特許第6373506号(P6373506)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373506
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】フレキシブルディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20180806BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20180806BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   G09F9/00 350Z
   G09F9/30 308A
   G09F9/00 346A
   G09F9/00 348Z
   G02F1/1333
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-534289(P2017-534289)
(86)(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公表番号】特表2018-503866(P2018-503866A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】CN2014095020
(87)【国際公開番号】WO2016101228
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】516013631
【氏名又は名称】シェンジェン ロイオル テクノロジーズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN ROYOLE TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ソンリン
【審査官】 新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−300506(JP,A)
【文献】 特開2010−099122(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0127799(US,A1)
【文献】 特表2006−507543(JP,A)
【文献】 特開2012−085900(JP,A)
【文献】 特開2004−163568(JP,A)
【文献】 特開2005−321702(JP,A)
【文献】 特開2004−279867(JP,A)
【文献】 特開2002−328625(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0362512(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0050075(US,A1)
【文献】 米国特許第05128662(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0040962(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/1333
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に収納される回路基板と、
前記ハウジング内に回転可能に設けられる第一リールと、
前記第一リールに巻き取られることができ、少なくとも一部が前記ハウジング内に収納されるフレキシブルディスプレイスクリーンと、
前記回路基板と前記フレキシブルディスプレイスクリーンを接続し、前記第一リールに巻き取られることができる接続線とを備え、
前記接続線における前記フレキシブルディスプレイスクリーンに接続された部分に、接続部が形成され、
前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記ハウジング外に完全に巻き出された場合、前記接続線における前記接続部からの少なくとも一部が前記第一リールに巻き取られ、
前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記ハウジング内に収納された場合、前記フレキシブルディスプレイスクリーン及び前記接続線が、共に前記第一リールに巻き取られることを特徴とするフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項2】
前記接続部が前記第一リールに固定されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項3】
前記接続線を巻き取るための第二リールを備え、前記第二リールが前記ハウジング内に位置することを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項4】
前記ハウジング内に位置する弾性素子をさらに備え、前記弾性素子は、一端が前記第二リールに接続され、他端が前記ハウジングに固定されることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項5】
前記弾性素子がスプリングであることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項6】
前記接続線がFPCであることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項7】
前記接続線における前記第一リールに巻き取られた長さがπrよりも大きく、rが前記第一リールの半径であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項8】
前記弾性素子に、前記弾性素子の変形量を検出するための検出デイバスが設けられ、或いは、前記第一リールに、前記第一リールの回転量を検出するための検出デイバスが設けられ、
前記検出デイバスが、前記変形量または前記回転量に基づいて、前記フレキシブルディスプレイスクリーンの張り出し量を判定することを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項9】
前記フレキシブルディスプレイスクリーンが巻き出される場合、前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記ハウジングから離れた第一方向へ張り出し、前記第二リールが前記弾性素子の付勢力によって前記第一方向と反対の第二方向へ移動し、前記接続線が前記第二リールの周りに折り曲げられ、ぴんと張られ、
前記フレキシブルディスプレイスクリーンが収納される場合、前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記第一リールに巻き取られ、前記第二方向へ移動し、前記接続線が前記第一リールに巻き取られることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項10】
前記フレキシブルディスプレイスクリーンは、少なくとも一部が前記ハウジング外に設けられることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子技術に関し、特に、フレキシブルディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブルディスプレイ装置は、フレキシブルディスプレイスクリーンが巻き取られて収納される場合、接続線が、リールにつれて回転するため、切れやすい。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来の技術課題の一つを解決するためのものである。このため、本発明は、フレキシブルディスプレイ装置を提供する。
【0004】
本発明の好適な実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、ハウジングと、回路基板と、第一リールと、フレキシブルディスプレイスクリーンと、接続線とを備える。前記回路基板は、前記ハウジング内に収納される。前記第一リールは前記ハウジング内に回転可能に設けられる。前記フレキシブルディスプレイスクリーンは、少なくとも一部が前記ハウジング内に収納される。前記フレキシブルディスプレイスクリーンは、前記第一リールに巻き取られることができる。前記接続線は、前記回路基板と前記フレキシブルディスプレイスクリーンを接続する。前記接続線は、前記第一リールに巻き取られることができる。前記接続線における前記フレキシブルディスプレイスクリーンに接続された部分には、前記接続部が形成される。前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記ハウジング外に完全に巻き出された場合、前記接続線における前記接続部からの少なくとも一部は、前記第一リールに巻き取られる。前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記ハウジング内に収納された場合、前記フレキシブルディスプレイスクリーン及び前記接続線は、共に前記第一リールに巻き取られる。
【0005】
本発明の好適な実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、前記接続線における前記接続部からの一部が常に前記第一リールに巻き取られるため、前記接続部に受けられた力が分散され、それによって、前記接続線が切れにくい。前記接続線は、前記フレキシブルディスプレイスクリーンの張り出しまたは収納の過程において良い接続性を有し、前記フレキシブルディスプレイ装置の信頼性は向上する。
いくつかの実施形態において、前記接続部が前記第一リールに固定される。
【0006】
いくつかの実施形態において、フレキシブルディスプレイ装置は、前記接続線を巻き取るための第二リールを備え、前記第二リールが前記ハウジング内に位置する。
【0007】
いくつかの実施形態において、フレキシブルディスプレイ装置は、前記ハウジング内に位置する弾性素子をさらに備え、前記弾性素子は、一端が前記第二リールに接続され、他端が前記ハウジングに固定される。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記弾性素子がスプリングである。
いくつかの実施形態において、前記接続線がFPCである。
いくつかの実施形態において、前記接続線における前記第一リールに巻き取られた長さがπrよりも大きく、rが前記第一リールの半径である。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記弾性素子に、前記弾性素子の変形量を検出するための検出デイバスが設けられ、或いは、前記第一リールに、前記第一リールの回転量を検出するための検出デイバスが設けられ、前記検出デイバスが、前記変形量または前記回転量に基づいて、前記フレキシブルディスプレイスクリーンの張り出し量を判定する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記フレキシブルディスプレイスクリーンが巻き出される場合、前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記ハウジングから離れた第一方向へ張り出し、前記第二リールが前記弾性素子の付勢力によって前記第一方向と反対の第二方向へ移動し、前記接続線が前記第二リールの周りに折り曲げられ、ぴんと張られる。前記フレキシブルディスプレイスクリーンが収納される場合、前記フレキシブルディスプレイスクリーンが前記第一リールに巻き取られ、前記第二方向へ移動し、前記接続線が前記第一リールに巻き取られる。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記フレキシブルディスプレイスクリーンは、少なくとも一部が前記ハウジング外に設けられる。
本発明の他の態様及び利点は、一部が以下の説明に示され、一部が以下の説明から明らかになり、或いは、本発明の実施からわかる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面を参照しながら実施形態を説明すると、本発明の上記及び/又は他の態様及び利点は、明らかになり、且つ、より良く理解される。
図1図1は、本発明の実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置の平面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置のフレキシブルディスプレイスクリーン及び接続線が完全に巻き出される概略構造図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置のフレキシブルディスプレイスクリーン及び接続線が完全に収納される概略構造図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置が巻き出される概略平面図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置が収納される概略平面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置のフレキシブルディスプレイスクリーン及び接続線の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態については、詳しく説明する。前記実施形態が図面に示され、且つ、図面全体を通して、同様または類似の参照符号が、同様もしくは類似の素子、または同様もしくは類似の機能を有する素子を表す。以下に図面を参照しながら説明される実施形態は、例示的なものであり、本発明を説明するものに過ぎず、本発明を制限するものと見なされない。
【0014】
本明細書において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などは、意味した方位または位置関係が図面に示されたものであり、本発明を便利に説明し且つ説明を簡略化するためのものに過ぎず、ある装置または素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造され、操作される必要があると意味または示唆しないと理解されたいため、本発明を制限するものと見なされない。また、用語「第一」、「第二」は、説明の目的を達成するためのものであり、相対的な重要性を意味または示唆し、或いは、ある技術特徴の数量を間接的に示唆するものと見なされない。このため、「第一」、「第二」によって限定された特徴は、一つまたは複数の前記特徴を明示的にまたは暗黙的に有することができる。本明細書において、特に明記しない限り、「複数」は、二つまたは二つ以上を意味する。
【0015】
本明細書において、特に明記しない限り、用語「装着」、「連接」、「接続」は、広義に理解され、例えば、分離不可能な接続、分離可能な接続、一体の接続であってよく、機械的な接続、電気的な接続であってもよく、直接的な接続、中間媒体を介した接続であってもよく、二つの素子の間の連通、または二つの素子の相互作用の関係であってもよいと留意されたい。当業者にとって、本発明において、上記用語の意味は、前後関係から理解される。
【0016】
本発明において、特に明記しない限り、第一特徴が第二特徴の「上」または「下」に位置するという表現は、第一特徴及び第二特徴が直接接触すると意味してもよく、第一特徴及び第二特徴が直接接触せず、別の特徴を介して接触すると意味してもよい。且つ、第一特徴が第二特徴の「上」、「上方」または「上側」に位置するという表現は、第一特徴が第二特徴の真上または斜め上方に位置すると意味してもよく、或いは、第一特徴の水平レベルが第二特徴の水平レベルよりも高いと意味するに過ぎない。第一特徴が第二特徴の「下」、「下方」または「下側」に位置するという表現は、第一特徴が第二特徴の真下または斜め下方に位置すると意味してもよく、或いは、第一特徴の水平レベルが第二特徴の水平レベルよりも低いと意味するに過ぎない。
【0017】
以下の説明において、様々な実施形態または実施例が提供され、本発明の異なる構造が実現される。本発明の説明を簡略化するために、以下、特定例の部材及び配置が述べられる。言うまでもなく、これらは、例に過ぎず、本発明を制限すると意図しない。また、本発明は、異なる実施例において、参照番号及び/又は参照文字が繰り返し用いられてもよい。この繰り返しは、簡略化及び明瞭のためのものであり、様々な実施例及び/又は配置の間の関係を意味しない。また、本発明は、様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者にとって、他のプロセス及び材料の応用を想到することができる。
図面を参照しながら、本発明の実施例については、一層詳しく説明する。
【0018】
図1〜3を参照すると、本発明の好適な実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置10は、ハウジング12と、回路基板14と、第一リール20と、フレキシブルディスプレイスクリーン16と、接続線18とを備える。回路基板14は、ハウジング12内に収納される。第一リール20はハウジング12内に回転可能に設けられる。フレキシブルディスプレイスクリーン16は、少なくとも一部がハウジング12内に収納される。フレキシブルディスプレイスクリーン16は、第一リール20に巻き取られることができる。接続線18は、回路基板14とフレキシブルディスプレイスクリーン16を接続する。接続線18は、第一リール20に巻き取られることができる。接続線18におけるフレキシブルディスプレイスクリーン16に接続された部分には、接続部220が形成される。フレキシブルディスプレイスクリーン16がハウジング12外に完全に巻き出された場合、接続線18における接続部220からの少なくとも一部は、第一リール20に巻き取られる。フレキシブルディスプレイスクリーン16がハウジング12内に収納された場合、フレキシブルディスプレイスクリーン16及び接続線18は、共に第一リール20に巻き取られる。
【0019】
本発明の好適な実施形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、接続線18における接続部220からの一部が常に第一リール20に巻き取られるため、接続部220に受けられた力が分散され、それによって、接続線18が切れにくい。接続線18は、フレキシブルディスプレイスクリーン16の張り出しまたは収納の過程において良い接続性を有し、フレキシブルディスプレイ装置10の信頼性は向上する。
【0020】
本実施形態において、第一リール20は、フレキシブルディスプレイスクリーン16及び接続線18を巻き取るためのものである。第一リール20は、ハウジング12内に位置する。接続線18及びフレキシブルディスプレイスクリーン16は、接続部220に折り曲げられる。接続部220は円弧状を呈する。接続部220は第一リール20に固定される。接続線18は、フレキシブルディスプレイスクリーン16の一端に接続される。フレキシブルディスプレイスクリーン16の他端は、ハウジング12外に張り出すことができる。接続線18とフレキシブルディスプレイスクリーン16との接続部220には、接続線18及びフレキシブルディスプレイスクリーン16が折り曲げられる。接続線18及びフレキシブルディスプレイスクリーン16は、少なくとも一部が重なり、重畳部22を形成する。重畳部22は、第一リール20周りに弧度を形成し、弧度がπ/2rad以上である。重畳部22は、接続線18とフレキシブルディスプレイスクリーン16との接続部220に受けられた力を分散する。
【0021】
このように、接続線18及びフレキシブルディスプレイスクリーン16は、滑らずに、第一リール20に巻き取られることができ、且つ、円弧状の接続部220によって、接続線18が切れにくい。
【0022】
本実施形態において、フレキシブルディスプレイ装置10は、接続線18を巻き取るための第二リール24を備え、第二リール24がハウジング12内に位置する。
【0023】
このように、接続線18は、第二リール24に巻き取られることができ、ハウジング12内に揺動または湾曲しない。このため、ハウジング12内の接続線18が適切且つ有効に配置され、接続線18の揺動または湾曲による破損が低減され、接続線18の寿命が向上する。
【0024】
具体的には、接続線18の長さが長すぎる場合、ハウジング12内に、接続線18を巻き取るための2つまたは複数のリールが設けられることにより、接続線18は常にぴんと張られてもよい。
【0025】
本実施形態において、フレキシブルディスプレイ装置10は、ハウジング12内に位置する弾性素子26をさらに備える。弾性素子26は、一端が第二リール24に接続され、他端がハウジング12に固定されて接続され、または装置の特性に応じてハウジング12内に柔軟に固定される。当該固定箇所によっては、接続線18が弾性素子26の付勢力下でフレキシブルディスプレイスクリーン16と共に巻き出され、または巻き取られて収納されることができればよい。接続線18は、第一リール20から張り出し、第二リール24の周りに折り曲げられる。且つ、接続線18の末端は、回路基板14に固定されて接続される。フレキシブルディスプレイスクリーン16がハウジング12外へ張り出して巻き出されるとき、第一リール20に巻き取られた接続線18も巻き出され、弾性素子26の伸長が低減され、弾性素子26は第二リール24が水平方向に転がるように第二リール24を引っ張ることにより、接続線18がぴんと張られ、第二リール24と第一リール20との間の距離が向上する。フレキシブルディスプレイスクリーン16がハウジング12内へ収納されるとき、第一リール20に、フレキシブルディスプレイスクリーン16及び接続線18が巻き取られ、弾性素子26の伸長が向上し、第二リール24との第一リール20との間の距離が低減される。
【0026】
このように、弾性素子26が第二リール24に接続されることにより、第二リール24の周りに折り曲げられ且つ回路基板14に固定されて接続される接続線18は、常にぴんと張られ、ハウジング12内に揺動または湾曲しない。このため、ハウジング12内の接続線18が適切且つ有効に配置され、接続線18の揺動または湾曲による破損が低減され、接続線18の寿命が向上する。第一リール20に巻き取られた接続線18は巻き出されるとき、弾性素子26及び第二リールの24によって、巻き出される接続線18が巻き取られてぴんと張られ、巻き出される接続線18が第一リール20を係止することが回避される。本実施形態において、弾性素子26は、スプリングである。
このように、スプリングは、装着が便利で、コストが低く、交換がやすい。
【0027】
具体的には、第二リール24は、動滑車に相当するものである。第二リール24は、弾性素子26に接続される。接続線18は、一端が第二リール24の周りに折り曲げられ、回路基板14に固定されて接続され、他端がフレキシブルディスプレイスクリーン16に接続される。フレキシブルディスプレイスクリーン16がハウジング12外へ張り出すとき、第二リール24は、スプリングの引っ張り下で第二方向Bへ移動する。フレキシブルディスプレイスクリーン16がハウジング12内へ収納されるとき、接続線18及びフレキシブルディスプレイスクリーン16が共に第一リール20に巻き取られ、第二リール24は、接続線18の引っ張り下で第一方向Aへ移動するとともに、スプリングを引っ張る。一つの実施形態としては、図1を参照しながら説明すると、第一リール20には、第一リール20を回転させるように弾性素子26の付勢力よりも強い回復力を印加するねじりバネ(図示せず)が設けられてもよい。例えば、第一方向Aの外力が印加され、フレキシブルディスプレイスクリーン16が引っ張られるとき、第一リール20が時計回り方向に回転し、ねじりバネをねじり、第一方向Aと反対の第二方向Bの回復力が形成され、つまり、第一方向Aの外力と、この状態での回復力及びと弾性素子26の付勢力(第二方向B)とが平衡に達する。当該平衡状態で、第一方向Aの外力が低減される場合、ねじりバネの回復力及び弾性素子26の付勢力が、それに応じて、第一方向Aの外力と平衡を保ち、第一リール20を反時計回り方向に回転させることにより、フレキシブルディスプレイスクリーン16及び接続線18が、力平衡までに、共に第一リール20に巻き取られる。第一方向Aの外力が解消される場合、ねじりバネの回復力及び弾性素子26の付勢力が、フレキシブルディスプレイスクリーンが完全に収納される(一部がハウジング12から張り出してもよい)までに、第一リール20を反時計回り方向に回転させる。ねじりバネの回復力が弾性素子26の付勢力よりも強いため、フレキシブルディスプレイスクリーンが完全に収納される状態で、回復力が弾性素子26の第二方向Bの付勢力と反対の力を形成し、平衡状態に達することにより、接続線18がぴんと張られる。ねじりバネは、当業者にとって、周知のものであるため、ここで詳しい説明は省略されるが、しかしながら、以上は、原理の説明に過ぎず、本発明を制限するものではなく、当業者がこの原理に基づいて行う変更は、依然として、本発明の範囲に属するものである。
【0028】
好ましくは、第一リール20には、位置制限機構が設けられる。例えば、ストッパは、第一リールが回転できないように第一リールを固定することにより、フレキシブルディスプレイスクリーン16がハウジング12から任意に張り出す状態で第一リールを固定する。
【0029】
本実施形態において、接続線18は、FPC(Flexible Printed Circuit Board、フレキシブルプリント回路基板)である。
このように、接続線18は、柔軟性が良く、複数回巻き取られることができる。
【0030】
本実施形態において、接続線18における第一リール20に巻き取られた長さは、πrよりも大きく、rが第一リールの半径であり、フレキシブルディスプレイスクリーン16における接続部220からの少なくとも一部が常に第一リール20に巻き取られる。
【0031】
このように、接続線18とフレキシブルディスプレイスクリーン16との接続部220に受けられた力が分散され、接続線18が接続部220に切れにくく、フレキシブルディスプレイスクリーンも接続部220に切れにくい。
【0032】
言うまでもなく、以上の数値は、例として、重畳部22がどのように接続線18を切れにくくすると説明することに寄与するためのものに過ぎず、本発明を制限するものではない。
【0033】
本実施形態において、弾性素子26には、検出デイバスが設けられる。検出デイバスは、弾性素子26の変形量を検出することにより、フレキシブルディスプレイスクリーン16の張り出し量を判定するためのものである。或いは、検出デイバスは、第一リール20に設けられ、第一リール20の回転量を検出することにより、フレキシブルディスプレイスクリーン16の張り出し量を判定する。且つ、検出デイバスは、変形信号を送信し、この変形信号によって、フレキシブルディスプレイスクリーン16の表示、ヒューマンコンピュータインタラクション内容の変更などを制御する。
【0034】
このように、検出デイバスは、弾性素子26の変形量または第一リール20回転量を検出することにより、フレキシブルディスプレイスクリーン16の張り出し量を判定する。
【0035】
図4及び図5を参照すると、本実施形態において、フレキシブルディスプレイスクリーン16が巻き出される場合、フレキシブルディスプレイスクリーン16がハウジング12から離れた第一方向Aへ張り出し、第二リール24が弾性素子26の付勢力によって第一方向Aと反対の第二方向Bへ移動し、接続線18が第二リール24の周りに折り曲げられ、ぴんと張られる。フレキシブルディスプレイスクリーン16が収納される場合、フレキシブルディスプレイスクリーン16が第一リール20に巻き取られ、第二方向Bへ移動し、接続線18が第一リール20に巻き取られる。
【0036】
このように、弾性素子26によっては、接続線18がぴんと張られる。接続線18は、フレキシブルディスプレイスクリーン16の張り出しまたは収納の過程において良い接続性を有し、フレキシブルディスプレイ装置10の信頼性は向上する。
【0037】
本実施形態において、フレキシブルディスプレイスクリーン16は、少なくとも一部がハウジング12外に設けられ、つまり、フレキシブルディスプレイスクリーン16は、ハウジング12内に完全に収納される場合、一部がハウジング12外に位置する。
このように、フレキシブルディスプレイスクリーン16は、次回ハウジング12外に巻き出されることができる。
【0038】
図6を参照すると、具体的には、ハウジング12が矩形を呈し、基板14が矩形を呈し、フレキシブルディスプレイスクリーン16が矩形を呈し、接続線18が矩形を呈する。ハウジング12内には、回路基板14、接続線18、第一リール20、第二リール24及び弾性素子26が収納される。接続線18及びフレキシブルディスプレイスクリーン16が折り曲げられた接続部220は、第一リール20に固定される。接続線18及びフレキシブルディスプレイスクリーン16が180°で延び、つまり、フレキシブルディスプレイスクリーン16及び接続線18が反対する二つの方向へ延びる。第一リール20は、ハウジング12の側壁に隣接し、フレキシブルディスプレイスクリーン16から側壁までの距離が低減される。第二リール24は、第一リール20よりもハウジング12の側壁から離れる。弾性素子26は、一端がハウジング12内に固定されて接続され、他端が第二リール24に接続される。第二リール24は、弾性素子26によって水平に転がる。フレキシブルディスプレイスクリーン16が完全に巻き出されたとき、フレキシブルディスプレイスクリーン16及び接続線18は、一部が常に第一リール20に巻き取られる。第一リール20は、ハウジング12内に固定される。第一リール20には、第一リール20を回転させるためのドライバーが設けられる。フレキシブルディスプレイスクリーン16が巻き出されるとき、第一リール20は、時計回り方向に回転する。フレキシブルディスプレイスクリーン16が収納されるとき、第一リール20は、反時計回り方向に回転する。
【0039】
言うまでもなく、上記の形状、接続は、例として、フレキシブルディスプレイ装置10の構造の詳細を説明することに寄与するためのものに過ぎず、本発明を制限するものではない。
【0040】
本明細書において、用語「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「実施例」、「特定の例」、または「いくつかの実施例」などの説明は、当該実施形態または実施例と併せて説明された特定の特徴、構造、材料または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態または実施例に含まれたと意味する。本明細書において、上記用語についての例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態または実施例を指すものではない。また、説明された特定の特徴、構造、材料または特性は、いずれかまたは複数の実施形態または実施例において適切に結合されることが可能である。
【0041】
以上、本発明の実施例が示され、説明されるが、上記実施例は、例示的なものであり、本発明を制限するものと見なされないと理解されたい。当業者は、本発明の原理や要旨を逸脱しない範囲で上記実施例に対して若干の変更、修正、交換及び変形を行うことが可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6