特許第6373360号(P6373360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373360
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】透明電極フィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20180806BHJP
   H01B 1/20 20060101ALI20180806BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   G06F3/041 660
   G06F3/041 400
   H01B1/20 A
   H01B13/00 503D
   H01B13/00 503B
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-513882(P2016-513882)
(86)(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公表番号】特表2016-520227(P2016-520227A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(86)【国際出願番号】KR2014004431
(87)【国際公開番号】WO2014185755
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2016年8月16日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0056034
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514227771
【氏名又は名称】インクテック カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INKTEC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】カン−チュン チョン
(72)【発明者】
【氏名】イン−スク イ
(72)【発明者】
【氏名】ジ フン ヨ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンギ ソン
(72)【発明者】
【氏名】デ サン ハン
【審査官】 酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0037925(KR,A)
【文献】 特開平02−066870(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/108869(WO,A2)
【文献】 特開2013−054599(JP,A)
【文献】 特開2010−135692(JP,A)
【文献】 特開2008−277202(JP,A)
【文献】 特開2007−267185(JP,A)
【文献】 特開2006−190510(JP,A)
【文献】 特表2012−517063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
H01B 1/20
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
離型フィルム上に、金属インク組成物を用いて電極パターンを印刷する電極パターン形成段階と、
前記電極パターンが形成された前記離型フィルム上に、硬化性樹脂を塗布して絶縁層を形成する絶縁層形成段階と、
前記絶縁層上に基材を積層して基材層を形成する基材層形成段階を含まず、
前記絶縁層を形成した後、前記離型フィルムを除去する離型フィルム除去段階と、
前記離型フィルムが除去された前記電極パターン上に、導電性物質を塗布して導電層を形成する導電層形成段階とを含み、
前記絶縁層のみが前記基材層として機能する透明電極フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記離型フィルムは、耐熱性フィルム上にシリコン系またはアクリル系離型剤を塗布して形成される請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記金属インク組成物は、金属錯体化合物、金属前駆体、球状金属粒子、金属プレートまたは金属ナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む導電性金属組成物からなる請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記電極パターンは、グラビアプリンティング法、フレキソプリンティング法、オフセットプリンティング法、リバースオフセットプリンティング法、ディスペンシング、スクリーンプリンティング法、ロータリースクリーンプリンティング法またはインクジェットプリンティング法によって、前記離型フィルム表面上に印刷される請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記絶縁層形成段階は、前記電極パターンの間の溝が充填されるように、前記硬化性樹脂を全面塗布して前記絶縁層を形成する請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記電極パターンの間の前記絶縁層の高さは、前記電極パターンの高さと同一であるか、より高く形成される請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記絶縁層形成段階は、前記硬化性樹脂を2回以上塗布して2以上の絶縁層を形成する請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記離型フィルム除去段階後、前記電極パターン形成段階で前記電極パターンを印刷しながら、前記電極パターンの間に残るようになった残余金属インク組成物を除去する残余金属インク組成物処理段階をさらに含む請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項9】
前記残余金属インク組成物処理段階は、前記残余金属インク組成物をエッチング液で溶解させ、残余物処理部材を用いて溶解した前記残余金属インク組成物を押し出すことによって除去する請求項8に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項10】
前記エッチング液は、アンモニウムカルバメート系、アンモニウムカーボネート系、アンモニウムバイカーボネート系、カルボン酸系、ラクトン系、ラクタム系、環状酸無水物系化合物、酸−塩基塩複合体、酸−塩基−アルコール系複合体またはメルカプト系化合物のうちの少なくとも1つおよび酸化剤を含む請求項9に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項11】
前記残余物処理部材は、ドクターブレード、ワイパーまたはブラシである請求項9に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項12】
前記導電層形成段階は、前記離型フィルムが除去された前記電極パターン上に導電性物質を蒸着またはプリンティングする請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項13】
前記導電性物質は、ITO、AZO、CNT、グラフェンまたは導電性高分子である請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【請求項14】
前記硬化性樹脂は、熱または紫外線硬化性樹脂である請求項1に記載の透明電極フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明電極フィルムの製造方法に関する。より詳細には、離型フィルムを使用して金属インク組成物を印刷して電極パターンを形成し、その上に導電性物質を蒸着またはコーティングして、表面粗度が優秀でありながら低抵抗特性を有する透明電極フィルムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種家電機器と通信機器がデジタル化され、急速に高性能化されるに伴い、携帯可能なディスプレイの具現が切実に要求されている。携帯可能なディスプレイを具現するためには、ディスプレイ用電極材料は、透明でありながら低い抵抗値を示すだけでなく、機械的に安定することができるように高い柔軟性を示さなければならず、基板の熱膨張係数と類似の熱膨張係数を有していることにより、機器が過熱したり、高温の場合にも短絡したり、面抵抗の変化が大きくてはならない。
【0003】
現在、透明導電性材料として使用可能な素材としては、酸化物、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube、CNT)、グラフェン、高分子導電体、金属ナノワイヤーなどが知られており、そのうち、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)を真空方式により薄膜層を形成して使用する方法が代表的に商用化されているが、セラミック材料であるため、金属に比べて抵抗特性に優れておらず、基板の曲がりやたわみに対する機械的な抵抗が低く、簡単にクラックが形成されて伝播され、電極の特性が劣化する問題がある。その上、ITOの主材料であるインジウムの価格が平板ディスプレイ、モバイル機器、タッチパネル市場の急激な拡張により持続的に上昇しており、限られた埋蔵量のために、透明導電性フィルムの原価競争力で問題点として作用している。したがって、今後熾烈に展開するディスプレイ技術の競争で優位を先占するためには、ITO電極の問題点を解決することができる代替材料の開発が非常に重要である。
【0004】
高分子導電体の場合、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェノール、ポリアニリン、PEDOT:PSSなどの物質を使用して、透明導電性フィルムを製作することになるが、大部分の高分子導電体が溶解度が低く、工程が煩雑なだけでなく、エネルギーバンドギャップが3eV以下で、色を帯びる問題点を有している。透過率を高めるために薄膜でコーティングする場合は、面抵抗が高くなり、実際に透明電極として使用するには問題がある。また、大部分の高分子導電体は、大気安定性が不足して、大気中で急激に酸化して電気導電性が低下するため、安定性の確保が重要な問題中の1つである。
【0005】
CNT、グラフェン、金属ナノワイヤーを用いる透明導電性フィルムに対する研究も多く行われているが、低抵抗の透明導電性フィルムとして使用するには解決すべき問題点があるため、まだ実用化の水準に到達していない状態である。
【0006】
最近、このような問題点を解決するための新しい方法のうちの1つとして、インプリンティング(imprinting)方法を用いて微細な陰刻の溝を形成した後、低抵抗の金属物質を充填する方法が研究されており、これと関連してUV硬化性樹脂を微細モールドで加圧した後、インプリントしてAgペーストを充填して、透明導電性フィルムを形成する方法があるが、Agパターン膜の厚さ調節が難しく、またパターン膜の表面粗度の制御が容易ではないため、電極間の接触が必要な分野の適用に限界がある。
【0007】
のみならず、最近の大面積フレキシブルディスプレイに対するニーズが増加している時点で、抵抗特性が優れて、柔軟で、有機物質との適合性が優れていながら、表面の平坦度が優れた電極素材の開発が至急となっている実情である。
そこで、電極間の接触に容易に使用することができる、表面粗度が優れた微細電極パターンが形成された透明電極を製造するための研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、このような従来の問題点を解決するためのものであって、離型フィルム上に金属インク組成物を印刷して電極パターンを形成し、離型フィルムを除去して透明電極フィルムを形成し、表面粗度が優れたディスプレイ用透明電極フィルムの製造方法を提供することに目的がある。
【0009】
また、本発明の参考例としての発明は、離型フィルム上に金属インク組成物を印刷して電極パターンを形成した後、基材層を形成して付着力が優秀でありながら低抵抗の特性を有するディスプレイ用透明電極フィルムの製造方法を提供することに目的がある。
【0010】
また、本発明は、機械的・電気的特性を有する導電性金属インク組成物と表面特性が優れた酸化物電極をハイブリッドして、2重層のハイブリッド透明電極フィルムの製造方法を提供することに目的がある。
【0011】
また、本発明は、金属インク組成物を用いて電極パターンを印刷し、電極パターン領域ではない領域に発生し得る金属インク組成物の残余物を除去して、従来技術では具現が難しかった低抵抗の微細なパターンを形成することができ、透過率が優れた離型フィルムを用いたディスプレイ用透明電極フィルムの製造方法を提供することに目的がある。
【0012】
のみならず、本発明は、離型フィルムを除去した後に、電極パターン上に導電性物質を形成して、電気導電性が著しく向上した、離型フィルムを用いたディスプレイ用ハイブリッド透明電極フィルムの製造方法を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を達成するために、本発明の一実施例に係る透明電極フィルムの製造方法は、離型フィルム上に金属インク組成物を用いて電極パターンを印刷する電極パターン形成段階と、前記電極パターンが形成された前記離型フィルム上に硬化性樹脂を塗布して絶縁層を形成する絶縁層形成段階と、前記絶縁層上に基材を積層して基材層を形成する基材層形成段階を含まず、前記絶縁層を形成した後、前記離型フィルムを除去する離型フィルム除去段階と、前記離型フィルムが除去された前記電極パターン上に導電性物質を塗布して導電層を形成する導電層形成段階とを含み、前記絶縁層のみが前記基材層として機能する透明電極フィルムを製造することを特徴とする。
【0014】
前記離型フィルムは、耐熱性フィルム上にシリコン系またはアクリル系離型剤を塗布して形成されることを特徴とする。
前記金属インク組成物は、金属錯体化合物、金属前駆体、球状金属粒子、金属プレートまたは金属ナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む導電性金属組成物からなることを特徴とする。
【0015】
前記電極パターンは、グラビアプリンティング法、フレキソプリンティング法、オフセットプリンティング法、リバースオフセットプリンティング法、ディスペンシング、スクリーンプリンティング法、ロータリースクリーンプリンティング法またはインクジェットプリンティング法によって、前記離型フィルム表面上に印刷されることを特徴とする。
【0016】
前記絶縁層形成段階は、前記電極パターンの間の溝が充填されるように、前記硬化性樹脂を、前記電極パターンが形成された前記離型フィルム表面上に全面塗布して前記絶縁層を形成することを特徴とする。
前記電極パターンの間の前記絶縁層の高さは、前記電極パターンの高さと同一であるか、より高く形成されることを特徴とする。
【0017】
前記絶縁層形成段階は、前記硬化性樹脂を2回以上塗布して、2以上の絶縁層を形成することを特徴とする。
本発明の参考例としての発明の一参考実施例に係る透明電極フィルムの製造方法は、基材、前記絶縁層上に熱圧着によって積層されるか、接着剤による接着によって積層されることを特徴とする。
【0018】
前記離型フィルム除去段階後、前記電極パターン形成段階で、前記電極パターンを印刷しながら、前記電極パターンの間に残るようになった残余金属インク組成物を除去する残余金属インク組成物処理段階をさらに含むことを特徴とする。
前記残余金属インク組成物処理段階は、前記残余金属インク組成物をエッチング液で溶解させ、残余物処理部材を用いて、溶解した前記残余金属インク組成物を押し出すことによって除去することを特徴とする。
【0019】
前記エッチング液は、アンモニウムカルバメート系、アンモニウムカーボネート系、アンモニウムバイカーボネート系、カルボン酸系、ラクトン系、ラクタム系、環状酸無水物系化合物、酸−塩基塩複合体、酸−塩基−アルコール系複合体またはメルカプト系化合物のうちの少なくとも1つおよび酸化剤を含むことを特徴とする。
前記残余物処理部材は、ドクターブレード、ワイパーまたはブラシであることを特徴とする。
【0020】
前記導電層形成段階は、前記離型フィルムが除去された前記電極パターン上に導電性物質を蒸着またはプリンティングすることを特徴とする。
前記導電性物質は、ITO、AZO、CNT、グラフェンまたは導電性高分子であることを特徴とする。
【0021】
前記課題を達成するために、本発明の参考例としての発明の他の参考実施例に係る透明電極フィルムの製造方法は、離型フィルム上に金属インク組成物を用いて電極パターンを印刷する電極パターン形成段階と、前記電極パターンの間の溝が充填されるように、硬化性樹脂を塗布して絶縁層を形成する絶縁層形成段階と、前記絶縁層上に基材を積層して基材層を形成する基材層形成段階と、前記離型フィルムを除去する離型フィルム除去段階と、前記電極パターンを印刷しながら前記電極パターンの間に残るようになった残余金属インク組成物を除去する残余金属インク組成物処理段階と、前記離型フィルムが除去された前記電極パターン上に導電性物質が含まれた導電層を形成する導電層形成段階とを含むことを特徴とする。
【0022】
前記離型フィルムは、耐熱性フィルム上にシリコン系またはアクリル系離型剤を塗布して形成されることを特徴とする。
前記絶縁層形成段階は、前記電極パターンの間の溝が充填されるように、前記硬化性樹脂を全面塗布して前記絶縁層を形成することを特徴とする。
本発明の一実施例に係る透明電極フィルムの製造方法において、前記硬化性樹脂は、熱または紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする。
【0023】
前記基材は、前記絶縁層上に熱圧着によって積層されるか、接着剤による接着によって積層されることを特徴とする。
前記残余金属インク組成物処理段階は、前記残余金属インク組成物をエッチング液で溶解させ、残余物処理部材を用いて、溶解した前記残余金属インク組成物を押し出すことによって除去することを特徴とする。
【0024】
前記エッチング液は、アンモニウムカルバメート系、アンモニウムカーボネート系、アンモニウムバイカーボネート系、カルボン酸系、ラクトン系、ラクタム系、環状酸無水物系化合物、酸−塩基塩複合体、酸−塩基−アルコール系複合体またはメルカプト系化合物のうちの少なくとも1つおよび酸化剤を含むことを特徴とする。
【0025】
前記残余物処理部材は、ドクターブレード、ワイパーまたはブラシであることを特徴とする。
前記導電性物質は、ITO、AZO、CNT、グラフェンまたは導電性高分子であることを特徴とする。
前記導電層は、前記導電性物質を蒸着またはプリンティングして形成されることを特徴とする。
【0026】
前記課題を達成するために、本発明の参考例としての発明のまた他の参考実施例に係る透明電極フィルムの製造方法は、離型フィルム上に金属インク組成物を用いて電極パターンを印刷する電極パターン形成段階と、前記電極パターンが形成された前記離型フィルム上に硬化性樹脂を塗布して絶縁層を形成する絶縁層形成段階と、前記離型フィルムを除去する離型フィルム除去段階と、前記離型フィルムが除去された前記電極パターン上に導電性物質を塗布して導電層を形成する導電層形成段階とを含むことを特徴とする。
【0027】
前記離型フィルムは、耐熱性フィルム上にシリコン系またはアクリル系離型剤を塗布して形成されることを特徴とする。
前記導電層形成段階は、前記離型フィルムが除去された前記電極パターン上に導電性物質を蒸着またはプリンティングすることを特徴とする。
前記導電性物質は、ITO、AZO、CNT、グラフェンまたは導電性高分子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
離型フィルムを用いて、離型フィルム上に金属インク組成物を印刷して電極パターンを形成する方式で透明電極フィルムを製造することによって、離型フィルムが除去された方向の面に電極パターンが露出するため、電極間の接触が容易で、表面粗度が優れたディスプレイ用透明電極フィルムの製造方法を提供することができる。
【0029】
離型フィルム上に電極パターンと絶縁層を順次に形成し、熱圧着または接着剤による接着で基材層を形成することになるため、電極パターンと基材層との付着力が向上したディスプレイ用透明電極フィルムの製造方法を提供することができる。
【0030】
電極パターンを構成する金属インク組成物として金属錯体化合物または金属前駆体が含まれた導電性物質を使用して、光学的、電気的、機械的特性を同時に向上させることができる。
【0031】
離型フィルム除去後に、電極パターンが形成された位置ではなく、絶縁層上に発生した微細な残余金属組成物をエッチング溶液で溶解させて除去することによって、透過率および耐電圧を向上させることができる。
【0032】
微細電極パターン上にITO、AZOなどの導電性物質を形成したハイブリッド型の透明電極フィルムは、2つの電極間の界面特性が優れて、高い導電度および高信頼性を要求する分野に適用することができる。
【0033】
のみならず、本発明は、導電性金属インク組成物で電極パターンを形成し、電極パターン上に導電性物質からなる導電層を形成して、ハイブリッド形態の透明電極を製造することによって、電気導電度、透過率が優れて透明電極に最適化された透明電極を提供することができる。
特に、2つの電極間の界面特性が優れて、高い導電度および高信頼性を要求する分野に適用することができ、2階構造のハイブリッド透明電極フィルムを具現して、従来のハイブリッド透明電極に比べて向上した柔軟性を持っているので、フレキシブルディスプレイに適用することが容易である。
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、請求範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施例に係る透明電極フィルムを製造する方法を順次に示すフローチャートである。
図2】本発明の他の実施例に係る透明電極フィルムを製造する方法を順次に示すフローチャートである。
図3】本発明の他の実施例に係る透明電極フィルムを製造する方法を順次に示すフローチャートである。
図4a-4j】本発明の一実施例に係る透明電極フィルムを製造する方法を順次に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の利点および特徴、そしてそれを達成する方法は、添付した図と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されることができ、単に本実施例は、本発明の開示が完全になるようにして、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0036】
以下、本発明の実施例によって、透明電極フィルムの製造方法を説明するための図を参考して、本発明について説明することにする。
本発明の一実施例に係る透明電極フィルムの製造方法は、図1のように、電極パターン形成段階(S10)、絶縁層形成段階(S20)、基材層形成段階(S30)、離型フィルム除去段階(S40)および導電層形成段階(S60)を含んでなる。
【0037】
〔電極パターン形成段階(S10)〕
電極パターン形成段階(S10)は、離型フィルム上に金属インク組成物を用いて電極パターンを形成する段階である。
離型フィルムは、耐熱性フィルム上に離型剤が塗布されて設けられることができる。
前記離型フィルムは、離型力を調節した離型コートフィルムを使用することができ、離型コートフィルムは、耐熱性フィルム上に離型剤を塗布して製造することができる。
【0038】
前記耐熱性フィルムとしては、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate、PEN)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、ポリイミド(Polyimide、PI)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を使用することができ、これに特に限定されるものではなく、該当分野で知られた様々な材質の耐熱性フィルムを使用することもできる。
【0039】
前記離型剤は、シリコン系またはアクリル系離型剤を使用することが好ましい。
シリコン系離型剤は、熱圧着工程でも大きい収縮が発生しない耐熱特性を有し、離型力を容易に調節できる長所があるため、より効果的であるから、シリコン系離型剤が好ましい。
離型剤も該当分野で知られた様々な種類の離型剤を使用することができ、場合によって、これを組み合わせて使用することもできる。
【0040】
前記離型剤を耐熱性フィルム上に塗布する方法は、マイクログラビアコーティング法、グラビアコーティング法、スロットダイコーティング法、リバースキスまたはロータリースクリーンコーティング法を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0041】
前記離型フィルムの離型剤が塗布された方向の表面上に金属インク組成物を印刷する。
金属インク組成物は、金属錯体化合物、金属前駆体、球状金属粒子、金属フレークまたは金属ナノ粒子を使用することが好ましく、導電性物質の材料に応じて2種以上を混合して使用することができる。
【0042】
より好ましくは、金属錯体化合物または金属前駆体を使用することができる。また、金属錯体化合物または金属前駆体を還元させ、ナノ大きさの金属粒子を製造して混合物としても使用することができる。これを使用すると、従来の技術では形成できなかったナノ大きさの電極パターンを容易に形成することができる。
【0043】
本発明に使用される金属前駆体は、一般式MXで表すことができる。ここで、MはAg、Au、Cu、Ni、Co、Pd、Ti、V、Mn、Fe、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Ru、Cd、Ta、Re、Os、Ir、Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Pb、Biであり、は1〜10の整数であり、Xは酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトラート(Nitrate)、スルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、メルカプト、アミド、アルコキシド、カルボキシレートなどを示す。具体的には、例えば、酢酸(Acetic Acid)金、シュウ酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸銀、2−エチルヘキサン酸銅、ステアリン酸鉄、ギ酸(formic acid)ニッケル、亜鉛シトラート(zinc citrate)のようなカルボン酸金属、硝酸銀、シアン化銅、炭酸コバルト、塩化白金、塩化金酸、テトラブトキシチタン、ジメトキシジルコニウムジクロライド、アルミニウムイソプロポキシド、バナジウムオキサイド、タンタル(tantalum)メトキシド、ビスマスアセテート、ドデシルメルカプト化金、インジウムアセチルアセトネートのような金属化合物などを一種類以上選択して共に使用可能である。
【0044】
一般的な金属ナノ粒子製造方法には、物理的に金属の塊を粉砕して製造する物理的な方法と化学的な方法によって製造する方法がある。
化学的な方法をより具体的に説明すると、高圧のガスを噴射して粉末に製造するエアロゾル(aerosol)法、金属化合物と気体還元剤を使用して熱分解により粉末を製造する熱分解法、蒸発原料を加熱蒸発させて粉末を製造する蒸発凝縮法、ゾルゲル法、水熱合成法、超音波合成法、マイクロエマルジョン法、液状還元法などがある。
【0045】
ナノ粒子の形成制御が容易であり、最も経済性が良いと評価されている、分散剤と還元剤を用いて製造する液状還元法が最も多く使用されているが、本発明においては、ナノ粒子を形成できるのならば、すべての方法を使用することができる。
【0046】
液状還元法のナノ粒子の製造方法についての具体的な説明は、本出願人が出願した大韓民国特許出願第2006−0074246号に記載されており、前記特許出願に記載された金属ナノ粒子は、粒子の大きさが均一で、凝集性が最小化されるという長所があり、前記金属ナノ粒子を含有する導電性インクは、150℃以下の低い温度で、短い時間で焼成しても高い導電度を有する、均一で緻密な薄膜または微細パターン形成が容易であるという長所がある。
【0047】
金属導電性物質以外に、必要に応じて溶媒、安定剤、分散剤、バインダー樹脂(binder resin)、離型剤、還元剤、界面活性剤(surfactaNT)、湿潤剤(wetting agent)、チキソトロープ剤(thixotropic agent)またはレベリング(levelling)剤、増粘剤のような添加剤などを含ませることができる。
【0048】
前記バインダー樹脂は、様々な基材との付着力が優れたものが好ましい。これに使用可能な物質は、有機高分子物質としてポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリウレタン、ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フェノール変成アルキド樹脂、エポキシ変成アルキド樹脂、ビニル変成アルキド樹脂、シリコン変成アルキド樹脂、アクリルメラミン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、エポキシエステル樹脂などを例に挙げることができ、本発明に合えば、これに限定されない。
【0049】
また、均一な薄膜に形成するために、溶媒が必要な場合があるが、この際、使用可能な溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテートのようなアセテート類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、パラフィンオイル、ミネラルスピリットのような炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族、そして、クロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合溶媒などを使用することができる。しかし、溶媒の種類がこれに限定されるものではない。
【0050】
金属インク組成物の印刷方法は、グラビアプリンティング法、フレキソプリンティング法、オフセットプリンティング法、リバースオフセットプリンティング法、ディスペンシング、スクリーンプリンティング法、ロータリースクリーンプリンティング法またはインクジェットプリンティング法によって、前記離型剤の表面上に印刷することが好ましい。この際、コーティング回数は、1回またはそれ以上充填回数を繰り返して使用することもできる。
【0051】
金属インク組成物の金属含量、溶媒の含量および揮発温度、粘度、チキソトロープ性に応じて、印刷特性の差が発生するため、これは、各方法に適合するように導電性インクの成分を調節して、組成物のレオロジーを充填方法に最適化することが必要である。
【0052】
〔絶縁層形成段階(S20)〕
絶縁層形成段階(S20)は、前記電極パターン形成段階(S10)で電極パターンが形成された離型フィルム上に絶縁層を形成する段階である。
前記絶縁層を形成する物質は硬化性樹脂であって、熱または紫外線硬化性樹脂を含む組成物であることが好ましく、熱硬化性樹脂と紫外線硬化性樹脂を混合して使用することができる。
様々な架橋反応が可能であれば、樹脂組成には制限がないが、耐熱性と光透過率が優れた特性を有することが好ましい。
【0053】
前記絶縁層を形成する方法は、公知の方法が使用されることができるが、S−ナイフ(S−knife)コーティング法、グラビアコーティング法、フレキソコーティング法、スクリーンコーティング法、ロータリースクリーンコーティング法、スロットダイまたはマイクログラビアコーティング法が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0054】
電極パターンの間の絶縁層の高さは、電極パターンの高さと同一であるか、より高く形成されることが好ましく、電極パターンの高さよりも0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であることが効果的である。
また、絶縁層は、単一層で形成されることもでき、電極パターンが形成された離型フィルム上に硬化性樹脂を2回以上塗布して、2以上の絶縁層を形成することもできる。
【0055】
〔基材層形成段階(S30)〕
基材層形成段階(S30)は、前記絶縁層形成段階(S20)で形成された絶縁層上に基材を積層して基材層を形成する段階である。
前記絶縁層形成段階(S20)における絶縁層が基材の役割をする場合、図3に示すように、基材層形成段階(S30)を省略することができる。
【0056】
前記基材の種類は、特に限定されるものではない。前記基材は、透明な材質、例えばプラスチックフィルムやガラスで形成されることができる。前記プラスチックフィルムとしては、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ナイロン(Nylon)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、またはポリアリレート(PAR)が使用されることができる。このように、プラスチックフィルムやガラス基板などを使用することができるが、これに限定されない。
【0057】
前記基材を絶縁層上に形成する方法は、熱圧着または接着剤による接着方法を使用することができる。
熱圧着時には、前記絶縁層上に前記基材を積層した後に100〜300℃、好ましくは120〜200℃、より好ましくは140〜175℃の温度条件で圧着して合紙することができる。
場合によっては、前記絶縁層をB−ステージの半硬化状態で前記基材を合紙して使用することもできる。
【0058】
電極パターンが印刷された以後に基材を熱圧着して基材層を合紙するため、基材層上に電極パターンを形成する場合より、付着が容易で付着力が優れて、透明電極フィルムとしての耐久性が向上する。
【0059】
〔離型フィルム除去段階(S40)〕
離型フィルム除去段階(S40)は、離型フィルムを除去して、最終の透明電極フィルムを製造する段階である。
離型フィルムを除去して、最終の透明電極フィルムが製造されるが、透明電極フィルムの信頼性を向上させるために、図2に示すように、残余金属インク組成物処理段階(S50)をさらに含むこともできる。
【0060】
離型フィルムを除去した後、離型フィルムが含まれた絶縁層上に金属インク組成物の残余物が残っていなければ、金属インク組成物の処理なしで、すぐ導電性物質形成段階を実施するか、残余金属インク組成物処理段階を経てすぐ透明電極フィルムとして使用が可能である。
のみならず、金属インク組成物処理段階と導電性物質形成段階の両方を順次に適用することもできる。
【0061】
〔残余金属インク組成物処理段階(S50)〕
残余金属インク組成物処理段階(S50)は、電極パターン領域の間に残っている金属インク組成物を除去する段階であって、残余金属インク組成物を除去することにより、透明電極フィルムとしての透過率を向上させることができる。
前記残余金属インク組成物処理段階(S50)は、必ずしも行われなければならない段階ではないが、低抵抗の物性が優れた電極パターンを具現するために伴われることが好ましい。
【0062】
電極パターン形成段階(S10)で離型剤の表面上に金属インク組成物を用いて電極パターンを印刷しながら、電極パターンが形成される位置ではない領域に金属インク組成物が残留する場合がある。
【0063】
離型フィルムを除去したら、残余金属インク組成物は、絶縁層上に存在することになって、残余金属インク組成物に含まれた微細金属組成物は、透明電極フィルムの透過率を落としたり、耐電圧特性に問題を引き起こしたりするため、残余金属インク組成物を除去して、透明電極の特性を著しく向上させることができる。
【0064】
絶縁層表面の電極パターンの間に残っている金属インク組成物を溶解させるために、エッチング液を基材表面に塗布することができ、エッチング液の塗布方法は、通常のコーティング法によって行うことができる。
【0065】
エッチング液は、アンモニウムカルバメート系、アンモニウムカーボネート系、アンモニウムバイカーボネート系、カルボン酸系、ラクトン系、ラクタム系、環状酸無水物系化合物、酸−塩基塩複合体、酸−塩基−アルコール系複合体またはメルカプト(mercapto)系化合物のうちの少なくとも1つおよび酸化剤を含むことが好ましい。
【0066】
例えば、酸化剤と1つ以上の前記の化合物およびこれらの混合物を常圧または加圧状態で溶媒なしで直接反応させるか、溶媒を使用する場合は、水、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エタノールアミンのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒、パーフルオロカーボンのようなフッ素系溶媒またはこれらの混合溶媒などを使用することができる。圧力容器のような加圧状態では、低沸点のフッ素系溶剤や液化炭酸ガスなども使用可能である。本発明のエッチング液の製造方法を特に制限する必要はない。すなわち、本発明の目的に合えば、公知のいかなる方法を使用してもよい。
【0067】
前記酸化剤は例えば、酸素、オゾンなどのような酸化性気体、過酸化水素、Na、KO、NaBO、(NH)S、HSO、(CHCOH、(CCOなどのような過酸化物、HCOH、CHCOH、CFCOH、CCOH、m−ClC−COHなどのような過酸素酸、硝酸、硫酸、ヨード(I)、Fe(NO、Fe(SO、KFe(CN)、(NHFe(SO、Ce(NH(SO、NaIO、KMnO、KCrOなどのように、一般的によく知られている酸化性無機酸または金属、非金属化合物などがここに含まれる。このような酸化剤を使用するときには、単独または最小限1つ以上の酸化剤を混合して使用してもよい。
【0068】
前記エッチング液は、絶縁層の表面に残っている導電性インクを効果的に溶解するために、エッチング液組成物に親水特性を付与することが好ましいことがある。アンモニウムカルバメート系、アンモニウムカーボネート系、アンモニウムバイカーボネート系、カルボン酸系、ラクトン系、ラクタム系、環状酸無水物系、酸−塩基塩複合体、酸−塩基−アルコール系複合体、メルカプト系化合物の炭素数を調節して、親水特性の程度を調節することが好ましい。
【0069】
ここで、アンモニウムカルバメート系化合物、アンモニウムカーボネート系化合物およびアンモニウムバイカーボネート系化合物は、本出願人の韓国登録第0727466号に具体的に説明されており、カルボン酸系の化合物は、安息香酸、オレイン酸、プロピオン酸、マロン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ネオデカン酸、シュウ酸、クエン酸、サリチル酸、ステアリン酸、アクリル酸、コハク酸、アジピン酸、グリコール酸、イソブチル酸、アスコルビン酸などが使用されることができる。
【0070】
ラクトン系化合物は、β−プロピオラクトン、γ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−チオブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、δ−バレロラクトン、1、6−ジオキサスピロ[4、4]ノナン−2、7−ジオン、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、γ−メチレン−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、ラクチド、グリコライド、テトロン酸、2(5H)−フラノン、β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、メバロニックラクトン(mevalonic lactone)、5、6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン(Octanoic lactone)などが使用されることができる。
【0071】
ラクタム系化合物は、2−アゼチジノン、2−ピロリジノン、5−メトキシ−2−ピロリジノン、5−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルカプロラクタム、2−アザシクロノナノン、N−アセチルカプロラクタムなどが使用されることができる。
【0072】
環状酸無水物としては、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水マイレン酸、グルタル酸無水物、オクタデシルコハク酸無水物、2、2−ジメチルコハク酸無水物、2−ドデケン−1−イルコハク酸無水物、ヘキサフルオログルタル酸無水物、3、3−ジメチルグルタル酸無水物、3−エチル−3−メチルグルタル酸無水物、3、5−ジアセチルテトラヒドロピラン−2、4、6−トリオン、ジグリコール酸無水物などが使用されることができる。
【0073】
メルカプト系の化合物は、1−メタンチオール、1−エタンチオール、2−ブタンチオール、1−ヘプタンチオール、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、1−ヘキサデカンチオール、チオ酢酸、6−メルカプトヘキサン酸、チオ安息香酸、プルプリルメルカプタン、シクロヘキサンチオール、11−メルカプト−1−ウンデカノル、2−メルカプトエタノル、3−メルカプト−1−プロパノール、チオサリチル酸、1−チオグリセロール、2−ナフタレンチオール、メチル3−メルカプトプロピオネート、ガンマメルカプトプロピルトリメトキシシランなどが使用されることができる。これに限定されるものではなく、このうち、単一成分で使用してもよく、2種以上の混合物からなるグループの中から選択されたものでもよい。
【0074】
前記エッチング組成物のエッチング速度は、コーティングのとき、エッチング液の沈積時間を調節したり、エッチング液の酸化剤またはアンモニウムカルバメート系、アンモニウムカーボネート系、アンモニウムバイカーボネート系、カルボン酸系、ラクトン系、ラクタム系、環状酸無水物系、酸−塩基塩複合体、酸−塩基−アルコール系複合体、メルカプト系化合物の濃度を調節したりして制御することが好ましく、必要に応じてエッチング過程を繰り返して使用することができる。また、無機酸や塩基を含むエッチング液の場合、別途の水や有機溶剤で洗浄して除去することができる。
【0075】
エッチング液によって溶解した残余金属インク組成物を物理的な力で押し出して除去することができる。
溶解した残余金属インク組成物を押込む方法または押込む処理部材の制限はないが、ドクターブレード(doctor blade)、ワイパー(wiper)またはブラシ(brush)を用いることができる。より好ましくは、ブラシを用いる。ブラシは、物理的な力を減少させることによって、基材表面の傷、インク流失を効果的に防止することができる。
これは、1回以上行われることができ、様々な方法、特にドクターブレード、ワイパー、ブラシを混用して使用することもできる。
【0076】
残余物処理部材を用いて溶解した残余金属インク組成物を押し出し、絶縁層上の電極パターンの間の表面に残っている金属インク組成物の成分である金属物質または有機物質などが除去されることができる。
この他にも、溶解した残余金属インク組成物を押し出すための方法として、別途の振動または揺動、エアーを用いることもできる。
【0077】
〔導電層形成段階(S60)〕
導電層形成段階(S60)は、離型フィルムが除去された電極パターン上に導電性物質を蒸着するか、プリンティングして、ハイブリッド型透明電極フィルムを製造する段階である。
本段階は、素子の内部電極に使用するために、必要に応じて追加されることができる。
【0078】
また、導電層形成段階(S60)は、離型フィルムが除去されてから(S40)、すぐ実施することもできる。また、導電層形成段階(S60)は、残余金属インク組成物を除去する処理(S50)後に実施することもでき、残余金属インク組成物を除去した後に、電極パターン上に導電性物質を形成することになると、信頼性の高い透明電極フィルムの具現が可能である。
【0079】
電極パターン上に形成されることができる導電性物質は、ITO、AZO、CNT、グラフェンまたは導電性高分子であることが好ましい。導電性高分子は、PEDOT(Poly(3、4−Ethylenedioxythiophene))またはPSS:PEDOT(Poly(3、4−Ethylenedioxythiophene):Poly(4−Styrenesufonate))を使用することができる。
【0080】
導電性物質は、微細パターン電極の上に蒸着してパターニングするか、直接プリンティングして形成することができ、ITOまたはAZOの材料は、ターゲット形態で真空蒸着(sputtering)するか、インク化して薄膜コーティング組成物でプリンティングすることが好ましい。
【0081】
このようなハイブリッド形態の透明電極フィルムは、2つの電極間の界面特性が優れて、高い導電度が必要であり、高信頼性を要求する分野に使用することができる。
透明電極フィルムの製造のための前記の段階は、ロール・ツー・ロール(roll−to−roll)の連続工程により行うことができ、これによって、生産速度が増加して生産効率を増大させることができる。
【0082】
以下では、図4a〜図4jを参照して、本発明について具体的に説明する。
図4a〜図4jは、本発明の一実施例に係る透明電極フィルムの製造方法を順次に図式化した断面図である。
図4aに示すように、耐熱性フィルム11が準備される。耐熱性フィルム11は、PEN、PET、PE、PL、PCのような、様々な材質のフィルムが使用可能である。
【0083】
図4bは、耐熱性フィルム11上に離型剤12を塗布して離型フィルム10を製造する。離型フィルム10は、離型力を有するものであれば、いかなる形態でも関係ないが、耐熱性離型力を調節した離型コートフィルムの形態であることが好ましい。
この後、基材層40を熱圧着のような方式で合紙する工程が続くため、離型剤12は、熱圧着工程でも大きい収縮が発生しない耐熱特性を有する物質であることが好ましく、シリコン系離型剤を使用することが効果的である。
【0084】
次に、図4cに示すように、離型フィルム10上に電極パターン20を形成することになる。
離型フィルム10は、除去される対象であるため、離型力が優れた離型剤12面の上に電極パターン20が印刷され、メッシュ状に形成されることができる。
【0085】
金属インク組成物は、金属錯体化合物または金属前駆体を使用することができ、これは、グラビアプリンティング法、フレキソプリンティング法、オフセットプリンティング法、リバースオフセットプリンティング法、ディスペンシング、スクリーンプリンティング法、ロータリースクリーンプリンティング法またはインクジェットプリンティング法などが使用されることができるが、これに限定されない。
金属インク組成物の印刷は1回に限定されるものではなく、場合によって、複数回繰り返すことができる。
【0086】
電極パターン20は、金属インク組成物を用いて印刷され、印刷時に、電極パターン20が形成される位置ではない領域にも金属インク組成物が残ることがあって、この後、残余金属インク組成物50を処理する段階が追加されることができる。
【0087】
この後、図4dに示すように、電極パターン20が印刷された離型剤12の表面に熱または紫外線硬化性樹脂が塗布されて絶縁層30を形成する。
絶縁層30の高さは、該当図に示すように、電極パターン20の高さよりも高く形成されることが効果的であり、電極パターンの高さよりも0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であることが好ましい。
【0088】
絶縁層30が形成された以後、図4eに示すように、絶縁層30上に基材層40を積層する。
基材層40の基材は、種類に限定されず、透明電極フィルムとしてプラスチックフィルムやガラスのような透明な材質を使用することができる。
【0089】
基材は、100〜300℃の温度で熱圧着して、絶縁層30上に基材を合紙することが好ましく、接着剤を絶縁層30上に塗布して、基材を接着する方法も使用可能である。
接着剤を使用して基材を接着する場合に、前記接着剤は、透明性のある接着剤を使用することが好ましく、ポリビニルアルコール系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルアセテート系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ポリビニルアルキルエーテル系接着剤を使用することができ、基材の種類に応じて、接着剤を2種以上混合して使用することができる。
接着剤層の厚さは特に制限はなく、物性を考慮した通常の厚さに設定することができる。
【0090】
基材を合紙した後に、離型フィルム10を除去して透明電極フィルムを製造することができる。これは、図4fに示されている。
離型フィルム10の離型剤12の離型力を調節することにより、電極パターンが形成された絶縁層30から離型フィルム10が分離される。
これによって、図4gに示すように、電極パターン20が外部に露出するため、表面粗度が優れたディスプレイ用透明電極フィルムが具現可能である。
【0091】
透明電極フィルムの信頼性を向上させるため、図4h、4i、4jに示した工程を追加で実施することができる。
図4hは、前記で言及したように、金属インク組成物を印刷して電極パターン20を形成する際、電極パターン20が形成されない位置に金属インク組成物が残ることがあり、離型フィルム10を除去後に、金属インク組成物が絶縁層30上に依然として残っているため、これを除去する工程が追加で実施されることができる。
【0092】
残余金属インク組成物50をエッチング液で溶解してから、これを押し出すことによって、電極パターンが形成される位置でない領域で、金属物質または有機物質が除去されることができる。
残余金属インク組成物50の残余量に応じて、エッチング液の濃度や沈積速度を制御することが好ましい。
【0093】
溶解した残余金属インク組成物を押し出す方法は、様々な物理的な力によって押し出すことができるが、該当図においては、ドクターブレード70を使用した。これは1回以上実施されることができ、様々な種類のスクイズが混用して使用されることができる。
残余金属インク組成物50を除去することによって、耐電圧特性および光透過率を向上させることができる。
【0094】
この後、図4iおよび図4jに示すように、電極パターン上に導電性物質を形成することができる。
図4iに示すように、ITO、AZO、NT、グラフェン、導電性高分子のような導電性物質を電極パターン20が形成された絶縁層30上に直接プリンティングした後に、図4jに示すように、エッチングしてハイブリッド形態の透明電極フィルムを形成することができる。
これは、必ずしも図4hの工程後に行われるものではなく、離型フィルム10が除去された図4gの透明電極フィルムの状態で導電性物質を形成できることはもちろんである。
【0095】
前記のように、本発明によって製造されたディスプレイ用透明電極フィルムの面抵抗は、10mΩ〜100kΩであることができ、より好ましくは10mΩ〜10kΩである。
また、本発明によって製造されたディスプレイ用透明電極フィルムの透過率は、60〜99%であることができ、より好ましくは70〜99%である。
【0096】
以下では、実施例により、本発明について具体的に説明する。本発明の範囲は、実施例に限定されない。
〔実施例1〕
コーティングインク(インクテック社)3.04gに導電性ペースト(インクテック社)26.51gとテルピネオール(terpineol)0.45gを混合し、ペーストミキサー(paste mixer)(DAE WHA Tech社)を用いて6分間1000rpmで攪拌し、金属インク組成物を製造した。前記金属インク組成物を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を60μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用して、ITO膜を50nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0097】
〔実施例2〕
コーティングインク(インクテック社)3.04gに導電性ペースト(インクテック社)26.51gとテルピネオール(terpineol)0.45gを混合し、ペーストミキサー(DAE WHA Tech社)を用いて6分間1000rpmで攪拌し、金属インク組成物を製造した。前記金属インク組成物を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を70μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を50nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0098】
〔実施例3〕
コーティングインク(インクテック社)3.04gに導電性ペースト(インクテック社)26.51gとテルピネオール(terpineol)0.45gを混合し、ペーストミキサー(DAE WHA Tech社)を用いて6分間1000rpmで攪拌し、金属インク組成物を製造した。前記金属インク組成物を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を80μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を50nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0099】
〔実施例4〕
コーティングインク(インクテック社)3.04gに導電性ペースト(インクテック社)26.51gとテルピネオール(terpineol)0.45gを混合し、ペーストミキサー(DAE WHA Tech社)を用いて6分間1000rpmで攪拌し、金属インク組成物を製造した。前記金属インク組成物を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を90μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を50nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0100】
〔実施例5〕
コーティングインク(インクテック社)3.04gに導電性ペースト(インクテック社)26.51gとテルピネオール(terpineol)0.45gを混合し、ペーストミキサー(DAE WHA Tech社)を用いて6分間1000rpmで攪拌し、金属インク組成物を製造した。前記金属インク組成物を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を60μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を100nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0101】
〔実施例6〕
コーティングインク(インクテック社)3.04gに導電性ペースト(インクテック社)26.51gとテルピネオール(terpineol)0.45gを混合し、ペーストミキサー(DAE WHA Tech社)を用いて6分間1000rpmで攪拌し、金属インク組成物を製造した。前記金属インク組成物を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を70μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を100nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0102】
〔実施例7〕
コーティングインク(インクテック社)3.04gに導電性ペースト(インクテック社)26.51gとテルピネオール(terpineol)0.45gを混合し、ペーストミキサー(DAE WHA Tech社)を用いて6分間1000rpmで攪拌し、金属インク組成物を製造した。前記金属インク組成物を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を80μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を100nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0103】
〔実施例8〕
コーティングインク(インクテック社)3.04gに導電性ペースト(インクテック社)26.51gとテルピネオール(terpineol)0.45gを混合し、ペーストミキサー(DAE WHA Tech社)を用いて6分間1000rpmで攪拌し、金属インク組成物を製造した。前記金属インク組成物を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を90μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を100nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0104】
〔実施例9〕
導電性ペースト(インクテック社)を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を60μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を50nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0105】
〔実施例10〕
導電性ペースト(インクテック社)を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を70μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を50nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0106】
〔実施例11〕
導電性ペースト(インクテック社)を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を80μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を50nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0107】
〔実施例12〕
導電性ペースト(インクテック社)を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を90μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を50nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0108】
〔実施例13〕
導電性ペースト(インクテック社)を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を60μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を100nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0109】
〔実施例14〕
導電性ペースト(インクテック社)を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を70μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を100nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0110】
〔実施例15〕
導電性ペースト(インクテック社)を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を80μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を100nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0111】
〔実施例16〕
導電性ペースト(インクテック社)を特定の電極パターンがデザインされているスクリーン網の上に塗布した後、スキージを使用して離型フィルム(SKC社、SG32)の上に電極を90μmの厚さで印刷した後、印刷された電極上に紫外線硬化性樹脂(Minuta Technology社、MIR−30)を均一な厚さで塗布した後、UV硬化器を用いて絶縁層を硬化した。硬化した絶縁層を、離型フィルムの上に印刷された電極と共に分離して、絶縁層を基材として使用する電極を製造した。前記絶縁層を基材として使用した印刷電極面にスパッタ装置を使用してITO膜を100nm蒸着し、ハイブリッド透明電極フィルムを製造した。
【0112】
下記表1は、本発明のハイブリッド透明電極の曲げ性を調べるため、実施例のハイブリッド透明電極を直径が10mmである曲げ試験機(bending tester)を用いて、3000回の曲げ試験後の初期効率対比効率減少率(%)を測定した。
【表1】
【0113】
実施例によって製造された透明電極に曲げ試験を施行したとき、既存のハイブリッド電極に比べて性能の安定性を見せた。
すなわち、本発明の透明電極は、機械的物性および曲げ特性が優れて、耐久性を有するフレキシブルディスプレイにも適用が容易である。
【0114】
本発明の権利範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲内で様々な形態の実施形態で具現することができる。特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも変形可能な多様な範囲まで、本発明の請求範囲の記載の範囲内にあるものとみなす。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明の透明電極フィルムの製造方法によれば、表面粗度が優れており、抵抗特性が優れたディスプレイ用透明電極フィルムの製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0116】
10:離型フィルム
11:耐熱性フィルム
12:離型剤
20、21、22、23:電極パターン
30:絶縁層
40:基材層
50:残余金属インク組成物
60、61、62、63:導電性物質
70:ドクターブレード
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図4i
図4j