【文献】
若杉強根男,配車計画エキスパートシステム,日立評論,1988年11月,Vol.70, No.11,p.107-110
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る予測装置、予測方法及び予測プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と表記する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る予測装置、予測方法及び予測プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.予測処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る予測処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る予測処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係る予測装置100によって実行される予測処理について説明する。具体的には、
図1では、予測装置100によって、所定領域と対応付けられたユーザの行動情報に基づいて、商取引の対象となる商品の配送量であって、当該所定領域で発生する配送量を予測する処理が行われる一例について説明する。
【0012】
図1に示す例において、予測装置100と、ユーザ端末10と、ウェブサーバ30と、配送業者装置50とは、図示しない通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信可能に接続される。
【0013】
図1に示す予測装置100は、地図上の所定領域と対応付けられたユーザの行動情報に基づいて、商取引の対象となる商品の配送量であって、当該所定領域で発生する配送量を予測する処理を行うサーバ装置である。予測装置100は、商取引の対象として、例えば、ウェブサーバ30が提供する所定の商取引サイト(いわゆるネットワーク上のショッピングモール(電子商店街)のようなプラットフォーム)において取引される商品の配送量を予測する。なお、実施形態では、商取引の対象として、ショッピングモールに出店する各ストアから配送される商品を例に挙げるが、商品はこの例に限らず、例えば、個人間の取引やオークションサイトにおいて出品される出品物等であってもよい。
【0014】
図1に示すユーザ端末10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。具体的には、ユーザ端末10は、ユーザがウェブページを閲覧するためや、ウェブサイト(例えばネットワーク上のショッピングモール)において商品を注文したり、商品情報の評価(いわゆるレビュー)を投稿したりするために利用される。また、ユーザ端末10は、検索サービスを利用するために検索クエリ(以下、単に「クエリ」と表記する)を入力又は送信する処理や、検索結果を取得する処理を実行する。
図1の例では、ユーザ端末10は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。なお、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替える場合がある。例えば、「ユーザが情報を送信する」という記載は、実際には、「ユーザが利用するユーザ端末10が情報を送信する」という状況を示す場合がある。
【0015】
図1に示すウェブサーバ30は、ユーザ端末10からアクセスされた場合に、各種コンテンツをユーザに提供するサーバ装置である。
図1に示す例では、ウェブサーバ30は、ネットワーク上のショッピングモールサイトや、個人間のオークションサイト等を提供する。ウェブサーバ30が提供するショッピングモールでは、各事業者が種々のカテゴリの商品を扱う店舗(ストア)を出店する。また、ウェブサーバ30は、ウェブサイトを検索するための検索サービスを提供したり、所定のSNS(Social Networking Service)サイト等を提供したりしてもよい。なお、
図1ではウェブサーバ30を1台のみ記載しているが、ウェブサーバ30は複数存在し、各々が異なるサービスを提供してもよい。
【0016】
また、ウェブサーバ30は、提供するサービス等を介して、ネットワーク上におけるユーザの行動に関する情報(以下、「行動情報」と表記する)を取得する。行動情報は、例えば、ウェブサーバ30が備える記憶部や、所定の外部ストレージ装置に格納される。具体的には、行動情報とは、ウェブサーバ30から提供されるサービス(
図1の例では、ショッピングサービスや検索サービス等)をユーザが利用した内容を示す情報である。例えば、行動情報は、ショッピングモールにおける商品の注文や、検索サービスに対する検索行動や、ショッピングモールの各店舗に対するユーザからのレビューの投稿や、SNSへの投稿等である。なお、ウェブサーバ30は、上記例に限らず、ネットワーク上の行動情報であれば、あらゆる情報を取得してもよい。
【0017】
配送業者装置50は、配送業者によって利用されるサーバ装置である。配送業者装置50は、例えば、商取引の対象となる商品の配送の依頼を受け付ける。そして、配送業者装置50は、配送品を配送する予定の日時や配送先等が登録された情報である配送情報を生成する。配送業者は、配送業者装置50によって生成された配送情報に基づいて、配送先への配送を行う。なお、
図1での図示は省略しているが、配送業者は複数存在してもよい。また、以下では、配送業者を配送業者装置50と読み替える場合がある。例えば、「配送業者が情報を送信する」という記載は、実際には、「配送業者が利用する配送業者装置50が情報を送信する」という状況を示す場合がある。
【0018】
また、配送業者装置50は、物流に関する情報を予測装置100に提供する。物流に関する情報とは、例えば、過去の所定日時において発生した配送量や、配送業者が配送において要した配送リソースに関する情報である。配送リソースに関する情報とは、例えば、所定の配送量の商品を配送するにあたり、必要であった人員数や、車両の台数や、配送にかかった時間等の情報である。また、配送業者装置50は、実際にユーザに商品配送を行うための拠点に関する情報等を予測装置100に提供してもよい。例えば、配送業者装置50は、所定の領域(地域)において所定の配送量が発生した場合に、どの拠点に配送品が集中するか、また、かかる拠点で配送品をさばくために人員や時間がどのくらい必要であったかといった情報を予測装置100に提供する。
【0019】
ここで、ネットワーク上の行動情報と配送量には、相関関係があると考えられる。例えば、あるキーワードがバズワード(Buzzword)となり、そのキーワードがある商品の商品名であったり、商品を連想させるようなキーワードであったりする場合、所定時間後に、その商品の売行きが上昇すると予測される。この場合、ネットワーク上のショッピングモールに出店しているストア等に商品の注文が頻繁に行われ、ストアから商品が発送されるため、それに伴い配送量が増加する。なお、このような状況は、国などの比較的広い地理的範囲で起こることもあれば、より細かい範囲(日本でいえば、都道府県や市区町村の単位など)で生じる場合もある。
【0020】
そこで、実施形態に係る予測装置100は、ネットワーク上のユーザの行動情報であって、所定領域と対応付けられた行動情報を取得し、取得した情報に基づいた予測処理を行うことにより、当該所定領域において発生する配送量を予測することが可能となる。例えば、予測装置100は、過去のバズワードの検索数の増加率と、かかるバズワードに関連する商品の売行き(もしくは配送量)に基づいて、新たに、あるキーワードがバズワードとなった際の配送量の増加率を予測するためのモデルを生成する。例えば、予測装置100は、ユーザの行動情報を継続的に取得し、取得した情報をモデルに入力し、所定領域における配送量を予測する。これにより、予測装置100は、当該所定領域において発生すると想定される配送量を事前に把握することができるため、必要な配送リソースに関する情報を事前に配送業者に提供するなど、所定領域における物流全体の効率化を図ることができる。以下、
図1を用いて、実施形態に係る予測処理について流れに沿って説明する。なお、
図1の例では、予測装置100は、過去のデータを利用し、配送量を予測するモデルを既に生成しているものとする。
【0021】
図1に示す例において、領域60に所在するユーザは、ウェブサーバ30が提供する各種サービスを利用する。すなわち、ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従い、ウェブサーバ30にアクセスする。なお、
図1の例では図示を省略しているが、ユーザやユーザ端末10は複数存在し、実施形態に係る予測処理を行うのに充分な量の情報が得られるほどの相当数のアクセスを行っているものとする。
【0022】
例えば、ユーザは、ウェブサーバ30が提供する検索サービス等のサービスを利用する(ステップS11)。なお、ユーザは、ウェブサーバ30が提供するショッピングモール等のショッピングサービスを利用してもよいし、SNS等のサービスを利用してもよい。
【0023】
ウェブサーバ30は、ユーザ端末10から送信される各種情報を取得する。例えば、ウェブサーバ30は、検索サービスにおいてユーザから入力されたクエリに関する情報を取得する。また、ウェブサーバ30は、ショッピングモール等のストアにおいてユーザが所定の商品を注文したことを示す情報を取得する。また、ウェブサーバ30は、ユーザから投稿されるテキストデータ等を取得してもよい。ユーザから投稿される情報とは、例えば、SNSへの書き込みや、メッセージアプリへのメッセージの投稿や、送信したメール等が含まれる。
【0024】
このとき、ウェブサーバ30は、アクセスしてくるユーザが所在する領域を判定し、所在する領域に関する情報を取得するものとする。例えば、ウェブサーバ30は、提供するサービスにおいてユーザがユーザ登録を行っている場合には、ユーザから登録された住所情報に基づいて、ユーザの所在領域を判定する。また、ウェブサーバ30は、アクセスしたユーザ端末10のIPアドレスに基づいて、ユーザが所在する領域を判定してもよい。また、ウェブサーバ30は、ユーザ端末10がGPS(Global Positioning System)等の位置情報取得機能を有している場合には、かかる位置情報を取得することで、ユーザが所在する領域を判定してもよい。この場合、ウェブサーバ30は、取得した位置情報と地図情報とを照合するための所定の地図データ等を有しているものとする。なお、予測処理に用いられる領域は、予測装置100によって任意に定義されていてもよいし、例えば、公的に定められている領域(例えば、市区町村等)であってもよい。また、所定領域に対応付けられた行動情報とは、必ずしも配送がおこなわれる領域にユーザが所在するということを意味しない。例えば、所定領域に対応付けられた行動情報とは、所定領域に所在するストアに注文する行動等が含まれる。この場合、ユーザは、必ずしも所定領域に所在する必要はなく、遠方から注文を行ってもよい。このように、所定領域に対応付けられた行動情報とは、ユーザの所在を必ずしも意味せず、配送がおこなわれる領域と何らかの関連のある、ユーザがとった様々な行動に関する情報が含まれる。
【0025】
予測装置100は、ウェブサーバ30から、上記のような、地図上の領域と対応付けられた行動情報を取得する(ステップS12)。例えば、予測装置100は、行動情報の取得要求をウェブサーバ30に送信し、取得要求に応答したウェブサーバ30から、地図上の領域と対応付けられた行動情報を取得する。
【0026】
そして、予測装置100は、取得した行動情報に基づいて、処理対象とする領域(
図1の例では、領域60)における配送量を予測する(ステップS13)。詳細は後述するが、予測装置100は、例えば、領域60において、所定の商品の注文数や、所定のキーワードの検索数や検索数の増加率、所定のキーワードの投稿数や投稿数の増加率等に基づいて、領域60における所定時間後(例えば24時間後)の配送量を予測する。
【0027】
続けて、予測装置100は、予測した配送量を配送業者装置50に提供する(ステップS14)。このとき、予測装置100は、予測した配送量に対応する配送リソースに関する情報等をあわせて提供してもよい。配送業者装置50は、予測装置100から提供された情報に基づいて、配送量に応じた配送リソースを準備する(ステップS15)。具体的には、配送業者装置50は、領域60の所定拠点(例えば配送センターや倉庫)における人員を増加したり、領域60で運行する車両を増加したりする。
【0028】
このように、実施形態に係る予測装置100は、ユーザの行動情報であって、所定領域と対応付けられた行動情報を取得し、取得した行動情報に基づいて、商取引の対象となる商品の配送量であって、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0029】
すなわち、実施形態に係る予測装置100は、ネットワーク上で行われるユーザの検索行動や、注文行動や、SNSへの投稿等の傾向に基づいて、ある地図上の領域で発生しうる配送量を予測する。言い換えれば、予測装置100は、配送業者のみでは知り得ない世の中のトレンドやユーザの興味関心等の動向を、配送量という指標値に変換して、配送業者に提供することができる。これにより、予測装置100は、所定領域における物流全体の効率化を図ることができる。以下、上記の処理を行う予測装置100、及び、予測装置100を含む予測システム1の構成等について詳細に説明する。
【0030】
〔2.予測システムの構成〕
図2を用いて、実施形態に係る予測装置100が含まれる予測システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る予測システム1の構成例を示す図である。
図2に例示するように、実施形態に係る予測システム1には、ユーザ端末10と、ウェブサーバ30と、配送業者装置50と、予測装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークN(例えば、インターネット)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、予測システム1が含む装置の数は
図2に示した数に限られず、例えば、予測システム1には複数台のユーザ端末10等が含まれてもよい。
【0031】
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等の情報処理装置である。ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、ウェブサーバ30にアクセスし、ウェブサーバ30からコンテンツ(例えばウェブページ)を取得する。そして、ユーザ端末10は、取得したウェブページを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。
【0032】
ウェブサーバ30は、ユーザ端末10からアクセスされた場合に、各種ウェブページを提供するサーバ装置である。例えば、ウェブサーバ30は、検索サービスや、ショッピングサービスや、SNSに関するウェブページを提供する。また、ウェブサーバ30が提供するウェブページはこの例に限られず、ウェブサーバ30は、例えば、ニュースサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを提供してもよい。
【0033】
また、ウェブサーバ30は、各ウェブサイトを介して、ネットワーク上におけるユーザの行動情報を取得してもよい。ネットワーク上における行動情報は、例えば、検索サイトにおけるクエリに関する情報や、ショッピングサイトにおける注文や購買行動や、ユーザから投稿されるレビューに関する情報や、ユーザがSNSサイトに投稿するテキストデータ等の情報を含む。
【0034】
配送業者装置50は、配送業者によって利用されるサーバ装置である。配送業者装置50は、例えば、ユーザからストアに商品の注文が行われた場合に、ストアから商品の発送の依頼を受け付ける。また、配送業者装置50は、商品の物流に関する情報を予測装置100に提供する。
【0035】
予測装置100は、上述のように、ユーザの行動情報であって、所定領域と対応付けられたユーザの行動情報を取得し、取得した行動情報に基づいて、当該所定領域で発生する商品の配送量を予測するサーバ装置である。なお、予測装置100は、ウェブサーバ30としての構成を兼ねてもよい。すなわち、予測装置100は、予測装置100自身が検索サービスやショッピングモールサイトを提供し、また、検索サービスに関する行動情報やショッピングモールサイトに関する行動情報等を取得してもよい。
【0036】
なお、予測装置100は、ユーザの行動情報についてウェブサーバ30から提供を受けてもよいし、例えば、ネットワーク上をクロール(crawl)して情報を取得する所定のプログラム等を利用して、行動情報を継続的に取得してもよい。
【0037】
〔3.予測装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る予測装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る予測装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、予測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、予測装置100は、予測装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0038】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、通信ネットワークと有線又は無線で接続され、通信ネットワークを介して、ユーザ端末10等との間で情報の送受信を行う。
【0039】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、配送履歴記憶部121と、モデル記憶部122と、行動情報記憶部123と、提供情報記憶部124とを有する。以下、各記憶部について順に説明する。
【0040】
(配送履歴記憶部121について)
配送履歴記憶部121は、ユーザの行動情報と物流に関する情報(例えば配送量)との関係を示す履歴情報を記憶する。例えば、予測装置100は、ネットワークNを介してウェブサーバ30や配送業者装置50から各種情報を取得し、取得した情報を継続的に配送履歴記憶部121に格納し続ける。予測装置100は、履歴情報を処理に利用する場合、適宜、配送履歴記憶部121から履歴情報を取得する。ここで、
図4に、実施形態に係る配送履歴記憶部121の一例を示す。
図4に示すように、配送履歴記憶部121は、「履歴情報ID」、「集計期間」、「対象領域」、「配送履歴情報」といった項目を有する。また、「配送履歴情報」の項目は、「商品ID」、「関連キーワード情報」、「検索増加率」、「キーワード出現増加率」、「配送増加率」、「配送量情報」といった小項目を含む。
【0041】
「履歴情報ID」は、履歴情報を識別する識別情報を示す。なお、本明細書では、
図4に示すような識別情報を、説明で用いる参照符号として用いる場合がある。例えば、履歴情報ID「B01」によって識別される履歴情報を、「履歴情報B01」と表記する場合がある。
【0042】
「集計期間」は、行動情報と配送量とを集計した期間の長さを示す。なお、
図4での図示は省略しているが、集計期間の項目には、行動情報と配送量とを集計した具体的な日時が記憶されてもよい。「対象領域」は、配送履歴情報及び行動情報が集計された領域を示す。
【0043】
「配送履歴情報」は、過去のユーザの行動情報と物流に関する情報との関係を示す情報を示す。
図4の例では、配送履歴情報は、ウェブサーバ30が提供するショッピングモールサイトにおいて取り扱われる商品ごとに生成される。
【0044】
「商品ID」は、商品を識別する識別情報を示す。なお、
図4で示す商品とは、ある一つのサービス(例えばショッピングモールサイト)における商品の情報であってもよいし、同一の商品であって、他のショッピングサイト等で取り扱われている商品を合算した情報であってもよい。
【0045】
「関連キーワード情報」は、商品と関連するキーワードを示す。商品と関連するキーワードとは、そのキーワードによって商品が連想されたり、キーワードによって商品の売行きが喚起されたりするキーワードをいう。例えば、商品と関連するキーワードは、商品とともに検索サジェストに登場する単語や、SNS等のメッセージや所定のドキュメントにおいて商品名と共起して登場する単語や、所定の知識データベースにおいて商品と関連付けられた単語等である。所定の知識データベースにおいて商品と関連付けられた単語は、例えば、商品を宣伝した芸能人の名称や、商品のキャッチコピーとして使用された語句や、商品の競合商品や、商品を開発したメーカー等が該当する。また、予測装置100は、知識データベースを利用して、例えば「風邪」というキーワードに対して「マスク」という商品を関連付けるなど、商品の関連キーワード情報を適宜生成してもよい。また、予測装置100は、あるキーワードの検索増加率が極めて高い場合に、その所定時間後に極めて注文数が増加した商品等を抽出し、抽出した商品とキーワードとを関連付ける処理等を行ってもよい。また、予測装置100は、商品と関連キーワード情報とを対応付けた情報を保持するデータテーブルを、配送履歴記憶部121とは別に、記憶部120内に有していてもよい。なお、
図4では、「関連キーワード情報」に記憶される情報を「K01」のように概念的に表記しているが、実際には、当該項目には、具体的なキーワード又はキーワード群が記憶される。
【0046】
「検索増加率」は、関連キーワード情報に含まれるキーワードをクエリとして検索された回数が、直近24時間において増加した割合を示す。「キーワード出現増加率」は、関連キーワード情報に含まれるキーワードのSNS等における出現回数が、直近24時間において増加した割合を示す。
【0047】
「配送増加率」は、ある期間において、商品の配送量が増加した割合を示す。なお、配送増加率は、例えば、集計期間のさらに後の期間において集計された情報であってもよい。例えば、配送増加率は、集計期間の直後の24時間後や、48時間後や、一週間後等における、24時間中の配送の増加率であってもよい。
【0048】
「配送量情報」は、当該商品が実際に配送された配送量を示す。
図4では、「配送量情報」に記憶される情報を「E01」のように概念的に表記しているが、実際には、当該項目には、配送量の具体的な数値が記憶される。なお、配送量は、どのような単位で示されてもよい。例えば、配送量は、配送業者が実際にユーザに配送した荷物の数で示されてもよいし、ストア等から配送業者に発注が行われた発注数と各商品の体積の合計等で示されてもよいし、配送業者が自社で独自に有する配送量を示す情報であってもよい。また、配送量は、発送の依頼数に対して、配送業者が用意する配送リソースを示す数値等で示されてもよい。すなわち、配送量は、配送業者が配送量を把握することのできる情報であれば、どのような形式で表されてもよい。
【0049】
すなわち、
図4では、配送履歴記憶部121に記憶されるデータの一例として、履歴情報IDが「B01」である履歴情報B01は、集計期間が「24時間」であり、対象領域が「領域60」であることを示している。また、履歴情報B01は、商品ID「C01」で識別される商品C01に関する配送履歴情報を示すものであり、商品C01の関連キーワード情報は「K01」であり、集計期間における検索増加率は「60%」であり、キーワード出現増加率は「30%」であることを示している。また、このような検索増加率等が観測された後の配送増加率は「80%」であり、配送量情報は「E01」であることを示している。
【0050】
なお、
図4での図示は省略するが、配送履歴記憶部121には、上述した情報の他に、配送履歴や商品に関する種々の情報が記憶されてもよい。例えば、配送履歴記憶部121には、集計期間における商品に対するページビュー(Page View)や、商品ページにアクセスしたユニークユーザ数等が記憶されてもよい。
【0051】
(モデル記憶部122について)
モデル記憶部122は、配送量を予測するためのモデルに関する情報を記憶する。ここで、
図5に、実施形態に係るモデル記憶部122の一例を示す。
図5に示すように、モデル記憶部122は、「モデルID」、「学習データ」、「対象領域」といった項目を有する。
【0052】
「モデルID」は、モデルを識別する識別情報を示す。「学習データ」は、モデルを生成するために用いられた学習データを示す。
図5では、「学習データ」に記憶される情報を「F01」のように概念的に表記しているが、実際には、学習データの項目には、モデル生成に用いられた具体的な情報、例えば配送履歴記憶部121に記憶される配送履歴情報が記憶される。「対象領域」は、配送量を予測するモデルが対象とする領域を示す。なお、
図5では、モデルと領域が対応付けられている例を示しているが、モデルは、学習データが対象とした領域とは異なる領域における配送量を予測するために利用されてもよい。
【0053】
すなわち、
図5では、モデル記憶部122に記憶されるデータの一例として、モデルIDが「M01」であるモデルM01は、学習データが「F01」であり、対象領域が「領域60」であることを示している。
【0054】
(行動情報記憶部123について)
行動情報記憶部123は、ユーザの行動情報を記憶する。ここで、
図6に、実施形態に係る行動情報記憶部123の一例を示す。
図6に示すように、行動情報記憶部123は、「集計日」、「対象領域」、「受注情報」、「行動情報」といった項目を有する。また、「行動情報」の項目には、「検索」、「投稿」といった中項目や、「検索情報」、「キーワード」、「変化率」、「投稿情報」、「キーワード」、「変化率」といった小項目を有する。
【0055】
「集計日」は、ユーザの行動情報が集計された日を示す。「対象領域」は、ユーザの行動情報に対応付けられた領域を示す。「受注情報」は、ウェブサーバ30がユーザから商品を受注した情報を示す。
図6では、「受注情報」に記憶される情報を「G01」のように概念的に表記しているが、実際には、受注情報の項目には、対象領域において商品を発送する各ストアに対してユーザが注文を行った商品の合計数等が記憶される。
【0056】
「行動情報」は、ユーザのネットワーク上の行動に関する情報を示す。「検索」は、行動情報のうち、検索に関するものを示す。「検索情報」は、集計日及び対象領域において、ユーザが行った検索に関する情報を示す。
図6では、「検索情報」に記憶される情報を「H01」のように概念的に表記しているが、実際には、検索情報の項目には、ユーザが検索を行った回数や、ユーザが入力したクエリや、各クエリの入力回数(すなわち検索回数)等が記憶される。
【0057】
「キーワード」は、検索においてクエリとして入力されたキーワードを示す。「変化率」は、直前の集計に対する検索回数の変化率を示す。なお、
図6では、説明のため、変化率が比較的大きなキーワードのみを示しているが、実際には、行動情報記憶部123には、ユーザが検索した全てのキーワードと、その検索回数が記憶される。
【0058】
「投稿」は、行動情報のうち、投稿に関するものを示す。「投稿情報」は、集計日及び対象領域において、ユーザが行った投稿に関する情報を示す。
図6では、「投稿情報」に記憶される情報を「J01」のように概念的に表記しているが、実際には、投稿情報の項目には、ユーザがSNSに投稿を行ったテキストデータや、ショッピングモールサイトに投稿したレビューのテキストデータや、送信したメールのテキストデータ等、また、それらのテキストデータを形態素解析し、含まれるキーワードを抽出した単語情報が記憶される。なお、予測装置100は、テキストデータから抽出する単語として、例えば、tf−idf(Term Frequency−Inverse Document Frequency)など、一つのテキストデータに出現する各単語をスコアリングするアルゴリズムを利用し、重みの高い単語のみを抽出するようにしてもよい。
【0059】
「キーワード」は、投稿において出現するキーワードを示す。「変化率」は、直前の集計に対するキーワードの出現回数の変化率を示す。なお、
図6では、説明のため、変化率が比較的大きなキーワードのみを示しているが、実際には、行動情報記憶部123には、ユーザが投稿した全てのキーワードと、その出現回数が記憶される。
【0060】
すなわち、
図6では、行動情報記憶部123に記憶されるデータの一例として、集計日「2017年8月3日」に、対象領域「領域60」に対応付けられる行動情報は、受注情報が「G01」であり、検索情報が「H01」であり、投稿情報が「J01」であることを示している。また、例えばキーワード「AAA」は、検索された回数の変化率が「2000%」であり、キーワード「EEE」は、投稿された回数の変化率が「1300%」であることを示している。
【0061】
(提供情報記憶部124について)
提供情報記憶部124は、予測装置100から配送業者に提供する情報を記憶する。ここで、
図7に、実施形態に係る提供情報記憶部124の一例を示す。
図7に示すように、提供情報記憶部124は、「提供情報ID」、「予測日」、「予測配送量」、「増加率」といった項目を有する。
【0062】
「提供情報ID」は、提供情報を識別する識別情報を示す。「予測日」は、配送量の予測の対象となる日を示す。例えば、予測日は、行動情報が集計された日から所定時間後(例えば、24時間後)に対応する日付である。「予測配送量」は、予測日において予測される配送量を示す。
図7では、「予測配送量」に記憶される情報を「N01」のように概念的に表記しているが、実際には、予測配送量の項目には、具体的な数値であって、例えば
図4に示した配送量情報と同じ形式(単位)で表される数値が記憶される。「増加率」は、直前の予測日からの配送量の増加率を示す。
【0063】
すなわち、
図7では、提供情報ID「L01」で識別される提供情報L01は、予測日「2017年8月4日」における予測配送量が「N01」であり、直前の予測日(例えば、2017年8月3日)からの配送量の増加率は「250%」であるという情報を含むことを示している。
【0064】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、予測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(予測プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0065】
実施形態に係る制御部130は、
図3に示すように、取得部131と、生成部132と、予測部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0066】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザの行動情報であって、所定領域と対応付けられた行動情報を取得する。所定領域と対応付けられた行動情報とは、例えば、行動がどの領域で行われたかといった情報が対応付けられている行動情報をいう。また、行動が、どの領域を対象として(例えば、どの領域に所在するストア等に対して)行われたかといった情報が対応付けられている行動情報をいう。具体的には、地図上の所定領域と対応付けられた行動情報とは、当該行動情報の発信元となるユーザ端末10の所在する位置情報や、ユーザ端末10を利用するユーザの住所や居住地、あるいは、商品の配送先や在庫管理場所が所定領域と対応付けられている情報である。
【0067】
例えば、取得部131は、行動情報として、商品を提供する提供者(例えば、ショッピングモールサイトにおけるストアや、オークションサイト等における出品者等)に対する注文であって、所定領域を発送先とする注文に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、所定領域においてユーザが注文した件数や、注文に係る商品の大きさや量等の情報を取得する。例えば、ストア等における注文に関する情報は、かかる情報そのものが、配送量を予測するための要素となりうる。なお、取得部131は、当該注文に係る商品がどのタイミングで発送されるかといった情報を取得してもよい。この場合、後述する予測部133は、発送されるタイミングの日時において商品の配送が行われると推定し、当該日時における配送量を予測する。
【0068】
また、取得部131は、行動情報として、商品に関連する検索行動であって、所定領域に所在するユーザが実行する検索行動に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、所定領域に所在するユーザから行われる検索の回数等を取得する。
【0069】
より具体的には、取得部131は、検索行動に関する情報として、商品に関連するキーワードをクエリとする検索回数の増加率を取得する。例えば、取得部131は、任意の商品に関して、商品名をクエリとする検索の回数や、商品を製造するメーカー名をクエリとする検索の回数や、商品を連想させるキーワード(例えば、検索サジェストにおいて商品名と共起するキーワード)の検索の回数や、その増加率を取得する。
【0070】
また、取得部131は、行動情報として、商品に関連する投稿であって、所定領域に所在するユーザからの投稿に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、所定領域に所在するユーザから行われる商品に関する投稿等が行われた回数等を取得する。なお、商品に関連する投稿とは、例えば、商品名やメーカー名等の関連する単語がメッセージ内に含まれる投稿等をいう。
【0071】
具体的には、取得部131は、投稿に関する情報として、ユーザが作成したメッセージ、ユーザがSNSに投稿したテキスト、ユーザが作成したメール、商取引の場であるプラットフォーム上にユーザが投稿したレビューの少なくともいずれかを取得する。この場合、取得部131は、上述のように、tf−idf等の既知のアルゴリズムを用いて、メッセージやレビューにおいて重みの高い単語(キーワード)のみを取得するようにしてもよい。
【0072】
また、取得部131は、物流に関する情報として、過去に行われた配送の配送量や、配送リソースに関する情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、配送業者装置50から、物流に関する情報を取得する。また、取得部131は、過去に行われた配送の配送量を取得するとともに、当該配送が発生した所定時間前(例えば24時間前)における、ユーザの行動情報を取得してもよい。後述する生成部132は、上記のような、配送量と行動情報との関係性に基づいて、配送量を予測するモデルを生成する。
【0073】
また、取得部131は、商品に対するユーザからの反応の数の推移や、又は、商品に対するPV等、ユーザが直接的に商品に対して興味関心を持ったことを示す情報を取得してもよい。また、取得部131は、ネットワーク上の情報に限らず、例えば、実店舗においてユーザが任意の商品を購入した情報等を取得してもよい。この場合、取得部131は、実店舗におけるレジシステム等を介して、ユーザが購入した商品に関する情報を取得する。取得部131は、取得した情報を、適宜、記憶部120内に格納する。例えば、取得部131は、過去の配送履歴や、過去の行動情報を配送履歴記憶部121に格納する。また、取得部131は、集計するユーザの行動情報を行動情報記憶部123に格納する。
【0074】
なお、取得部131が情報を取得する手法は限定されない。例えば、取得部131は、ウェブサーバ30や配送業者装置50から提供された情報を取得してもよいし、検索エンジン等に用いられる探索ロボットなどのプログラムを利用して、インターネット上をクロールさせることにより、各種情報を随時取得したり、取得した情報を更新したりしてもよい。
【0075】
(生成部132について)
生成部132は、所定領域において発生する配送量を予測するためのモデルを生成する。例えば、生成部132は、取得部131によって取得された行動情報と、当該行動情報が集計されてから所定時間後における配送量の変化(増加率)とに基づいて、行動情報が配送量に与える影響を反映させたモデルを生成する。
【0076】
例えば、生成部132は、任意の商品に関連するキーワードの検索の増加率や、キーワードの増加率に応じて、当該商品の配送量がどのくらい増加するか、あるいは、当該商品の実際の配送量がどのくらいであったかといった関係性を取得する。例えば、生成部132は、取得部131がウェブサーバ30から情報が取得可能な全ての商品について、かかる関係性を生成する。そして、生成部132は、統計処理を用いて、どのくらいの検索増加率やキーワード出現率が観測された場合に、どのくらいの配送量の増加が発生するか、といった関係性を算出式(モデル)として生成する。
【0077】
例えば、生成部132は、上記のようなモデル生成処理を、ウェブサーバ30を利用してユーザへの商品の販売を行うストアであって、所定領域において発送を行うストア(例えば、所定領域に配送倉庫を有するストア)の全てに対して行い、所定領域における商品の配送量を予測するモデルを生成する。
【0078】
なお、生成部132は、上記のような統計的手法に限らず、所定の学習処理等を用いてモデルを生成してもよい。すなわち、予測装置100は、地図上の所定領域と対応付けられたユーザの行動情報と、所定領域で発生する商品の配送量との関係を表すことが可能なモデルであれば、どのようなモデルを生成してもよい。また、生成部132は、検索や投稿等の行動に限らず、例えば
図4や
図5で示した様々なユーザ行動を素性として、モデルを生成してもよい。
【0079】
また、例えば、生成部132は、配送業者によって過去に所定領域で行われた配送に関する配送量を正例とし、行動情報の各々を素性とした回帰式で学習を行い、モデルを生成してもよい。例えば、生成部132は、下記式(1)を作成する。
【0080】
y = ω
1・x
1 + ω
2・x
2 + ω
3・x
3 ・・・+ ω
N・x
N ・・・(1)(Nは任意の数)
【0081】
上記式(1)は、例えば、所定領域ごとに生成される。上記式(1)において、「y」は、配送業者装置50から取得した実際の配送量が代入される。また、上記式(1)において、「x」は、ユーザの行動に関する情報(素性)であり、これらは回帰式における説明変数に対応する。また、上記式(1)において、「ω」は、「x」の係数であり、所定の重み値を示す。具体的には、「ω
1」は、「x
1」の重み値であり、「ω
2」は、「x
2」の重み値であり、「ω
3」は、「x
3」の重み値である。このように、上記式(1)は、行動情報から抽出された特徴情報に対応する説明変数「x」と、所定の重み値「ω」とを含む変数(例えば、「ω
1・x
1」)を組合せることにより作成される。例えば、上記式(1)において、「x
1」は、
図4で示した「検索増加率」であり、「x
2」は、
図4で示した「キーワード出現増加率」である。
【0082】
生成部132は、所定領域ごと、また、集計期間ごとに上記式(1)を生成する。そして、生成部132は、生成した式を機械学習のサンプルとする。そして、生成部132は、サンプルとなる式の演算処理(回帰学習)を行うことにより、所定の重み値「ω」に対応する値を導出する。すなわち、生成部132は、上記式(1)を満たすような所定の重み値「ω」を決定する。言い換えれば、生成部132は、所定の説明変数が目的変数「y」に与える影響を示す重み値「ω」を決定することができる。例えば、「所定領域における配送量」という事象に対して、「検索増加率」が他の変数と比較して大きく寄与しているのであれば、「検索増加率」に対応する重み値「ω
1」の値は、他の変数と比較して大きな値が算出される。
【0083】
なお、上記の例では、検索増加率やキーワード出現増加率等を素性として示したが、これらの値は、所定の処理により、説明変数として用いられるように変換されてもよい。例えば、生成部132は、既知の手法により、これらの数値を正規化して用いてもよい。また、上記式(1)を用いた生成処理では、左辺を「1」や「0」そのものとするのではなく、所定の誤差を想定し、かかる誤差との差異を2乗した値が最小値となるよう近似する最小二乗法などの手法を用いて、「ω」の最適解を算出してもよい。また、生成部132は、実際の配送量を正例とするのではなく、所定領域から発送を行うストアにおいて実際に出荷した商品数を正例とするなど、種々の設計変更を行ってもよい。
【0084】
なお、上記の例では表記を省略したが、生成部132は、あらゆる行動情報を素性としてモデルを生成してもよい。また、例示したモデルの生成手法は一例であり、生成部132が生成するモデルは上記の例に限られない。すなわち、生成部132は、行動情報と配送量との関係性を示すモデルであって、新たに集計された行動情報が入力された場合に、所定時間後の所定領域における配送量を出力するモデルであれば、既知の手法を組み合わせることによって、上記例とは異なるモデルを適宜生成してもよい。例えば、上記の例では、回帰分析によってモデルを生成する例を示したが、生成部132は、他の統計的処理によりモデルを生成してもよいし、また、ニューラルネットワークを利用したモデル等を生成してもよい。また、学習処理(機械学習)においては、線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、決定木、ハザード分析等の種々の手法が利用されてもよい。そして、生成部132は、生成したモデルをモデル記憶部122に格納する。
【0085】
(予測部133について)
予測部133は、取得部131によって取得された行動情報に基づいて、商取引の対象となる商品の配送量であって、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0086】
例えば、予測部133は、行動情報として、商品を提供する提供者に対する注文であって、所定領域を発送先とする注文に関する情報が取得された場合には、かかる情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。この場合、予測部133は、生成部132によって生成されたモデルを用いずに配送量を予測してもよい。すなわち、予測部133は、ストア等に注文され、予測日において発送されることが予定されている商品の数や容量や体積等に基づいて、配送量を予測してもよい。
【0087】
また、予測部133は、行動情報として、商品に関連する検索行動であって、所定領域に所在するユーザが実行する検索行動に関する情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。例えば、予測部133は、集計された検索情報を生成部132が生成したモデルに入力することにより、検索情報が集計されてから所定時間後において発生する配送量を予測する。
【0088】
具体的には、予測部133は、検索行動に関する情報として、商品に関連するキーワードをクエリとする検索回数の増加率に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。これにより、予測部133は、例えばバズワードなど、急激にトレンドになったキーワードが、所定時間後の配送にどのような影響を与えるかを精度よく反映して、配送量を予測することができる。
【0089】
また、予測部133は、行動情報として、商品に関連する投稿であって、所定領域に所在するユーザからの投稿に関する情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。例えば、予測部133は、集計された投稿情報を生成部132が生成したモデルに入力することにより、投稿情報が集計されてから所定時間後において発生する配送量を予測する。
【0090】
具体的には、予測部133は、投稿に関する情報として、ユーザが作成したメッセージ、ユーザがSNSに投稿したテキスト、ユーザが作成したメール、商取引の場であるプラットフォーム上にユーザが投稿したレビューの少なくともいずれかを取得し、取得した情報に含まれるキーワードであって、商品に関連するキーワードの出現回数又は出現率に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0091】
なお、予測部133は、生成部132によって生成されたモデルを用いて予測を行う場合、モデルから出力されたスコアに基づいて、所定領域の配送量を算出する。予測部133は、出力されたスコアそのものを所定領域において予測される配送量としてもよいし、出力されたスコアを正規化する等の処理を行い、処理後に算出された値を予測される配送量としてもよい。予測部133は、予測した配送量に関する情報を提供情報記憶部124に格納する。なお、予測部133は、所定領域における商品全体の配送量を予測してもよいし、個々の商品に係る配送量を予測してもよい。
【0092】
(提供部134について)
提供部134は、予測部133によって予測された配送量を、所定領域で商品の配送を行う配送業者に提供する。
【0093】
また、提供部134は、予測部133によって予測された配送量に基づいて、配送業者が所定領域において備える配送リソースに関する情報を提供する。例えば、提供部134は、過去に配送業者が所定領域において備えていた配送リソースに関する情報と配送量との関係に基づいて、予測した配送量に対して、どのくらいの配送リソースを備えればよいかといった情報を配送業者に提供する。
【0094】
なお、提供部134は、配送業者のみならず、ストア等のサービス側に予測した配送量を提供してもよい。これにより、サービス側は、所定時間内に注文が増加すること等を事前に把握することができるので、例えば、出荷し易いように商品を予め準備したり、倉庫で働くアルバイト人員を多めに準備したりすることができる。
【0095】
〔4.処理手順〕
次に、
図8及び
図9を用いて、実施形態に係る予測装置100による予測処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る予測装置100による処理手順を示すフローチャート(1)である。
【0096】
図8に示すように、予測装置100は、配送履歴記憶部121から、過去の行動情報と配送量とを取得する(ステップS101)。そして、予測装置100は、取得した情報に基づいて、所定領域における配送量を予測するためのモデルを生成する(ステップS102)。そして、予測装置100は、生成したモデルをモデル記憶部122に格納する(ステップS103)。
【0097】
次に、
図9を用いて、実施形態に係る予測装置100による配送量の予測処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る予測装置100による処理手順を示すフローチャート(2)である。
【0098】
図9に示すように、予測装置100は、処理の対象となる領域における行動情報を取得したか否かを判定する(ステップS201)。予測装置100は、行動情報を取得していない場合には、取得するまで(例えば、集計の所定期間が経過するまで)待機する(ステップS201;No)。
【0099】
一方、行動情報を取得した場合(ステップS201;Yes)、予測装置100は、取得した行動情報をモデルに入力する(ステップS202)。
【0100】
そして、予測装置100は、モデルから出力された情報に基づいて、処理対象の領域における配送量を予測する(ステップS203)。さらに、予測装置100は、予測した配送量を配送業者に提供する(ステップS204)。
【0101】
〔5.変形例〕
上述した実施形態に係る予測装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の予測装置100の他の実施形態について説明する。
【0102】
〔5−1.行動情報以外の情報を用いた予測処理〕
予測装置100は、行動情報のみならず、種々の情報を利用して配送量を予測してもよい。例えば、任意の商品が、所定領域に発信を行うメディア等に報道された場合、かかる商品の売上が増加し、それに伴い、配送量も増加すると想定される。
【0103】
そこで、予測装置100は、過去の報道が配送量に与えた影響を加味したモデルを生成し、生成したモデルを用いて配送量を予測してもよい。すなわち、予測装置100は、所定領域における商品に関する報道情報を取得し、取得した報道情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測してもよい。これにより、予測装置100は、より多様な観点から配送量の予測を行うことができる。
【0104】
〔5−2.他の領域における情報を利用〕
キーワードや商品の流行は、例えば、所定領域から離れた別の領域で発生し、その流行が当該所定領域に伝達してくる場合がある。この場合、予測装置100は、例えば、先に当該キーワードや商品が流行した別の領域における実際の配送量の増加率等を取得し、取得した情報を利用して、当該所定領域における予測処理に利用してもよい。これにより、予測装置100は、予測の精度を向上させることができる。
【0105】
〔5−3.モデルに入力するデータ〕
上述した実施形態において、予測装置100は、生成したモデルに行動情報を入力して、配送量を予測する例を示した。ここで、予測装置100は、モデルを生成するために用いられた情報と、モデルに入力される行動情報との取得時期を対応させるようにしてもよい。
【0106】
予測装置100が取得する情報は、ショッピングモール等の商取引サイト等に関連する情報が含まれるため、時期的影響を受けた情報となる可能性がある。例えば、年末など取引が盛んに行われる時期と、それ以外の時期とでは、ストアごとの発送件数等に差が生じる可能性がある。このため、予測装置100は、モデルを生成するために情報を取得した時期を記憶し、処理対象となる行動情報を入力する場合には、モデルの生成に用いられた情報が取得された時期と類似する時期に取得された情報を入力する。これにより、予測装置100は、出力されるスコアの時期的影響を加味した予測処理を行うことができる。
【0107】
また、予測装置100は、行動情報を、曜日ごと又は気象(例えば、天気や気温)ごとに取得してもよい。また、予測装置100は、過去の配送量を、曜日ごと又は気象ごとに取得してもよい。そして、予測装置100は、曜日情報や気象情報を素性として、モデルの生成処理や、配送量の予測処理を行ってもよい。すなわち、配送量は、時期的要因とともに、曜日による要因や、気象による要因によっても変化すると想定される。予測装置100は、このような曜日情報や気象情報を含む行動情報や配送量情報を取得し、処理に利用することによって、より予測の精度を向上させることができる。
【0108】
〔5−4.情報量〕
上記実施形態において、予測装置100は、ネットワーク上で取得可能な種々の情報に基づいて、モデルを生成する例を示した。ここで、予測装置100は、各種ウェブサイトを利用する一般ユーザから取得される情報が一定の閾値を超えたもののみを用いて処理を行うようにしてもよい。
【0109】
例えば、あるストアにおける商品に関するレビューや、ユーザの投稿等は、一定数以上のデータに基づかない場合、偏った傾向を示すことがありうる。この場合、回帰式に偏った傾向のデータの影響が及ぶため、予測装置100は、配送量を精度よく算出することができないモデルを生成する場合がある。このため、予測装置100は、例えば、ある商品に対してユーザから送信されたレビューの総数が一定数を超えたもののみを、モデルの予測処理で扱うデータとしてもよい。これにより、予測装置100は、信頼性の高い予測結果を出力するモデルを生成することができる。
【0110】
〔5−5.情報のバリエーション〕
上記実施形態において、予測装置100は、ショッピングモール等に投稿されるユーザレビュー等に基づいてモデルを生成する例を示した。ここで、予測装置100が扱う情報のバリエーションに関して、より詳細に説明する。
【0111】
例えば、予測装置100は、ユーザレビューに含まれる情報として、取得された単語を形態素解析し、品詞ごとに集計された情報を取得してもよい。具体的には、予測装置100は、名詞のカテゴリを人、物、場所等へ分類した集計結果を取得する。また、予測装置100は、各単語がポジティブ属性を有するか、ネガティブ属性を有するかといった分類結果や、メッセージが対話形式である場合、かかる対話の意図判定などの判定結果を取得してもよい。
【0112】
また、予測装置100は、ユーザから送信される音声情報を、投稿情報の一例として取得してもよい。すなわち、予測装置100は、音声検索や音声入力などを利用するユーザから送信される音声を音声認識することにより、投稿情報に対応するテキストデータとして取得してもよい。
【0113】
また、予測装置100は、取得された単語に関して、特定の品詞のみを抽出してもよい。例えば、予測装置100は、名詞や形容詞など、商品に関連すると想定される品詞のみを処理に用いてもよい。これにより、予測装置100は、生成するモデルの精度を低下させずに、処理負担を軽減させることができる。
【0114】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0115】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0116】
例えば、
図3に示した記憶部120内の情報は、予測装置100が保持せずに、外部のストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、予測装置100は、ストレージサーバにアクセスすることで、格納されている各種情報を取得する。
【0117】
また、例えば、上述してきた予測装置100は、各種情報を取得したり、ストアの配送量の算出要求を受け付けたりといった、外部装置とのやりとりを主に実行するフロントエンドサーバ側と、予測処理などを実行するバックエンドサーバ側とに分散されてもよい。この場合、例えばフロントエンドサーバは、少なくとも、取得部131と提供部134とを有する。また、バックエンドサーバは、少なくとも、生成部132と予測部133とを有する。
【0118】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る予測装置100や、ユーザ端末10や、ウェブサーバ30や、配送業者装置50等は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、予測装置100を例に挙げて説明する。
図10は、予測装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0119】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0120】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2に示すネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0121】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0122】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0123】
例えば、コンピュータ1000が予測装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0124】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る予測装置100は、取得部131と、予測部133とを有する。取得部131は、ユーザの行動情報であって、所定領域と対応付けられた行動情報を取得する。予測部133は、取得部131によって取得された行動情報に基づいて、商取引の対象となる商品の配送量であって、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0125】
このように、実施形態に係る予測装置100は、ユーザの行動情報を処理に用いることで、配送業者のみでは知り得ない、世の中のトレンドやユーザの興味関心等の動向に基づいて、所定領域の配送量を予測することができる。これにより、予測装置100は、所定領域の配送量を精度よく予測できるので、所定領域における物流全体の効率化を図ることができる。
【0126】
また、取得部131は、行動情報として、商品を提供する提供者に対する注文であって、所定領域を発送先とする注文に関する情報を取得する。予測部133は、注文に関する情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0127】
このように、実施形態に係る予測装置100は、ユーザからストア等に対して行われた注文に基づいて配送量を予測することで、精度よく配送量を予測することができる。
【0128】
また、取得部131は、行動情報として、商品に関連する検索行動であって、所定領域に所在するユーザが実行する検索行動に関する情報を取得する。予測部133は、検索行動に関する情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0129】
このように、実施形態に係る予測装置100は、ユーザの消費行動が反映されると想定される検索行動に基づいて予測を行うことで、精度よく配送量を予測することができる。
【0130】
また、取得部131は、検索行動に関する情報として、商品に関連するキーワードをクエリとする検索回数の増加率を取得する。予測部133は、検索回数の増加率に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0131】
このように、実施形態に係る予測装置100は、例えばバズワード等が生じた場合に、当該バズワードに関連する商品がどのくらい売れることにより、どのくらいの配送量が発生するかといった、世の中の動きに合わせた予測処理を行うことができる。
【0132】
また、取得部131は、行動情報として、商品に関連する投稿であって、所定領域に所在するユーザからの投稿に関する情報を取得する。予測部133は、投稿に関する情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0133】
このように、実施形態に係る予測装置100は、ユーザの興味関心が反映されると想定される投稿行動に基づいて予測を行うことで、精度よく配送量を予測することができる。
【0134】
また、取得部131は、投稿に関する情報として、ユーザが作成したメッセージ、ユーザがSNSに投稿したテキスト、ユーザが作成したメール、商取引の場であるプラットフォーム上にユーザが投稿したレビューの少なくともいずれかを取得する。予測部133は、取得部131によって取得された情報に含まれるキーワードであって、商品に関連するキーワードの出現回数又は出現率に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0135】
このように、実施形態に係る予測装置100は、頻繁にユーザから発せられるメッセージに含まれるキーワードに基づいて予測を行うことで、世の中の動きに合わせた予測処理を行うことができる。
【0136】
また、取得部131は、所定領域における商品に関する報道情報を取得する。予測部133は、報道情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0137】
このように、実施形態に係る予測装置100は、ユーザの行動情報に加えて、報道があった場合に生じる配送量を予測することで、多様な観点から配送量を予測することができる。
【0138】
また、実施形態に係る予測装置100は、予測部133によって予測された配送量を、所定領域で商品の配送を行う配送業者に提供する提供部134をさらに備える。
【0139】
このように、実施形態に係る予測装置100は、予測した情報を配送業者に提供することで、事前に配送量を配送業者に伝達することができるので、所定領域における配送処理を効率よく行わせることができる。
【0140】
また、提供部134は、予測部133によって予測された配送量に基づいて、配送業者が所定領域において備える配送リソースに関する情報を提供する。
【0141】
このように、実施形態に係る予測装置100は、配送リソースに関する情報も含めて提供することで、例えば、配送業者に対して、拠点における人員を多めに配置させるなど、配送処理のより一層の効率化を図ることができる。
【0142】
また、取得部131は、曜日情報又は気象情報を含む行動情報を取得する。予測部133は、取得部131によって取得された曜日情報又は気象情報を含む行動情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0143】
このように、実施形態に係る予測装置100は、曜日や気象(天気など)を加味した予測を行うことにより、精度よく配送量を予測することができる。
【0144】
また、実施形態に係る予測装置100は、所定領域における過去の配送量と、過去のユーザの行動情報の履歴とに基づいて、当該所定領域における配送量を予測するためのモデルを生成する生成部132をさらに備える。予測部133は、生成部132によって生成されたモデルに、取得部131によって取得された行動情報を入力することによって、所定領域で発生する配送量を予測する。
【0145】
このように、実施形態に係る予測装置100は、過去の履歴に基づいて予測モデルを生成し、モデルを用いて予測を行うことで、精度よく配送量を予測することができる。
【0146】
以上、本願の実施形態及び実施形態の変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0147】
また、上述した予測装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0148】
また、特許請求の範囲に記載した「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、生成部は、生成手段や生成回路に読み替えることができる。
【解決手段】本予測装置は、取得部と、予測部とを有する。取得部は、ユーザの行動情報であって、所定領域と対応付けられた行動情報を取得する。予測部は、取得部によって取得された行動情報に基づいて、商取引の対象となる商品の配送量であって、所定領域で発生する配送量を予測する。例えば、取得部は、行動情報として、商品を提供する提供者に対する注文であって、所定領域を発送先とする注文に関する情報を取得する。予測部は、注文に関する情報に基づいて、所定領域で発生する配送量を予測する。