(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
【0011】
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、及び、音を出力するスピーカ67が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63および特殊操作部64が設けられている。なお、特殊操作部64は、遊技者による後方への押し込み操作が可能なものである。
【0012】
また、
図2に示すように、打球供給皿61の上側であって演出ボタン63の右方には、セレクトボタン(十字キー)65が設けられている。セレクトボタン65は、上ボタン65U、下ボタン65D、左ボタン65L、及び右ボタン65Rの4つのボタンからなっている。
【0013】
次に、
図3を参照して遊技盤2について説明する。
図3に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(
図7参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
【0014】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出表示手段)7が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0015】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(
図7参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0016】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0017】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0018】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留表示エリアがある。演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(
図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0019】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
【0020】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0021】
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後に進退可能な開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(
図6参照)により駆動される。開閉部材23が開状態(前方に進出した状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態(後方に退避した状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、進退式ではない開閉部材を有するものでもよく、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
【0022】
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図6参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0023】
また、センター装飾体10の右下部には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(羽根部材、第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図6参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0024】
また、
図4(A),(B)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
【0025】
図4(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。
図4(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
【0026】
図4(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。
図4(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
【0027】
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
【0028】
図3に戻り、センター装飾体10の右方であって第2大入賞装置36の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
【0029】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0030】
第1流路R1上には、第1始動口20と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
【0031】
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
【0032】
また
図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、
図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0033】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0034】
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技(特別遊技に相当)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0035】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0036】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(
図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(
図6参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(
図6参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
【0037】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0038】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0039】
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0040】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(
図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0041】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(
図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
【0042】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0043】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0044】
2.遊技機の電気的構成
次に
図6及び
図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
図6及び
図7に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、後述する装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0045】
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
【0046】
図6に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
【0047】
また、主制御基板80には、RAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ89が実装されている。主制御基板80を含めて本パチンコ遊技機1が備えている各種の基板は、本パチンコ遊技機1の裏面側(後面側)に配されている。従って、遊技機枠50を開放することが可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ89を操作することはできない。
【0048】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0049】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0050】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
【0051】
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0052】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(
図1参照)が含まれる。
【0053】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0054】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0055】
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
【0056】
RAM94には、RTC演出設定記憶部(設定情報記憶部に相当)96が設けられている。RTC演出設定記憶部96は、後述するRTC演出に関する設定情報を記憶する記憶領域である。上述したようにRAM94には、パチンコ遊技機1の電断時であってもバックアップ電源回路151によって電力が供給される。よって、RTC演出設定記憶部96に記憶されている設定情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。
【0057】
また、サブ制御基板90には、リアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC99は、パチンコ遊技機1に島電源供給装置160(
図8参照)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置160から電力が供給されていないときには、電源基板150が備えるバックアップ電源回路151から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
【0058】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。
【0059】
画像制御基板100は、画像制御のためのプログラム等を記憶した制御用ROM103、ワークメモリとして使用される制御用RAM104、及び、制御用ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。また、画像制御基板100は、画像表示装置7に表示される画像のデータを記憶したCGROM142、CGROM142に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM143、及び、VDP(Video Display Processor)141を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM142には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
【0060】
VDP141は、演出制御用マイコン91からの指令に基づきCPU102によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM142から画像データを読み出してVRAM143内の展開領域に展開する。そして、展開した画像を適宜合成してVRAM143内のフレームバッファに描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置7に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面7aに表示される。
【0061】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。ディスプレイリストの作成については後述する。
【0062】
本形態で実行される一部の演出についての表示の優先順位は、低い方から順に、[1]演出図柄8L,8C,8Rの変動演出(但し優先順位[3]に示すものを除く)、[2]特別演出(所定の開始時間になると開始される演出)、[3]特別演出の開始前に変動を開始したSPリーチ発展後の変動演出、[4]大当たり演出である。後述するように、優先度の異なる複数の演出が同時に実行される場合、優先度の高い演出を全画面表示の表示態様(第1表示態様)で表示した上で、優先度の低い演出を縮小表示の表示態様(第2表示態様)、又は簡易表示の表示態様(第3表示態様)で重畳的に表示する。
【0063】
全画面表示とは、表示画面7aの全域を使った表示である(
図46(A),(B),(C)参照)。また、縮小表示とは、表示画面7aの一部の領域での表示、実施形態では表示画面7aの左下部領域7bでの表示である(
図46(B)参照)。また、簡易表示とは、表示画面7aの右下部領域7cでの簡易な表示である(
図46(C)参照)。なお、優先度の異なる複数の演出が同時に実行される場合、優先度の高い演出のみを表示する場合もある。本形態では、大当たり演出が実行される場合がこれである。
【0064】
図7に戻り、本形態の電気的な構成について説明を続ける。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100の制御用ROM103に音響データを格納してもよい。
【0065】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0066】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、
図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0067】
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a、特殊操作部検出スイッチ64a、及びセレクトボタン検出スイッチ65aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。特殊操作部検出スイッチ64aは、特殊操作部64(
図1参照)が押込操作されたことを検出するものである。セレクトボタン検出スイッチ65aは、セレクトボタン65(
図2参照)が押下操作されたことを検出するものである。なお詳細には、セレクトボタン検出スイッチ65aは、上ボタン65Uの押下操作を検出する上ボタン検出スイッチと、下ボタン65Dの押下操作を検出する下ボタン検出スイッチと、左ボタン65Lの押下操作を検出する左ボタン検出スイッチと、右ボタン65Rの押下操作を検出する右ボタン検出スイッチとを含んでいる。各ボタン(演出ボタン63、特殊操作部64、セレクトボタン65)が押されると、各スイッチ(演出ボタン検出SW63a、特殊操作部検出SW64a、セレクトボタン検出SW65a)からサブ制御基板90に対して信号が出力される。
【0068】
図8は、複数台のパチンコ遊技機1を含む遊技機システムの模式図である。
図8に示すように、所謂パチンコホールでは、複数台のパチンコ遊技機1が並設されて1つの遊技島が構成される。
図8では5台のパチンコ遊技機1を1つの遊技機グループ170として遊技島を構成している。なお、
図8に示すように複数台の同機種の遊技機からなる遊技島を特に機種島とも称する。
【0069】
同じ遊技島に属する各パチンコ遊技機1は、共通の島電源供給装置160に電気的に接続される。このため、遊技島内の各パチンコ遊技機1の個別の電源スイッチ155を「ON」にした状態で、島電源供給装置160の電源を入れると、遊技島内の全てのパチンコ遊技機1を一斉に起動させることができる。従って、後述するようにパチンコ遊技機1が起動時(電源投入時)からの時間を計測して所定の演出(特別演出)を行えば、同じ遊技島内の全てのパチンコ遊技機1において一斉に同じ演出が開始されることとなる。
【0070】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技に相当する。
【0071】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0072】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は
図9に示す通りである。
図9に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
【0073】
より具体的には、特
図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は9Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。このVロング大当たりでは9Rから15Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。また、特
図1の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_特定図柄」が停止表示される。
【0074】
また、特
図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。特
図2の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_特定図柄」が停止表示される。
【0075】
これに対して、特
図1の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。
【0076】
このVショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(
図4(B)参照)から第1状態(
図4(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。特
図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_通常図柄」が停止表示される。
【0077】
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
【0078】
但し、通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。なお、この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
【0079】
なお、
図9に示すように、特
図1の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が50%、Vショート大当たり(通常大当たり)が50%となっている。これに対して、特
図2の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たり(特定大当たり)となっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特
図1の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特
図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0080】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図10(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0081】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
【0082】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、
図10(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
【0083】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図11(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0084】
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図12参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0085】
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図11(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0086】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である(
図11(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図13参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図13参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
【0087】
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
【0088】
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0089】
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では180回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0090】
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0091】
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
【0092】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(
図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。また本形態では、大当たり遊技状態や高ベース状態といった右打ちにて遊技を行う遊技状態中は、所定の開始時間になっても後述する特別演出は実行されない。
【0093】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(
図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0094】
5.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、後述するように所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された数値情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する大当たり期待度を示唆する演出である。
図14に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりか否かの当否情報が含まれている。また本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報、通常確率状態と高確率状態とのどちらの遊技状態で入賞したのかの遊技状態情報が含まれている。始動入賞コマンドは、少なくとも大当たりか否かの当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
【0095】
6.特別演出(RTC演出)
本形態のパチンコ遊技機1は、予め定められた開始時間になると、特別演出を実行する。特別演出を、RTC演出や時間演出ともいう。特別演出は、通常の遊技演出では表示されない特別な演出画像を表示画面7aに表示する演出である。なお、通常の遊技演出とは、変動演出や大当たり演出、客待ち演出のことである。
【0096】
特別演出は、演出制御用マイコン91により実行される後述の計時処理(
図39のステップS6104参照)の結果に基づいて、所定の開始時間になったと判定されると実行される。開始時間は、電源投入の時刻にもよるが(この点については後述する)、毎日10時、13時、16時、19時…である。つまり、特別演出は3時間毎に実行される。なお、開始時間を1つに設定してもよい。また、1時間毎に設定してもよい。
【0097】
特別演出は、本形態ではサッカーの試合を行う動画を表示画面7aに表示する演出である。
図15(A)に示すように、特別演出(RTC演出)には、まず初めに実行される導入演出と、導入演出に続いて実行される展開演出とが含まれている。導入演出は、試合開始までのシーンを表示する演出である。展開演出は、試合開始後のシーンを表示する演出である。
【0098】
先に展開演出について
図20に基づいて説明する。展開演出では最終的に、特殊操作部64の操作を遊技者に指示するSW演出がなされ(
図20(A)参照)、当該変動(実行中の特別図柄の変動表示)が大当たり当選の当否判定結果に基づく変動表示(当たり変動)である場合、又は、特図保留に大当たり当選予定の保留(当たり保留)がある場合には、成功演出が実行され(
図20(B)参照)、それらのいずれでもない場合には、失敗演出が実行される(
図20(C)参照)。つまり展開演出は、当落を報知する演出である。なお、成功演出は、主人公キャラクタの所属するチームがゴールを決める演出であり、失敗演出は、ゴールを決められない演出である。また、展開演出におけるSW演出の前までの演出内容は、主人公キャラクタの所属するチームが相手ゴールの前までボールを運ぶシーンである。
【0099】
次に導入演出について説明する。
図15(A)に示すように導入演出では、6種類の動画が順に表示される。6種類の動画とは、個別画像1、関連画像1、個別画像2、関連画像2、関連画像3、個別画像3である。これらの各画像は、
図16(A)〜(F)に示す通りである。
図16には、本パチンコ遊技機1を5台一組にした遊技機グループ170(
図8参照)に属する各パチンコ遊技機1の表示画面7aが示されている。なお、個別画像を表示する演出を個別画像演出と称し、関連画像を表示する演出を関連画像演出と称する。関連画像演出は、組み合わせ画像演出に相当する。
【0100】
図16に示すように、導入演出では、個別画像1として試合の対戦カードを示す画像が表示され(同図(A)参照)、関連画像1としてサッカースタジアムを示す画像が表示され(同図(B)参照)、個別画像2として観客席の様子を示す画像が表示される(同図(C)参照)。そして、関連画像2として選手の入場シーンを示す画像が表示され(同図(D)参照)、関連画像3として整列シーンを示す画像が表示され(同図(E)参照)、個別画像3としてキックオフのシーンを示す画像が表示される(同図(F)参照)。つまり、導入演出は、試合開始までの様子を示す動画演出である。
【0101】
個別画像は、個々の遊技機単体で完結する演出画像である。よって、個別画像演出では、
図16(A),(C),及び(F)に示すように、遊技機グループ170における各パチンコ遊技機1は、互いに同じ画像を表示画面7aに表示する。なお、個別画像演出を、1つの要素画像によって1つの完成画像が形成される演出ということができる。
【0102】
これに対して、関連画像は、個々の遊技機単体が表示する演出画像だけでは完成画像とはならない画像である。関連画像は、5台のパチンコ遊技機1からなる遊技機グループ170の各表示画面7aに表示される関連画像(要素画像)の組み合わせによって1つの完成画像となる画像である。よって、関連画像演出(組み合わせ画像演出)では、
図16(B),(D),及び(E)に示すように、遊技機グループ170における各パチンコ遊技機1は、互いに異なる要素画像を表示画面7aに表示する。各パチンコ遊技機1が表示する要素画像は、1つの完成画像を5つに分割した各要素画像のうち、遊技機グループ170における相対的な設置位置に応じた画像である。
【0103】
つまり、組み合わせ画像演出は、5台の本パチンコ遊技機1を1組として、全台で1つの完成画像を表示する演出である。言い換えれば、5台のパチンコ遊技機1からなる遊技機グループ170の各表示画面7aに表示される要素画像の組み合わせによって1つの完成画像が形成される演出である。本形態では、5台は上限設定台数である。つまり、本パチンコ遊技機1を6台以上設置しても、5台で表示できる完成画像よりも広範囲の演出画像を表示することはできないし、4台以下の遊技機しか設置しなかった場合には、完成画像を表示することはできない。
【0104】
但し、4台以下の遊技機によって遊技機グループを構成した場合でも、遊技機グループ全体として最良の形で組み合わせ画像演出が実行されるように、遊技機グループを構成する各パチンコ遊技機1では、設置台数および設置位置に応じた画像表示制御が実行される。この点については後述する。なお、設置台数とは、遊技機グループを構成するパチンコ遊技機1の総台数のことである。また、設置位置とは、遊技機グループ内での相対的な設置位置のことである。
【0105】
ここで本形態では、
図16に示した各画像の画像データを次のように称することとする。すなわち、個別画像1の画像データを画像データDaとする。また、関連画像1における各要素画像の画像データを、
図16(B)における左端の要素画像の画像データから順に、画像データDb1,Db2,Db3,Db4,Db5とする。また、個別画像2の画像データを画像データDcとする。また、関連画像2における各要素画像の画像データを、
図16(D)における左端の要素画像の画像データから順に、画像データDd1,Dd2,Dd3,Dd4,Dd5とする。また、関連画像3における各要素画像の画像データを、
図16(E)における左端の要素画像の画像データから順に、画像データDe1,De2,De3,De4,De5とする。また、個別画像3の画像データを画像データDfとする。なお、これらの各画像データはCGROM142に記憶されている。
【0106】
次に各関連画像について詳細に説明する。関連画像1は、
図17に示すように、時間の経過に伴って(つまり表示タイミングがTb1→Tb2→Tb3→Tb4と進むにつれて)、徐々にサッカースタジアムの外観がアップになってゆき、次いでフィールドがアップになってゆく動画である。
図17に示すように、遊技機グループ170を構成する5台の各パチンコ遊技機1が関連画像1として表示する動画は、互いに異なっている。
【0107】
本明細書におけるパチンコ遊技機1の遊技機グループ170内の相対的な設置位置を左から順に1,2,…5とすると、設置位置1のパチンコ遊技機1は、表示タイミングTb1やTb2ではサッカースタジアムの左端を表示しており、表示タイミングTb3やTb4ではフィールドの左端を表示している。これに対して、設置位置5のパチンコ遊技機1は、表示タイミングTb1ではサッカースタジアムを表示しておらず、表示タイミングTb3やTb4ではフィールドの右端を表示している。また、設置位置3のパチンコ遊技機1は、主にサッカースタジアムの中央部やフィールドの中央部を表示している。但し、遊技機グループ170内のあるパチンコ遊技機1が表示する要素画像は、その遊技機に隣接して設置されている遊技機が表示する要素画像と繋がる画像である。これは、関連画像2(
図18)や関連画像3(
図19)においても同様である。
【0108】
組み合わせ画像演出で表示される5つの要素画像には、完成画像における要部(主要な部分)を構成する要部画像と、要部画像ではない非要部画像とがある。関連画像1の組み合わせ画像演出では、要部画像は、中央位置に設置されたパチンコ遊技機1(設置位置3のパチンコ遊技機1)が表示する要素画像である。つまり、サッカースタジアムやフィールドの中央部を主に示す画像データDb3の要素画像である。他の4つの要素画像は非要部画像である。
【0109】
本形態のパチンコ遊技機1では、5台未満のパチンコ遊技機1によって遊技機グループ(機種島)が構成された場合には、完成画像における相対的な表示位置が要部画像から遠いものが表示されなくなるように、画像表示制御を行う。つまり、遊技機グループを構成する遊技機が1台だけであれば、
図17に示す中央位置の画像(要部画像、画像データDb3の画像)だけが表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が2台であれば、中央位置の要部画像と、その左隣りの非要部画像(画像データDb2の画像)が表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が3台であれば、中央位置の要部画像と、その左右両隣りの非要部画像(画像データDb2とDb4の画像)が表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が4台であれば、右端の画像を除く左端から4台分の画像(画像データDb1〜Db4の画像)が表示される。つまり、関連画像1の優先順位は、高い方から順に画像データDb3→Db2→Db4→Db1→Db5となっている。
【0110】
本形態ではこのような優先順位に従って、遊技機グループを構成する遊技機の設置台数及び設置位置に応じた画像表示制御を行っている。そのため、遊技機グループを構成する遊技機数が上限設定台数(本形態では5台)に及ばず、完成画像を形成することができない場合でも、要部画像を中心とした1つの演出画像を形成することが可能である。従って、完成画像を表示することができなくても、演出によってどのようなシーンを示しているのかを遊技者や遊技の観戦者に対して違和感なく認識させることが可能である。
【0111】
次に関連画像2について説明する。関連画像2は、
図18に示すように、時間の経過に伴って(つまり表示タイミングがTd1→Td2→Td3→Td4と進むにつれて)、選手がフィールド内に入場していく動画(左に向かって進んでいく動画)である。
図18に示すように、遊技機グループ170を構成する5台の各パチンコ遊技機1が関連画像2として表示する動画も、関連画像1と同様、互いに異なっている。具体的には、設置位置1〜4の各パチンコ遊技機1(左から4台の遊技機)では、表示しているキャラクタが時間の経過とともに変化している。
【0112】
但し、設置位置5のパチンコ遊技機1(右端位置の遊技機)は、常に主人公キャラクタを表示している。この関連画像2の組み合わせ画像演出では、要部画像は、この設置位置5のパチンコ遊技機1が表示する要素画像である。つまり、主人公キャラクタを示す画像データDd5の要素画像である。他の4つの要素画像は非要部画像である。
【0113】
従って、関連画像2の組み合わせ画像演出においては、遊技機グループを構成する遊技機が1台だけであれば、
図18に示す右端位置の画像(要部画像、画像データDd5の画像)だけが表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が2台であれば、右端から2台分の画像(画像データDd4とDd5の画像)が表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が3台であれば、右端から3台分の画像(画像データDd3〜Dd5の画像)が表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が4台であれば、右端から4台分の画像(画像データDd2〜Dd5の画像)が表示される。つまり、関連画像2の優先順位は、高い方から順に画像データDd5→Dd4→Dd3→Dd2→Dd1となっている。このため、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技機グループ(機種島)が何台で構成されたとしても、必ず関連画像2の組み合わせ画像演出では、主人公キャラクタが表示されることとなる。よって、関連画像2の組み合わせ画像演出による演出効果が著しく低下することはない。
【0114】
次に関連画像3について説明する。関連画像3は、
図19に示すように、時間の経過に伴って(つまり表示タイミングがTe1→Te2→Te3→Te4と進むにつれて)、整列中の選手を左位置の選手から右位置の選手に映し替えていく動画である。
図19に示すように、遊技機グループ170を構成する5台の各パチンコ遊技機1が関連画像3として表示する動画も、関連画像1や関連画像2と同様、互いに異なっている。具体的には、設置位置1〜5の各パチンコ遊技機1が表示しているキャラクタが時間の経過とともに変化している。
【0115】
ここで、設置位置1のパチンコ遊技機1(左端位置の遊技機)は、この関連画像3の組み合わせ画像演出において、最初は主人公キャラクタを表示している。この関連画像3の組み合わせ画像演出では、要部画像は、この設置位置1のパチンコ遊技機1が表示する要素画像である。つまり、演出の初めに主人公キャラクタを示す画像データDe1の要素画像である。他の4つの要素画像は非要部画像である。
【0116】
従って、関連画像3の組み合わせ画像演出においては、遊技機グループを構成する遊技機が1台だけであれば、
図19に示す左端位置の画像(要部画像、画像データDe1の画像)だけが表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が2台であれば、左端から2台分の画像(画像データDe1とDe2の画像)が表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が3台であれば、左端から3台分の画像(画像データDe1〜De3の画像)が表示される。また、遊技機グループに属する遊技機数が4台であれば、左端から4台分の画像(画像データDe1〜De4の画像)が表示される。つまり、関連画像3の優先順位は、高い方から順に画像データDe1→De2→De3→De4→De5となっている。このため、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技機グループ(機種島)が何台で構成されたとしても、必ず関連画像3の組み合わせ画像演出では、主人公キャラクタが表示されることとなる。よって、関連画像3の組み合わせ画像演出による演出効果が著しく低下することはない。
【0117】
上記のように本形態では、上限設定台数(5台)に満たない遊技機数で遊技機グループが構成された場合でも、組み合わせ画像演出において各要素画像が繋がって1つの演出画像が形成されるように画像表示制御が行われる。そのために本形態のパチンコ遊技機1では、自身が属する遊技機グループが何台の遊技機で構成されているかを示す設置台数情報(総台数の情報)と、その遊技機グループにおける自身の相対的な設置位置を示す設置位置情報(台番号の情報)とを設定しておくことができるようになっている(
図21(B)参照)。設置台数情報と設置位置情報とはRAM94のRTC演出設定記憶部96(
図7参照)に記憶される。導入演出の実行時には、演出制御用マイコン91は、これらの設置台数情報及び設置位置情報を参照して、実行する導入演出を選択する(
図22参照)。この点については後述する。
【0118】
7.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に
図23〜
図30に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から
図23に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。
【0119】
そして、電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図10に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0120】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0121】
[電源投入時処理]
図24に示すように電源投入時処理(S001)では、まずRAM84へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン81は、RAMクリアスイッチ89が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ89がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(
図30参照)でONにされるフラグである。
【0122】
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(
図30のステップS2902参照)と比較する(S015)。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、RAM84の記憶内容が正常ではないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、RAM84の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
【0123】
ステップS016では、復電時におけるRAM84の作業領域の設定処理を行う。この設定処理では、ROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報をRAM84の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
【0124】
また、ステップS018では、RAM84に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン81は、RAM84の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、ROM83から読み出された初期設定情報がRAM84の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン81は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドをサブ制御基板90に対して出力する(S020)。そして、ステップS021に進む。ステップS021ではその他の初期設定として、例えば、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行う。
【0125】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図25に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0126】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(
図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0127】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図23の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図10に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0128】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、始動口センサ処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブル(
図11(D)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図13参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
【0129】
次に遊技制御用マイコン81は、後述する特別動作処理(S106)を行い、続いて特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し、それが所定のV有効期間におけるものであれば、VフラグをONにする。V有効期間は、後述する特別電動役物処理(
図29参照)におけるステップS2206で設定される期間である。また、この特別電動役物処理における遊技状態設定処理(ステップS2221)では、VフラグがONであれば、確変フラグをONにする。これにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される。
【0130】
次に遊技制御用マイコン81は、後述する電源断監視処理(S108)を行う。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特
図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(
図23参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0131】
[始動口センサ検出処理]
図26に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、ゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。ゲート通過処理(S202)では、ゲートセンサ28aがONしていれば、すでに記憶されている普通図柄乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(
図10(B)参照)を取得し、普図保留記憶部86に格納する。
【0132】
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特
図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特
図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特
図2保留球数に1を加算する(S205)。
【0133】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり
図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
【0134】
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、
図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンドを特定する。具体的には、現在の遊技状態が高確率状態であり、大当たり乱数が「1」であれば、
図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口且つ高確率状態の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H21H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば21H))からなっている。
【0135】
図14に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)における区分けと対応している。従って、特定された第2始動入賞コマンドには、大当たりの当否を示す当否情報が含まれている。
【0136】
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、遊技状態(通常確率状態か高確率状態か)を指定する遊技状態情報である。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、大当たりの当否を示す当否情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
【0137】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
【0138】
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特
図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
【0139】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S212)では、特
図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり
図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特
図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
【0140】
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、
図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンドを特定する。具体的には、現在の遊技状態が通常確率状態であり、大当たり乱数が「1」であれば、
図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口且つ通常確率状態の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H11H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、大当たりの当否を示す当否情報が含まれている。
【0141】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
【0142】
[特別動作処理]
図27に示すように特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0143】
特別図柄待機処理(S1302)では、始動口センサ処理(
図26参照)にて取得した大当たり乱数等の乱数値を所定の判定テーブル(
図11(A),(B),(C),
図12参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を報知するための特別図柄の変動表示を開始して、特別動作ステータスを「2」にセットする。特別図柄待機処理(S1302)については後に詳述する。
【0144】
特別図柄変動中処理(S1304)では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過したら特別図柄を停止表示するとともに、変動停止コマンドを出力バッファにセットして、特別動作ステータスを「3」にセットする。
【0145】
特別図柄確定処理(S1306)では、停止した特別図柄が大当たり図柄か否かを判定して、大当たり図柄であれば、特別電動役物処理を実行するために特別動作ステータスを「4」にセットする。このときに大当たりのオープニングコマンドを出力バッファにセットする。大当たり図柄でなければ、再び特別図柄待機処理を実行するために特別動作ステータスを「1」にセットする。なお、特別図柄確定処理(S1306)では、高確率状態の制御期間を管理するために、確変フラグがONであれば確変カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば確変フラグをOFFする。また、時短状態(つまりは高ベース状態)の制御期間を管理するために、時短フラグがONであれば時短カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば時短フラグをOFFする。また、特別動作ステータスを「4」にする際に、確変フラグや時短フラグがONであればOFFに戻す。つまり、大当たり遊技中は低確低ベース状態に制御される。
【0146】
特別電動役物処理(S1307)では、当選した大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図9参照)に従って第1大入賞口30及び第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。特別電動役物処理(S1307)については後に詳述する。
【0147】
[特別図柄待機処理]
図28に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1415)、ONであれば本処理を終え、ONでなければ、客待ちコマンドを出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにする(S1417)。
【0148】
ステップS1401において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、特
図2大当たり判定処理(S1402)及び特
図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。
【0149】
特
図2大当たり判定処理(S1402)では、大当たり乱数値を読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)に基づいて、大当たりの当否判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、当たり種別乱数値を読み出して、当たり種別判定テーブル(
図11(B)参照)に基づいて当たり種別を判定する。そして、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(
図9参照)をRAM84に設けた特図バッファにセットする。当否判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図バッファにセットする。
【0150】
特
図2変動パターン選択処理(S1403)では、変動パターン乱数値を読み出して、特図変動パターン判定テーブル(
図12参照)に基づいて変動パターンを選択する。なおこの処理では、上述した当否判定の結果が「ハズレ」であった場合には、リーチ乱数値を読み出してリーチ判定テーブル(
図11(C)参照)に基づいて、リーチ有りハズレの変動パターンにするのか、リーチ無しハズレの変動パターンにするのかを決定する。
【0151】
次に遊技制御用マイコン81は、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0152】
続いて遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理(S1406)を実行する。特
図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンドともいう)には、特
図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)本処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく本処理を終える。
【0153】
また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特
図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特
図1大当たり判定処理(S1408)及び特
図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。特
図1大当たり判定処理(S1408)は、特
図2大当たり判定処理(S1402)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特
図1変動パターン選択処理(S1409)は、特
図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の処理であるため説明を省略する。
【0154】
次に遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0155】
続いて遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理(S1412)を実行する。特
図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンドともいう)には、特
図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)本処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく本処理を終える。
【0156】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(
図9参照)。
【0157】
[特別電動役物処理]
図29に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0158】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
【0159】
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第16ラウンドを開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
【0160】
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
【0161】
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に制御されることのないようにしている。
【0162】
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(
図9参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、第16ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
【0163】
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
【0164】
特別電動役物処理(
図29)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(
図9参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
【0165】
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。なお、ラウンドカウンタは、ラウンド遊技の実行回数をカウントするためのカウンタであり、大当たり遊技の実行開始時に「16」にセットされるものとする。
【0166】
一方ステップS2213でラウンドカウンタの値が「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
【0167】
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(
図27)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
【0168】
遊技状態設定処理(S2221)では、VフラグがONか否かを判定し、ONであれば確変フラグ及び時短フラグをONするとともに、VフラグをOFFする。そして、確変カウンタ及び時短カウンタに「180」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態になる。一方、VフラグがONでなければ、時短フラグをONするとともに、時短カウンタに「100」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、低確高ベース状態になる。
【0169】
[電源断監視処理]
図30に示すように、電源断監視処理(S108)ではまず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2901)、入力がなければ(S2901でNO)この処理を終了する。電源断信号は、電断により電源電圧が低下し始めたときに遊技制御用マイコン81に入力される信号である。ステップS2901において電源断信号の入力があれば(S2901でYES)、チェックサムを算出してRAM84の所定の記憶領域に格納するとともに(S2902)、電源断フラグをONする(S2903)。そして、RAM84へのアクセスの禁止設定を行う(S2904)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(
図25)に戻ることなくループ処理をする。
【0170】
8.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に
図31〜
図42に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から
図31に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
【0171】
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONにされるフラグ)がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであってもRAM94内容が正常でない場合には、RAM94の初期化をして(S4002)、ステップS4005に進む。
【0172】
一方、判定結果がYESであれば(S4001でYES)、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4003)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4003でYES)、主制御基板80のRAM84はクリアされている。そのため、RAMクリアフラグをONするとともに(S4004)、サブ制御基板90のRAM94をクリアして(S4002)、ステップS4005に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4003でNO)、ステップS4004及びS4002を実行せずにステップS4005に進む。
【0173】
ステップS4005では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
【0174】
ステップS4006では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4007)。乱数シード更新処理(S4007)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0175】
乱数シード更新処理(S4007)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4008)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、RTC演出、客待ち演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。
【0176】
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4009)。以降、ステップS4006〜S4009をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0177】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4010)では、
図32に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される処理である。
【0178】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図33に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a、特殊操作部検出スイッチ64a、及びセレクトボタン検出スイッチ65aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0179】
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4307)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
【0180】
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、画像演出等の演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動のためのデータ)を作成したり、出力したりする。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
【0181】
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
【0182】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図34に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、後述するRTC演出設定処理(S4303)、RTC演出実行処理1(S4304)、RTC演出実行処理2(S4305)、及び、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4306)を行う。
【0183】
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4307)。
【0184】
[受信コマンド解析処理]
図35に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば先読み演出判定処理(S4402)を行う。
【0185】
先読み演出判定処理(S4402)ではまず、受信した始動入賞コマンドをRAM94の所定の記憶領域に格納する。格納された始動入賞コマンドは、当該コマンドに対応する大当たり乱数に基づく特図変動が終了するまでRAM94に記憶されている。次に、今格納した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出(先読み予告演出)の実行抽選を行う。先読み演出には、演出保留画像9を通常の表示態様とは異なる特別表示態様で表示する保留予告演出や、連続する複数の特図変動にわたって相互に関連する演出を実行する連続予告演出等がある。これらの演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0186】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出開始処理(S4404)を行う。変動演出開始処理(S4404)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて変動演出パターンを選択する。また、停止図柄としての演出図柄や、予告演出も選択する。そして、選択した演出内容にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0187】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理(S4406)を行う。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0188】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理(S4408)を行う。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0189】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理(S4410)を行う。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0190】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理(S4412)を行う。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0191】
続いて、演出制御用マイコン91は、後述する客待ち処理(S4413)を実行する。次いで演出制御用マイコン91は、RAMクリアフラグ(電源投入時にRAMクリアがあったことを示すフラグ)がONか否かを判定する(S4414)。RAMクリアフラグがONでなければ、ステップS4417に進む。一方、RAMクリアフラグがONであれば、RTC演出の設定期間の計測を開始して(S4415)、RAMクリアフラグをOFFする(S4416)。RTC演出の設定期間とは、遊技場の従業員等がRTC演出の設定画面を呼び出すことが可能な期間である。言い換えれば、RTC演出の設定期間とは、演出制御用マイコン91がRTC演出の設定画面の表示指示を受け付けている期間である。本形態では、この設定期間は、30秒に設定されている。勿論、RTC演出の設定期間の長さは適宜変更可能である。
【0192】
ステップS4417では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、V通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
【0193】
[客待ち処理]
図36に示すように、客待ち処理(S4413)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(S4501)。客待ちコマンドを受信していれば、客待ち演出を実行するまでの待機時間の計測を開始するとともに(S4502)、客待ち計測フラグをONにして(S4503)、ステップS4505に進む。
【0194】
一方、受信していなければ、続いて、客待ち計測フラグがONか否かを判定する(S4504)。客待ち計測フラグがONでなければ、客待ち演出実行までの待機時間の計測中ではないため、客待ち処理を終了する。これに対して、客待ち計測フラグがONであれば、続いて、タイムアップか否か、すなわち、計測中の待機時間が経過して客待ち演出の実行開始時間となったか否かを判定する(S4505)。そして、タイムアップでなければ、本処理を終えるが、タイムアップであれば、客待ち計測フラグをOFFするとともに(S4506)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4507)、本処理を終える。
【0195】
[RTC演出設定処理]
図37に示すように、RTC演出設定処理(S4303)ではまず、演出制御用マイコン91は、設定画面表示中フラグがONか否かを判定する(S6001)。設定画面表示中フラグは、
図21(A)に示す「機能設定メニュー」の画面や
図21(B)に示す「RTC演出設定」の画面といった設定画面の表示中であることを示すフラグであり、後述のステップS6005でONにされるフラグである。
【0196】
設定画面表示中フラグがONでなければ(S6001でNO)、続いて、RAMクリア後の所定期間(RTC演出の設定期間)中か否かを判定する(S6002)。上述した通り、本形態ではこの期間は30秒に設定されている。RAMクリア後の所定期間内でなければ(S6002でNO)、直ちに本処理を終える。一方、RAMクリア後の所定期間内であれば(S6002でYES)、続いて、所定の設定画面呼出操作(表示操作ともいう)がなされたか否かを判定する(S6003)。本形態では、設定画面呼出操作は、演出ボタン63を連続して5回押下することである。勿論、設定画面呼出操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。
【0197】
ステップS6003において設定画面呼出操作がなされていなければ、直ちに本処理を終える。これに対して、設定画面呼出操作がなされていれば(S6003でYES)、設定画面表示処理(S6004)を行う。設定画面表示処理(S6004)では、表示画面7aを
図21(A)に示す「機能設定メニュー」の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。その後、演出制御用マイコン91は、設定画面表示中フラグをONにして(S6005)、本処理を終える。
【0198】
なお、ステップS6004でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに
図21(A)に示す画像を表示させる。
図21(A)に示す機能設定メニューの画像が表示画面7aに表示されているときには、遊技場の従業員等の設定者は、種々の設定項目の中から任意の設定項目を選択することが可能である。この設定項目の中には、RTC演出に関する設定をするための「RTC演出設定」の項目が含まれている。
【0199】
RTC演出設定処理(
図37)のステップS6001において、設定画面表示中フラグがONであれば、
図38に示すように、「RTC演出設定」の項目が選択されたか否かを判定する(S6011)。つまり、
図21(A)に示す機能設定メニュー画面の表示中に「RTC演出設定」の設定項目を選択する操作がなされたか否かを判定する。この選択操作は、セレクトボタン65の操作によりカーソル画像を移動させて、「RTC演出設定画面へ」の選択欄の画像(選択用アイコン)にカーソル画像を合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
【0200】
ステップS6011において選択操作がなされていなければ、直ちにステップS6013に進む。一方、なされていれば(S6011でYES)、RTC演出設定画面表示処理(S6012)を行って、ステップS6013に進む。RTC演出設定画面表示処理(S6012)では、表示画面7aを
図21(B)に示すRTC演出設定の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。なお、ステップS6012でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに
図21(B)に示す画像を表示させる。
【0201】
図21(B)に示すRTC演出設定の画像が表示画面7aに表示されているときには、遊技場の従業員等の設定者は、RTC演出に関する種々の設定を行うことが可能である。具体的には、[1]RTC演出のON/OFF設定、[2]総台数設定、及び[3]台番号設定の3つの設定を行うことが可能である。RTC演出のON/OFF設定は、RTC演出を行うか行わないかの設定であり、ONに設定すれば本パチンコ遊技機1はRTC演出を行い得る状態(実行許可状態)となり、OFFに設定すれば本パチンコ遊技機1はRTC演出を全く行わない状態(実行禁止状態)となる。
【0202】
総台数設定は、本パチンコ遊技機1が属する遊技機グループが何台の遊技機で構成されているかの設定(設置台数の設定)であり、上限設定台数5台までの範囲で、つまり1〜5の範囲で設定することが可能である。台番号設定は、本パチンコ遊技機1の遊技機グループにおける相対的な設置位置の設定であり、設置台数の範囲で(つまり、例えば設置台数が「3」であれば1〜3の範囲で)設定することが可能である。RTC演出がONに設定されているときには、これらの設置台数と設置位置の情報に基づいて、本パチンコ遊技機1が実行するRTC演出の内容が決定される。
【0203】
図38のステップS6013では、RTC演出のOFF設定が選択されたか否かを判定する。つまり、
図21(B)に示すRTC演出設定画面の表示中に「RTC演出」の設定項目を「OFF」にする操作がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン65の上ボタン65Uと下ボタン65Dの操作によりカーソル画像を「RTC演出」の欄に合わせ、セレクトボタン65の左ボタン65Lと右ボタン65Rの操作により「RTC演出」の欄の画像を「OFF」の画像又は「ON」の画像のいずれかに切り替えるという操作である。
【0204】
ステップS6013においてRTC演出のOFF設定を選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS6015に進む。これに対して、なされていれば、RTC演出がOFF設定であることを示すRTC演出OFF設定情報を所定の記憶領域にセットして(S6014)、ステップS6015に進む。
【0205】
ステップS6015では、RTC演出のON設定が選択されたか否かを判定する。つまり、
図21(B)に示すRTC演出設定画面の表示中に「RTC演出」の設定項目を「ON」にする操作がなされたか否かを判定する。ステップS6015においてRTC演出のON設定を選択する操作がなされていなければ、直ちにステップS6017に進む。これに対して、なされていれば、RTC演出がON設定であることを示すRTC演出ON設定情報を所定の記憶領域にセットして(S6016)、ステップS6017に進む。
【0206】
ステップS6017では、設置台数(総台数)の入力操作が行われたか否かを判定する。つまり、
図21(B)に示すRTC演出設定画面の表示中に「総台数設定」の設定項目における値を変更する操作がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン65の上ボタン65Uと下ボタン65Dの操作によりカーソル画像を「総台数設定」の欄に合わせ、セレクトボタン65の左ボタン65Lと右ボタン65Rの操作により「総台数設定」の欄の画像を「01」から「05」までのいずれかの画像に切り替えるという操作である。
【0207】
ステップS6017において総台数設定を変更する操作がなされていなければ、直ちにステップS6019に進む。これに対して、なされていれば、入力操作に応じた設置台数を示す設置台数情報を所定の記憶領域にセットして(S6018)、ステップS6019に進む。
【0208】
ステップS6019では、設置位置の入力操作が行われたか否かを判定する。つまり、
図21(B)に示すRTC演出設定画面の表示中に「台番号設定」の設定項目における値を変更する操作がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン65の上ボタン65Uと下ボタン65Dの操作によりカーソル画像を「台番号設定」の欄に合わせ、セレクトボタン65の左ボタン65Lと右ボタン65Rの操作により「台番号設定」の欄の画像を「01」から「05」までのいずれかの画像に切り替えるという操作である。
【0209】
ステップS6019において台番号設定を変更する操作がなされていなければ、直ちにステップS6021に進む。これに対して、なされていれば、入力操作に応じた設置位置を示す設置位置情報を所定の記憶領域にセットして(S6020)、ステップS6021に進む。
【0210】
ステップS6021では、RTC演出の設定を終了させる設定終了操作が行われたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン65の上ボタン65Uと下ボタン65Dの操作によりカーソル画像を
図21(B)に示す「キャンセル」又は「決定」の欄に合わせ、演出ボタン63を押下するという操作である。
【0211】
ステップS6021においてRTC演出の設定終了操作がなされていなければ、直ちにステップS6024に進む。これに対して、なされていれば、続いて、RTC演出の設定が更新されたか否か(すなわち
図21(B)に示す画面で「決定」が選択されたか否か)を判定する(S6022)。RTC演出の設定が更新されていなければ、直ちにステップS6024に進む。一方、更新されていれば(S6022でYES)、RTC演出のON/OFFの設定情報、設置台数情報、及び設置位置情報を、RAM94のRTC演出設定記憶部96に格納して(S6023)、ステップS6024に進む。なお上述したように、RTC演出設定記憶部96には、本パチンコ遊技機1の電断時であっても電力が供給される。従って、電断時においてもRTC演出設定記憶部96に格納された各種の設定情報は保持される。また、RTC演出の設定終了操作がなされると、再び
図21(A)に示す「機能設定メニュー」の画面が表示される。
【0212】
ステップS6024では、機能設定メニュー画面の表示を終了させる設定終了操作が行われたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン65の上ボタン65Uと下ボタン65Dの操作によりカーソル画像を
図21(A)に示す「設定終了」の欄に合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
【0213】
ステップS6024において機能設定メニューの終了操作がなされていなければ、直ちに本処理を終える。これに対して、なされていれば、設定画面終了処理(S6025)を行うとともに、設定画面表示中フラグをOFFして(S6026)、本処理を終える。設定画面終了処理(S6025)では、
図21(A)に示す機能設定メニューの画像表示を終了させるための表示コマンドを出力バッファにセットする。なお、ステップS6025でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、機能設定メニューの画像表示を終了して、通常の遊技演出の画像を表示画面7aに表示させる。
【0214】
[RTC演出実行処理1]
図39に示すように、RTC演出実行処理1(S4304)ではまず、演出制御用マイコン91は、RTC演出(特別演出)のON/OFF設定がON設定になっているか否かを判定する(S6101)。この判定には、RTC演出設定記憶部96に格納されているRTC演出ON/OFF設定情報を用いる。RTC演出がON設定になっていなければ(S6101でNO)、直ちに本処理を終える。つまり、RTC演出がOFF設定になっていれば、本パチンコ遊技機1は、RTC演出を一切実行しない。
【0215】
一方、RTC演出がON設定になっていれば(S6101でYES)、サブ制御基板90に実装されているRTC99からRTC情報を取得してRAM94に格納する(S6102)。RTC情報は、現時点の日時(日付及び時刻)を示す情報である。日付情報は現時点が何年何月何日かを示し、時刻情報は現時点が何時何分何秒かを示す。このように本形態では、RTC演出がON設定になっていれば、RAM94に格納されているRTC情報は、RTC演出実行処理1が実行される度に更新される。
【0216】
続いて、演出制御用マイコン91は、RAM94に格納したRTC情報に基づいて、RTC演出の非実行期間か否かを判定し(S6103)、判定結果がYESであれば直ちに本処理を終え、判定結果がNOであればステップS6104に進む。RTC演出の非実行期間とは、RTC演出を一切実行しない期間のことである。本形態では、パチンコ遊技機1の遊技場への導入が2015年8月に開始されると仮定し、2020年1月1日以降の期間をRTC演出の非実行期間に設定しているものとする。つまり、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技場への導入開始から一定の期間が経過して、予め定められた非実行期日(2020年1月1日、第1特定期日ともいう)に至ると、その後は一切RTC演出を行わないように構成されている。なお、非実行期間をいつに設定するか(非実行期日をいつに設定するか)は、適宜変更可能な事項である。
【0217】
ステップS6103においてRTC演出の非実行期間ではないと判定されると、すなわち2020年1月1日に至っていないと判定されると、続いて、発動カウンタの値Hを1インクリメントする(S6104)。発動カウンタは、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから1日のうちの初回のRTC演出が実行されるまでは、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間を計測し、1日のうちの初回のRTC演出が実行された後は、前回のRTC演出の実行開始からの経過時間を計測するカウンタである。
【0218】
具体的には、発動カウンタは、RTC演出がON設定になっており(ステップS6101でYES)、RTC演出の非実行期間でなければ(ステップS6103でNO)、RTC演出実行処理1が実行される度に1加算される。RTC演出実行処理1は、10msタイマ割り込み処理中の処理である(
図34参照)。つまり、発動カウンタは10ms毎に1加算される。後述するように発動カウンタはRTC演出の開始時間(発動時間)になると「0」にクリアされる(ステップS6105及びS6106参照)。従って、発動カウンタの値Hに10msを乗じた値は、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間、又は、前回のRTC演出の実行開始からの経過時間のいずれかを示すこととなる。なお、ステップS6104の処理は計時処理に当たる。
【0219】
ステップS6104に続いて演出制御用マイコン91は、発動カウンタの値Hに基づいて、RTC演出の開始時間(発動時間)に至ったか否かを判定する(S6105)。本形態では、電源投入から3時間毎にRTC演出が実行されるように、発動時間を示す定数が設定されている。従って、本パチンコ遊技機1の電源を7時に投入すれば、10時、13時、16時、19時…と、電源を切るまでの間は3時間毎にRTC演出が実行されることとなる。なお、本形態では、各時刻において実行されるRTC演出を同じ演出として構成しているが、時刻に応じて異なる演出が実行されるように構成してもよい。
【0220】
ステップS6105においてRTC演出の発動時間に至っていないと判定した場合には、直ちに本処理を終える。一方、RTC演出の発動時間に至っていると判定した場合には(S6105でYES)、発動カウンタの値Hを「0」にクリアする(S6106)。そして、RTC演出設定記憶部96に記憶されている設置台数情報および設置位置情報を参照して(S6107)、参照した設置台数情報および設置位置情報に応じたRTC演出の実行テーブルの番号(「実行テーブルNo.」という、
図22参照)をセットする(S6108)。具体的には例えば、
図22に示すように設置台数情報が「5」で設置位置情報が「1」であれば、実行テーブルNo.「0501」をセットする。
【0221】
ここで本形態では、RTC演出の演出尺(演出時間)には、通常尺(通常の演出時間、第1演出時間)と短縮尺(通常の演出時間よりも短い短縮演出時間、第2演出時間)とがある。
図15(A)に示すように、通常尺のRTC演出では、導入演出として、個別画像1、関連画像1、個別画像2、関連画像2、関連画像3、及び個別画像3の6つの画像がこの順に再生される。各画像の演出時間は10秒である。よって、これらの6つの画像を再生する通常尺の導入演出では、演出時間は60秒となる。
【0222】
これに対して、
図15(B)に示すように、短縮尺のRTC演出では導入演出として、個別画像1、関連画像1、関連画像2、及び個別画像3の4つの画像がこの順に再生される。つまり、個別画像2(観客席の様子を示す画像、
図16(C)参照)及び関連画像3(整列シーンを示す画像、
図16(E)参照)は再生されない。よって、短縮尺の導入演出の演出時間は40秒となる。
【0223】
通常尺のRTC演出が実行されるか短縮尺のRTC演出が実行されるかは、短縮化期日(第2特定期日)の到来の有無によって決まる。すなわち本形態では、本パチンコ遊技機1が遊技場に導入されてから短縮化期日が到来するまでの間は、通常尺のRTC演出が実行され、短縮化期日が到来してからは、短縮尺のRTC演出が実行される。短縮化期日は、本形態では2015年11月1日に設定されているものとする。上述した通り、本パチンコ遊技機1は、2015年8月に遊技場への導入が開始されることを仮定している。つまり、短縮化期日は、遊技場への導入が開始されてから3か月程度の期間が経過した時点に設定されている。
【0224】
このようにしているのは、次の理由からである。すなわち、本パチンコ遊技機1の導入開始からある程度の期間が経過した後は、遊技者の中にはRTC演出を何度も見ている者も出てくる。このような遊技者は若干、RTC演出を見飽きたとの感情を抱いている可能性もある。そこで、短縮化期日以降はRTC演出の演出時間を短縮し、RTC演出の実行がこのような遊技者の遊技意欲を低下させてしまうのを抑制している。なお、短縮化期日以降の期間(2015年11月1日からの期間)を、短縮化期間と称することとする。
【0225】
上記のように本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出の演出尺に通常尺とこれよりも短い短縮尺とを設けている。よってRTC演出実行処理1(
図39)では、演出制御用マイコン91は、ステップS6108でRTC演出の実行テーブルNo.(
図22参照)をセットした後、RTC演出短縮化期間か否かを判定する(S6109)。この判定には、ステップS6102で取得したRTC情報を用いる。
【0226】
ステップS6109において、RTC演出短縮化期間であると判定されなければ(S6109でNO)、つまり2015年10月31日までの期間であれば、通常尺の導入演出を開始させるための演出開始コマンド(通常導入演出開始コマンド)を出力バッファにセットする(S6110)。具体的には例えば、ステップS6108において実行テーブルNo.「0501」(
図22参照)がセットされていれば、ステップS6110では画像データDa→Db1→Dc→Dd1→De1→Dfをこの順に再生させるための通常導入演出開始コマンドをセットする。そして、RTC演出の演出時間を計測するためのRTC演出タイマに、導入演出の演出時間として通常尺の演出時間(60秒)をセットして(S6111)、本処理を終える。
【0227】
これに対して、ステップS6109において、RTC演出短縮化期間であると判定されれば(S6109でYES)、つまり2015年11月1日以降の期間であれば、短縮尺の導入演出を開始させるための演出開始コマンド(短縮導入演出開始コマンド)を出力バッファにセットする(S6112)。具体的には例えば、ステップS6108において実行テーブルNo.「0501」(
図22参照)がセットされていれば、ステップS6112では、画像データDa→Db1→Dd1→Dfをこの順に再生させるための短縮導入演出開始コマンドをセットする。そして、RTC演出の演出時間を計測するためのRTC演出タイマに、導入演出の演出時間として短縮尺の演出時間(40秒)をセットして(S6113)、本処理を終える。
【0228】
なお上記の説明では、ステップS6108において実行テーブルNo.「0501」(
図22参照)がセットされた場合を例に挙げた。この例とは異なる設置台数や設置位置に設定されている場合には、
図22に示す他の実行テーブルが選択されることとなる。他の実行テーブルが選択された場合に再生される画像データについては、
図22に示す通りであるため、説明は省略する。
【0229】
このように本パチンコ遊技機1では、設置台数情報及び設置位置情報に基づいて、実行するRTC演出の内容が決定される。よって、本パチンコ遊技機1と同機種の遊技機を複数台並べて遊技機グループを構成し、その遊技機グループ内の各遊技機の設置台数情報と設置位置情報とを正しく設定しておけば、開始時間を迎えると各遊技機が設置台数情報と設置位置情報に対応付けられたRTC演出を実行することで、遊技機グループ全体として
図16〜
図19に示した形でRTC演出が実行されることとなる。
【0230】
例えば遊技機グループを5台の遊技機で構成した場合には、各遊技機に、設置台数情報として「5」を設定し、設置位置情報として「1」〜「5」のうちの設置位置に応じた各値を設定しておく。そうすれば、各遊技機が設置台数情報及び設置位置情報に基づいて導入演出を実行することで、
図16〜
図19に示した形で導入演出が実行されることとなる。また、遊技機グループを4台以下の遊技機で構成した場合にも、各遊技機に、設置台数情報として設置台数に応じた値を設定し、設置位置情報として設置位置に応じた値を設定しておけば、各遊技機が設置台数情報及び設置位置情報に応じた導入演出を実行することにより、
図17〜
図19において1台から4台の場合として示している形で関連画像演出(組み合わせ画像演出)が実行されることとなる。
【0231】
[RTC演出実行処理2]
図40に示すように、RTC演出実行処理2(S4305)ではまず、演出制御用マイコン91は、RTC演出タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S6201)。RTC演出タイマは、導入演出の演出時間の残時間を計測しているタイマである(
図39のステップS6111又はS6113参照)。よって、RTC演出タイマの値が「0」より大きければ(S6201でYES)、導入演出の実行中である。よってこの場合には、RTC演出タイマを減算するとともに(S6202)、RTC演出タイマの値が「0」か否かを判定する(S6203)。そして、RTC演出タイマの値が「0」であれば(S6203でYES)、導入演出に続いて展開演出を実行させるため(
図15参照)、展開演出の演出開始コマンド(展開演出開始コマンド)を出力バッファにセットして(S6204)、本処理を終える。なお、ステップS6201又は6203の判定結果がNOであれば、直ちに本処理を終える。
【0232】
本形態では展開演出には、成功態様の展開演出(最終的に
図20(B)に示す成功演出が実行される展開演出)と、失敗態様の展開演出(最終的に
図20(C)に示す失敗演出が実行される展開演出)がある。図示を省略するが、本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出タイマが「0」になると展開演出開始コマンドのセット前に、現在実行中の特別図柄の変動表示が当たり変動(大当たり当選の当否判定結果に基づく特図変動)か否かを判定する。そして、この判定結果がYESであれば、ステップS6204では成功態様の展開演出を実行させるための展開演出開始コマンドをセットする。
【0233】
また、上記の判定結果がNOであれば、続いて、特図保留の中に当たり保留(当否判定において大当たり当選と判定される予定の特図保留)があるか否かを判定する。この判定は、RAM94に格納されている始動入賞コマンドを参照することにより行われる。そして、この判定結果がYESである場合にも、ステップS6204では成功態様の展開演出を実行させるための展開演出開始コマンドをセットする。これに対して、当たり変動の実行中でなく、当たり保留もない場合には、ステップS6204では失敗態様の展開演出を実行させるための展開演出開始コマンドをセットする。
【0234】
[スイッチ処理]
図41に示すように、スイッチ処理(S4306)では、SW演出(
図20(A)参照)の実行中か否か、すなわち、操作手段の操作が有効な期間(操作有効期間)中か否かを判定する(S7001)。本形態では、SW演出はRTC演出(特別演出)における展開演出の一部に含まれている(
図15参照)。また、本形態におけるSW演出では、操作手段は特殊操作部64である。
【0235】
ステップS7001においてSW演出の実行中でなければ(S7001でNO)、直ちに本処理を終える。一方、SW演出中であれば(S7001でYES)、後述するSW演出処理を行う(S7002)。その後、操作有効期間の残時間を計測しているSWタイマの値が「0」より大きいか否かを判定し(S7003)、大きければSWタイマを減算して(S7004)、本処理を終える。SWタイマは、SW演出の開始のタイミングで所定の値にセットされるものとする。なお、SW演出とは、遊技者により演出に関する操作が可能な操作手段(例えば演出ボタン63や特殊操作部64、セレクトボタン65)を用いる演出のことである。
【0236】
[SW演出処理]
図42に示すように、SW演出処理(S7002)ではまず、特殊操作部64が操作されたか否か、すなわち特殊操作部検出スイッチ64aがONされたか否かを判定する(S7101)。そしてONされたと判定しなかった場合には(S7101でNO)、直ちに本処理を終えるが、ONされたと判定した場合には(S7101でYES)、実行中の展開演出が成功態様の展開演出(SW演出に続いて成功演出(
図20(B)参照)を行う展開演出)か否かを判定する(S7102)。
【0237】
そして成功態様の展開演出でなければ(S7102でNO)、ステップS7014に進む。これに対して、成功態様の展開演出であれば(S7102でYES)、装飾可動体15を原位置(待機位置、例えばセンター装飾体10のステージ部11の後方)から動作位置(例えば表示画面7aの前方)に変位させるための可動体駆動データを、RAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S7103)、ステップS7104に進む。ステップS7104ではSWタイマを「0」にセットする。そして本処理を終える。
【0238】
ステップS7103でセットされた可動体駆動データに従って駆動制御処理(S4203)がなされると、装飾可動体15は原位置から動作位置に変位する。これにより遊技者には大当たり当選が報知される。なお、装飾可動体15が動作位置に変位するタイミングに合わせて、表示画面7aには成功演出(
図20(B)参照)が表示される。また、動作位置に変位した装飾可動体15は、所定の待機時間の経過後に原位置に戻される。
【0239】
9.画像制御基板100のCPU102の動作
[画像制御基板タイマ割り込み処理]次に
図43〜
図45に基づいて画像制御基板100のCPU102の動作について説明する。CPU102は、所定の割り込み周期で
図43に示す画像制御基板タイマ割り込み処理を実行する。
図43に示すように、画像制御基板タイマ割り込み処理では、CPU102は、後述するコマンド受信処理(S8001)及び画像出力制御処理(S8002)を行う。そして、データ送信制御処理(S8003)を行う。データ送信制御処理(S8003)では、表示画面7a上での画像表示演出に合わせて、スピーカ67から演出音を出力させたり、盤ランプ5や枠ランプ66を点灯させたりするための指示データを演出制御用マイコン91に対して送信する。
【0240】
[コマンド受信処理]
図44に示すように、コマンド受信処理(S8001)ではまず、画像制御基板100のCPU102は、設定画面関係の表示コマンドを受信したか否かを判定する(S8101)。受信していれば(S8101でYES)、その表示コマンドが示す画面に表示画面7aを制御するための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8102)。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、
図21(A)や
図21(B)に示す設定画面が表示画面7aに表示されることとなる。
【0241】
次にCPU102は、導入演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S8103)。受信していれば(S8103でYES)、導入演出の画像を表示画面7aに表示させるための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8104)。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、導入演出の画像(
図16参照)が表示画面7aに表示されることとなる。
【0242】
なお本形態では、導入演出の開始時に変動演出の実行中であれば、
図46(B)に示すように、全画面表示の表示態様で導入演出(RTC演出)の画像を表示するとともに、縮小表示の表示態様で変動演出の画像を表示する。つまり、このような表示態様となるように設定情報をセットする。これにより、遊技者をRTC演出に集中させることが可能である。また、導入演出の開始時に客待ち演出の実行中であれば、全画面表示の表示態様で導入演出(RTC演出)の画像を表示し、客待ち演出の画像は表示しない。
【0243】
続いてCPU102は、展開演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S8105)。受信していれば(S8105でYES)、展開演出の画像を表示画面7aに表示させるための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8106)。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、展開演出の画像(
図20参照)が表示画面7aに表示されることとなる。
【0244】
続いてCPU102は、客待ち演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S8107)。受信していれば(S8107でYES)、客待ち演出の画像を表示画面7aに表示させるための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8108)。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、客待ち演出の画像(図示せず)が表示画面7aに表示されることとなる。
【0245】
続いてCPU102は、変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S8109)。受信していれば(S8109でYES)、変動演出の画像を表示画面7aに表示させるための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8110)。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、変動演出の画像(
図46(A)参照)が表示画面7aに表示されることとなる。
【0246】
なお本形態では、変動演出の開始時にRTC演出の実行中でなければ、
図46(A)に示す全画面表示の表示態様で、変動演出の画像を表示する。また、変動演出の開始時にRTC演出の実行中であれば、
図46(C)に示す簡易表示の表示態様で、変動演出の画像を表示する。つまり、このような表示態様となるように設定情報をセットする。これにより、遊技者をRTC演出に集中させることが可能である。なお、簡易表示の表示態様では、演出図柄のデザインがシンプルになっている。
【0247】
続いてCPU102は、変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S8111)。受信していれば(S8111でYES)、変動演出終了処理(S8112)を行う。変動演出終了処理(S8112)では、変動演出を終了させるための設定情報(つまり演出図柄を停止表示させるための設定情報)を制御用RAM104にセットする。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、演出図柄が停止表示されることとなる。
【0248】
続いてCPU102は、オープニング演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S8113)。受信していれば(S8113でYES)、オープニング演出の画像を表示画面7aに表示させるための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8114)。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、オープニング演出の画像(図示せず)が表示画面7aに表示されることとなる。
【0249】
続いてCPU102は、その他の処理(S8115)を行って、本処理を終える。その他の処理(S8115)では、上記以外のコマンド(例えば、ラウンド演出開始コマンドやエンディング演出開始コマンド等)に基づいて、各種の画像を表示画面7aに表示させるための設定情報を制御用RAM104にセットする。
【0250】
[画像出力制御処理]
図45に示すように、画像出力制御処理(S8003)ではまず、画像制御基板100のCPU102は、制御用RAM104に画像表示装置7に関する設定情報がセットされているか否かを判定する(S8201)。セットされていなければ(S8201でNO)、直ちに本処理を終える。これに対して、セットされていれば(S8201でYES)、制御用RAM104にセットされている設定情報に基づいて、ディスプレイリストを作成する(S8202)。そして、このディスプレイリストをVDP141に対して出力する(S8203)。VDP141に対して出力されたディスプレイリストは、VRAM143の所定の記憶領域に格納される。VDP141は、VRAM143に格納されたディスプレイリストに従って、CGROM142から画像データを読み出して、表示画面7aに種々の画像を表示する。
【0251】
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1では、所定の開始時間になると通常の遊技演出(変動演出や大当たり演出)とは異なるRTC演出(特別演出)が実行される。このRTC演出は、遊技機グループを構成する同機種の遊技機において一斉に実行される。本形態ではこのRTC演出として、所定の上限設定台数(5台)の各遊技機が表示する要素画像の組み合わせによって、1つの完成画像が形成される組み合わせ画像演出(
図16(B),(D),(E)参照)が行われる。従って、RTC演出を個々の遊技機単体で完結する演出(個別画像演出)だけで構成した場合に比べて、遊技を見物している者や、空き台を探している者に対して強いインパクトを与えることが可能であり、これらの者の遊技意欲を効果的に高めることが可能である。
【0252】
また本形態では、パチンコ遊技機1が属する遊技機グループを構成する遊技機の設置台数(総台数)と、この遊技機グループにおけるパチンコ遊技機1の設置位置(台番号)を設定することが可能である(
図21(B)及び
図38参照)。そして、これらの設定に基づいて、遊技機グループに属する各遊技機が表示する要素画像が全体として繋がるように、各遊技機は表示画像を選択する(
図17〜
図19および
図22参照)。従って、遊技機グループを構成する遊技機の設置台数が上限設定台数(5台)に満たないことで本来の完成画像を表示できない場合であっても、設置された台数の遊技機で表示可能な範囲で、違和感なく組み合わせ画像演出を実行することが可能である。
【0253】
特に本形態では、設置台数情報と設置位置情報とに基づいて、遊技機グループが何台の遊技機で構成されていようとも、いずれかの遊技機に要部画像(完成画像における要部を構成する画像)が表示されるように、各遊技機は表示画像を選択する(
図17〜
図19および
図22参照)。なお、要部画像は、関連画像1においては画像データDb3の画像であり(
図17参照)、関連画像2においては画像データDd5の画像であり(
図18参照)、関連画像3においては画像データDe1の画像である(
図19参照)。従って、遊技機グループを構成する遊技機の設置台数が上限設定台数(5台)に満たなくて、本来の完成画像を表示できない場合であっても、組み合わせ画像演出において要部画像は必ず表示されることとなる。よって、組み合わせ画像演出による演出効果が著しく低下するのを抑制することが可能である。
【0254】
また本形態のパチンコ遊技機1では、関連画像1〜3(
図17〜
図19参照)は互いに完成画像における要部画像の表示位置が異なっている。つまり、本形態におけるRTC演出は、組み合わせ画像演出として、上限設定台数の遊技機で構成される遊技機グループにおいて第1の設置位置に位置する遊技機によって要部画像が表示される第1の組み合わせ画像演出(関連画像1の組み合わせ画像演出)と、上限設定台数の遊技機で構成される遊技機グループにおいて第1の設置位置とは異なる第2の設置位置に位置する遊技機によって要部画像が表示される第2の組み合わせ画像演出(関連画像2の組み合わせ画像演出)と、上限設定台数の遊技機で構成される遊技機グループにおいて第1の設置位置とも第2の設置位置とも異なる第3の設置位置に位置する遊技機によって要部画像が表示される第3の組み合わせ画像演出(関連画像3の組み合わせ画像演出)と、を含んでいる。
【0255】
しかし本形態では、いずれの種類の組み合わせ画像演出においても、必ず要部画像が表示されるように、RTC演出の実行テーブルを選択している(
図22参照)。よって、上限設定台数(5台)に満たない遊技機で遊技機グループが構成された場合に、要部画像が表示される組み合わせ画像演出と、要部画像が表示されない組み合わせ画像演出とがでてしまい、RTC演出による演出効果が低下してしまうのを防ぐことが可能である。つまり、例えば3台の遊技機で遊技機グループを構成した場合に、単に左から3台分の画像を表示させる制御にしてしまうと、関連画像2の組み合わせ画像演出(
図18)では要部画像が表示されなくなるが、このような事態の発生を防止することが可能である。
【0256】
また本形態のパチンコ遊技機1では、上限設定台数に満たない遊技機で遊技機グループが構成された場合には、完成画像における表示位置が要部画像から遠い非要部画像が表示されなくなる(
図17〜
図19参照)。つまり、組み合わせ画像演出において完成画像を形成することができない場合には、要部画像とこれに表示位置の近い非要部画像とで表示画像が形成されることとなる。さらに言い換えれば、遊技機グループを構成する各遊技機は、設置台数情報が示す台数の範囲で優先順位の高い要素画像が表示されるように、表示画像を選択する。よって、違和感のない組み合わせ画像演出を実行することが可能である。つまり、ちぐはぐな演出画像が形成されて遊技者に違和感を与えてしまい、演出効果を著しく損なうのを防止することが可能である。
【0257】
また本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出の演出時間が、短縮化期日(第2特定期日、2015年11月1日)の到来前後で変化する(
図39のステップS6109〜S6113参照)。よって、短縮化期日の到来後はRTC演出に新しさを感じさせることが可能となっている。特に本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出の演出時間が、短縮化期日の到来後は短くなる(
図39及び
図15参照)。従って、本パチンコ遊技機1がパチンコホール等の遊技場に導入されてから一定の稼働期間が経過しているにもかかわらず、導入開始時点と変わらない演出時間でRTC演出が実行されることにより、このRTC演出に見慣れてしまった遊技者の遊技意欲が低下してしまうのを抑制することが可能である。
【0258】
また本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出のON設定と、RTC演出のOFF設定とを切り替えることが可能である(
図21(B)及び
図38参照)。従って、例えばパチンコホール等の遊技場側の事情によって、開始時間の到来を契機とするRTC演出を実行させたくない場合に、RTC演出の実行を禁止させることが可能となっている。なお、ON設定の状態を、RTC演出が実行され得る実行許可状態といい、OFF設定の状態を、RTC演出が実行され得ない実行禁止状態という。
【0259】
一般的に遊技機は遊技場への導入当初においては同機種の遊技機と複数台のセットにされて遊技島として設置される。但し、導入からある程度期間が経過すると稼働が低下し始め、遊技場に設置される台数が少なくなるのが一般的である。最終的には様々な機種の遊技機が1台ずつ設置された所謂バラエティコーナーに設置されることもある。このような場合にまで開始時間の到来を契機とするRTC演出を実行し続けることは、演出効果の面から見て有意義とは言い難い。これに対して本形態では、上記のようにRTC演出のON設定とOFF設定とを切り替えることが可能となっている。よって、演出効果が高くないのにRTC演出が実行され続けるのを防止することが可能となっている。
【0260】
特に本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出として組み合わせ画像演出(
図17〜
図19参照)が実行される。この組み合わせ画像演出による演出効果は、1台の遊技機のみでは発揮することができない。これに対して本形態では、ON設定の状態(実行許可状態)とOFF設定の状態(実行禁止状態)とを変更可能としている。そのため、例えば遊技場における本パチンコ遊技機1の設置台数が1台となった場合にOFF設定とすることで、本来の演出効果が十分に発揮できないにもかかわらずRTC演出が実行され続けるのを効果的に防止することが可能となっている。なお、そもそも導入台数が少ない遊技場では、導入当初からRTC演出をOFF設定にしておくことで、同様の効果を発揮させることが可能である。
【0261】
また本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出のON/OFF設定に関する設定情報、つまり実行許可状態に設定されているか実行禁止状態に設定されているかの情報が、RTC演出設定記憶部96(
図7参照)に記憶される。RTC演出設定記憶部96には、電断時であってもバックアップ電源回路151によって電力が供給される。よって、RTC演出のON/OFF設定に関する設定情報は電断時であっても保持される。よって、RTC演出のON/OFF設定を電源投入時に毎回行う手間を省くことが可能となっている。
【0262】
また本形態のパチンコ遊技機1では、RAMクリア後の所定時間に限って、RTC演出を実行させるか否かの設定が可能となっている(
図37参照)。従って、遊技者によっていたずらにRTC演出の実行に関する設定が変更されてしまうのを防止することが可能となっている。
【0263】
また本形態のパチンコ遊技機1では、非実行期日(第1特定期日、2020年1月1日)の到来以降はRTC演出が実行されなくなる(
図39のステップS6103参照)。よって、パチンコホール等の遊技場への導入開始からある程度年月が経って本パチンコ遊技機1の設置台数が減った場合に、遊技場の従業員等がわざわざRTC演出に関する設定を変更しなくても、自動的にRTC演出が実行されなくなる。これにより、演出効果が高くないのにRTC演出が実行され続けるのを自動的に防止することが可能となっている。
【0264】
特に本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出として組み合わせ画像演出(
図17〜
図19参照)が実行される。この組み合わせ画像による演出効果は1台の遊技機のみでは発揮することができない。これに対して本形態では、非実行期日の到来以降はRTC演出が自動的に実行されなくなる。よって、パチンコホール等の遊技場への導入開始から年月が経過して遊技機の設置台数が例えば1台となった場合に、本来の演出効果が十分に発揮できなくなったにもかかわらずRTC演出が実行され続けるのを自動的に防止することが可能となっている。
【0265】
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0266】
上記形態では、組み合わせ画像演出(関連画像演出)として、動画を表示することとしたが、静止画を表示することとしてもよい。また上記形態では、組み合わせ画像演出と、個別画像演出とを含むRTC演出を実行する構成としたが、組み合わせ画像演出だけを含むRTC演出を実行する構成としてもよい。また上記形態では、3種類の組み合わせ画像演出を含むRTC演出を実行する構成としたが、組み合わせ画像演出の種類は1種類だけでもよい。また上記形態では、導入演出と展開演出とを含むRTC演出を実行する構成としたが、RTC演出は導入演出と展開演出とに分かれていなくてもよい。また上記形態では、RTC演出を、当落を報知する演出としたが、当落を報知する演出ではなく、単に通常の遊技演出とは異なる特別画像を表示する演出(例えば歌手のPVを流す演出)としてもよい。また、RTC演出としてどのような画像を表示するかは適宜変更可能である。
【0267】
また上記形態では、RTC演出を実行可能なパチンコ遊技機として構成した。これに対して、RTC演出を実行可能なスロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化され入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
【0268】
また上記形態では、発動カウンタを用いて時間を計測する演出制御用マイコン91(
図39のステップS6104参照)を、計時手段とした。これに対して、計時手段は、RTC99であってもよい。すなわち、RTC演出の発動時間か否かの判定(
図39のステップS6105参照)を、ステップS6102で取得するRTC情報そのものに基づいて行ってもよい。この場合、1つの遊技機グループを構成する全ての遊技機の現在時刻(RTC99により計測される現在時刻)を、秒単位まで正確に合わせておく。また、遊技場の従業員等が定期的にRTC99により計測されている時刻を確認し、遊技機グループ内の遊技機間でずれが生じていないかを確認するとよい。
【0269】
なお上記形態では、RAMクリア後の所定期間(RTC演出の設定期間と同じ期間)中に、セレクトボタン65の上ボタン65Uを連続して5回押下すると(つまり特定の操作をすると)、RTC99によって計測されている日時の設定を行うための日時調整画面が表示画面7aに表示されるものとする。RTC99による計測日時がずれて、正しい日時の設定が必要になった場合には、遊技場の従業員等は、この操作を行って日時調整画面を呼び出して、RTC99の日時設定を行うことが可能である。
【0270】
また上記形態では、上限設定台数を5台とした(つまり組み合わせ画像演出を5台の遊技機で1つの完成画像が形成される演出とした)が、上限設定台数を何台にするかは製造者の自由である。例えば、11台の遊技機で1つの完成画像を形成する組み合わせ画像演出を実行可能に構成してもよい。
【0271】
また上記形態では、上限設定台数(5台)の遊技機で構成された遊技機グループにおいて組み合わせ画像演出が実行された場合、完成画像のうちの要部画像(例えば
図18では画像データDd5の主人公キャラを含む画像)は、1台の遊技機(設置位置5の遊技機)によって表示されていた。これに対して、要部画像が複数の遊技機によって表示されるように構成してもよい。例えば、5つの要素画像を組み合わせて形成される完成画像(例えば海に浮かぶ船の画像)であれば、5つの要素画像のうちの2つが要部画像(船の画像)であって、残りの3つが非要部画像(船を囲む海の画像)であるという構成であってもよい。この場合、遊技機グループを構成する遊技機数が少なくて要部画像の全てが表示できない場合には、要部画像のうちの少なくとも一部が表示されるように構成すればよい。
【0272】
また上記形態では、RAMクリア後の所定期間に限ってRTC演出に関する設定が可能な構成としたが、RAMクリア後でなくてもRTC演出の設定が可能な構成としてもよい。
【0273】
また上記形態では、RTC演出に関する各種の設定を行うための入力手段(操作手段)を、演出ボタン63やセレクトボタン65としたが、画像表示装置にタッチセンサを組み合わせたタッチパネルとしてもよい。この場合タッチパネルにおける画像表示装置に、実施形態の画像表示装置7を用いてもよいし、これとは異なる他の画像表示装置を用いてもよい。
【0274】
また上記形態では、短縮化期日(第2特定期日、2015年11月1日)が到来すると、RTC演出の演出時間が短くなるように構成した(
図39参照)。これに対して、第2特定期日が到来すると、RTC演出の演出時間が長くなるように構成してもよい。そして、長くなった演出時間を利用して、今まで表示していなかった画像を表示するようにするとよい。このように構成すれば、遊技者がRTC演出に見慣れてきた頃にRTC演出の演出時間が長くなり、今まで見たことのない画像が見られるようになる。そのため、RTC演出に新しさを感じさせられるとともに、RTC演出による演出効果を増加させることが可能である。
【0275】
また、短縮化期日(第2特定期日、2015年11月1日)の到来によりRTC演出の演出時間を一旦短くした後、復帰期日(第3特定期日、例えば2016年2月1日)が到来すると、再び元の演出時間(通常の演出時間)でRTC演出が行われるように構成してもよい。つまり、通常尺のRTC演出が実行される通常尺期間(第1期間)と、短縮尺のRTC演出が実行される短縮尺期間(第2期間)とが、繰り返し訪れるように構成してもよい。この場合、各期間(通常尺期間と短縮尺期間)の長さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、1週間の通常尺期間の後に3週間の短縮尺期間があるという演出サイクルが繰り返されるように構成してもよい。
【0276】
また、導入開始から14日(2週間)で1回目のRTC演出の演出時間の短縮化がなされ、28日(4週間)で2回目のRTC演出の演出時間の短縮化がなされるといった具合に、導入開始からの期間の経過とともに何段階かに分けて徐々にRTC演出の演出時間が短くなるように構成してもよい。具体的には例えば、第1短縮化期日の到来でまず60秒が40秒に短縮され、第2短縮化期日の到来で40秒が20秒に短縮されるという構成とすることが可能である。
【0277】
また上記形態では、RTC演出を、組み合わせ画像演出を含む演出として構成したが、組み合わせ画像演出を含まない演出として構成してもよい。
【0278】
なお、この[発明を実施するための形態]における上記までの記載内容には、以下の〈A〉〜〈D〉の発明が示されている。以下の説明では、上記までの記載内容における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、本発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0279】
〈A〉本発明に係る遊技機は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機であって、
表示画面(7a)を有する表示装置(画像表示装置7)と、
時間を計測可能な計時手段(ステップS6104を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記計時手段の計時結果に基づいて、予め定められた開始時間になったか否かを判定する時間判定手段(ステップS6105を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記時間判定手段により前記開始時間になったと判定された場合に、通常の遊技演出とは異なる特別演出(RTC演出)を前記表示装置を用いて実行可能な特別演出実行手段(ステップS6110又はS6112を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記特別演出実行手段によって前記特別演出が実行され得る実行許可状態(ON設定の状態)と、前記特別演出実行手段によって前記特別演出が実行され得ない実行禁止状態(OFF設定の状態)とのいずれかの状態に設定可能な特別演出設定手段(ステップS6013〜S6016等を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記特別演出設定手段によって設定された状態を示す設定情報を記憶可能な設定情報記憶部(RTC演出設定記憶部96)と、を備え、
前記特別演出実行手段は、前記設定情報記憶部に前記実行禁止状態に設定されていることを示す設定情報(RTC演出OFF設定情報)が記憶されているときには、前記特別演出を実行しない(ステップS6101でNOならS6110やS6112を行わない)ものであることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
【0280】
この構成の遊技機によれば、開始時間の到来を契機とする特別演出が実行され得る実行許可状態と、特別演出が実行され得ない実行禁止状態とを切り替えることが可能である。従って、例えばパチンコホール等の遊技場側の事情によって特別演出を実行させたくない場合に、特別演出の実行を禁止させることが可能である。そのため、演出効果が高くないのに特別演出が実行され続けるのを防止することが可能である。
【0281】
〈B〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
当該遊技機の電断時に少なくとも前記設定情報記憶部に電力を供給可能なバックアップ電源手段(バックアップ電源回路151)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0282】
この構成の遊技機によれば、電断時であっても特別演出の設定情報、つまり実行許可状態に設定されているか実行禁止状態に設定されているかの情報は保持される。よって、電源投入時に毎回設定する手間を省くことが可能となる。
【0283】
〈C〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
遊技の進行を制御するCPU(82)と、前記CPUによる情報の書き込みが可能なRAM(84)と、前記RAMに記憶されている情報を前記CPUにクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(89)とが実装されている遊技制御基板(主制御基板80)と、
前記RAMクリアスイッチの操作時から予め定められた期間が経過するまでの間に所定の表示操作が行われると、前記表示画面を所定の設定画面に制御する設定画面表示手段(ステップS6002〜S6004等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記特別演出設定手段は、
前記設定画面の表示後に予め定められた第1設定操作が行われると、前記実行許可状態に設定されたことを示す設定情報(RTC演出ON設定情報)を前記設定情報記憶部に記憶させ、
前記設定画面の表示後に予め定められた第2設定操作が行われると、前記実行禁止状態に設定されたことを示す設定情報(RTC演出OFF設定情報)を前記設定情報記憶部に記憶させる(ステップS6023等を行う)ものであることを特徴とする遊技機。
【0284】
この構成の遊技機によれば、RAMクリア後の所定時間に限って、特別演出を実行させるか否かの設定が可能となる。従って、遊技者によっていたずらに特別演出の実行に関する設定が変更されてしまうのを防止することが可能である。
【0285】
〈D〉上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記特別演出は、予め定められた上限設定台数(実施形態では5台)の当該遊技機からなる遊技機群の各表示画面に表示される要素画像の組み合わせによって1つの完成画像が形成される組み合わせ画像演出(
図18参照)を含んでいることを特徴とする遊技機。
【0286】
この構成の遊技機によれば、特別演出として、所定の上限設定台数の各遊技機が表示する要素画像の組み合わせによって、1つの完成画像が形成される組み合わせ画像演出が行われる。従って、個々の遊技機単体で完結する演出(個別画像演出)とした場合に比べて、遊技を見物している者や、空き台を探している者に対して強いインパクトを与えることが可能であり、これらの者の遊技意欲を効果的に高めることが可能である。
【0287】
但し、このような効果は本発明の遊技機1台のみでは発揮することができない。これに対して本発明の遊技機は、実行許可状態と実行禁止状態とを変更可能である。そのため、例えばパチンコホール等の遊技場における本発明の遊技機の設置台数が1台となった場合には実行禁止状態とすることで、本来の演出効果が十分に発揮できないにもかかわらず特別演出が実行され続けるのを防止することが可能である。
【0288】
なお、本発明の「予め定められた制御条件」とは、上記形態では、特
図1の抽選又は特
図2の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
【0289】
また、本発明の「表示操作」は、上記形態では、演出ボタン63を5回連続で押下する操作である。また本発明の「第1設定操作」は、上記形態では、機能設定メニュー画面(
図21(A))の表示後に、RTC演出設定画面(
図21(B))を表示させ、RTC演出の設定項目をONにし、カーソル画像を「決定」の欄の画像に合わせて演出ボタン63を押す操作である。また本発明の「第2設定操作」は、上記形態では、機能設定メニュー画面の表示後に、RTC演出設定画面を表示させ、RTC演出の設定項目をOFFにし、カーソル画像を「決定」の欄の画像に合わせて演出ボタン63を押す操作である。
【0290】
なお、RTC演出のON設定とOFF設定の切り替えが可能であれば、設定画面を呼び出す表示操作、実行許可状態への設定(ON設定)を記憶させる(保存する)第1設定操作、実行禁止状態への設定(OFF設定)を記憶させる(保存する)第2設定操作は、どのような操作であってもよい。また、設定画面は、どのような画面であってもよい。