特許第6373409号(P6373409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6373409プロセス流体圧力トランスミッタのための耐食性圧力モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373409
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】プロセス流体圧力トランスミッタのための耐食性圧力モジュール
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20180806BHJP
   G01L 19/06 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   G01L19/14
   G01L19/06 A
【請求項の数】11
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-564192(P2016-564192)
(86)(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公表番号】特表2017-514138(P2017-514138A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】RU2014000304
(87)【国際公開番号】WO2015163784
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2016年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】フェティソフ,アレクサンドル・ウラジミロヴィチ
【審査官】 大森 努
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−050172(JP,A)
【文献】 特表2013−506841(JP,A)
【文献】 実開昭60−122846(JP,U)
【文献】 特開2000−337987(JP,A)
【文献】 特表2004−518973(JP,A)
【文献】 特開平06−094555(JP,A)
【文献】 特開平04−194638(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102011004729(DE,A1)
【文献】 実開昭63−199044(JP,U)
【文献】 実開昭54−086965(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00−23/32,27/00−27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス圧力トランスミッタのための圧力センサモジュールであって、
海水へ晒されるのに好適な金属で形成された第1の部材であり、それを通って延在する通路を有した第1の部材と、
第1の部材に結合され、プロセス流体に接触するように構成された第1の側、及び第1の部材の通路と流体で情報伝達する対向側を有する隔離ダイヤフラムと、
第1の部材とは異なる金属で形成された第2の部材であり、通路に流体的に結合されるチャンバを画定するために、第1の部材に機械的に結合され、圧力センサがチャンバ内の圧力を検出するために配設される第2の部材と、
第1と第2の部材との間の界面を封止するために、第1及び第2の部材に結合されたシールと、
を含み、
シールが、第1の部材に溶接され、第2の部材にも溶接される、圧力センサモジュール。
【請求項2】
第1及び第2の部材が螺合される、請求項に記載の圧力センサモジュール。
【請求項3】
第1及び第2の部材が、締結具で機械的に結合される、請求項に記載の圧力センサモジュール。
【請求項4】
第1及び第2の部材が、焼嵌めで機械的に結合される、請求項に記載の圧力センサモジュール。
【請求項5】
シールが、チャンバ内の圧力により第1の部材と第2の部材に対して付勢される、請求項1に記載の圧力センサモジュール。
【請求項6】
シールが、第1の連続的な溶接部で第1の部材に溶接され、第2の連続的な溶接部で第2の部材に溶接される、請求項1に記載の圧力センサモジュール。
【請求項7】
第1の部材が、チタンで形成される、請求項1に記載の圧力センサモジュール。
【請求項8】
第2の部材が、ステンレス鋼で形成される、請求項に記載の圧力センサモジュール。
【請求項9】
シールが、タンタルで形成される、請求項に記載の圧力センサモジュール。
【請求項10】
圧力センサモジュールが、圧力トランスミッタ内に実施され、圧力センサが、圧力トランスミッタの測定電気回路に結合される、請求項1に記載の圧力センサモジュール。
【請求項11】
第2の部材が、第1の部材の環状溝内に受けられる環状リムを含む、請求項1に記載の圧力センサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
産業プロセス制御システムは、流体などを生成又は移動する産業プロセスを監視及び制御するために使用される。このようなシステムでは、温度、圧力、流速その他の「プロセス変数」を測定することが典型的に重要である。プロセス制御トランスミッタは、このようなプロセス変数を測定して、中央制御室などの主要な場所へ測定されたプロセス変数に関連した情報を伝達するために使用される。
【0002】
プロセス変数トランスミッタの一タイプは、プロセス流体の圧力又は2つの圧力間の圧力差を測定して、圧力又は圧力差に関連した出力を提供する圧力トランスミッタである。差圧の場合、圧力差は、順に、流速、容器内のプロセス流体のレベル、又は他のプロセス変数を表すことができる。圧力トランスミッタは、典型的に二線式プロセス制御ループを介して、中央制御室へ圧力情報を伝達するように構成される。しかしながら、無線通信技術などの他の技術が、同様に使用されてもよい。
【0003】
プロセス圧力トランスミッタは、一般的に、少なくとも1つの隔離ダイヤフラムに流体結合された圧力センサを使用して圧力を検出する。隔離ダイヤフラムは、検出されるプロセス流体から圧力センサを隔離する。したがって、腐食性が高い場合もあるプロセス流体は、圧力センサの腐食又は損傷を回避するために、圧力センサから隔離した状態に保たれる。圧力は、実質的に非圧縮性の、不活性充填流体を使用して、隔離ダイヤフラムから圧力センサへ伝えられる。圧力センサ自体は、例えば変形することによって、圧力に反応する検出ダイヤフラムなどの物理的構造を有する。圧力センサはまた、物理的変形に反応する歪み計又は容量場所若しくは電極などの、電気的構造を含む。例えば、いくつかの周知の圧力センサは、ダイヤフラムの撓みがセンサの容量の変化をもたらすように容量性プレート又は電極を備える撓み可能なダイヤフラムを有する。しかしながら、様々な他の技術が周知である。
【0004】
いくつかのプロセス圧力トランスミッタは、海水の近傍で、又は海水内で作動する。したがって、このような海洋圧力トランスミッタは、海水の顕著な腐食作用を受ける。許容可能な製品寿命の間、作動することができる強固な設計を提供するために、確かな設計検討が重要となる。例えば、海水の腐食作用に実質的に影響されない材料を選択することは、強固な設計を提供することができるが、このような保護を提供する新しい合金のための材料コストは、桁違いのコストの設計をもたらす場合がある。チタンは、例えば、海水によって誘起される腐食に全く影響されないが、ステンレス鋼などの、他の合金及び材料と溶接することが実質的に不可能であることが分かっている。更に、2つの材料をはんだ付けすることは困難である。更に、完全にチタンから作り上げられる圧力トランスミッタは、コスト効果がない。
【0005】
海水へ長期間、晒されるのに適したコスト効果のあるプロセス圧力トランスミッタを提供することは、海洋系のプロセス制御環境の重要な改善を提供する。
【0006】
概要
プロセス圧力トランスミッタのための圧力センサモジュールが提供される。圧力センサモジュールは、海水へ晒されるのに好適な金属で形成された第1の部材を含む。第1の部材は、それを通って延在する通路を有する。隔離ダイヤフラムは、第1の部材に結合され、プロセス流体に接触するように構成された第1の側、及び第1の部材の通路と流体で情報伝達する対向側を有する。第2の部材は、第1の部材とは異なる金属で形成され、通路に流体結合されるチャンバを画定するために、第1の部材に機械的に結合される。圧力センサは、チャンバ内の圧力を検出するために配設される。シールは、第1と第2の部材との間の界面を封止するために、第1及び第2の部材に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態が特に有用な、プロセス流体圧力トランスミッタの概略図である。
図2】周知の隔離アセンブリの一部分の断面図である。
図3】本発明の一実施形態に従った圧力トランスミッタのための圧力モジュールの断面図である。
【0008】
発明の詳細な説明
図1は、本発明の実施形態が特に有用な、例示的なプロセス流体圧力トランスミッタ12を示す。プロセス制御又は測定システム10は、プロセス流体16を運ぶプロセス配管14に結合された圧力トランスミッタ12を含む(トランスミッタ12は、システム10の測定要素である)。プロセス流体16は、圧力トランスミッタ12に圧力Pを加える。プロセス制御ループ20は、任意の適切なプロセス通信プロトコルに従って作動することができる。プロセス制御ループ20は、任意の適切なプロセス通信プロトコルに従って作動することができる。ある構成では、プロセス制御ループ20は、アナログ電流レベルがプロセス圧力Pに関連した「プロセス変数」を表すために使用される二線式プロセス制御ループを含む。別の例示的な態様では、プロセス制御ループ20は、プロセス圧力Pに関連したデジタル値を伝える。このようなプロトコルの例としては、Highway Addressable Remote Transducer(HART(登録商標))又はFOUNDATION(商標) FieldBus通信プロトコルが挙げられる。別の例示的なプロセス制御ループは、例えばIEC62591に従った、無線通信リンクを含む。このような構成では、エレメント20は、トランスミッタ12とプロセス制御室22との間の無線通信リンクを表す。
【0009】
トランスミッタ12は、任意の適切な技術に従って作動することができる圧力センサ(この例では圧力センサダイ)40を含む。例示的な技術としては、例えば加えられた圧力に応答して変化する電気的性質を有したエレメントを有するマイクロマシン構成が挙げられる。プロセスカプラ42は、トランスミッタ12の本体又はハウジング18をプロセス配管14に結合する。これにより、プロセス圧力Pが、トランスミッタ12の隔離ダイヤフラム50に加えられることが可能となる。圧力Pは、毛管52内のシリコーンオイルなどの充填流体により圧力センサ40に伝達されるダイヤフラム50の撓みを生じさせる。したがって、隔離ダイヤフラム50は、プロセス流体に接触する第1の側及び充填流体に接触する対向側を有する。毛管52は、圧力センサ40を同様に支持する圧力センサモジュール54を通って延在する。圧力センサ40は、電気的出力60を測定電気回路62に提供する。測定電気回路62は、プロセス制御ループ20に結合した端子ブロック70に接続する。例示的なある構成では、プロセス制御ループ20はまた、測定電子回路62などの、トランスミッタ12の回路に電力を提供するために使用される。
【0010】
図2は、従来技術に従ったプロセス流体圧力トランスミッタのための圧力センサモジュールの概略断面図である。モジュール100は、毛管52が延在する本体102を含む。毛管52は、シリコーンオイルなどの充填流体を包含し、充填流体は、プロセス流体によって隔離ダイヤフラム50に作用される圧力を圧力センサ40に流体結合する。本体102は、典型的に、ステンレス鋼で形成され、隔離ダイヤフラム50は、本体102に溶接される。本体102の上部分は、一般的に、底表面近接に圧力センサ40を配設した、本体102に溶接されるステンレス鋼センサハウジング又はヘッダ104を含む。隔離ダイヤフラム50に作用される任意の圧力が圧力センサ40に伝えられ、圧力センサ40によって検出されるように、円筒チャンバ106は充填流体で充填される。図2に例示される構造は多くの環境において良好に作動するが、海水環境において使用されるときに制限がある。具体的には、モジュールは、かなりの重量を有し、海水へ長期間、晒されるのに適していない。構造全体が、チタンなどの海水の腐食作用に実質的に影響されない金属又は合金で形成され得るが、このような構造はコスト効果がない。
【0011】
図3は、本発明の一実施形態に従った圧力センサモジュールの概略断面図である。
モジュール200は、ハウジングの各々の部材が異なる金属又は合金で形成される、二部構成のハウジングを含む。第1の部材202は、海水へ晒されるのに好適な材料で形成される。このような材料の例としては、チタンが挙げられるが、Alloy C-276などの海水へ長期間、晒されるのに好適な他の金属又は合金を含んでもよい。第2の部材204は、第1の部材202より低コストの金属で形成される。第2の部材204の構造に好適な金属の例は、ステンレス鋼である。第2の部材204は、一実施形態では、第1の部材202の環状溝208内で受けられる環状リム206を含む。一実施形態では、第1の部材202及び第2の部材204は、取り外し可能な、強固な機械的結合を形成するために、締結セクション205で螺合される。しかしながら、(他のタイプの締結具を使用する結合などの)任意の好適な機械的結合が利用され得る。更に、アセンブリは、焼嵌めを使用して単片として製造され得る。このような場合、2つの部材は、大きな力で及び/又は温度差の適用によって、単に2つの片に分離可能であるに過ぎない。多くのタイプの結合が利用され得るが、結合は取り外し可能であることが好ましい。
【0012】
第2の部材204は、溶接部212でヘッダ210に結合する円筒側壁208を含む。
一実施形態では、第2の部材204及びヘッダ210は、溶接工程を容易にするステンレス鋼などの同じ金属で形成される。ヘッダ210は、圧力センサ40をその底表面上に取り付ける。好適な電気的接続は、圧力センサ40からヘッダ210を通って延在し、(図1に示される)電気回路62などの好適な圧力トランスミッタ測定電気回路に接続する。ヘッダ210はまた、充填流体のシステムへの導入及び続くシステム内での封止を可能にする充填管212を含む。充填流体で充填されるときに、隔離ダイヤフラムで加えられた圧力は、通路214を通ってチャンバ216内に、最終的に圧力センサ40に伝えられる。プロセス流体圧力は、チャンバ216内のすべての表面に作用する。本発明の一実施形態に従って、シール218が、第1の部材202と第2の部材204との間の界面を封止するために配設される。シール218は、好ましくは、第1の部材202及び第2の部材204に溶接される。一実施形態では、一対の連続的な環状溶接が提供される。第1の溶接部220は第2の部材204の表面222にシール218を結合し、第2の溶接部224は第1の部材202の表面226にシール218を結合する。しかしながら、本発明の実施形態は、第1の部材202と第2の部材204との間の界面に位置する単一の溶接を使用して実践され得る。
【0013】
第1の部材202及び第2の部材204が異なる金属又は合金で形成されるので、シール218は好ましくは第1及び第2の部材202、204それぞれの融点間の融点を有する第3の金属又は合金から構築される。一実施形態では、第1の部材202は、チタンから作製され、第2の部材204は、ステンレス鋼から作製され、シール218は、タンタルから作製される。本発明の実施形態により提供される1つの主な利点は、シール218が、第1の部材202を第2の部材204に結合するために、機械的な力を備える必要がないことである。その代わりとして、シール218は、充填流体が部材202と204との間の界面に漏れないようにする必要があるだけである。この機能は、チャンバ216内のシール218の自己付勢設計によって容易になる。具体的には、チャンバ216内の圧力が増加するにつれて、圧力によりシール218が第1の部材202及び第2の部材204のそれぞれの表面226、222に対して大きく付勢され、これがシ−ルの有効性を増加させる。表面226、222に沿って第1と第2の部材202、204間にタンタルリングシール218を使用することによって、腐食性媒体及びステンレス鋼に実質的に影響されない異なる金属又は合金、すなわち高い融点の金属の、信頼性の高い溶接が提供される。
【0014】
本発明が好ましい実施形態を参照にして説明されたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細において変更がなされ得ることを当業者は認識するであろう。例えば、本発明の実施形態は、具体的な材料(チタン、ステンレス鋼、及びタンタル)に関して説明されるが、第3の材料が、信頼性の高い溶接を可能にするために、第1の2つの金属又は合金に十分に近い融点を有する限り、本発明の実施形態は、金属又は合金の任意の好適なグループによって実践され得る。
図1
図2
図3