(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373514
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】スライド進入システム
(51)【国際特許分類】
A63G 21/18 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
A63G21/18
【請求項の数】43
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-553062(P2017-553062)
(86)(22)【出願日】2016年4月6日
(65)【公表番号】特表2018-510736(P2018-510736A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】US2016026198
(87)【国際公開番号】WO2016164449
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2018年2月9日
(31)【優先権主張番号】14/680,544
(32)【優先日】2015年4月7日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ ジャスティン マイケル
【審査官】
藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0329610(US,A1)
【文献】
米国特許第05183437(US,A)
【文献】
米国特許第07967692(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータースライドのための進入システムであって、
乗客をウォータースライド入口の上方に支持するように構成された入口プラットフォームと、
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記乗客を少なくとも部分的に取り囲むように構成された、前記入口プラットフォームの周囲に囲まれた空間を定める筐体と、
前記筐体内に流体を供給するように構成された流体供給システムと、
前記筐体内の所定の流体レベルの上方に位置して、前記囲まれた空間が前記所定の流体レベルよりも高く満たされた時に前記流体が排出されるようにする排水管と、
制御システムと、
を備え、前記制御システムは、
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置する旨の信号を受け取り、
前記流体供給システムに、前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記筐体内に所定の充填レベルまで前記流体を供給する命令を与え、
前記入口プラットフォームを作動させて前記乗客を前記ウォータースライド入口内に放出する、
ように構成される、
ことを特徴とする進入システム。
【請求項2】
前記筐体は、前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記乗客が前記筐体の外面から見えるように、少なくとも部分的に透明又は半透明である、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項3】
前記筐体は、リクライニング角度に位置付けられる、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項4】
前記流体供給システムは、前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記流体が前記乗客に接触するように、前記流体を前記囲まれた空間内に供給するように構成される、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項5】
前記入口プラットフォーム又は前記筐体に結合されて前記信号を生成するように構成されたセンサを備える、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項6】
前記信号を生成するように構成されたユーザ入力装置を備える、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項7】
前記制御システムは、前記流体が前記筐体内の所定のレベル又は容積に達した旨の別の信号を受け取り、前記所定のレベル又は容積に達したときに流体供給を停止する命令を前記流体供給システムに与えるように構成される、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項8】
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置する旨の信号を供給するように構成されたセンサを備える、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項9】
前記入口プラットフォームは、落とし戸を含み、前記入口プラットフォームを作動させることは、前記入口プラットフォームに結合された機械的コントローラに前記落とし戸を開く命令を与えることを含む、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項10】
前記流体供給システムは、前記流体を供給するように構成された複数の流体ポートを含む、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項11】
前記制御システムは、前記複数の流体ポートに、前記流体を相対的に異なる時点で供給する命令を与えるように構成される、
請求項10に記載の進入システム。
【請求項12】
前記複数の流体ポートは、前記筐体の天井又は頂部内に、或いは前記入口プラットフォームよりも前記筐体の前記天井又は頂部に相対的に近い前記筐体内のそれぞれの位置に位置する、
請求項10に記載の進入システム。
【請求項13】
前記複数の流体ポートは、前記入口プラットフォーム内に、或いは前記筐体の天井又は頂部よりも前記入口プラットフォームに相対的に近い前記筐体内のそれぞれの位置に位置する、
請求項10に記載の進入システム。
【請求項14】
前記複数の流体ポートは、前記入口プラットフォームから相対的に異なる距離に位置する、
請求項10に記載の進入システム。
【請求項15】
前記筐体内で光を放出するように構成された光源を備える、
請求項1に記載の進入システム。
【請求項16】
前記光源は、前記筐体の壁部の空洞内で光を放出するように構成される、
請求項15に記載の進入システム。
【請求項17】
方法であって、
ウォータースライドよりも上方の筐体内に位置する入口プラットフォーム上に乗客が位置する旨の信号を受け取るステップと、
前記筐体内で流体流を作動させて、前記筐体を所定の流体レベルまで部分的に満たすステップと、
を含み、前記筐体は、前記流体が前記筐体の底部から上昇して前記所定の流体レベルに達するように配向され、前記方法は、
前記流体が前記所定の流体レベルに達したときに、前記入口プラットフォームを開いて前記乗客を前記ウォータースライド内に放出するステップをさらに含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記流体流が作動した後に、前記筐体内で第2の流体流を作動させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
センサからのフィードバック信号に基づいて前記流体流を停止させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記フィードバック信号は、前記流体が前記所定の流体レベルに達した旨を示す、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ウォータースライドのための進入システムであって、
乗客をウォータースライド入口の上方に支持するように構成された入口プラットフォームと、
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記乗客を少なくとも部分的に取り囲むように構成された、前記入口プラットフォームの周囲に囲まれた空間を定める筐体と、
前記筐体内に流体を供給するように構成された流体供給システムと、
を備え、前記筐体は、空洞を有する壁部を含み、前記流体は、前記空洞内に供給され、前記進入システムは、
制御システムをさらに備え、該制御システムは、
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置する旨の信号を受け取り、
前記流体供給システムに、前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記筐体内に所定の充填レベルまで前記流体を供給する命令を与え、
前記入口プラットフォームを作動させて前記乗客を前記ウォータースライド入口内に放出する、
ように構成される、
ことを特徴とする進入システム。
【請求項22】
前記空洞は、前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記流体が前記乗客に接触しないように、前記入口プラットフォームから隔離される、
請求項21に記載の進入システム。
【請求項23】
前記空洞は、該空洞内に前記流体が供給されるよりも遅い速度で前記囲まれた空間内に放水する、
請求項21に記載の進入システム。
【請求項24】
ウォータースライドのための進入システムであって、
乗客をウォータースライド入口の上方に支持するように構成された入口プラットフォームと、
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記乗客を少なくとも部分的に取り囲むように構成された、前記入口プラットフォームの周囲に囲まれた空間を定める筐体と、
前記筐体内に流体を供給するように構成された流体供給システムと、
制御システムと、
を備え、前記制御システムは、
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置する旨の信号を受け取り、
前記流体供給システムに、前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記筐体内に所定の充填レベルまで前記流体を供給する命令を与え、
前記流体供給システムが前記流体を供給している間に特殊効果を作動させるための命令を与え、
前記入口プラットフォームを作動させて前記乗客を前記ウォータースライド入口内に放出する、
ように構成される、
ことを特徴とする進入システム。
【請求項25】
前記特殊効果を作動させるための命令は光源をオンにする、請求項24に記載の進入システム。
【請求項26】
前記光源は着色光源である、請求項25に記載の進入システム。
【請求項27】
前記光源は蛍光灯光源である、請求項25に記載の進入システム。
【請求項28】
前記特殊効果は効果音である、請求項24に記載の進入システム。
【請求項29】
前記特殊効果を作動させるための命令は前記筐体内で前記流体を攪拌させる、請求項24に記載の進入システム。
【請求項30】
前記筐体は空洞を有する壁を有し、前記流体は前記空洞内に供給される、請求項24に記載の進入システム。
【請求項31】
前記空洞は、前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記流体が前記乗客に接触しないように、前記入口プラットフォームから隔離される、請求項30に記載の進入システム。
【請求項32】
前記特殊効果を作動させるための命令は光源をオンにし、前記流体に光を当てる、請求項31に記載の進入システム。
【請求項33】
筐体内でウォータースライド入口の上方に配置された入口プラットフォーム上に乗客が位置する旨の信号を受け取り、
所定の流体レベルまで前記筐体を部分的に満たすように前記筐体内に流体流を作動させ、
前記流体流の間に1つ以上の特殊効果を動作させるように作動させ、
前記流体流の流体が前記所定の流体レベルに到達したときに前記ウォータースライドの中へ乗客を放出するように前記入口プラットフォームを開く、
ことを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項34】
前記流体流の間に1つ以上の特殊効果を動作するように作動させることは、光源をオンにすることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ以上の特殊効果のうちの1つの特殊効果は効果音である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記流体流の間に前記1つ以上の特殊効果を動作するように作動することは、前記筐体内で前記流体を攪拌させる、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記流体が所定の量に到達したときに前記流体流を停止させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
所定の時間が経過したときに前記流体流を停止させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
ウォータースライドのための進入システムであって、
乗客をウォータースライド入口の上方に支持するように構成された入口プラットフォームと、
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに前記乗客を少なくとも部分的に取り囲むように構成された、前記入口プラットフォームの周囲に囲まれた空間を定める筐体と、
第1の流体入口ポート及び第2の流体入口ポートを含む前記筐体内に流体を供給するように構成された流体供給システムと、
制御システムと、
を備え、前記制御システムは、
前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置する旨の信号を受け取り、
前記流体供給システムに、前記乗客が前記入口プラットフォーム上に位置するときに、前記第1の流体入口ポート及び前記第2の流体入口ポートを経由し、所定の充填レベルまで前記筐体内に前記流体を供給する命令を与える、
ように構成される、
ことを特徴とする進入システム。
【請求項40】
前記制御システムは、前記第2の流体入口ポートとは異なる時点で前記第1の流体入口ポートを経由して前記流体を供給するために、前記第1の流体入口ポートを前記第2の流体入口ポートと独立して制御するように構成される、請求項39に記載の進入システム。
【請求項41】
前記第1の流体入口ポートは第1の流体源に接続され、前記第2の流体入口ポートは第2の流体源に接続される、請求項39に記載の進入システム。
【請求項42】
前記第1の流体入口ポートは前記筐体の頂部にまたは頂部付近に配置される、請求項39に記載の進入システム。
【請求項43】
前記第2の流体入口ポートは前記入口プラットフォームにおいて、または、前記入口プラットフォーム付近に配置される、請求項42に記載の進入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地体験をもたらすために利用される方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ウォーターパークは、パンパーライド又はラフトライド、ウォータースライド、ログライド、ウォーターコースタ及びレイジーリバーを含む様々な乗り物体験をパーク来園者に提供しようと努めている。典型的なウォータースライドは、スライドの頂部の小型プールにおいて開始し、乗客は、プールの縁部まで進むことによって降下し始める。ウォータースライドのタイプによっては、物語風の効果を組み込んで乗り物体験を強化できるものもある。例えば、乗り物は、防空壕又は外国の景観などの、通常はウォーターライドと関連性のない建物又は設定を組み込むことができる。ウォータースライドの乗車は、乗り物経路への進入を妨げている進入システムのゲート又はその他の障壁が除去されて乗客が実際のスライドに進入できるようになった後に開始することができる。今では、例えばスライドのテーマに関する要素又は効果と連動して意外性及び刺激的な感覚を追加できるスリルに富んだ側面を乗り物入口に加えることによって乗客をさらに魅了できる進入システムも存在することが認識されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示するいくつかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と同様の又は異なる様々な形態を含むことができる。
【0004】
1つの実施形態によれば、ウォータースライド進入システムが提供される。スライド進入システムは、乗客をウォータースライド入口の上方に支持するように構成された入口プラットフォームと、乗客が入口プラットフォーム上に位置する時に乗客を少なくとも部分的に取り囲むように構成された、プラットフォームの周囲に密閉空間を定める筐体と、筐体内に所定の充填レベルまで流体を供給するように構成された流体供給システムとを含む。ウォータースライド進入システムは、乗客が入口プラットフォーム上に位置する旨の信号を受け取り、流体供給システムに、乗客が入口プラットフォーム上に位置する時に筐体内に流体を供給する命令を与え、入口プラットフォームを作動させて乗客をウォータースライド入口内に放出するように構成された制御システムも含む。
【0005】
別の実施形態によれば、方法が提供される。この方法は、ウォータースライドよりも上方の筐体内に位置する入口プラットフォーム上に乗客が位置する旨の信号を受け取るステップと、筐体内で流体流を作動させて、筐体を所定の流体レベルまで部分的に満たすステップと、流体が所定の流体レベルに達した時に、入口プラットフォームを開いて乗客をウォータースライド内に放出するステップとを含む。
【0006】
別の実施形態によれば、方法が提供される。この方法は、ウォータースライドよりも上方の筐体内に位置する入口プラットフォーム上に乗客が位置する旨の信号を受け取るステップと、筐体内で所定の期間にわたって流体流を作動させるステップと、所定の期間が経過した後に、入口プラットフォームを開いて乗客をウォータースライド内に放出するステップとを含む。
【0007】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の技術によるスライド進入システムを含むウォータースライドの斜視図である。
【
図2】本発明の技術による、乗客がウォータースライド内に放出された後に入口プラットフォームが開いた構成にあるスライド進入システムの斜視図である。
【
図3】本発明の技術によるスライド進入システムを実装するシステムのブロック図である。
【
図4】本発明の技術による、流体が筐体壁部の空洞を満たすスライド進入システムの断面図である。
【
図5】本発明の技術による、流体が密閉空間を満たすスライド進入システムの断面図である。
【
図6】本発明の技術による、スライド進入システムの流体流機能を作動させる方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、遊園地乗り物に関連して使用できるスライド進入システムに関する。通常、ウォータースライド(例えば、シュート)は、最初に乗客が入場プールから脚を進入させて、自分のペースで入口に進入するように設計されている。本発明の実施形態は、乗客がウォータースライドに進入する速度及び興奮を高めるために、落とし戸式の入口を使用する。例えば、乗客は、スライドの上方に懸架された筐体に入ることができる。乗客が正しい位置に来ると、乗客の足元の落とし戸が開いて、乗客が直接スライド入口に落下する。落とし戸が開く正確な瞬間を乗客が制御しないので、乗り物に関連する興奮を高める意外性が取り入れられる。実際に、本発明の実施形態によるウォータースライドは、進入システムの床の落とし戸が開いて、乗客を直立した又は仰向けになった状態から下にあるウォータースライドに放出した時に開始することができる。乗客の下から床が抜け落ちる物理的な感覚と、乗り物の物語の範囲内の意外性との組み合わせはスリル満点である。
【0010】
本明細書では、乗客のウォータースライドへの進入を強化することができ、いくつかの実施形態では落とし戸又はその他のプラットフォームベースの入口を使用するウォータースライドに組み込むことができる1又は2以上の特徴を組み込んだスライド進入システムを提供する。1つの実施形態では、スライド進入システムが、入口プラットフォームを取り囲む筐体を含む。筐体は、乗客が筐体内に位置付けられた後に水を満たし始める。乗客は、水が頭部よりも高くなる前に筐体が開いてスライド内に放出を行うことが分かってはいるが、水位が上昇するのを見つめる体験は、乗り物に関連する興奮を高めることができる。また、筐体が水を攪拌することも、或いは水が視覚効果を生じる添加剤(例えば、石鹸、染料)を含むこともできる。このような視覚効果は、乗客の体験を強化できるだけでなく、列に並んで待っている人々に視覚的刺激をもたらして、乗り物及び乗り物の列に並んで待つことをパーク来園者にとってさらに魅力的にすることもできる。
【0011】
開示する実施形態は、一般にウォーターライド、ウォータースライド又は水分を含む乗り物の文脈で説明するが、本明細書で提供するスライド進入システムは、プラットフォームベースのフリーフォールライドなどの他のタイプの乗り物と共に使用することもできると理解されたい。例えば、本明細書で提供する進入システムは、入口プラットフォームを開いて乗客をスライド(例えば、ウォータースライド)内に放出するのではなく、フリーフォールライドと同様に乗客と入口プラットフォームとを共に放出するように使用することもできる。
【0012】
図1は、本明細書において提供するスライド進入システム12を含むウォーターライド10の斜視図である。図示のように、ウォーターライド10は、いくつかの実施形態では乗客16、及びウォーターライド10の列に並んでいると考えられる観客20の乗り物体験を強化する物語的な特徴を提供することができる乗り物環境14を含むことができる。図示の環境では、乗客16が、スライド進入システム12内の、乗客16をウォータースライド24の入口の上方に保留する入口プラットフォーム22上に位置する。入口プラットフォーム22は、筐体26内に存在して、乗客16が、入口プラットフォーム22上の適所に存在する時に、筐体26の壁部32によって定められる密閉空間30内で乗り物環境14の残り部分から概ね隔離されるようにする。このような構成は、乗客16が観客20から邪魔されることなく、入口プラットフォームが始動した時に突然ウォータースライド24内に進入する準備を整えさせることができる。また、筐体26内の音及び物理的孤独性も、乗客16の期待感を高めることができる。いくつかの実施形態では、壁部32の少なくとも一部を、乗客16と観客20の両方が互いに見える透明又は半透明材料で形成することができる。
【0013】
スライド進入システム12は、密閉空間30が水又はその他の流体(例えば、霧、泡、粘液の効果)で満たされる視覚的イメージを与えるように筐体26内に及び/又は筐体26内で流体流を導く機能を含むこともできる。この機能は、乗客16にスリルをもたらすだけでなく、乗客16が流体で満たされた空間に取り囲まれたイメージが観客20に興奮をもたらすこともできる。例えば、水の効果は、ウォーターライドの物語の一部とすることができる。1つの例では、乗り物環境14が、悪者が研究又は解剖のために生きた標本を捕獲する物語を支援する。乗り物環境14は、ウォータースライド24にはつながっていない、ホルムアルデヒド内に保存された怪物(例えば、生物38)を含む標本容器に類似するように成形されたさらなる筐体36を含むことができる。乗客用筐体26も、乗客16が筐体26内に位置付けられた時に、同様に実験室内のさらなる標本に見えるように形成することができる。水は乗客を保存するための防腐剤であり、次は観客20が保存される予定であることを物語る音声又はその他の効果を乗客16及び/又は観客20に示すこともできる。別の実施形態では、筐体が棺を形成して、吸血鬼を題材にした乗り物物語を支援することもできる。このような実施形態では、乗客16を新たに変化した吸血鬼とすることができ、流体を血液に類似するように染色することができる。
【0014】
水は、物語を支援するように、又は乗客16のためのさらなる効果をもたらすように配置することができるいずれかの好適な入口から筐体を満たすことができる。例えば、入口プラットフォーム22上又はその高さに1又は複数の流体入口ポート40を配置して、水が筐体26の底部から満ちてくる視覚効果を促すことができる。このような効果は、水が頭部に達する前に筐体26から脱出すべく乗客16が時間と闘っている物語を支援することができる。なお、本明細書に示す流体は、筐体26を部分的にしか満たさない(例えば、乗客の膝又は腰よりも高くは満たさない)と理解されたい。1つの実施形態では、筐体26の密閉空間30の容積を、最大10容積%、25容積%、30容積%、40容積%又は50容積%の所定のレベルの流体まで満たされる(例えば、乗客16が放出されるまで流体を保持する)ように構成することができる。例えば、50%の所定の充填レベルでは、密閉空間内の全容積の50%が流体で占められる。1つの実施形態では、図示のように、流体入口ポート40を筐体26の天井又は頂部42に統合することができる。このような構成は、流体を用いて雨又は豪雨の視覚効果を生じるという利点をもたらすことができる。特に、このような効果が筐体26内に素早く劇的な視覚効果を生じるために必要とする流体は、筐体26の底部から水が満たされる実施形態に比べて容量的に少なくて済むと考えられる。このような実施形態は、典型的には待ち行列が長くて乗客処理能力要件が高い乗り物にとって有利になり得る。また、流体入口ポートを筐体26の頂部42又はその付近に配置することにより、密閉空間30内で下向きに流れる水の力が、例えば洗剤又は染料などの流体内の添加剤を攪拌して泡効果及び/又は色効果を生じるように機能することもできる。従って、流体入口ポート40は、その位置に関わらず、所望の効果(例えば、撹拌効果、降雨効果)に応じて流体を好適な圧力下で放出することができる。さらに、流体のシャワーを形成することによって、たとえスライド24に進入する前であっても乗客16を筐体内でずぶ濡れにすることができ、これによっても乗客16のワクワク感及び楽しみを高めることができる。
【0015】
1つの実施形態では、スライド進入システム12が、流体入口ポート40の中に、流体流に第2の流体を追加することに特化した、主要な流体入口ポート40とは異なる流体源から供給を受ける特殊な流体入口ポート40aを含むことができる。例えば、1つの実施形態では、乗り物物語が、流体流の開始後に筐体26に刃物が入り込む投影画像又はホログラフィック画像を含むことができる。その後、特殊な流体入口ポート40aが、密閉空間30内の滞留した流体に赤色に染まった流体を流し込んで、筐体26内に血の視覚効果を生じることができる。別の実施形態では、特殊な流体入口ポート40aを、水又はその他の流体の充填レベルが所望のレベルに達すると流体に空気を注入して渦の効果又は乱流効果を生じることができる空気口とすることができる。別の実施形態では、特殊な流体ポート40aを筐体26内の様々な位置に配置する柔軟性を高めるように、個々の流体入口ポート40を、バルブ制御を介して流体源を切り替えるように構成することができる。
【0016】
図2は、入口プラットフォーム22が乗客16をウォータースライド24内に放出した後のスライド進入システム12の斜視図である。図示の実施形態では、入口プラットフォーム22が支持プラットフォーム46内に位置する。動作時には、乗客16が、入口プラットフォーム22上に両足が乗った位置を取る。他の実施形態では、入口プラットフォーム22が、筐体26の底面の全部又は大部分を形成することができる。乗客16が適所に来ると、入口プラットフォーム22が開くように作動する。入口プラットフォーム22は、開放構成で形成された開口部48を通じた乗客16の素早い放出を促すのに適したあらゆる構成で実装することができる。1つの実施形態では、筐体26の入口プラットフォーム22及びその他の構成要素(例えば、壁部、ドアなど)を、作動するまで流体の充填及び/又は保持を促すように水の流出に対して密封されるように構成することができる。従って、入口プラットフォーム機構及びその他の構成要素は、筐体26を密封するように構成することもでき、筐体26内の液量の重量は、乗客16の重量と同様に完璧である。すなわち、筐体26は、動作中に乗客16が存在する時に、所望の充填レベルを含む様々な充填レベルで流体を密封するように設計することができる。
【0017】
開口部48は、ウォータースライド24に対して開かれ、乗客16をウォータースライド24内に落下させるのに適したサイズ及び形状を有する。図示の実施形態では、筐体26が概ね直立しているが、筐体26は、乗客16がウォータースライド24内に放出される位置を取った時に、乗客16を斜めに配置するように傾斜又は配置することもできると理解されたい。例えば、筐体26の後面50をウォータースライド24の角度に一致するように傾斜させて、乗客16がウォータースライド24の角度に概ね一致する角度でウォータースライド内に放出されるようにすることができる。このような実施形態では、乗客16がウォータースライド24内で高速に到達するのを速めることができる。また、筐体内の滞留した水の少なくとも一部も乗客と共にスライド内に進入するようになる。
【0018】
入口プラットフォーム22は、フレーム56に結合された1又は複数の落とし戸54を含むことができる。図示の実施形態では、落とし戸54が、開口部48内に落下して乗客16を放出するように同時に作動する2つの分離可能なドアを含む。他の実施形態は、単一のドアを用いて実装することもできる。さらに、落とし戸54は、ウォータースライド24に向かって下向きに開くことができるが、他の実施形態では、入口プラットフォーム22が、筐体26に対して水平に摺動して開口部48を形成して乗客16を放出することもできる。入口プラットフォーム22の機械的部品は、落とし戸54が開くのを促すいずれかのヒンジ又はその他の特徴部が密閉空間30の外部に位置してスライド入口との干渉又は乗客16との接触を避けるように構成することができる。筐体26は、乗り物技術者が乗客16を入口に配置できるようにするいくつかの特徴を含むことができる。例えば、筐体26の側壁又は前壁32は、(例えば、ハンドル59を使用して)観音開き式に開いて密閉空間30への進入を可能にするように、ヒンジ58によって後面50に結合することができる。図示の実施形態では、側壁又は前壁が、筐体26の周辺部の周囲に入口プラットフォームに対して異なる高さに配置された流体入口ポート40を含む。これとは別に、又はこれに加えて、後面50も、1又は2以上の流体入口ポート40を含むことができる。流体は、乗客16の周囲の流体入口ポート40から複数の方向から流れるように導くことができ、これによって楽しい又はスリルに富んだ体験をもたらすことができる。また、様々な流体入口ポート40からの流体流を異なる時点で作動させて、異なる効果をもたらすこともできる。
【0019】
乗客16が適所に来ると、乗り物技術者は、入口プラットフォーム22を作動させる適当な入力を与えることができる。別の実施形態では、乗客の位置又は存在を判定する1又は2以上のセンサからの信号に基づいて入口プラットフォーム22を作動させることができる。従って、
図3のブロック図に示すように、スライド進入システム12は、制御システム60に従って動作することができる。制御システム60は、1又は2以上の処理装置を含むことができるプロセッサ62と、プロセッサ62によって実行可能な命令を記憶するメモリ64とを含むことができる。メモリ64は、1又は2以上の有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、又はその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは機械実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコードを担持又は記憶するために使用でき、プロセッサ62、又はプロセッサを有するいずれかの汎用又は専用コンピュータ又はその他の機械がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。制御システム60は、スライド進入システム12の他の構成要素との通信を容易にする通信回路66及び/又は入出力回路68を含むこともできる。また、制御システム60は、作動時に1又は2以上の乗り物機能を制御するために使用される入力を与えるために乗り物技術者が使用できるオペレータ入力装置又はオペレータインターフェイス70に直接又は無線で結合することができる。上述したように、システム12のオペレータインターフェイス70又はその他の構成要素は、いくつかの実施形態では制御システム60から離れて位置することができ、例えばモバイル装置上に実装することができる。
【0020】
制御システム60は、入口プラットフォーム22の開閉を制御することができる。例えば、入口プラットフォーム22は、ドア(例えば、
図2の落とし戸54)の開放を可能にする機械的コントローラ72を含むことができる。1つの実施形態では、機械的コントローラがラッチを制御することができる。機械的コントローラ72は、制御システム60から信号を受け取ると、例えばピンを引っ込め、又は電磁石を制御することによってラッチを開いてドアの開放を可能にする。機械的コントローラ72は、ドアを入口プラットフォーム22に戻すモータを制御して次の乗客16の準備を行うこともできる。
【0021】
入口プラットフォーム22を作動させる信号は、乗客16が入口プラットフォーム22上に正しく位置している旨の乗り物技術者からの信号に少なくとも部分的に基づくことができる。これとは別に、又はこれに加えて、スライド進入システム12は、入口プラットフォームの作動に入力を提供する1又は2以上のセンサ74を含むこともできる。例えば、入口プラットフォームは、入口プラットフォーム22上に存在する乗客16が許容又は予想重量範囲内である旨のフィードバックを提供する圧力センサを含むことができる。乗客が適所に存在する旨のフィードバックを提供できる他のセンサ74としては、光センサ、カメラ又は顔認識センサなどが挙げられる。1つの実施形態では、乗り物技術者が(例えば、ボタンを押すことによって、又はオペレータインターフェイス70を介してフィードバックを提供することによって)トリガー信号を供給することができ、制御システム60を、乗客が適所に存在することを確認する信号を1又は複数のセンサ74が供給した時にのみ入口プラットフォーム22を作動させるように構成することができる。1又は複数のセンサ74が、乗客16が適所に存在することを示さない場合には、入口プラットフォーム22が乗り物技術者信号を無視して作動しない。また、1又は複数のセンサ74は、流体の充填レベル、流体の圧力などを評価する他のタイプのセンサを含むこともできる。
【0022】
制御システム60は、筐体26への流体の供給を作動及び/又は停止させる流体供給システム78を制御することもできる。流体供給システム78は、1又は2以上の流体入口ポート40と流体連通する1又は2以上の流体源80を含む。流体供給システム78は、制御システム60から信号を受け取ると、例えば流体を放出する弁を開くことによって筐体26への流体の流れを開くことができる。従って、流体供給システム78は、制御システム60の制御下で動作するように構成された弁などの好適な流量制御要素を含むことができる。1つの実施形態では、流体供給システム78を、制御システム60の制御下で特定の時点に第2の流体タイプを放出するように構成することができる。また、制御システム60は、流体流及び/又は流体排出の非作動を制御することもできる。1つの実施形態では、オペレータ入力又はセンサフィードバックの一方又は両方によって決定できる所定のレベルを充填レベルが上回った場合に、流体流が自動的に遮断及び/又は排出される。
【0023】
いくつかの実施形態では、スライド進入システム12が、制御システム60の制御下にある1又は2以上の特殊効果システム84を含むこともできる。このような特殊効果としては、光効果、動き効果、効果音、映像効果などを挙げることができる。特殊効果システム84は、本明細書に示す流体効果と協調するように構成することができる。例えば、流体流と同時にほとばしる水の効果音を作動させて、筐体26内に大量の水が勢いよく流れ込んでいるという全体的な印象を生じることができる。他の実施形態では、特殊効果システム84を、筐体内の流体を攪拌して波を生じるように構成することができる。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態は、筐体26によって形成された密閉空間30内の流体流を促すスライド進入システム12を提供したが、
図4の断面図に示すように、筐体26の壁部32の空洞100内に流体流を導くこともできる。1つの実施形態では、流体が空洞100内に流れ込んで密閉空間30に浸入しない。このような実施形態では、乗客16を乾いた状態に保つことができ、達成すべき液量も少なくて済む。また、乗客16と流体とが直接接触しないので、空洞100を乗客の頭部よりも高いレベルに満たして、乗客16が筐体26内で流体に沈んでいる錯覚を生じることができる。他の実施形態では、空洞100内への流体流を密閉空間30内の流体流と組み合わせて層状効果を生じることもできる。例えば、空洞100内の流体は、密閉空間30内の流体とは異なる屈折特性を有することができる。さらに、密閉空間30を満たすと同時に空洞100を満たすと、乗客の五感に複合的影響が与えられる。1つの実施形態では、空洞100を満たすとともに密閉空間30内にも直接低速で放水して、空洞100が満たされるだけでなく、筐体26の半透明の壁部32から流体が流れる様子を乗客16が体験できるようにすることができる。
【0025】
本明細書で示したように、スライド進入システム12の筐体26は、部分的に流体で満たすことができる。流体は、乗客16と共にウォータースライド24内に放出することもでき、或いはいくつかの実施形態では、一般的な水のプールにあらゆる染料又は発泡体が加わるのを避けるように別個に排出することもできる。また、筐体は、流体を所望の充填レベルに維持する1又は2以上の排水システムを含むこともできる。
図5は、一体型流体排水路を含むスライド進入システム12の断面図である。図示の実施形態では、流体入口ポート40が、例えば重量又はインピーダンスセンサ74から筐体26内の乗客16の存在を確認する信号を受け取ると、密閉空間30への流体の流入を促す。出口ポート110は、所望の充填レベル108の上方に位置して、所望の充填レベル108を超えたあらゆる流体を排水する。1つの実施形態では、出口ポート110が、流圧が一定レベルを上回った時に開くように構成されたオーバフロー排水管又は弁である。他の実施形態では、1又は複数の出口ポート110を、1又は2以上の流体レベルセンサ74からのフィードバックに基づいて開くように(例えば、制御システム60によって)プロセッサ制御することができる。出口ポート110は、ウォータースライド24内に直接流れ出るように構成することもできる。1つの実施形態では、出口ポート110を筐体26の底面112に配置して、流体レベルが所望の充填レベル108を上回っている旨の信号に基づいて排水するように構成することができる。
【0026】
排水路は、流体又は流体添加剤の存在及びタイプに基づいて構成することもできる。例えば、染色された流体又は水でない流体を別個に排出して、このような流体を一般的な水のプールから隔離しておくことができる。流体がウォータースライド内に直接排出される構成では、着色光を用いて色効果を生じ又は高めることができる。図示の実施形態には、底面112上の入口プラットフォーム22に近接して配置され、流体内に光を放出するように構成された光源114も示す。このように、乗客の自分の衣類及び乗り物の一般的な水のプールを染色してしまう恐れがある染料を使用せずに、流体を照明して特定の色を帯びさせることもできる。また、光は、筐体26内で蛍光効果を促すブラックライトとすることもできる。光源114を空洞100内で使用して同様の結果を達成することもできる。
【0027】
図6は、スライド進入システム12の動作方法120のフロー図である。上述したように、システム12は、乗客が筐体26内に位置する旨の信号を受け取ることができる(ブロック122)。この信号は、オペレータ入力又はセンサフィードバックの一方又は両方とすることができる。信号を受け取ったら、筐体内の流体流を作動させる(ブロック124)。上述したように、流体流124は、制御システム60のプロセッサベースの制御下に置くことができる。また、流体流と同時に、付随するいずれかの特殊効果を作動させることもできる。流体流は、容積又は時間制御下に置くことができる。すなわち、1つの実施形態では、流体流が、オペレータの入力及び/又はセンサフィードバックに基づいて判定できる所望の充填レベルに達するまで維持される。別の実施形態では、タイマの満了まで流体流を継続することができる。例えば、タイマは、密閉空間30の所定の容積、乗客16の平均的な入れ替わり、流体入口ポート40の流量、及び所望の充填レベル(例えば、考えられる最も身長の低い乗客の腰の高さを超えない高さまで満たされる充填レベル)に基づいて設定することができる。特定の実施形態では、個々の乗客16の生体構造に基づいて充填レベルを動的に調整することができる。所望の充填レベルに達すると、入口プラットフォーム22を作動させてウォータースライド内に水を放出する(ブロック126)。この作動は、例えば充填レベルに達した旨の、又はタイマが満了した旨のフィードバック信号に基づいて自動的に行うことができる。1つの実施形態では、作動がオペレータの入力に基づくことができる。例えば、乗り物技術者が、充填レベルを視覚的に評価して適宜に入口プラットフォーム22を作動させることができる。
【0028】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。さらに、本明細書で開示した様々な実施形態の構成要素は、互いに組み合わせ、又は入れ換えることもできると理解されたい。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に該当する全てのこのような修正及び変更を含むものであると理解されたい。
【符号の説明】
【0029】
10 ウォーターライド
12 スライド進入システム
14 乗り物環境
16 乗客
20 観客
22 入口プラットフォーム
24 ウォータースライド
26 筐体
30 密閉空間
32 壁部
36 さらなる筐体
38 生物
40 流体入口ポート
40a 特殊な流体入口ポート
42 天井又は頂部