(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記参照信号モード情報による参照信号が送信されるリソースと前記追加リソースモード情報による追加データリソースとの和が前記参照信号可用リソースを構成する、請求項1に記載の信号送受信方法。
前記参照信号モード情報による参照信号が送信されるリソースと前記追加リソースモード情報による追加データリソースとの和が前記参照信号可用リソースを構成する、請求項8に記載の端末。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の各実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態として結合したものである。各構成要素または特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態として実施することができる。また、一部の構成要素及び/または特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれることもでき、または、他の実施例の対応する構成または特徴に取って代わることもできる。
【0021】
本明細書において、本発明の各実施例は、基地局と端末との間のデータ送受及び受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局によって行われると説明された特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)によって行われてもよい。
【0022】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる多様な動作は、基地局または基地局以外の他のネットワークノードによって行われることができることは自明である。‘基地局(Base Station)’は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代替可能である。‘中継器’は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代替可能である。また、‘端末(Terminal)’は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代替可能である。
【0023】
以下の説明で用いられる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で他の形態に変更可能である。
【0024】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示することができる。また、本明細書全体において同一の構成要素については同一の図面符号を使用して説明する。
【0025】
本発明の各実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の各実施例のうち本発明の技術的思想を明確に表すために説明を省いた段階または各部分は、前記各文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している全ての用語は、前記標準文書によって説明することができる。
【0026】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などの多様な無線接続システムに使用することができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000などの無線技術(radio technology)として具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)などの無線技術として具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などの無線技術として具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを使用するE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であって、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。LTE―A(Advanced)は、3GPP LTEの進化である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び発展したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)により説明できる。明確性のために、以下では3GPP LTE及びLTE−A標準を中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0027】
図1を参照してダウンリンク無線フレームの構造について説明する。
【0028】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、アップ/ダウンリンクデータパケット送信は、サブフレーム(Subframe)単位で行われ、一つのサブフレームは、多数のOFDMシンボルを含む一定時間区間として定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1の無線フレーム(Radio frame)構造及びTDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造を支援する。
【0029】
図1は、タイプ1の無線フレームの構造を示す図である。ダウンリンク無線フレーム(radio frame)は、10個のサブフレームで構成され、一つのサブフレームは、時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。一つのサブフレームが送信されるのにかかる時間をTTI(transmission time interval)と言い、例えば、一つのサブフレームの長さは1msであり、一つのスロットの長さは0.5msであってもよい。一つのスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で多数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、ダウンリンクでOFDMAを使用するので、OFDMシンボルが一つのシンボル区間を表す。OFDMシンボルはまた、SC−FDMAシンボルまたはシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(Resource Block;RB)は、リソース割当単位であり、一つのスロットにおいて複数個の連続的な副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0030】
一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって変わることができる。CPには、拡張されたCP(extended CP)と一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPにより構成された場合、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってもよい。OFDMシンボルが拡張されたCPにより構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが伸びるので、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は一般CPの場合よりも少ない。拡張されたCPの場合に、例えば、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合のように、チャネル状態が不安定な場合、シンボル間干渉をより減少させるために、拡張されたCPを用いることができる。
【0031】
一般CPを用いる場合、一つのスロットは7個のOFDMシンボルを含むので、一つのサブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。この時、各サブフレームの最初の2個のまたは3個のOFDMシンボルは、PDCCH(physical downlink control channel)に割り当てられ、残りのOFDMシンボルは、PDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てられることができる。
【0032】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数またはサブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルの数は、多様に変更可能である。
【0033】
図2は、一つのダウンリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)の一例を示す図である。これは、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合である。
図2を参照すると、ダウンリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で多数のリソースブロックを含む。ここで、一つのダウンリンクスロットは、7 OFDMシンボルを含み、一つのリソースブロックは、12副搬送波を含むのを例示的に記述するが、これに制限されるものではない。リソースグリッド上の各要素(element)をリソース要素(RE)という。例えば、リソース要素a(k,1)は、k番目の副搬送波と1番目のOFDMシンボルに位置したリソース要素になる。一般CPの場合に、一つのリソースブロックは、12×7 リソース要素を含む(拡張されたCPの場合には、12×6 リソース要素を含む)。各副搬送波の間隔は15kHzなので、一つのリソースブロックは周波数領域で約180kHzを含む。N
DLは、ダウンリンクスロットに含まれるリソースブロックの数である。N
DLの値は、基地局のスケジューリングによって設定されるダウンリンク送信帯域幅(bandwidth)によって決定されてもよい。
【0034】
図3は、ダウンリンクサブフレームの構造を示す図である。一つのサブフレーム内で1番目のスロットの先頭部分の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。送信の基本単位は一つのサブフレームになる。すなわち、2個のスロットにわたってPDCCH及びPDSCHが割り当てられる。3GPP LTEシステムで用いられるダウンリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に対する情報を含む。PHICHは、アップリンク送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHを通じて送信される制御情報をダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、アップリンクまたはダウンリンクスケジューリング情報を含んだり、または任意の端末グループに対するアップリンク送信電力制御命令を含む。PDCCHは、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当及び伝送フォーマット、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信される任意接続応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され、端末は複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組み合わせで送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づいたコーディングレートでPDCCHを提供するために使用される論理割当単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと可用のビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレートとの間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者または用途によって、無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスキングされる。PDCCHが特定端末のためのものである場合、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子がCRCにマスキングされ得る。または、PDCCHがページングメッセージのためのものである場合、ページング指示子識別子(paging Indicator Identifier;P−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))のためのものである場合、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。端末の任意接続プリアンブルの送信に対する応答である任意接続応答を表すために、任意接続−RNTI(RA−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。
【0035】
図4は、アップリンクサブフレームの構造を示す図である。アップリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに分割することができる。制御領域には、アップリンク制御情報を含む物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink shared Channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末は、PUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレームでリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは2スロットに対して互いに異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホッピング(frequency−hooped)されるという。
【0036】
(多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング)
MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムは、多重送信アンテナと多重受信アンテナとを使用してデータの送受信効率を向上させるシステムである。MIMO技術は、全体メッセージを受信するために単一アンテナ経路に依存せず、複数個のアンテナを通じて受信される複数個のデータ断片を組み合わせて全体データを受信することができる。
【0037】
MIMO技術には、空間ダイバーシティ(Spatialdiversity)技法と空間多重化(Spatial Multiplexing)技法などがある。空間ダイバーシティ技法は、ダイバーシティ利得(gain)を通じて伝送信頼度(reliability)を高めたり、セル半径を広めたりすることができて、高速で移動する端末に対するデータ送信に適している。空間多重化技法は、互いに異なるデータを同時に送信することによって、システムの帯域幅を増加させずに、データ伝送率を増加させることができる。
【0038】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
図5(a)に示されたように、送信アンテナの数をNT個、受信アンテナの数をNRと増やすと、送信機または受信機のいずれかでのみ複数のアンテナを用いる場合とは違って、アンテナ数に比例して理論的なチャネル伝送容量が増加する。そのため、伝送レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル伝送容量が増加するにつれて、伝送レートは理論的に単一アンテナ使用時における最大伝送レート(Ro)にレート増加率(Ri)がかけられた分だけ増加できる。
【0040】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを獲得できる。多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための多様な技術が現在まで活発に研究されている。また、いくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線RANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0041】
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、多様なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出研究、伝送信頼度向上及び伝送率向上のための時空間信号処理技術研究などを含め、多様な観点で活発に研究が進められている。
【0042】
多重アンテナシステムにおける通信方法を、数学的モデリングを用いてより具体的に説明する。前記システムにはNT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナが存在すると仮定する。
【0043】
送信信号について説明すると、NT個の送信アンテナがある場合、送信可能な最大情報はNT個である。伝送情報は下記のように表現できる。
【0047】
は、送信電力が異なってもよい。それぞれの送信電力を
【0049】
とすれば、送信電力の調整された伝送情報は、下記のように表現できる。
【0057】
送信電力の調整された情報ベクトル(information vector)
【0061】
が適用されて、実際に送信されるN
T個の送信信号
【0063】
が構成される場合を考慮してみよう。重み行列
【0065】
は、送信情報を伝送チャネル状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割を果たす。
【0071】
ここで、W
ijは、i番目の送信アンテナとj番目の情報との間における重み値を意味する。Wは、プリコーディング行列とも呼ばれる。
【0072】
一方、送信信号xは、2つの場合(例えば、空間ダイバーシティ及び空間多重化)によって互いに異なる方法で考慮され得る。空間多重化の場合、互いに異なる信号が多重化され、該多重化された信号が受信側に送信されて、情報ベクトルの要素(element)が互いに異なる値を有する。一方、空間ダイバーシティの場合には、同一の信号が複数個のチャネル経路を通じて反復的に送信されて、情報ベクトルの要素が同一の値を有する。もちろん、空間多重化及び空間ダイバーシティ技法の組み合わせも考慮し得る。すなわち、同一の信号が、例えば、3個の送信アンテナを通じて空間ダイバーシティ技法によって送信され、残りの信号は、空間多重化されて受信側に送信されてもよい。
【0073】
N
R個の受信アンテナがある場合、各アンテナの受信信号
【0075】
はベクトルで下記のように表現できる。
【0077】
多重アンテナ無線通信システムでチャネルをモデリングする場合、チャネルは送受信アンテナインデックスによって区別できる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルを
【0081】
において、インデックスの順序は受信アンテナインデックスが先で、送信アンテナのインデックスが後であることに留意されたい。
【0082】
図5(b)に、NT個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示す。このチャネルをまとめてベクトル及び行列形態で表示できる。
図5(b)で、総NT個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、下記のように表すことができる。
【0084】
したがって、N
T個の送信アンテナからN
R個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは、下記のように表現できる。
【0088】
を経た後に、白色雑音(AWGN;Additive White Gaussian Noise)が加えられる。N
R個の受信アンテナのそれぞれに加えられる白色雑音
【0092】
上述した数式モデリングを通じて受信信号は下記のように表現できる。
【0096】
の行と列の数は、送受信アンテナの数によって決定される。チャネル行列
【0098】
において、行の数は受信アンテナの数N
Rと同じであり、列の数は送信アンテナの数NTと同じである。すなわち、チャネル行列
【0101】
行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行または列の個数のうち、最小個数と定義される。このため、行列のランクは、行または列の個数よりも大きくなることはない。チャネル行列
【0107】
MIMO送信において、‘ランク(rank)’は、独立的に信号を送信できる経路の数を表し、‘レイヤー(layer)の個数’は、各経路を通じて送信される信号ストリームの個数を表す。一般的に送信端は、信号送信に用いられるランク数に対応する個数のレイヤーを送信するため、特別な言及がない限り、ランクはレイヤーの個数と同一の意味を有する。
【0108】
(参照信号(Reference Signal;RS))
無線通信システムにおいてパケットを送信する時、送信されるパケットは、無線チャネルを通じて送信されるため、送信過程において信号の歪みが発生することがある。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号において歪みを補正しなければならない。チャネル情報を獲得するために、送信側と受信側の両方で知っている信号を送信し、前記信号がチャネルを通じて受信される時の歪み度合によりチャネル情報を得る方法を主に用いる。前記信号をパイロット信号(Pilot Signal)または参照信号(Reference Signal)という。
【0109】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合には、正しい信号を受信するために、各送信アンテナと受信アンテナとの間におけるチャネル状況を知る必要がある。したがって、各送信アンテナ別に別個の参照信号が存在すべきである。
【0110】
移動通信システムにおいて参照信号(RS)は、その目的によって2種類に大別できる。一つは、チャネル情報獲得のために使用されるRSで、他の一つはデータ復調のために使用されるRSである。前者は、端末がダウンリンクチャネル情報を獲得するようにするためのRSであるので、広帯域で送信されなければならず、特定サブフレームでダウンリンクデータを受信しない端末でも、該当のRSを受信及び測定できなければならない。このようなRSは、ハンドオーバーなどのための測定のためにも使用される。後者は、基地局がダウンリンクを送る時、該当のリソースに共に送るRSとして、端末は、該当のRSを受信することによって、チャネル推定を行うことができ、したがって、データを復調できるようになる。このようなRSは、データが送信される領域で送信されなければならない。
【0111】
既存の3GPP LTE(例えば、3GPP LTE リリース−8)システムでは、ユニキャスト(unicast)サービスのために2種類のダウンリンクRSを定義する。そのうち一つは、共通参照信号(Common RS;CRS)で、他の一つは、専用参照信号(dedicated RS;DRS)である。CRSは、チャネル状態に対する情報獲得及びハンドオーバーなどのための測定のために使用され、セル−特定(cell−specific)RSと称することもできる。DRSは、データ復調のために使用され、端末−特定(UE−specific)RSと称することもできる。既存の3GPP LTEシステムで、DRSは、単にデータ復調用に用いられ、CRSは、チャネル情報取得及びデータ復調といった2つの目的で用いられてもよい。
【0112】
CRSは、セル−特定で送信されるRSであり、広帯域(wideband)に対して毎サブフレームごとに送信される。CRSは、基地局の送信アンテナ個数によって、最大4個のアンテナポートに対して送信されてもよい。例えば、基地局の送信アンテナの個数が2個である場合、0番と1番のアンテナポートに対するCRSが送信され、4個である場合、0〜3番のアンテナポートに対するCRSがそれぞれ送信される。
【0113】
図6は、基地局が4個の送信アンテナを支援するシステムにおいて、一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12副搬送波)上でのCRS及びDRSのパターンを示す図である。
図6で、‘R0’、‘R1’、‘R2’及び‘R3’と表示されたリソース要素(RE)は、それぞれアンテナポートインデックス0、1、2及び3に対するCRSの位置を表す。一方、
図6で、‘D’と表示されたリソース要素は、LTEシステムで定義されるDRSの位置を表す。
【0114】
LTEシステムの進化発展した形態のLTE−Aシステムでは、ダウンリンクで最大8個の送信アンテナを支援できる。したがって、最大8個の送信アンテナに対するRSも支援しなければならない。LTEシステムでのダウンリンクRSは、最大4個のアンテナポートに対してのみ定義されているので、LTE−Aシステムで、基地局が4個以上、最大8個のダウンリンク送信アンテナを有する場合、これらアンテナポートに対するRSが追加的に定義されなければならない。最大8個の送信アンテナポートに対するRSとして、チャネル測定のためのRSとデータ復調のためのRSの両方とも考慮しなければならない。
【0115】
LTE−Aシステムを設計する際に重要な考慮事項のうち一つは、下位互換性(backward Compatibility)である。下位互換性とは、既存のLTE端末がLTE−Aシステムでも正しく動作するように支援するのを意味する。RS送信観点から見る時、LTE標準において定義されているCRSが全帯域で毎サブフレームごとに送信される時間−周波数領域に、最大8個の送信アンテナポートに対するRSを追加する場合、RSオーバーヘッドが過度に大きくなる。そのため、最大8アンテナポートに対するRSを新しく設計するにあたり、RSオーバーヘッドを減少させることを考慮しなければならない。
【0116】
LTE−Aシステムで新しく導入されるRSは、2種類に大別できる。そのうち一つは、伝送ランク、変調及びコーディング技法(Modulation and Coding Scheme;MCS)、プリコーディング行列インデックス(Precoding Matrix Index;PMI)などの選択のためのチャネル測定目的のRSであるチャネル状態情報−参照信号(Channel State Information RS;CSI−RS)で、他の一つは、最大8個の送信アンテナを通じて送信されるデータを復調するための目的のRSである復調−参照信号(DeModulation RS;DM RS)である。
【0117】
チャネル測定目的のCSI−RSは、既存のLTEシステムでのCRSが、チャネル測定、ハンドオーバー測定などの目的と同時に、データ復調のために使用されるのとは違い、主にチャネル測定を目的として設計される特徴がある。もちろん、CSI−RSもハンドオーバーなどの測定の目的で使用することも可能である。CSI−RSがチャネル状態に対する情報を得る目的でのみ送信されるので、既存のLTEシステムでのCRSとは違い、毎サブフレームごとに伝送されなくてもよい。したがって、CSI−RSのオーバーヘッドを減少させるために、CSI−RSは、時間軸上で間欠的に(例えば、周期的に)送信されるように設計することができる。
【0118】
もし、ダウンリンクサブフレーム上でデータが送信される場合には、データ送信がスケジューリングされた端末に専用で(dedicated)DM RSが送信される。特定端末専用のDM RSは、該当の端末がスケジューリングされたリソース領域、すなわち、該当の端末に対するデータが送信される時間−周波数領域でのみ送信されるように設計することができる。
【0119】
図7は、LTE−Aシステムで定義されるDM RSパターンの一例を示す図である。
図7では、ダウンリンクデータが送信される一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12副搬送波)上でDM RSが送信されるリソース要素の位置を表す。DM RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される4個のアンテナポート(アンテナポートインデックス7、8、9及び10)に対して送信されてもよい。互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、互いに異なる周波数リソース(副搬送波)及び/または互いに異なる時間リソース(OFDMシンボル)によって区分できる(すなわち、FDM及び/またはTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、互いに直交コード(orthogonal code)によって区分できる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。
図7の例示で、DM RS CDMグループ1と表示された各リソース要素(RE)には、アンテナポート7及び8に対するDM RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。同様に、
図7の例示で、DM RSグループ2と表示された各リソース要素には、アンテナポート9及び10に対するDM RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
【0120】
図8は、LTE−Aシステムで定義されるCSI−RSパターンの例示を示す図である。
図8では、ダウンリンクデータが送信される一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12副搬送波)上でCSI−RSが送信されるリソース要素の位置を表す。どのダウンリンクサブフレームにおいても、
図8(a)乃至8(e)のうち一つのCSI−RSパターンが用いられることができる。CSI−RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される8個のアンテナポート(アンテナポートインデックス15、16、17、18、19、20、21及び22)に対して送信されてもよい。互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、互いに異なる周波数リソース(副搬送波)及び/または互いに異なる時間リソース(OFDMシンボル)によって区分できる(すなわち、FDM及び/またはTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、互いに直交コード(orthogonal code)によって区分することができる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ1と表示されたリソース要素(RE)には、アンテナポート15及び16に対するCSI−RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ2と表示されたリソース要素には、アンテナポート17及び18に対するCSI−RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ3と表示されたリソース要素には、アンテナポート19及び20に対するCSI−RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ4と表示されたリソース要素には、アンテナポート21及び22に対するCSI−RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
図8(a)を基準に説明した同一の原理が
図8(b)乃至
図8(e)に適用され得る。
【0121】
図9は、LTE−Aシステムで定義されるZP(Zero Power)CSI−RSパターンの例示を示す図である。ZP CSI−RSの用途は2つに大別される。その第一は、CSI−RS性能改善のための用途である。すなわち、あるネットワークは他のネットワークのCSI−RS測定性能を改善するために、他のネットワークのCSI−RS REにミューティング(muting)をし、自身のUEが正しくレートマッチング(rate matching)を行うように、ミューティングされたREをZP CSI−RSに設定して知らせることができる。その第二は、CoMP CQI計算のための干渉測定の用途である。すなわち、ZP CRS−RS REに一部のネットワークがミューティングを行い、UEはこのZP CSI−RSから干渉を測定してCoMP CQIを計算することができる。
【0122】
図6乃至
図9のRSパターンは単に例示的なものであり、本発明の様々な実施例を適用するに当たり特定のRSパターンに限定されるわけではない。すなわち、
図6乃至
図9と異なるRSパターンが定義及び使用される場合にも、本発明の様々な実施例を同一に適用することができる。
【0123】
(FDR送信(Full Duplex Radio Transmission))
FDRとは、基地局及び/又は端末が上りリンク/下りリンクを周波数/時間などで分けてデュプレクシング(Duplexing)せずに送信することを支援する送信端受信端の技術のことを指す。
【0124】
図10は、FDR方式における干渉状況の一例を示す図である。
【0125】
図10を参照すると、端末1と端末2が同じ周波数/時間リソースを用いて上りリンク/下りリンクで通信を行う。このため、各端末は、送信をすると同時に、他の基地局又は端末から送信された信号を受信することができる。すなわち、
図10の点線で表すように、自身の送信信号が自身の受信モジュール(又は、受信器)に自己干渉を直接誘発しうる通信環境が作られる。
【0126】
システム上でマルチセル配置環境を考慮する場合、FDRの導入から予想される新しい干渉又は増加する干渉をまとめると、次のとおりである。
【0127】
(1)自己干渉(intra device self−interference)
(2)多重ユーザ干渉(UE to UE inter−link interference)
(3)セル間干渉(BS to BS inter−link interference)
まず、自己干渉は、
図10に示すように、自身の送信信号が自身の受信器に干渉を直接誘発することを意味する。一般に、自己干渉(Self−interference)信号は自身の所望の信号(desired signal)よりも強く受信される。このため、干渉相殺作業によって完全に除去することが重要である。
【0128】
次に、多重ユーザ干渉は、端末間に発生する干渉を意味する。例えば、端末の送信した信号が、隣接して位置している端末に受信されて干渉として作用することを意味する。既存の通信システムでは上りリンク/下りリンクのそれぞれに対して周波数又は時間などで分離するハーフデュプレックス(Half−duplex:例、FDD、TDD)を具現しているため、上りリンクと下りリンクとの間には干渉が発生しない。しかしながら、FDR送信環境では上りリンク及び下りリンクが同じ周波数/時間リソースを共有することから、
図10に示すように、データを送信する基地局と隣接端末との間に干渉が発生しうる。
【0129】
最後に、セル間干渉は、基地局間に発生する干渉を意味する。例えば、異種基地局状況で一つの基地局が送信する信号が他の基地局の受信アンテナに受信されて干渉として作用することを意味する。これは、多重ユーザ干渉と同じ通信状況を意味し、基地局間に上りリンク及び下りリンクリソースの共有から干渉が発生することを意味する。すなわち、FDRは、同じ時間/周波数リソースを上りリンク及び下りリンクで共有することによって周波数効率を増加させることができるが、このような干渉増加によって周波数効率性の向上に制約が発生しうる。
【0130】
上述した3つの干渉のうち、(1)自己干渉は、FDRでのみ発生する干渉であり、FDRを運営するために最優先で解決すべき問題点である。
図10には、自己干渉状況が発生しているFDRの一例を示している。すなわち、ある端末から送信する信号が同端末の受信アンテナにそのまま受信されて干渉として作用する。
【0131】
このような干渉は、他の干渉と違い、特異事項がある。
【0132】
第一に、干渉として作用する信号が、完璧に知っている信号として見なされてもよい。
【0133】
第二に、干渉として作用する信号の電力が、所望の信号のそれよりも非常に高い。このため、干渉として作用する信号を完璧に知っていても、受信端で干渉を完壁に除去することができない。受信端では受信した信号をデジタル信号に変換するためにADC(Analog to digital converter)を用いる。一般に、ADCは、受信した信号の電力を測定してこれに対して受信信号の電力レベルを調整し、それを量子化してデジタル信号に変換する。しかし、干渉信号が所望の信号に比べて非常に大きい電力で受信されると、量子化時に、所望の信号の信号特性が量子化レベルに埋もれて復元できない状況が発生する。
図11は、干渉信号が所望の信号に比べて非常に大きい電力を有する状況で量子化が行われる場合、干渉信号を除去しても、所望の信号が非常に歪むことを示す。
図12は、干渉信号が所望の信号に比べて小さい電力を有する場合の例示であり、干渉信号を除去した後、所望の信号が復元されることを示す。
【0134】
図11及び
図12から分かるように、自己干渉を除去するほど、所望の信号を正確に受信することができる。
【0135】
(FDRと参照信号)
無線通信システムにおいて多重経路減衰によるシンボルの大きさと位相の歪みが起こるが、これを推定して補償するために、参照信号を用いたチャネル推定技法が主に用いられている。
【0136】
本発明によれば、自己干渉の発生する基地局又は端末のチャネル推定性能を向上させる参照信号設定方法を提供することができる。本発明に係るチャネル推定方法の参照信号は、FDRを用いる基地局及び端末の両方に適用可能であり、基地局と端末間の通信だけでなく、端末間の通信にも適用可能である。
【0137】
一般に、LTEのような通信システムは、上りリンク周波数と下りリンク周波数とが異なるため、上りリンク参照信号と下りリンク参照信号の位置が互いに独立している。しかし、FDRを支援するシステムは、基地局の下りリンク信号が上りリンクで受信されたり、端末の上りリンク信号が下りリンクで受信されたりするため、基地局及び端末では下りリンク周波数と上りリンク周波数とが同一になるという効果を示す。
【0138】
本発明に係るチャネル推定方法は、基地局にも端末にも適用可能であるが、説明の便宜のために、まずは、基地局が端末に信号を送信するシステムを取り上げて説明する。
【0139】
(第1実施例)
本発明に係る第1実施例は、基地局が端末に信号を送信するシステムにおいてチャネル推定のための参照信号設定方法に関する。具体的に、本発明の第1実施例は、FDRシステムにおいて自己干渉が発生する基地局のチャネル推定性能を向上させ得るパンクチャリング(puncturing)参照信号配置方法に関する。
【0140】
ここで、基地局が上りリンクで受信した自身の下りリンク信号を除去することに目的があるので、基地局はチャネル推定のために下りリンク又は上りリンクのいずれかの信号のみを受信するように参照信号を設定する。
【0141】
基地局は下りリンクで各端末にパンクチャリング参照信号の位置と周期を知らせる。その後、基地局はリソース割り当て(resource allocation)時に、パンクチャリング参照信号のリソース位置に該当する下りリンクのリソース要素(Resource Element)を利用し、上りリンクの該当のリソース要素を利用しないパンクチャリング技法を用いる。すなわち、基地局が端末に信号を送信する時、下りリンクの設定されたリソースでパンクチャリング参照信号を送信し、上りリンクでパンクチャリング参照信号に対応するリソース要素は利用しないようにする。
【0142】
図13は、基地局と端末間の通信においてパンクチャリング参照信号方法のリソース割り当ての一例である。
【0143】
本発明に係るパンクチャリング参照信号設定方法においてパンクチャリング参照信号のリソース位置に関する情報は共有されるので、1つの基地局と1つの端末間の通信だけでなく、1つの基地局と複数の端末間の通信にも利用可能である。
【0144】
しかも、システムパラメータ(system parameter)を用いてパンクチャリング参照信号のリソース配置に対する密集度及び位置を複数のモードにあらかじめ設定した後、基地局と端末とが共有してもよい。下りリンク制御チャネルでモード(mode)選択情報を送信することによって、モードを選択することができる。
【0145】
図14は、本発明の一実施例に係るパンクチャリング参照信号モードの一例である。
図14を参照すると、モード1は、パンクチャリング参照信号に割り当てられたリソースの全てで照信号を送信する。モード2は、パンクチャリング参照信号に割り当てられたリソースの一部でパンクチャリング参照信号を送信する。モード3は、パンクチャリング参照信号に割り当てられたリソースのうち、モード2で用いられたリソース以外のリソースでパンクチャリング参照信号を送信する。モード4は、パンクチャリング参照信号に割り当てられたリソースの全てで参照信号を送信しない。ここで、モード1及びモード4を一対として、モード2及びモード3を一対として用いることができる。
【0146】
パンクチャリング参照信号のモード情報は、次の方法の一つを用いて送信することができる。
【0147】
まず、動的指示方法を用いてモード情報を送信することができる。
【0148】
チャネルが頻繁に変わる環境又はチャネル推定性能を向上させるためにはチャネル推定を頻繁に行わなければならない。各TTI(transmit time interval)に対してパンクチャリング参照信号モードを選択するために、各TTIにおいて送信される制御チャネルでモード情報を送信することができる。3GPP LTEを例に挙げると、PDCCH或いはEPDCCHでモード情報を送信することができ、DCIフォーマット(format)にこれに対するビット(bit)を割り当てることができる。例えば、毎TTIにモード情報を送信することができる。
【0149】
次に、半静的指示方法を用いてモード情報を送信することができる。
【0150】
自己干渉信号に対するチャネルは装置の送受信アンテナ間のチャネルを表すので、チャネル環境がほとんど静的であると考えることができる。一般に、チャネル推定性能を向上させるために複雑な推定アルゴリズムを用いたり参照信号を増やしたりする方法を用いている。しかし、参照信号を増やす分だけデータを送ることができず、参照信号によるオーバーヘッドが増加する。参照信号オーバーヘッドは密集度と送信周期によって決定される。例えば、モード1によって参照信号を送信していたが、モード2によって参照信号を送信するようになると、オーバーヘッドは半分に減る。他の例として、毎TTIに参照信号を送信していたが、2つのTTI(2−TTI)ごとに参照信号を送信するようになると、オーバーヘッドは半分に減る。
【0151】
チャネルが頻繁に変わらない場合には、参照信号のオーバーヘッドを減らしてもチャネル推定性能を略同一にすることができる。すなわち、チャネル推定性能と参照信号オーバーヘッドとが相互トレードオフ(tradeoff)の関係にあるため、チャネル環境の静的(static)な程度によって参照信号のオーバーヘッドを調節することができる。
【0152】
したがって、半−静的(semi−static)環境では、動的環境に比べてチャネル推定性能の減少を勘案してオーバーヘッドを減らすことができる。例えば、一定数以上のTTI(又は、TTIグループ)では毎TTIごとに参照信号の密集度を減らすことができる。
図14で、モード1からモード2又はモード3に変更するのがその例である。又は、一定数以上のTTI(又は、TTIグループ)では参照信号を送信しないようにしてもよい。例えば、
図14で、モード1からモード4に変更してもよい。各TTIに送信される制御チャネルでパンクチャリング参照信号のモード及びTTIグループのサイズを送信することができる。3GPP LTEを例に挙げると、PDCCH或いはEPDCCHでモード情報を送信することができ、DCIフォーマットにそれに対するビットを割り当てることができる。
【0153】
また、静的指示方法を用いてモード情報を送信することができる。
【0154】
チャネル環境が半−静的よりも一層静的である場合には、周期的なTTIにのみ、密集した参照信号モード(例えば、
図14のモード1)を利用し、それ以外のTTIには、密集度が‘0’であるモード(例えば、
図14のモード4)を利用することができる。そのためには、システムパラメータでパンクチャリング参照信号のモードに関する情報を送信することができる。
【0155】
また、半−静的であるとともに、オーバーヘッドの減少した方法を用いることができる。
【0156】
パンクチャリング技法の使用時に端末は当該リソース要素でデータを送信することができない。このため、端末のオーバーヘッドが増加する。基地局の自己干渉は、電力が大きく、チャネルが静的である確率が高いため、基地局ではチャネル推定を用いて自己干渉をよく除去することができる。仮に、基地局受信端に下りリンクパンクチャリング参照信号に加えて他の信号(端末のデータ信号)が重なって入ると、信号の電力差によってほとんど下りリンクパンクチャリング参照信号として認識することになる。このため、重なった信号から下りリンクパンクチャリング参照信号を除去でき、受信された他の信号を分離することができる。この方法によれば、基地局受信端で下りリンクパンクチャリング参照信号以外の他の端末の上りリンク信号が重なるので、チャネル推定性能が減少し、端末の該当の部分のデータに対する誤りが増加しうる。しかしながら、パンクチャリング参照信号のリソース位置で各端末が互いに重ならないようにしてデータを送信することによって端末のオーバーヘッドを減らすことができる。
【0157】
半−静的であると共に、オーバーヘッドの減少した方法は、動的指示方法と略同一に情報を送信することができる。端末で追加で使用するようになったリソース要素の位置は、端末特定シグナリング(UE−specific signaling)を用いて追加リソース要素の位置に対するモードを送信することによって、各端末別に適用することができる。このとき、端末が追加で使用するリソース要素の位置は、セル内の端末間では重ならないようにする。
【0158】
図15は、半−静的であると共に、オーバーヘッドの減少した方法のための追加リソース要素モードの一例である。
【0159】
図15を参照すると、追加リソース要素モード1は、パンクチャリング参照信号に割り当てられたリソースの全てに、端末の追加で使用するリソースを割り当てない。追加リソース要素モード2は、パンクチャリング参照信号に割り当てられたリソースの一部に、端末の追加で使用するリソースを割り当てる。追加リソース要素モード3は、パンクチャリング参照信号に割り当てられたリソースのうち、モード2で割り当てられたリソース以外のリソースに、端末の追加で使用するリソースを割り当てる。追加リソース要素モード4は、パンクチャリング参照信号に割り当てられたリソースの全てに、端末の追加で使用するリソースを割り当てる。
【0160】
図16には、基地局及び端末に対するリソース割り当ての一例を示す。
図17には、
図16に対する参照信号モード及び追加リソース要素モード送信方法の一例を示す。
図16及び
図17の実施例で、基地局は制御チャネルで参照信号モード1を送信し、各端末には各端末特定シグナリングを用いて、端末1には追加リソース要素モード3、端末2には追加リソース要素モード2を送信する。
【0161】
(第2実施例)
本発明に係る第2実施例は、FDRを支援する端末が基地局に信号を送信する場合、チャネル推定性能を向上させるための参照信号設定方法に関する。
【0162】
LTEシステムを例に挙げると、基地局がリソース割り当てを管理するので、下りリンク制御チャネルでパンクチャリング参照信号のモード情報を送信することができる。すなわち、基地局は、FDRを用いる端末が使用するパンクチャリング参照信号モードとその他の端末が使用する参照信号モードを送信することができる。
【0163】
基地局は下りリンクで各端末にパンクチャリング参照信号の位置と周期を知らせ、リソース割り当て時に、パンクチャリング参照信号位置に該当する下りリンクのリソース要素を使用しない。FDRを用いる端末は上りリンクのリソース要素を使用し、FDRを用いる端末以外の端末は上りリンクのリソース要素を使用しないパンクチャリング技法を用いる。すなわち、FDRを用いる端末のみが上記リソース要素を用いる。
【0164】
パンクチャリング参照信号のモードは、基地局が端末に信号を送信する第1実施例のように構成することができる。ただし、基地局が端末のリソース割り当てを管理し、実際には端末がFDRを用いるので、これに合う参照信号送信技法が必要である。
【0165】
基地局は下りリンク制御チャネルでパンクチャリング参照信号のモード情報を全ての端末に送信することができる。その後、端末特定シグナリングを用いて、FDRを用いる端末にさらにパンクチャリング参照信号モードを送信し、当該端末が参照信号を配置できるようにする。基地局は自身のパンクチャリング参照信号モードを知っているため、その送信が必要でない。
【0166】
図18は、端末1がFDRを用いる場合、基地局が制御チャネルと端末特定シグナリングを用いて参照信号モード情報を送信する一例である。このとき、基地局はパンクチャリング参照信号モード4を下りリンク制御チャネルで送信し、端末特定シグナリングを用いて端末1に参照信号モード1を送信する。
図19は、
図18においてFDRを支援する端末1のみから参照信号を送信するリソース割り当ての実施例を示す。
【0167】
基地局が端末に信号を送信する第1実施例で定義した、半静的であると共に、オーバーヘッドの減少した方法を、端末が基地局に信号を送信する第2実施例に適用するためには、端末−特定シグナリングを用いて追加リソース要素モードを各端末別に定義することができる。
図20は、端末1がFDRを用いる場合、パンクチャリング参照信号及びデータ送信に対するリソース割り当ての一例を示す。
図20を参照すると、端末1は、
図14のパンクチャリング参照信号モード1に設定されている。基地局は、
図15の追加リソース要素モード3に設定されている。端末2は、
図15の追加リソース要素モード2に設定されている。
図21は、
図20に対する参照信号モード及び追加リソース要素モードの情報送信の一例を示す。
【0168】
(第3実施例)
本発明に係る第3実施例は、基地局と端末間におけるFDR通信に関する。具体的に、自己干渉が発生する基地局及び端末のチャネル推定性能を向上させることができるパンクチャリング参照信号配置方法である。
【0169】
上りリンク及び下りリンクのチャネル推定が必要なため、基地局と端末が重ならないリソース要素を用いるように参照信号を設定する。すなわち、同じTTIに、基地局と端末が互い重ならないリソース要素に参照信号を設定したり、複数のTTIのうち、一方の参照信号密集度が0のとき、他方が0でない密集度の参照信号を使用する。
【0170】
LTEシステムを例に挙げると、基地局がリソース割り当てを管理するので、下りリンク制御チャネルでパンクチャリング参照信号のモードを送信することができる。
図22は、同じTTIに、基地局と端末が互いに重ならないリソース要素に参照信号を設定する一例を示す。
図22を参照すると、基地局は、
図14のパンクチャリング参照信号モード2に設定され、端末はパンクチャリング参照信号モード3に設定されている。また、基地局は、
図15の追加リソース要素モード2に設定され、端末は追加リソース要素モード3に設定されている。
図23は、
図22に対する参照信号モード及び追加リソース要素モードの情報送信の一例を示す。
【0171】
図24は、2−TTIのうち、一方の参照信号密集度が0のとき、他方が0でない参照信号送信の実施例を示す。
図24を参照すると、一番目のTTIに基地局は制御チャネルで参照信号モード1を送信し、端末特定シグナリングを用いて参照信号モード4を送信する。二番目のTTIに基地局は参照信号モード4を端末に送信し、参照信号モード1を端末特定シグナリングで送信する。
【0172】
第1実施例で説明した、半−静的でありると共に、オーバーヘッドの減少した方法を第3実施例に適用するためには、端末特定シグナリングを用いて追加リソース要素モードを各端末別に異なるように設定することができる。その具体的方法は第2実施例で説明したのと同一である。このとき、上りリンク及び下りリンクのチャネル推定が必要なため、基地局と端末が重ならないリソース要素で参照信号を送信するように設定する。
【0173】
一方、基地局と複数の端末がFDRを用いる場合にも上りリンク及び下りリンクのチャネル推定が必要なため、基地局と複数の端末が重ならないリソース要素で参照信号を送信するように設定する。これに関する方法は、上述した第3実施例で互い重ならないリソース要素を選択することのように参照信号リソースモードを設定する。端末と端末との通信も、同様に、基地局がリソース割り当てを管理するので、基地局が複数の端末と通信する場合と同一の方法を適用する。
【0174】
図25は、本発明に一実施例に適用可能な基地局及び端末を例示する。
【0175】
無線通信システムにリレーが含まれる場合、バックホールリンクにおいて通信は基地局とリレーとの間になされ、アクセスリンクにおいて通信はリレーと端末との間になされる。したがって、図面に例示された基地局又は端末は、状況によって、リレーに取り替えてもよい。
【0176】
図25を参照すると、無線通信システムは、基地局2510及び端末2520を含む。基地局2510は、プロセッサ2513、メモリ2514及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット2511,2512を備える。プロセッサ2513は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されてもよい。メモリ2514は、プロセッサ2513と接続し、プロセッサ2513の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット2516は、プロセッサ2513と接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。端末2520は、プロセッサ2523、メモリ2524及びRFユニット2521,1422を備える。プロセッサ2523は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されてもよい。メモリ2524は、プロセッサ2523と接続し、プロセッサ2523の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット2521,2522は、プロセッサ2523と接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局2510及び/又は端末2520は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
【0177】
以上説明された実施例は、本発明の構成要素と特徴が所定の形態で結合されたものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施されてもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取って代わってもよい。特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めたりしてもよいことは自明である。本文書で基地局によって行われると説明された特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)から構成されるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外のネットワークノードによって行われることは自明である。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に言い換えてもよい。
【0178】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、1つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0179】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明した機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶されてプロセッサによって駆動されてもよい。
【0180】
メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられて、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0181】
以上開示された本発明の好適な実施例に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供されている。上記では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者にとって、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更させることができるというこが理解できる。例えば、当業者は、上述した実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに表された実施の形態に制限しようとするものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最広の範囲を与えようするものである。
【0182】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化されてもよい。したがって、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに表された実施の形態に制限しようとするものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最広の範囲を与えようとするものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めることができる。