(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射表面が、約2マイクロメートル〜最大約20マイクロメートルの赤外スペクトルの垂直入射において少なくとも98%の反射率を有する、請求項3または4に記載の全黒鉛製ベアリング。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書における本発明の記述において、暗黙的または明示的に理解されない限り、または別途言明されない限り、単数形で表現される単語がその複数形を含み、複数形で表現される単語がその単数形を含むことを理解されたい。さらに、本明細書に記述するいかなる所与の構成要素または実施形態についても、その構成要素について記載された可能な候補または代替物のいずれも、暗黙的または明示的に理解されない限り、または別途言明されない限り、一般に個別にまたは互いに組み合わせて使用可能であることを理解されたい。さらに、本明細書に示す図面が必ずしも原寸に比例して描かれているわけではなく、いくつかの要素が単に本発明を明確にすべく描かれてもよいことを理解されたい。また、同等または類似の要素を示すために参照番号が複数の図面を通して繰り返される場合がある。また、そのような候補または代替物のリストはいずれも、単に説明用であって、暗黙的または明示的に理解されない限り、または別途言明されない限り、限定的ではないことを理解されたい。加えて、別途指示しない限り、本明細書および請求項で用いる含有物の量、組成、反応条件等を表す数値は、用語「約」によって修飾されているものとして理解されたい。
【0008】
従って、そうでない旨が示されていない限り、本明細書および添付の請求項に記述する数値パラメータは、本明細書に提示する主題により得ることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限、且つ均等論の適用を特許請求の範囲に限定することを意図しないよう、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効数字の桁数を考慮して、且つ、通常の丸め技術を適用することにより解釈されなければならない。本明細書に提示する主題の広い範囲を記述する数値範囲およびパラメータは近似値であるものの、特定の例に記述する数値は可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も、それらの個々の試験測定で得られた標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を必然的に含んでいる。
【0009】
上述のように、「INTERFEROMETER HAVING A GLASS GRAPHITE BEARING」という名称の、John M.Coffinに対して1999年4月20日に発行された米国特許第5,896,197号明細書は、固定中空ガラスシリンダと、ガラスシリンダの穴の中に摺動可能に配置された黒鉛部材を利用する可動アセンブリとを含むベアリングを取り入れた。同じく上述のように、そのようなアセンブリは、一部の態様において有益であるが、それにもかかわらず製造および信頼性において固有の問題をもたらした。本構成例は、これ以降本明細書で詳細に考察されるような全黒鉛製ベアリングの組み合わせを使用することによって、そのような問題を克服する。
【0010】
図面を参照すると、
図1ならびに
図2Aおよび
図2Bは、新規の移動干渉計全黒鉛製ベアリングアセンブリのそのような実施形態の例を示す。
図1は特に、全体的に番号100で参照される、限定しないがマイケルソン干渉計など、干渉計の例の断面図を示し、これは剛性基部1を有し、そこにビームスプリッタ2、固定ミラー3、入射光用の第1導管4、および出射光用の第2導管5が取り付けられている。ビームスプリッタ2、固定ミラー3、ならびに導管4および5は、従来のマイケルソン干渉計の設計に従って構成および配置される。
【0011】
動作の一般原理として、放射源(不図示)からの赤外放射の入射ビームが第1導管4を通して向けられ、ビームスプリッタ2に受け取られる。その後固定ミラー3が第1ビームを固定長光路を介してビームスプリッタ2から受け取って戻す。以下で考察される可動アセンブリの一部としての調整可能な平面ミラーが、第2ビームを可変長光路を介してビームスプリッタ2から受け取って戻す。ビームスプリッタ2と調整可能な平面ミラーとの間の第2ビームの光路長さは、第1および第2ビームの間に光路差をもたらすように、1つまたは複数の制御機器(不図示)によって作り出される。ビームはビームスプリッタ2で組み合わせられ、合成インターフェログラムを計測可能にするため、第2導管を通して向けられる。しかしながら、本考察はマイケルソン構成を対象とするが、本明細書に開示される黒鉛ベアリング構成は、当業者に知られる他の光学/機械的機器でも使用可能であり、組み合わせによって提供される有益な態様から利益を得ることが望ましいことは理解されよう。
【0012】
図1の特定実施形態では、剛性干渉計基部1(実線によっても示される)は一体形成された中空円筒6の部分を有し、中空円筒6部分は、全体的に参照番号10で示される可動ミラーアセンブリを受け入れるように構成される。基部1自体はしばしば固体材料であり、固体材料は望ましくは鋳鉄または鋼などの合金鉄または炭素合金から構成される。固定中空黒鉛管7は、中心軸8を有する円筒スリーブ6部分の内径に固定式に結合される。黒鉛管7(実線および点線で示される黒鉛材料)の穴の中に同軸に配置されるのは可動ミラーアセンブリ10であり、可動ミラーアセンブリ10は黒鉛管7の軸8に平行な経路に沿って滑ることができ、および本明細書に開示される黒鉛ピストン実施形態との組み合わせにおいてベアリング表面として作動する。同じく示されるのは、受動または能動的磁性回転防止システム71であり、これは磁性手段73と、安定のため回転軸と実質的に平行に且つ可動ミラーアセンブリ10から所定の半径方向距離に位置付けられた固定案内レール75でしばしば構成される。
【0013】
可動ミラーアセンブリ10は、
図2Aと、読者に3次元斜視図を示す
図2Bとに詳細に示され、第1黒鉛ピストン11および第2黒鉛ピストン11’を含み、そのそれぞれはカップ状である。第1黒鉛ピストン11は閉鎖端部12および開放端部13を有する。対照的に、第2黒鉛ピストン11’は開放端部15だけを有し、開放端部15は、限定しないが
図1に示されるようなコイル支持管35に結合された移動コイル13などの移動手段を受け入れるように構成される。
【0014】
図1の移動手段は、米国特許第5,896,197号明細書に開示された実施形態のいずれかを含むことができ、且つ上に記載されるように、その全体が参照により組み込まれることに留意されたい。特に、本出願に関して、コイル支持管35は、アルミニウム、E.I.du Pontから入手可能なカプトン(KAPTON)、ノーメックス(Nomex)(登録商標)から構成可能である。エポキシまたは同様の接着剤を使用してコイル支持管35を黒鉛ピストン11の端部に固定することができる。
【0015】
参照番号13で示されるコイルに関して、それはしばしば伝導性ワイヤのコイルであるか、しばしばコイル支持管35の外側部分の周りに巻かれたボイスコイルである。コイル13(すなわちボイスコイル)は、コイル支持管35の全長にわたって構成可能であるが、しばしば所望のストローク長さよりわずかに長い長さにわたってのみ延在する。例えば、所望のストローク長さが約2インチである場合、ボイスコイル13はコイル支持管35の約2.25〜2.60インチにわたって延在するはずである。リードワイヤ(不図示)がボイスコイルを発電源(不図示)に結合する。
【0016】
ボイスコイル13は、干渉計の作動の間、磁石アセンブリ(不図示)によって発生される設計された磁束界の内側にその少なくとも一部が存在するような長さで構成されることが好ましい。ボイスコイル13がそれを通って流れる電流を有し且つ磁束界の内側に存在するとき、電磁力が発生し、可動ミラーアセンブリ10全体を黒鉛管7の軸8に沿って導く。
【0017】
図2Aおよび
図2Bに戻ると、第1ピストン11は、組み立てる間取り扱いを容易にするように構成された開口25をしばしば有する。第1黒鉛ピストン11の閉鎖端部12と一体形成されたスペーサ部分16が示され、さらに第2黒鉛ピストン11’と一体形成されている。スペーサ部分16は従って、管7ならびに第1ピストン11および第2ピストン11’の製造(例えば機械加工またはモールディング)において使用される同じ黒鉛材料(例えば、実線および点線で示される、15マイクロメートル未満の粒径で構成されるが、より頻繁に2マイクロメートル〜約5マイクロメートルの粒径で構成される黒鉛)のものである。
【0018】
図1に示されるようなミラー17の外周表面の一部は、しばしば、支持のため第1黒鉛ピストン11の開放端部13において壁の内面に対して面一に構成され、および位置決めのためストッパ、例えば
図2Aに示される13’のような窪みによって提供される。しばしばミラーはエポキシなどの接着剤によって第1黒鉛ピストン11に結合される。ミラー17は構成において特に平坦であり、且つ紫外線(UV)から遠赤外線(遠IR)までにおいて有用であるが好ましくは約2マイクロメートル〜最大約20マイクロメートルの赤外スペクトルにおいて有用である、垂直入射において少なくとも98%の反射率を有する一体表面によって構成される。反射表面自体は、限定しないがアルミニウム、銀、銅またはニッケル、しかしより頻繁に金の蒸着(例えば電解、真空蒸着)など、当技術分野で周知のいずれかの手段を介して適用可能である。代替として、結果として得られるミラー表面で受け取られる所定の波長に対して少なくとも99.999%まで反射率を上げるために、広帯域または狭帯域多層コーティングを(例えば真空蒸着またはスパッタリングを介して)適用可能である。さらに、全体設計の頑丈性を向上させるために、最終仕上げ前、必要に応じて(しかし必須ではなく)、保護用オーバーコート材料(例えば酸化アルミニウム(AlO
2)、酸化ケイ素(SiO
2)またはフッ化マグネシウム(MgF
2))を加えることもできる。
【0019】
ミラー17は第1黒鉛ピストン11に結合されているため、アセンブリ10が移動するとき、ミラー17は黒鉛管7の軸8に一致する線に沿ってビームスプリッタ2に対して移動することは明白である。
【0020】
その外側表面が必要に応じてベアリング面として動作可能な第1および第2黒鉛ピストン11および11’は、しばしば代わりにしかし必ずではなく、それぞれベアリング表面18および19を有し、それらは黒鉛管7の内側表面20に対向している。反対に、スペーサ部分16の外側表面は黒鉛管7の内側表面20と接触しない。従って設計の一部として、アセンブリ10はより頻繁に、ベアリング表面18および19を介して黒鉛管7に支持され且つその中を滑る。
【0021】
ガラス/黒鉛の組み合わせを使用する米国特許第5,896,197号明細書に開示される構成と対照的に、ベアリング表面の構成において全黒鉛材料、特に約2マイクロメートル〜最大約5マイクロメートルの粒径をしばしば有する黒鉛を使用することにより、黒鉛管7内でのアセンブリ10の摺動が、非常に滑らかに動作することが可能になる。組み立てにおいて約2マイクロメートル〜最大約5マイクロメートルの粒径をしばしば有する黒鉛を使用する第2の利点は、従って、本明細書において前記した、管がガラスであることに基づく不完全性の問題を排除する、例えば、干渉計の最終組み立て作業の間、傾きおよびドライブジッターを増大させた不一致をもたらした手動による部品の取付けを排除する。さらに、仕様を設計すべくおよびそのような組み合わされる材料の有益な固有の特性に基づき好ましい材料を製造する能力はまた、黒鉛ピストンの摩擦の蓄積の軽減を有利にもたらす。この態様の結果、より低い駆動電圧が適用され、一方でまた、清掃のためのシステム停止時間が減少する。換言すると、本明細書に開示される全黒鉛製ベアリングアセンブリは、多大な費用削減を実現する。
【0022】
黒鉛は特に、当業者に知られるように、自然に自己潤滑性であり、ベアリングとして使用されるとき摩擦を低減するための追加の流体を必要とせず、また極限温度耐性を有し、最高5000°Fの温度においてさえその構成および形状を維持することができる。さらに、黒鉛は熱衝撃の結果として損傷を受けにくい。ベアリングの表面をさらに滑らかにし且つ延長された使用時に起こり得る問題を防止するために、黒鉛材料の組み込みを介して製造されたベアリングは、限定しないが、空隙率を低減するために樹脂を含浸させ、従ってさらに内側摩耗および亀裂を受けにくくするなど、後処理のための二次作業にかけることもできる。いくつかの場合、圧縮強度を改善するために金属合金を添加可能である。
【0023】
様々な等級の材料(例えば黒鉛の等級)を用いて製造された部品の初期結果は、いくぶん延長された試験的使用の間、高い粒子計数(すなわち粉塵)および金属マーキングおよび表面界面の亀裂の紛れもない望ましくない兆候を示す。しかしながら、さらなる試験分析、機械加工プロセスの間のより良い機械設備を通して、および好ましい黒鉛材料、すなわち非発塵性黒鉛(例えば、約2マイクロメートル〜最大約5マイクロメートルの粒径、約1.8g/cm
3の密度、約57MPa〜最大約86MPaの曲げ強度、および5.5×10
-6/℃〜最大約7.5×10
-6/℃の熱膨張係数(CTE)をしばしば有する黒鉛)の組み込みを介して、使用中の粉塵粒子および管7の亀裂は軽減される。特により高い密度およびより微細な粒径を有するそのような黒鉛材料は、本明細書の実施形態に対してより長い備品寿命を提供し、およびまたそのような材料は優れた曲げ強度と、本出願の実施形態で使用されるときなど、摩耗的用途において浸食に対するはるかにより優れた抵抗を可能にするより高い硬度とを有する。しかしながら、そのような材料は本明細書に示されるアセンブリで好ましいことが分かっているが、その一方、本発明の仕様に従うことができる場合、他の材料をなおも使用できる(例えば、炭素、炭素/黒鉛、合金、黒鉛合金、異なる等級の黒鉛等)ことも理解されたい。いずれの場合においても望ましい効果は、本明細書に開示されるベアリングの、例えばモールディングおよび/または機械加工を介した製造が、移動の間摩耗のない寸法的に安定した界面を提供できることである。
【0024】
本出願において、本明細書に開示される好ましい黒鉛材料を使用すると、黒鉛ベアリング表面18および19と、黒鉛管7の内側表面20との間の隙間は非常に小さく、例えば約0.001〜0.007インチ内になることができるが、同様に重要なことに、そのような設計仕様の隙間は、上に記載した現在の製造プロセスに基づき、および選択され組み合わせられた黒鉛材料のために、確実に適合させることができる。この小さな隙間および空気粘度は、黒鉛/黒鉛ベアリングの剛性を高めるためのさらなる支持体として作用する空気を捕らえる一助となる。注目すべき点は、本明細書に開示されるような全ての非発塵性黒鉛ベアリングが部品およびバッチ間に向上した一貫性を提供し、部品のセットを適合させることを実質的に排除し、2つ以上の供給業者を有する能力を可能にし(すなわち、もはやその技術に不可欠な単一の部品供給源に制限されない)、および以下で考察されるようなより寛容な浮上強度を可能にすることである。
【0025】
さらに、本明細書に開示される実施形態にそのような有益な材料を使用すると、および正確な機械加工およびモールディング手段の能力のために、黒鉛管7およびアセンブリ10の寸法は、所望のストローク長さを得るために選択可能であり、それは干渉計の分解能に直接比例する。有利には、黒鉛管7の長さは最大約5インチであり、黒鉛ピストンの開放端部13および15から測定された可動アセンブリ10の長さは約3インチであり、黒鉛管7の穴の直径は最大約1.75インチであり、約2.07インチの外径を有し、開放端部13および15の内径はそれぞれ約1.43および1.53インチである。そのような仕様を使用することは、約2インチのストローク長さを提供するが、それら仕様は所望の機器に整合できる任意のストローク長さを含むように変更可能であることに留意されたい。
【0026】
アセンブリ10はまた、
図2Aに示されるような持上げ磁石21を含むことができ、これはスペーサ部分16の外側表面に配置される。所望のおよび意外な結果として、米国特許第5,896,197号明細書に開示されるものより軽量である全黒鉛製の材料構成の使用のため、持上げ磁石21は、移動の補助に役立つようにアセンブリの重心のより近くに配置可能である。詳細には、可動アセンブリ10が水平位置にあるように干渉計が使用される場合、スペーサ部分16の上側部分に置かれた持上げ磁石21と干渉計中空円筒6部分の金属との間の引力は、米国特許第5,896,197号明細書に開示されるものより(すなわち、持上げ磁石がアセンブリ10の重心に置かれることにより)アセンブリ10の移動をより良く補助する。そのような構成は、アセンブリ10と黒鉛管7の下半分との間の摩擦抵抗を部分的に緩和する。最終的な結果は、それが、磁性結合のため、浮上強度の選択を上に記載したようにより寛容にすることである。この利点は、米国特許第5,896,197号明細書に開示された以前の設計から特に重要であり、なぜなら、持上げ磁石21と干渉計ブロックスリーブ6との間の引力の大きさはアセンブリ10の移動と不利に干渉してはならないためである。
【0027】
本出願の別の有利な実施形態の例として、
図3はマイケルソン干渉計を示し、ここでは参照番号300によって全体的に示される。従って
図3は、
図1と同様に、ビームスプリッタ302、固定ミラー303、入射光用の第1導管304、および出射光用の第2導管305を示すが、
図1と対照的に可動ミラーアセンブリ310の一部として一体の新規に構成されたミラー表面317を示し、これは以下で詳細に考察される。
図1の実施形態の例の考察において上に記載したように、考察はマイケルソン構成を対象とするが、本明細書に開示される黒鉛ベアリング構成は、当業者に知られる他の光学/機械的機器でも使用可能であり、組み合わせによって提供される有益な態様から利益を得ることが望ましいことは理解されよう。
【0028】
図3の特定実施形態において、干渉計基部301(実線によっても示される)はここでも、一体形成された中空円筒306部分を有するように示され、中空円筒306部分は、全体的に参照番号310で示される可動ミラーアセンブリを受け入れるように構成される。基部301は、前記のように、しばしば固体材料であり、固体材料は望ましくは鋳鉄または鋼などの合金鉄または炭素合金から構成される。本明細書に開示される
図1の実施形態の例のものと同様、好ましくは、前記のように、約2マイクロメートル〜最大約5マイクロメートルの粒径、約1.8g/cm
3の密度、約57MPa〜最大約86MPaの曲げ強度、および5.5×10
-6/℃〜最大約7.5×10
-6/℃の熱膨張係数(CTE)を有する黒鉛から作製された固定中空黒鉛管307が、中心軸308を有する円筒スリーブ306部分の内径に結合される。黒鉛管307(実線および点線で示される黒鉛材料)の穴の中に同軸に配置されるのは、可動ミラーアセンブリ310であり、可動ミラーアセンブリ310は黒鉛管307の軸308に平行な経路に沿って滑ることができ、
図3に開示される黒鉛ピストン実施形態との組み合わせにおいてベアリング表面として作動する。
【0029】
詳細には、アセンブリ310は黒鉛ピストン325を含み、黒鉛ピストン325は同じく約2マイクロメートル〜最大約5マイクロメートルの粒径、約1.8g/cm
3の密度、約57MPa〜最大約86MPaの曲げ強度、および5.5×10
-6/℃〜最大約7.5×10
-6/℃の熱膨張係数(CTE)をしばしば有する黒鉛であり、カップ状である。黒鉛ピストン325はベアリング表面318、319を有し、それらは黒鉛管307の内側表面327に結合する。ベアリング表面318、319は、
図1のものと同様、リングとして、好ましくはピストン325の端部にまたはその近くに形成可能である。黒鉛ピストン325と一体に形成されたスペーサ部分316がここでも示され、前記のように、スペーサ部分316の外側表面は黒鉛管307の内側表面と接触しない。従って、この設計例の一部として、アセンブリ310はベアリング表面318および319を介して黒鉛管307によってさらに頻繁に支持され、且つその中を滑る。同じく
図1で考察された実施形態と同様、スペーサ部分316は、管307、および当然この例において、モノリシックな一体部分であることから黒鉛ピストン325の製造(例えば機械加工またはモールディング)に使用される同じ黒鉛材料(例えば、約2マイクロメートル〜最大約5マイクロメートルの粒径、約1.8g/cm
3の密度、約57MPa〜最大約86MPaの曲げ強度、および5.5×10
-6/℃〜最大約7.5×10
-6/℃の熱膨張係数(CTE)をしばしば有する、実線および点線で示される黒鉛)のものである。同じく示されるのは、受動または能動的磁性回転防止システム373であり、これは磁性手段373と、安定のため回転軸と実質的に平行に且つミラーアセンブリ310から所定の半径方向距離に位置付けられた固定案内レール375とでしばしば構成される。
【0030】
図3に示される可動ミラーアセンブリ310は、
図4Aでさらに詳細に示され、
図4Bはここでも読者に3次元斜視図を示す。具体的には
図4Aおよび4Bは、黒鉛ピストン325のカップ状構成、リングとして形成されたベアリング表面318、319、平坦な反射表面を提供するような表面粗さで構成された平坦端部313、ならびに限定しないがコイル支持管335に結合された移動コイル313などの移動手段を受け入れるように構成された開放端部315、および
図3に示されるような取り扱いを補助するための開口345の詳細を示す。
図1の構成と同様、伝導性ワイヤのコイルまたはボイスコイル313が従ってコイル支持管335の外側部分の周りに巻かれる。ボイスコイル313は、コイル支持管335の全長にわたって構成可能であるが、しばしば所望のストローク長さよりわずかに長い長さにわたってのみ延在する。ここでもリードワイヤ(不図示)がボイスコイルを発電源(不図示)に結合する。
【0031】
同じく
図1の構成と同様、ボイスコイル313は、干渉計が作動する間、磁石アセンブリ(不図示)によって発生される設計された磁束界の内側にその少なくとも一部が存在するような長さで構成されることが好ましい。ボイスコイル313がそれを通って流れる電流を有し且つ磁束界の内側に存在するとき、電磁力が発生し、可動ミラーアセンブリ310全体を黒鉛管307の軸308に沿って導く。
【0032】
黒鉛ピストン325自体に関して、
図4Aに詳細に示されるような平坦端部313の外側表面は、上に記載したように、前記のように紫外線(UV)から遠赤外線(遠IR)までにおいて有用であるが好ましくは約2マイクロメートル〜最大約20マイクロメートルの赤外スペクトルにおいて有用である、垂直入射において少なくとも98%の、
図4Bに詳細に示されるような反射コーティング317を受け取るように構成された表面粗さで設計される。反射表面自体はしばしば、アルミニウム、銀、銅、またはニッケル、しかしより頻繁に金などの材料の蒸着(例えば、電解、真空蒸着)を介して平坦表面313に適用された最大約2500オングストロームの蒸着コーティングである。代替として、結果として得られるミラー表面で受け取られる所定の波長に対して少なくとも99.999%まで反射率を同じく上げるために、広帯域または狭帯域多層コーティングを(例えば真空蒸着またはスパッタリングを介して)適用可能である。さらに、全体設計の頑丈性を向上させるために、最終仕上げ前、必要に応じて保護用オーバーコート材料(例えば酸化アルミニウム(AlO
2)、酸化ケイ素(SiO
2)またはフッ化マグネシウム(MgF
2))を加えることもできる。
【0033】
図4Aに示されるような持上げ磁石321がスペーサ部分316の外側表面に望ましくは配置され、移動の補助に役立つようにアセンブリの重心のより近くに位置付けられる。この構成において、
図1のものと実質的に同様の全黒鉛製の材料構成を用いるため、およびミラー317は黒鉛ピストン325に結合された追加ミラー基板の代わりに黒鉛ピストン325の表面313への蒸着コーティングであるため、この構成は
図1の構造よりさらに軽量であり、従って作動時のはるかにより優れたシステム安定性(例えばより少ないジッター)を提供し、および持上げ磁石構成はさらにより寛容であることができる。
【0034】
前記のように、可動アセンブリ310が水平位置にあるように干渉計が使用される場合、スペーサ部分316の上側部分に置かれた持上げ磁石321と干渉計中空円筒306部分の金属との間の引力は、アセンブリ310と黒鉛管307の下半分との間の摩擦抵抗を部分的に緩和することによって、米国特許第5,896,197号明細書に開示されるものよりアセンブリ310の移動をより良く補助する。いずれの場合も、前記のように、アセンブリ310が移動するとき、ミラー317は黒鉛管307の軸308に一致する線に沿ってビームスプリッタ302に対して移動する。
【0035】
同じく最初に記載した実施形態と同様、黒鉛管307および黒鉛ピストン325は任意の所望の長さを有することができるが、好ましくは黒鉛管307は約5インチの長さであり、黒鉛ピストン325は約3インチの長さである。黒鉛/黒鉛ベアリングが接触するため、黒鉛管307内でのアセンブリ310の摺動は非常に滑らかに行われ、その利点は上で同様に詳述されているとおりである。
【0036】
本明細書に開示される実施形態の例による全黒鉛製ベアリングアセンブリは、垂直または水平干渉計アセンブリで使用可能である。用語「垂直」および「水平」は、重力に関する移動ミラーの移動の方向の関係を指す。全黒鉛製ベアリングの利点は、米国特許第5,896,197号明細書に開示されるものに対してはるかにより軽量の可動ミラーアセンブリを提供し、より安価でより小型の垂直干渉計を可能にすることである。垂直干渉計は水平干渉計と比較していくつかの利点を有する。線形ボイスコイルモータは、可動ミラーの重さを磁気的に懸吊し、その結果、全黒鉛製ベアリングには事実上静的な荷重が置かれず、従って摩擦を低減する。さらに、可動ミラーアセンブリの質量の中心の垂直移動は、ベアリングシステムの静的荷重に影響を及ぼさない。水平干渉計では、可動ミラーの重さは、質量中心が移動するとき、ベアリングシステムを曲げ、それによりミラーの傾きを引き起こす。
【0037】
本実施形態の例による全黒鉛製ベアリングは、水平干渉計で使用されることも可能である。水平のとき、全黒鉛製ベアリングは、ベアリング表面に沿って固有の摩擦量を有し、正確なステップスキャンデータ収集を実行する単純な方法を提供する。可動ミラーアセンブリの駆動手段が停止されると、摩擦が可動ミラーを数ミリ秒で停止し、従来の能動的ステップスキャン干渉計は複雑な二次制御システムなしに達成できない一定程度の正確性でそれを保持する。狭いベアリング隙間内の捕捉された空気が減衰効果を提供し、減衰効果はさらに可動ミラーアセンブリの停止に寄与する。さらに、この減衰により干渉計は外部振動の影響を受けにくくなる。
【0038】
米国特許第5,896,197号明細書に開示される構成と同様、および参照によりその全体が組み込まれるように、受動的または能動的磁気回転防止システム(
図1および
図3で参照番号71および371で全体的に示される)を、ミラーの回転(例えば
図1のミラー17または
図3のミラー317の回転)を制限するために組み込むことができることを認識されたい。
【0039】
図1および
図3に示されるような実施形態の例は、コンピュータまたはプロセッサ(不図示)を介してしばしば操作され、コンピュータまたはプロセッサは当業者に知られるような専用デジタルコンピュータまたはデジタル信号プロセッサであり得ることが最後に注記される。またコンピュータ(不図示)は、1つまたは複数の他の分析機器、ならびにディスプレイスクリーン、プリンタ等などの出力装置および/またはキーボード、インターネット接続装置等などの1つまたは複数の入力装置にしばしば電子的に結合される。
【0040】
従って、結合されたコンピュータまたはプロセッサは、全黒鉛製移動ミラーアセンブリ、例えば
図1に示されるようなアセンブリ10の制御を、本明細書に開示される干渉計実施形態とともに作動するように組み込み可能な他のいずれかの光学要素(例えば他の反射体、センサ、放射源等)と連動して調整することができる。機械可読媒体(例えばコンピュータ可読媒体)に提供且つ記憶されているように、指示を実行することもできる。コンピュータ可読媒体は、本発明の態様によれば、機械/コンピュータによって読出し(すなわち走査/感知)可能であり且つ機械の/コンピュータのハードウェアおよび/またはソフトウェアによって読取り可能な形態で提供された情報をエンコードした、当業者に知られ且つ理解されている媒体を指す。具体的には、コンピュータ可読媒体は、限定しないがローカルハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMまたはDVD、RAM、ROM、USBメモリデバイス、および当業者に知られ且つ理解されているいずれかのリモートメモリ記憶装置などのローカルまたはリモートメモリ記憶装置をしばしば含むことができる。
【0041】
本明細書の各種実施形態に関して記述している特徴は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、任意の組み合わせで混在および適合できることを理解されたい。異なる実施形態を選択して例示および詳述してきたが、これらは例示的であり、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、各種の代替形態および変更形態が可能であることを理解されたい。