(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のようなケーブルの外部導体を用いる構成では、外部導体の材質はケーブルの要求性能によって決定されるものであるため、必ずしも熱を伝えるのに適した材質を選択できるわけではない。そのため、撮像素子が発した熱を充分かつ効率よく外部まで運ぶことができないおそれがある。また、特許文献2に記載の構成もまた同様に、送水管等の周辺部材が充分かつ効率よく熱を外部まで運ぶことができないおそれがある。
【0005】
本発明はこれらの問題を鑑みてなされたものであり、基板に接続された撮像素子が生じた熱を効率よく放熱する放熱装置及び内視鏡を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明による放熱装置は、撮像素子が発した熱を放熱する放熱装置であって、撮像素子を装着する基板と、基板に設けられ、撮像素子に電気的、かつ熱的に接続される配線部材と、基板からの電気信号を送信する芯線と、芯線の外周に設けられて配線部材と電気的、かつ熱的に接続される第1の遮蔽部材と、第1の遮蔽部材と接触するように設けられて配線部材と熱的に接続される第1の伝熱部材とを有するケーブルとを備えることを特徴とする。
【0007】
第1の伝熱部材は、第1の遮蔽部材の外周、内周、又は外周及び内周に設けられて配線部材と熱的に接続されることが望ましい。
【0008】
基板は、撮像素子の撮像面の裏面に設けられた端子面に装着されることが望ましい。
【0009】
複数のケーブルと、複数のケーブルと接触するように設けられる第2の遮蔽部材と、第2の遮蔽部材の外周に設けられる第2の伝熱部材とをさらに備えることが望ましい。
【0010】
第2の遮蔽部材は、複数のケーブルの外周、内周、又は外周及び内周に設けられることが望ましい。
【0011】
第2の伝熱部材は配線部材と熱的に接続されることが望ましい。
【0012】
第1の伝熱部材は、第1の遮蔽部材の外周の全周、内周の全周、又は外周及び内周の全周に渡って設けられるグラファイトシートから成ることが望ましい。
【0013】
第2の伝熱部材は、第2の遮蔽部材の外周の全周、内周の全周、又は外周及び内周の全周に渡って設けられるグラファイトシートから成ることが望ましい。
【0014】
ケーブルは同軸ケーブルが好適である。
【0015】
ケーブルはツイストペアケーブルであってもよい。
【0016】
本願第2の発明による内視鏡は、撮像素子を装着する基板と、基板に設けられ、撮像素子に電気的、かつ熱的に接続される配線部材と、基板からの電気信号を送信する芯線と、芯線の外周に設けられて配線部材と電気的、かつ熱的に接続される第1の遮蔽部材と、第1の遮蔽部材と接触するように設けられて配線部材と熱的に接続される第1の伝熱部材とを有するケーブルとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基板に接続された撮像素子が生じた熱を効率よく放熱する放熱装置及び内視鏡を得る。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1の実施形態による第1の放熱装置100について
図1から3を用いて説明する。
【0020】
図1に第1の放熱装置100を備える内視鏡システム10を示す。内視鏡システム10は、内視鏡20及び内視鏡プロセッサ30を主に備える。内視鏡20は、湾曲自在であって、観察対象、例えば人体の内部に挿入される挿入部21と、使用者が把持する把持部22と、そして接続管23を介して把持部22と内視鏡プロセッサ30とを接続するコネクタ24とから主に構成される。挿入部21の先端部25には図示しない撮像素子と第1の放熱装置100とが格納される。撮像素子は、観察対象を撮像して画像信号を内視鏡プロセッサ30に送信する。
【0021】
図2を用いて第1の放熱装置100について説明する。第1の放熱装置100は、基板130及び第1のケーブル140を備え、撮像素子120と共にケーシング110に格納される。
【0022】
ケーシング110は、例えば円筒形をしており、その外殻111と、外殻111の内周から径方向に延びる円盤状の支持部112とを有する。ケーシング110の軸方向から見ると、支持部112は円筒形の固定穴113を有する。
【0023】
撮像素子120は、CMOSであって、被写体像が結像する撮像面121と、撮像面121の裏面に設けられた端子面122とを備える。格子状に並べられた複数のボール状端子123が端子面122に設けられる。すなわち、本実施例の撮像素子120はBGAパッケージである。
【0024】
基板130は、熱伝導率が低い材料から成り、直方体形状を有する多層基板であって、撮像素子120側に位置する実装面131と、実装面131の裏面であるケーブル面132と、複数のパターン配線137と、複数のビア138とを主に備える。実装面131からケーブル面132への方向を厚さ方向とする。基板130は、厚さ方向を拡大して図示されている。基板130の材料は、例えばジルコニア、FR4、シリコン、ガラス、窒化アルミ、アルミナである。ジルコニアの熱伝導率は3W/m・K、FR4の熱伝導率は0.44W/m・K、シリコンの熱伝導率は168W/m・K、ガラスの熱伝導率は1W/m・K、窒化アルミの熱伝導率は150W/m・K、アルミナの熱伝導率は32W/m・Kである。なお、基板130に設けられた部品は図示されない。
【0025】
実装面131は、格子状に並べられた円盤形状の複数の円状端子136を有する。円状端子136は、ボール状端子123と半田付けされる。
【0026】
パターン配線137は、基板130の内部及び外表面に設けられ、基板130の厚さ方向に対して直角な方向に延びる。ビア138は、基板130の内部に設けられ、基板130の厚さ方向に延びる。異なる層に設けられたパターン配線137どうしをビア138が接続する。基板130の側面133には、複数の側面端子134が設けられ、ケーブル面132には、複数の平面端子135が設けられる。側面端子134及び平面端子135は、基板130の内部においてパターン配線137あるいはビア138と接続される。
【0027】
第1のケーブル140は、3本の内蔵同軸ケーブル150及び3本の絶縁電線160を外側網組線141、外側グラファイトシート142、及び外側外皮143で包み込んで成る。
【0028】
外側網組線141は遮蔽部材とも呼ばれ、銅から成る複数の導線を編んで網状にしたもの、或いは単純に巻き付けたものである。銅の熱伝導率は、401W/m・kである。外側グラファイトシート142は、シート状のグラファイトであって、伝熱部材を成す。外側外皮143はビニールなどの絶縁体から成る。外側グラファイトシート142の厚さは17μmから100μmであって、厚さが17μmの外側グラファイトシート142の熱伝導率は、1750W/m・kであり、厚さが100μmの外側グラファイトシート142の熱伝導率は、700W/m・kである。外側網組線141は外殻111に接続される。
【0029】
内蔵同軸ケーブル150は、複数の銅線から成る芯線151と、芯線151を包み込むように周囲に設けられる絶縁体152と、絶縁体152の周囲に設けられる内側網組線153と、内側網組線153を覆うように設けられる内側グラファイトシート154と、内側グラファイトシート154を覆うように設けられる内側外皮155とを備える。絶縁体152は例えばポリエチレンから成り、内側網組線153は遮蔽部材とも呼ばれ、銅から成る導線を編んで網状にしたもの、或いは導線を単純に巻き付けたものである。内側グラファイトシート154は、シート状のグラファイトであって、伝熱部材を成す。内側外皮155はビニールなどの絶縁体から成る。内側網組線153と内側グラファイトシート154とは互いに接触し、熱的に接続されている。芯線151は側面端子134と半田付けされ、内側網組線153は平面端子135と半田付けされる。
【0030】
絶縁電線160は、複数の銅線から成る絶縁芯線161と、絶縁芯線161を包み込むように周囲に設けられる絶縁体162とを備える。絶縁体162は例えばビニールなどの絶縁体162から成る。絶縁芯線161は平面端子135と半田付けされる。
【0031】
3本の内蔵同軸ケーブル150は、3本の絶縁電線160と交互に並べられて円筒形状を成し、円筒の周囲を外側網組線141が覆う。そして、外側網組線141の周囲を外側グラファイトシート142が覆い、外側グラファイトシート142の周囲を外側外皮143が覆う。外側網組線141と外側グラファイトシート142とは互いに接触し、熱的に接続されている。また外殻110の内側において、基板130及び第1のケーブル140が占める領域以外に樹脂170が充填される。
【0032】
次に、撮像素子120が熱を発したときの第1の放熱装置100の状態について説明する。撮像素子120が熱を発すると、ボール状端子123から円状端子136を経て基板130に熱が伝えられる。基板130に伝えられた熱は、支持部112、パターン配線137、及びビア138に伝えられる。支持部112に伝えられた熱は、外殻111を介して外側網組線141及び外側グラファイトシート142に伝えられる。他方、一部のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、平面端子135を経て内側網組線153及び内側グラファイトシート154に伝えられる。グラファイトシートは、銅よりも大きな熱伝導率を有するため、外側網組線141及び内側網組線153よりも多くの熱を早く、広範囲に伝えることが出来る。すなわち、外側網組線141と内側網組線153の外側に各々外側グラファイトシート142と内側グラファイトシート154とを設けることにより、外側網組線141及び内側網組線153のみを設ける場合と比較して、撮像素子120からより多くの熱を吸収するとともに、放熱することが出来る。
【0033】
さらに、一部のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、平面端子135を経て絶縁芯線161に伝えられ、他のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、側面端子134を経て芯線151に伝えられる。絶縁芯線161及び芯線151を介して、一部の熱を発散することができる。
【0034】
被験者の負担を減らすため、内視鏡の先端部は可能な限り小さくなるように形成される。そのため、内視鏡の先端部には熱がこもりやすくなる傾向がある。内視鏡の先端部に熱がこもると撮像素子の温度が上昇し、これにより画像信号に含まれる暗電流が増加して画質が劣化する。しかしながら本実施形態によれば、撮像素子120が生じた熱が外側グラファイトシート142と内側グラファイトシート154とに伝えられることにより、撮像素子120が生じた熱を効率よく吸収し、かつ効率よく放熱し、内視鏡の先端部が所定以上の温度になることを防ぐことができる。そして、画質の劣化を防止できる。
【0035】
なお、内蔵同軸ケーブル150及び絶縁電線160の数は3本に限定されず、互いの位置関係は図示のものに限定されない。
【0036】
また、外側グラファイトシート142は外側網組線141の内側に設けられてもよく、内側グラファイトシート154は内側網組線153の内側に設けられてもよい。
【0037】
第1のケーブル140は、多芯ケーブルを内蔵するものであってもよく、複数の内蔵同軸ケーブル150のみを内蔵するものであってもよい。
【0038】
外側グラファイトシート142がある場合には、内蔵同軸ケーブル150に内側グラファイトシート154が無くても良いし、内蔵同軸ケーブル150に内側グラファイトシート154がある場合には、外側グラファイトシート142が無くても良い。
【0039】
次に、
図4及び5を用いて第2の実施形態による第2の放熱装置200について説明する。第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
第2の放熱装置200は、基板130及び第2のケーブル240を備え、撮像素子120と共にケーシング110に格納され、内視鏡20の先端部25に納められる。撮像素子120、基板130、及びケーシング110の構成は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
第2のケーブル240は、複数の銅線から成る芯線241と、芯線241を包み込むように周囲に設けられる絶縁体242と、絶縁体242の周囲に設けられる網組線243と、網組線243を覆うように設けられるグラファイトシート244と、グラファイトシート244を覆うように設けられる外皮245とを備える。絶縁体242は例えばポリエチレンから成る。網組線243は遮蔽部材とも呼ばれ、銅から成る導線を編んで網状にしたもの、或いは導線を単純に巻き付けたものである。銅の熱伝導率は、401W/m・kである。グラファイトシート244は、グラファイトをシート状に加工したものであって、伝熱部材を成す。グラファイトシート244の厚さは17μmから100μmであって、厚さが17μmのグラファイトシート244の熱伝導率は、1750W/m・kであり、厚さが100μmのグラファイトシート244の熱伝導率は、700W/m・kである。外皮245はビニールなどの絶縁体から成る。網組線243とグラファイトシート244とは互いに接触し、熱的に接続されている。芯線241は側面端子134と半田付けされ、網組線243は平面端子135と半田付けされる。
【0042】
次に、撮像素子120が熱を発したときの放熱装置の状態について説明する。撮像素子120が熱を発すると、ボール状端子123から円状端子136を経て基板130に熱が伝えられる。基板130に伝えられた熱は、パターン配線137及びビア138に伝えられる。一部のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、平面端子135を経て網組線243及びグラファイトシート244に伝えられる。グラファイトシート244は、銅よりも大きな熱伝導率を有するため、網組線243よりも多くの熱を早く、広範囲に伝えることが出来る。すなわち、網組線243の外側にグラファイトシート244を設けることにより、網組線243のみを設ける場合と比較して、撮像素子120からより多くの熱を吸収するとともに、放熱することが出来る。
【0043】
さらに、一部のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、側面端子134を経て芯線241に伝えられる。芯線241を介して、熱の一部を発散することができる。
【0044】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得る。
【0045】
本実施形態において、グラファイトシート244は網組線243の内側に設けられても良い。
【0046】
次に、
図6及び7を用いて第3の実施形態による第3の放熱装置300について説明する。第1及び第2の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
第3の放熱装置300は、基板130及び第3のケーブル340を備え、撮像素子120と共にケーシング110に格納され、内視鏡20の先端部25に納められる。撮像素子120及びケーシング110の構成は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0048】
第3のケーブル340は、3本のツイストペアケーブル350及び3本の絶縁電線160を外側網組線141、外側グラファイトシート142、及び外側外皮143で包み込んで成る。絶縁電線160、外側網組線141、外側グラファイトシート142、及び外側外皮143の構成は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0049】
ツイストペアケーブル350は、互いに捻り合わされる2本の被覆芯線370と、2本の被覆芯線370の周囲に設けられる内側網組線353と、内側網組線353を覆うように設けられる内側グラファイトシート354と、内側グラファイトシート354を覆うように設けられる内側外皮355とを備える。被覆芯線370は、芯線371と絶縁体372とから成る。芯線371は複数の銅線から成り、絶縁体372は例えばポリエチレンから成る。内側網組線353と内側グラファイトシート354と内側外皮355とにより2本の被覆芯線が包まれる。内側網組線353、内側グラファイトシート354、及び内側外皮355の構成は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0050】
3本のツイストペアケーブル350は、3本の絶縁電線160と交互に並べられて円筒形状を成し、円筒の周囲を外側網組線141が覆う。そして、外側網組線141の周囲を外側グラファイトシート142が覆い、外側グラファイトシート142の周囲を外側外皮143が覆う。外側網組線141と外側グラファイトシート142とは互いに接触し、熱的に接続されている。
【0051】
次に、撮像素子120が熱を発したときの第3の放熱装置300の状態について説明する。撮像素子120が熱を発すると、ボール状端子123から円状端子136を経て基板130に熱が伝えられる。基板130に伝えられた熱は、支持部112、パターン配線137、及びビア138に伝えられる。支持部112に伝えられた熱は、外殻111を介して外側網組線141及び外側グラファイトシート142に伝えられる。他方、一部のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、平面端子135を経て内側網組線353及び内側グラファイトシート354に伝えられる。グラファイトシートは、銅よりも大きな熱伝導率を有するため、外側網組線141及び内側網組線353よりも多くの熱を早く、広範囲に伝えることが出来る。すなわち、外側網組線141と内側網組線353の外側に各々外側グラファイトシート142と内側グラファイトシート354とを設けることにより、外側網組線141及び内側網組線353のみを設ける場合と比較して、撮像素子120からより多くの熱を吸収するとともに、放熱することが出来る。
【0052】
さらに、一部のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、平面端子135を経て絶縁芯線161に伝えられ、他のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、側面端子134を経て被覆芯線371に伝えられる。絶縁芯線161及び被覆芯線371を介して、一部の熱を発散することができる。
【0053】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得る。
【0054】
なお、ツイストペアケーブル350及び絶縁電線160の数は3本に限定されず、互いの位置関係は図示のものに限定されない。
【0055】
また、外側グラファイトシート142は外側網組線141の内側に設けられてもよく、内側グラファイトシート354は内側網組線353の内側に設けられてもよい。
【0056】
第3のケーブル340は、多芯ケーブルを内蔵するものであってもよく、複数のツイストペアケーブル350のみを内蔵するものであってもよい。
【0057】
第3のケーブル340が内蔵するツイストペアケーブル350の数は3つに限定されない。
【0058】
外側グラファイトシート142が設けられる場合には、ツイストペアケーブル350が内側グラファイトシート354を備えなくてもよく、内側グラファイトシート354が設けられる場合には、外側グラファイトシート142が設けられなくてもよい。
【0059】
次に、
図8及び9を用いて第4の実施形態による第4の放熱装置400について説明する。第1−3の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0060】
第4の放熱装置400は、基板130及び第4のケーブル440を備え、撮像素子120と共にケーシング110に格納され、内視鏡20の先端部25に納められる。撮像素子120、基板130、及びケーシング110の構成は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
第4のケーブル440は、互いに捻り合わされる2本の被覆芯線450と、2本の被覆芯線450の周囲に設けられる網組線443と、網組線443を覆うように設けられるグラファイトシート444と、グラファイトシート444を覆うように設けられる外皮445とを備える。被覆芯線450は、芯線451と絶縁体452とから成る。芯線451は複数の銅線から成り、絶縁体452は例えばポリエチレンから成る。網組線443、グラファイトシート444、及び外皮445の構成は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0062】
次に、撮像素子120が熱を発したときの放熱装置の状態について説明する。撮像素子120が熱を発すると、ボール状端子123から円状端子136を経て基板130に熱が伝えられる。基板130に伝えられた熱は、パターン配線137及びビア138に伝えられる。一部のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、平面端子135を経て網組線443及びグラファイトシート444に伝えられる。グラファイトシート444は、銅よりも大きな熱伝導率を有するため、網組線443よりも多くの熱を早く、広範囲に伝えることが出来る。すなわち、網組線443の外側にグラファイトシート444を設けることにより、網組線443のみを設ける場合と比較して、撮像素子120からより多くの熱を吸収するとともに、放熱することが出来る。
【0063】
さらに、一部のパターン配線137及びビア138に伝えられた熱は、側面端子134を経て芯線451に伝えられる。芯線451を介して、熱の一部を発散することができる。
【0064】
本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得る。
【0065】
本実施形態において、グラファイトシート444は網組線443の内側に設けられても良い。
【0066】
なお、いずれの実施形態においてもケーシング110は円筒形でなくても良い。
【0067】
また、いずれの実施形態においても基板の材料は前述の材料に限定されず、それぞれの特性に適合した材料であればよい。そして、基板の形状は直方体に限定されない。
【0068】
いずれの実施形態においても、第1−第4のケーブル140−440は、同軸ケーブルの代わりにツイストペアケーブルのような多芯ケーブルのみを内蔵するものであってもよく、同軸ケーブル及び多芯ケーブルを内蔵するものであってもよい。
【0069】
また、外側グラファイトシート142、内側グラファイトシート154、グラファイトシート244、内側グラファイトシート354、及びグラファイトシート444は、炭素系材料から成るものであればよく、例えば炭素繊維、又は炭素繊維をシート状に織ったものであっても良い。
【0070】
いずれの実施形態においても、グラファイトシートは網組線の外周のみでなく、外周、内周、外周及び内周、外周の全周、内周の全周、外周及び内周の全周に設けられてもよい。
【0071】
第1−4の放熱装置100−400を設ける装置は、内視鏡に限定されない。
【0072】
また、いずれの実施形態においても撮像素子120はCMOSでなくてもよく、例えばCCD等の固体撮像素子であってもよい。