(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外側面に照明光源が固定される良熱伝導性部材よりなる光源支持台を設け、該光源支持台の照明光源と反対側の内側面が、前記流通路の内壁面を構成してなる請求項1記載の空気清浄化装置。
前記光源支持台の前記内側面に、良熱伝導性部材よりなるヒートシンク部材を突設し、前記流通路を通る強制空流に対してヒートシンク部材を介して光源支持台の熱が放熱される請求項4記載の空気清浄化装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、熱の問題を解決でき、同時に空気清浄手段を効率よく機能させることができる照明兼空気清浄化装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題解決のために、照明光源が取り付けられる筐体に吸/排気口を設け、筐体内に、前記吸/排気口を通じて筐体内外に強制空流を発生させ、これにより前記照明光源から生じた熱を筐体外部に排熱させるファンを設け、前記筐体内の前記強制空流の流通路途中に、空気清浄手段を設けてなることを特徴とする空気清浄化装置を構成した。
【0007】
ここで、外側面に照明光源が固定される良熱伝導性部材よりなる光源支持台を設け、該光源支持台の照明光源と反対側の内側面が、前記流通路の内壁面を構成してなるものが好ましい。
【0008】
また、前記光源支持台の前記内側面に、良熱伝導性部材よりなるヒートシンク部材を突設し、前記流通路を通る強制空流に対してヒートシンク部材を介して光源支持台の熱が放熱されるものが好ましい。
【0009】
更に、照明光源が、照明用LEDよりなるものが好ましい。
【0010】
また、空気清浄手段として、前記流通路に臨む光触媒、及び該光触媒に紫外線を含む光を照射するUV光源を設けてなるものが好ましい。
【0011】
特に、前記UV光源を光源支持台の前記内側面又は前記ヒートシンク部材に固定してなるものが好ましい。
【0012】
更に、前記UV光源が、紫外線LEDよりなるものが好ましい。
【0013】
また、空気清浄手段として、電極間に高電圧を印加する放電によりイオン又はラジカルの活性種を生成する手段を設けてなるものも好ましい。
【0014】
また、外部から電源供給される口金を有する電球型であるものが好ましい。
【0015】
また本発明は、他から区画される空間であって人若しくは動物の活動空間又は物の収納空間に臨む内面に、上述の空気清浄化装置を単又は複数配設し、前記空気清浄化装置により、内部空間を照明するとともに、内部空間の空気を前記強制空流として前記筐体内部に取り込み、流通路途中の前記空気清浄手段によって清浄化して筐体外部に排出することにより内部空間の空気を清浄化することを特徴とする空気清浄化方法をも提供する。
【0016】
ここで、前記空気清浄化装置が外部から電源供給される口金を有する電球型であり、前記収納空間に臨む内面に、前記口金を通じて前記空気清浄化装置が着脱可能に取り付けられ、且つ取り付けられた前記空気清浄化装置に対して電源供給を行うソケットを設け、該電源供給により前記空気清浄化装置の照明光源、ファン及び空気清浄手段を動作させることが好ましい。
【0017】
また本発明は、他から区画される空間であって人若しくは動物の活動空間又は物の収納空間に臨む内面に、上述の空気清浄化装置を単又は複数配設してなり、前記空気清浄化装置により、内部空間を照明するとともに、内部空間の空気を前記強制空流として前記筐体内部に取り込み、流通路途中の前記空気清浄手段によって清浄化して筐体外部に排出することにより内部空間の空気を清浄化することを特徴とする空気清浄化システムをも提供する。
【0018】
このシステムにおいても、前記空気清浄化装置が外部から電源供給される口金を有する電球型であり、前記収納空間に臨む内面に、前記口金を通じて前記空気清浄化装置が着脱可能に取り付けられ、且つ取り付けられた前記空気清浄化装置に対して電源供給を行うソケットを設け、該電源供給により前記空気清浄化装置の照明光源、ファン及び空気清浄手段を動作させるものが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上にしてなる本願発明に係る空気清浄化装置は、照明光源が取り付けられる筐体に吸/排気口を設け、筐体内に、前記吸/排気口を通じて筐体内外に強制空流を発生させ、これにより前記照明光源から生じた熱を筐体外部に排熱させるファンを設け、前記筐体内の前記強制空流の流通路途中に、空気清浄手段を設けてなるので、前記ファンによる強制空流によって照明光源の熱とともに空気清浄手段による熱も効率よく筐体外に放熱することができ、双方を効率よくコンパクトに配置することができると同時に、当該ファンにより強制空流として吸/排気口より筐体内に取り込んだ空気を空気清浄手段により清浄化し、これを吸/排気口から外部に強制排気するので、空気清浄手段を効率よく機能させ、装置周囲の空気を効率よく清浄化することができる。
【0020】
また、外側面に照明光源が固定される良熱伝導性部材よりなる光源支持台を設け、該光源支持台の照明光源と反対側の内側面が、前記流通路の内壁面を構成してなるので、照明光源で生じた熱は光源支持台に伝わり、その熱を光源支持台の前記内側面に接する強制空流によって効率よく放熱させることができ、結果、光源支持台を境に照明光源と空気清浄手段とを区画して配置するとともに、該空気清浄手段を通過する強制空流に照明光源の熱を光源支持台を通じて効率よく伝えることができるのである。
【0021】
また、前記光源支持台の前記内側面に、良熱伝導性部材よりなるヒートシンク部材を突設し、前記流通路を通る強制空流に対してヒートシンク部材を介して光源支持台の熱が放熱されるので、照明光源の熱をより効率よく強制空流に放熱させることができる。
【0022】
また、照明光源が、照明用LEDよりなるので、省電力となり、空気清浄手段への電力配分を高めることができ、空気清浄手段の機能をより高めることが可能となる。そして、LEDは90度以上に温度上昇すると光出力が低下したり寿命が短くなるが、本発明は上記のとおりファンによる強制空流によって照明用LEDの発した熱を効率よく放熱できるので、そのような問題も回避することができる。
【0023】
また、空気清浄手段として、前記流通路に臨む光触媒、及び該光触媒に紫外線を含む光を照射するUV光源を設けてなるので、強制空流として筐体内部に取り込まれる空気を光触媒作用によって清浄化した後、外部に排気し、装置周囲の空気を効率よく清浄化することができる。また、UV光源は熱を発しやすい光源であるが、本発明のように強制空流の流通路に設けられることで照明光源の熱と同様、効率よく放熱することができるのである。
【0024】
また、前記UV光源を光源支持台の前記内側面又は前記ヒートシンク部材に固定してなるので、照明光源と同じくUV光源が発した熱を光源支持台やヒートシンク部材を通じて効率よく強制空流に放熱することができる。
【0025】
また、前記UV光源が、紫外線LEDよりなるので、省電力化、光量アップを図ることができると同時に、上記のとおりファンによる強制空流により、紫外線LEDが生じる熱を効率よく放熱でき、光出力の低下や寿命の低下を防止することができる。
【0026】
また、空気清浄手段として、電極間に高電圧を印加する放電によりイオン又はラジカルの活性種を生成する手段を設けてなるので、強制空流として筐体内部に取り込まれる空気をイオン又はラジカルの活性種によって清浄化した後、外部に排気し、装置周囲の空気を効率よく清浄化することができる。
【0027】
また、外部から電源供給される口金を有する電球型であるので、従来からの電球と同じようにして部屋の天井等に容易に取り付けることができ、それだけで照明兼空気清浄化装置として容易に用いることができ、既存の電球と交換するだけで容易に空気清浄化機能をプラスすることができる。
【0028】
また、他から区画される空間であって人若しくは動物の活動空間又は物の収納空間に臨む内面に、本発明に係る空気清浄化装置を単又は複数配設し、前記空気清浄化装置により、内部空間を照明するとともに、内部空間の空気を前記強制空流として前記筐体内部に取り込み、流通路途中の前記空気清浄手段によって清浄化して筐体外部に排出することにより内部空間の空気を清浄化することを特徴とする空気清浄化方法又は空気清浄化システムによれば、活動空間にあっては人や動物の活動に必要な照明を提供できるとともに空気の清浄化を効率よく行うことができ、例えば大気汚染物質やアセトアルデヒド等の有害物質の分解、空中浮遊菌の殺菌など、健康な空間を提供することができ、また、物の収納空間にあっては、例えば食品倉庫における作業時の照明を提供できるとともに食品等からのガスや菌などを分解し、鮮度維持に貢献することなどが可能となる。
【0029】
また、前記空気清浄化装置が外部から電源供給される口金を有する電球型であり、前記収納空間に臨む内面に、前記口金を通じて前記空気清浄化装置が着脱可能に取り付けられ、且つ取り付けられた前記空気清浄化装置に対して電源供給を行うソケットを設け、該電源供給により前記空気清浄化装置の照明光源、ファン及び空気清浄手段を動作させるので、従来からの電球と同じようにして容易に取り付けることができ、それだけで照明兼空気清浄化装置として容易に用いることができ、既存の電球と交換するだけで容易に空気清浄化機能をプラスすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。まず、
図1及び
図2に基づき、第1実施形態を説明する。
【0032】
第1実施形態の空気清浄化装置1は、
図1に示すように、照明光源2が取り付けられる筐体10の壁面に吸/排気口3A,3Bが設けられ、筐体10内に、吸/排気口3A,3Bを通じて筐体10内外に強制空流(図中矢印a)を発生させ、これにより照明光源2から生じた熱を筐体10外部に排熱させるファン4が設けられ、さらに、筐体10内の強制空流aの流通路途中に、空気清浄手段5として、流通路に臨む光触媒50と該光触媒50に紫外線を含む光を照射するUV光源51とが設けられている。
【0033】
本実施形態は、空気清浄手段5以外の構成について、特開2013−175451号公報に記載の照明装置を基本として構成としたものであり、以下、この基本構成に基づいて説明するが、これに何ら限定されるものではない。空気清浄化装置1は、筐体10の先端側に、照明光源2を覆うレンズ体14が設けられ、筐体10の基端側に、外部電源に接続される口金15が設けられている。口金の大きさはE26、E39など種々の大きさを適用できる。また本例ではこのように電球型として構成した例を図示しているが、本発明はこれに何ら限定されず、引っ掛けシーリングに取り付ける照明器具のタイプであるシーリングライトやストレート状などの蛍光灯タイプなど、電球型以外の照明兼空気清浄化装置として適用することもできる。
【0034】
照明光源2は、照明用のLEDモジュールよりなるものを採用できるが、その他、蛍光灯やフィラメントよりなるハロゲン灯、高輝度放電灯(高圧ナトリウム灯、メタルハライドランプ(マルチハロゲン灯)、水銀灯等)など、従来から照明装置の光源として公知のものを広く採用できる。また、レンズ体14については従来から公知のものを採用できる。照明光源2は、アルミニウム等の良熱伝導性部材よりなる光源支持台20の先端側の面に支持され、該光源支持台20及びレンズ体14により照明光源2が略密閉状態に収納されている。
【0035】
光源支持台20よりも基端側の筐体10壁面には、吸/排気口3A、3Bが設けられるとともに、筐体10の内部にファン4が設けられ、このファン4によって吸/排気口3A、3Bを通じて筐体10内外に強制空流aが生じる。光源支持台20の基端側の面(光源2と反対側の内側面20a)は、この強制空流aの流通路の内壁を構成しており、該内側面20aにはUV光源51が固定され、後述する光触媒50に向けて紫外線を発するように構成されている。
【0036】
UV光源51は、紫外線LEDモジュールであるがこれに限定されず従来からの紫外線ランプなど適宜適用できる。ただし、従来の紫外線ランプが1年程度で交換が必要となるのに比べて紫外線LEDは長寿命化が図れ、本発明の照明兼空気清浄化装置、特に電球型のものに用いるに好適である。照明光源2及びUV光源51から生じた熱は、光源支持台20の内側面20aから強制空流aにより筐体10の外部に効率よく排熱される。すなわち照明光源2とUV光源51の両方をファン4を利用した構造で効率よく放熱することが可能となるのである。
【0037】
本実施形態ではUV光源51を光源支持台20の内側面20aに固定しており、UV光源51で生じた熱が光源支持台20を通じて強制空流aに効率よく放熱される構造であるが、UV光源51の位置はこれに何ら限定されず、ヒートシンク部材21に設けることや、その他、光触媒50を効率よく照射できる適宜な位置に設けることができる。また、UV光源51の数も特に限定されない。
【0038】
また、光源支持台20の内側面20aには、アルミニウム等の良熱伝導性部材よりなるヒートシンク部材21が突設され、流通路を通る強制空流aに対して光源支持台20及びヒートシンク部材21から照明光源2及びUV光源51の熱が効率よく放熱される。ヒートシンク部材21は、板状の支持部の外周部に複数の板状フィンを曲げ加工により一体的に形成した大小2つの互いに相似形の部材を中心を合わせて軸方向に支持部を重ねて取り付けたものである。
【0039】
このような構成を有するヒートシンク部材21は、板状フィンの間に強制空流が通過する流路が形成され、板状フィンに伝達された熱が効率よく排熱されると同時に、半径方向に隣接する大小2つの部材の板状フィンの間にも流路が形成され、すべての板状フィンの周囲に強制空流が通過する流路が形成され、より効率よく排熱することができる。このような板状フィンの前記UV光源51により紫外線が照射される面には、光触媒50の層をコーティング等で設けられている。これにより光触媒作用を行わせる光触媒50の層の表面積を多く確保することができるとともに、この光触媒50の層に強制空流aが効率よく当たり、空気清浄作用を向上させることができる。
【0040】
筐体10は、先端部に光源支持台20が接続される第一のケース11と、基端部に口金15が設けられる第二のケース12とより構成されており、第一のケース11及び第二のケース12の各側壁部に、それぞれ吸/排気口3A、3Bが設けられている。筐体10の内部における第一のケース11の吸/排気口3Aと第二のケース12の吸/排気口3Bとの間の位置にはファン4が配置されており、該ファン4の回転方向に応じて、吸/排気口3A又は3Bから外気を取り入れ、吸/排気口3B又は3Aから排気する強制空流が筐体内部に発生可能に構成されている。
【0041】
本例では第一のケース11と第二のケース12の接続境界に近い位置に、中央部が開口したアルミニウム等の良熱伝導性部材よりなる支持板13が設けられ、該開口を塞ぐように前記ファン4が支持板13に固定されている。この支持板13の先端側の面は強制空流aの流通路の内壁を構成しており、ファン4のヒートシンクとして機能するとともに、先端側の面には光触媒50の層がコーティング等で設けられている。
【0042】
第一のケース11は、アルミニウム等の良熱伝導性部材より構成され、当該ケース自体も光源支持台20から伝わる照明光源2及びUV光源51の熱をケース内面に接する強制空流及びケース外面に接する外気に排熱するヒートシンクとして機能する。第一のケース11の側壁部には、吸/排気口3Aとして軸方向に延びるスリット状の複数の貫通溝が周方向に所定間隔おきに形成されており、該側壁部の内面には光触媒50の層がコーティング等で設けられ、UV光源51で照射される光触媒作用により吸/排気口3Aを通じた強制空流aを清浄化させる機能を有している。
【0043】
筐体10内部の吸/排気口3Aと吸/排気口3Bの間の位置には、電源回路部6が配置され、ファン4により生じる強制空流によって該電源回路部6から生じる熱も筐体10の外部に排熱される。本例では電源回路部6は中央部が開口した中空円環状の樹脂ケース60内に同じく中央部が開口した環状板状の回路基板61を内装したものである。
【0044】
第二のケース12は、絶縁性の合成樹脂成型品とされ、先端開口部から基端側に向けて連続的に縮径する略ドーム状の先端側ケース部と、該先端側ケース部から連続して基端側に延び、途中で単又は複数の段差を介して縮径するとともに基端部の外周に口金15を取り付けるための雄ネジ部が形成された略筒状の基端側ケース部とを備えている。電源回路部6が配される位置よりも基端側の位置の壁面には、吸/排気口3Bとして内外貫通する複数の貫通孔が設けられている。配線構造については、図示省略するが、電源回路部6から口金15に向けて電力入力用のリード線が配され、電源回路部6から照明光源2、ファン4、UV光源51に向けてそれぞれ電力供給用のリード線が配されている。
【0045】
本例では、UV光源51及び光触媒50よりなる空気清浄手段5をファン4よりも照明光源2側の空間、具体的には第一のケース11の内側に設けているが、これに何ら限定されず、第二のケース12に設けることや、双方に設けるようにしてもよい。本例ではファン4よりも照明光源2側を強制空流aの上流側とし、該上流側に空気清浄手段5を設けているが、強制空流aの流れを逆にしてもよいし、また上流側ではなく下流側の内部空間に空気清浄手段5を設けることや双方に設けるようにしてもよいことは上記のとおりである。
【0046】
さらに、本例では光触媒50をコーティング等で層として付着させるような形態を前提に説明したが、別途シート状の光触媒50の層を形成し、これを各面に張り付けてもよいし、或いは別途、光触媒50の層よりなる表面を有する部材を強制空流の流路途中のUV光源により紫外線が照射される位置に取り付けてもよい。また、強制空流を通すフィルター状の部材に光触媒50を担持させ、これを同じく強制空流の流路途中のUV光源により紫外線が照射される位置に取り付けてもよい。さらに、例えばヒートシンク部材21を穴あきの板として空気を流通できるようにし、これを光触媒50をコーティングしたものでもよい。
【0047】
光触媒50としては従来から公知の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等を用いることができる。UV光源51としては、波長200〜420nmの紫外線LEDを用いることができ、波長は光触媒の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば酸化チタンの場合、波長365nm〜385nmの紫外線LEDを用いることが好ましい。
【0048】
図2は、他から区画される空間Sであって人若しくは動物の活動空間又は物の収納空間に臨む内面、本例では天井70に、空気清浄化装置1を複数配設し、各空気清浄化装置1により内部空間Sを照明するとともに、内部空間Sの空気を強制空流として各空気清浄化装置1の筐体内部に取り込み、上記のとおり流通路途中の空気清浄手段によって清浄化して筐体外部に排出することにより内部空間Sの空気を清浄化する空気清浄化システム7の一例である。
【0049】
このような空気清浄化システム7によれば、空間Sとして人の住居やオフィスの部屋に適用することで、通常の照明として使用できると同時に、室内の大気汚染物質やアセトアルデヒド等の有害物質、インフルエンザウイルスの分解、空中浮遊菌の殺菌などを行い、健康な空間を提供することができる。また、空間Sとして例えば食品の倉庫(冷蔵室、農協などの倉庫、エアカーゴ(空輸))や店舗の陳列棚などに適用することで、通常の照明として使用できると同時に、庫内或いはケース内において食品等から出たガスや菌などを分解し、食品の鮮度維持に貢献することができる。空間Sは、その他種々の空間に広く適用することができる。
【0050】
また、空気清浄化装置1は口金15を有する電球型であるので、天井に設置された従来の電球用のソケット71を利用して容易に取り付けることができ、それだけで照明兼空気清浄化装置として容易に用いることができ、既存の電球と交換するだけで容易に空気清浄化機能をプラスすることができるのである。
【0051】
次に、
図3に基づき、第2実施形態を説明する。
【0052】
本実施形態の空気清浄化装置1Aは、空気清浄手段5Aとして、電極52、53間に高電圧を印加する放電によりイオン又はラジカルの活性種を生成する手段が設けられている。
【0053】
このような空気清浄手段5Aは、例えば特開2006−34986号や特開2007−305321号公報に開示されているように電極間に直流の高電圧を印加し、コロナ放電によりマイナスイオンを発生させる手段や、特開2002−95731号公報に記載されているように誘電体を挟んで対向する電極間に交流電圧を印加し、プラスイオン、マイナスイオンを発生させる手段、電極をペルチェ冷却器で冷却し、結露した水に高電圧をかけて水に包まれたOHラジカルを発生させる手段(例えば、パナソニック株式会社製「ナノイー」デバイス)などを用いることができる
【0054】
特に、上記水に包まれたOHラジカルを発生させる手段を用いる場合は、冷却により電極に水を結露させる構造であるため周辺環境温度が5℃〜40℃必要であるが、本発明の空気清浄化装置1Aは照明を兼ね、照明用LEDの熱によって装置周辺の温度が高くなるため、例えば冷蔵庫内の空間など使用できない環境であっても部分的に装置周りの雰囲気温度が上がり、該雰囲気が湿気を帯びることで上記水に包まれたOHラジカルを発生させる手段を機能させることが可能となる。
【0055】
本実施形態の空気清浄化装置1Aによれば、第1実施形態のものと同様、大気汚染物質やアセトアルデヒド等の有害物質の分解、空中浮遊菌の殺菌など、健康な空間を提供することができ、食品等からのガスや菌などを分解し、鮮度維持に貢献することなども可能となるので、上記と同様、空気清浄化システム7として好適に用いることができる。空気清浄化装置1Aの空気清浄手段5A以外の構造については、基本的には第1実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付してその説明を省略する。第1実施形態の空気清浄手段5(光触媒50とUV光源51)と第2実施形態の空気清浄手段5A(イオン又はラジカルの活性種を生成する手段)の双方を組み合わせた装置として構成しても勿論よい。
【0056】
次に、
図4に基づき、第3実施形態を説明する。
【0057】
本実施形態の空気清浄化装置1Bでは、光源支持台20が、中央側がくり抜かれた板状のベース板22と、該ベース板22の基端側の面に重ねた状態に固定される支持板23とより構成されており、ベース板22及び支持板23はいずれもアルミニウム等の良熱伝導性部材より構成されている。そしてベース板22のくり抜かれた開口部22aに露出する支持板23の先端側の面に、照明光源2が固定されている。
【0058】
また、支持板23の周端部は、ヒートシンク部材21と同様、基端側に折り曲げて強制空流aの流通路内に起立した状態とされ、照明光源2の熱が効率よく強制空流aの流通路に放熱されるように構成されている。支持板23の基端側の面には、空気清浄手段5としてのUV光源51も固定されており、この熱も同じく流通路に効率よく放熱される。UV光源51の固定箇所は他の位置でもよい。
【0059】
本実施形態では、空気清浄手段5として、第1実施形態と同様、流通路に臨む光触媒50と該光触媒50に紫外線を含む光を照射するUV光源51とが設けられているが、これに代えて、或いはこれに組み合わせて第2実施形態のように電極間に高電圧を印加する放電によりイオン又はラジカルの活性種を生成する空気清浄手段5Aを設けても勿論よい。
【0060】
また本実施形態では、強制空流aの流通路を臨む適宜な位置に、空気清浄手段として芳香剤又は脱臭剤53が設けられている。特に光源支持台20やヒートシンク部材21が存在する流通路は30〜40℃近くまで温度が上がるが、これにより芳香剤や脱臭剤を効率よく作用させることができる。芳香剤又は脱臭剤53は、光源支持台20の基端側の面に着脱可能に取り付けられており、第一のケース11と第二のケース12を連結している図示しない取り付けネジを外して第一のケース11と第二のケース12を分離することで、内部の芳香剤又は脱臭剤53を取り換え可能に構成されている。このような分離可能なケースであれば、UV光源51やファン4、電源回路部6の取り換えやメンテナンスも容易となる。
【0061】
本実施形態では、第1、第2実施形態のように電源回路部6が回路基板61を中空円環状の樹脂ケース60を設けたものではなく直接第二のケース12内のファン4と吸/排気口3Bの間の位置に取り付けた形態であり、強制空流aは回路基板61と第二のケース12との間の隙間tを流路として流れ、これにより回路基板61が強制空流aにより直接、効率的に空冷される構造とされている。
【0062】
また、本実施形態では、レンズ体14が取り付けネジ14aにより着脱可能に設けられている。したがって、もしレンズ体14や内部の照明光源2が破損したような場合、装置全体を交換するのではなくレンズ体14や照明光源2のみ交換することで使用継続することが可能とされている。
【0063】
次に、
図5に基づき、第4実施形態を説明する。
【0064】
本実施形態の空気清浄化装置1Cでは、強制空流の流通路途中にフィルター部材54を設け、該フィルター部材54に光触媒50を担持させ、これにUV光源51から紫外線を照射させるようにしたものである。フィルター部材54は、光触媒を担持できる材料はすべて可能であり、セラミック製、アルミニウム等の金属製、合成樹脂製、紙製など種々のフィルター部材を用いることができる。
【0065】
本例では、照明光源2の支持板23よりも基端側の位置、具体的には第一のケース11と第二のケース12の境界位置に、中空円板状の支持板13Aが設けられ、これにフィルター部材54が固定されるとともに、同じく支持板13Aから先端側に延びて該支持板13Aと支持板23との間の中間位置に、基端側のフィルター部材54に向けて紫外線を照射するUV光源51を固定するアルミニウム等の良熱伝導性部材よりなる固定部材55が設けられている。
【0066】
UV光源51が第1実施形態、第3実施形態のように照明光源を支持する支持板13/13Aの基端側の面に固定されると、UV光源51からの紫外線が吸/排気口3Aの開口から外部に漏れる可能性が大きくなるが、紫外線は人体に悪影響を与えるため、本実施形態のように支持板13Aと支持板23の中間位置に設けると、吸/排気口3Aから外部への漏れを少なくすることができるため安全性の観点から好ましい。
【0067】
また、ファン4は支持板13Aによってフィルター部材54の基端側に密接状態で固定されている。その他の構成、変形例、強制空流aの流れ等は、基本的には上述の第3実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0068】
次に、
図6に基づき、第5実施形態を説明する。
【0069】
本実施形態の空気清浄化装置1Dでは、吸/排気口3Bを排気口として機能させる際、強制空流aを先端側に向けて排気できるようにL字状に屈曲したガイド板31を第2のケース12の開口部30の基端側の縁部から外部に突設したものである。これにより、空気清浄手段5で清浄化されて吸/排気口3Bから排気されるきれいな空気を、照明光源2が照射する先の方向、すなわち先端側の方向に向けて効率的に供給することができる。
【0070】
また、本例では、電源回路部6の中空円環状の樹脂ケース60の中央を通過した強制空流aを効率よく吸/排気口3Bに導くための緩やかに傾斜した空気案内面24aを有する空気対流部材24が第二のケース12内の前記樹脂ケース60の基端側の適所に設けられている。本例の装置の基本構成は上述の第1実施形態と同様であり、空気清浄手段5の構成、すなわちフィルター部材54を設けた点やファン4、UV光源51の配置関係などについては上述の第4実施形態と同様である。これら実施形態と同一の構造には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0071】
次に、
図7に基づき、第6実施形態を説明する。
【0072】
本実施形態の空気清浄化装置1Eは、吸/排気口3Bを構成するガイド板31の代わりに、第2のケース12の開口部30に連通して外部に突出し、略L字状に屈曲して筐体10の側面に沿って設けられ、少なくとも吸/排気口3Aの開口位置よりも先端側の位置まで延びて外部に開口するアルミニウム等の良熱伝導性部材よりなるガイドパイプ32を設けたものである。本例では、吸/排気口3Aの開口位置よりも先端側の位置であって、照明光を遮らないレンズ体14の基端位置に、先端面に多数の吸/排気口3Bとしての開口が形成された円環状パイプ33が設けられ、これに第2のケース12の開口部30から略L字状に屈曲して延びる複数本の接続パイプ34が連通接続されている。
【0073】
円環状パイプ33の吸/排気口3Bから排出される空気はシャワーのように先端側に向けて均等に排出される。本例ではガイドパイプ32が円環状パイプ33及び接続パイプ34より構成されているが、その他の構成でもよい。円環状パイプ33は周方向に等間隔に接続される複数の上記接続パイプ34、本例では4本によって支持されている。
【0074】
上記第5実施形態では、吸/排気口3Bから先端側に向けて排出された空気の一部が、吸/排気口3Aに再度取り込まれてしまうが、本実施形態の構成によれば、ガイドパイプ32によって吸/排気口3Bを吸/排気口3Aよりも先端側の位置に配し、排気されるきれいな空気を先端側の方向に向けてより確実に且つ効率的に供給することができる。また、ガイドパイプ32はヒートシンクとして機能する。
【0075】
第二のケース12内の空気対流部材は省略されているが、第5実施形態と同様、樹脂ケース60の基端側の適所に設けてもよい。その他の構成、変形例は、基本的には上述の第5実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0076】
次に、
図8に基づき、第7実施形態を説明する。
【0077】
本実施形態の空気清浄化装置1Fは、第6実施形態のガイドパイプ32を筐体10内部に設けた考え方である。第6実施形態では筐体10の電源回路部6の樹脂ケース60よりも基端側の位置に開口部30を設けてそこからガイドパイプ32を外部に突出させたが、本実施形態では、筐体10内の樹脂ケース60とファン4の間に流路を形成する周壁部25を設けるとともに、該周壁部25に複数の開口部25aを形成し、基端側が該開口部25aに接続されて略L字状に屈曲して筐体10の内部を先端側に延び、吸/排気口3Aよりも先端側の位置で外部に開口する吸/排気口3Bに連通するアルミニウム等の良熱伝導性部材よりなる内部パイプ35を設けたものである。
【0078】
このような内部パイプ35は装置の美観を損なわせることなく第6実施形態と同様、きれいな空気を先端側に効率よく確実に供給させることができる。レンズ体14の基端側にレンズ体14と一体的に形成された円環状の空気溜め部36に連通し、該空気溜め部36の先端面に多数の吸/排気口3Bとしての開口が形成されている。空気溜め部36の吸/排気口3Bから排出される空気はシャワーのように先端側に向けて均等に排出される。本例では、周壁部25内側の流路内に、ファン4を通過した強制空流aを効率よく周壁部25の開口部25aに導くための緩やかに傾斜した空気案内面26aを有する空気対流部材26が設けられている。
【0079】
電源回路部6の樹脂ケース60の基端側に同様の周壁部を設けてその開口部から樹脂ケース60と第二のケース12の間の隙間を通して同様の内部パイプを配置させたものでもよい。その他の構成、変形例は、基本的には上述の第6実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0080】
次に、
図9に基づき、第8実施形態を説明する。
【0081】
本実施形態の空気清浄化装置1Gは、第4実施形態〜第7実施形態とはファン4、フィルター部材54及びUV光源51の並びを先端側と基端側を反対にしたものであり、強制空流aの流れも基端側から先端側へ流れるように変更したものである。具体的には、照明光源2の支持板23よりも基端側の位置、具体的には第一のケース11と第二のケース12の境界位置に中空円板状の支持板13Aが設けられ、該支持板13Aにファン4が固定され、該ファン4の基端側にフィルター部材54が固定されるとともに、その基端側に前記フィルター部材54に対して基端側から紫外線を照射するUV光源51を固定する固定部材55が設けられている。
【0082】
第4実施形態〜第7実施形態と同じようにUV光源51はファン4よりも空気の流れの下流側ではなく上流側に設けられ、ファン4から押し出された空気がUV光源等に邪魔されることなく効率的に吸/排気口3Bに至るように構成されている。本例では先端側の強制空流aの排出口となる第一のケース11の開口部37を覆うようにL字状に屈曲したアルミニウム等の良熱伝導性部材よりなるガイド板38が突設され、強制空流aを先端側に向けて排気できるように構成されている。ガイド板38と第一のケース11との隙間の先端側の開口が吸/排気口3Bとして機能することになる。
【0083】
本例では、第二のケース12の内側に、略相似形で第二のケース12の吸/排気口3Aから吸い込んだ強制空流aを第二のケース12との隙間dを通じて先願側へ案内する空気対流部材27が設けられ、回路基板61よりなる電源回路部6が空気対流部材27の内側に配置され、直接、強制空流aがあたらないように構成されている。強制空流aの流路途中に回路基板61が直接されされると埃等が溜まる原因となるが、これが空気対流部材27で防止されている。
【0084】
その他の構成、変形例は、基本的には上述の第3実施形態〜第7実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0085】
次に、
図10に基づき、第9実施形態を説明する。
【0086】
本実施形態は、上述した空気清浄化システム7において、さらに人体感知センサ8Aと臭いセンサ8Bを設け、各空気清浄化装置1の動作を制御する制御装置9を設けたものである。制御装置9は、CPUと該CPUに接続された電源回路、各空気清浄化装置1のファン4の駆動回路、照明光源2の駆動回路、UV光源51の駆動回路を備え、制御装置9のCPUには、人体感知センサ8Aと臭いセンサ8B、図示しない操作パネル等が接続される。
【0087】
制御装置9のCPUは、予め記憶部に記憶されたプログラムに沿って、各処理を行う処理部として機能する。本例では、臭いセンサからの臭いの検出レベルに応じて、ファン4の風量やUV光源51の出力を調整する処理部を備える。また、人体感知センサ8Aからの信号に基づき、照明光源2の出力を調整する処理部も備えている。人体検知センサー8Aからの信号がない場合、すなわち人が居ない場合には、照明光源2は消灯させ、UV光源51とファン4のみ動作させる処理を行ったり、その場合にはファン4の出力を小さくしたり、UV光源51の出力を大きくしたりすることが好ましい。
【0088】
本例では人体検知センサ8Aは、赤外線センサや超音波センサ、レーザセンサなどの公知の動体検知センサを用いることができる。これら人体検知センサ8Aや臭いセンサ8Bは、本例では空気清浄化装置1以外の空間Sを構成する天井面や壁面に設けているが、空気清浄化装置1自体に設けることもできる。空気清浄化装置1は、上述の各実施形態の装置を用いることができ、また空気清浄化システムのその他の構成、変形例についても上記第1実施形態で説明したものと基本的には同じであり、同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0089】
次に、
図11に基づき、第10実施形態を説明する。
【0090】
本実施形態の空気清浄化装置1Hは、内部に人体検知センサ8Aと臭いセンサ8Bを設け、電源回路部6を含み、人体検知センサ8Aや臭いセンサ8Bが接続された制御装置9A(コントローラ)を設けたものである。制御装置9Aは、上記第9実施形態の制御装置9と同様、CPUと電源回路部6、ファン4の駆動回路、照明光源2の駆動回路、UV光源51の駆動回路を備え、CPUには人体感知センサ8Aと臭いセンサ8B、筐体に付設された図示しない操作パネル等が接続される。
【0091】
制御装置9AのCPUは、予め記憶部に記憶されたプログラムに沿って、各処理を行う処理部として機能する。本例では、臭いセンサからの臭いの検出レベルに応じて、ファン4の風量やUV光源51の出力を調整する処理部を備える。また、人体感知センサ8Aからの信号に基づき、照明光源2の出力を調整する処理部も備えている。その他の制御装置の動作は上記第9実施形態と同様である。また、本実施形態のその他の装置構成は上述の各実施形態と同様であり、同一構造には同一符号を付してその説明は省略する。
【0092】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。