特許第6373500号(P6373500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6373500ガスタービンエンジン内のステージ間シールハウジング最適化システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373500
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジン内のステージ間シールハウジング最適化システム
(51)【国際特許分類】
   F01D 11/02 20060101AFI20180806BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20180806BHJP
   F02C 7/28 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   F01D11/02
   F01D25/00 M
   F02C7/28 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-527181(P2017-527181)
(86)(22)【出願日】2014年8月8日
(65)【公表番号】特表2017-529490(P2017-529490A)
(43)【公表日】2017年10月5日
(86)【国際出願番号】US2014050255
(87)【国際公開番号】WO2016022136
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2017年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジーピン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック エム. ピラピル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン イン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ディ. コヴァック
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−278294(JP,A)
【文献】 特開昭61−152906(JP,A)
【文献】 特開2004−052758(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02468768(GB,A)
【文献】 国際公開第2011/078962(WO,A1)
【文献】 米国特許第06655696(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0109590(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 11/02
F01D 25/00
F02C 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(14)内でステージ間シールハウジング(16)を半径方向で位置決めするシステム(10)であって、
ステージ間シールハウジング(16)の半径方向内面(18)に配置されたシール(12)を有する周方向に延びるハウジング(16)から形成された、ステージ間シールハウジング(16)と、
前記ステージ間シールハウジング(16)から半径方向外方へ延びる少なくとも1つの付勢支持体(28)と、
前記ステージ間シールハウジング(16)の前記半径方向内面(18)を付勢するために前記少なくとも1つの付勢支持体(28)に接続された少なくとも1つのばね(20)と、
前記ガスタービンエンジン(14)の隣接する構成部材と接触した、前記ステージ間シールハウジング(16)の外面(32)の間に延びる少なくとも1つの側部波形ばね(30)と、
を備え
前記少なくとも1つのばね付勢支持体(28)は、遠位端部(78)に少なくとも1つの頭部(76)を有する少なくとも1つの軸(74)を有し、前記頭部(76)は、前記ばね(20)の遠位端部(80)を支持しており、
前記少なくとも1つの軸(74)は、中空であり、ボルト収容キャビティ(68)を形成していることを特徴とするシステム(10)。
【請求項2】
前記ステージ間シールハウジング(16)は、半径方向内側シール面(36)を有し、かつステージ間シールハウジング支持体(42)の第1のフック(40)を収容する上流キャビティ(38)を形成する、軸方向に延びる上流支持アーム(34)と、半径方向内側シール面(46)を有し、かつ前記ステージ間シールハウジング支持体(42)の第2のフック(50)を収容する下流キャビティ(48)を形成する、軸方向に延びる下流支持アーム(44)と、を備える、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記ステージ間シールハウジング支持体(42)は、前記ステージ間シールハウジング(16)の半径方向外側に配置されており、前記ステージ間シールハウジング支持体(42)は、前記ステージ間シールハウジング(16)の上流側(54)に第1のフック(40)を有する第1のアーム(52)を備えており、前記第1のフック(40)は、前記上流キャビティ(38)内に収容され、かつタービン作動中、前記軸方向に延びる上流支持アーム(34)の前記半径方向内側シール面(36)とともにシールするように構成された半径方向外側シール面(56)を有しており、前記ステージ間シールハウジング支持体(42)は、前記ステージ間シールハウジング(16)の下流側(62)に第2のフック(50)を有する第2のアーム(58)を備えており、前記第2のフック(50)は、前記下流キャビティ(48)内に収容され、タービン作動中、前記軸方向に延びる下流支持アーム(44)の前記半径方向内側シール面(46)とともにシールするように構成された半径方向外側シール面(64)を有する、請求項2記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記ステージ間シールハウジング支持体(42)は、前記ステージ間シールハウジング(16)の前記半径方向内面(18)に配置された前記シール(12)における前記ステージ間シールハウジング(16)の側よりも高い圧力で、ステージ間ハウジング収容キャビティ(68)に加圧されたガスを供給するために、該ステージ間ハウジング収容キャビティ(68)と連通した少なくとも1つの入口チャネル(66)をさらに有する、請求項3記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記ステージ間シールハウジング支持体(42)は、前記ステージ間シールハウジング(16)の前記半径方向内面(18)に配置された前記シール(12)における前記ステージ間シールハウジング(16)の側よりも高い圧力で加圧されたガスを排出するために、前記ステージ間ハウジング収容キャビティ(68)と連通した少なくとも1つの出口チャネル(70)をさらに有する、請求項4記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記ボルト収容キャビティ(68)を通ってボルト(84)が延びており、該ボルト(84)の近位端部(86)が前記ステージ間シールハウジング(16)に接続されており、前記ボルト(84)の遠位端部(88)は、前記軸(74)の外面に対して当接する頭部(90)を有する、請求項記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのばね(20)の近位端部(92)は、前記ステージ間シールハウジング(16)の半径方向外側に配置されたステージ間シールハウジング支持体(42)に対して当接している、請求項記載のシステム(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの付勢支持体(28)は、前記ステージ間シールハウジング(16)の外面(94)内で中心に置かれている、請求項1記載のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にタービンエンジンに関し、より詳細には、タービンエンジン内の回転部材と、半径方向で隣接する固定部材との間の間隙を減じ、シーリングシステムを通過する漏れを低減することによってタービンエンジン効率を高めるためのシーリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンでは、流体を分離し、かつタービンの効率を維持するために、隣接するタービン構成部材の間の接続部を封止する必要性がしばしば存在する。特に、複数の構成部材の間で低圧領域から高圧領域を分離するためにシールがしばしば必要とされ、この場合、構成部材のうちの一方は静止しており、隣接する構成部材は回転する。例えば、高圧の圧縮機ガスと低圧ガスとを分離するための一般的な位置は、回転するロータアセンブリと、タービンエンジンの作動中に比較的静止状態を保つステータアセンブリとの間である。
【0003】
タービンエンジンの回転部材と固定部材との間に使用される従来のシールは、回転可能なボディから延びる複数の山部を有するラビリンスシールから成る。山部は、まず対向する固定のボディに接触し、固定のボディに溝を切り込むようにサイズ決めされる。使用中に回転可能なボディが回転すると、山部は単に溝内で回転する。山部は、全てのガスではなく一部のガスが、山部と溝との間に形成された間隙を通過することを防止する。すなわち、ラビリンスシールは、漏れを生じやすく、その結果、シールが使用されているタービンエンジンを非効率にする。すなわち、回転可能なタービン構成部材と固定のタービン構成部材との間の開口をシール可能なタービンシールが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ガスタービンエンジンの作動中にステージ間シールの位置を調節してシールの効率を高めるステージ間シールシステムが開示される。ステージ間シールシステムは、ステージ間シールハウジングの半径方向内面に配置されたシールを有する周方向に延びるハウジングから形成された、ステージ間シールハウジングを備えてもよい。ステージ間シールハウジングは、ステージ間シールハウジングの半径方向内面を外方へ付勢するために1つまたは複数のばねを介して半径方向外方へ付勢されていてもよい。ステージ間シールハウジングは、ステージ間ハウジング収容キャビティに位置していてもよい。キャビティには、タービンエンジン作動中、ステージ間シールハウジングの他方の側よりも高い圧力でガスが供給されてもよい。これにより、半径方向内方へ向けられた高圧力が、半径方向外方へ向けられたばね付勢力に打ち勝つと、ステージ間シールハウジングは、シール内の間隙を閉鎖するように半径方向内方へ押し付けられる。
【0005】
少なくとも1つの実施の形態では、ガスタービンエンジン内でステージ間シールハウジングを半径方向で配置するシステムは、ステージ間シールハウジングの半径方向内面に配置されたシールを有する周方向に延びたハウジングから形成されたステージ間シールハウジングと、ステージ間シールハウジングから半径方向外方へ延びる1つまたは複数の付勢支持体とを備える。システムは、ステージ間シールハウジングの半径方向内面を付勢するために付勢支持体に接続された1つまたは複数のばねと、ガスタービンエンジンの隣接する構成部材と接触するようにステージ間シールハウジングの外面の間に延びる1つまたは複数の側部波形ばねとを備えてもよい。
【0006】
ステージ間シールハウジングは、半径方向内側シール面を有する軸方向に延びた上流支持アームを備えていてもよく、ステージ間シールハウジング支持体の第1のフックを収容する上流キャビティを形成していてもよい。ステージ間シールハウジングは、半径方向内側シール面を有する軸方向に延びた下流支持アームを備えていてもよく、ステージ間シールハウジング支持体の第2のフックを収容する下流キャビティを形成していてもよい。軸方向に延びる上流支持アームと、軸方向に延びる下流支持アームとは、ステージ間シールハウジングの半径方向内面の半径方向外側に配置されていてもよい。ステージ間シールハウジング支持体は、ステージ間シールハウジングの半径方向外側に配置されていてもよく、ステージ間シールハウジングの上流側における第1のフックを有する第1のアームを備えていてもよい。第1のフックは、上流キャビティ内に収容されてもよく、タービン作動中、軸方向に延びる上流支持アームの半径方向内側シール面とともにシールするように構成された半径方向外側シール面を有していてもよい。ステージ間シールハウジング支持体は、ステージ間シールハウジングの下流側に第2のフックを有する第2のアームを備えていてもよい。第2のフックは、下流キャビティ内に収容されてもよく、タービン作動中、軸方向に延びる下流支持アームの半径方向内側シール面とともにシールするように構成された半径方向外側シール面を有していてもよい。
【0007】
ステージ間シールハウジング支持体は、ステージ間シールハウジングの半径方向内面に配置されたシールにおけるステージ間シールハウジングの側よりも高い圧力で、ステージ間ハウジング収容キャビティに加圧されたガスを供給するために、ステージ間ハウジング収容キャビティと連通した1つまたは複数の入口チャネルを有していてもよい。ステージ間シールハウジング支持体は、ステージ間シールハウジングの半径方向内面に配置されたシールにおけるステージ間シールハウジングの側よりも高い圧力で加圧されたガスを排出するために、ステージ間ハウジング収容キャビティと連通した1つまたは複数の出口チャネルを有していてもよい。
【0008】
ばね付勢支持体は、遠位端部に1つまたは複数の頭部を有する1つまたは複数の軸を有していてもよく、この場合、頭部はばねの遠位端部を支持している。軸は、中空であってもよく、ボルト収容キャビティを形成していてもよい。ボルトは、ボルト収容キャビティを通って延びていてもよく、これにより、ボルトの近位端部がステージ間シールハウジンに接続される。ボルトの遠位端部は、軸の外面に対して当接する頭部を有している。ばねの近位端部は、ステージ間シールハウジングの半径方向外側に配置されたステージ間シールハウジング支持体に対して当接してもよい。付勢支持体は、ステージ間シールハウジングの外面内で中心に置かれてもよい。
【0009】
少なくとも1つの実施の形態では、ステージ間シールハウジングの半径方向内面に配置されたシールは、ステージ間シールハウジングの半径方向内面にラビリンスシールを形成する半径方向内方へ延びる複数のシールアームを有する、周方向に延びるハウジングから形成されていてもよい。ステージ間シールハウジングの半径方向内面に配置された複数のシールアームは、互いに略平行なシールアームであってもよい。ばねは、少なくとも1つの付勢支持体の周囲に同心状に配置されてもよく、ばねは、ステージ間シールハウジングの内面を半径方向外方へ付勢するように構成されている。
【0010】
少なくとも1つの実施の形態では、側部波形ばねは、複数の側部波形ばねから形成されていてもよい。側部波形ばねは、W字形の構成により、ステージ間シールハウジングの外面および隣接する構成部材に複数回接触してもよい。側部波形ばねのW字形の構成は、長手方向軸線に沿って交互のパターンで互いに接続された複数の山部および谷部を有していてもよい。複数の側部波形ばねは、周方向に延びていてもよく、周方向で互いにずらされている。
【0011】
作動中、ステージ間シールハウジングは、ステージ間シールハウジング支持体におけるステージ間ハウジング収容キャビティ内に位置している。ステージ間シールハウジングは、第1のフックがステージ間シールハウジング支持体からステージ間シールハウジングにおける上流キャビティ内へ延び、かつ第2のフックがステージ間シールハウジング支持体からステージ間シールハウジングにおける下流キャビティ内へ延びた状態で、所定の位置に保持されている。ばねは、付勢支持体の頭部を半径方向外方へ押し付けることにより、ステージ間シールハウジングを半径方向外方へ付勢もする。タービンエンジンが作動すると、半径方向内面の半径方向内側のガスよりも高い圧力を有するガスが、入口チャネルを介してステージ間ハウジング収容キャビティ内に配置される。より高い圧力のガスは、ステージ間ハウジング収容キャビティ内に力を生じ、この力は、第1のフックの半径方向外側シール面が、軸方向に延びる上流支持アームの半径方向内側シール面に接触し、かつ第2のフックの半径方向外側シール面が、軸方向に延びる下流支持アームの半径方向内側シール面に接触するまで、ばねの付勢力に打ち勝ち、ステージ間シールハウジングを半径方向内方へ駆動する。
【0012】
ステージ間シールシステムの利点は、この形式でステージ間シールハウジングを配置することにより、設計されたシール特性を提供するための効率的な位置にシールを位置決めすることができるが、早期に故障しないということである。
【0013】
これらの実施の形態およびその他の実施の形態を、以下でさらに詳細に説明する。
【0014】
明細書の一部に組み込まれ明細書の一部を形成する添付の図面は、ここに開示された発明の実施の形態を例示し、詳細な説明と共に発明の原理を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ベーンの半径方向内側でかつブレードの隣接する段の間に配置されたステージ間シールシステムを示す、タービンエンジンの一態様の断面側面図である。
図2】詳細線2−2に沿った、所定の位置におけるステージ間シールハウジング支持体を備えるステージ間シールシステムの断面透視図である。
図3】ステージ間シールハウジング支持体が省略された、ステージ間シールシステムの断面透視図である。
図4】ステージ間シールハウジング支持体に連結されたステージ間シールシステムの断面側面図である。
図5】ステージ間シールシステムの複数の部分の透視図である。
図6図2における断面線6−6に沿った、ステージ間シールハウジング支持体が省略された、ステージ間シールシステムの断面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図6に示すように、シール12の効率を高めるためにガスタービンエンジン14の作動中にステージ間シール12の位置を調節するためのステージ間シールシステム10が開示されている。ステージ間シールシステム10は、ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18に配置されたシール12を有する周方向に延びるハウジングから形成された、ステージ間シールハウジング16を有していてもよい。ステージ間シールハウジング16は、ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18を外方へ付勢するために1つまたは複数のばね20を介して半径方向外方へ付勢されていてもよい。ステージ間シールハウジング16は、ステージ間ハウジング収容キャビティ22に位置していてもよい。キャビティ22には、タービンエンジン作動中、ステージ間シールハウジング16の他方の側24よりも高い圧力でガスが供給されてもよい。これにより、半径方向内方へ向けられた高圧力が、半径方向外方へ向けられたばね付勢力に打ち勝つと、ステージ間シールハウジング16は、シール12内の間隙26を閉鎖するように半径方向内方へ押し付けられる。
【0017】
少なくとも1つの実施の形態では、ステージ間シールシステム10は、ガスタービンエンジン14内にステージ間シールハウジング16を半径方向で配置するように構成されていてもよい。ステージ間シールハウジング16は、ステージ間シールハウジング16の半径方向内面に配置されたシール12を有する、周方向に延びるハウジングから形成されていてもよい。ステージ間シールシステム10は、ステージ間シールハウジング16から半径方向外方へ延びる1つまたは複数の付勢支持体28を有していてもよい。ステージ間シールシステム10は、ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18を付勢するために付勢支持体28に接続された1つまたは複数のばね20を有していてもよい。ステージ間シールシステム10は、ステージ間シールハウジング支持体42であってもよい、ガスタービンエンジン14の隣接する構成部材と接触した、ステージ間シールハウジング16の外面32の間に延びる1つまたは複数の側部波形ばね30を有していてもよい。
【0018】
ステージ間シールハウジング16は、半径方向内側シール面36を有し、かつステージ間シールハウジング支持体42の第1のフック40を収容する上流キャビティ38を形成する、軸方向に延びる上流支持アーム34と、半径方向内側シール面46を有し、かつステージ間シールハウジング支持体42の第2のフック50を収容する下流キャビティ48を形成する、軸方向に延びる下流支持アーム44と、を備えていてもよい。軸方向に延びる上流支持アーム34と、軸方向に延びる下流支持アーム44とは、ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18の半径方向外側に配置されていてもよい。ステージ間シールハウジング支持体42は、ステージ間シールハウジング16の半径方向外側に配置されていてもよく、ステージ間シールハウジング16の上流側54における第1のフック40を備えた第1のアーム52を有する。第1のフック40は、上流キャビティ38内に収容されてもよく、タービン作動中、軸方向に延びる上流支持アーム34の半径方向内側シール面36とともにシールするように構成された半径方向外側シール面56を有していてもよい。ステージ間シールハウジング支持体42は、ステージ間シールハウジング16の下流側62に第2のフック50を備える第2のアーム58も有していてもよい。第2のフック50は、下流キャビティ48内に収容されてもよく、タービン作動中、軸方向に延びる下流支持アーム44の半径方向内側シール面46とともにシールするように構成された半径方向外側シール面64を有していてもよい。
【0019】
ステージ間シールハウジング支持体42は、ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18に配置されたシール12におけるステージ間シールハウジング16の側24よりも高い圧力で、ステージ間ハウジング収容キャビティ22に加圧されたガスを供給するために、ステージ間ハウジング収容キャビティ22と連通した1つまたは複数の入口チャネル66を有していてもよい。入口チャネル66は、半径方向内方へ延びていてもよく、ステージ間シールハウジング16が位置するステージ間ハウジング収容キャビティ68内で終わっていてもよい。入口チャネル66は、あらゆる適切な横断面形状、面積およびサイズを有していてよい。入口チャネル66は、1つのチャネルまたは複数のチャネルから形成されていてもよい。ステージ間シールハウジング支持体42は、ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18に配置されたシール12におけるステージ間シールハウジング16の側24よりも高い圧力で加圧されたガスを排出するために、ステージ間ハウジング収容キャビティ68と連通した1つまたは複数の出口チャネル70を有していてよい。出口チャネル70は、軸方向に延びていてもよく、ステージ間ハウジング収容キャビティ68と連通した入口72を有していてもよい。出口チャネル70は、あらゆる適切な横断面形状、面積およびサイズを有していてよい。出口チャネル70は、1つのチャネルまたは複数のチャネルから形成されていてもよい。
【0020】
ばね付勢支持体28は、遠位端部78に1つまたは複数の頭部76を有する1つまたは複数の軸74を有していてもよい。頭部76は、ばね20の遠位端部80を支持してもよい。軸74は、中空であってもよく、ボルト収容キャビティ82を形成していてもよい。ボルト84は、ボルト収容キャビティ82を通って延びていてもよく、これにより、ボルト84の近位端部86がステージ間シールハウジング16に接続される。ボルト84の遠位端部88は、軸74の外面に対して当接する頭部90を有していてもよい。ばね20の近位端部92は、ステージ間シールハウジング16の半径方向外側に配置されたステージ間シールハウジング支持体42に対して当接してもよい。図5に示すように、付勢支持体28は、ステージ間シールハウジングの外面94内で中心に置かれてもよい。
【0021】
ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18に配置されたシール12は、ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18にラビリンスシールを形成する半径方向内方へ延びる複数のシールアーム100を有する、周方向に延びるハウジングから形成されていてもよい。ステージ間シールハウジング16の半径方向内面18に配置された複数のシールアーム100は、互いに略平行なシールアーム100であってもよい。少なくとも1つの実施の形態では、ばね20は、付勢支持体28の周囲に同心状に配置されていてもよい。ばね20は、ステージ間シール12のハウジングの内面18を方向102で半径方向外方へ付勢するように構成されていてもよい。
【0022】
少なくとも1つの実施の形態では、側部波形ばね30は、複数の側部波形ばね30を含む。側部波形ばね30は、W字形の構成により、ステージ間シールハウジング16の外面32および隣接する構成部材に複数回接触してもよい。側部波形ばね30のW字形の構成は、長手方向軸線108に沿って交互のパターンで互いに接続された複数の山部104および谷部106を有していてもよい。複数の側部波形ばね30は、周方向に延びていてもよく、周方向で互いにずらされていてもよい。
【0023】
作動中、ステージ間シールハウジング16は、ステージ間シールハウジング支持体42におけるステージ間ハウジング収容キャビティ22内に位置している。ステージ間シールハウジング16は、第1のフック40がステージ間シールハウジング支持体42からステージ間シールハウジング16における上流キャビティ38内へ延び、かつ第2のフック50がステージ間シールハウジング支持体42からステージ間シールハウジング16における下流キャビティ48内へ延びた状態で、所定の位置に保持されている。ばね20は、付勢支持体28の頭部76を半径方向外方へ押し付けることによりステージ間シールハウジング16を半径方向外方102へ付勢もする。通常、ステージ間シール12の熱膨張と公差との間のピンチポイントは、タービンエンジン作動の早期段階において達せられる。
【0024】
タービンエンジンが作動すると、半径方向内面18の半径方向内側のガスよりも高い圧力を有するガスが、入口チャネル66を介してステージ間ハウジング収容キャビティ22内に配置される。より高い圧力のガスは、ステージ間ハウジング収容キャビティ22内に力を生じ、この力は、第1のフック40の半径方向外側シール面56が、軸方向に延びる上流支持アーム34の半径方向内側シール面36に接触し、かつ第2のフック50の半径方向外側シール面64が、軸方向に延びる下流支持アーム44の半径方向内側シール面46に接触するまで、ばね20の付勢力に打ち勝ち、ステージ間シールハウジング16を半径方向内方へ駆動する。この形式でステージ間シールハウジング16を配置することにより、設計されたシール特性を提供するための効率的な位置にシール12を配置することができるが、早期に故障しない。
【0025】
上記説明は、本発明を例示、説明および記述するという目的で提供されている。これらの実施の形態に対する変更および適応は、当業者に明らかになるであろうし、本発明の範囲または思想から逸脱することなく成し得るものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6