特許第6372806号(P6372806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6372806
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】落雷抑制型避雷針の接地装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/66 20060101AFI20180806BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   H01R4/66 C
   H01R43/00 D
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-247726(P2015-247726)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-112054(P2017-112054A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2017年11月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511019144
【氏名又は名称】株式会社落雷抑制システムズ
(73)【特許権者】
【識別番号】516353009
【氏名又は名称】エイトレント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】松本 敏男
(72)【発明者】
【氏名】石崎 誠
(72)【発明者】
【氏名】中塚 克敏
【審査官】 山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−059554(JP,A)
【文献】 特開2005−237069(JP,A)
【文献】 特開2003−151653(JP,A)
【文献】 特開昭58−080204(JP,A)
【文献】 特開2010−033739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/66
H01R 43/00
H02G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
落雷抑制型の避雷針に電気的に接続される接地装置であって、良電性材料によって形成され、地面に沿って敷設される長尺な接地電極と、前記接地電極全体を覆って設置され、所定高さを有する非導電性材料からなる被覆部材と、この被覆部材を貫通して設けられるとともに、前記接地電極を前記避雷針に電気的に接続する放電線とを備え、前記被覆部材が複数に分割されており、それぞれの被覆部材が前記接地電極上から撤去可能に構成されていることを特徴とする落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項2】
前記接地電極と前記地面とが接地抵抗軽減材によって電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項3】
前記接地抵抗軽減材が、前記接地電極と前記地面を覆って設けられる良電性材料で形成された金網であることを特徴とする請求項2に記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項4】
前記接地抵抗軽減材が、前記接地電極と前記地面とに散布される、良電性材料で形成された金属粉であることを特徴とする請求項2に記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項5】
前記接地抵抗軽減材が、前記接地電極と前記地面とに散布される、カーボン粉であることを特徴とする請求項2に記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項6】
前記接地抵抗軽減材が、前記接地電極と前記地面とに散布される、電解質系溶液であることを特徴とする請求項2に記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項7】
前記被覆部材の下方にシートが介装されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項8】
前記接地電極が10m以上の長さを有し、その中間位置に前記放電線が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項9】
前記被覆部材が、フレキシブルコンテナバックに軽石を詰め込んで形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れかに記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項10】
前記軽石が小分け袋に分割して詰め込まれ、この小分け袋とともに前記フレキシブルコンテナバックに詰め込まれていることを特徴とする請求項9に記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項11】
前記被覆部材の高さが0.5m以上に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れかに記載の落雷抑制型避雷針の接地装置。
【請求項12】
良電性材料によって形成され、地面に沿って敷設される長尺な接地電極と、前記接地電極全体を覆って設置され、所定高さを有する非導電性材料からなる複数の被覆部材と、この被覆部材を貫通して設けられるとともに、前記接地電極を落雷抑制型の避雷針に電気的に接続する放電線とによって構成された接地装置を、前記避雷針の設置現場に搬入し、この設置現場の地面上に前記接地電極を敷設するとともに、この接地電極と前記避雷針を前記放電線によって接続し、ついで、前記接地電極上に、前記被覆部材を順次載置して前記接地電極全体を覆うとともに、この接地電極を前記地面に圧接させて設置し、前記被覆部材を前記接地電極上から引き上げることにより、前記接地電極とともに撤去することを特徴とする落雷抑制型避雷針の接地装置の施工方法。
【請求項13】
請求項12に記載の施行方法によって施行された前記接地装置を取り囲んで複数のカラーコーンを設置するとともに、これらのカラーコーン間にコーンバーを掛け渡すことにより、前記接地装置回りに安全柵を形成することを特徴とする落雷抑制型避雷針の接地装置の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落雷抑制型避雷針に接続されて、落雷時のエネルギーを大地に流すようにした接地装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、落雷から建築物や人を保護するために、その保護領域の高所に突針型避雷針を設けるとともに、この突進型避雷針を、接地装置を介して大地に電気的に接続しておき、落雷時のエネルギーを前記突針型避雷針で受けて前記接地装置を経て大地へ流すことにより、この落雷時のエネルギーが前記建築部や人へ作用することを回避する方法が採られている。
【0003】
そして、前記接地装置は、落雷エネルギーを効率よく大地に放出するために、所定長さの接地電極を、地中の所定深さに埋設して設置することが推奨されている。
【0004】
しかしながら、このような接地装置にあっては、前記接地電極の設置に際して、埋設用の孔を所定深さ掘削するか、前記接地電極を所定深さに打ち込む作業が必要となる。
【0005】
これらの作業には、専用の土木機器を必要とするばかりでなく、前記接地装置を設置した後に移設を行なうことが不可能であり、その殆どが恒久的な設備として扱われている。
【0006】
一方、仮設設備や、特定の場所に限定されないイベント会場等に、避雷針を臨時に設置しなければならない場合がある。
【0007】
しかしながら、このような特殊な設置環境下では、恒久的な設備の設置を不許可とする場合が多く、設置許可が下りても、使用後に即座に撤去しなければならない場合が多い。
【0008】
そして、前記接地装置を撤去する際に、地中深く埋め込まれた接地電極を引き抜くには、相応の機器が必要となるばかりでなく、撤去後の原状復帰の作業も必要となる。
したがって、前記接地装置では、前述した特殊な設置環境に対応できない。
【0009】
このような不具合を解消するために、従来では、たとえば、特許文献1に示されるような技術が提案されている。
【0010】
この技術は、導電性を有する金網を舗装道路上に載置し、この金網に保湿体を載せ、さらに、この保湿体を加圧する蓋体を載せた構成となっている。
【0011】
したがって、この従来の技術では、前記金網や保湿体を、地面上に載せるだけで接地装置を設置し、また、前記金網や保湿体を地面から剥がすことにより接地装置を撤去することができる。
【0012】
このように、前述した従来の技術では、地面に何ら加工を施すことなく接地装置の施工を行ない、また、撤去時における原状復帰作業を不要にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−33739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、前述した従来の技術にあっては、設置や撤去を簡便に行なうことができるという利点を有する反面、次のような改善すべき問題点が残されている。
【0015】
すなわち、前記接地電極は、地面の表面に沿って設置され、かつ、この接地電極が保湿体によって覆われているのみであるから、前記接地電極が大気に近い状態に保持されている。
したがって、前記接地電極から大地へ流される電流が小さい場合にはさほど問題ではないが、前記接地電極が大地へ流すことのできる最大電流を超えた電流が流れた場合、その過剰電流が大地以外へ漏れてしまうといった問題点である。
【0016】
このような接地装置の問題点は、前述した突針型避雷針に限らず、雷雲に対し、この雷雲の電荷と同一の電荷を対峙させることにより落雷を抑制するようにした落雷抑制型避雷針(PDCE)においても同様に見られる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の落雷抑制型避雷針の接地装置は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、落雷抑制型の避雷針に電気的に接続される接地装置であって、良電性材料によって形成され、地面に沿って敷設される長尺な接地電極と、前記接地電極全体を覆って設置され、所定高さを有する非導電性材料からなる被覆部材と、この被覆部材を貫通して設けられるとともに、前記接地電極を前記避雷針に電気的に接続する放電線とによって構成されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成とすることにより、前記接地装置は、前記放電線が接続された前記接地電極を地面に沿って敷設した後に、この接地電極を覆って前記被覆部材を設置することによって、前記地面上に設置される。
【0019】
また、撤去する際には、前記被覆部材を取り外した後に、前記接地電極とともに回収することによって撤去することができる。
【0020】
このような設置と撤去に際して、前記地面に何ら手を加える必要がなく、設置現場に損傷を与えることはない。
すなわち、前記接地装置は、その敷設箇所に搬送車両によって搬入して設置し、また、使用後は搬送車両に積み込んで搬出することができる。
【0021】
したがって、前記避雷針等や接地装置を臨時に設置する場合にあっても、設置場所の制約を受けずに、簡便に設置および撤去を行なうことができ、その汎用性が高い。
【0022】
そして、前記接地装置を設置した状態において、前記接地電極が、非導電性材料からなる前記被覆部材によって覆われていることから、この被覆部材の高さを適宜設定することにより、前記接地電極を、実質的に地中深くに位置させたのと同等の状態とすることができる。
【0023】
これによって、前記接地電極に大きな電流が流れた場合にあっても、その電流を確実に大地へ流して、大気や近傍の施設への漏れ電流を抑制することができる。
【0024】
また、前記被覆部材の重量を調整することにより、前記接地電極と地面との接触圧を高め、これによって両者間の電気抵抗を軽減して、前記電流の大地へ流れを円滑にすることができる。
【0025】
一方、前記接地電極と前記地面とを接地抵抗軽減材によって電気的に接続することが好ましい。
【0026】
このような構成とすることにより、前記接地電極から大地への電流の流れを円滑にして、前記電流の大気や近傍の施設への漏れ電流を一層抑制することができる。
【0027】
そして、前記接地抵抗軽減材は、前記接地電極と前記地面を覆って設けられる良電性材料で形成された金網や、前記接地電極と前記地面とに散布される、良電性材料で形成された金属粉、あるいは、前記接地電極と前記地面とに散布される、カーボン粉等の固体を用いることができ、さらに、前記接地電極と前記地面とに散布される、電解質系溶液を用いることもできる。
【0028】
また、前記被覆部材の下方にシートを介装しておくこともできる。
このような構成とすることにより、前記接地電極と前記被覆部材との電気絶縁性を高めることができるとともに、接地装置の各構成部材の汚れを防止することができる。
【0029】
また、前記接地電極を10m以上の長さとし、その中間位置に前記放電線を接続することが好ましい。
【0030】
このような構成とすることにより、接地電極と地面との接触長さを確保して、両者間の接触抵抗を理想的なものとすることができる。
【0031】
また、前記被覆部材を、フレキシキブルコンテナバックに軽石を詰め込んで形成することができる。
【0032】
このような構成とすることにより、前記被覆部材の電気絶縁性を確保し、かつ、前記接地電極の埋め込み深さを確保しつつ、前記接地電極への押圧力を適切なものとすることができるとともに、前記被覆部材を取り扱いの容易な重量に調整することができる。
【0033】
そして、前記軽石を小分け袋に分割して詰め込み、この小分け袋とともに前記フレキシブルコンテナバックに詰め込むようにすることができる。
【0034】
このような構成とすることにより、前記小分け袋単体での重量を小さくすることができるので、前記フレキシブルコンテナバッグの設置や撤去に際して重機を用いることができない場合、前記小分け袋単位で取り扱うことにより、人手による作業を可能にする。
【0035】
さらに、前記被覆部材の高さを0.5m以上に形成しておくことにより、前記接地電極の大地に対する電流の放出を効率よく行なうことができる。
【0036】
一方、施行された前記接地装置を取り囲んで複数のカラーコーン(登録商標)を設置するとともに、これらのカラーコーン間にコーンバーを掛け渡すことにより、前記接地装置回りに安全柵を形成することが好ましい。
【0037】
このような構成とすることにより、前記接地電極の設置位置から人を遠ざけて、落雷時の人の安全性を確保することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の接地装置によれば、設置場所へ手を加えることなく設置することができるとともに、その撤去に際して設置場所の原状回復の作業を不要にしつつ、接地電極に流れる電流を大地に効率よく流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施形態を用いた避雷装置を示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態を示すもので、被覆部材の形成手順を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態を示すもので、設置手順を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態を示すもので、設置状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1において符号1は、本実施形態の接地装置が適用された避雷装置を示す。
前記避雷装置1は、落雷抑制型の避雷針2と、本実施形態に係わる接地装置3と、前記避雷針2と前記接地装置3とを電気的に接続する放電線4とによって構成されている。
また、この避雷装置1は、臨時に用いられ、随時、設置と撤去が可能な例について示してある。
【0041】
すなわち、前記避雷針2は、走行可能なクレーン5のジブ6の先端に装着されて、落雷から保護すべき領域の上方に位置させられている。
【0042】
前記放電線4は、前記避雷針2から前記ジブ6に沿い、前記クレーン5の停車位置近傍の地面L上まで引き回されている。
【0043】
前記接地装置3は、前記クレーン5の停車位置近傍の地面L上に設置されており、前記クレーン5から引き出された前記放電線4の一端が電気的に接続されている。
【0044】
前記接地装置3について詳述すれば、この接地装置3は、図3に示すように、良電性材料によって形成され、地面に沿って敷設される長尺な接地電極7と、前記接地電極7全体を覆って設置され、所定高さを有する非導電性材料からなる被覆部材8を備えており、前記接地電極7を前記避雷針2に前記放電線4によって電気的に接続することによって構成されている。
【0045】
本実施形態においては、前記接地電極7が、良電性材料で形成された金網9からなる接地抵抗軽減材によって覆われており、前記接地電極7が前記金網9とともに前記被覆部材8によって覆われている。
【0046】
前記接地電極7は10m以上の長さを有し、その中間位置において前記放電線4に電気的に接続されている。
これによって、接地電極に求められる形態である、2本の5mの接地電極が形成される。
【0047】
前記被覆部材8は、フレキシブルコンテナバッグ10に軽石(図示略)を詰め込んで構成され、縦方向と横方向のそれぞれの長さが約1mとされ、かつ、高さが0.5m以上となるように前記軽石が詰め込まれている。
これによって、前記被覆部材8によって前記接地電極7を覆った際に、前記被覆部材8を土壌と見なし、前記接地電極7を0.5mの深さに埋設した状態とすることができる。
【0048】
前記軽石は、前記被覆部材8に電気絶縁性を持たせるために用いているが、前記軽石を用いて電気絶縁性を確保する理由を以下に述べる。
【0049】
前記接地電極7は、本来地中に埋設されるものであるから、この接地電極7を覆う前記被覆部材8を、前記地中の成分である土や砂、あるいは、砂利を用いて形成することが好ましい。
【0050】
しかしながら、これらの材料を用いて、前記フレキシブルコンテナバッグ10を前述した寸法とした場合、その重量が約400kg以上となり、その取り扱いが容易でなくなる。
【0051】
これに対し、本実施形態のように前記軽石を用いた場合、この軽石の比重が0.7〜0.8であることから、前記被覆部材8の重量を280kg〜320kgに抑えて、その取り扱い作業の労力を軽減することができる。
【0052】
また、前記接地電極7を全面にわたって覆うためには、前記寸法の被覆部材8が12個必要となるが、その総重量が、土や砂、あるいは、砂利を用いた場合にあっては4.8tとなり、軽石を用いた場合にあっては最大3.84tとなる。
【0053】
後者の重量の範囲内であれば、一般的に使用される4t車両の使用が可能となる。
【0054】
一方、本実施形態においては、図2に示すように、前記軽石を小分け袋11に分割して詰め込み、この小分け袋11とともに前記フレキシブルコンテナバック10に詰め込むことによって前記被覆部材8を構成している。
【0055】
ここで、一つのフレキシブルコンテナバッグ10に対して前記小分け袋11を30個とした場合、必要量の前記軽石を詰め込むためには、前記小分け袋11の一つに約11kgの軽石を詰め込めばいい。
【0056】
このような構成にすると、トラックに、空の前記フレキシブルコンテナバッグ10と、軽石が詰め込まれた前記小分け袋11とを分けて積み込んで設置現場へ搬入することができる。
【0057】
そして、前記被覆部材8を形成するには、前記フレキシブルコンテナバッグ10を、前記接地電極7の所定位置においた状態で、このフレキシブルコンテナバッグ10内に、前記小分け袋11を順次詰めていく。
【0058】
この作業において、前記小分け袋11は前述したように約11kgと比較的軽く、人手による取り扱いが可能な重量である。
【0059】
したがって、設置現場で吊り上げ装置等の使用ができない場合等において、人手によって前記被覆部材8を形成することができ、また、その撤去も人手によって行なうことができる。
【0060】
ついで、このように構成された本実施形態の接地装置3を設置する施行方法について説明する。
【0061】
まず、前記避雷針2を前記クレーン5によって所定位置に位置させるとともに、前記避雷針2に接続されている前記放電線4を接地位置まで取り回しておく、
【0062】
ついで、前記接地電極7を地表(コンクリート面も含む)に、図3に示すように直線状に敷設した後に、この接地電極7を覆って前記金網9を設置し、さらに、前記接地電極7の中間に前記放電線4を接続する。
【0063】
これより、前記金網9を覆うようにして、前記被覆部材8を前記接地電極7の長さ方向に順次載置することにより、この被覆部材8によって、前記接地電極7を前記金網9とともに覆う。
【0064】
ここで、前記放電線4は、前記接地電極7の長さ方向の中間位置において、前記被覆部材8どうしの対向面間から上方へ引き出されている。
【0065】
前述した手順によって、図4で示すように、本実施形態の接地装置3が施行される。
そして、施工後において、前記放電線4によって前記接地電極7が2分されることにより、2本の5mの接地電極が形成されるとともに、前記被覆部材8によって、前記接地電極7が、0.5mの地中に埋設されたのと同様の状態となされる。
【0066】
また、前記被覆部材8の重量によって、前記金網9および前記接地電極7が地表に押し付けられて、この地表との接触が十分に行なわれる。
これによって、前記接地電極7および前記金網9の接地抵抗が低減される。
【0067】
このように接地された本実施形態の接地装置3は、前記接地電極7が、理想的な構成および設置状態となされていることにより、落雷時のエネルギーを効率よく大地へ流すことができる。
【0068】
したがって、前記接地装置3以外への漏れ電流の発生を防止して、落雷から周囲を保護することができる。
【0069】
さらに、図4に示すように、前記接地装置3を取り囲んで多数のカラーコーン12を設置するとともに、これらのカラーコーン12間をコーンバー13によって連結することにより、前記接地装置3回りに安全柵を形成しておく。
【0070】
そして、前記カラーコーン12は、前記被覆部材8から1m以上離して設置すればよい。
これによって、落雷に対する安全性をさらに高めることができる。
【0071】
一方、前記接地装置3の撤去は、前述した設置の手順と逆の手順によって行なわれる。
【0072】
このように、本実施形態に係わる接地装置3によれば、その設置や撤去の作業が、各構成部材の上げ下ろしだけで行なうことができ、その作業を簡便かつ迅速に行なうことができる。
しかも地面を損傷させてしまうこともない。
【0073】
さらに、前述したように設置および撤去が簡便かつ迅速に行なえることから、設置位置の変更にも迅速に対応することができる。
【0074】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求あるいは設置現場の状況等に基づき種々変更可能である。
【0075】
たとえば、前記接地抵抗軽減材を、前記接地電極と前記地面とに散布される、良電性材料で形成された金属粉若しくはカーボン粉とすることも可能であり、電解質系溶液を用いることも可能である。
【0076】
そして、特に、前記電解質系溶液を用いる場合、前記接地装置3の設置面が濡れてしまうため、前記被覆部材8の下方にシートを介装して、前記被覆部材8が汚れてしまうことを防止することが好ましい。
【符号の説明】
【0077】
1 避雷装置
2 (落雷抑制型の)避雷針
3 接地装置
4 放電線
5 クレーン
6 ジブ
7 接地電極
8 被覆部材
9 金網(接地抵抗軽減材)
10 フレキシブルコンテナバッグ
11 小分け袋
12 カラーコーン
13 コーンバー

図1
図2
図3
図4