特許第6373208号(P6373208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373208
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】薄型電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20180806BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20180806BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20180806BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   H01M2/02 K
   !H01M10/0585
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-55486(P2015-55486)
(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公開番号】特開2016-177911(P2016-177911A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】オートモーティブエナジーサプライ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】林 侑子
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 伸明
(72)【発明者】
【氏名】白井 賢一
(72)【発明者】
【氏名】千田 伸
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−3950(JP,A)
【文献】 特開2012−3952(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/086793(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 2/02
H01M 10/058
H01M 6/02
H01M 10/12
H01M 10/28
H01M 10/38
H01G 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層の表面に樹脂層を備えたラミネートシートで形成された袋状の外装体内部に、電極板とセパレータとを順次積層して形成された発電要素を電解質とともに収容して封止してなる偏平形状の薄型電池を製造する方法であって、
方形状の二枚のラミネートシートの周縁部同士を重ね合わせた状態でその周縁部の少なくとも三辺を溶着して溶着部を形成することにより袋状の外装体を形成するとともに、その外装体の内部に発電要素を収納して電池構造体とする溶着工程と、
上面が解放された筐体の内部が仕切り板により所定の間隔で複数のスロット部に仕切られているマガジンを用い、外装体の前記少なくとも三辺に形成した溶着部のうちの一辺の溶着部を挿入始端部側としてそれぞれのスロット部に対し電池構造体を個別に挿入して整列する整列工程と、
上記溶着工程の後であって且つ上記整列工程に移行する前に、電池構造体の外装体のうちスロット部への挿入始端部側となる溶着部の長手方向両側の角隅部を挿入方向に対して傾斜した角度で切断する切断工程と、
を含んでいることを特徴とする薄型電池の製造方法。
【請求項2】
上記溶着工程で形成される電池構造体の外装体は、三辺を溶着すると共に、一辺に溶着していない未溶着部を形成することによって未溶着部を開口部とする袋状のものであって、
上記整列工程は、外装体の開口部からその外装体内部に電解質を注入することを特徴とする請求項1に記載の薄型電池の製造方法。
【請求項3】
上記整列工程で用いるマガジンの各スロット部の内部には、外装体のうちスロット部への挿入始端部側となる溶着部の長手方向に対応する寸法が挿入方向奥部側に向かって漸次縮小するように挿入方向に対して傾斜したガイド部が形成されていて、
このガイド部の傾斜角度は、上記スロット部への挿入始端部側となる溶着部の角隅部を切断する際の傾斜角度と同等もしくはそれよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の薄型電池の製造方法。
【請求項4】
金属層の表面に樹脂層を備えたラミネートシートで形成された袋状の外装体内部に、電極板とセパレータとを順次積層して形成された発電要素を電解質とともに収容して封止してなる偏平形状の薄型電池を製造する方法であって、
方形状の二枚のラミネートシートの周縁部同士を重ね合わせた状態でその周縁部の少なくとも三辺を溶着して溶着部を形成することにより袋状の外装体を形成するとともに、その外装体の内部に発電要素を電解質とともに収納して薄型電池の中間製品とする溶着工程と、
上面が解放された筐体の内部が仕切り板により所定の間隔で複数のスロット部に仕切られているマガジンを用い、外装体の三辺の溶着部のうちいずれか一辺の溶着部を挿入始端部側としてそれぞれのスロット部に対し中間製品を個別に挿入して整列する整列工程と、
上記マガジンに整列されているそれぞれの中間製品に対して発電要素の積層方向から外力を加えて当該中間製品を加圧する加圧工程と、
上記溶着工程の後であって且つ上記整列工程に移行する前に、中間製品の外装体のうちスロット部への挿入始端部側となる溶着部の長手方向両側の角隅部を挿入方向に対して傾斜した角度で切断する切断工程と、
を含んでいて、
上記加圧工程では、マガジン内部を複数のスロット部に仕切っている仕切り板同士の間隔を縮小化することで各中間製品を加圧することを特徴とする薄型電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池に代表されるようにラミネートシートを外装体とする偏平状をなす薄型電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属層の表面に樹脂層を備えたラミネートシート二枚を重ね合わせた状態で周囲を溶着することによって形成した袋状の外装体内部に、正極および負極の電極板(導電箔上に正極活物質が塗布された正極板および導電箔上に負極活物質が塗布された負極板)とセパレータとを順次積層して形成された発電要素を電解質とともに収容して封止し、発電要素に接続した出力端子としての正負極タブを外装体外部に導出した偏平状のいわゆる薄型二次電池が知られている。
【0003】
このような薄型電池の製造工程において、例えば特許文献1に記載されているように、開口を有する箱体(ハウジング)の内部が可動式の仕切り板(スペーサ)により複数のスロット部に仕切られたマガジンを用い、該マガジンの各スロット部に対して薄型電池を縦置き姿勢で挿入して整列保持した後に、仕切り板同士の間隔を縮小化することで各スロット部に挿入支持されている薄型電池を一斉に加圧することが行われている。
【0004】
そして、薄型電池の量産工程においては、薄型電池をいわゆる平置き姿勢とした場合に比べて上記のような縦置き姿勢の方が何かと好都合であることから、加圧工程以外の各種の加工工程においても、仕切り板が可動式であるか否かにかかわらず、複数種類のマガジンを使い分けながら複数の薄型電池を縦置き姿勢で整列した状態で所定の加工や作業を施したり、あるいは工程間移送を行うことが試みられている。この場合において、加工工程ごとにマガジンを使い分けることで、マガジンへの薄型電池の挿入と取り出しとが何回か繰り返されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−3950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、薄型電池をマガジンの各スロット部に挿入する際に、各スロット部を隔離している両側の仕切り板と薄型電池の表裏両面とが平行にならないと、薄型電池と仕切り板との偏った接触によって薄型電池に擦れ等のダメージを与えてしまうおそれがあった。
【0007】
より具体的には、薄型電池はその平面視において中央部に発電要素が収容されている一方、周縁部では二枚のラミネートシート同士が直接突き合わされた溶着部となっていて、その溶着部は発電要素が収容されている中央部に比べて極端に薄肉状のものとなっている。そのため、仕切り板で仕切られたマガジンのスロット部に薄型電池を挿入する際に、スロット部の開口に対して薄型電池が傾斜姿勢であると、薄型電池の周囲の溶着部が仕切り板等のマガジン各部への接触し、さらにそのまま薄型電池をスロット部内に挿入すると、薄型電池にダメージを与えてしまうおそれがあった。なお、ここでの傾斜姿勢とは、薄型電池の表裏面が各スロット部の仕切り板に対して傾斜する薄型電池の傾斜を問題としている。
【0008】
本発明者の考察では、薄型電池の周縁部のうちでも特に縦置き姿勢において荷重がかかる下側の溶着部の負担が大きく、その下側の溶着部の長手方向両端の角隅部がマガジンとの接触によってカールしてしまい、この状態からさらに薄型電池をスロット部に挿入することで、薄型電池のダメージを助長しているものと推測される。そして、この溶着部の角隅部のカールの度合い、およびそれに起因する薄型電池へのダメージの度合いは、マガジンに対する薄型電池の挿入と取り出しを繰り返すほど顕著となる。
【0009】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、薄型電池の周囲の溶着部の角隅部に起因する二次的不具合の発生を未然に防止できるようにした薄型電池の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、金属層の表面に樹脂層を備えたラミネートシートで形成された袋状の外装体内部に、電極板とセパレータとを順次積層して形成された発電要素を電解質とともに収容して封止してなる偏平形状の薄型電池を製造する方法であって、方形状の二枚のラミネートシートの周縁部同士を重ね合わせた状態でその周縁部の少なくとも三辺を溶着して溶着部を形成することにより袋状の外装体を形成するとともに、その外装体の内部に発電要素を収納して電池構造体とする溶着工程と、上面が解放された筐体の内部が仕切り板により所定の間隔で複数のスロット部に仕切られているマガジンを用い、外装体の前記少なくとも三辺に形成した溶着部のうちの一辺の溶着部を挿入始端部側としてそれぞれのスロット部に対し電池構造体を個別に挿入して整列する整列工程と、を含んでいる。
【0011】
その上で、さらに、上記溶着工程の後であって且つ上記整列工程に移行する前に、電池構造体の外装体のうちスロット部への挿入始端部側となる溶着部の長手方向両側の角隅部を挿入方向に対して傾斜した角度で切断する切断工程を含んでいるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、溶着工程の後であって且つ上記整列工程に移行する前に、外装体のうち溶着部の長手方向両側の角隅部を挿入方向に対して傾斜した角度で切断してしまうことにより、従来のように当該部位がカールしてしまうこともなければ、それに起因する薄型電池へのダメージも未然に防止することができ、薄型電池の品質向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】薄型電池の一例としてリチウムイオン二次電池の概略構造を示す説明図。
図2図1のA−A線に沿った拡大断面説明図。
図3図1に示した薄型電池における四周の溶着部の詳細を示す説明図。
図4】本発明に係る薄型電池の製造方法の第1の実施の形態を示す図で、全体の製造工程の概略を示す工程説明図。
図5図4の電解液注液工程で使用されるマガジンの構成説明図。
図6図5のB方向矢視図。
図7図5の正面説明図。
図8図7の要部拡大説明図。
図9】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図7と同等部位の正面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜8は本発明に係る薄型電池の製造方法を実施するためのより具体的な形態を示していて、特に図1は薄型電池の一例としてリチウムイオン二次電池の概略構造を、図2図1のA−A線に沿った拡大断面図を示している。
【0015】
図1,2に示す薄型電池1は、矩形状または長方形状の正極板と負極板およびセパレータを交互に複数組積層してなる発電要素2を、アルミニウム等の金属層3aの表裏両面に例えばポリエチレン系等の樹脂層3bが形成された矩形状または長方形状の上下二枚のラミネートシート4,5で上記積層方向の表裏両面側から挟むようにして包囲するとともに、上記ラミネートシート4,5の周縁部同士を重合させ、ラミネートシート4,5の長辺側および短辺側の四周の重合部に熱溶着を施して溶着部7a〜7dを形成して封止したもので、溶着部7dからは正負の端子板(タブまたはリード端子)8,9が外部に突出している。発電要素2を包囲している二枚のラミネートシート4,5は外装体6として機能する。なお、上記ラミネートシート4,5による収容空間には発電要素2とともに電解液(電解質)が封入される。また、図2では、構造の理解を容易にするために、発電要素2の構成要素である正極板や負極板、さらには外装体6であるラミネートシート4,5等の厚みを一部誇張して描いてある。
【0016】
図3の下側の図は図1,2の薄型電池1として仕上げられる前の中間製品Wを示していて、外装体6の四周の溶着部7a〜7dの外側に付帯している非製品部領域Q1〜Q3を最終工程においてトリムラインC1〜C3からトリミングすることで図12の薄型電池1として仕上げられることになる。なお、図3の上側の図については後述する。
【0017】
ここで、図1,2のほか図4を用いて薄型電池1の製造工程の概略を説明する。
【0018】
図4の積層工程S1では、図2のように正極板と負極板およびセパレータを交互に複数組積層して発電要素2を形成し、さらにその発電要素2を表裏両面から外装体6である二枚のラミネートシート4,5で包囲する。
【0019】
図4の封止工程S2は溶着工程でもあり、外装体6としての二枚のラミネートシート4,5の四周の周縁部のうち図1の長辺側の溶着部7bに相当する一辺のみを残して三辺に熱溶着を施し、図1の三辺の溶着部7a,7c,7dを形成することで当該部位を封止する。これにより、図1の一辺の溶着部7bのみが封止されずに開口していることになる。なお、ここでは、この状態の中間製品を電池構造体と称するものとする。また、溶着部7bの一部のみを未溶着として、溶着部7bの一部に未溶着部を形成すると共に他を溶着することにより、溶着部7bの一部のみに開口を形成しても良い。以下では溶着7bの全てを未溶着として開口を形成した場合を例として説明する。
【0020】
図4のマガジン挿入工程S3では、後述するマガジンに対して複数の電池構造体を縦置き姿勢でマガジンに挿入して整列する。この場合、電池構造体のうち図1の一辺の溶着部7bのみが封止されずに開口していることから、この開口部が上向きとなるように電池構造体をマガジンに整列する。
【0021】
図4の注液工程S4では、マガジンに整列されている複数の電池構造体に対して、上記開口部から順次電解液を定量づつ注入する。そして、図4の含浸工程S5での処理として、電解液が注入された電池構造体をマガジンごと静置させて発電要素2に含浸させるものとする。
【0022】
この含浸処理後に、図4のマガジン取り出し工程S6において電池構造体をマガジンから取り出し、次の仮封止工程S7において電解液の注液に関与した開口部(溶着部7bに相当する部分)を仮封止する。この仮封止は、図3の上部に示すように唯一未封止で残されている溶着部7bに相当する一辺に熱溶着を施して、チャンネル状の屈曲部7eを含む仮溶着部7b1を形成することで行う。この場合において、仮溶着部7b1の長手方向の中央部にはなおも未溶着部Rが残されているものとする。
【0023】
続いて、図4のマガジン挿入工程S8において、仮封止後の中間製品を再び所定のマガジンに挿入して整列する。
【0024】
図4の初充電工程S9では、マガジンに整列されている中間製品に対して初充電を行い、続くエージング工程S10ではそのまま静置させてエージングを行う。そして、図4のマガジン取り出し工程S11においてエージング後の中間製品をマガジンから取り出す。
【0025】
図4のガス抜き工程S12では、初充電およびエージングを終えた中間製品についてガス抜きを行う。このガス抜きは、図3の上部に示すように、仮溶着部7b1の内側に残された未溶着部Rの領域に例えばカッターにてスリット(切り込み)7fを形成して、このスリット7fから内部のガスを放出する。
【0026】
図4の再封止工程S13では、先にガス抜きのために形成したスリット7fを封止するべく再封止を施す。この再封止は、図3の下部に示すように、先に形成した仮溶着部7b1のうちチャンネル状の屈曲部7fを避けて、屈曲部7f以外の仮溶着部7b1を接続するように図3の未溶着部Rの内側領域に熱溶着を施して接続溶着部7gを形成する。これにより、仮溶着部7b1同士が接続溶着部7gで相互に接続されて溶着部7bとなり、外装体6は再び確実に封止されることになる。
【0027】
図4の加圧式マガジン挿入工程S14では、後述するマガジンに再封止後の中間製品を縦置き姿勢で挿入して整列し、それぞれの中間製品を厚み方向から所定の加圧力で加圧した状態で、続く充電工程S15にて充電を行う。その後、図4のエージング工程S16では充電した中間製品をマガジンごと静置させてエージングを行う。さらに、図4のスクリーニング工程S17では、エージングを終えた中間製品についてスクリーニングとして電気特性検査を行う。この後、図4の加圧式マガジン取り出し工程S18ではスクリーニング処理後の中間製品を加圧式マガジンから取り出す。
【0028】
図4の外観検査工程S19では、スクリーニング処理後の中間製品について外観検査を行い、さらに、図4のトリミング工程S20では、外装体6であるラミネートシート4,5の外形を切断してトリミングを施す。このトリミングは、図3の下部に示すように、外装体6であるラミネートシート4,5のうちそれぞれの溶着部7a〜7dの周囲に付帯している非製品部領域Q1〜Q3をとトリムラインC1〜C3から切断して除去するものとする。この場合において、先のガス抜きの際に形成したスリット7fは略チャンネル状の屈曲部7eとともに切断除去されることになるので、製品には付帯しなくなる。以上をもって図1,2のような薄型電池1が完成することになる。
【0029】
図5,6は図4の注液工程S4に先立つマガジン挿入工程S3で使用されるマガジンの一例を示している。図5はマガジンの破断説明図であり、図6図5のB方向矢視図である。
【0030】
このマガジン10は、電解液の注液前の複数の電池構造体W1をその端子板8,9が横向きとなるような縦置き姿勢で収容して整列することを目的とするもので、上面と一側面が開放された変形箱状の筐体11の内部を互いに平行な複数の仕切り板12で仕切り、それぞれに縦置き姿勢の電池構造体W1を収容可能なスロット部13を複数個並設したものである。上記の縦置き姿勢とは、外装体6であるラミネートシート4,5の四周のうち唯一残された一辺(長辺)の未溶着部である開口部14が上向きとなる姿勢とほかならない。したがって、マガジン10への電池構造体W1の挿入に際しては、上記未溶着部の対辺である長辺側の溶着部7aを挿入始端部として各スロット部13の上方から挿入することになる。
【0031】
そして、筐体10の内底部、より詳しくは各スロット部13の内底部には電池構造体W1の挿入とその位置決めを容易にするために内側に向かって傾斜したガイド部としてのガイド面15a,15bを形成してある。このガイド面15a,15bは上記のような各スロット部13への電池構造体W1の挿入方向を考慮したものとし、外装体6としてのラミネートシート4,5のうちスロット部13への挿入始端部側となる溶着部7aの長手方向に対応する寸法が挿入方向奥部側に向かって漸次縮小するように挿入方向に対して傾斜したかたちでガイド部15a,15bを形成してある。
【0032】
その一方、電池構造体W1については、図4の封止工程S2を経た後であって且つマガジン挿入工程S3にてマガジン10に挿入する前に、前加工として図4の切断工程S30での切断加工を施すものとする。
【0033】
この切断工程S30での加工は、図7に示すように、外装体6である二枚のラミネートシート4,5のうちスロット部13への挿入始端部側となる長辺側の溶着部7aについて、その長手方向の両端部の角隅部6a,6bをマガジン10側のガイド面15a,15bとほぼ同じ傾斜角度となるように斜めに切断除去して、傾斜面16a,16bを形成するものとする。この場合において、図8に拡大して示すように、ガイド面15a側の角度をθaとし、傾斜面16aの角度をθbとした場合に、少なくともθa=θb、望ましくはθa≧θbとする。
【0034】
したがって、こうして図7の切断工程S30を経た電池構造体W1を図5,7に示すようにマガジン10に挿入する場合、先に角隅部6a,6bを切断除去する切断加工が施されて両端部に傾斜面16a,16bが形成された溶着部7aを挿入始端部側としてマガジン10の上方から各スロット部13に挿入することになる。このため、電池構造体W1のマガジンへの挿入方向始端側、すなわち図7における電池構造体W1の下方端部辺の寸法αは、角隅部6a,6bを切断除去しない場合の寸法βに比して小さくなる。これにより、マガジンへの挿入方向から見て電池構造体W1表裏面と平行な方向と、スロット部13の仕切り板12の延在方向が平行でない場合であっても、電池構造体W1の挿入方向始端辺の長手方向両側端部と仕切り板12とが接触することによって電池構造体W1にダメージを与えることを防止することができる。また、電池構造体W1はマガジン10側のガイド面15a,15bと傾斜面16a,16bとの当接による案内効果によって案内され、溶着部7aの長手方向での位置決めが施されながらスロット部13に落ち込んで着底することになる。なお、ガイド面15a,15bと傾斜面16a,16bとの当接による案内効果は、図8に示したようにガイド面15a,15bと傾斜面16a,16bとの角度をθa≧θbの関係に設定すると、より顕著となる。そのため、電池構造体W1が安定した姿勢でマガジン10の各スロット部13に挿入されることになる。
【0035】
なお、図3から明らかなように、電池構造体W1の溶着部7aに付帯している傾斜面16a,16bは、後工程である図4のトリミング工程S20において非製品部領域Q1としてカットラインC1から切断除去されることになるので、傾斜面16a,16bの一時的な存在が製品機能の上で問題となることはない。
【0036】
このように本実施の形態によれば、電池構造体W1のうちマガジン10への挿入始端部側となる溶着部7aの両端部の角隅部6a,6bを予め切除して傾斜面16a,16bを形成することにより、電池構造体W1をマガジン10のスロット部13に挿入する際に、電池構造体W1の挿入方向始端が仕切り板12に接触する(引っ掛かる)ことによって、電池構造体W1にダメージが与えられることを防止することができる。
【0037】
ここで、図4の初充電工程S9に先立つマガジン挿入工程S8においても図5と同様のマガジンが使用される。
【0038】
図9は本発明の第2の実施の形態としてマガジンの別の例を示し、ここでは仕切り板を可動式としたマガジンを示している。
【0039】
図4の充電工程S15に先立つ加圧式マガジン挿入工程S14においては、基本構造は図5のマガジン10と同じでも、特許文献1に記載されたものと同様に各仕切り板が可動式のものが使用される。すなわち、図9に示すように、マガジン10の筐体21の内部に互いに平行に配置された複数の仕切り板22がそれぞれに独立していて、各仕切り板22は複数のガイドロッド23によって当該ガイドロッド23の長手方向にスライド可能に案内支持されている。そして、図5と同様に各仕切り板22で隔離されたスロット部に同図のような薄型電池1の中間製品Wを縦置き姿勢で挿入した上で、図示しない加圧板にて仕切り板22同士の間隔を縮小化するようにして、マガジン10内の複数の中間製品Wを各仕切り板22とともに積層方向に圧締することで、それぞれの中間製品Wを厚み方向に一斉に所定の圧力で加圧することができることになる。
【0040】
なお、図9において、筐体21がガイド面15a,15bを有しているとともに、中間製品W側に傾斜面16a,16bが形成されている点は図5の場合と同様である。
【0041】
この第2の実施の形態におけるマガジン10においても、先の第1の実施の形態と同様の効果が得られることになる。
【符号の説明】
【0042】
1…薄型電池
2…発電要素
3a…金属層
3b…樹脂層
4,5…ラミネートシート
6…外装体
6a,6b…角隅部
7a,7b,7c,7d…溶着部
10…マガジン
11…筐体
12…仕切り板
13…スロット部
15a,15b…ガイド面(ガイド部)
16a,16b…傾斜面
W…中間製品
W1…電池構造体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9