(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373580
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】補助的ハンドルを有する袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/06 20060101AFI20180806BHJP
B31B 70/86 20170101ALI20180806BHJP
【FI】
B65D33/06
B31B70/86
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-518812(P2013-518812)
(86)(22)【出願日】2011年7月6日
(65)【公表番号】特表2013-533179(P2013-533179A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】US2011043098
(87)【国際公開番号】WO2012006371
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2014年7月4日
【審判番号】不服2016-18577(P2016-18577/J1)
【審判請求日】2016年12月9日
(31)【優先権主張番号】13/176,737
(32)【優先日】2011年7月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/361,788
(32)【優先日】2010年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513005213
【氏名又は名称】サヴィル, タラ, ジェイ.
【氏名又は名称原語表記】SAVILLE, Tara, J.
(73)【特許権者】
【識別番号】513005224
【氏名又は名称】セイル, マーク, ディー.
【氏名又は名称原語表記】SALE, Mark, D.
(73)【特許権者】
【識別番号】513005235
【氏名又は名称】パールソン, ジェイ, ビー.
【氏名又は名称原語表記】PAULSON, Jay, B.
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(72)【発明者】
【氏名】サヴィル, タラ, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】セイル, マーク, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】パールソン, ジェイ, ビー.
【合議体】
【審判長】
渡邊 豊英
【審判官】
蓮井 雅之
【審判官】
久保 克彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−142713(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/056784(WO,A1)
【文献】
特表2007−505012(JP,A)
【文献】
特開2001−106301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D33/06
B31B70/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平らな部材の所定の部分から形成される本体部と、開口上部と、前記平らな部材に横断して設けられるとじ目によってシールされた底部と、を備える袋であって、
さらに、前記開口上部と隣接し、かつ前記開口上部の湾曲した周囲により少なくとも部分的に規定されるように、前記所定の部分から形成される第1のハンドルと、前記所定の部分から形成され、かつ前記とじ目の下方に設けられるハンドルフラップと、前記ハンドルフラップに形成されるホールを有する第2のハンドルと、を備え、
前記第1のハンドルは、前記開口上部および前記底部の間における前記平らな部材の側部を切断して形成されるホールによって、少なくとも部分的に規定され、前記第1のハンドルの前記ホールは、前記平らな部材の長手方向に直交する横軸に実質的に沿って設けられており、
前記平らな部材から構成されるロールから複数の当該袋をテセレーション製造することができるように、前記ハンドルフラップの下方周囲は、前記開口上部の前記湾曲した周囲と同一形状であり、
前記第1のハンドルの前記ホールおよび前記第2のハンドルの前記ホールの、前記長手方向の寸法が、同程度であり、
前記ロールにおいて、前記第2のハンドルの前記ホールと、前記ロールに設けられている次の袋が備える第1のハンドルのホールとが、前記横軸に実質的に沿って設けられていることを特徴とする袋。
【請求項2】
前記本体部は、3つの閉じられた側縁部を有する請求項1に記載の袋。
【請求項3】
前記下方周囲は、スカラップ状のとじ目である請求項1に記載の袋。
【請求項4】
前記平らな部材は、プラスチック、繊維素材、紙、厚紙および布よりなる群から選択される請求項1に記載の袋。
【請求項5】
前記ハンドルフラップに形成される前記ホールの周囲の少なくとも一部は、シールされている請求項1に記載の袋。
【請求項6】
前記第2のハンドルは、少なくとも2枚のフラップを有し、該フラップ同士の間に強化材を有する請求項5に記載の袋。
【請求項7】
前記ハンドルフラップの前記下方周囲は、融着されている請求項1に記載の袋。
【請求項8】
さらに、第3のハンドルを備える請求項1に記載の袋。
【請求項9】
前記ハンドルフラップは、対向する面が完全に接着されている領域を有する請求項1に記載の袋。
【請求項10】
前記平らな部材は、チューブ状のプラスチックストックである請求項1に記載の袋。
【請求項11】
平らなチューブ状の部材の所定の部分から形成され、開口上部と、前記平らなチューブ状の部材に横断して設けられるとじ目によってシールされた底部と、を有する袋であって、
前記開口上部と隣接し、かつ前記開口上部の湾曲した周囲により少なくとも部分的に規定されるように、前記所定の部分から形成される上ハンドルと、
前記とじ目の下方に設けられるハンドルフラップと、をさらに備え、
前記平らなチューブ状の部材から構成されるロールから複数の当該袋をテセレーション製造することができるように、前記ハンドルフラップの下方周囲は、前記開口上部の前記湾曲した周囲と同一形状であり、
さらに、前記ハンドルフラップは、前記所定の部分から形成される下ハンドルを有しており、
前記上ハンドルは前記開口上部および前記底部の間における前記平らなチューブ状の部材の側部を切断して形成されるホールによって、少なくとも部分的に規定され、前記上ハンドルに設けられる前記ホールは、前記平らなチューブ状の部材の長手方向に直交する横軸に実質的に沿って設けられており、
前記下ハンドルは、前記ハンドルフラップにおいて規定されるホールを有し、
前記上ハンドルの前記ホールおよび前記下ハンドルの前記ホールの、前記長手方向の寸法が、同程度であり、
前記ロールにおいて、前記下ハンドルの前記ホールと、前記ロールに設けられている次の袋が備える上ハンドルのホールとが、前記横軸に実質的に沿って設けられていることを特徴とする袋。
【請求項12】
前記ハンドルフラップにおいて規定される前記ホールの周囲の少なくとも一部は、シールされている請求項11に記載の袋。
【請求項13】
前記湾曲した周囲は、スカラップ状である請求項11に記載の袋。
【請求項14】
前記ハンドルフラップは、対向する面が完全に接着されている領域を有する請求項11に記載の袋。
【請求項15】
ミシン目によって取り外し可能に少なくとも2つの連続する袋が接続して形成される平らなチューブ状の部材で構成されている、テセレーション製造に供される袋ロールであって、
ミシン目が入った上部と、該上部に隣接し、前記平らなチューブ状の部材から形成される上ハンドルと、を有する前記連続する袋のうちの第1の袋と、
前記平らなチューブ状の部材に横断して形成される底部とじ目の下方に設けられるハンドルフラップに形成される下ハンドルを有する、前記連続する袋のうちの第2の袋と、を備え、
前記第1の袋の前記上ハンドルは、前記平らなチューブ状の部材の側部を切断することにより形成されるホールと、前記上部の湾曲した周囲とによって少なくとも部分的に規定され、
前記第2の袋の前記ハンドルフラップは、前記平らなチューブ状の部材から形成され、前記第1の袋の前記上部の前記湾曲した周囲によって規定される下方周囲を有し、
前記第2の袋の前記下ハンドルは、前記ハンドルフラップにおいて規定されるホールを有し、
前記第2の袋の前記下ハンドルの前記ホールおよび前記第1の袋の前記上ハンドルの前記ホールは、当該袋ロールの長手方向における寸法が同程度であり、かつ前記長手方向に直交する横軸に実質的に沿って設けられていることを特徴とする袋ロール。
【請求項16】
前記平らなチューブ状の部材は、チューブ状のプラスチックストックである請求項15に記載の袋ロール。
【請求項17】
前記ハンドルフラップにおいて規定される前記ホールの周囲の少なくとも一部は、シールされている請求項15に記載の袋ロール。
【請求項18】
前記湾曲した周囲は、スカラップ状である請求項15に記載の袋ロール。
【請求項19】
前記ハンドルフラップは、対向する面が完全に接着されている領域を有する請求項15に記載の袋ロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の明示。本件出願は、2010年7月6日付のアメリカ仮特許出願No.61/361,788の優先権を主張する継続出願である。
【背景技術】
【0002】
過度な負荷による背中の損傷は、まれに1つの出来事または事故によって引き起こされる。人間の背骨は、通常、椎間板や脊椎骨や筋肉を含む背中の部位が損傷するまで、数週間または数か月に渡って重い物を持ち上げたりぎこちない作業姿勢をとることに耐えられるようになっている。日常的に肉体労働をする者でなくとも、ゴミ捨てや庭の掃除や庭園のゴミ処分等の通常の家事により、背中を損傷することもある。
【0003】
ゴミ袋(trash bags)は、通常、下部にシールされたとじ目(合わせ目/seam)と、上部にいろいろな種類の閉止手段(some sort of closure)を有するように設計されている。閉止手段には、ねじった結び目(twist ties)、引き紐型ハンドル(drawstring handles)、袋の上部の延長部を結べるもの、いわゆる「ハンドル結び目型袋(handle tie bags)」等と呼ばれるものが含まれる。一度袋を閉じると、使用者は通常その袋を閉じた部分から袋を持ち上げ、ごみ箱の中に入れる。このように、ごみ袋の一か所(通常、使用者の体から離れた部分)を掴んで持ち上げるのは人間工学的ではなく、怪我または少なからず疲れが生じる。
【0004】
さらに、よりしっかりと袋を掴むため、使用者は袋の本体部(the body of the bag)を持ってもよい。その場合、もし袋の中に不可視の鋭利な物体があると、使用者が袋を持つとき不可視の物体によって負傷する可能性がある。使用者が袋の本体部を持たない場合でも、通常その袋は運ばれるとき、使用者の脚の横にぶら下がっているので、使用者はその鋭利な物体に当たって脚を負傷する可能性がある。
【0005】
さらに、重量配分が悪く、千切れたり破れたりするおそれがあるため、その袋は最大容量近くまで使用されないことがよくある。また、手さげ袋には使用者が高く持ち上げることができないという不便さがあるため、使用者が望む量のゴミを持ち上げることができないこともしばしばある。これは、現在利用可能な詰め込み袋(fillable bag)が非効率的であり経済的でないことを意味する。
【0006】
これは袋に予め詰められた原材料や予めパッケージされた原材料にも当てはまる。原材料の生産者や製造者は、砂、コンクリート、鉢植えの土等のような原材料を持ちやすくかつ移動させやすくするため、小さな袋に詰め込むことがある。使用者がより容易に原材料を取り扱う方法があれば、生産者はより多くの量を詰め込むことができ、その原材料の重量あたりに必要な袋の数を減らすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、一般的なゴミ袋の使用例である。
【0008】
図2は、効率的かつ人間工学的な使用を促すための第2のハンドルを備えた袋の実施形態を示している。
【0009】
図3は、点荷重の重量分布を示している。
【0010】
図4は、2点間で配分された荷重の重量分布を示している。
【0011】
図5A-Dは、ハンドルおよび上部の形状が異なる袋の例を示している。
【0012】
図6A-Bは、 第2の引き紐型ハンドル(second draw string handle)を有する引き紐型の袋(draw-string bag)の例を示している。
【0013】
図7-8は、ホールハンドル型の袋(hole handle bag)に対する第2のハンドルの異なる実施形態を示している。
【0014】
図9-10は、ハンドル結び目型の袋(handle tie bag)および引き紐型の袋に対する第2のハンドルの実施形態を示している。
【0015】
図11は、底部のシールされたとじ目の近くに吸収材を有する袋の実施形態を示している。
【0016】
図12は、袋の材料の2層の間に接着された吸収材または吸収ライナを有する袋の実施形態である。
【0017】
図13は、袋の製造工程の実施形態を示している。
【0018】
図14-14Bは、袋のハンドルと本体部を詳細に示す断面図である。
【0019】
図15は、切断、融着およびミシン目加工(perforation)を同時に行ってとじ目を製造することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、使用者が袋(bag)10を持ち上げている例を示している。この例では、袋は、ハンドル部結び目型のごみ袋である(handle tie trash bag)。図示されているように、袋10の荷重は使用者の腕12から真下にかかっている。このために、使用者は、線14で示す垂線(垂直方向)から距離16ほど体を曲げることになる。これは使用者の背中が支点となってしまうため、圧迫および負担を与え、損傷のおそれを増加させる。
【0021】
図2は、使用者が底部側ハンドルフラップ(handle flap)20を使用して袋を持ち上げている例である。この図では、使用者は垂線14からいくらか背中を曲げているように描かれているが、使用者にとっては、腕を広げることができしかも荷重を腰で均等に受けることができるため、より十分に背中を伸ばすことができる。さらに、垂直方向からいくらか背中が曲がっていても、荷重による圧迫や負担が集中する支点となる個所がないので、使用者は背中をよりまっすぐな状態に保つことがより容易になる。
【0022】
図3は、20トンの重量の荷重22が1つの支点にかかっている状態を示している。この場合、荷重によるすべての力が荷重22の持ち上げ位置に集中する。これに対し、
図4は、20トンの重量の荷重24および26が2つの支点にかかっている状態を示している。この場合、荷重はその2点の間でほぼ均等に配分される。さらに、荷重を2点にかけることにより、より自由度の高い動きを可能にするとともに、荷重がより均等にかかるように2つの支点を調整することを可能にする。刈り取った芝生や葉のように、異なる密度の様々なものが混在し、ごみ袋の中で生じる荷重が均等でない場合、2点間でバランスを調整することができるという利点を提供する。2つのハンドルを有することにより、2点間で荷重を分配することが可能となる。
【0023】
ここで用いられている「袋(bag)」という用語は、3つの閉じられた縁部(すなわち、左側縁部、右側縁部、底縁部)と、2つの側面(すなわち、前面サイドパネル、後面サイドパネル)と、上部開口とを有し、どのような物でも入れられる容器(ポケット)を意味する。上部開口は、いろいろなタイプの閉止手段(closure)を備えていてもいなくてもよい。その一方で、袋は、はっきりとした縁部を有さなくてもよい。例えば、袋は、開口部と連続した湾曲縁部とを有する平らなチューブ状のストックから形成された本体部を有するものでもよい。その場合、上部ハンドルは開口部に設けられ、底部ハンドルフラップは、通常、袋の底部における湾曲したとじ目の部分に設けられるが必ずしもその位置に限られるものではない。「袋」の例としては、家庭用「台所」袋、「アウトドア」用袋、業者用袋などのあらゆるサイズの袋が挙げられ、それらの袋はプラスチック、繊維状の物質、紙、ボール紙または薄い布で作られたものであってもよい。また、「袋」には、コンクリート、砂、鉢植え用の土、木皮の根覆い、穀類、堆肥等を詰められるあらゆるサイズの原材料用の袋が含まれる。上部ハンドルは、開口部の側縁から形成されたものでもよく、また開口部から分離されたものでもよく、袋のサイドパネルから形成されたものでもよい。これらは、「開口部に隣接」しているとして説明されている。
【0024】
図5A-Dは、袋本体の前面サイドパネルおよび後面サイドパネル10と、上部ハンドル結び目32と、ハンドルフラップ20と、側縁部94とを有する袋の実施形態を示している。底部ハンドルフラップ20は、
図5Aの袋では、シールされたとじ目(sealed seam)30の外側に設けられている。
図5Bの袋では、結び目32と底部ハンドルフラップ20が
図5Aの袋と異なる位置関係になっている。また、
図5Bは、
図5Aの袋とは異なるハンドルの構造を図示している。ハンドルフラップは、いろいろな形状やサイズやタイプとすることができる。また、ハンドルフラップは、本体部のパネル10から延出したものでもよく、分離した別部材から形成してもよい。さらに、袋の本体部と同じ材料で形成してもよく、別の材料から形成してもよい。また、ハンドルフラップは、本体部に接合、融着または接着などのいろいろな方法で取り付けられてもよい。
【0025】
ハンドルフラップは、いろいろな製造方法で形成することができ、形状やサイズや形態や位置は限定されない。例えば、ハンドルフラップは溶着、融着、接着などのいろいろな方法で製造され、完全に一体となるように周囲に沿って接合されるか、あるいは接合されず開放されたままであってもよい。これらのオプションは、
図7、
図8および
図14でさらに詳しく記載されている。ハンドルフラップは、
図7の符号21で示すように、袋の縁部であって袋の周囲のどのような位置に設けてもよい。同様に、
図5Cおよび
図5Dに示すように、袋自体がハンドル結び目型袋(handle tie bag)でなくてもよい。
【0026】
図6A-Bの例は、底部ハンドルおよび上部ハンドルが同一のものであるが、この特別なハンドルの配置に限定されるものではなく、またそのように示唆されるものでもない。また、底部ハンドルは、実際に袋の「底部」になくてもよく、袋の縁部や側部にあってもよい。
【0027】
図6A-Bでは、袋は開口部から詰められるようになっており、この開口部はハンドル32において袋の上端となる。上述したように、袋は詰め込みが終わると、使用者が上部ハンドル32において引き紐を引き寄せて結ぶ。底部ハンドル20も引き寄せられ、いろいろな結び方でよいが、
図6Bに示すように上部ハンドル32と同様なやりかたで、使用者が結び目やストラップを掴むことを可能にする。
【0028】
上述したように、ハンドルはいろいろなタイプのものでよい。
図7および
図8は、ハンドルフラップ20に形成されたハンドルの例を示している。以下、このタイプのハンドルをホールハンドル(hole handle)40と称する。
図7では、ハンドルの異なる2つの設置位置が示されているが、別の実施形態では上部ハンドル、底部ハンドル、側部ハンドルの3つのハンドルを備えることができ、使用者に袋を持ち上げるための2つの選択肢を提供する。ホールハンドル40のフラップ部は、袋10の延出部から形成することができる。このフラップ部については、以下において製造方法との関連で詳述する。袋が詰められると、
図8に示すように、使用者は袋10の底部でホールハンドルを掴み、袋をより容易に持ち上げることができる。なお、
図8では、ハンドルは同じ材料の単一のパネルではあるが、袋10の前面サイドパネルと後面サイドパネル両方の延出部から形成されていることが分かるであろう。
【0029】
底部ハンドルの構成は、いろいろな用途での使用を容易にするために、サイズや形や位置を調節することができる。例えば、ハンドルは、
図5および
図7に示すように、袋の縁部に設けることもできる。この側部ハンドル21は袋の縁部に取り付けてもよく、またこの方法の代わりに、ハンドルフラップ20を袋の底部のシールされたとじ目に取り付けるかあるいはとじ目から延出するようにしてもよい。さらに、ハンドルフラップとハンドルホールは、多くの異なる方法で形成することができる。例えば、ハンドルホール40は、
図7に示すように接合されたハンドルフラップとすることができる。その一方で、
図14との関係で後述するように、とじ目44は、ハンドルフラップの周囲をシールすることによって形成することもでき、また同様に開口42の周囲をシールすることもでき、あるいはハンドルフラップの全面を一体に接着またはシールした形態46とすることもできる。他の例では、フラップ間に接着剤、補強材あるいは強化材を入れ、その状態でフラップをシールすることもできる。
【0030】
また、他のバリエーションとして、
図9および
図10は、ハンドル部結び目型の袋(handle-tie bag)の例を示している。ハンドル部結び目型の袋は、通常スカラップ状の(scalloped)そうでなければ湾曲したセグメントからなる複数の延出部を有しており、それらを結んで袋の上部を閉めることができる。袋10の底部も結び目50からなるハンドルを有している。
図10に示すように、袋が詰められると下部ハンドルが結ばれ、使用者がそれを掴んで袋を搬送することを可能にする。他の可能性のあるハンドルの構造は、ミシン目型のハンドル結び目(perforated handle tie)である。このハンドル構造では、ミシン目に沿って引き裂くことでハンドルの少なくとも1部が袋の本体部から分離する一方、ハンドルの部分は通常本体部に連結されたままである。
【0031】
本発明の実施形態の範囲に含まれる他の変形例や改良が存在する。例えば、ハンドルの長さを調整可能にし、袋が粗い地表を引きずられる際にそのハンドルが保護層として働くようにすることもできる。
【0032】
同様に、袋は、使用者によって詰められる使い捨てまたは再利用可能な袋に限られない。肥料、木皮の根覆い、鉢植え用の土、砂、コンクリート、米、小麦、とうもろこし、家畜の餌等のかさばる資材や材料(原材料)の製造者や加工者は、それらの原材料をいずれかの端部にハンドルを備えた袋に詰めることができる。これにより、倉庫の労働者や使用者の双方によって原材料をより効率的かつ人間工学的に取り扱うことを可能にする。第2のハンドルは袋から予め詰め込まれた原材料を取り出して空にするのにも役立つ。また、第2のハンドルは、資材や材料をより均等にならすことを容易にし、またあまり行かない場所(less accessible areas)に届けることを容易にする。この場合、「開口部」とは開口するように設計された袋の端部を意味し、例えば袋を開くことを可能にする引き千切り片(tear off strip)やその他の手段などである。
【0033】
さらに、この袋は、袋に入れられる原材料に含まれる液体を吸収する吸収断片(absorbent strip)や吸収ライナ(absorbent liner)を備えることができる。
図11に示すように、第2のハンドルによる袋の底部シール30は、その部分に吸収断片70を保持するようにしてもよい。袋が破けた場合、この断片が袋の中身に含まれる液体を少なくともある程度吸収するので、袋から漏れ出す液体の量を減らすことができる。
【0034】
より多くの液体を含む場合における使用に対しては、袋は層状構造(ply system)を有するように構成することもできる。すなわち、
図12に示すように、プラスチックの2つの層(two plies of plastic)80と84の間に吸収ライナ82を挟持させる構成とすることができる。内側の層が破けた場合、この吸収ライナは、多くの液体を吸収するとともに、袋がさらに破けることを阻止するよい堅牢な機構的な構造として機能する。
【0035】
通常、袋は、原材料/ストック材料(stock material)のチューブ状のロールから形成される。このストックは、フラットな状態で置かれ、次いで、型抜き(stamped)、切断(cut)されるか、ロールから直接形成される。ハンドルは、ストックから袋の底部を切断しシールする工程の一部で袋の底部に形成される。前述したように、この方法は、おそらく、ホールハンドル型袋やハンドル結び目型袋に適したものである。
【0036】
しかしながら、わずかな調節をすることにより、引き紐型の袋の製造工程が容易に適用できることも理解できるであろう。袋の延出部を底部のシールされたとじ目を超えて残すことにより、上記方法により袋の上部と同様に袋の底部に引き紐の特徴を加えることが可能になろう。上述したように、袋のサイズは変わらないの。そのため、標準的なサイズの袋に用いられるプラスチックストックよりも長いストックを用いることによりフラップを作ることができる。袋の端部(底部)の位置は袋の上部と相対的に同じ位置にあるので、ハンドルはストック材料の余分な長さの部分から型抜きあるいは切断される。ハンドルを形成した後で、ストックは通常当該ストックから次の袋を形成するために、まっすぐに切断される。
【0037】
上述したように、ロール状のチューブ状ストックを用いることにより袋の製造がより容易になる。
図13は、2つのハンドルを有する袋の製造に適したストックの例を示している。すなわち、上ハンドル92(第1のハンドル)および下ハンドル40(第2のハンドル)を有する袋10が、ストック100に連続して設けられ、複数の袋10をテセレーション製造することができる例が、
図13に示されている。このストック100は、袋10のような個々の袋の輪郭をストックの所定の部分から形成するために、型抜きされ、切断されあるいはミシン目が入れられる。符号94で示す袋の側縁部は、チューブ状ストックの特性から当然形成される。底部とじ目30は、容器にするために(開口上部を備える袋10とするために)、ストック100を横断するように溶着または型抜きされる。ここで、上ハンドル92(第1のハンドル)は、開口上部に隣接し、かつ開口上部の湾曲した周囲により少なくとも部分的に規定されるように、ストックの所定の部分から形成される。また、上ハンドル92(第1のハンドル)は、開口上部および底部の間におけるストックの側部を切断して形成されるホールによって、少なくとも部分的に規定される。さらに、底部とじ目30の下方に隣接して、ハンドルフラップ20がストックの所定の部分から形成される。ハンドルフラップ20に、ホールが形成されることにより、下ハンドル40が設けられる。換言すると、下ハンドル40は、ハンドルフラップ20において規定されるホールを有する。ハンドルフラップ20に形成されたホールは、ストック100の長手方向に直交する軸(横軸)に実質的に沿って設けられている。また、ハンドルフラップ20の下方周囲は、次の袋の開口上部によって規定されている。すなわち、ハンドルフラップ20の下方周囲は、
次の袋の開口上部の湾曲した周囲と同一形状をなしている。これにより、複数の袋10を連続して製造、すなわちテセレーション製造することができる。なお、ストック100(平らな部材)の長手方向とは、
図13に示す矢印線96の方向を意味する。また、
図13および15に示すように、上ハンドル92のホールおよび下ハンドル40のホールの、ストック100の長手方向における
寸法は、同程度であり、下ハンドル40のホールと次の袋が備える上ハンドル92のホールとが、横軸に(同一線上に)実質的に沿って設けられている。
【0038】
図15は、切断、融着およびミシン目形成が一度に行われる単一の製造工程を示している。これは、CPM(cost per 1,000 impressions)レートを上げる一方製造コストを下げ、製品を市場において価値あるものとする。線90に沿って切断し個々のユニットを製造するか、あるいはミシン目を開けてロール状の複数の袋とする。選択的な上部ハンドル92を型抜きすることもできるが、袋の上部を開放させることを可能にするために溶着されることはない。
図14では、標準的な袋のサイズまたは一般的な袋のサイズに加えて開口部(ホール)の形状と底部ハンドルの形状が示されているが、袋の容積はそのままである。しかしながら、上述した複数の実施形態の範囲で、構成を変えたり、そのままとすることができることが理解されよう。
【0039】
このようにして、人間工学的でより効率的な袋が提供される。第2のハンドルを付加することは比較的容易で安価である。この第2のハンドルは、袋をそれらの容積以上に物を詰め込むことを可能にするが、使用者はそのような袋をより容易に持ち運ぶことができる。
図13および
図15に示すように、複数の袋を製造する際に、一つ前の袋の底部ハンドルの周囲の領域から次の袋のハンドル結び目(handle ties)を作るような構成にしてもよい。本明細書では、一つの袋と次の袋を一緒にするこのタイプの製造方法をテセレーション製造方法(tessellation or tessellated manufacture)と称する。
【0040】
ここまで、補助的ハンドル(secondary handle)を備えた袋についての実施形態を説明したが、そのような特別な参考例が以下の請求項の範囲に対する限定となることは意図していない。