(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置100の例示的な配置を示す斜視図である。装置100は、長手方向内部ボア104を有する細長シャフト102を備える。当該内部ボアは、細長シャフト102の少なくとも一部を通って長手方向に延在する。本明細書において、「長手方向ボア」という用語は、長手方向ボアと同じ意味で用いられ得る。
【0014】
細長シャフト102は、少なくとも1つの圧縮スロット106を備える。当該圧縮スロットは、細長シャフト102を横切って部分的にまたは完全に延在する。圧縮スロット106は、細長シャフト102の少なくとも一部を横切って延在し得る横方向ボルト(図示せず)を受けるように構成され得る。横方向ボルトは、骨要素と連結するように構成され得る。圧縮スロット106は、細長い横開口部であってよい。
【0015】
一実施形態において、細長シャフト102は、少なくとも1つの静止固定開口部108を備える。当該開口部は、細長シャフト102を横切って部分的にまたは完全に延在する。別の実施形態において、細長シャフト102は、複数の静止固定開口部108を備える。静止固定開口部108は、細長シャフト102の少なくとも一部を横切って延在し得る横方向ボルト(図示せず)を受けるように構成され得る。横方向ボルトは、骨要素に連結するように構成され得る。静止固定開口部108は、円形の横開口部であってよい。
【0016】
一実施形態において、横方向ボルトは、一時的または恒久的なボルト、スクリューまたはピンのいずれかを含み得る。別の実施形態において、横方向ボルトは、ロッキングスクリューを含み得る。別の実施形態において、横方向ボルトは、細長シャフト102を骨要素に接合することができる任意の締結器具を含み得る。
【0017】
一実施形態において、細長シャフト102は、近位部110と遠位部112とを備える。一実施形態において、近位部110の直径は、遠位部112の直径よりも大きい。別の実施形態において、近位部110の直径は、遠位部112の直径と実質的に同じである。別の実施形態において、近位部110の直径は、遠位部112の直径よりも小さい。一実施形態において、近位部110と遠位部112との連結部は、テーパ状であってよい。
【0018】
一実施形態において、近位部110の長さは、約12.7mm〜約127.0mmである。別の実施形態において、近位部110の長さは、約25.4mm〜約88.9mmである。別の実施形態において、近位部110の長さは、約38.1mm〜約63.5mmである。一実施形態において、近位部110と遠位部112とのテーパ状連結部は、約5.1mm〜約50.8mmの長さである。別の実施形態において、近位部110と遠位部112とのテーパ状連結部は、約10.2mm〜約30.5mmの長さである。別の実施形態では、近位部110と遠位部112とのテーパ状連結部は、約12.7mm〜約25.4mmの長さである。
【0019】
一実施形態において、近位部110の直径及び肉厚は、ヒトまたは動物の体内で、多数の骨要素のいずれかを圧縮及び/または支持するために必要な圧縮強さ、引張強さ、曲げ強さまたは剪断強さを得るように選択される。別の実施形態において、近位部110の直径及び肉厚は、遠位部112で使用され得る、静止固定開口部108を通る横方向ボルトよりも大きい横方向ボルトを受けるように構成される。
【0020】
一実施形態において、細長シャフト102は、近位端114と遠位端116とを備える。一実施形態において、近位端114は開口しており、長手方向内部ボア104と連通している。別の実施形態において、遠位端116は閉口しており、長手方向内部ボア104と連通していない。別の実施形態において、遠位端116は、少なくとも部分的にテーパ状であり、テーパにより装置100がリーマで開孔した骨要素に挿入されやすくなる。
【0021】
一実施形態において、細長シャフト102は、実質的に剛性である。別の実施形態において、細長シャフト102は少なくとも部分的に剛性である。細長シャフト102は、各種材料のいずれかからなり、たとえば、金属、合金、複合材料、ポリマー、または他の有機材料もしくは生体適合性材料のうち1つ以上などが含まれる。細長シャフト102は、ヒトまたは動物の体内で、多数の骨要素のいずれかを圧縮及び/または支持するために必要な圧縮強さ、引張強さ、曲げ強さまたは剪断強さを有し得る。このような圧縮強さ、引張強さ、曲げ強さまたは剪断強さは、装置100の用途、支えるべき力または患者の活動レベルに応じて変わり得る。
【0022】
図2は、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置200の例示的な配置を示す縦断面図である。装置200は、長手方向内部ボア204を有する細長シャフト202を含む。当該内部ボアは、細長シャフト202の少なくとも一部を通って長手方向に延在する。
【0023】
細長シャフト202は、少なくとも1つの圧縮スロット206を備える。当該圧縮スロットは、細長シャフト202を横切って部分的にまたは完全に延在する。一実施形態において、細長シャフト202は、少なくとも1つの静止固定開口部208を備える。当該開口部は、細長シャフト202を横切って部分的にまたは完全に延在する。
【0024】
一実施形態において、細長シャフト202は、近位部210を備える。別の実施形態では、細長シャフト202は、近位端214を備える。
【0025】
装置200は、長手方向内部ボア204の少なくとも一部に沿って長手方向に配向する、少なくとも1つのチャネル218、220を備え得る。一実施形態において、少なくとも1つのチャネル218、220は、圧縮スロット206と連通している。
【0026】
一実施形態において、装置200は、2つのチャネル218、220を備える。別の実施形態において、2つのチャネル218、220は、長手方向内部ボア204の両側で互いに実質的に向かい合っている。第1のチャネル218は、長手方向内部ボア204の第1の側に、長手方向内部ボア204の少なくとも一部に沿って延在し得る。第2のチャネル220は、長手方向内部ボア204の第2の側に、長手方向内部ボア204の少なくとも一部に沿って延在し得る。長手方向内部ボア204の第1の側及び第2の側は、実質的に向かい合うようにしてよい。第1のチャネル218及び第2のチャネル220は、長手方向内部ボア204内で互いに約180度であり得る。一実施形態において、第1のチャネル218または第2のチャネル220は、細長シャフト202の壁面に長手方向内部ボア204に沿って溝のように窪んでいる。別の実施形態において、第1のチャネル218または第2のチャネル220は、細長シャフト202の壁面から長手方向内部ボア204に沿って延在する対のランドによって画定される。
【0027】
一実施形態において、第1のチャネル218及び第2のチャネル220は、実質的に平行であり、長手方向内部ボア204の少なくとも一部に沿って実質的にまっすぐな2本の線で延在する。一実施形態において、第1のチャネル218及び第2のチャネル220は第1の面を画定し、圧縮スロット206及び静止固定開口部208は第1の面に実質的に垂直な軸を中心に延在する。
【0028】
別の実施形態において、第1のチャネル218及び第2のチャネル220は、実質的に螺旋状であり、長手方向内部ボア204の少なくとも一部に沿って実質的に渦巻き状の2本の線で延在する。第1のチャネル218及び第2のチャネル220は、小火器の銃身内の施条溝と同様に、長手方向内部ボア204の少なくとも一部の周りに延在する。一実施形態において、第1の円状開口部208は、長手方向内部ボア204に沿った第1の点で第1の軸に沿って延在し、第2の円状開口部208は、長手方向内部ボア204に沿った第2の点で第2の軸に沿って延在し、圧縮スロット206は、長手方向内部ボア204に沿った第3の点で第3の軸に沿って延在する(第1、第2及び第3の軸のいずれかが、相互の位置関係において、実質的に平行であっても、垂直であってもよい)。本実施形態では、第1のチャネル218及び第2のチャネル220は、螺旋状の関係を有し得、第1のチャネル218及び第2のチャネル220が、長手方向内部ボア204に沿った第1の点で第1の軸をまたぎ、長手方向内部ボア204に沿った第2の点で第2の軸をまたぎ、長手方向内部ボア204に沿った第3の点で第3の軸をまたぐように構成され得る。これにより、第1のチャネル218及び第2のチャネル220が長手方向内部ボアに沿って連続して延在し、圧縮スロット206と連通する。
【0029】
一実施形態において、装置200は、ガイド及び張力調整装置の少なくとも1つを装置200に、少なくとも一時的に装着するように構成された締結部材222を備える。締結部材222は、ガイド及び張力調整装置の少なくとも1つにおいて細線で接続するように構成された細線を含み得る。
【0030】
図3は、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置200の例示的な配置を示す横断面図である。装置200は、長手方向内部ボア204を有する細長シャフト202を備える。当該内部ボアは、細長シャフト202の少なくとも一部を通って長手方向に延在する。第1のチャネル218及び第2のチャネル220は、長手方向内部ボア204の両側で実質的に向かい合っている。
【0031】
図4は、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置200の例示的な配置を示す縦断面図である。装置200は、長手方向内部ボア204を有する細長シャフト202を備える。当該内部ボアは、細長シャフト202の少なくとも一部を通って長手方向に延在する。第1のチャネル218及び第2のチャネル220は、長手方向内部ボア204の両側で実質的に向かい合っている。
【0032】
細長シャフト202は、少なくとも1つの圧縮スロット206を備える。当該圧縮スロットは、細長シャフト202を横切って部分的にまたは完全に延在する。一実施形態において、細長シャフト202は、少なくとも1つの静止固定開口部208を備える。当該開口部は、細長シャフト202を横切って部分的にまたは完全に延在する。
【0033】
一実施形態において、細長シャフト202は、近位部210を備える。別の実施形態において、細長シャフト202は、近位端214を備える。
【0034】
装置200は、長手方向内部ボア204の少なくとも一部に沿って長手方向に配向する、少なくとも1つのチャネル218、220を備え得る。一実施形態において、少なくとも1つのチャネル218、220は、圧縮スロット206と連通している。一実施形態において、少なくとも1つのチャネル218、220は、第1のチャネル218及び第2のチャネル220を含む。
【0035】
一実施形態において、装置200は、少なくとも1つの張力調整ケーブル224を備える。一実施形態において、少なくとも1つのチャネル218、220は、張力調整ケーブル224を受けるように構成される。本明細書において、「ケーブル」という用語は、張力調整ケーブルと同じ意味で用いられ得る。
【0036】
一実施形態において、張力調整ケーブル224は、細長シャフト202の近位端214から延びて、第1のチャネル218を通り、圧縮スロット206の一部の周りを通って、第2のチャネル220を通り、近位端214に戻る。一実施形態において、圧縮スロット206は、第1の横方向ボルト226を受けるように構成され、張力調整ケーブル224は、第1の横方向ボルト226の一部の周りを通って延在する。一実施形態において、張力調整ケーブル224は、第1の横方向ボルト226の少なくとも遠位部の周りに延在し、接触する。
【0037】
張力調整ケーブル224は、任意の可撓性の細いケーブル、ワイヤー、糸、チェーン、ロープ、コードまたはファイバーであってよい。一実施形態において、張力調整ケーブル224は、ある材料製の実質的に剛性である単一の線である。別の実施形態において、張力調整ケーブル224は、ある材料製の編み込まれた複数の線、あるいは連結した複数の線を含む。一実施形態において、張力調整ケーブル224は、各種材料のいずれかからなり、たとえば、金属、合金、複合材料、ポリマー、または他の有機材料もしくは生体適合性材料のうち1つ以上などが含まれる。
【0038】
一実施形態において、張力調整ケーブル224は、実質的に弾力性であり、曲げに対する抵抗力を発揮する。別の実施形態において、張力調整ケーブル224は、十分な弾力性を得るためのバネ要素を含み得る。一実施形態において、張力調整ケーブル224は、長手方向内部ボア204、第1のチャネル218及び第2のチャネル220に対して、放射状の外向きの力を発揮するのに十分な弾力性を有し得る。すなわち、張力調整ケーブル224は、曲げられ、第1のチャネル218及び第2のチャネル220に挿入することができる。この場合、張力調整ケーブル224の弾力性により、放射状の外向きの力が発揮され、第1のチャネル218及び第2のチャネル220内における張力調整ケーブル224の位置が維持されることになる。
【0039】
一実施形態において、張力調整ケーブル224は、ヒトまたは動物の体内で、多数の骨要素のいずれかを圧縮及び/または支持するのに必要な引張強さを有する。一実施形態において、引張ケーブル224は、関節、骨折または他の隣接して位置する骨要素のいずれかを圧縮するように構成される。
【0040】
一実施形態において、張力調整ケーブル224は、ヒトまたは動物の体内で、多数の骨要素のいずれかを圧縮及び/または支持するために一時的に用いられる。一実施形態において、張力調整ケーブル224は、細長シャフト202に着脱可能に取り付けられる。別の実施形態において、張力調整ケーブル224は、ヒトまたは動物の体内で、多数の骨要素のいずれかを一時的に圧縮及び/または支持した後、取り除かれる。
【0041】
一実施形態において、少なくとも1つの静止固定開口部208は、第2の横方向ボルト228を受けるように構成される。
【0042】
装置200は、第1の骨要素230及び第2の骨要素232などの複数の骨要素の間に圧縮が生じるように構成され得る。一実施形態において、装置200の細長シャフト202は、少なくとも2つの骨要素、たとえば第1の骨要素230と第2の骨要素232の間に接合をもたらすように構成される。別の実施形態において、装置200は、3つまたはそれ以上の骨要素に及ぶように構成され、最遠位及び最近位に位置する要素には直接圧縮力を与え、中間に位置する要素には間接的に力を与えてもよい。こうした間接的な力は、1つ以上の中間要素が2つ以上の締結要素の間に挟まれている場合の締結力に類似したものである。
【0043】
実際には、1つ以上の骨要素、たとえば第1の骨要素230及び第2の骨要素232などにリーマで孔を開けることができる。リーマで開けた孔に装置200を、遠位端を先にして挿入することができる。張力調整ケーブル224を、第1のチャネル218及び第2チャネル220に通し、圧縮スロット206の遠位点に延在させてよい。細長シャフト202と第1の骨要素230との間の長手方向の動きを可能にしつつ、第1の横方向ボルト226を第1の骨要素230に実質的に固定するように、第1の横方向ボルト226を、第1の骨要素230及び圧縮スロット206の遠位部を少なくとも部分的に通して延在させてよい。第2の横方向ボルト228及び細長シャフト202を第2の骨要素232に実質的に固定するように、第2の横方向ボルト228を、第2の骨要素232及び静止固定開口部208を少なくとも部分的に通して延在させてよい。
【0044】
張力調整装置(図示せず)を、装置200に、たとえば締結部材222を介して、少なくとも一時的に装着することができる。張力調整装置は、張力調整ケーブル224に対して張力を与えるように構成され得る。張力調整装置が張力調整ケーブル224に張力を与えると、張力調整ケーブル224は、第1の横方向ボルト226の少なくとも遠位部に接触し、第1の横方向ボルト226と、それに従って第1の骨要素230とを、第2の骨要素232に近づくように引っ張る。張力調整装置は、(a)第1の骨要素230及び第2の骨要素232が互いに所望の距離を置いて位置すること、(b)第1の骨要素230及び第2の骨要素232が互いに接触していること、(c)第1の骨要素230及び第2の骨要素232が互いに押し付け合っていること、ならびに(d)第1の骨要素230及び第2の骨要素232が、所望の圧縮量をもって互いに押し付け合っていることの少なくとも1つになるまで、張力調整ケーブル224に対する張力を増加させ続けてよい。
【0045】
第1の骨要素230及び第2の骨要素232が所望の位置に達したら、第3の横方向ボルト(図示せず)を、
図2に示す細長シャフト202の遠位部にある静止固定開口部を通して挿入することができる。細長シャフト202の遠位部にある静止固定開口部を通した第3の横方向ボルトの挿入により、細長シャフト202を第1の骨要素230に実質的に固定することができる。この時点で、第1の骨要素230及び第2の骨要素232は、静止固定開口部208内の2つ以上の横方向ボルトによって適切な位置に保持され、これにより、細長シャフト202は、第1の骨要素230及び第2の骨要素232の所望の位置及び/または圧縮を保持する。張力調整ケーブル224は、第1の骨要素230及び第2の骨要素232の所望の位置及び/または圧縮を保持する必要がなくなる。
【0046】
張力調整装置(図示せず)を装置200から取り外すことができる。張力調整ケーブル224は、第1のチャネル218から延びる第1の末端を引っ張り、第2のチャネル220から引き戻し、第1の横方向ボルト226を超え、第1のチャネル218を伝って、細長シャフト202の外に出るようにしてよい。あるいは、第2のチャネル220から延びる張力調整ケーブル224の第2の末端を引っ張ってもよい。この時点で張力調整ケーブル224を処分してもよいし、後の手術に使用するために処理を施してもよい。
【0047】
装置200は、任意の2つの骨要素を引き寄せるために使用することができる。一実施形態において、装置200は、ヒトまたは動物の体内の任意の関節を癒合させるために使用することができる。
【0048】
図5A及び5Bは、それぞれ、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置500の例示的な配置を示す上面図及び側面図である。装置500は、長手方向内部ボア(
図5A及び5Bには示していないが、
図7に長手方向内部ボア704として示す)を有する細長シャフト502を含み得る。当該内部ボアは、細長シャフト502の少なくとも一部を通って長手方向に延在する。
【0049】
細長シャフト502は、少なくとも1つの圧縮スロット506を含み得る。当該圧縮スロットは、細長シャフト502を横切って部分的にまたは完全に延在する。圧縮スロット506は、細長シャフト502の少なくとも一部を横切って延在し得る横方向ボルト(図示せず)を受けるように構成され得る。横方向ボルトは、骨要素に連結するように構成され得る。別の実施形態において、横方向ボルトは、張力調整ケーブルと連係して、骨要素間に圧縮を生じさせるために使用され得る。
【0050】
一実施形態において、細長シャフト502は、少なくとも1つの静止固定開口部512を含み得る。当該開口部は、細長シャフト502を横切って部分的にまたは完全に延在する。別の実施形態において、細長シャフト502は、複数の静止固定開口部512を含み得る。静止固定開口部512は、横方向ボルト(図示せず)を受けるように構成され得る。横方向ボルトは、細長シャフト502の少なくとも一部を横切って延在し得る。横方向ボルトは、骨要素に連結するように構成され得る。一実施形態において、静止固定開口部512は、長手方向内部ボアとつながり、連通し得る。別の実施形態において、静止固定開口部512は、細長シャフト502を骨要素に静止固定開口部512を介して固定する横方向ボルトが、長手方向内部ボア内の圧縮装置に干渉しないように、長手方向内部ボアとつながっていなくてもよいし、連通していなくてもよい。
【0051】
一実施形態において、横方向ボルトは、一時的または恒久的なボルト、スクリューまたはピンのいずれかを含み得る。別の実施形態において、横方向ボルトは、ロッキングスクリューを含み得る。別の実施形態において、横方向ボルトは、細長シャフト502を骨要素に接合することができる任意の締結器具を含み得る。
【0052】
図5Aを参照すると、細長シャフト502は、1つ以上のダイナマイゼーションスロット510を含み得る。ダイナマイゼーションスロット510は、静止固定開口部512に加えて、装置500を骨セグメントに横方向ボルト(図示せず)を用いて固定するために使用することができる。静止固定開口部512と比較して、ダイナマイゼーション510スロットは、長い形状であってよく、ダイナマイゼーションスロット510を通る横方向ボルトによって装置500が骨セグメントに固定されるときに、骨セグメントに対する装置500の動的な動きを可能にする異なる形状でもよい。一実施形態において、ダイナマイゼーションスロット510を通る横方向ボルトによって装置500を骨セグメントに固定することは、関節の癒合を助け、静止固定開口部512を使用する静止固定よりも、関節間の成長が促進される。
【0053】
一実施形態において、細長シャフト502は、近位部514と遠位部516とを含み得る。一実施形態において、近位部514の直径は、遠位部516の直径よりも大きくてよい。別の実施形態において、近位部514の直径は、遠位部516の直径と実質的に同じであってよい。別の実施形態において、近位部514の直径は、遠位部516の直径よりも小さくてよい。一実施形態において、近位部514と遠位部516との連結部は、テーパ状であってよい。
【0054】
一実施形態において、近位部514の長さは、約10.0mm〜約130.0mmである。別の実施形態において、近位部514の長さは、約25.0mm〜約90.0mmである。別の実施形態において、近位部514の長さは、約35.0mm〜約65.0mmである。
【0055】
一実施形態において、近位部514の直径及び肉厚は、ヒトまたは動物の体内で、多数の骨要素のいずれかを圧縮及び/または支持するために必要な圧縮強さ、引張強さ、曲げ強さまたは剪断強さを得るように選択され得る。別の実施形態において、近位部514の直径及び肉厚は、遠位部516で使用され得る、静止固定開口部512を通る横方向ボルトよりも大きい横方向ボルトを受けるように構成され得る。
【0056】
一実施形態において、細長シャフト502の直径は、約5.0mm〜約15.0mmの範囲であり得る。別の実施形態において、細長シャフト502の直径は、約10.0mm〜約20.0mmの範囲であり得る。
【0057】
一実施形態において、細長シャフト502は、近位部518(下部)と遠位部520(上部)とを含み得る。一実施形態において、近位端518は、閉口していてよく、長手方向内部ボアと連通していなくてよい。別の実施形態において、遠位端520は開口していてよく、長手方向内部ボアと連通していてよい。別の実施形態において、遠位端520は、少なくとも部分的にテーパ状であってよい。部分的なテーパにより装置500がリーマで開孔した骨要素に挿入されやすくなる。
【0058】
引き続き、
図5Aを参照すると、細長シャフト502の近位部514は、1つ以上の張力調整ケーブル開口部522を含み得る。張力調整ケーブル開口部522は、張力調整ケーブルが張力調整ケーブル開口部522を介して長手方向内部ボアまたは細長シャフト502に出入りできるように、長手方向内部ボアと連通していてよい。一実施形態において、装置500は、細長シャフト502の外表面に直径方向に対向した2つの張力調整ケーブル開口部522を有し得る。2つの張力調整ケーブル開口部522は、張力調整ケーブルのループを長手方向内部ボア内に挿入できるように、長手方向内部ボアと連通していてよい。張力調整ケーブルの一端が一方の張力調整ケーブル開口部522から出て、張力調整ケーブルの他端が直径方向に対向した張力調整ケーブル開口部522から出るようにして、張力調整ケーブルのループが長手方向内部ボア内に残るようにすることができる。一実施形態において、張力調整ケーブル開口部522はまた、張力調整ケーブル経路決定チャネル524と連通していてよい。張力調整ケーブル経路決定チャネル524は、張力調整ケーブル開口部522を介して長手方向内部ボアに入って出てくる張力調整ケーブルを固定し、その経路を決定するように、細長シャフト502の外表面に機械加工されてよい。一実施形態において、張力調整ケーブル経路決定チャネル524は、張力調整ケーブルを固定し、医療処置中の不必要な汚染を回避するために使用することができる。
【0059】
次に、
図5Bを参照すると、細長シャフトは、少なくとも1つの張力調整ケーブル間隙スロット508を含み得る。一実施形態において、張力調整ケーブル間隙スロット508は、長手方向内部ボアと連通していてよく、長手方向内部ボアから細長シャフト502の外表面に放射方向に延在し得る。張力調整ケーブル間隙スロット508は、圧縮スロット506と約90度のオフセットを有し得る。一実施形態において、張力調整ケーブル間隙スロット508は、装置500が互いに直径方向に対向した2つの張力調整ケーブル間隙スロット508を有することができるように、細長シャフト502を横断し得る。圧縮スロット506は、装置500が、間隙スロット508から約90度オフセットされ、互いに直径方向に対向する2つの圧縮スロット506を有することができるように、細長シャフト502を横断し得る。張力調整ケーブル間隙スロット508は、長手方向内部ボア内の1本の張力調整ケーブルから形成されたループが張力調整ケーブル間隙スロット508を通って長手方向内部ボアから外側に曲がるようにするために使用することができる。一実施形態において、張力調整ケーブル間隙スロット508を通って延在する長手方向内部ボア内の張力調整ケーブルのループは、医療処置中に横方向ボルトまたは他の固定部材が圧縮スロット506を介して挿入されることを阻害し得ない。別の実施形態において、張力調整ケーブル間隙スロット508から延在する張力調整ケーブルのループは、長手方向内部ボア内の張力調整ケーブルが横方向ボルトに干渉しないように、長手方向内部ボア内の張力調整ケーブルを長手方向内部ボアの外側領域に導くことができる。また、長手方向内部ボア内の張力調整ケーブルは、静止固定開口部512及びダイナマイゼーションスロット510における横方向ボルトまたは他の固定部材の挿入及び除去を阻害し得ない。
【0060】
引き続き、
図5Bを参照すると、細長シャフト502は、近位端518に機械加工された、1つ以上の支持装置係合ノッチ526を有し得る。1つ以上の支持装置係合ノッチ526は、装置500と、骨要素に圧縮を生じさせるシステムに使用する支持装置とを連結することができる。
【0061】
一実施形態において、細長シャフト502は、実質的に剛性であってよい。別の実施形態において、細長シャフト502は少なくとも部分的に剛性であってよい。細長シャフト502は、各種材料のいずれかからなり得、たとえば、金属、合金、複合材料、ポリマー、または他の有機材料もしくは生体適合性材料のうち1つ以上などが含まれる。細長シャフト502は、ヒトまたは動物の体内で、骨要素を圧縮及び/または支持するのに有効な圧縮強さ、引張強さ、曲げ強さまたは剪断強さを有し得る。このような圧縮強さ、引張強さ、曲げ強さまたは剪断強さは、装置500の用途、支えるべき力または患者の活動レベルに応じて変わり得る。一実施形態において、細長シャフト502の材料は、MRI及びX線などの画像化技術を支援する、放射線を通し得るもの(放射線透過性)であってよい。別の実施形態において、細長シャフト502の材料は、非放射線透過性であってよい。
【0062】
図6は、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置600の例示的な配置の近位端を示す斜視図である。装置600は、細長シャフト602、1つ以上の圧縮スロット606、圧縮スロット606から約90度オフセットされた1つ以上の張力調整ケーブル間隙スロット608、1つ以上のダイナマイゼーションスロット610、及び1つ以上の静止固定開口部612を含み得る。さらに、細長シャフトの外表面は、張力調整ケーブル経路決定チャネル624及び1つ以上の支持装置係合ノッチ626として使用される、機械加工された部分を含み得る。一実施形態において、装置600は、細長シャフト602の軸線上であり、かつ細長シャフト602の下側表面に位置するネイル締結具係合部628を含み得る。ネイル締結具係合部628は、ネイル締結具(図示せず)と装置600との係合が可能なように、共通した機械的な連結を含み得る。こうした共通した機械的な連結には、ネジ、プレス嵌め、差込などを挙げることができる。ネイル締結具係合部628は、ネイル締結具(図示せず)のネジと連結するようにネジ山が螺刻されてよい。
【0063】
図7は、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置700の例示的な配置の遠位端を示す斜視図である。装置700は、長手方向内部ボア704と連通する遠位開口部730を有する遠位端720を含み得る。遠位開口部730は、長手方向内部ボア704内における張力調整ケーブルのループ形成を支援するために用いることができる。
【0064】
図8は、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置800の例示的な配置を示す縦断面図である。長手方向内部ボア804は、1本の張力調整ケーブル834の長手方向内部ボア804内にけるループ832の形成を可能にし得る。ループ832は、張力調整ケーブル間隙スロット808を通って外側に曲げることができる。一実施形態において、ループ832は、張力調整ケーブル834によって圧縮スロット806、ダイナマイゼーションスロット810及び静止固定開口部812を通過する横方向ボルト(図示せず)の挿入が阻害されないように、張力調整ケーブル834を長手方向内部ボア804の側面836及び838に導くことができる。一実施形態において、張力調整ケーブル834は、長手方向内部ボア804から張力調整ケーブル開口部822を通る前に、約90度螺旋状にねじることができる。一実施形態において、張力調整ケーブル開口部822から挿入され張力調整ケーブル開口部822に出される張力調整ケーブル834は、張力調整ケーブル経路決定チャネル824内に収められ、固定されてよい。
【0065】
張力調整ケーブル834は、張力調整ケーブル834が長手方向内部ボア804の内部に入ったまま、張力調整ケーブルループ832が張力調整ケーブル間隙スロット808を通るように、予め組み込んでよい。そのため、張力調整ケーブル開口部822から出る張力調整ケーブル834の末端は、装置800が医療処置に使用される前に配置され得る。一実施形態において、張力調整ケーブル834を予め組み込んだ装置800を、医療処置中に使用するための滅菌包装に事前包装してよい。張力調整ケーブル834は、製造工程を用いる製造用設備で、装置800内に予め取り付けることができる。別の実施形態において、張力調整ケーブル834は、張力調整ケーブル834によって圧縮スロット806、ダイナマイゼーションスロット810及び静止固定開口部812への横方向ボルトの挿入が阻害されないように、張力調整ケーブル開口部822を通して張力調整ケーブル834の末端を出す前に、長手方向内部ボア804内で張力調整ケーブル834を約90度螺旋状にひねった状態で、張力調整ケーブルループ832が張力調整ケーブル間隙スロット808を通って外側に延在するように手で取り付けることができる。たとえば、鉤状の道具のような装置を使うと、長手方向内部ボア804内の張力調整ケーブルを遠位開口部830を介して操作することができる。
【0066】
張力調整ケーブル834は、任意の可撓性の細い張力調整ケーブル、ワイヤー、糸、チェーン、ロープ、コードまたはファイバーであってよい。一実施形態において、張力調整ケーブル834は、ある材料の実質的に剛性である単一の線であってよい。別の実施形態において、張力調整ケーブル834は、ある材料製の編み込まれた複数の線、あるいは連結した複数の線を含み得る。一実施形態において、張力調整ケーブル834は、各種材料のいずれかを含み得、たとえば、金属、合金、複合材料、ポリマー、または他の有機材料もしくは生体適合性材料のうち1つ以上などが含まれる。
【0067】
一実施形態において、張力調整ケーブル834は、実質的に弾力性であり得、曲げに対する抵抗力を発揮し得る。別の実施形態において、張力調整ケーブル834は、適切な弾力性を得るためのバネ要素を含み得る。一実施形態において、張力調整ケーブル434は、張力調整ケーブル834が長手方向内部ボア804に対して放射状の外向きの力を発揮させるのに十分な弾力性を有し得る。張力調整ケーブル834は、曲げられ、長手方向内部ボア804に挿入することができる。張力調整ケーブル834の弾力性は、張力調整ケーブル834を長手方向内部ボア804の側面836及び838に近接する位置に保持させる、放射状の外向きの力を発揮し得る。
【0068】
一実施形態において、張力調整ケーブル834は、ヒトまたは動物の体内で、骨要素を圧縮及び/または支持するのに十分な引張強さを有し得る。一実施形態において、引張ケーブル834は、関節、骨折または他の隣接して位置する骨要素のいずれかを圧縮するように構成され得る。
【0069】
一実施形態において、張力調整ケーブル834の直径は、約0.1mm〜約2.0mmの範囲であり得る。別の実施形態において、張力調整ケーブル834の直径は、約1.0m〜約5.0mmの範囲であり得る。
【0070】
一実施形態において、横方向ボルトを圧縮スロット806に通し、張力調整ケーブルループ832が張力調整ケーブル間隙スロット808を通って長手方向内部ボア804に引き入れられるように、張力調整ケーブル834に張力をかけることができる。張力調整ケーブルループ832は、圧縮スロット806を通過する横方向ボルトと連係することができる。いくつかの実施形態では、装置800は、たとえば、圧縮スロット806、ダイナマイゼーションスロット810及び静止固定開口部812の少なくとも1つを通る横方向ボルトなどを用いて、2つ以上の骨要素を部分的に固定することができる。張力がかけられたケーブル834は、圧縮スロット806を通る横方向ボルト上で作用し得、骨要素の間にさらなる圧縮を生じさせることができる。横方向ボルト、たとえば、ダイナマイゼーションスロット810及び静止固定開口部812を通る横方向ボルトを用いた、装置800の骨要素への最終固定は、かかる圧縮が達成されたときに可能となり得る。一実施形態において、張力調整ケーブル834は、装置800の骨要素への最終固定後、装置800の長手方向内部ボア804から除去してよい。
【0071】
図9は、例示的な医療処置で使用される、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置900の例示的な実施形態を示す上面図である。ヒトの左足の距骨の側面図を示している。例示的な処置としては、踵骨940、距骨942及び脛骨944の各骨及び各関節の間の癒合処置を挙げることができる。たとえば、装置900を受けるように、骨940、942及び944を調整してよい。骨940、942及び944の中で装置900の適切な嵌合が得られるように、骨940、942及び944の各部分に装置900の直径の孔をリーマで開けることができる。例示的な本実施形態では、装置900の遠位端920を、最初に踵骨940の下側に挿入し、装置900が
図9に示す位置に来るようになるまで、踵骨940、距骨942及び脛骨944を通過させることができる。踵骨940及び静止固定開口部912を貫通する踵骨スクリュー946を用いて、踵骨940に対して装置900を静止固定することができる。横方向ボルト(図示せず)を圧縮スロット906に通して、脛骨944に固定させることができる。張力調整ケーブル(図示せず)を細長シャフト902の長手方向内部ボア(図示せず)内に配置し、張力調整ケーブル開口部922を介して装置900から出し、張力調整ケーブル経路決定チャネルに収まるようにすることができる。張力調整ケーブルの張力により、張力調整ケーブルと、圧縮スロット906を貫通して脛骨944に固定された横方向ボルトとの相互作用が生じるように、張力調整ケーブルの末端を個別の外部張力調整装置と連結することができ、圧縮スロット906を貫通する横方向ボルトと連動して用いることができる。張力がかけられた張力調整ケーブルは、骨940、942及び944を一緒に引き寄せ、その接合部を圧縮することができる。かかる引張りが達成されたときに、装置900の最終固定を、たとえば、静止固定開口部912及びダイナマイゼーションスロット910を通る横方向ボルトを用いて、装置900を骨940、942及び944に固定することによって施すことができる。張力調整ケーブルは、張力調整ケーブルが装置900の長手方向内部ボアを抜けて、張力調整ケーブル開口部922の外に出るように、当該張力調整ケーブルの一端を引っ張ることによって、装置900から取り除いてよい。装置900は骨940、942及び944に固定されたままとなる。体の他の部分に位置する骨と、骨圧縮用装置900とを一緒に使ってもよい。
【0072】
図10は、ネイル締結具1048に連結された、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置1000の例示的な配置を示す斜視図である。ネイル締結具1048は、装置1000を骨要素間に圧縮をもたらすためのシステムに連結させるために使用することができる。一実施形態において、ネイル締結具1048は、装置1000を体内で操作するために使用することができる。ネイル締結具1048は、ネイル締結具係合部(本明細書の前述の段落で説明し、
図6に628で示すもの)を介して、1000に連結することができる。ネイル締結具1048は、ネイル締結具係合部628のネジ山に連結するためのネジ山が螺刻された末端を有し得る。別の実施形態において、ネイル締結具1048は、プレス嵌め、差込などの異なる機械的連結を用いて、装置1000と連結させてよい。
【0073】
図11A及び11Bは、支持装置1150に連結させた、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置1100の例示的な配置を示す斜視図である。支持装置は、装置1100と、骨要素間に圧縮をもたらすためのシステムとを連結させるために使用することができる。一実施形態において、支持装置1150は、細長シャフト1102の遠位端1118に配置された支持装置係合ノッチ1126で装置1100と連結することができる。支持装置1150は、係合ノッチ1126に嵌合して連結する、1つ以上の係合突起部1152を含み得る。一実施形態において、支持装置1150は、装置1100上の張力調整ケーブル経路決定チャネル1124に整合し得る、1つ以上の支持装置張力調整ケーブル経路決定チャネル1154を含み得る。装置1100の内部ボアに延在する張力調整ケーブル(図示せず)は、張力調整ケーブル経路決定チャネル1124内に収めることができ、さらに、支持装置張力調整ケーブル経路決定チャネル1154に収めて、最後に支持装置張力調整ケーブル開口部1156に通して、張力調整ケーブル張力調整装置(図示せず)にさらに接続することができる。一実施形態において、張力調整ケーブル経路決定チャネル1124及び支持装置張力調整ケーブル経路決定チャネル1154は、張力調整ケーブルを固定して、医療処置中の張力調整ケーブルの汚染を防止することができる。一実施形態において、支持装置1150は、支持装置1150の長さにわたって延在する内部ボア1158を含む。このボアにより、支持装置がネイル締結具1148に嵌合する。
【0074】
図12は、ガイド1240の例示的な配置を示す斜視図である。ガイド1240は、装置100に選択的に取り付けることができる。
【0075】
一実施形態において、ガイド1240は、装置100にガイド1240を選択的に取り付けられるように構成された連結部材1242を備える。一実施形態において、連結部材1242は、ネジ山付きシャフトを含む。別の実施形態において、連結部材1242は、ガイド1240を装置100に選択的に取り付けることができる任意の締結器具を含む。別の実施形態において、連結部材1240は、装置100の遠位端114にある締結部材(図示せず)に対応する。
【0076】
ガイド1240は、その長さにわたって一連の位置合わせ穴1244を備え得る。これらの穴は、ガイド1240が装置100と結合したときに、組織及び/または骨要素を通る穴であって、少なくとも1つの圧縮スロット106及び少なくとも1つの静止固定開口部108への横方向ボルトの挿入が可能な穴をドリルで開けるための適切な点を示す。
【0077】
一実施形態において、装置100をヒトの下腿に挿入して、足関節と距骨下関節とを癒合させる。装置100は、踵骨から距骨を通り、脛骨の髄内管へと延在し得る。骨要素を通って少なくとも1つの圧縮スロット106及び少なくとも1つの静止固定開口部108に抜ける穴をドリルで開けるために、外科医は、脚、足首及び足の外側領域からドリルを進めなければならない。したがって、外科医は、穴を開けるべき場所を知るために、少なくとも1つの圧縮スロット106及び少なくとも1つの静止固定開口部108を見ることができない。そのため、ガイド1240が位置合わせ穴1244を提供する。この穴に、少なくとも1つの圧縮スロット106及び少なくとも1つの静止固定開口部108に重なるように、足の外側からドリル開孔の適切な場所及び位置合わせを目標にしてドリルを挿入する。
【0078】
図13は、張力調整装置の例示的な配置1300を示す上面図である。張力調整装置1300は、枠組み1302、レバー1304、ロック1306及び係合機構1308を備え得る。
【0079】
一実施形態において、張力調整装置1300は、細長シャフト202の近位端214に着脱可能に連結される。別の実施形態において、張力調整装置1300は、締結部材222と係合機構1308との間の着脱連結を介して、装置200と結合される。別の実施形態において、係合機構1308及び締結部材222は、互いに係合するように構成された雄ネジと雌ネジを備える。
【0080】
一実施形態において、張力調整ケーブル224は、張力調整装置1300に連結される。レバー1304は、張力調整ケーブル224の少なくとも1つの末端を張力調整装置1300に引き込み、張力調整ケーブル224に張力を生じさせ、それを増大させるように作動し得る。
【0081】
一実施形態において、張力調整装置は、張力調整ケーブル224に一定の張力が保持されるように、張力調整装置1300をロックするように構成されたロック1306を含む。ロック1306は、張力調整ケーブル224の張力を緩めるために、選択的に解除することができる。張力調整ケーブル224に張力をかけ、張力を解放した後、張力調整装置1300から張力調整ケーブル224を取り外すことができる。
【0082】
一実施形態において、張力調整装置1300は、張力調整ケーブル224の張力を測定し、表示するように構成される。別の実施形態において、張力調整装置1300は、力変換器、ひずみゲージ及びバネ式張力計などの各種方法のいずれかによって、張力調整ケーブル224の張力を測定するように構成される。一実施形態において、張力調整ケーブル224は、内蔵型の力変換器、ひずみゲージまたはバネ式張力計を含む。一実施形態において、張力調整装置1300は、デジタル表示、アナログ表示及びゲージなどの各種方法のいずれかによって、張力調整ケーブル224の張力を表示するように構成される。
【0083】
図14は、距骨1440、1442及び1444を癒合させる医療処置にて使用する、骨要素間に圧力を生じさせるためのシステム1401の例示的な配置を示す斜視図である。
図14は、ヒトの左足内の骨1440、1442及び1444の内側図を示す。システム1401は、ターゲットアーム1460、保護スリーブ1464及び張力調整装置1468に加えて、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置1400を含み得る。
【0084】
例示的な一実施形態において、骨要素間に圧縮を生じさせるための装置1400を骨1440、1442及び1444に挿入することができる。装置1400を挿入する前に、保護スリーブ1464を使用して骨1440、1442及び1444を挿入のために調整することができる。保護スリーブ1464が踵骨1440に隣接した軟組織に少なくとも部分的に挿入可能なように、踵骨1440に隣接した足裏の軟組織を切開することができる。保護スリーブ1464は、保護スリーブ1464に嵌合し、取り外すことができる内スリーブ(図示せず)をさらに含み得る。スリーブ1464を足裏の軟組織に挿入した後、1つ以上の支持棒1466を、保護スリーブ1464にある支持棒位置調整開口部1467に挿入することができる。支持棒1466は、保護スリーブ1464を軟組織内ならびに骨1440、1442及び1444に対して所定の位置に保持するために、骨1440、1442及び1444に突き通すことができる。誘導穴をドリルで開けるための中央ガイドが付いた内スリーブを、保護スリーブ1464に挿入することができる。骨1440、1442及び1444を通る誘導穴をドリルで開け、内スリーブを保護スリーブ1464から取り外すことができる。保護スリーブ1464の内径は、装置1400の外径に一致するように適宜寸法調整され得る。ドリルで開けた誘導穴をガイドとして用いて、骨1440、1442及び1444から装置1400の全外径の孔をリーマで開けるために、保護スリーブ1464をガイドとして使用することができる。したがって、保護スリーブ1464の内径は、挿入すべき装置1400の外径寸法に応じて変わり得、内スリーブの外径は、内スリーブと保護スリーブ1464の間の所望の嵌合を提供するために適宜変化し得る。保護スリーブ1464は、骨1440、1442及び1444のドリル開孔及びリーミングの際に、周囲の軟組織を保護する。リーマで骨に適切な直径の孔を開けた後、ターゲットアーム1462を用いて、骨1440、1442及び1444を貫く開口をドリルで開ける。システム1401のターゲットアーム1460を参照すると、ターゲットアーム1460は、装置1400にある圧縮スロット1406、ダイナマイゼーションスロット1410及び静止固定開口部1412に対応する複数の開口部1462を有し得る。ターゲットアーム1460をガイドとして使用して、骨1440、1442及び1444を貫く、圧縮スロット1406、ダイナマイゼーションスロット1410及び静止固定開口部1412に対応する開口をドリルで開けることができる。ターゲットアーム1460は、装置1400にある圧縮スロット1406、ダイナマイゼーションスロット1410及び静止固定開口部1412に対応する開口部の約90度のオフセットに合致させるために、約90度の距離をもって回転させられる。これにより、装置1400を骨1400、1442及び1444に挿入できたときに、骨1440、1442及び1444を通してドリルで開けた開口が、装置1400にある圧縮スロット1406、ダイナマイゼーションスロット1410及び静止固定開口部1412に対応する開口部に合致し得る。骨1440、1442及び1444を貫く開口をドリルで開けた後、ドリルで開けた骨開口部に対して装置1400が望ましい位置に達するまで、細長シャフト1402の遠位端1420を保護スリーブ1464と、1440、1442及び1444に通して挿入することができる。装置1400を操作して体内での適切な位置を達成するためには、ネイル締結具(図示せず)を用いることができる。装置1400の位置が調節できたら、踵骨スクリュー1446を踵骨1440と、これに対応する装置1400の静止固定開口部とに挿入し、装置1400を骨1440、1442及び1444に対して部分的に静止固定することができる。対応する圧縮スロット1406用脛骨1444ドリル開口部及び圧縮スロット1406に横方向ボルトを挿入することができる。装置1400の内側の長手方向内部ボア(図示せず)内の張力調整ケーブル(図示せず)を適切な位置に合わせて、圧縮スロット1406を通る横方向ボルトと相互作用するようにすることができる。張力調整ケーブル末端(図示せず)は、支持装置1450に通して、さらに張力調整装置1468まで通すことができる。張力調整ケーブルの位置は、張力調整装置1468の張力調整ケーブル固定カム1470に固定することができる。張力調整1472を徐々にひねることによって、張力調整ケーブルに張力がかかり、張力調整ケーブルの張力を少しずつ上げることができる。その結果、張力調整ケーブルと圧縮スロット1406を通る横方向ボルトとの間の張力も上げることができる。張力調整ケーブルに張力をかけると、骨1440、1442及び1444ならびに関連する関節が、所望の張力が達成されるまで、お互いに引っ張られ得る。所望の張力が達成されたら、さらなる横方向ボルトを、骨1440、1442及び1444のドリル開口部と、装置1400のダイナマイゼーションスロット1410及び静止固定開口部1412に対応する開口部に固定して、骨1440、1442及び1444内における装置1400の最終固定を行うことができる。装置1400を最終的に固定したら、カム1470を解除して張力調整ケーブルを緩め、張力調整装置1468をシステム1401から取り外すことができる。張力調整ケーブルを支持装置1450の開口部(図示せず)を介して装置1400から取り外すことができる。支持装置1450及び保護スリーブ1464内の対応する部分を、ネイル締結具とともに、取り外すことができる。ターゲットアーム1460を取り外して、適切な位置に固定した保護スリーブ1464を残してよい。支持棒1466は、体内に残してもよいし、保護スリーブ1464とともに取り外してもよい。保護スリーブ1464を取り外したら、それまで1464を取り囲んでいた軟組織を閉創して、骨圧縮及び固定処置にかかる例示的な本実施形態を完了することができる。
【0085】
「含む(includes)」または「含んでいる(including)」という用語は、本明細書または特許請求の範囲で使用する限りにおいて、「備える(comprising)」という用語が請求項において使用される場合、移行句として解釈されるのと同様に包含的であることが意図される。さらに、「または(もしくは)」という用語が採用される場合(たとえば、AまたはB)、「AまたはBまたは両方」を意味することが意図される。出願人が「AまたはBのみであり、両方ではない」ことを示す意図がある場合には、「AまたはBのみであり、両方ではない」という用語が採用される。したがって、本明細書における「または」という用語の使用は、包含的使用であり、排他的使用ではない。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、「中で(in)」または「中に(into)」という用語は、本明細書または特許請求の範囲で使用する限りにおいて、「上で(on)」または「上に(onto)」を付加的に意味することが意図される。「選択的に」という用語は、本明細書または特許請求の範囲で使用する限りにおいて、構成要素の状態であって、装置のユーザが、操作の使用に必要である構成要素または望まれる構成要素の特徴もしくは機能を起動したり停止したりできる状態を指すことが意図される。「機能的に接続された」という用語は、本明細書または特許請求の範囲で使用する限りにおいて、特定の構成要素が指定の機能を果たすような形式で接続されることを意味することが意図される。「実質的に」という用語は、本明細書または特許請求の範囲で使用する限りにおいて、特定の構成要素が指定した関係または性質を対象業界において許容され得る誤差で有することを意味することが意図される。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数を包含する。最後に、「約」という用語が数値との関係で使用される場合、その数値の±10%を含むことが意図される。言い換えれば、「約10」は、9〜11を意味し得る。
【0086】
上述の通り、本出願をその実施形態の説明により例示し、その実施形態を極めて詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲をかかる詳細に制限したり、何らかの点で限定することは、出願人らの意図するものではない。本出願の利益を享受すれば、当業者には、さらなる利点及び修正が容易に認められるであろう。したがって、本出願は、そのより広い態様において、特定の詳細、示した例示的な実施例、または言及したいかなる装置にも限定されない。包括的な本発明の概念の趣旨または範囲を逸脱することなく、かかる詳細、実施例及び装置からの逸脱がなされ得る。