を示したフローチャートである。
先ず、各カメラ(例えば、カメラA、カメラB)の制御部1は、“同時インターバル撮影”のメニュー項目が選択指定されると、インターバル撮影用のタイマ3c及び枚数カウンタなどを初期化する処理(図5のステップS1)を行った後、インターバル撮影用としてその撮影パラメータを設定する操作が行われたかを調べる(ステップS2)。この場合、パラメータ設定操作は、複数台のカメラの個々で行う必要はなく、そのいずれか1台のカメラで行えばよい。
【0027】
いま、いずれか1台のカメラの操作部4からインターバル撮影用の撮影パラメータとして、撮影間隔(例えば、10秒)及び撮影枚数(例えば、720枚)を入力するパラメータ設定操作が行われると(ステップS2でYES)、制御部1は、この入力パラメータ(撮影間隔、撮影枚数)を自己のワークメモリ3bに設定する処理を行う(ステップS3)。そして、この設定した撮影パラメータ(撮影間隔、撮影枚数)を無線通信部7から他のカメラに対して送信する処理を行う(ステップS4)。
【0028】
例えば、カメラA側で撮影パラメータの設定操作が行われた場合には、他のカメラBに対してその撮影パラメータを無線送信し、逆に、カメラB側で撮影パラメータの設定操作が行われた場合には、他のカメラAに対してその撮影パラメータを無線送信する。その後、ステップS7に移る。一方、撮影パラメータの設定操作が行われなければ(ステップS2でNO)、他のカメラでその設定操作が行われたものと判断して、次のステップS5に移り、撮影パラメータ(撮影間隔、撮影枚数)を他のカメラから受信したかを調べる。なお、撮影パラメータとしては、撮影間隔、撮影枚数を設定する場合に限らず、インターバル撮影の開始から終了までのトータル時間又はインターバル撮影の終了時刻又は終了日時などを設定するようにしてもよい。
【0029】
ここで、他のカメラから撮影パラメータを受信しなければ(ステップS5でNO)、次のステップS7に移るが、他のカメラから撮影パラメータを受信したときには(ステップS5でYES)、その撮影パラメータを自己のワークメモリ3bに設定する処理を行う(ステップS6)。その後、ステップS7に移る。このステップS7では、自己のワークメモリ3bに撮影パラメータを設定済みであるかを調べ、設定済みでなければ(ステップS7でNO)、上述のステップS2に戻るが、設定済みであれば(ステップS7でYES)、図6のフローに移る。
【0030】
図6のフローでは、インターバル撮影の最初の撮影を指示するレリーズ操作(2段押し込みのシャッター操作)として、先ず、レリーズ半押し操作(ハーフシャッター操作:1段押し込み操作)が行われたかを調べ(ステップS8)、レリーズ半押し操作が行われなければ(ステップS8でNO)、図7のステップS16に移って、他のカメラから撮影準備を指示する撮影準備指示信号(自動焦点調整及び自動露出調整などの撮影準備処理の実行を指示する信号)を受信したかを調べる。なお、レリーズ半押し操作がカメラA側で行われた場合には、カメラBは、カメラAから撮影準備指示信号を受信したかを調べ、逆にカメラB側でレリーズ半押し操作が行われた場合、カメラAは、カメラBから撮影準備指示信号を受信したかを調べる。
【0031】
ここで、カメラA側においてレリーズ半押し操作が行われたものとして、以下の動作を説明するものとする。
いま、カメラA側でレリーズ半押し操作が行われると(ステップS8でYES)、自動焦点調整(AF)を開始すると共に自動露出調整(AE)を開始する(ステップS9)。そして、無線通信部7から他のカメラBに対して撮影準備指示信号を送信する処理(ステップS10)を行った後、レリーズ全押し操作(フルシャッター操作)が行われるまで待機状態となる(ステップS11)。そして、カメラA側でレリーズ全押し操作(フルシャッター操作)が行われると(ステップS11でYES)、撮影処理を実行し、撮像部6から取得した画像に対して画像圧縮などの処理を施した後、画像メモリ3dに記録保存する処理を行う(ステップS12)。
【0032】
これによってカメラA側での1枚目の撮影が完了すると、インターバル撮影時の撮影枚数を計数する枚数カウンタ(図示省略)の値に“1”を加算してそのカウンタ値を更新する処理を行う(ステップS13)。なお、枚数カウンタの値は、1枚目撮影時には初期値“0”となっているので、1枚目の撮影によって“1”に更新される。次に、カメラA側では、無線通信部7からカメラBに対してインターバル撮影を指示する撮影指示信号を送信する(ステップS14)。そして、自カメラ(カメラA)を第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)に初期設定すると共に、RTC8を用いて次回の撮影のために自動起動(ウェイクアップ)するまでの撮影待機時間(待機間隔:撮影間隔に対応して設定された時間であり、起動後の撮影準備に要する時間を考慮して設定された撮影間隔よりも所定時間だけ短い時間)を計測する動作を開始させる(ステップS15)。その後、図8のステップS30に移り、RTC8によって撮影待機時間(インターバル撮影用の撮影間隔に対応する時間)が計測された後に自動起動(ウェイクアップ)されるまで待機状態となる。
【0033】
一方、カメラB側では、カメラAから撮影準備指示信号を受信すると(図7のステップS16でYES)、自動焦点調整(AF)を開始すると共に自動露出調整(AE)を開始する(ステップS17)。そして、カメラAからインターバル撮影を指示する撮影指示信号を受信するまで待機状態となる(ステップS18)。ここで、カメラAから撮影指示信号を受信すると(ステップS18でYES)、この撮影指示信号に応答して撮影処理を実行し、撮像部6から取得した画像に対して画像圧縮などの処理を施した後、画像メモリ3dに記録保存する処理を行う(ステップS19)。
【0034】
これによってカメラB側での1枚目の撮影が完了すると、枚数カウンタの値(初期値“0”)に“1”を加算してそのカウンタ値を更新する処理を行う(ステップS20)。そして、枚数カウンタの値と撮影パラメータとして設定された撮影枚数とを比較し、枚数カウンタ値は、設定枚数以上であるかを調べる(ステップS21)。いま、1枚目を撮影した場合であり、設定枚数に達していないので(ステップS21でNO)、次のステップS22に移り、自カメラ(カメラB)を第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)に切り替えると共に、インターバル撮影用のタイマ3cの計測動作を開始させる(ステップS23)。そして、このタイマ3cによって撮影間隔が計測されるまで待機状態となる(ステップS24)。
【0035】
このようにして各カメラ(カメラA、カメラB)での1枚目の撮影が終了すると、撮影間隔の経過後に2枚目の撮影に移るが、1枚目の撮影終了後においては、カメラA側ではRTC8による自動起動(ウェイクアップ)の待機状態(撮影間隔に対応する時間の計測待機状態)となっており(図8のステップS30)、また、カメラB側ではタイマ3cによる撮影間隔の計測待機状態となっている(図7のステップS24)。この待機状態において、RTC8は、他のカメラから撮影指示信号が送信されてきた時に、この撮影指示信号を受信可能な状態にしておくために、タイマ3cよりも早く自動起動(ウェイクアップ)の撮影待機時間(待機間隔)に達したことを計測することになる。また、RTC8は1秒単位の計測を行うので、それに合わせた待機時間を設定する。
【0036】
このようにカメラA側のRTC8は、カメラA側のタイマ3cで計測される撮影間隔(3秒)よりも早く撮影待機間隔(3秒より短い)に達したことを計測すると(図8のステップS30でYES)、カメラ本体への電源供給をオンして撮像部6を起動(ウェイクアップ)させることにより撮影準備の状態に移行させる(ステップS31)。その後、カメラBから撮影指示信号を受信するまで待機状態となる(ステップS32)。そして、カメラB側でタイマ3cが撮影間隔に達したことを計測すると(図7のステップS24でYES)、図8のフローに移り、自カメラ(カメラB)は、撮影処理を実行し、撮像部6から取得した画像に対して画像圧縮などの処理を施した後、画像メモリ3dに記録保存する処理を行う(ステップS25)。
【0037】
これによってカメラB側での2枚目の撮影が完了すると、枚数カウンタの値に“1”を加算してそのカウンタ値を“2”に更新(ステップS26)した後、枚数カウンタ値は、設定枚数以上であるかを調べる(ステップS27)。いま、カメラB側で2枚目の撮影を行った場合であり、そのカウンタ値が設定枚数未満であれば(ステップS27でNO)、ステップS28に移り、カメラAに対して無線通信部7からインターバル撮影を指示する撮影指示信号を送信する。そして、第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)に切り替えと共に、RTC8を用いて撮影待機時間を計測する動作を開始させる(ステップS29)。その後、RTC8によって撮影間隔が計測されるまで待機状態となる(ステップS30)。
【0038】
他方、カメラAは、カメラBから撮影指示信号を受信すると(図7のステップS18でYES)、撮影処理を実行し、撮像部6から取得した画像に対して画像圧縮などの処理を施した後、画像メモリ3dに記録保存する処理を行う(ステップS19)。これによってカメラA側での2枚目の撮影が完了すると、枚数カウンタの値に“1”を加算してそのカウンタ値を“2”に更新する(ステップS20)。この場合、そのカウンタ値が設定枚数未満であれば(ステップS21でNO)、ステップS22に移り、自カメラ(カメラA)を第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)に切り替えると共に、インターバル撮影用のタイマ3cの計測動作を開始させる(ステップS23)。そして、このタイマ3cによって撮影間隔が計測されるまで待機状態となる(ステップS24)。
【0039】
以下、同様に、各カメラ(カメラA、カメラB)での2枚目の撮影が終了すると、撮影間隔の経過後に3枚目の撮影に移る。すなわち、カメラB側では、RTCの待機状態(図8のステップS30)から自動起動(ウェイクアップ)して撮影準備(ステップS31)を行った後、ステップS32の撮影指示の待機状態に移る。また、カメラA側では、撮影指示の待機状態(図7のステップS24)から3枚目の撮影処理(図8のステップS5)、第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)への切り替え処理(ステップS29)を行った後、RTCの計測結果を基に自動起動(ウェイクアップ)されるまで待機状態となる(図8のステップS30)。そして、カメラB側では、撮影指示の待機状態(図7のステップS18)から3枚目の撮影処理(ステップS19)、第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)への切り替え処理(ステップS22)を行った後、撮影指示の待機状態(ステップS24)に移る。このような動作を1枚撮影する毎にカメラA側とカメラB側で交互に行うことによりインターバル撮影を遂次実行する。
【0040】
以上のように、本実施形態において、複数台の撮像装置(カメラA、カメラB)を用いてインターバル撮影を行う場合にそのいずれかの撮影装置(例えば、カメラA)の制御部1は、インターバル撮影における撮影間隔が指定された場合にその撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生して自己の撮像部6に撮影指示を行うと共に、この撮影指示信号を無線通信部7から他の撮像装置(例えば、カメラB)に送信することにより自カメラAと他カメラBとを同期させた同時撮影(インターバル撮影)を制御するようにしたので、複数台のカメラを用いて同じ被写体を異なる位置からインターバル撮影を行う場合にユーザに負担をかけることなく、精度の良いインターバル撮影を実現することができる。
【0041】
各カメラは、ユーザ操作により任意に指定された撮影間隔を計測するインターバル撮影用のタイマ3cを備え、そのいずれかのカメラは、他のカメラに備えられているタイマ3cの計測動作が停止している状態において、自己のタイマ3cにより撮影間隔が計測されたタイミングで撮影指示信号を発生して自カメラ及び他カメラに撮影を指示するようにしたので、複数台のカメラのうちそのいずれかのカメラの主動の下で同時インターバル撮影が可能となる。
【0042】
第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)に切り替えられているカメラでは、RTC8によって撮影待機時間を計測し、第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)に切り替えられているカメラでは、インターバル撮影用のタイマ3cによって撮影間隔を計測しているが、タイマ3cにより撮影間隔が計測されたタイミングで撮影指示信号を発生するようにしたので、精度の良いタイマ3cによる計測結果を基に同時インターバル撮影が可能となる。
【0043】
第1の省電力モードは、RTC8への電源供給を除いてカメラ本体への電源供給をオフ状態とする低消費電力状態のモードであり、第2の省電力モードは、インターバル撮影用のタイマ3cを含むカメラ本体への電源オン状態を維持しながら次の撮影に備える低消費電力状態のモードであるので、複数台のカメラの一方を第1の省電力モード、他方を第2の省電力モードとすることで全体として低消費電力化が可能であると共に、精度の良いインターバル撮影を実現することが可能となる。
【0044】
当該カメラ(自カメラ)は、第2の省電力モードに切り替えられている状態でマスタ側のカメラとして機能し、第1の省電力モードに切り替えられている状態でスレーブ側のカメラとして機能するようにしたので、省電力モードの切り替えに応じてマスタ・スレーブの関係を切り替えることができる。
【0045】
インターバル撮影の最初の撮影を指示するレリーズ操作が行われた直後に第1の省電力モードに設定し、同時撮影(インターバル撮影)を指示した直後に第2の省電力モードから第1の省電力モードへの切り替えを行うようにしたので、低消費電力である第1の省電力モードへの切り替えを無駄無く行うことができ、全体として低消費電力化が可能となる。
【0046】
スレーブ側として機能するカメラは、マスタ側のカメラから撮影指示信号を受信した際に自己の撮像部6に対して撮影指示を行うと共に、その撮影指示直後に第1の省電力モードから第2の省電力モードへの切り替えるようにしたので、精度の良い同時撮影(インターバル撮影)が可能となると共に全体として低消費電力化が可能となる。
【0047】
第1の省電力モードへの切り替えによってカメラ本体への電源供給がオフされている状態において、RTC8によって撮影待機時間が計測された際に、カメラ本体への電源供給をオンして自動起動(ウェイクアップ)して撮影可能な状態に準備するようにしたので、他のカメラから撮影指示信号を受信した際に自己の撮像部6に対して直ちに撮影を指示することができる。
【0048】
ユーザ操作により任意に指定された撮影間隔を含む撮影パラメータを自カメラに設定すると共に、無線通信を介して他のカメラに送信して撮影パラメータの設定を指示するようにしたので、複数台のカメラのいずれかで撮影パラメータの設定操作を行えばよく、ユーザの負担を軽減することが可能となる。
【0049】
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な複数台のカメラがマスタ・スレーブの関係で通信接続されて成る撮像システムにおいて、マスタ側として機能するカメラは、インターバル撮影における撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像部6に撮影指示を行うと共に、この撮影指示信号を他のカメラに送信することにより自カメラと他カメラとを同期させた同時撮影(インターバル撮影)を制御し、スレーブ側として機能するカメラは、マスタ側のカメラから撮影指示信号の受信に同期して自己の撮像部6に撮影指示を行うようにしたので、複数台のカメラを用いて同じ被写体を異なる位置からインターバル撮影を行う場合にユーザに負担をかけることなく、精度の良いインターバル撮影を実現することができる。
【0050】
複数台のカメラの中でマスタ側として機能するカメラとスレーブ側として機能するカメラを撮影毎に逐次変更するようにしたので、総電力消費量が多くなるインターバル撮影であっても各カメラの電力消費量を均一にすることができ、システム全体として長時間撮影が可能となる。
【0051】
なお、上述した実施形態においては、2台のカメラ(カメラA、カメラB)において、マスタ・スレーブの関係を撮影毎に交互に切り替えるようにしたが、一方のカメラをマスタ機能、他方のカメラをスレーブ機能として固定したり、複数撮影毎に交互に切り替えたり、電池残量に応じて1回だけ切り替えるようにしてもよい。
図9は、マスタ・スレーブの関係を固定した場合を例示した図である。すなわち、2台のカメラ(カメラA、カメラB)のうち、その一方のカメラBをマスタ機能、他方のカメラAをスレーブ機能として固定した場合である。
【0052】
ここで、カメラAは、レリーズ操作に応じて撮影指示信号を発生して自己の撮像部6に撮影指示を行うと共に、この撮影指示信号を無線通信部7からカメラBに送信して1枚目の同時撮影(インターバル撮影)を制御する。その後、カメラAは第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)に固定され、カメラBは第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)に固定される。この状態において、カメラBは、撮影間隔のタイミングを検出する毎に、撮影指示信号を発生して自己の撮像部6に撮影指示を行うと共に、この撮影指示信号を無線通信部7からカメラBに送信して2枚目、3枚目、…の同時撮影(インターバル撮影)を制御する。なお、上述の場合とは逆に、カメラAをマスタ機能、カメラBをスレーブ機能として固定するようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態においては、2台のカメラ(カメラA、カメラB)において、マスタ・スレーブの関係を交互に切り替えるようにしたが、3台以上のカメラにおいて、マスタ・スレーブの関係を撮影毎に逐次変更するようにしてもよい。
図10は、3台のカメラ(カメラA、カメラB、カメラC)において、マスタ・スレーブの関係を撮影毎に逐次変更する場合を例示した図である。すなわち、3台のカメラ(カメラA、カメラB)のうち、そのいずれか1台のカメラをマスタ機能、他方の各カメラをスレーブ機能として機能するように切り替える。
【0054】
ここで、カメラAは、レリーズ操作に応じて撮影指示信号を発生して自己の撮像部6に撮影指示を行うと共に、この撮影指示信号を無線通信部7からカメラBに送信して1枚目の同時撮影(インターバル撮影)を制御する。その後、カメラA及びカメラCは第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)に設定され、カメラBは第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)に設定される。この状態において、カメラBは、撮影間隔のタイミングを検出すると、撮影指示信号を発生して自己の撮像部6に撮影指示を行うと共に、この撮影指示信号を無線通信部7からカメラA及びカメラCに送信して2枚目の同時撮影(インターバル撮影)を制御する。
【0055】
その後、カメラA及びカメラBは第1の省電力モード(電源オフ・スタンバイモード)に切り替えられ、カメラCは第2の省電力モード(電源オン・スリープモード)に切り替えられる。この状態において、カメラCは、撮影間隔のタイミングを検出すると、撮影指示信号を発生して自己の撮像部6に撮影指示を行うと共に、この撮影指示信号を無線通信部7からカメラA及びカメラBに送信して3枚目の同時撮影(インターバル撮影)を制御する。なお、カメラ台数は4台以上であってもよい。
【0056】
また、上述した実施形態においては、撮像装置としてコンパクトデジタルカメラに適用した場合を示したが、これに限らず、二眼レフデジタルカメラ、カメラ機能付きのパーソナルコンピュータ・PDA(個人向け携帯型情報通信機器)・タブレット端末装置・スマートフォンなどの携帯電話機・電子ゲーム・音楽プレイヤーなどであってもよい。
【0057】
また、上述した実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0058】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な撮像手段を備えた撮像装置であって、
当該撮像装置と他の撮像装置とを通信接続する通信手段と、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する撮影タイミング発生手段と、
前記撮影タイミング発生手段が撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を前記通信手段から他の撮像装置に送信することにより当該撮像装置と他の撮像装置とを同期させたインターバル撮影を制御する同時制御手段と、
を備えることを特徴とする。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記指定手段により指定された撮影間隔を計測する時間計測手段を更に備え、
前記撮影タイミング発生手段は、前記他の撮像装置に備えられている前記時間計測手段の計測動作が停止している状態において、自己の前記時間計測手段により撮影間隔が計測されたタイミングで撮影指示信号を発生する、
ことを特徴とする。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の撮像装置において、
前記同時制御手段は、自己の撮像装置に備えられている前記時間計測手段の計測動作が停止している状態において、前記他の撮像装置に備えられている前記時間計測手段により撮影間隔を計測させ、当該他の撮像装置により撮影間隔が計測されたタイミングで当該他の撮像装置から送信されてくる撮影指示信号に基づいて自己の撮像装置の撮影タイミングを特定する、
ことを特徴とする。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の撮像装置において、
前記インターバル撮影において、低消費電力である第1の省電力モードに切り替える切り替え手段と、
前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、自己の撮像装置に備えられている前記時間計測手段の計測動作を停止する停止手段と、
を更に備えたことを特徴とする。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の撮像装置において、
前記時間計測手段に比べて計測可能な時間単位の精度が低く、かつ電力消費も低い内蔵時計を有する時計回路部を備え、
前記第1の省電力モードは、少なくとも前記時間計測手段の計測動作を行うための回路及び前記通信手段の通信動作を行うための回路を含む所定回路への電源供給をオフし、かつ、前記時計回路部への電源供給をオンした状態であり、
前記時計回路部は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔よりも所定時間短い待機時間を計測させ、この待機時間を計測した後に前記所定回路への電源供給をオンして前記時間計測手段の計測動作及び前記通信動作の通信動作が可能な状態に移行させるウェイクアップ機能を有する、
ことを特徴とする。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記インターバル撮影における前回の撮影終了直後から次回の撮影開始までの撮影待機の状態において前記第1の省電力モードとこの第1の省電力モードよりも消費電力の大きい第2の省電力モードとを切り替える切り替え手段と、
前記時計回路は、前記第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔に対応した待機間隔を計測し、
前記時間計測手段は、前記切り替え手段により第2の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔を計測する、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
ことを特徴とする。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の撮像装置において、
前記第1の省電力モードは、前記第1の時間計測手段への電源供給を除いて装置本体への電源供給をオフ状態とする低消費電力状態のモードであり、
前記第2の省電力モードは、前記第2の時間計測手段を含む装置本体への電源オン状態を維持しながら次の撮影に備える低消費電力状態のモードである、
ことを特徴とする。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の撮像装置において、
当該撮像装置は、前記切り替え手段により第2の省電力モードに切り替えられている状態でマスタ側の撮像装置として機能し、第1の省電力モードに切り替えられている状態でスレーブ側の撮像装置として機能する、
ことを特徴とする。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記切り替え手段は、前記インターバル撮影の最初の撮影を指示するレリーズ操作が行われた直後に第1の省電力モードに設定し、前記同時制御手段によって同時撮影を指示した直後に第2の省電力モードから第1の省電力モードへの切り替えを行う、
ことを特徴とする。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の撮像装置において、
前記スレーブ側として機能する当該撮像装置は、前記マスタ側の撮像装置から前記撮影指示信号を受信した際に自己の撮像手段に対して撮影指示を行う撮影指示応答手段を更に備え、
前記切り替え手段は、前記撮影指示応答手段による撮影指示直後に第1の省電力モードから第2の省電力モードへの切り替えを行う、
ことを特徴とする。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の撮像装置において、
前記スレーブ側として機能する当該撮像装置は、
前記インターバル撮影における前回の撮影終了直後から次回の撮影開始までの撮影待機の状態において低消費電力状態が異なる第1の省電力モードと第2の省電力モードとを切り替える切り替え手段と、
前記第2の省電力モードよりも低消費電力である第1の省電力モードに切り替えられている状態において、前記指定手段により指定された撮影間隔に対する待機時間を計測する時計回路部と、
前記第1の省電力モードへの切り替えによって装置本体への電源供給がオフされている状態において、前記時計回路部が待機間隔を計測した際に、装置本体への電源供給をオンして撮影可能な状態とする電源復帰手段と、
を備え、
前記撮影指示応答手段は、前記電源復帰手段によって装置本体への電源供給がオンされている状態で前記マスタ側の撮像装置から前記撮影指示信号を受信した際に自己の撮像手段に対して撮影指示を行う、
ことを特徴とする。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記指定手段により指定された撮影間隔を含む撮影パラメータを当該撮像装置に設定すると共に、前記通信手段から前記他の撮像装置に送信して撮影パラメータの設定を指示する設定制御手段を更に備える、
ことを特徴とする。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な複数台の撮像装置がマスタ・スレーブの関係で通信接続されて成る撮像システムであって、
前記複数台の撮像装置の中でマスタ側として機能する撮像装置は、
前記インターバル撮影における撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する撮影タイミング発生手段と、
前記撮影タイミング発生手段が撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を前記通信手段から他の撮像装置に送信することにより当該撮像装置と他の撮像装置とを同期させたインターバル撮影を制御する同時制御手段と、
を備え、
前記複数台の撮像装置の中でスレーブ側として機能する撮像装置は、
前記マスタ側の撮像装置から前記撮影指示信号の受信に同期して自己の撮像手段に撮影指示を行う撮影指示応答手段を備える、
ことを特徴とする撮像システム。
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、請求項10に記載の撮像システムにおいて、
前記複数台の撮像装置の中でマスタ側として機能する撮像装置とスレーブ側として機能する撮像装置を撮影毎に逐次変更する変更手段を更に備える、
ことを特徴とする。
(請求項15)
請求項15に記載の発明は、
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な撮像手段を備えた撮像装置における撮像方法であって、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する処理と、
前記指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する処理と、
前記撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を通信手段から他の撮像装置に送信することにより当該撮像装置と他の撮像装置とを同期させたインターバル撮影を制御する処理と、
を含むことを特徴とする撮像方法。
(請求項16)
請求項16に記載の発明は、
複数の撮影を所定の撮影間隔で逐次実行するインターバル撮影が可能な撮像手段を備えた撮像装置のコンピュータに対して、
前記インターバル撮影における撮影間隔を任意に指定する機能と、
前記指定された撮影間隔のタイミングで撮影指示信号を発生する機能と、
前記撮影指示信号を発生した際に、自己の撮像手段に撮影指示を行うと共に、前記撮影指示信号を通信手段から他の撮像装置に送信することにより当該撮像装置と他の撮像装置とを同期させたインターバル撮影を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0059】
1 制御部
2 電源部(二次電池)
3 記憶部
3a プログラムメモリ
3b ワークメモリ
3c インターバル撮影用のタイマ
4 操作部
6 撮像部
7 無線通信部
8 RTC(リアルタイムクロック)
A、B カメラ
図1
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図3
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図6
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図8
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図10