(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外部電極は、ビアによって前記第2の上部回路パターン層及び前記第2の下部回路パターン層のうちの少なくともいずれか一つと電気的に接続されることを特徴とする請求項10に記載の回路基板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1のように、ガラスセラミック材料のみで絶縁層を具現する場合、ビアや回路パターンを加工する過程が非常に難しく、微細で且つ集積度の高い回路パターンを具現しにくく、また層間の接着信頼性を確保しにくい。
【0009】
また、特許文献2のように、レジンにガラス芯材またはガラス繊維を含浸させたコアの場合にも、十分な剛性を確保することができなく、反りの減少に限界がある。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、回路基板の反りを減少すると共に製造効率を向上することができる、回路基板及びその製造方法を提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を解決するために、本発明の一実施形態による回路基板は、無機物絶縁層と、前記無機物絶縁層の表面に形成される第1の回路パターン層と、前記無機物絶縁層上に形成される有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層と、前記第1のビルドアップ絶縁層の表面に形成される第2の回路パターン層とを含む。
【0012】
前記無機物絶縁層は、ガラスシートまたは板ガラスである。
【0013】
また、前記無機物絶縁層の一領域に凹部が設けられ、前記凹部内に少なくとも一部が挿入され、少なくとも一面に外部電極が設けられた電子部品をさらに含み、前記第1のビルドアップ絶縁層は前記電子部品をカバーする。
【0014】
前記第1のビルドアップ絶縁層は、前記無機物絶縁層の上部に形成される第1の上ビルドアップ絶縁層及び前記無機物絶縁層の下部に形成される第1の下ビルドアップ絶縁層を含む。
【0015】
また、前記第1の上ビルドアップ絶縁層上に形成されるビルドアップ層の数と前記第1の下ビルドアップ絶縁層上に形成されるビルドアップ層の数とは異なる。
【0016】
前記外部電極は、前記第1の上ビルドアップ絶縁層の方に位置し、前記第1の上ビルドアップ絶縁層上に形成されるビルドアップ層の層数が前記第1の下ビルドアップ絶縁層上に形成されるビルドアップ層の層数より大きくなる。
【0017】
前記第1の回路パターン層は、前記無機物絶縁層の両面に形成され、前記無機物絶縁層を貫くビアによって電気的に接続される。
【0018】
また、前記第1のビルドアップ絶縁層上に少なくとも一つのビルドアップ層がさらに設けられる。
【0019】
また、前記無機物絶縁層は、キャビティが設けられた第1の無機物絶縁層と、第1の無機物絶縁層の下面に結合される接着層と、前記接着層の下面に結合される第2の無機物絶縁層とから成る。
【0020】
また、前記無機物絶縁層の一領域には、前記無機物絶縁層を貫くキャビティが設けられ、前記キャビティ内に少なくとも一部が挿入され、少なくとも一面に外部電極が設けられた電子部品をさらに含み、前記第1のビルドアップ絶縁層は、前記電子部品をカバーする。
【0021】
前記電子部品は、キャパシターである。
【0022】
また、本発明の他の実施形態による回路基板は、キャビティまたは凹部が形成された無機物絶縁層と、前記無機物絶縁層の表面に設けられる認識マークと、前記キャビティまたは前記凹部内に少なくとも一部が挿入され、少なくとも一面に外部電極が設けられた電子部品と、前記無機物絶縁層上に形成される有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層と、前記第1のビルドアップ絶縁層の表面に形成される第2の回路パターン層とを含む。
【0023】
前記無機物絶縁層は、ガラスシートまたは板ガラスである。
【0024】
また、前記第1のビルドアップ絶縁層は、前記無機物絶縁層の上部に形成される第1の上ビルドアップ絶縁層及び前記無機物絶縁層の下部に形成される第1の下ビルドアップ絶縁層を含む。前記第2の回路パターン層は、前記第1の上ビルドアップ絶縁層の上面に設けられる第2の上部回路パターン層及び前記第1の下ビルドアップ絶縁層の下面に設けられる第2の下部回路パターン層を含む。前記第2の上部回路パターン層及び前記第2の下部回路パターン層は、前記第1のビルドアップ絶縁層及び前記無機物絶縁層を貫くビアによって電気的に接続される。
【0025】
また、前記ビアは、前記認識マークを貫く。
【0026】
また、前記外部電極は、ビアによって前記第2の上部回路パターン層及び前記第2の下部回路パターン層のうちの少なくともいずれか一つと電気的に接続される。
【0027】
また、前記外部電極は、前記第1の上ビルドアップ絶縁層の方に位置し、前記第1の上ビルドアップ絶縁層上に形成されるビルドアップ層の層数が前記第1の下ビルドアップ絶縁層上に形成されるビルドアップ層の層数より大きくなる。
【0028】
前記電子部品は、キャパシターである。
【0029】
また、上記の目的を解決するために、本発明のさらに他の実施形態による回路基板製造方法は、無機物絶縁層の表面に第1の回路パターン層を形成するステップと、前記無機物絶縁層に凹部またはキャビティを形成するステップと、外部電極が設けられた電子部品の少なくとも一部を前記凹部または前記キャビティに挿入するステップと、前記無機物絶縁層上に有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層を形成するステップと、前記第1のビルドアップ絶縁層を貫いて前記第1の回路パターン層及び前記外部電極のうちの少なくともいずれか一つの表面を露出させるビアホールを形成するステップと、前記ビアホール内に導電性材料を形成し、前記第1のビルドアップ絶縁層の表面に第2の回路パターン層を形成するステップとを含む。
【0030】
前記無機物絶縁層に凹部またはキャビティを形成するステップは、前記無機物絶縁層上に前記凹部またはキャビティを形成する領域を露出させるレジストパターンを形成するステップと、露出した領域をウェトエッチングして凹部またはキャビティを形成した後、前記レジストパターンを除去するステップとを含む。
【0031】
また、前記第1のビルドアップ絶縁層は、前記無機物絶縁層の上部に形成される第1の上ビルドアップ絶縁層及び前記無機物絶縁層の下部に形成される第1の下ビルドアップ絶縁層を含む。前記第1の上ビルドアップ絶縁層及び前記第1の下ビルドアップ絶縁層上に少なくとも一つのビルドアップ層を形成するステップをさらに含む。前記第1の上ビルドアップ絶縁層に形成されるビルドアップ層の層数と、前記第1の下ビルドアップ絶縁層上に形成されるビルドアップ層の層数とは異なる。
【0032】
また、外部電極が設けられた電子部品の少なくとも一部を前記凹部または前記キャビティに挿入するステップは、前記キャビティが形成された無機物絶縁層の下面に接着層を結合した状態で、前記電子部品の下面を前記接着層に接触させた後、前記接着層の下面に付加無機物絶縁層を結合して行われる。
【0033】
また、前記無機物絶縁層に表面エッチング、強化及び不透明処理の中から選択される少なくとも一つの前処理過程をさらに行う。
【0034】
また、本発明のさらに他の実施形態による回路基板製造方法は、無機物絶縁層の表面に認識マークを形成するステップと、前記無機物絶縁層に凹部またはキャビティを形成するステップと、外部電極が設けられた電子部品の少なくとも一部を前記凹部または前記キャビティに挿入するステップと、前記無機物絶縁層上に有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層を形成するステップと、前記第1のビルドアップ絶縁層を貫いて外部電極の表面を露出させるビアホールを形成するステップと、前記ビアホール内に導電性材料を形成し、前記第1のビルドアップ絶縁層の表面に第2の回路パターン層を形成するステップとを含む。
【0035】
前記無機物絶縁層に凹部またはキャビティを形成するステップは、前記認識マークを基準にして予め決められた領域をパターニングするステップを含む。
【0036】
また、前記外部電極が設けられた電子部品の少なくとも一部を前記凹部または前記キャビティに挿入するステップは、前記認識マークを基準にして予め決められた位置に前記電子部品を実装して行われる。
【0037】
また、前記第1のビルドアップ絶縁層を貫いて外部電極の表面を露出させるビアホールを形成するステップは、前記第1のビルドアップ絶縁層、前記認識マーク及び前記無機物絶縁層を貫くビアホールを形成するステップを含む。
【0038】
また、前記第1のビルドアップ絶縁層は、前記無機物絶縁層の上部に形成される第1の上ビルドアップ絶縁層及び前記無機物絶縁層の下部に形成される第1の下ビルドアップ絶縁層を含む。前記第1の上ビルドアップ絶縁層及び前記第1の下ビルドアップ絶縁層上に少なくとも一つのビルドアップ層を形成するステップをさらに含み、前記第1の上ビルドアップ絶縁層に形成されるビルドアップ層の層数と、前記第1の下ビルドアップ絶縁層上に形成されるビルドアップ層の層数とは、異なる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、無機物絶縁層を設けることによって、反りを従来より低減すると共に有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層などにビア及び回路パターンなどを効率よく形成することができるという効果が奏する。
【0040】
また、本発明によれば、反りを充分に減少させると共に無機物絶縁層の上部と下部に形成されるビルドアップ層が対称されるようにする必要がなく、設計の自由度が増加し、回路基板をより一層スリム化することができるという効果が奏する。
【0041】
また、本発明によれば、認識マークを活用するによって、ビアホールの加工、凹部またはキャビティの加工及び電子部品実装過程の正確度をより一層向上させることができるという効果が奏する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0044】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0045】
以下、添付の図面を参照して、本発明の構成及び作用効果について詳記する。
【0046】
図1は、本発明の第1の実施形態による回路基板100を概略的に示す断面図である。
【0047】
図1に示すように、本発明の一実施形態による回路基板100は、無機物絶縁層110、第1の回路パターン層P1、第1のビルドアップ絶縁層120及び第2の回路パターン層P2を含む。
【0048】
無機物絶縁層110は、ガラスから成る。このガラスは、ガラス製造社で製造されるガラスシート(glass sheet)または板ガラスのようなガラスプレートが挙げられる。例えば、ガラスは、willow、Gorilla(商標名、Corning社製)、LimeSoda、夜品ディスプレイ(LCD)装置に使われる板ガラスなど多様な種類のガラス素材が挙げられる。本発明の一実施形態において、前記ガラスは、物性向上のために一部の不純物または添加物が混合されてもよい。
【0049】
一実施形態によれば、無機物絶縁層110はコア基板の役目を果たす。この場合、一般的なレジンまたはガラス繊維が含浸されたレジンをコア基板として使う場合に比べて、より優秀な剛性、モジュラス、引張強さなどを確保することができるため、回路基板の反りを根本的に解決することができる。
【0050】
ガラスには、willow、LCD、Gorilla、LimeSodaなど多様な種類のガラス素材が挙げられる。
【0051】
また、第1の回路パターン層P1は、無機物絶縁層110の表面に直接形成される。
【0052】
第1の回路パターン層P1, P1’は、無機物絶縁層110の両面に形成され、無機物絶縁層110を貫くスルービアVtを通じて無機物絶縁層110の一面に形成された第1の回路パターン層P1と無機物絶縁層110の他面に形成された第1の回路パターン層P1’とが電気的に接続される。
【0053】
第1のビルドアップ絶縁層120は、有機物材料から成る。
【0054】
例えば、第1のビルドアップ絶縁層120は、エポキシ樹脂によって形成される。一実施形態において、第1のビルドアップ絶縁層120はABFを含んでもよい。本発明の一実施形態によれば、前記有機物材料はレジンのような有機組成物にブィーラ(filler)のような添加物が含まれてもよい。また、第2の回路パターン層P2は、 第1のビルドアップ絶縁層120の表面に直接形成される。
【0055】
一実施形態によれば、無機物絶縁層110によって回路基板100の反りが基本的に遮られるため、ビルドアップ絶縁層としてプリプレグ(prepreg)のような芯材が含まれた絶縁材料を使わなくても、回路基板の十分な機械的、物理的特性を確保することができる。よって、前記有機物材料をビルドアップ絶縁層として使うことによって、より微細なピッチまたは線幅を有する回路パターンを形成することができる。
【0056】
また、第1のビルドアップ絶縁層120, 120’は無機物絶縁層110の上部と下部に形成される。無機物絶縁層110の上部に形成されるものを第1の上ビルドアップ絶縁層120と、無機物絶縁層110の下部に形成されるものを第1の下ビルドアップ絶縁層120’と称することにする。
【0057】
これによって、本発明の一実施形態による回路基板100は、無機物絶縁層110を設けることによって、反りを従来より低減すると共に有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層120などにビア及び回路パターンなどを効率よく設けるようになる。
【0058】
したがって、有機物のみで具現された従来の多層基板の場合、反りを減少させるのに限界があったが、本発明の一実施形態による回路基板100は、このような問題を解決することができる。
【0059】
また、基板全体がガラスで構成される従来の多層基板の場合、ビア及び回路パターンを加工する過程が非常に難しく、また層間の接着信頼性を確保しにくかったという問題があったが、本発明の一実施形態による回路基板100によればそのような問題点を解決することができる。
【0060】
図2は、本発明の第2の実施形態による回路基板200を概略的に示す断面図である。
【0061】
図2に示すように、本発明の第2の実施形態による回路基板200は、電子部品10が内蔵する。
【0062】
無機物絶縁層210の一領域に凹状に凹まれた凹部211が設けられ、電子部品10が凹部211内部に取り付けられる。当業者にとっては、電子部品10の全体が凹部211に挿入されなければならないのではないことは自明な事項である。
【0063】
また、電子部品10は、半導体チップなどの能動素子またはキャパシターなどの受動素子であってもよく、その外部に外部電極11が設けられる。
【0064】
特に、凹部211に電子部品10が取り付けられる本実施形態では、電子部品10の外部電極11が回路基板200の外部と電気的な接続を成すように外部電極11が形成された面が、凹部211の底面に対向する方向に位置されることが望ましい。
【0065】
無機物絶縁層210上には、有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層220が設けられ、無機物絶縁層210、第1の回路パターン層P1及び電子部品10をカバーする。
【0066】
前述のように、第1のビルドアップ絶縁層220は、無機物絶縁層210の上部のみに形成されてもよく、無機物絶縁層210の下部にもさらに形成されてもよい。
【0067】
第1のビルドアップ絶縁層220の表面には、第2の回路パターン層P2が設けられ、第2の回路パターン層P2は第1の回路パターン層P1及び外部電極11と第1のビアV1によって電気的に接続される。
【0068】
有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層220上に回路パターンを具現する過程は、ガラスなどの無機物絶縁層210に回路パターンを具現する過程に比べて、工程効率が高く且つ回路パターンの微細化にも有利である。また、絶縁層を貫くビアを加工する場合にも、相対的に手軽く精微に微細なビアを形成することができる。
【0069】
また、必要によって、第1のビルドアップ絶縁層220上には、一層以上のビルドアップ層がさらに設けられてもよい。これらのビルドアップ層は、ビルドアップ絶縁層及び該ビルドアップ絶縁層の表面に設けられた回路パターン層を含む。
【0070】
図2に示すように、無機物絶縁層210の上方向に第2のビルドアップ絶縁層230、第3の回路パターン層P3、第3のビルドアップ絶縁層240、第4の回路パターン層P4などがさらに設けられる。また、無機物絶縁層210の下方向にも同じ方式でビルドアップ層がさらに設けられる。
【0071】
また、同図のように、回路基板200の最外郭にはソルダレジストSR及びソルダボールSBがさらに設けられてもよい。
【0072】
これによって、本発明の第2の実施形態による回路基板200は、無機物絶縁層210によって反りを充分に減少させると共に有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層220などに微細な回路パターンを効率よく具現することができる。
【0073】
図3a〜
図3dは各々、本発明の第2の実施形態による回路基板200を製造する方法を概略的に示す工程断面図である。
【0074】
まず、
図3aに示すように、ガラスなどの無機物材料210’を前処理して無機物絶縁層210を準備する。前処理とは、表面エッチングなどの過程によって表面を処理するか、強さをさらに向上させるために強化(Hardening)させる過程を意味する。
【0075】
また、回路基板200の製造過程において回路パターンがよく形成されたか否かを検査するに当たって、無機物絶縁層210が透明な場合、無機物絶縁層210の下方に位置する回路パターンなどによって無機物絶縁層210の上方に位置する回路パターンの検査の効率性及び正確性が低くなることがある。そのため、無機物絶縁層210を不透明に処理してもよい。このような不透明処理は前処理過程に含まれる。
【0076】
無機物絶縁層210の表面には、第1の回路パターン層P1が形成される。第1の回路パターン層P1が無機物絶縁層210の両面に各々形成されてもよく、該両面に形成された第1の回路パターン層P1, P1’を電気的に接続させるためにスルービアVtを設けてもよい。
【0077】
詳しくは、無機物絶縁層210を貫くビアホールをレーザまたはウェトエッチングによって加工した後、該ビアホール内に導電性材料を満たしてスルービアVtを形成する。このスルービアVtによって、第1の回路パターン層P1, P1’間が電気的に接続される。
【0078】
続いて、
図3bに示すように、無機物絶縁層210に凹部211を形成する。
【0079】
まず、無機物絶縁層210上に凹部211が形成される領域を露出させるレジストパターンPRを形成する。レジストパターンPRは、フォトレジストパターンであってもよく、これに限定するものではない。
【0080】
続いて、エッチング液を用いてウェトエッチング(Wet etching)を行って、無機物絶縁層210にその一部が凹まれた凹部211が形成される。
【0081】
無機物絶縁層210の両面に第1の回路パターン層P1が形成されている場合、エッチング液によって第1の回路パターン層P1が損傷されないように、レジストパターンPRが第1の回路パターン層P1を全てカバーしてレジストパターンPRを形成するのが望ましい。
【0082】
続いて、エッチング過程が全て完了すれば、レジストパターンPRを全て除去することによって、無機物絶縁層210に凹部211が設けられる。
【0083】
続いて、
図3cに示すように、凹部211に電子部品10が挿入される。
【0084】
電子部品10の下面に接着剤12を塗布するか、凹部211の上面に接着剤12を塗布した後、電子部品10を実装することによって、電子部品10が比較的堅固に固定されるようにできる。
【0085】
続いて、第1のビルドアップ絶縁層220を形成し、ビア接続が必要な箇所、例えば電子部品10の外部電極11の上部領域や第1の回路パターン層P1の中の一つの領域に第1のビルドアップ絶縁層220を貫くビアホールVHをレーザまたはウェトエッチングによって形成する。
【0086】
続いて、ビアホールVHの内部を導電性材料で充填し、第1のビルドアップ絶縁層220の表面に第2の回路パターン層P2を形成する。
【0087】
続いて、
図3dに示すように、第1のビルドアップ絶縁層220上に棲数のビルドアップ層、ソルダレジストSR及びソルダボールSBを形成して回路基板200を製作する。
【0088】
図4は、本発明の第3の実施形態による回路基板300を概略的に示す断面図である。
【0089】
図4に示すように、無機物絶縁層210の上部に設けられるビルドアップ層の層数が無機物絶縁層210の下部に設けられるビルドアップ層の層数より多く形成されてもよい。
【0090】
例えば、同図のように、電子部品10の外部電極11が無機物絶縁層210の上方向に形成された場合、電子部品10の下部に比べて電子部品10の上部により複雑な配線が形成される必要がある。
【0091】
このような場合にも、従来の一般的な多層基板では、反りの減少のために無機物絶縁層210の上部と下部は互いに対称して形成されているため、電子部品10の上部に十分な配線が形成されることができなく、基板の面積が広くなるか、電子部品10の下部に不必要な層が設けられ、基板の厚さが厚くなるという不都合があった。
【0092】
しかし、前述のように、本発明による回路基板300は、無機物絶縁層210によって反りが充分に減少されると共に有機物材料の第1のビルドアップ絶縁層220などに微細な回路パターンを効率よく具現することができ、無機物絶縁層210の上部及び下部におけるビルドアップ層の数を異にすることができる。そのため、従来の問題点を解決することができるようになる。
【0093】
図5は、本発明の第4の実施形態による回路基板400を概略的に示す断面図である。
【0094】
図5に示すように、本発明の第4の実施形態による回路基板400では、前述の凹部の代わりに、キャビティ412を備え、電子部品10が該キャビティ412の内部に挿入される。
【0095】
図6は、本発明の第5の実施形態による回路基板500を概略的に示す断面図である。
【0096】
図6に示すように、本発明の第5の実施形態による回路基板500は、無機物絶縁層が第1の無機物絶縁層510、接着層515及び第2の無機物絶縁層513を備える。
【0097】
すなわち、第1の無機物絶縁層510にキャビティ512を形成した状態で、第1の無機物絶縁層510の下面に接着層515を結合し、電子部品10が第1の無機物絶縁層510のキャビティ512に挿入される過程で電子部品10の下面と接着層515の上面とが堅固に接着される。
【0098】
また、接着層515の下面に第2の無機物絶縁層513がさらに付着されることによって、無機物絶縁層の強さがさらに向上し、電子部品10をさらに安定して支持するようになる。
【0099】
第1の無機物絶縁層510及び第2の無機物絶縁層513は、説明の便宜上決めたもので、第1の無機物絶縁層510を無機物絶縁層、第2の無機物絶縁層513を付加無機物絶縁層と定義してもよい。
【0100】
図7は、本発明の第6の実施形態による回路基板600を概略的に示す断面図である。
【0101】
図7に示すように、キャビティ612の内部に挿入される電子部品20はMLCCなどのキャパシターであってもよい。
【0102】
キャパシターが挿入される場合、外部電極21の上面だけでなく下面にもビアが設けられ、各ビルドアップ層と電気的に接続されるようにすることが望ましい。
【0103】
図8は、本発明の第7の実施形態による回路基板700を概略的に示す断面図である。
【0104】
図8に示すように、本発明の第7の実施形態による回路基板700は、無機物絶縁層210、認識マークF、電子部品10、第1のビルドアップ絶縁層220及び第2の回路パターン層P2を備える。
【0105】
前述の実施形態と同様に、無機物絶縁層210は、ガラスから成ることが望ましい。
【0106】
第1のビルドアップ絶縁層220は無機物絶縁層210の上部及び下部に形成され、無機物絶縁層210の上部及び下部に第2の回路パターン層P2、P2’が各々形成されている場合、無機物絶縁層210の上部の第2の回路パターン層P2と無機物絶縁層210の下部の第2の回路パターン層P2’とを接続する必要がある。
【0107】
この場合、第1のビルドアップ絶縁層220を貫くスルービアVtを形成し、第2の回路パターン層P2間が電気的に接続されるようにする。
【0108】
また、形成されるスルービアVtは認識マークFを貫く。すなわち、スルービアVtを形成する時、正確な位置にビアホールを加工するために認識マークFを基準指標として活用してもよい。
【0109】
また、認識マークFは、無機物絶縁層210に凹部211やキャビティを形成する過程でも基準指標として活用されてもよく、電子部品10を実装する過程でも基準指標として活用されてもよい。
【0110】
これによって、ビアホールの加工、凹部211またはキャビティの加工及び電子部品10の実装過程での精密度がさらに向上されることができる。
【0111】
本実施形態は、前述の実施形態と異なり、無機物絶縁層210の表面に第1の回路パターン層P1が形成されない。
【0112】
現在の技術力を考慮する時、有機物材料の絶縁層に回路パターンを形成するかビアを形成する過程に比べて、ガラスなどの無機物絶縁層210の表面に回路パターンを形成するかビアを形成する過程は、歩留まりや工程効率が相対的を低い方である。
【0113】
勿論、無機物絶縁層210の表面に第1の回路パターン層P1を形成することによって、少なくともこの層の形成のための厚さが減少されるが、工程効率及び歩留まりなどを考慮すれば、第1の回路パターン層P1を形成するのによる効果が希釈されるおそれがある。
【0114】
したがって、このようないくつかの点を考慮して、前述の実施形態及び本実施形態の中から適切なのを適用して回路基板を製造する必要がある。前述の実施形態に重複する説明は省略することにする。
【0115】
図9a〜
図9dは各々、本発明の第7の実施形態による回路基板700を製造する方法を概略的に示す工程断面図である。
【0116】
まず、
図9aに示すように、ガラスなどの無機物材料210’を前処理して無機物絶縁層210を準備する。前処理とは、表面エッチングなどの過程によって表面を処理するか、強さの向上のために強化(Hardening)させるか、無機物絶縁層210を不透明処理する過程を意味する。
【0117】
一方、本発明の第7の実施形態による回路基板700には、認識マークFが設けられる。
【0118】
認識マークFは、前述のように、無機物絶縁層210に凹部211やキャビティを形成する過程でも基準指標として活用され、電子部品10を実装する過程でも基準指標として活用されてもよい。
【0119】
このような認識マークFは凹状や突起形態で設けられ、ここでは、突起形態で設けられることについて説明する。
【0120】
まず、無機物絶縁層210の一面にスパッターリング(Sputtering)またはプレーティング(plating)方式によって膜F’を形成する。
【0121】
続いて、認識マークFが形成される部分をカバーし、残りの部分は露出させるレジストパターンPRを形成する。このレジストパターンPRは、フォトレジストパターンであってもよい。
【0122】
続いて、露出した領域をエッチングなどの方式によって除去した後、レジストパターンPRを除去して、突起形態の認識マークFを形成する。
【0123】
続いて、
図9bに示すように、無機物絶縁層210に凹部211を形成する。
【0124】
まず、無機物絶縁層210上に凹部211が形成される領域を露出させるレジストパターンPRを形成する。このレジストパターンPRは、フォトレジストパターンPRであってもよく、これに限定するものではない。
【0125】
続いて、エッチング液を用いてウェトエッチングを行って、無機物絶縁層210にその一部が凹まれた凹部211が形成される。
【0126】
続いて、エッチング過程が全て完了すれば、レジストパターンPRを全て除去することによって、無機物絶縁層210に凹部211が設けられる。
【0127】
無機物絶縁層210に凹部211の代わりにキャビティを設けてもよい。このような凹部211及びキャビティは、前述のようにウェトエッチング方式で形成するかレーザドリル方式で形成してもよい。
【0128】
認識マークFを基準にして予め決められた領域にレーザを照射して前記凹部211またはキャビティを形成することによって、凹部211またはキャビティをさらに精散に加工することができる。
【0129】
続いて、
図9cに示すように、凹部211に電子部品10が挿入される。
【0130】
電子部品10の下面に接着剤12を塗布するか、凹部211の上面に接着剤12を塗布した後、電子部品10を実装することによって、電子部品10が比較的堅固に固定されるようにできる。
【0131】
その後、第1のビルドアップ絶縁層220を形成し、ビア接続が必要な箇所、例えば電子部品10の外部電極11の上部領域等に第1のビルドアップ絶縁層220を貫くビアホールVHをレーザまたはウェトエッチングによって形成する。
【0132】
一方、第2の回路パターン層P2が無機物絶縁層210の上部及び下部に形成され、これらを電気的に接続する必要がある場合、第1のビルドアップ絶縁層220及び無機物絶縁層210を貫くビアホールを形成してもよい。このビアホールの精微な加工のために、ビアホールが認識マークFを貫通するようにしてもよい。
【0133】
すなわち、認識マークFがスルービアVtを形成するためのビアホールを加工する基準指標として使われてもよい。
【0134】
続いて、ビアホール内を導電性材料で充填し、第1のビルドアップ絶縁層220の表面に第2の回路パターン層P2を形成する。
【0135】
続いて、
図9dに示すように、第1のビルドアップ絶縁層220上に複数のビルドアップ層、ソルダレジストSR、ソルダボールSBなどを形成して回路基板700を製作する。
【0136】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。