特許第6373315号(P6373315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373315
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】RFタグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20180806BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20180806BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   G06K19/077 288
   G06K19/077 248
   G06K19/077 160
   G06K19/077 280
   G06K19/077 144
   G06K19/077 212
   G06K19/077 220
   H01Q1/38
   H04B5/02
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-164970(P2016-164970)
(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公開番号】特開2018-32264(P2018-32264A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2016年8月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000232922
【氏名又は名称】日油技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】山田 富穂
(72)【発明者】
【氏名】中里 克己
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0318874(US,A1)
【文献】 特開2008−182728(JP,A)
【文献】 特開2012−105189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00−19/18
H01Q 1/38
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面を有し、耐熱性材料からなる基材と、
前記基材に配置され、互いに接合された複数の層を有し、アンテナとして機能するアンテナ導体と、
前記基材内に配置され、前記アンテナ導体の一部と接合されるRFICと、
を備え、
前記アンテナ導体の一部を、金属を含む部材と金属接合するために、前記アンテナ導体の一部は、前記基材の前記上面及び/又は前記下面上に配置され、かつ外部に露出されている
RFタグ。
【請求項2】
前記アンテナ導体は、銅箔からなる請求項1に記載のRFタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFタグに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RF(Radio Frequency)タグにより物品を高速かつ正確に選別することが実現されている。RFタグは、サイズ、形状、電池の搭載の有無、データ伝送方式、使用周波数等により多くの種類があり、ユーザの用途に応じて選択される。
例えば、特許文献1には、小型かつ安価に製造可能なRFタグが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013−505618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RFタグの普及に伴い、従来のバーコードや、二次元コード等に代えて、RFタグを電子機器や、プリント基板等の金属に搭載(金属対応)することの需要が存在している。
【0005】
従来、RFタグを金属に搭載するためには、粘着テープを用いることや、金属によるRFタグのアンテナ性能の劣化を防ぐための部材を取り付けること等のように別の手段をRFタグに設ける必要があり、RFタグを金属に直接的に搭載することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、小型化可能であり、かつ金属に対応可能なRFタグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のRFタグは、耐熱性材料からなる基材と、前記基材に配置され、互いに接合された複数の層を有し、アンテナとして機能するアンテナ導体と、前記基材内に配置され、前記アンテナ導体の一部と接合されるRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)と、を備える。
【0008】
この発明によれば、基材に配置された複数の層を有するアンテナ導体は、一層のアンテナ導体を折り曲げた構造体とみなすことができる。よって、金属対応のRFタグを、アンテナ導体のアンテナ長を短くすることなく、通信距離を維持しつつ、小型化することができる。
【0009】
このように、RFタグは、小型化することができ、かつ金属に対応することができる。
また、RFタグは、耐熱性を有しているため、RFタグ1をプリント基板等の金属を含む部材に半田付け等の既存の実装技術を用いて実装することができる。
【0010】
また、アンテナ導体の一部は、外部に露出されている。これにより、RFタグは、アンテナ導体の一部が露出しているため、他の電子部品と同様の製造工程を用いて、アンテナ導体の一部とプリント基板等の金属を含む部材とを実装技術によって金属接合することができる。
【0011】
また、前記アンテナ導体は、銅箔からなることが好ましい。これにより、RFタグは、既存の実装技術を用いて、プリント基板のような金属に容易に実装することが可能である
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型化可能であり、かつ金属に対応可能なRFタグを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るRFタグの構造を示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るRFタグを製造する工程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るRFタグ1の構造を示す断面図である。RFタグ1は、例えば2.45GHz、UHF帯(860〜960MHz)等の無線周波数信号を用いてリーダライタ(図示せず)と無線通信を行う。
【0015】
図1に示すように、RFタグ1は、基材11と、アンテナ導体12と、RFIC13と、ボンディングワイヤ14と、封止樹脂15と、を備える。
【0016】
基材11は、耐熱性材料であり、例えば、セラミックス材料からなる。セラミックス材料は、特に、低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co−fired Ceramics(LTCC))であることが好ましい。
【0017】
基材11は、例えば、低温同時焼成セラミックス(LTCC)をシート状に形成した第1のシート層11a及び第2のシート層11bと、を備える。
第1のシート層11aと第2のシート層11bとは、積層されている。
また、第1のシート層11aと第2のシート層11bとは、積層された状態で後述のスルーホール2が形成されている。また、第2のシート層11bの中央部分は、後述のRFIC13を第2のシート層11bに搭載するための空間を有している(後述の図2参照)。
【0018】
アンテナ導体12は、アンテナ(例えば、ダイポールアンテナ)として機能する。具体的には、アンテナ導体12は、例えば、2.45GHzやUHF帯(860〜960MHz)のような無線周波数信号において、リーダライタから送信された無線周波数信号に共振することにより、リーダライタ(図示せず)との間で信号を送受信する。
【0019】
アンテナ導体12は、基材11に配置され、互いに接合(電気的に接続)された複数の層を有する。具体的には、アンテナ導体12は、第1の層12aと、第2の層12bと、第3の層12cと、第1の接続部12dと、第2の接続部12eと、を備える。
【0020】
第1の層12aは、第1のシート層11aの一の面上に配置され、第1の接続部12dによって第2の層12bと接合される。第1の接続部12dは、第1のシート層11aのスルーホール2に配置される。
第2の層12bは、第1のシート層11aと第2のシート層11bとの間(すなわち、第2のシート層11bの一の面上)に配置され、第1の接続部12dによって第1の層12aと接合されると共に、第2の接続部12eによって第3の層12cと接合される。
第3の層12cは、第2のシート層11bの他の面に配置され、第2の接続部12eによって第2の層12bと接合される。第2の接続部12eは、第2のシート層11bのスルーホール2に配置される。
【0021】
なお、図1では、第2の層12bの右側部分と左側部分とは、隔てて示されているが、実際には、第2の層12b全体は、一つの層として一体的に形成されている。また、第3の層12cも第2の層12bと同様に、一つの層として一体的に形成されている。
【0022】
また、アンテナ導体12の一部(例えば、第1の層12a又は第3の層12cの一部)は、外部に露出されている。
ここで、アンテナ導体12は、その一部(例えば、第1の層12a又は第3の層12cの一部)が外部に露出されていればよく、アンテナ導体12の他の部分(例えば、第1の層12a及び第3の層12cの残りの部分)は、塗装等によって被覆されていてもよい。
【0023】
アンテナ導体12は、金属で構成され、銅箔からなることが好ましい。また、アンテナ導体12の第1の層12a、第2の層12b及び第3の層12cのそれぞれの厚さは、約40〜50μm程度であることが好ましい。
【0024】
RFIC13は、基材内に配置され、ボンディングワイヤ14によってアンテナ導体12の一部である第2の層12bと接合される。
RFIC13は、送受信部及びメモリから構成され、アンテナ導体12を介して受信した命令に従ってデータの読み出し及び書き込みを行う。
【0025】
ボンディングワイヤ14は、アンテナ導体12の第2の層12bとRFIC13とを接合する。
封止樹脂15は、エポキシ樹脂等からなり、RFIC13及びボンディングワイヤ14を樹脂封止する。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態に係るRFタグ1を製造する工程の一例を示す図である。
なお、以下のRFタグ1を製造する工程は、一例であり、他の製造方法を用いてRFタグ1を製造してもよい。
【0027】
図2に示すように、RFタグ1を製造する工程は、工程(a)と、工程(b)と、工程(c)と、工程(d)と、工程(e)と、を備える。
【0028】
工程(a)において、基材11の第1のシート層11a及び第2のシート層11bにスルーホール2を形成する。具体的には、セラミックス粉末、ガラス、バインダー等の材料からシート状に形成された第1のシート層11a及び第2のシート層11bにレーザ、ドリル等によってスルーホール2を形成する。
【0029】
工程(b)において、アンテナ導体12を基材11の第1のシート層11a及び第2のシート層11bに形成する。
具体的には、スルーホール2に銅ペーストを充填することにより、アンテナ導体12の第1の接続部12d及び第2の接続部12eを形成する。
【0030】
また、めっき、印刷技術等を用いて銅を第1のシート層11a及び第2のシート層11b上に形成することによって、第1の層12a、第2の層12b及び第3の層12cを形成する。
【0031】
工程(c)において、セラミックス材料を含む基材11の第1のシート層11a及び第2のシート層11bを加熱して、焼成する。
【0032】
工程(d)において、RFIC13を半田等によって第2のシート層11bに搭載し、RFIC13と第2の層12bとをボンディングワイヤ14によって接合する。
【0033】
工程(e)において、第2のシート層11bのRFIC13が搭載された空間に封止樹脂15を充填し、熱硬化することにより、RFIC13及びボンディングワイヤ14を樹脂封止する。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係るRFタグ1によれば、耐熱性材料からなる基材11と、基材11に配置され、互いに接合された第1の層12a、第2の層12b及び第3の層12cを有し、アンテナとして機能するアンテナ導体12と、基材11内に配置され、アンテナ導体12の一部と接合されるRFIC13と、を備える。
【0035】
RFタグ1は、互いに接合された複数の層(第1の層12a、第2の層12b及び第3の層12c)を有し、アンテナとして機能するアンテナ導体12を備えているため、金属に搭載された場合であっても、アンテナとして機能する際にアンテナ導体12と金属とが干渉しない。
【0036】
また、複数の層を有するアンテナ導体12は、一層のアンテナ導体を折り曲げた構造体とみなすことができる。よって、RFタグ1は、アンテナ導体12のアンテナ長を短くすることなく、RFタグ1の通信距離を維持しつつ、RFタグ1の大きさを小型化することができる。
【0037】
このように、RFタグ1は、小型化することができ、かつ金属に対応することができる。
また、RFタグ1は、耐熱性を有しているため、RFタグ1をプリント基板等の金属を含む部材に半田付け等の既存の実装技術を用いて実装することができる。
【0038】
更に、RFタグ1をプリント基板等に実装することによって、例えば、製造時にRFタグ1をプリント基板等に実装(内蔵)した電子部品及び電子機器を実現することができる。また、RFタグ1は耐熱性材料で構成されているため、例えば、射出成形された樹脂等のような射出成形体内にRFタグ1を内蔵(インサート成形)することができる。
【0039】
また、アンテナ導体12の一部(第1の層12a又は第3の層12c)は、外部に露出されている。
これにより、RFタグ1は、アンテナ導体12の一部が露出しているため、他の電子部品と同様の製造工程を用いて、アンテナ導体12の一部とプリント基板等の金属を含む部材とを実装技術によって金属接合することができる。
【0040】
また、アンテナ導体12は、銅箔からなることが好ましい。
ここで、一般的に、アンテナ導体12は、銅以外の金属(例えば、アルミニウムや、銀ペースト等)で構成することも考えられる。
しかし、アンテナ導体12をアルミニウムで構成した場合、アルミニウムは、表面が酸化されやすいため、アンテナ導体12と基板とを半田によって基板に実装することが容易ではない。
【0041】
また、アンテナ導体12を銀ペーストで構成した場合、銀ペースト内の銀粒子は、イオンマイグレーションを発生しやすく、そのため、絶縁不良等により故障が発生しやすい。また、銀ペーストの厚さは、通常、約5μm程度であるため、アンテナ導体12をプリント基板等に半田実装した際に、銀粒子と半田との合金が形成されるが、銀ペーストの厚さが薄いため、銀粒子と半田との合金を形成する部分が非常に少なくなる。よって、銀ペーストと基板との良好な半田接合を得ることが困難となる。
【0042】
したがって、上記の理由から既存の実装技術を用いて、プリント基板等のような金属に容易に実装することが可能であるため、アンテナ導体12は、銅箔からなることが好ましい。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、アンテナ導体12の形状はあくまで例示であり、アンテナを形成できれば他の形状であってもよい。
【0044】
また、上述した実施形態では、アンテナ導体12は、3つの層(第1の層12a、第2の層12b及び第3の層12c)を有する構造として説明されたが、これに限定されず、より多い又は少ない層を有する構造であってもよい。
【0045】
また、本発明に係るRFタグ1をプリント基板等の金属に実装する際には、半田を用いた実装(例えば、半田ペーストを塗布した後にリフローを行うことや、半田浴に浸漬する等)に限定されない。例えば、半田を用いた実装に代えて、レーザ接合等の他の接合技術を用いてRFタグ1をプリント基板等の金属を含む部材に実装してもよい。
【0046】
本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
1 RFタグ
11 基材
12 アンテナ導体
13 RFIC
14 ボンディングワイヤ
15 封止樹脂
図1
図2