特許第6373382号(P6373382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6373382有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373382
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20180806BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180806BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20180806BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20180806BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20180806BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20180806BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   H05B33/02
   H05B33/14 A
   H05B33/22 Z
   H05B33/26 Z
   H05B33/10
   H01L29/78 613Z
   H01L29/78 626C
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-533773(P2016-533773)
(86)(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公表番号】特表2016-527696(P2016-527696A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】CN2013082954
(87)【国際公開番号】WO2015027532
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2016年2月12日
(31)【優先権主張番号】201310386378.5
(32)【優先日】2013年8月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】楊宗穎
【審査官】 横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−272930(JP,A)
【文献】 特開2007−133371(JP,A)
【文献】 特開2001−134214(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0111484(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0062039(US,A1)
【文献】 国際公開第2002/095834(WO,A1)
【文献】 特開平9−203911(JP,A)
【文献】 特開2001−111053(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0220898(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00−33/28
H01L 21/336
H01L 29/786
H01L 51/50
H01L 27/32
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法であって、
基板を用意し、
前記基板上に薄膜トランジスタを形成し、
薄膜トランジスタ上に平坦化層を形成し、
このとき、
前記薄膜トランジスタは、スイッチ薄膜トランジスタと駆動薄膜トランジスタとからなり、前記スイッチ薄膜トランジスタと前記駆動薄膜トランジスタとを互いに隣接して設け、
このとき、前記スイッチ薄膜トランジスタは、
前記基板上に低温ポリシリコン層24、前記低温ポリシリコン層24の上にゲート絶縁層26、前記ゲート絶縁層26の上にゲート、前記ゲートの上に保護層27、前記保護層27上において前記ゲート絶縁層26および前記保護層27を貫通して前記低温ポリシリコン層に接続されたソース/ドレイン28、前記保護層27および前記ソース/ドレイン28の上に位置する平坦化層60を順に形成してなるものであり、
記駆動薄膜トランジスタは、
前記スイッチ薄膜トランジスタを形成する際に同じようにして、
前記基板上に低温ポリシリコン層24、前記低温ポリシリコン層24の上にゲート絶縁層26、前記ゲート絶縁層26の上にゲート、前記ゲートの上に保護層27、前記保護層27上において前記ゲート絶縁層26および前記保護層27を貫通して前記低温ポリシリコン層に接続されたソース/ドレイン28、前記保護層27および前記ソース/ドレイン28の上に位置する平坦化層60を順に形成し、
さらに、前記低温ポリシリコン層24の上において該低温ポリシリコン層24を露出させるように、前記ソース/ドレイン28に対応する位置において前記平坦化層60を貫通する孔を開けて前記ソース/ドレイン28を露出させ、
続いて、ソース/ドレイン28を除去して前記低温ポリシリコン層24を露出させ、
この孔の内側において、底部が前記低温ポリシリコン層24に接続し、かつ、上面が前記平坦化層60上にある導電層を形成してなるものであり、
この導電層を該駆動薄膜トランジスタのソース/ドレイン(280)および前記有機発光ダイオードの前記陽極40とする
ことを特徴とする有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法において、
前記基板は、ガラス基板である
ことを特徴とする有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法において、
前記基板と低温ポリシリコン層の間には、更に隔離層が設けられる
ことを特徴とする有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法において、
前記導電層は、酸化インジウムスズ層・インジウム亜鉛酸化物・アルミニウム層・銀層・モリブデン層の中のいずれか一つであるか、或はこれらの重層である
ことを特徴とする有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードに関し、特に、有機発光ダイオードの陽極接続構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオードや有機発光ディスプレイ(Organic Light Emitting Diode Display、OLED)、或は有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)と呼ばれる技術は、20世紀半ばより発展してきた新しい表示技術の一種である。液晶ディスプレイと比較して、有機ELは、全固体型・自発光・高輝度・高コントラスト・超薄型・低コスト・低消費電力・応答速度が速い・視野角が広い・作動温度の範囲が広い・フレキシブルな表示がしやすい等の数多くの長所を備えている。有機ELは、一般的に、基板と、陽極と、陰極と、有機機能層とからなる。その発光原理は、陽極と陰極の間に蒸着された極薄の多層有機材料を通して、正負の電荷担体が有機半導体薄膜に注入された後に再結合して発光するというものである。有機ELの有機機能層は、一般に三つの機能層からなり、正孔輸送機能層(Hole Transport Layer、HTL)と、発光機能層(Emissive Layer、EML)と、電子輸送機能層(Electron Transport Layer、ETL)とに分けられる。各機能層は、それぞれ一層、或は一層以上設けられる。例えば、正孔輸送機能層は、場合によって正孔注入層と正孔輸送層に細分される。また、電子輸送機能層は、電子輸送層と電子注入層に細分される。ただし、その機能は似通っているため、正孔輸送機能層、電子輸送機能層と総称される。
【0003】
現在、フルカラー有機ELの製造方法としては、赤緑青(RGB)3色並列独立発光方式・白色及びカラーフィルタ方式・色変換方式の三種の方法が主流である。これらの中で、赤緑青3色並列独立発光方式は、潜在力に優れ、且つ実際の応用例も最も多い製造方法であり、赤緑青で異なるホスト材料とドーパントの発光材料が用いられる。
【0004】
有機ELの駆動方式は、パッシブ駆動と、アクティブ駆動の二種に大別される。即ち、直接アドレス指定と、薄膜トランジスタ(TFT)マトリックス・アドレス指定の二つのタイプである。前記アクティブ駆動タイプの有機ELとは、即ち、アクティブ・マトリックス式有機EL(Active Matrix Organic Light Emitting Device、AMOLED)である。
【0005】
AMOLEDの画素回路と補償回路は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)画素よりもずっと複雑であるため、現在のAMOLED製品において、毎インチ当たりの画素数(Pixels Per Inch、PPI)は、280個よりも少なく、解像度も相対的に低くなっている。
【0006】
図1及び図2を参照する。図は、従来の有機発光ダイオードの陽極接続構造を示した概略図である。陽極100は、駆動薄膜トランジスタのソース/ドレイン300を通して低温ポリシリコン層500に電気的に接続される。前記ソース/ドレイン300の金属層が存在することにより、両側にあるスイッチ薄膜トランジスタの間隔が大きくなるため、画素の面積も大きくなり、これにより毎インチ当たりの画素数が減って、解像度も低くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、構造が簡単でコストが低く、且つ画素面積が小さく解像度が高い、有機発光ダイオードの陽極接続構造を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、製造工程が簡単で、且つ効果的に画素面積を小さくして、解像度を上げることが出来る、有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明が提供する有機発光ダイオードの陽極接続構造は、薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタ上に位置する有機発光ダイオードの陽極とからなる。前記薄膜トランジスタは、基板上に位置する低温ポリシリコン層と、低温ポリシリコン層上に位置するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層上に位置するゲートと、ゲート上に位置する保護層と、保護層上に位置するソース/ドレインとからなる。前記有機発光ダイオードの陽極は、前記低温ポリシリコン層上に接続される。
【0010】
前記薄膜トランジスタと有機発光ダイオードの陽極の間には、更に平坦化層が設けられる。
【0011】
前記基板は、ガラス基板である。
【0012】
前記基板と低温ポリシリコン層の間には、更に隔離層が設けられる。
【0013】
前記有機発光ダイオードの陽極は、酸化インジウムスズ層・インジウム亜鉛酸化物・アルミニウム層・銀層・モリブデン層の中のいずれか一つであるか、或はこれらの重層である。
【0014】
また、本発明が提供する有機発光ダイオードの陽極接続構造は、薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタ上に位置する有機発光ダイオードの陽極とからなる。前記薄膜トランジスタは、基板上に位置する低温ポリシリコン層と、低温ポリシリコン層上に位置するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層上に位置するゲートと、ゲート上に位置する保護層と、保護層上に位置するソース/ドレインとからなる。前記有機発光ダイオードの陽極は、前記低温ポリシリコン層上に接続される。
【0015】
このうち、前記薄膜トランジスタと有機発光ダイオードの陽極の間には、更に平坦化層が設けられる。
【0016】
前記基板は、ガラス基板である。
【0017】
前記基板と低温ポリシリコン層の間には、更に隔離層が設けられる。
【0018】
前記有機発光ダイオードの陽極は、酸化インジウムスズ層・インジウム亜鉛酸化物・アルミニウム層・銀層・モリブデン層の中のいずれか一つであるか、或はこれらの重層である。
【0019】
また、本発明が提供する有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法は、以下の工程を含む。
工程1、基板を用意するとともに、前記基板上に薄膜トランジスタを形成する。
工程2、薄膜トランジスタ上に平坦化層を形成する。
工程3、平坦化層及び薄膜トランジスタ上に孔を開けて、薄膜トランジスタの低温ポリシリコン層を露出させる。
工程4、平坦化層及び露出した低温ポリシリコン層上に導電層を形成するとともに、前記導電層をパターン化することにより、低温ポリシリコン層上に新しいソース/ドレインを形成して、平坦化層上に有機発光ダイオードの陽極を形成する。また、前記有機発光ダイオードの陽極は、前記新しいソース/ドレインと接続される。
【0020】
前記薄膜トランジスタは、基板上に位置する低温ポリシリコン層と、低温ポリシリコン層上に位置するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層上に位置するゲートと、ゲート上に位置する保護層と、保護層上に位置するソース/ドレインとからなる。
【0021】
前記基板は、ガラス基板である。
【0022】
前記基板と低温ポリシリコン層の間には、更に隔離層が設けられる。
【0023】
前記導電層は、酸化インジウムスズ層・インジウム亜鉛酸化物・アルミニウム層・銀層・モリブデン層の中のいずれか一つであるか、或はこれらの重層である。
【発明の効果】
【0024】
以上の構造によってなる本発明は、以下の有益な効果を備える。即ち、本発明の有機発光ダイオードの陽極接続構造及びその製造方法は、有機発光ダイオードの陽極が薄膜トランジスタの低温ポリシリコン層と直接接続されることにより、ソース/ドレイン金屬層の接続が必要なくなるため、隣接する二つのスイッチ薄膜トランジスタの間における距離を効果的に縮めることが出来る。これにより、効果的に画素の面積を縮小して、単位面積(毎インチ当たり)内の画素の数を増やすことが出来るため、前記有機発光ダイオードの陽極接続構造を使用したパネルの解像度を向上させることが可能になる。
【0025】
本発明の特徴と技術内容の詳細については、以下の詳説と図を参照されたい。尚、図はあくまで参考及び説明用であり、これにより本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
下記の図を合わせて本発明の具体的実施形態について詳細に説明することで、本発明の技術手法及びその他の有益な効果を詳らかにする。
図1】従来技術の有機発光ダイオードの陽極接続構造を示した概略図である。
図2】従来技術の有機発光ダイオードの陽極接続構造を示した俯瞰図である。
図3】本発明の有機発光ダイオードの陽極接続構造を示した概略図である。
図4】本発明の有機発光ダイオードの陽極接続構造を示した俯瞰図である。
図5】本発明の有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法を示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の技術手法とその効果について詳述するために、以下で本発明の実施例と図を参照しつつ説明する。
【0028】
図3及び図4を参照する。本発明が提供する有機発光ダイオードの陽極接続構造は、薄膜トランジスタ20と、薄膜トランジスタ20上に位置する有機発光ダイオードの陽極(Anode)40とからなる。薄膜トランジスタ20は、基板22上に位置する低温ポリシリコン層(Poly)24と、低温ポリシリコン層24上に位置するゲート絶縁層(GI)26と、ゲート絶縁層26上に位置するゲート(図示せず)と、ゲート上に位置する保護層(ILD)27と、保護層27上に位置するソース/ドレイン(SD)28とからなる。有機発光ダイオードの陽極40は、低温ポリシリコン層24上に直接接続される。これにより、隣接する二つのスイッチ薄膜トランジスタの間における距離を効果的に縮めることが出来るため、画素の面積を効果的に縮小するとともに、単位面積(毎インチ)内の画素の数を増やして、前記有機発光ダイオードの陽極接続構造を使用したパネルの解像度を向上させることが可能になる。
【0029】
薄膜トランジスタ20は、スイッチ薄膜トランジスタと、駆動薄膜トランジスタとからなる。また、有機発光ダイオードの陽極40は、前記駆動薄膜トランジスタの低温ポリシリコン層24上に接続される。
【0030】
薄膜トランジスタ20と有機発光ダイオードの陽極40の間には、更に平坦化層60が設けられる。これにより、有機発光ダイオードの陽極40中の不純物による腐蝕断裂によって表示効果が影響されることを防止出来る。
【0031】
具体的には、基板22はガラス基板であり、有機発光ダイオードの陽極40は酸化インジウムスズ(ITO)層・インジウム亜鉛酸化物(IZO)・アルミニウム(Al)層・銀(Ag)層・モリブデン(Mo)層の中のいずれか一つか、或はこれらの重層である。
【0032】
また、ここで以下の点に注意されたい。即ち、基板22と低温ポリシリコン層24の間には、更に隔離層29が設けられることにより、不純物が薄膜トランジスタ20まで拡散して薄膜トランジスタ20の不具合を招くことを防止出来る。
【0033】
図5、及び図3図4を合わせて参照する。本発明が提供する有機発光ダイオードの陽極接続構造の製造方法は、以下の工程を含む。
【0034】
工程1では、基板22を用意するとともに、基板22上に薄膜トランジスタ20を形成する。
【0035】
上述のうち、基板22は、ガラス基板である。薄膜トランジスタ20は、基板22上に位置する低温ポリシリコン層24と、低温ポリシリコン層24上に位置するゲート絶縁層26と、ゲート絶縁層26上に位置するゲートと、ゲート上に位置する保護層27と、保護層27上に位置するソース/ドレイン28とからなる。
【0036】
また、薄膜トランジスタ20は、スイッチ薄膜トランジスタと、駆動薄膜トランジスタとからなる。
【0037】
工程2では、薄膜トランジスタ20上に平坦化層60を形成する。
【0038】
上述のうち、平坦化層60は、有機発光ダイオードの陽極40中の不純物による腐食断裂が表示効果に影響することを防止するために用いられる。
【0039】
工程3では、平坦化層60及び薄膜トランジスタ20上に孔を開けて、薄膜トランジスタ20の低温ポリシリコン層24を露出させる。
【0040】
具体的には、フォトリソグラフィによって平坦化層60及び駆動薄膜トランジスタ上におけるソース/ドレイン28と対応する位置に孔を開けて、ソース/ドレイン28である金屬層を露出させる。更に、エッチングで前記ソース/ドレイン28の金屬層を除去することにより、下方の低温ポリシリコン層24を露出させる。
【0041】
工程4では、平坦化層60及び露出した低温ポリシリコン層24上に導電層を形成するとともに、前記導電層をパターン化することにより、低温ポリシリコン層24上に新しいソース/ドレイン280を形成して、駆動薄膜トランジスタを完成させる。同時に、平坦化層60上に有機発光ダイオードの陽極40を形成する。新しいソース/ドレイン280と有機発光ダイオードの陽極40は、いずれも導電層によって形成されるため、調製過程において、有機発光ダイオードの陽極40と新しいソース/ドレイン280の間が途切れず、有機発光ダイオードの陽極40が低温ポリシリコン層24上に直接接続されるようになる。これにより、隣接する二つのスイッチ薄膜トランジスタの間における距離を効果的に縮めることが出来るため、画素の面積を効果的に縮小するとともに、単位面積(毎インチ)内の画素の数を増やして、前記有機発光ダイオードの陽極接続構造を使用したパネルの解像度を向上させることが可能になる。
【0042】
本実施例において、前記導電層は、酸化インジウムスズ層・インジウム亜鉛酸化物・アルミニウム層・銀層・モリブデン層の中のいずれか一つであるか、或はこれらの重層である。
【0043】
また、ここで以下の点に注意されたい。即ち、基板22と低温ポリシリコン層24の間には、更に隔離層29が設けられることにより、不純物が薄膜トランジスタ20まで拡散して薄膜トランジスタ20の不具合を招くことを防止出来る。
【0044】
総じて言えば、本発明の有機発光ダイオードの陽極接続構造及びその製造方法は、有機発光ダイオードの陽極が薄膜トランジスタの低温ポリシリコン層と直接接続されることにより、ソース/ドレイン金屬層の接続が必要なくなるため、隣接する二つのスイッチ薄膜トランジスタの間における距離を効果的に縮めることが出来る。これにより、効果的に画素の面積を縮小して、単位面積(毎インチ当たり)内の画素の数を増やすことが出来るため、前記有機発光ダイオードの陽極接続構造を使用したパネルの解像度を向上させることが可能になる。
【0045】
以上の記述により、関連領域の一般的な技術員は、本発明の技術手法と構想に基づいて各種の変更と変形を加えることが可能であり、これらの変更と変形は、いずれも本発明の権利要求の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0046】
(従来技術)
100 陽極
300 ソース/ドレイン
500 低温ポリシリコン層
(本発明)
20 薄膜トランジスタ
22 基板
24 低温ポリシリコン層
26 ゲート絶縁層
27 保護層
28 ソース/ドレイン
280 新しいソース/ドレイン
29 隔離層
40 有機発光ダイオードの陽極
60 平坦化層
図1
図2
図3
図4
図5